JP2000213528A - 円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善方法及びその装置 - Google Patents
円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善方法及びその装置Info
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- JP2000213528A JP2000213528A JP11020131A JP2013199A JP2000213528A JP 2000213528 A JP2000213528 A JP 2000213528A JP 11020131 A JP11020131 A JP 11020131A JP 2013199 A JP2013199 A JP 2013199A JP 2000213528 A JP2000213528 A JP 2000213528A
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Abstract
品に対して、表面近傍の微少鋳造欠陥を圧着・縮小させ
ることにより、製品仕上げ表面性状を向上させるための
性状改善方法及びその装置を提供すること。 【解決手段】 円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善
方法は、円筒状外周面を有する鋳鋼材1を、その円筒状
部2の軸心を回転装置3の回転中心に一致させて取り付
ける装着工程と、前記円筒状部2を表面より所定温度に
加熱する加熱工程と、前記円筒状部2をワークロール5
とバックアップロール6とで加圧挟持すると共に、前記
回転装置3で前記鋳鋼材1をその円筒状部2の軸心回り
に回転させて、該ワークロール5により前記円筒状部2
に塑性変形を与える熱間ロール加工工程とを有する。
Description
方法及びその装置に係わり、具体的には、鋳鋼製クラン
クスローの欠陥改善方法及びその装置に関する。
と呼ばれる微少鋳造欠陥が不可避的に存在し、これによ
り鍛鋼材と比べて疲労強度が劣る。これを補う手段とし
て、鋳鋼材に冷間ロール加工を施すことにより、(1)
表面部に圧縮の残留応力を付与する、(2)加工部に加
工硬化を生じさせる、(3)加工部の微少欠陥を圧着・
縮小する、等の効果により、材料の疲労強度が向上する
ことは周知の事実である。
は、例えば銅合金など、常温にて鋳鋼などに比べて材料
の変形抵抗の低い材料においては、特開昭59−846
92号公報に示されているように、当該部位を加圧装置
で常温表面加工する方法が知られている。同様に、アル
ミ合金に対しても特開平10−94869号公報に示さ
れるように、各種加圧方法により加工して鋳造欠陥を除
去する方法がある。
などの常温での変形抵抗の高い材料においては、実用的
な加圧力においては、その効果は表面ごく近傍にしか及
ばないため、効果層が浅く、後工程で加工表面を機械加
工する場合には、仕上げ表面に鋳造欠陥が現出する恐れ
がある。そのため、鋳鋼材などにおいては特開平1−1
59135号公報に示される如く、当該部位を表面より
加熱して変形抵抗を下げて打撃を与える方法が採られて
いる。加熱を行って加工することにより欠陥圧着の効果
深さを深くすることは、前述の特開昭59−84692
号公報にも示されている。
工方法は、回転中心を持つ素材への適用を考えた場合に
は、生産性が低く、最適な方法とは言えない。例えば特
開平10−94869号公報の実施例1に示されている
ように、衝撃が加わらないように加圧ピンにて鋳物表面
を加圧する方法の場合、特定の狭い範囲のみを加圧する
には有効であるが、1回の加工面積が小さく且つ加工速
度も低いため、広い範囲全体を加圧するには多くの加工
時間を必要とした。また、特開平1−159135号公
報に示される方式で打撃力を与える加工を行った場合、
上記方法に比べて加工速度は大幅に上昇するが、加工有
効深さは必ずしも十分ではなかった。
による大きな騒音が発生し、作業者及び周辺に与える環
境的影響が大きいと言う問題があった。更に、打撃法に
よる加工の場合は、打撃力の発生方向と打撃方向とを変
えて大きな力を発生するのが難しく、特開平1−159
135号公報の図5に示されているようにフィレット形
状などの内部の加工が出来ないと言う問題があった。特
開平10−94869号公報の実施例2に示されている
方法にてローラを用いて加圧を行った場合、実施例1に
比べ加工時間は大幅に改善されるが、当該記述の方法で
は、シリンダーブロック上面のような平面上部は加工で
きるが、例えば丸棒の外周を加工することが出来ない
か、出来たとしても加工効率は非常に悪いものであっ
た。
回転中心にて加工可能な鋳鋼品に対して、表面近傍の微
少鋳造欠陥を圧着・縮小させることにより、鋳鋼品の疲
労強度を向上させると共に、製品仕上げ表面性状を向上
させるための、生産性の高い性状改善方法及びその装置
を提供することを目的とする。
め、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明の円筒状
外周面を有する鋳鋼材の性状改善方法の特徴とするとこ
ろは、円筒状外周面を有する鋳鋼材を、その円筒状部の
軸心を回転装置の回転中心に一致させて取り付ける装着
工程と、前記円筒状部を表面より所定温度に加熱する加
熱工程と、前記円筒状部をワークロールとバックアップ
ロールとで加圧挟持すると共に、前記回転装置で前記鋳
鋼材をその円筒状部の軸心回りに回転させて、該ワーク
ロールにより前記円筒状部に塑性変形を与える熱間ロー
ル加工工程とを有する点にある。
面温度が700℃〜1250℃の範囲であるのが好まし
い。前記加熱工程は前記熱間ロール加工工程中も行われ
るのが好ましい。前記鋳鋼材は、鋳鋼製クランクスロー
であり、前記円筒状部はピン部とフィレット部であるの
が好ましい。前記ピン部とフィレット部の加工に際し、
前記ワークロールを取り替えるのが好ましい。
状改善装置の特徴とするところは、円筒状外周面を有す
る鋳鋼材を、その円筒状部の軸心回りに回転させる回転
装置と、前記円筒状部を表面より所定温度に加熱する加
熱装置と、前記円筒状部をワークロールとバックアップ
ロールとで加圧挟持すると共に、前記回転装置で円筒状
部の軸心回りに回転させて、該ワークロールにより前記
円筒状部に塑性変形を与える加圧装置とを有する点にあ
る。前記回転装置は、鋳鋼材を載置して縦軸芯回りに回
転させる回転テーブルを有するのが好ましい。
が好ましい。前記加圧装置と回転装置とは接近・離反自
在に設けられているのが好ましい。前記加圧装置は、C
型フレームを有し、該C型フレームの中心部に前記円筒
状部が位置し、前記C型フレームの両端に油圧シリンダ
が設けられ、各油圧シリンダには前記ワークロールとバ
ックアップロールが支持され、前記一対の油圧シリンダ
には同一油路から分岐した分岐路が接続されているのが
好ましい。前記構成の本願発明によれば、回転中心軸を
もつ形状の鋳鋼材に対し、効率的に表面層の鋳造欠陥を
圧着・縮小させることができる。また、打撃法では加工
が十分に行えない、例えばフィレットの内部などの位置
の品質も改善することができる。
面に基づき説明する。図1に示すものは、本発明に係わ
る円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善装置の概略図
である。この装置は、円筒状外周面を有する鋳鋼材1
を、その円筒状部2 の軸心回りに回転させる回転装置3
と、前記円筒状部2 を表面より所定温度に加熱する加熱
装置4 と、前記円筒状部2 をワークロール5 とバックア
ップロール6 とで加圧挟持すると共に、前記回転装置3
で円筒状部2 の軸心回りに回転させて、該ワークロール
5 により前記円筒状部2 に塑性変形を与える加圧装置7
とから主構成されている。
する鋳鋼材1 の一例としてのテストピースであり、該鋳
鋼材1 は、円筒状部2 の両端にフランジ部8 を有する。
円筒状部2 の直径は692mmで、フランジ部8 の直径
は1050mmで、高さは570mmある。円筒状部2
とフランジ部8 の境界部分に、フランジ部側に凹入する
フィレット部9 が形成されている。この両側のフィレッ
ト部9,9 間がピン部10とされている。尚、フランジ部8
の内面に形成された溝11は、ワークロール挿入用の進入
溝である。
を詳述する。前記回転装置3 は、鋳鋼材1 を載置して縦
軸芯回りに回転させる回転テーブル12を有する。この回
転テーブル12の上面に素材固定用治具13が設けられてい
る。この回転テーブル12は、回転速度、回転数、回転角
度等の制御が可能とされている。前記素材固定用治具13
に、前記鋳鋼材1 が、その円筒状部2 の中心と回転テー
ブル12の回転中心とが一致するよう取り付けられ、固定
される。
し、ピン部10及びフィレット部9 をその表面より加熱す
るものである。この実施例では、加熱バーナー14の一例
として、複数のガスバーナーが用いられている。この加
熱装置4 は、火力や火炎、位置等を制御して、加熱温度
の制御を可能としている。前記加圧装置7 は、前記回転
テーブル12の両側に配置された左右のフレーム15,15 を
有し、該一対のフレーム15は連結部材16で剛体結合され
ている。前記右フレーム15には、伸縮自在な油圧シリン
ダ17を介して前記ワークロール5 が支持され、左フレー
ム15には、伸縮自在な油圧シリンダ17を介して前記バッ
クアップロール6 が支持されている。前記油圧シリンダ
17は、上下方向位置調整自在に設けられている。この場
合、左右フレーム15に上下移動可能に設けられたシリン
ダ取付部材(図示省略)に左右の油圧シリンダ17を設け
れば、左右の油圧シリンダの上下位置を同時に行える。
円筒部2 の中心を通る直径線上に位置するよう配置さ
れ、該直径方向に伸縮自在とされている。前記バックア
ップロール6 は、上下二段でかつ円筒状部2 の周方向に
2個の計4個のロールを有する。勿論このバックアップ
ロール6 は、円筒状部2 の直径線上に位置して、ワーク
ロールと対峙する1個のロールから成るものであっても
よい。また、上下1段で周方向に2個配置したものでも
よい。前記ワークロール5 は、作業によって取り替え自
在に設けられている。即ち、油圧シリンダ17の先端部に
ローラヘッド18が取り替え自在に設けられ、該ローラヘ
ッド18にワークロール5 が回転自在に設けられている。
形状が示されている。同図(a)に示すものは、フィレ
ット部9 の奥部を加工するものである。前記油圧シリン
ダ17の端部に着脱自在に取り付けられる前記ローラヘッ
ド18は、その上下面が、二等辺三角形のテーパ面19に形
成され、該上下のテーパ面19にローラ支持体20が摺動自
在に設けられている。ローラ支持体20は、ワークロール
5 の支軸21を介して該ロール5 を回転自在に支持してい
る。そして、油圧シリンダ17が伸長してローラヘッド18
が図3(a)の左方向に移動すると、ローラ支持体20は
ローラヘッド18のテーパ面19に押されて両者間に相対移
動が生じ、ワークロール5 の先端は、図示矢印方向に移
動し、鋳鋼材1 のフィレット部9 の奥部に塑性変形を与
える。
すものよりもローラ5 の厚みが厚いものであり、前記
(a)に示すローラ5 で加工した部分の両側を加工する
ように構成されている。その他の構成は前記(a)に示
すものと同じである。同図(c)に示すものは、前記
(b)に示すローラ5 で加工した部分の外側のピン部10
側を加工するものである。ローラヘッド18には、垂直軸
22が設けられ、該垂直軸22の上下両端部にワークロール
5 が回動自在に支持されている。同図(d)に示すもの
は、前記(c)で加工した部分の内側のピン部10を加工
するものであり、その他の構成は前記(c)に示すもの
と同じである。
工した部分の内側のピン部10を加工するものであり、ワ
ークロール5 は1個設けられ、ワークローラ5 は上下方
向往復移動自在に設けられている。尚、この上下方向移
動可能な構成は、(e)図のものに限らず、例えば
(d)に示すものにも適用できる。次に、前記装置を用
いた鋳鋼材1 の性状改善方法につき説明する。この方法
は、円筒状外周面を有する鋳鋼材1 を、その円筒状部2
の軸心を回転装置3 の回転中心に一致させて取り付ける
装着工程と、前記円筒状部2 を表面より所定温度に加熱
する加熱工程と、前記円筒状部2 をワークロール5 とバ
ックアップロール6 とで加圧挟持すると共に、前記回転
装置3 で前記鋳鋼材1 をその円筒状部2 の軸心回りに回
転させて、該ワークロール5 により前記円筒状部2 に塑
性変形を与える熱間ロール加工工程とを有する。
部2 の中心が回転テーブル12の回転中心と一致するよ
う、素材固定用治具13を介して回転テーブル12に固定す
る。次いで、回転テーブル12を回転させながら、加熱装
置4 のガスバーナ14により、鋳鋼材1 の円筒状部2 (ピ
ン部10及びフィレット部9 )をその表面温度が700℃
〜1250℃の範囲になるよう加熱する。この実施例で
は950℃になるまで加熱した。更に加熱、回転を継続
しながら、加圧装置7 のバックアップロール6 とワーク
ロール5 とで、素材1 の円筒状部2 を挟持・加圧する。
このときのワークロール5 の形状は、図3(a)に示す
ものである。この加圧において、ワークロール5による
素材1 の圧下量が3mmとなるよう、圧下量制御(油圧
シリンダ17の伸長制御)を行いながら、円筒状部2 の周
方向全体に圧下を行った。
(e)に示す形状のものに順次取り替えて、同様に圧下
を行い、素材1 のフィレット部9 及びピン部10全体に熱
間ロール加工を行った。前記熱間ロール加工完了後、鋳
鋼材1 を回転テーブル12上から撤去して放冷した。その
後、鋳鋼材1 全体を炉中で920℃に加熱して20時間
保持、空冷する焼準処理を行った。更にその後、630
℃、18時間の焼戻し処理を行った。前記処理を行った
上記素材1 から、図4に示すフィレット部9 とピン部10
から試験片を採取し、以下の調査を行った。尚、対比の
ため、同一の方法で製作し、前記熱間ロール加工工程の
みを省略した素材を用いて、同一の調査を行った。 (1)機械的性質の調査、組織調査、及び、疲労強度調
査 図5は、機械的性質及び組織の調査結果であり、熱間ロ
ール加工を行った箇所と、熱間ロール加工を行わなかっ
た箇所のものを対比したものである。尚、試験片の採取
位置は、どちらもピン部である。この結果から明らかな
ように、熱間ロール加工の実施によっても、組織及び機
械的性質は特に変化がないことが判った。
る。熱間ロール加工を適用していない素材の疲労強度は
約21kgf/mm2 であるのに対し、熱間ロール加工
を施した本発明に係わるものでは、27kgf/mm2
の疲労強度が得られ、約30%の疲労強度の向上が得ら
れた。この値は、引張強度の約50%に相当し、鍛鋼材
と同等の疲労強度レベルである。 (2)微小鋳造欠陥の圧着・縮小効果の調査 更に、従来の欠陥圧着・縮小法との比較を行うため、特
開平1−159135号公報に示される方式で打撃力を
与える加工を行った。素材は熱間ロール加工の試験に用
いたものと同様のものを使用し、加工装置においても、
加圧装置を除いて同一のものを使用した。その打撃装置
の概要を図7に示す。打撃装置としては、打撃力18k
g・mのエアハンマーの先端に打撃用ロッドを装着した
ものを用いた。打撃工具は、直径60mmであり、圧痕
の幅の1/2が少なくともオーバラップするように打撃
を与えた。この方法を以下、「熱間ハンマリング」と呼
ぶ。打撃可能であった領域は、図8の(a)の斜線部に
示す範囲であり、同図(b)の熱間ロール加工法による
加工領域との対比を示す。
マリングの欠陥圧着・縮小効果を比較するために、以下
の調査を行った。熱間ロール加工と熱間ハンマリング加
工を行った素材のピン部を、グラインダおよび研磨を行
うことにより、表面粗度を上げ、表面より超音波探傷を
行って、深さ35mmまでの検出される全ての欠陥を記
録した。探傷を行う部分の面積はどちらも同じとした。
図9に、前記超音波探傷の結果を示す。これにより、熱
間ハンマリング加工による欠陥圧着・縮小効果深さは、
約10mmであるのに対し、熱間ロール加工を行った場
合は、20mm以上の深さまで、効果が及んでいること
が確認された。
の鋳鋼材に対し、効率的に表面層の鋳造欠陥を圧着・縮
小させることができる。また、打撃法では加工が十分に
行えない、例えばフィレットの内部などの位置の品質も
改善することができる。また、上記方法によれば、加工
を行った鋳鋼材の表面層の材料の疲労強度を同程度レベ
ルの鍛鋼材と同等レベルまで向上させることができる。
更に、打撃法に比べ、より深い位置の鋳造欠陥まで、圧
着・縮小させることができる。また、打撃法のような大
きな騒音なしに、良好な環境下で、作業を実施すること
ができる。
実施の形態であり、図1に示すものと同じ部分は同じ符
号で示し、その詳細説明は、前述のものを援用する。こ
の実施例の被加工物は、鋳鋼製クランクスロー1 であ
る。このクランクスロー1 は、組立式クランク軸に用い
られるものであり、その大きさは大きなもので、ピン部
10の直径が約1m、ピン中心とジャーナル中心間距離が
約1.3m、左右のスロー間の間隙が約0.3mあるも
のである。本発明に係わる円筒状外周面を有する鋳鋼材
の性状改善装置は、回転装置3 を有する。この回転装置
3 は、回転テーブル12を有し、該テーブル12は回転速度
最大1rpm、回転トルク最大54m・Tまで可能とさ
れている。回転テーブル12には、固定用治具13が設けら
れ、該治具13は、クランクスロー1 のピン部10の中心と
回転テーブル12の中心とを一致させてクランクスロー1
を回転テーブル12に固定する。
側)に加熱装置4 が設けられている。この加熱装置4
は、ガスバーナ14を用いたものであり、クランクスロー
1 のピン部10及びフィレット部9 をその表面から局部加
熱するものである。この加熱バーナ14は、加熱するクラ
ンクスローの大きさにより、最大5組まで使用する。本
実施例では、3組をセットした例が示されている。この
ガスバーナ14の使用燃料はLNGであり、酸素を用いて
燃焼させている。空気を用いた燃焼では必要な温度まで
の昇温が困難であるので、酸素を用いている。バーナ14
の位置は、被加工物1 に合わせて調整可能とされてい
る。バーナ14は、熱による損傷を防ぐため、水冷式とさ
れている。
が敷設され、該レール23上に加圧装置7 が設けられてい
る。即ち、前記加圧装置7 は、門型フレーム24を有し、
該門型フレーム24は、左右のフレーム15と、該左右フレ
ーム15の上端部を連結する連結部材16とからなる。左右
フレーム15の下部に走行装置25が設けられ、該走行装置
25が前記レール23上を走行可能としている。この走行装
置25は電動機等により駆動される自走式とされている。
また、固定装置(図示省略)が設けられ、油圧クランプ
機構等を用いて前記門型フレーム24を任意の位置に固定
可能としている。
26が昇降自在に設けられている。このC型フレーム26は
所定厚みの板材から成り、左右方向中央部の前側に円弧
状凹部27が形成され、該凹部27は、クランクスロー1 の
ピン部10の外周域を包囲する形状とされている。また、
C型フレーム26の厚み(上下方向寸法)は、クランクス
ロー1 の間隙に入る厚みとされている。そして、クラン
クスロー1 が回転したとき干渉しない部分の周縁にフラ
ンジ28が形成され、当該C型フレーム26の補強がされて
いる。
フレーム15の内面側に設けたガイド29に昇降自在に係合
している。このC型フレーム26は電動機等により、昇降
が可能で、また、図示省略のロック装置により、任意の
位置に固定可能とされている。前記C型フレーム26の左
右両端部に油圧シリンダ17,17 が取り付けられている。
左右のシリンダ17は、前記円弧状凹部27の中心を通る直
線上に対向配置されている。前記シリンダ17のピストン
ロッド30の先端に摺動部材31が取り付けられ、該摺動部
材31は、前記C型フレーム26の前縁部に設けられたガイ
ド32に左右方向移動自在に嵌合している。
ヘッド18を介してバックアップロール6 が回転自在に取
り付けられている。他方の摺動部材31にも着脱自在なロ
ーラヘッド18を介してワークロール5 が回転自在に設け
られている。前記左右の油圧シリンダ17への作動油供給
配管は、同一油路から分岐した分岐路とされている(図
示省略)。即ち、左右の油圧シリンダ17へ供給される作
動油は互いに連通していおり、該シリンダ17のピストン
ロッド30先端に設けられたワークロール5 とバックアッ
プロール6 が、互いに接近または離反するよう構成され
ていると共に、両ロール5,6 が円筒状部2 を挟持した状
態において、左右方向に自由に移動自在とされている。
即ち、前記油圧シリンダ17は、円筒状部2 の回転時の芯
振れを、左右方向に関して許容する構成とされている。
の交換等を行う差異の作業性を考慮して、加圧時以外の
ときは、油圧回路のスイッチを切り換えることにより、
左右独立して移動させることもできるよう構成されてい
る。前記ワークロール5 とバックアップロール6 とで、
クランクスロー1 の円筒状部2 (ピン部10とフィレット
部9 )を挟持して、前記油圧シリンダ17で加圧すると
き、この加圧力は、C型フレーム26の内部で相殺され、
門型フレーム24には伝わらない構造とされている。そし
て加圧時に作用するピストンロッド30等の座屈現象は、
摺動部材31とガイド32の嵌合によって防止されている。
細であり、前記図3(a)に対応する形状のもので、こ
のワークロール5 は、フィレット部9 を加工するため、
上下一対のローラ5 の先端間の距離が、スロー間の間隙
よりも大きいため、クランクスロー1 の形状によって
は、加工状態の姿勢のままでは、ワークロール5 をフィ
レット部9 にセットすることができない場合がある。図
2のテストピース1 の場合は装入溝11を形成したが、ク
ランクスロー1 のような製品ではこのような挿入用溝を
形成できない場合がある。
支軸33を介して相対回動自在に取り付けて、セット時に
は、ローラヘッド18を回動させて、スロー間の間隙に挿
入できるようにし、挿入後、回動して加工姿勢となるよ
う、連結プレート34で固定するようにしている。図3
(b)〜(e)に対応するローラヘッド18も回動自在の
構造とされている。尚、このような回動機構は油圧を用
いて、遠隔操作可能に構成することができる。次に前記
構成の装置の動作を説明する。
ム24を回転装置3 から離した待機位置に位置させる。回
転テーブル12上にクランクスロー1 を乗せ、ピン部10の
中心と回転テーブル12のセンターが一致するようにし
て、固定治具13を介して回転テーブル12上にクランクス
ロー1 を固定する。回転テーブル12を回転させながら、
バーナ14に点火し、ピン部10とフィレット部9 を加熱す
る。待機位置の加圧装置7 においては、クランクスロー
1 の形状に合わせたワークロール5 とバックアップロー
ル6 を摺動部材31に取り付ける。
度まで加熱されると、門型フレーム24を回転テーブル12
のセンター位置まで前進させ、その位置で固定する。こ
の時、必要に応じ、一時的に加熱を中断したり、回転テ
ーブル12の回転を停止したりする場合がある。次に、油
圧シリンダ17のピストンロッド30を前進させ、回転テー
ブル12でクランクスロー1 を回転させながらクランクス
ロー1 の円筒状部2 をワークロール5とバックアップロ
ール6 で挟み込み、熱間ロール加工を行う。このとき、
C型フレーム26を昇降装置(図示省略)を使用して、高
さ方向の加工位置を変えることにより、同一のローラ5
で広範囲を加工することができる。
ピストンロッド30を後退させ、さらに門型フレーム24を
待機位置まで後退させる。このとき、必要に応じ、一時
的に加熱を中断したり、回転テーブル12の回転を停止し
たりする。続いて、別の位置を加工する場合は、ワーク
ロール5 を交換し、前記作業を繰り返す。全ての加工が
完了すれば、門型フレーム24を待機位置に退避させ、バ
ーナ14を消火した後、回転テーブル12の回転を停止させ
て、クランクスロー1 を回転テーブル12上から撤去す
る。
のに限定されるものではない。
の鋳鋼材に対し、効率的に表面層の鋳造欠陥を圧着・縮
小させることができる。また、打撃法では加工が十分に
行えない、例えばフィレットの内部などの位置の品質も
改善することができる。
置の概略構成図である。
面図、同(b)は正面図である。
である。
る。
械的性質及び組織の調査結果の顕微鏡写真である。
略図である。
図である。
失効果の比較グラフである。
状改善装置の平面図である。
ある。
Claims (10)
- 【請求項1】 円筒状外周面を有する鋳鋼材を、その円
筒状部の軸心を回転装置の回転中心に一致させて取り付
ける装着工程と、 前記円筒状部を表面より所定温度に加熱する加熱工程
と、 前記円筒状部をワークロールとバックアップロールとで
加圧挟持すると共に、前記回転装置で前記鋳鋼材をその
円筒状部の軸心回りに回転させて、該ワークロールによ
り前記円筒状部に塑性変形を与える熱間ロール加工工程
とを有することを特徴とする円筒状外周面を有する鋳鋼
材の性状改善方法。 - 【請求項2】前記加熱工程において、前記円筒状部の表
面温度が700℃〜1250℃の範囲であることを特徴
とする請求項1記載の円筒状外周面を有する鋳鋼材の性
状改善方法。 - 【請求項3】 前記加熱工程は前記熱間ロール加工工程
中も行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の
円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善方法。 - 【請求項4】 前記鋳鋼材は、鋳鋼製クランクスローで
あり、前記円筒状部はピン部とフィレット部であること
を特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の円筒状
外周面を有する鋳鋼材の性状改善方法。 - 【請求項5】 前記ピン部とフィレット部の加工に際
し、前記ワークロールを取り替えることを特徴とする請
求項4記載の円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善方
法。 - 【請求項6】 円筒状外周面を有する鋳鋼材を、その円
筒状部の軸心回りに回転させる回転装置と、 前記円筒状部を表面より所定温度に加熱する加熱装置
と、 前記円筒状部をワークロールとバックアップロールとで
加圧挟持すると共に、前記回転装置で円筒状部の軸心回
りに回転させて、該ワークロールにより前記円筒状部に
塑性変形を与える加圧装置とを有することを特徴とする
円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善装置。 - 【請求項7】 前記回転装置は、鋳鋼材を載置して縦軸
芯回りに回転させる回転テーブルを有することを特徴と
する請求項6記載の円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状
改善装置。 - 【請求項8】 前記加熱装置は、加熱バーナーからなる
ことを特徴とする請求項6又は7記載の円筒状外周面を
有する鋳鋼材の性状改善装置。 - 【請求項9】 前記加圧装置と回転装置とは接近・離反
自在に設けられていることを特徴とする請求項6又は7
記載の円筒状外周面を有する鋳鋼材の性状改善装置。 - 【請求項10】 前記加圧装置は、C型フレームを有
し、該C型フレームの中心部に前記円筒状部が位置し、
前記C型フレームの両端に油圧シリンダが設けられ、各
油圧シリンダには前記ワークロールとバックアップロー
ルが支持され、前記一対の油圧シリンダには同一油路か
ら分岐した分岐路が接続されていることを特徴とする請
求項6〜9の何れか一つに記載の円筒状外周面を有する
鋳鋼材の性状改善装置。
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