JP2000212252A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

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JP2000212252A
JP2000212252A JP11020605A JP2060599A JP2000212252A JP 2000212252 A JP2000212252 A JP 2000212252A JP 11020605 A JP11020605 A JP 11020605A JP 2060599 A JP2060599 A JP 2060599A JP 2000212252 A JP2000212252 A JP 2000212252A
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epoxy resin
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semiconductor
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JP11020605A
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Minoru Nakao
稔 中尾
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体素子面あるいはリードフレーム面に対す
る接着性および離型性の双方に優れた半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】下記の一般式(1)で表されるエポキシ樹
脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)とともに、下
記の一般式(2)で表される化合物および下記の一般式
(3)で表される化合物を含む離型剤(C成分)を含有
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。 【化1】 【化2】Ck 2k+1COOCj 2j+1 …(2) 〔上記式(2)において、kは12〜18の整数、jは
30〜40の整数である。〕 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードフレームお
よび半導体素子との接着性および離型性の双方に優れた
半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた耐
半田性に優れた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ,IC,LSI
等の半導体素子は、外部環境からの保護および半導体素
子のハンドリングを簡易にする観点から、プラスチック
パッケージ等により封止され半導体装置化されている。
そして、上記プラスチックパッケージに用いられる封止
材料としては、一般にエポキシ樹脂組成物が使用され、
さらに上記エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂成
分として、従来、耐半田性を要求される場合には低吸湿
材であるビフェニル系エポキシ樹脂が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このビ
フェニル系エポキシ樹脂を用いた封止材料からなる封止
樹脂(硬化体)は、半導体素子面あるいはリードフレー
ム面に対する接着性が充分ではなかったため、耐半田性
に関して満足し得るものではなかった。このようなこと
から、上記ビフェニル系エポキシ樹脂よりも低吸湿性を
示し耐半田性に優れたスチルベン系のエポキシ樹脂が開
発されこれを用いた封止材料が提案されている。しか
し、このスチルベン系のエポキシ樹脂を用いた封止材料
において、従来から用いられている離型剤を使用した場
合、金型離型性とリードフレーム等に対する接着性のバ
ランスが悪く、連続成形性等において問題があった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、半導体素子面およびリードフレーム面に対する
接着性と離型性の双方に優れた半導体封止用エポキシ樹
脂組成物およびそれを用いて得られる耐半田性に優れた
半導体装置の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。 (A)下記の一般式(1)で表されるエポキシ樹脂。
【0006】
【化4】
【0007】(B)フェノール樹脂。 (C)下記の一般式(2)で表される化合物および下記
の一般式(3)で表される化合物を含む離型剤。
【0008】
【化5】Ck 2k+1COOCj 2j+1 …(2) 〔上記式(2)において、kは12〜18の整数、jは
30〜40の整数である。〕
【0009】
【化6】
【0010】また、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置を
第2の要旨とする。
【0011】すなわち、本発明者は、半導体素子および
リードフレームとの接着性に優れた封止材料となるエポ
キシ樹脂組成物を得るために一連の研究を重ねた。その
結果、従来から用いられているビフェニル系エポキシ樹
脂よりもさらに低吸湿性を示す前記一般式(1)で表さ
れるエポキシ樹脂を用いるとともに、前記一般式(2)
で表される化合物および一般式(3)で表される化合物
の双方を含む離型剤(C成分)を用いると、半導体素子
およびリードフレームとの接着性が向上するとともに離
型性が向上し、さらに硬化物の高温時での機械強度が向
上し、結果、得られる半導体装置が耐半田性に優れるよ
うになり、しかも優れた連続成形性を示すことを見出し
本発明に到達した。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0013】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、特定のエポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂
(B成分)と、特定の離型剤(C成分)とを用いて得ら
れるものであり、通常、粉末状あるいはこれを打錠した
タブレット状になっている。
【0014】上記特定のエポキシ樹脂(A成分)は、下
記の一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である。
【0015】
【化7】
【0016】なお、上記一般式(1)において、n,m
がそれぞれ0の場合は、下記の一般式(1a)で表され
るエポキシ樹脂である。
【0017】
【化8】
【0018】そして、上記一般式(1)で表されるエポ
キシ樹脂のなかでも、式(1)中のR′がHであるもの
が好ましく、さらには低吸湿性という観点から、下記の
式(4)で表されるエポキシ樹脂、下記の式(4)で表
されるエポキシ樹脂と下記の式(5)で表されるエポキ
シ樹脂の混合物を用いることが好ましい。下記式(4)
で表されるエポキシ樹脂と式(5)で表されるエポキシ
樹脂の混合物において、その混合比率はモル比で〔式
(4)で表されるエポキシ樹脂〕/〔式(5)で表され
るエポキシ樹脂〕=7/3〜5/5の範囲が好ましい。
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】そして、本発明の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物においては、エポキシ樹脂成分を上記一般式
(1)で表されるエポキシ樹脂のみで構成してもよい
し、式(1)で表されるエポキシ樹脂とともに従来公知
のエポキシ樹脂を併用してなるエポキシ樹脂成分で構成
してもよい。この従来公知のエポキシ樹脂を併用する場
合の併用割合は、上記一般式(1)で表されるエポキシ
樹脂をエポキシ樹脂成分全体中少なくとも70重量%の
割合となるよう設定することが好ましい。特に好ましく
はエポキシ樹脂成分全体の少なくとも80重量%であ
る。上記従来公知のエポキシ樹脂としては、例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等があげられ、単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。なかでも、ビフェニ
ル型エポキシ樹脂を用いることが好ましく、例えば、下
記の一般式(6)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂
が用いられる。
【0022】
【化11】
【0023】上記一般式(6)中のR1 〜R4 で表され
る、−H(水素)または炭素数1〜5のアルキル基のう
ち、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の直
鎖状または分岐状の低級アルキル基があげられ、特にメ
チル基が好ましく、上記R1 〜R4 は互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。なかでも、低吸湿性および反
応性という観点から、上記R1 〜R4 が全てメチル基で
ある下記の式(7)で表される構造のビフェニル型エポ
キシ樹脂、上記R1 〜R4 が全てメチル基である下記の
式(7)で表される構造のビフェニル型エポキシ樹脂と
上記R1 〜R4 が全て水素である構造のビフェニル型エ
ポキシ樹脂が混合重量比1:1の割合で混合された混合
物を用いることが特に好適である。
【0024】
【化12】
【0025】上記特定のエポキシ樹脂(A成分)ととも
に用いられるフェノール樹脂(B成分)は、上記特定の
エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂成分の硬化剤としての
作用を奏するものであって、特に限定するものではなく
従来公知のものが用いられる。例えば、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA型ノ
ボラック、ナフトールノボラックおよびフェノールアラ
ルキル樹脂等があげられる。なかでも、フェノール樹脂
として下記の一般式(8)で表されるフェノールアラル
キル樹脂を用いることが好ましい。
【0026】
【化13】
【0027】上記一般式(8)で表されるフェノールア
ラルキル樹脂としては、水酸基当量160〜190、軟
化点60〜90℃のものを用いることが好ましく、特に
好適なのは水酸基当量160〜180、軟化点70〜8
0℃のものである。
【0028】そして、上記エポキシ樹脂(A成分)と上
記フェノール樹脂(B成分)の配合割合は、上記エポキ
シ樹脂中のエポキシ基1当量当たり、通常、フェノール
樹脂中の水酸基が0.7〜1.3当量となるように設定
され、特に0.8〜1.2当量となるよう設定すること
が好ましい。
【0029】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る特定の離型剤(C成分)は、下記の一般式(2)で表
される化合物および下記の一般式(3)で表される化合
物の2種類の化合物を含む離型剤である。
【0030】
【化14】Ck 2k+1COOCj 2j+1 …(2) 〔上記式(2)において、kは12〜18の整数、jは
30〜40の整数である。〕
【0031】
【化15】
【0032】上記一般式(2)で表される化合物におい
て、式(2)中、繰り返し数kは12〜18の整数でな
ければならず、さらには14〜18の整数であることが
好ましく、特に好ましくは15〜17の整数である。一
方、繰り返し数jは30〜40の整数でなければなら
ず、さらには32〜40の整数であることが好ましく、
特に好ましくは35〜40の整数である。すなわち、繰
り返し数k,jが上記範囲を下回り小さいと、金型面で
の離型剤の熱劣化が著しく、金型汚れの原因となり、か
つ異常滲み出しによるチップやフレーム等との接着力が
低下する。逆に繰り返し数k,jが上記範囲を超えて大
きいと、金型と封止樹脂との離型性が低下するからであ
る。
【0033】そして、上記一般式(3)で表される化合
物において、式(3)中、繰り返し数mは40〜60の
整数でなければならず、さらには45〜60の整数であ
ることが好ましく、特に好ましくは45〜55の整数で
ある。すなわち、繰り返し数mが上記範囲を下回り小さ
いと、金型面での離型剤の熱劣化が著しく、金型汚れの
原因となり、かつ異常滲み出しによるチップやフレーム
等との接着力が低下する。逆に繰り返し数mが上記範囲
を超えて大きいと、金型と封止樹脂との離型性が低下す
るからである。
【0034】上記一般式(2)で表される化合物および
一般式(3)で表される化合物を含む離型剤(C成分)
には、上記化合物以外の通常の離型剤を配合してもよ
い。上記通常の離型剤としては、特に限定するものでは
なく従来公知の各種離型剤、例えば、カルナバワック
ス、ポリエチレンワックス、パラフィンや脂肪酸エステ
ル、脂肪酸塩等があげられる。
【0035】このように、本発明の半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物においては、離型剤成分を上記式(2)お
よび式(3)で表される各化合物の混合物のみで構成し
てもよいし、式(2)および式(3)で表される離型剤
混合物とともに上記従来公知の離型剤を併用した離型剤
成分で構成してもよい。この従来公知の離型剤を併用す
る場合の併用割合は、上記式(2)および式(3)で表
される各化合物を離型剤成分(C成分)全体中少なくと
も60重量%の割合となるよう設定することが好まし
い。特に好ましくは離型剤成分(C成分)全体の少なく
とも70重量%である。
【0036】上記一般式(2)で表される化合物と一般
式(3)で表される化合物の混合割合は、重量基準で、
〔一般式(2)で表される化合物〕/〔一般式(3)で
表される化合物〕=7/3〜3/7の範囲に設定するこ
とが好ましく、特に好ましくは6/4〜4/6の範囲で
ある。すなわち、両化合物の混合割合が上記範囲を外れ
ると、離型性不良や、バリの発生等の問題が生じる傾向
がみられるからである。
【0037】そして、上記特定の離型剤を含む離型剤成
分(C成分)の含有割合は、半導体封止用エポキシ樹脂
組成物全体中、0.1〜1.0重量%の範囲に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは0.2〜0.6重量%
である。すなわち、上記C成分の割合が上記範囲を下回
り少な過ぎると、所望の離型性を得ることが困難とな
り、逆に上記範囲を上回り多過ぎると、異常滲み出しに
よるパッケージ表面のくもりや、金型表面のくもり、さ
らに接着力の低下傾向がみられるからである。
【0038】本発明においては、上記A〜C成分ととも
に各種の無機質充填剤を用いることができる。上記無機
質充填剤としては、特に限定するものではなく従来公知
の各種充填剤があげられ、例えば、石英ガラス粉末、タ
ルク、シリカ粉末、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉
末、窒化珪素粉末等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。そして、上記無機質充
填剤として、得られる硬化物の線膨張係数を低減できる
という点からシリカ粉末を用いることが好ましい。この
シリカ粉末としては、溶融シリカ粉末、結晶性シリカ粉
末があげられるが、なかでも球状溶融シリカ粉末を用い
ることが好ましく、さらにレーザー式粒度測定機による
平均粒径が20〜50μmの範囲のものを用いることが
好ましい。
【0039】上記無機質充填剤の配合量は、エポキシ樹
脂組成物全体の75重量%以上であることが好ましく、
より好ましくは80〜90重量%の範囲であり、特に好
ましくは85〜90重量%である。すなわち、75重量
%未満のように少なすぎると、封止樹脂の吸湿量が増大
し、かつ樹脂強度が低下するため、半導体パッケージの
リフロー時にクラックや剥離が発生し易くなる傾向がみ
られるからである。
【0040】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、上記A〜C成分および無機質充填剤以外
に、硬化促進剤、顔料、可撓性付与剤、シランカップリ
ング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
等)等のカップリング剤、イオントラップ剤、接着付与
剤等を必要に応じて適宜に添加することができる。
【0041】上記硬化促進剤としては、例えば、トリフ
ェニルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジ
アザビシクロアルケン系化合物、トリエチレンジアミン
等の三級アミン類、2−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール類等があげられる。これら化合物は単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
【0042】上記顔料としては、カーボンブラック、酸
化チタン等があげられる。
【0043】また、上記可撓性付与剤としては、各種シ
リコーン化合物やアクリロニトリル−ブタジエンゴム等
があげられる。
【0044】上記イオントラップ剤としては、水酸化ビ
スマス、ハイドロタルサイト類化合物等があげられる。
【0045】そして、上記他の添加剤以外に、ノボラッ
ク型ブロム化エポキシ樹脂等のハロゲン系難燃剤や三酸
化アンチモン等の難燃助剤を用いることができる。
【0046】さらに、上記ハロゲン系難燃剤以外に、下
記の一般式(9)で表される多面体形状の複合化金属水
酸化物を用いることができる。この複合化金属水酸化物
は、結晶形状が多面体形状を有するものであり、従来の
六角板形状を有するもの、あるいは、鱗片状等のよう
に、いわゆる厚みの薄い平板形状の結晶形状を有するも
のではなく、縦、横とともに厚み方向(c軸方向)への
結晶成長が大きい、例えば、板状結晶のものが厚み方向
(c軸方向)に結晶成長してより立体的かつ球状に近似
させた粒状の結晶形状、例えば、略12面体、略8面
体、略4面体等の形状を有する複合化金属水酸化物をい
う。
【0047】
【化16】 m(Ma b )・n(Qd e )・cH2 O …(9) 〔上記式(9)において、MとQは互いに異なる金属元
素であり、Qは、周期律表のIVa,Va,VIa, VII
a,VIII,Ib,IIbから選ばれた族に属する金属元素
である。また、m,n,a,b,c,d,eは正数であ
って、互いに同一の値であってもよいし、異なる値であ
ってもよい。〕
【0048】上記一般式(9)で表される複合化金属水
酸化物に関して、式(9)中の金属元素を示すMとして
は、Al,Mg,Ca,Ni,Co,Sn,Zn,C
u,Fe,Ti,B等があげられる。
【0049】また、上記一般式(9)で表される複合化
金属水酸化物中のもう一つの金属元素を示すQは、周期
律表のIVa,Va,VIa, VIIa,VIII,Ib,IIbか
ら選ばれた族に属する金属である。例えば、Fe,C
o,Ni,Pd,Cu,Zn等があげられ、単独でもし
くは2種以上併せて選択される。
【0050】このような結晶形状が多面体形状を有する
複合化金属水酸化物は、例えば、複合化金属水酸化物の
製造工程における各種条件等を制御することにより、
縦,横とともに厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大
きい、所望の多面体形状、例えば、略12面体、略8面
体、略4面体等の形状を有する複合化金属水酸化物を得
ることができ、通常、これらの混合物からなる。
【0051】上記多面体形状を有する複合化金属水酸化
物の具体的な代表例としては、酸化マグネシウム・酸化
ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和
物、酸化マグネシウム・酸化銅の水和物等があげられ
る。
【0052】そして、上記多面体形状の複合化金属水酸
化物では、その最大粒径が10μm以下であることが好
ましい。特に好ましくは最大粒径が6μm以下である。
さらに、上記多面体形状の複合化金属水酸化物の比表面
積が2.0〜4.0m2 /gの範囲であることが好まし
い。なお、上記多面体形状の複合化金属水酸化物の比表
面積の測定は、BET吸着法により測定される。
【0053】また、上記多面体形状を有する複合化金属
水酸化物のアスペクト比は、通常1〜8、好ましくは1
〜7、特に好ましくは1〜4である。ここでいうアスペ
クト比とは、複合化金属水酸化物の長径と短径との比で
表したものである。すなわち、アスペクト比が8を超え
ると、この複合化金属水酸化物を含有するエポキシ樹脂
組成物が溶融したときの粘度低下に対する効果が乏しく
なる。
【0054】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
すなわち、特定のエポキシ樹脂(A成分)、フェノール
樹脂(B成分)、特定の離型剤(C成分)および無機質
充填剤ならびに必要に応じて他の添加剤を所定の割合で
配合する。つぎに、この混合物をミキシングロール機等
の混練機を用いて加熱状態で溶融混練し、これを室温に
冷却する。そして、公知の手段によって粉砕し、必要に
応じて打錠するという一連の工程によって目的とする半
導体封止用樹脂組成物を製造することができる。
【0055】このようにして得られる半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止方法は、特
に限定するものではなく、通常のトランスファー成形等
の公知の成形方法によって行うことができ、半導体装置
化することができる。
【0056】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0057】まず、下記に示す各成分を準備した。
【0058】〔エポキシ樹脂A〕下記の式(a)で表さ
れるエポキシ樹脂(エポキシ当量208、融点135
℃)〔式(a)において、Rがメチル基(M)のエポキ
シ樹脂およびRがtert−ブチル基(B)のエポキシ
樹脂の混合物(モル比M:B=6:4)〕
【0059】
【化17】
【0060】〔エポキシ樹脂B〕上記式(a)で表され
るエポキシ樹脂(エポキシ当量210、融点133℃)
〔式(a)において、Rがメチル基(M)のエポキシ樹
脂およびRがtert−ブチル基(B)のエポキシ樹脂
の混合物(モル比M:B=5:5)〕
【0061】〔エポキシ樹脂C〕下記の式(b)で表さ
れるエポキシ樹脂(エポキシ当量200、融点136
℃)
【0062】
【化18】
【0063】〔エポキシ樹脂D〕下記の式(c)で表さ
れるビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ当量195、
融点107℃)
【0064】
【化19】
【0065】〔エポキシ樹脂E〕ノボラック型ブロム化
エポキシ樹脂(エポキシ当量275、軟化点84℃)
【0066】〔フェノール樹脂〕下記の式(d)で表さ
れるフェノール樹脂(水酸基当量170、軟化点83
℃)
【0067】
【化20】
【0068】〔離型剤A〕
【化21】C1531COOC3979
【0069】〔離型剤B〕下記の構造式(B)で表され
る化合物
【0070】
【化22】
【0071】〔離型剤C〕
【化23】C1735COOC3673
【0072】〔離型剤D〕下記の構造式(D)で表され
る化合物
【0073】
【化24】
【0074】〔シリカ粉末〕球状溶融シリカ粉末(平均
粒径30μm)
【0075】〔シランカップリング剤〕γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン
【0076】
【実施例1〜9、比較例1〜5】下記の表1〜表2に示
す各原料を、同表に示す割合で配合し、90℃に加熱し
たロール混練機(5分間)にかけて溶融混練した。つぎ
に、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット
状に打錠することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を得た。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】このようにして得られた実施例および比較
例のエポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法に従って、
スパイラルフロー値、ゲルタイムおよび高温曲げ弾性
率、高温曲げ強度、吸湿率、接着性、連続成形性、耐半
田性を測定した。その結果を後記の表3〜表4に併せて
示す。
【0080】〔スパイラルフロー値〕スパイラルフロー
測定用金型を用い、175±5℃にてEMMI 1−6
6に準じて測定した。
【0081】〔ゲルタイム〕規定温度(175℃)の熱
平板上に試料(200〜500mg)を載せ、撹拌しな
がら熱平板上に薄く引き伸ばし、試料が熱平板上に溶融
した時点から硬化するまでの時間を読み取りゲル化時間
とした。
【0082】また、上記実施例および比較例で得られた
エポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスファ
ー成形(条件:175℃×2分)し、175℃×5時間
で後硬化することにより半導体装置を得た。この半導体
装置は、LQFP−144(ダイパッドサイズ:7.5
×7.5mm、銅製フレーム)である。
【0083】〔高温曲げ弾性率、高温曲げ強度〕上記実
施例および比較例で得られたエポキシ樹脂組成物を用
い、JIS K6911に準じた曲げ試験片をトランス
ファー成形(175℃×2分間)し、175℃×5時間
後硬化させて作製した。そして、これをさらにPCT
(プレッシャークッカーテスト)槽にて、121℃×1
00%RH中で、96時間吸湿させた後、250℃の恒
温槽を設置したオートグラフ装置で、2分間加熱した。
この後、通常の曲げ試験測定条件に準じて高温曲げ特性
を測定した。
【0084】〔吸湿率〕上記実施例および比較例で得ら
れたエポキシ樹脂組成物を用い、直径50mm×厚み1
mmの円板状硬化体を作製した(成形条件:175℃×
2分間+後硬化175℃×5時間)。これを、85℃/
85%RH中で168時間吸湿させた。このときの吸湿
前後の重量から吸湿率を算出した。
【0085】〔接着性〕上記各エポキシ樹脂組成物と金
属フレーム板とを用いて、図1に示すように、金属フレ
ーム板13の左端表面に円錐台形状の樹脂硬化体15が
設けられた接着力測定サンプルを、トランスファーモー
ルド法(175℃×2分間、175℃×5時間後硬化)
によって成形した(接着部の面積は10mm2 )。これ
を用いて、図2に示すように、測定治具16により樹脂
硬化体15を挟持した後、この測定治具16の端部をオ
ートグラフ装置のチャック17で固定するとともに、測
定サンプルの金属フレーム板13の端部を他のオートグ
ラフ装置のチャック18で固定して矢印方向に荷重を加
えながら金属フレーム板13表面の樹脂硬化体15が金
属フレーム板13から剥がれ落ちる際の剪断力を測定し
この値を接着力とした。なお、上記金属フレーム板13
の材質として、42アロイ合金(42ニッケル−鉄合
金)と銅の2種類を用いて測定した。
【0086】〔連続成形性〕トーワ(TOWA)社製の
オートモールドマシン(CPS−40L)を使用して、
金型をクリーニングした後、型慣れ樹脂(日東電工社
製、KNR−3K)を成形し、その後連続して上記実施
例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用いて成形し
た。そして、金型面のくもりが発生するまでの成形可能
回数をカウントし評価した。
【0087】〔耐半田性〕 クラック発生数 上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168
時間吸湿させた後、240℃×10秒の赤外線(IR)
リフローで半田評価試験を行った。そして、クラックが
発生したパッケージをカウントした。なお、パッケージ
のクラックの解析は超音波顕微鏡を用いた。
【0088】半導体素子界面の剥離 上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168
時間吸湿させた後、240℃×10秒の赤外線(IR)
リフローで半田評価試験を行った。そして、半導体素子
と封止樹脂層(硬化体)との界面に剥離が発生したもの
を○、剥離が発生しなかったものを×として評価した。
なお、界面剥離の解析は超音波顕微鏡を用いた。
【0089】リードフレーム界面の剥離 上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168
時間吸湿させた後、240℃×10秒の赤外線(IR)
リフローで半田評価試験を行った。そして、リードフレ
ームと封止樹脂層(硬化体)との界面に剥離が発生した
ものを○、剥離が発生しなかったものを×として評価し
た。なお、界面剥離の解析は超音波顕微鏡を用いた。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】上記表3〜表4から、実施例品は、スパイ
ラルフロー値およびゲルタイムの各値から良好な流動性
を備えていることがわかる。しかも、低吸湿性を示して
おり、優れた接着性を備えるとともに連続成形性評価テ
ストにおいても良好な結果が得られたことから接着性お
よび離型性の双方ともに優れたものであることがわか
る。そして、耐半田性試験においても優れた評価結果が
得られていることから信頼性の高い半導体装置が得られ
たことがわかる。これに対して、比較例1、4、5品
は、接着力が実施例品より低く、かつ耐半田性評価試験
においてもクラックが発生し易く、半導体素子およびリ
ードフレームの界面の少なくともいずれかにおいて剥離
が発生しており半導体装置としての信頼性が低いもので
あった。そして、連続成形性評価テストにおいては比較
例5品以外は全て実施例品よりも劣る結果が得られた。
【0093】
【発明の効果】以上のように、本発明は、前記一般式
(1)で表されるエポキシ樹脂に加え、前記一般式
(2)で表される化合物および一般式(3)で表される
化合物の双方を含む特定の離型剤(C成分)を含有する
半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、上
記エポキシ樹脂組成物は、低吸湿性を示すとともに、半
導体素子およびリードフレームに対する優れた接着性を
有しており、しかも高温時の高い樹脂強度を備えてい
る。さらに、離型性に優れており、半導体装置の良好な
連続成形性を示す。したがって、この半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物を用いて樹脂封止された半導体装置は優
れた耐半田性を備えるようになり高信頼性に優れた半導
体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂組成物からなる樹脂硬化体の接着
性を評価する際に用いられる接着力測定サンプルを示す
斜視図である。
【図2】樹脂硬化体とフレームとの剪断力の測定方法を
示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4J002 AE03Y AE04Y CC03X CC10X CD03W EH096 EH146 FD16Y FD166 GQ05 4J036 AA01 AD10 AF09 BA02 DC41 DC46 DD07 FA10 FB02 FB07 JA07 KA05 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EA06 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB13 EB18 EB19 EC01 EC03 EC05 EC09 EC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するこ
    とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (A)下記の一般式(1)で表されるエポキシ樹脂。 【化1】 (B)フェノール樹脂。 (C)下記の一般式(2)で表される化合物および下記
    の一般式(3)で表される化合物を含む離型剤。 【化2】Ck 2k+1COOCj 2j+1 …(2) 〔上記式(2)において、kは12〜18の整数、jは
    30〜40の整数である。〕 【化3】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体
    装置。
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