JP2000212362A - 低誘電率組成物及びその成形体 - Google Patents

低誘電率組成物及びその成形体

Info

Publication number
JP2000212362A
JP2000212362A JP1747799A JP1747799A JP2000212362A JP 2000212362 A JP2000212362 A JP 2000212362A JP 1747799 A JP1747799 A JP 1747799A JP 1747799 A JP1747799 A JP 1747799A JP 2000212362 A JP2000212362 A JP 2000212362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric constant
hollow body
tetrafluoroethylene
low dielectric
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1747799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Sunahara
一夫 砂原
Seisaku Kumai
清作 熊井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seimi Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seimi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seimi Chemical Co Ltd filed Critical Seimi Chemical Co Ltd
Priority to JP1747799A priority Critical patent/JP2000212362A/ja
Publication of JP2000212362A publication Critical patent/JP2000212362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子回路基板やLSIの絶縁皮膜として好適
に利用できる良好な特性を示す成形体を製造可能な低誘
電率組成物及び該成形体の提供。 【解決手段】 平均粒径0.001〜100μmのポリ
テトラフルオロエチレン等の比誘電率3.0以下のフッ
素樹脂を50重量%以上含有する球状中空体(体積%で
5〜70%)とフッ素樹脂等のマトリックスを形成する
成分とを混合し、溶融、固化させて電子回路基板やLS
Iの絶縁皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路基板、L
SIの層間絶縁膜等の成形体を好適に形成することので
きる低誘電率組成物、並びにこの組成物を原材料として
製造された先の成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子回路用の低誘電率組成物としては、
エポキシ樹脂(比誘電率4.5)、ポリイミド樹脂(比
誘電率3.5)あるいはフッ素樹脂(比誘電率2.0)
が、配線基板材料用の低誘電率絶縁材料として補強材の
ガラス繊維と複合化して従来用いられているのが知られ
ている。またLSI(大規模集積回路)用の低誘電率組
成物としては、酸化珪素(SiO2、比誘電率4.
0)、HSQ(水素シルセスキオキサン、HSi
1.5、比誘電率3.0)、ポリイミド樹脂(比誘電率
3.5)あるいはフッ素樹脂(比誘電率2.0)が配線
容量を減らすために用いられていることも知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この低誘電率材料を利
用する電子回路等の分野においては、配線間の結合容量
を低下させ、かつ伝送遅延を減らし回路の高速信号処理
を可能にするため、誘電率をより一層低下させた等の優
れた特性を有し、広範な分野に利用することのできる低
誘電率組成物の出現が望まれている。本発明は、このよ
うな技術的要請に対応することのできる新規な低誘電率
組成物を提供することを発明の解決すべき課題とするも
のであり、また発明の目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、低誘電率組成
物及びそれを使用して製造した成形体の発明を提供する
ものであり、前者の発明の低誘電率組成物は、平均粒径
0.001〜100μmの微小中空体と、マトリックス
を形成する成分とを混合した組成物であって、該微小中
空体は、比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂を50重量
%以上含有し、かつ組成物全体に対して5〜70体積%
の含有量であることからなるものである。そして、後者
の発明の成形体は、平均粒径0.001〜100μmの
微小中空体がマトリックス中に分散した成形体であっ
て、該微小中空体が比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂
を50重量%以上含有し、かつ組成物全体に対して5〜
70体積%の含有量であることからなるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の低誘電率組成物の主成分
である微小中空体の製造原料の比誘電率3.0以下の含
フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエ−テル共重合体(PFA)、テトラフルオロエ
チレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(E
TFE)及び脂肪族環構造を有するフッ素樹脂からなる
群より選ばれた一種以上である。
【0006】そして、それら樹脂は単独使用してもよい
し、2種以上を混合使用してもよい。またこれら樹脂に
ついては、単独重合体でもよいし、その変性重合体であ
ってもよい。さらに重合度については、50〜1000
0が好ましく、特に好ましい重合度の範囲は100〜5
000である。その中空体における含フッ素樹脂の含有
量については、比誘電率を低くするために50重量%以
上であることが必要であり、好ましくは80重量%以上
であり、より好ましくは90重量%以上であるのがよ
い。
【0007】本発明においては、微小中空体の平均粒径
(直径)は、0.001〜100μmの範囲にあること
が必要である。その理由は、平均粒径が0.001μm
未満の場合には粉体としての取り扱いが困難となり、ま
た真密度の小さい中空体とはなりにくいので不適当であ
る。逆に平均粒径が100μmを越える場合は組成物表
面の表面平滑性が低下しやすいので不適当である。好ま
しい平均粒径は、0.01〜50μmであり、より好ま
しい範囲は、0.05〜10μmである。
【0008】また、形状については、ほぼ完全な球状で
あることが好ましく、その場合には耐圧強度及び流動性
が大きく他の樹脂などに混合して使用する場合も混合時
に破壊せず樹脂成形品の表面平滑性も大きくなる。その
形状については前記したほぼ完全な球状に限られるもの
ではないが、極端に球状から逸脱した形状の場合には流
動性が不足するため表面平滑性を損なうことになるので
使用を回避する必要がある。その耐圧強度については1
00kg/ cm2以上が好ましく、より好ましくは15
0kg/ cm2以上のものがよい。
【0009】そして、本発明における微小中空体のかさ
密度及び真密度については、それぞれ0.0001 〜
1.5 g/cm3、0.01 〜2.0 g/cm3程度
が好ましい。それは真密度が0.01g/cm3以下で
は、中空体の肉厚が低下し、耐圧強度が低下するため好
ましくない。真密度が2.0g/cm3以上では、中空
体の肉厚が厚くなりすぎ,内部の空洞が少なくなるため
好ましくない。好ましくは、0.02〜1.8cm3
より好ましくは0.05 〜1.6 g/cm3がよい。
【0010】次に、本発明の組成物の原材料の1である
微小中空体の製造方法について詳述する。その製造は本
発明者による発明(特開平7−216127号公報)に
従って行うことで可能であり、この方法によってほぼ球
状の微小中空体が製造できる。また、この方法によって
得られる中空体の耐圧強度は、100kg/ cm2
上、特には150kg/ cm2以上であり、耐圧強度の
大きなものがこの方法により製造可能である。その具体
的な手法は以下のとおりである。
【0011】まず、その概略について述べると、液状媒
体中に比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂またはその前
駆体物質が分散または溶解した分散液または溶液を調整
する。この溶液または分散液を微小液滴化し、上記液状
媒体が急激に気化しかつ比誘電率3.0以下の含フッ素
樹脂が焼結または溶融する高温雰囲気中に上記微小液滴
を供給し、生成した比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂
の微小中空体を回収することにより微小中空体が取得で
きる。
【0012】その際の液状媒体としては、水が好ましい
が、ハロゲン化炭化水素、エ−テル、アルコ−ル、ケト
ン、炭化水素、有機酸、パ−フルオロ溶媒などの有機系
媒体も使用することができる。液状媒体の沸点は、50
〜200℃の範囲にあることが好ましい。より好ましい
沸点の範囲は、80〜120℃である。微小液滴を形成
する際の液状体としては、比誘電率3.0以下の含フッ
素樹脂を高濃度に含有することのできる比誘電率3.0
以下の含フッ素樹脂の分散液を使用するのが好ましい。
【0013】分散液中の含フッ素樹脂の濃度及び粒子径
は、製造される微小中空体の粒子径、密度及び強度等に
密接に関係する。分散液中の比誘電率3.0以下の含フ
ッ素樹脂の粒子径は、好ましくは0.0001〜0.5
μm、特には0.0005〜0.1μmが好ましい。分
散液は、好ましくは均一な懸濁液、あるいは必要に応じ
て乳化剤を使用して乳濁液とし、均一なコロイド溶液と
するのが好ましい。分散液の濃度は、好ましくは0.1
〜80重量%、特には1〜10重量%が好ましい。
【0014】比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂は、溶
媒に溶解しにくく、該樹脂を直接溶解して高濃度の溶液
を形成することは難しい。しかしながら、それに代えて
比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂を生成する前駆体物
質を溶解した溶液を経由することで含フッ素樹脂を溶解
した溶液の形成は可能である。その際の溶液濃度は、好
ましくは0.1〜80重量%、特には1〜10重量%が
好ましい。
【0015】本発明に使用する中空体の製造方法におい
ては、上記した分散液または溶液をまず微小液滴化す
る。微小液滴化する手段については、特に制限されるこ
とはないが、好ましくは超音波法、スプレ−法、ロ−タ
−法などの既知の手段が採用される。微小液滴の粒子径
は、製造される微小中空体の粒径と関係する。液状媒体
の種類にもよるが、平均粒径としては、好ましくは0.
001〜10μm、特には0.01〜5μmにするのが
適切である。微小中空体の肉厚は、噴霧する液滴の濃度
や粒径、あるいは加熱条件等により制御することができ
る。
【0016】このようにして形成された微小液滴は、次
いで高温雰囲気に供給されることになるが、この雰囲気
における温度及び雰囲気は、製造される微小中空体の粒
径等の性質、構造等の各種の点に影響を与える。温度は
液状媒体が急激に気化し、かつ比誘電率3.0以下の含
フッ素樹脂が焼結または溶融する範囲にすることが必要
である。その急激に気化する温度は、液状媒体の摂氏温
度(℃)による沸点に比し、好ましくは1.5倍以上の
温度、より好ましくは2〜10倍の温度がよい。例えば
液状媒体として水を使用する場合には、150〜100
0℃が好ましく、特に好ましくい温度は200〜800
℃である。
【0017】その高温雰囲気の温度については、全体を
均一の温度にしても良いが、2段以上の複数の異なる温
度域を設置してもよく、それには例えば液状媒体が急激
に気化する温度域及び比誘電率3.0以下の含フッ素樹
脂が焼結または溶融する温度域の2段の温度域が考えら
れるし、またそれ以上の多段の温度域に構成することも
可能である。またその高温雰囲気で採用できる雰囲気気
体あるいは圧力等については特には限定されず、大気圧
でもよいし、それ以外の真空、あるいは不活性雰囲気等
も採用できる。
【0018】微小液滴の高温雰囲気への噴霧は前記した
微小液滴化する手段を使用することによって行われ、そ
れによって微小液滴が高温雰囲気に供給される。高温雰
囲気は、例えば管状炉、流動炉や噴霧乾燥機等の装置に
よって好ましく形成される。高温雰囲気中に微小液滴を
噴霧する好ましい具体的手段としては、例えば上記装置
中に微小液滴を形成する超音波噴霧器、スプレ−噴霧
器、回転板噴霧器などが設置されることにより構成さ
れ、それにより微小液滴の線速度が、好ましくは0.0
1m/秒以上、より好ましくは0.1〜10m/秒で噴
霧するようにされる。
【0019】このようにして形成した微小液滴は、上記
高温雰囲気内で、通常10秒〜30分程度保持され、場
合によって(前駆体を利用した場合)は上記のように反
応を伴って微小中空体が形成される。形成された微小中
空体は、例えば管状炉を使用した場合には、管状炉から
気体に同伴されて排出されるので、これを水等の液状媒
体、又はバグフィルタ−等を用いて捕集される。
【0020】本発明の原材料の1である微小中空体を製
造するための具体的装置としては、例えば反応管とヒ−
タ−を備えた管状炉に溶液または分散液を微細な液滴に
して供給する噴霧器を備えたものが使用できる。その管
状炉は、ヒ−タ−により所定の雰囲気温度に加熱され、
微小液滴は、管状炉の上方から下方へ重力に従って搬送
されたり、あるいは液滴の液状媒体の蒸発に伴う体積膨
張で生ずる気流により搬送され、液滴の導入口と反対側
から回収される。その際別途搬送ガスを導入してもよ
い。得られた比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂の微小
中空体は、内部が空洞な中空構造を有するため比誘電率
が低く、その比誘電率は1.2〜2.9程度である。
【0021】前記したとおり比誘電率3.0以下の含フ
ッ素樹脂の微小中空体は、内部が空洞な中空構造を有す
るため誘電率が低く、本発明においては、この微小中空
体を5〜70体積%含有させており、その結果誘電率の
低い組成物とすることができるものである。この微小中
空体の含有率が5体積%未満では誘電率の低減効果が少
なく好ましくない。また含有率が70体積%を越えると
マトリックス組成物が相対的に低下し、組成物の表面平
滑性が低下するため好ましくない。この微小中空体の含
有量は好ましくは10〜65体積%、より好ましくは3
0〜60体積%がよい。
【0022】本発明の低誘電率組成物におけるマトリッ
クス成分としては、エポキシ樹脂(比誘電率4.5)や
ポリイミド樹脂(比誘電率3.5)、フッ素樹脂(比誘
電率2.0)が配線基板材料として実績もあり、入手し
やすいので好ましい。また、LSI(大規模集積回路)
用の低誘電率組成物のマトリックス成分としては、ポリ
テトラフルオロエチレン(比誘電率2.0)、テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ−テル
共重合体(比誘電率2.12)、テトラフルオロエチレ
ン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(比誘電率2.
1)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(比
誘電率2.6)、脂肪族環構造を有するフッ素樹脂(商
品名サイトップ、比誘電率2.6)、酸化珪素(SiO
2、比誘電率4.0)、HSQ(水素シルセスキオキサ
ン、HSiO1.5、比誘電率3.0)、ポリイミド樹脂
(比誘電率3.5)等が実績もあり、入手しやすいので
好ましい。
【0023】本発明においては、微小中空体はマトリッ
クス成分と混合して使用されるが、その際の混合には、
各種手段が制限されることなく採用でき、それには乳
鉢、ライカイ機、超音波ホモジナイザ及び3本ロールミ
キサー等があるが、乳鉢、3本ロールミキサーが好まし
く使用できる。本発明の組成物の提供時の形態について
も、特に制限されるところはなく、個別に収納・保管し
た状態で提供してもよいし、両成分を混合した状態で提
供してもよい。
【0024】そして、成形体の形状、構造あるいは形態
についても特に制限されるところはなく、板状態、基体
上への被覆膜、等のいずれの形態も採用でき、各用途に
適した形状が採用可能である。
【0025】次に、本発明で最も重視している低誘電率
を達成するための低誘電率化のメカニズムについて述べ
る。本発明においては、組成物中に比誘電率3.0以下
の含フッ素樹脂の微小中空体が含有されており、その中
空体の空洞には空気が存在している。この空洞中の空気
は誘電率が1であり、そのため組成物及びそれから形成
した成形体は比誘電率が低下することになる。また、こ
の中空体は球状あるいはそれに近い形状の粉末で、かつ
平均粒径が0.001〜100μmであるため、低誘電
率組成物から形成した成形体は表面平滑性を損なうこと
がなく、電子回路基板やLSIの絶縁皮膜として良好な
特性を示すものとなる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示し、それによ
り本発明の特徴及び作用効果等をより一層具体的に示す
が、本発明はこの実施例によって何等限定されるもので
はなく、それは特許請求の範囲の記載によって特定され
るものであることは勿論である。
【0027】各実施例及び比較例において、分散液ある
いは溶液を供給して超音波噴霧器(2MHz)により微
小液滴化し、管状炉(均熱帯の長さ50cm、直径9c
m)に導入して微小中空体を得た。生成した微小中空体
はバグフィルタ−(フッ素樹脂被覆ガラス布使用)によ
り捕集・回収した。回収した微小中空体は、各例で使用
するマトリックス成分と所定の割合で乳鉢中で10分間
混合し、回転数2000rpmのスピンコ−タ−にて、
直径50mmの金を蒸着したサファイア基板上にコ−テ
ングし、230℃で10分間加熱し、固化させた。
【0028】そして、各実施例及び比較例において、サ
ファイア基板上にコ−テングして固化させた被膜に関し
各種評価を行った。また各実施例及び比較例における微
小中空体についても各種の分析を実施した。それら評価
法及び分析方法は以下のとおりである。
【0029】形状:微小中空体をエポキシ樹脂と混合し
て硬化させ、切断し断面を研磨して微小中空体の断面を
露出させた後、金を蒸着し日本電子(株)製JSM−T
300型走査型電子顕微鏡にて形状観察を行った。 平均粒径:微小中空体を両面テープ上に固定した後、金
を蒸着し、日本電子(株)製JSM−T300型走査型
電子顕微鏡にて観察し、画像解析により平均粒径を算出
した。
【0030】かさ密度:(株)倉持科学器械製作所製振
とう比重測定装置KRS−406(測定条件:1/3H
z、アップ−ダウン30mm、700回)にて微小中空
体のタップ密度を測定した。 真密度:島津製作所製マイクロボリウムピクノメーター
にてヘリウムガスを用いたガス置換法により真密度を求
めた。ここでいう真密度とは、微小中空体の質量を空隙
部分も含んだ体積で除算したものである。 耐圧強度:日音医理化機械製作所製静水圧耐圧強度試験
器を用いて微小中空体の10%が圧壊した強度を求め
た。
【0031】表面粗度:東京精密(株)製表面粗さ計
(商品名サ−フコム)にて、サファイア基板上にコ−テ
ングして固化させて表面の表面粗さを測定し、Raを求
めた。Ra0.1μ以下を合格とした。 比誘電率:ヒュ−レットパッカ−ド(株)製HP419
2Aにて、周波数1MHzにおけるサファイア基板上に
コ−テングして固化させた成形体の誘電率を測定し、マ
トリックス成分の誘電率との比較を行い、誘電率の低下
効果の有無を確認した。
【0032】(実施例1)粒径0.05μmのポリテト
ラフルオロエチレンを水に分散させた5重量%の懸濁液
を調製した。この懸濁液を超音波噴霧器(周波数2MH
z)を使用して平均粒径3μmの微小液滴にし、この液
滴を大気雰囲気で250℃に保持した管状炉(均熱帯:
長さ50cm、直径9cm)中に1ml/分の速度で投
入し、生成した粉状体をバグフィルター(フッ素樹脂被
覆ガラス布使用)により捕集し回収した。
【0033】回収した粉状体を分析したところ、平均粒
径0.25μm、かさ密度0.002g/cm3 、真密
度0.08g/cm3 の真球状のポリテトラフルオロエ
チレン微小中空体であった。また、この微小中空体の耐
圧強度は120kg/cm2であった。さらに、回収し
た微小中空体を液状のフッ素樹脂(比誘電率2.6、商
品名サイトップ、旭硝子製(株)製)中に70体積%で
配合し、乳鉢中で10分間混合し、回転数2000rp
mのスピンコ−タ−にて、直径50mmの金を蒸着した
サファイア基板上にコ−テングし、230℃で10分間
加熱し固化させ、Raと比誘電率とを求めたところ、そ
れぞれRa=0.03μ、比誘電率1.2であった。
【0034】(実施例2)粒径0.05μmのポリテト
ラフルオロエチレンを水に分散させた2重量%の懸濁液
を調製した。この懸濁液を超音波噴霧器(周波数2MH
z)を使用して平均粒径2μmの微小液滴にし、これを
大気雰囲気で300℃に保持した管状炉(均熱帯:長さ
50cm、直径9cm)中に1ml/分の速度で投入
し、生成した粉状体をバグフィルター(フッ素樹脂被覆
ガラス布使用)により捕集・回収した。
【0035】回収した粉状体を分析したところ、平均粒
径0.15μm、かさ密度0.001g/cm3 、真密
度0.06g/cm3 の真球状のポリテトラフルオロエ
チレン微小中空体であった。また、この微小中空体の耐
圧強度は100kg/cm2であった。さらに、回収し
た微小中空体を液状のフッ素樹脂(比誘電率2.6、商
品名サイトップ、旭硝子(株)製)中に50体積%で配
合し、乳鉢中で10分間混合し、回転数2000rpm
のスピンコ−タ−にて直径50mmの金を蒸着したサフ
ァイア基板上にコ−テングし、230℃で10分間加熱
し固化させ、Raと比誘電率とを求めたところ、それぞ
れRa=0.01μ、比誘電率1.3であった。
【0036】(実施例3)粒径0.05μmのポリテト
ラフルオロエチレンを水に分散させた10重量%の懸濁
液を調製した。この懸濁液を超音波噴霧器(周波数2M
Hz)を使用して平均粒径2μmの微小液滴にし、これ
を大気雰囲気で250℃に保持した管状炉(均熱帯:長
さ50cm、直径9cm)中に1ml/分の速度で投入
し、生成した粉状体をバグフィルター(フッ素樹脂被覆
ガラス布使用)により捕集・回収した。
【0037】回収した粉状体を分析したところ、平均粒
径0.8μm、かさ密度0.003g/cm3、真密度
0.01g/cm3の真球状のポリテトラフルオロエチ
レン微小中空体であった。また、この微小中空体の耐圧
強度は160kg/cm2であった。さらに、回収した
微小中空体を液状のフッ素樹脂(比誘電率2.6、商品
名サイトップ、旭硝子(株)製)中に10体積%で配合
し、乳鉢中で10分間混合し、回転数2000rpmの
スピンコ−タ−にて直径50mmの金を蒸着したサファ
イア基板上にコ−テングし、230℃で10分間加熱し
固化させ、Raと比誘電率とを求めたところ、それぞれ
Ra=0.01μ、比誘電率1.7であった。
【0038】(実施例4)脂肪族環構造を有するフッ素
樹脂(商品名サイトップ、比誘電率2.6)の5重量%
パ−フルオロトリブチルアミン溶液を調製した。この溶
液を超音波噴霧器(周波数2MHz)を使用して、平均
粒径3μmの微小液滴にし、これを大気雰囲気で250
℃に保持した管状炉(均熱帯:長さ50cm、直径9c
m)中に1ml/分の速度で投入し、生成した粉状体を
バグフィルター(フッ素樹脂被覆ガラス布使用)により
捕集・回収した。
【0039】回収した粉状体を分析したところ、平均粒
径0.28μm、かさ密度0.002g/cm3 、真密
度0.07g/cm3の真球状の微小中空体であった。
また、この微小中空体の耐圧強度は110kg/cm2
であった。さらに、回収した微小中空体を、微小中空体
と同一樹脂である脂肪族環構造を有するフッ素樹脂(商
品名サイトップ、比誘電率2.6)中に70体積%で配
合して乳鉢中で10分間混合し、回転数2000rpm
のスピンコ−タ−にて直径50mmの金を蒸着したサフ
ァイア基板上にコ−テングし、230℃で10分間加熱
し固化させ、Raと比誘電率を求めたところ、それぞれ
Ra=0.02μ、比誘電率1.2であった。
【0040】(比較例1)粒径0.05μmのポリテト
ラフルオロエチレンを水に分散させた10重量%の懸濁
液を調製した。この懸濁液を超音波噴霧器(周波数2M
Hz)を使用して平均粒径2μmの微小液滴にし、これ
を大気雰囲気で250℃に保持した管状炉(均熱帯:長
さ50cm、直径9cm)中に1ml/分の速度で投入
し、生成した粉状体をバグフィルター(フッ素樹脂被覆
ガラス布使用)により捕集・回収した。
【0041】回収した粉状体を分析したところ、平均粒
径0.8μm、かさ密度0.003g/cm3、真密度
0.01g/cm3の真球状のポリテトラフルオロエチ
レン微小中空体であった。また、この微小中空体の耐圧
強度は160kg/cm2であった。さらに回収した微
小中空体を液状のフッ素樹脂(比誘電率2.6、商品名
サイトップ、旭硝子(株)製)中に80体積%で配合し
て乳鉢中で10分間混合し、回転数2000rpmのス
ピンコ−タ−にて直径50mmの金を蒸着したサファイ
ア基板上にコ−テングし、230℃で10分間加熱し、
固化させ、Raと比誘電率を求めたところ、それぞれR
a=0.7μm、比誘電率1.2であった。
【0042】(比較例2)粒径0.05μmのポリテト
ラフルオロエチレンを水に分散させた2重量%の懸濁液
を調製した。この懸濁液を超音波噴霧器(周波数2MH
z)を使用して平均粒径2μmの微小液滴にし、これを
大気雰囲気で300℃に保持した管状炉(均熱帯:長さ
50cm、直径9cm)中に1ml/分の速度で投入
し、生成した粉状体をバグフィルター(フッ素樹脂被覆
ガラス布使用)により捕集・回収した。
【0043】回収した粉状体を分析したところ、平均粒
径0.15μm、かさ密度0.001g/cm3 、真密
度0.06g/cm3 の真球状のポリテトラフルオロエ
チレン微小中空体であった。また、この微小中空体の耐
圧強度は100kg/cm2であった。さらに、回収し
た微小中空体を液状のフッ素樹脂(比誘電率2.6、商
品名サイトップ、旭硝子(株)製)中に3体積%で配合
して乳鉢中で10分間混合し、回転数2000rpmの
スピンコ−タ−にて直径50mmの金を蒸着したサファ
イア基板上にコ−テングし、230℃で10分間加熱し
固化させ、Raと比誘電率を求めたところ、それぞれR
a=0.01μ、比誘電率2.0であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の低誘電率組成物においては、比
誘電率2のポリテトラフルオロエチレン等の低誘電率の
含フッ素樹脂を50重量%以上含有する微小中空体が配
合されていて、かつその中空体の空洞には誘電率1の空
気が含有されている。その結果この組成物を加熱固化し
て板状態あるいは被覆膜を形成することにより、極めて
低誘電率の成形体を製造することが可能となる。また、
成形体は、中空体の含有量及び平均粒径を所定の範囲に
維持することにより、その表面の平滑性を損なうことも
ない。以上のとおりであるから、本発明の低誘電率組成
物は、電子回路基板やLSIの絶縁皮膜として好適に利
用できる良好な特性を示す成形体を提供することが可能
であり、その効果、特に工業的効果は多大なものであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB03W BB03X BD12W BD12X BD15W BD15X BD16W BD16X BE04W BE04X CD12W CM04W FA10X GQ01 5G305 AA07 AA11 AB10 BA13 BA18 BA24 BA27 CA15 CA21 CA38 CA51 CC02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.001〜100μmの微小
    中空体とマトリックスを形成する成分とを混合した組成
    物であって、該微小中空体は、比誘電率3.0以下の含
    フッ素樹脂を50重量%以上含有し、かつ組成物全体に
    対して5〜70体積%の含有量である低誘電率組成物。
  2. 【請求項2】 微小中空体を形成する比誘電率3.0以
    下の含フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テ
    トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
    −テル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
    オロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エ
    チレン共重合体及び脂肪族環構造を有するフッ素樹脂か
    らなる群より選ばれた一種以上である請求項1記載の低
    誘電率組成物。
  3. 【請求項3】 マトリックスを形成する成分が、ポリテ
    トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パー
    フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、テトラフル
    オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テ
    トラフルオロエチレン/エチレン共重合体、脂肪族環構
    造を有するフッ素樹脂、含フッ素酸化珪素、含フッ素ポ
    リイミド樹脂及び含フッ素エポキシ樹脂からなる群より
    選ばれた一種以上である請求項1又は2記載の低誘電率
    組成物。
  4. 【請求項4】 比誘電率が、2.0以下である請求項
    1、2又は3記載の低誘電率組成物。
  5. 【請求項5】 平均粒径0.001〜100μmの微小
    中空体がマトリックス中に分散した成形体であって、該
    微小中空体が比誘電率3.0以下の含フッ素樹脂を50
    重量%以上含有し、かつ組成物全体に対して5〜70体
    積%の含有量である低誘電率成形体。
  6. 【請求項6】 微小中空体を形成する比誘電率3.0以
    下の含フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テ
    トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
    −テル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
    オロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エ
    チレン共重合体及び脂肪族環構造を有するフッ素樹脂か
    らなる群より選ばれた一種以上である請求項5記載の低
    誘電率成形体。
  7. 【請求項7】 マトリックスを形成する成分が、ポリテ
    トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パー
    フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、テトラフル
    オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テ
    トラフルオロエチレン/エチレン共重合体、脂肪族環構
    造を有するフッ素樹脂、含フッ素酸化珪素、含フッ素ポ
    リイミド樹脂及び含フッ素エポキシ樹脂からなる群より
    選ばれた一種以上である請求項5又は6記載の低誘電率
    成形体。
  8. 【請求項8】 成形体が、基体上に形成された被膜であ
    る請求項5、6又は7記載の低誘電率成形体。
JP1747799A 1999-01-26 1999-01-26 低誘電率組成物及びその成形体 Pending JP2000212362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1747799A JP2000212362A (ja) 1999-01-26 1999-01-26 低誘電率組成物及びその成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1747799A JP2000212362A (ja) 1999-01-26 1999-01-26 低誘電率組成物及びその成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000212362A true JP2000212362A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11945097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1747799A Pending JP2000212362A (ja) 1999-01-26 1999-01-26 低誘電率組成物及びその成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000212362A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007056158A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Nagoya Institute Of Technology 樹脂組成物およびそれを用いた配線回路基板
JPWO2005019336A1 (ja) * 2003-08-25 2007-11-01 ダイキン工業株式会社 成形体及びその製造方法、高周波信号伝送用製品並びに高周波伝送ケーブル
JP2017525585A (ja) * 2014-09-30 2017-09-07 エルジー・ケム・リミテッド フレキシブル金属積層体およびその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005019336A1 (ja) * 2003-08-25 2007-11-01 ダイキン工業株式会社 成形体及びその製造方法、高周波信号伝送用製品並びに高周波伝送ケーブル
JP4816084B2 (ja) * 2003-08-25 2011-11-16 ダイキン工業株式会社 高周波信号伝送用製品及びその製造方法並びに高周波伝送ケーブル
JP2007056158A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Nagoya Institute Of Technology 樹脂組成物およびそれを用いた配線回路基板
JP2017525585A (ja) * 2014-09-30 2017-09-07 エルジー・ケム・リミテッド フレキシブル金属積層体およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Guo et al. One‐step liquid metal transfer printing: toward fabrication of flexible electronics on wide range of substrates
Kim et al. Mechanism of particle removal by megasonic waves
TWI363075B (en) A resin composition
WO2018043683A1 (ja) 金属積層板およびその製造方法、ならびにプリント基板の製造方法
JP3369181B2 (ja) マイクロパウダー
KR20040062690A (ko) 금속 산화물 분산체
CN103923332A (zh) 一种基于聚酰亚胺基体纳米SiO2空心球复合材料的制备方法
KR19980041670A (ko) 접착제-충전제 필름 복합재료 및 이의 제조방법
JP6014270B2 (ja) 軟性金属積層体およびその製造方法
CN103937241A (zh) 一种基于聚酰亚胺基体纳米SiO2空心球复合材料的制备方法
TW200911890A (en) Method of changing rheology in filled resin systems using cavitation
TWI253981B (en) Mesoporous silica/fluorinated polymer composite material
Abshirini et al. 3D printed flexible microscaled porous conductive polymer nanocomposites for piezoresistive sensing applications
TW202235524A (zh) 水性分散液及其製造方法
JP2000212362A (ja) 低誘電率組成物及びその成形体
JPH02289646A (ja) 耐熱樹脂ペーストおよびこれを用いたic
WO2017018105A1 (ja) フッ素樹脂多孔質体、それを用いた金属層付多孔質体及び配線基板
JP2007197715A (ja) 耐熱性樹脂組成物及びプリント配線板
TW202407016A (zh) 液狀組成物、預浸體、附樹脂之金屬基材、配線板及氧化矽粒子
CN109675771A (zh) 一种液态金属涂层的处理方法及其应用
JPH07216127A (ja) ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法
JP2022113635A (ja) 電磁波シールド用組成物、電磁波シールドシート付基体の製造方法、電磁波シールドシート及びプリント配線基板
Kim et al. A simple derivation of the critical condition for the ultrasonic atomization of polymer solutions
Hayashi Gas deposition
Bheekhun et al. Tailoring Aerogel for Thermal Spray Applications in Aero‐Engines: A Screening Study