JP2000212065A - 肛門用坐剤 - Google Patents

肛門用坐剤

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JP2000212065A
JP2000212065A JP11008070A JP807099A JP2000212065A JP 2000212065 A JP2000212065 A JP 2000212065A JP 11008070 A JP11008070 A JP 11008070A JP 807099 A JP807099 A JP 807099A JP 2000212065 A JP2000212065 A JP 2000212065A
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suppository
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diameter
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JP11008070A
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English (en)
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Teruyuki Samejima
輝行 鮫島
Yoshikazu Tsubakino
美和 椿野
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Amato Pharmaceutical Products Ltd
Original Assignee
Amato Pharmaceutical Products Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】現在用いられている肛門用坐剤は紡錘形のもの
で、この形状のものは坐剤挿入時に途中排出される率が
高く、これが肛門、直腸に疾患を持つ患者のコンプライ
アンスの低下につながる。 【解決手段】頭部、頸部および胴部からなる回転体構造
を有し、頭部、胴部の寸法および頸部の段差と傾斜角が
それぞれ特定の範囲内にある本発明の肛門用坐剤は途中
排出される率が極めて低く、前記課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直腸に投与する肛門
用坐剤に関するものである。さらに詳しくは坐剤の頭部
と胴部の間に一定の段差部を設け、坐剤各部の直径、長
さの寸法および形状を定めることで、坐剤の挿入性を改
善し、且つ坐剤挿入時の途中排出を防止し、特に直腸及
び肛門に疾患を抱えている患者の坐剤挿入時の患部への
刺激や挿入後の違和感を抑え、患者のコンプライアンス
の向上を目指した肛門用坐剤に関する。
【0002】
【従来の技術】坐剤は油脂性基剤又は水溶性基剤に薬物
を配合し一定の形状に成形した固形の外用剤であり、医
薬品の剤形として古くから用いられているものである。
坐剤の投与経路は肛門、膣および尿道であるがその多く
は肛門で用いられており、その形状および製法について
は日本薬局方等に収載されている。肛門用坐剤は、局所
用および全身用とそれぞれの使用目的に合わせて薬物を
配合しており、市販品で多く用いられているのは痔疾用
薬と解熱鎮痛剤等である。一般に用いられている坐剤の
形状は、容量は多少異なるものの殆どのものが紡錘形に
成形されたもので、坐剤の形状に関する研究はほとんど
行われていないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】市販されている紡錘形
の肛門用坐剤挿入時の困難に関する報告(病院薬学 Vo
l.20,No.1(1994)p89〜96 山下ら)によると、坐剤挿入
時に困った経験があると回答した人の中の53%の人が
坐剤の途中排出を挙げている。また、局所用の痔疾用坐
剤は、坐剤挿入部である直腸や肛門に疾患を抱えている
患者を対象とするために、坐剤挿入時の物理的な刺激に
よる痛みや挿入後の違和感が生じると、これらが途中排
出の増加につながり、患者は以後の投薬を拒み、コンプ
ライアンスの低下につながる。これらの問題点を解決す
る剤形として、局所用として注入型軟膏剤が、また全身
用としては注射筒様のディスボーザブル容器が提案され
ている(薬理と治療Vol.26,No.3(1998)p171〜177 柳川
ら)。しかし、いずれも坐剤に比べて高額であり、また
挿入時の痛み、挿入後の違和感およびそれらからの恐怖
感を回避できてはいない。また局所用の注入軟膏剤では
一定量の投与ができず、ディスボーザブル容器を用いれ
ば定量注も可能であるが、坐剤に比べてその便利性は劣
る。本発明の課題は坐剤の挿入性を改善するとともに、
坐剤挿入時の途中排出を防止し、直腸及び肛門に疾患を
抱えている患者に対する坐剤挿入時の刺激や違和感を抑
え、患者のコンプライアンスを向上させる肛門用坐剤を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】肛門は肛門括約筋という
筋肉層によりとり囲まれている。この肛門括約筋には二
種類あり、内腔に近いものを内括約筋、その外側にある
ものを外括約筋という。内括約筋は不随意筋であり、外
括約筋は随意筋である。大人の解剖学的肛門管は、肛門
縁から歯状線までの約18mmの管腔である。本発明者
らは、種々の実験により、坐剤の挿入が浅く、坐剤全長
の約3分の2以上が肛門管内に止まっている場合、挿入
された坐剤は痛みや違和感による括約筋の収縮により簡
単に途中排出されてしまう事実を知った。そして胴部の
直径より大なる直径を有する頭部と、胴部の間に一定の
段差を設けた坐剤を、その頭部が内括約筋の存在する位
置より奥の腔内に挿入したところ、頭部に続く胴部が内
括約筋の存在する腔内に止まっていても途中排出される
ことは殆どないという結果を得、さらに検討を重ねて本
発明を完成するに至った。すなわち本発明は、先端部が
半球状または半楕円体状の頭部(1)、円柱状の胴部
(2)および頭部と胴部を接合する頸部(3)からなる回
転体であり、その回転体の中心線に沿った縦断面におい
て、頭部下端直径(4)が8〜12mm、胴部直径(5)
が5〜8mm、頭部下端半径と胴部半径の差(6)が1
〜3mm、全長(7)が28〜36mm、頭部下端から
胴部下端までの長さ(8)が18mm以上、頭部下端外
縁の点(9)と胴部上端外縁における点(9)からの最近
点(10)を結んだ直線(11)と点(10)から胴部側面を
垂下した垂線(12)のなす外角(13)が90〜150°
である挿入時の途中排出が防止された肛門用坐剤、であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】肛門用坐剤の挿入性や挿入後の途
中排出については、坐剤頭部(1)、胴部(2)および頸
部(3)の形状、頭部下端の直径(4)、胴部の直径
(5)、頭部下端半径と胴部半径の差(6)、全長
(7)、頭部下端から胴部下端までの長さ(8)頭部下端
外縁の点(9)と胴部上端外縁における点(9)からの最
近点(10)を結んだ直線(11)と、点(10)から胴部側
面を垂下した垂線(12)のなす外角(13)が大きく関与
する。坐剤頭部(1)の形状は、その先端が半球または
半楕円体で先端部に尖った部分を含まない流線形のもの
であればよく、先端部が丸みを帯び、それに続く部分は
円柱状〔図4〕であっても差し支えない。頭部下端の直
径(4)は坐剤の挿入性に関係があり、通常8〜12m
m、好ましくは9〜11mmである。円柱状の胴部
(2)の形状および直径(5)は挿入性および挿入後の違
和感に関係があり、直径(5)は通常5〜8mm、好ま
しくは6〜7.5mmである。頭部下端半径と胴部半径
との差、つまり段差(6)は、頸部(3)が坐剤挿入時の
途中排出を防止するストッパーの役目を果たすための重
要な要素で、通常1〜3mm、好ましくは1.5〜2.
5mmである。頸部の高さ、すなわち、頭部下端と胴部
上端の間隔は、通常0〜4mm、好ましくは1〜3mm
である。
【0006】坐剤の全長(7)は、挿入性、直腸への到
達度、挿入後の違和感に関係があり、通常28〜36m
m、好ましくは30〜33mmである。これが短か過ぎ
ると挿入しにくいうえ坐剤頭部が直腸まで達せず、また
長すぎても挿入時に折れたり、挿入後に違和感が残る。
胴部の長さ(8)は頭部を歯状線の位置より奥の直腸に
挿入することに関係し、通常18mm以上、好ましくは
20〜26mmである。頭部下端外縁の点(9)と胴部
上端外縁の最近点(10)を結んだ直線(11)と、点(1
0)から胴部側面を垂下した垂線(12)のなす角、すな
わち頸部(3)側面の傾斜角(13)は、坐剤挿入時の途
中排出と深い関係があり、その角度は通常90〜150
°、好ましくは90〜135°である。90°以下はそ
れ以上の途中排出防止効果はなく、且つ坐剤の成形上問
題があり、また150°以上では途中排出防止効果が低
下する。なお、頸部側面の傾斜は直線状〔図1〕および
〔図4〕、凸弧状〔図2〕および凹弧状〔図3〕のいず
れであってもよい。
【0007】またこの坐剤に関する基剤および薬物は、
特に限定されるものではなく、たとえばハードファッ
ト、カカオ脂、グリセロゼラチン、水素添加植物油、種
々の分子量を持つポリエチレングリコール混合物、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステルなど安全性等を考慮
して直腸内から投与することが可能であり、さらに医学
的に有用であればどのようなものでも用いることができ
る。この坐剤の製法については、通常行われる坐剤の製
法に従えばよく、たとえば坐剤基剤を溶融し、これに薬
物および必要な他の成分を均一に分散または溶解して、
一定の温度条件下で坐剤の鋳型に充填し、室温付近で固
化させることにより製造することができる。
【0008】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験例をあげて
本発明を具体的に説明する。 実施例1 坐剤の基剤であるハードファットを70℃に加熱して溶
融し、アルミ製の坐剤の型に流し込み室温まで冷却し
て、頭部下端直径(4)が10mm、胴部直径(5)が6
mm、段差(6)が2mm、全長(7)が31.5mm、
頭部下端から胴部下端までの長さ(8)が21.5m
m、頸部傾斜角度(13)が135°、坐剤頭部形状が半
楕円体状、頸部傾斜線が直線状で坐剤胴部形状が円柱で
ある〔図1〕に示される肛門用坐剤を製造した。 実施例2 実施例1と同様の方法で、(4)が10mm、(5)が5
mm、(6)が2.5mm、(7)が31.5mm、
(8)が21.5mm、(13)が150°、坐剤頭部形
状が半楕円体状、頸部傾斜線が直線状で坐剤胴部形状が
円柱である〔図1〕に示される肛門用坐剤を製造した。
【0009】比較例1 実施例1と同様の方法で、(4)幅が10mm、(7)長
さが31.5mm、の紡錘形肛門用坐剤(従来形)を製
造した。 試験例1 実施例1、2および比較例1で製造した坐剤について、
9名のパネリストに坐剤を挿入してもらい、挿入性なら
びに途中排出について下記の方法で評価した。その結果
を〔表1〕に示した。 坐剤の挿入性 ○:挿入が容易。 △:普通。 ×:挿入困難。 坐剤の途中排出 挿入直後の途中排出 有または無 息んだときの途中排出 有または無
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】本発明の肛門用坐剤は、挿入が容易であ
り、挿入時の途中排出が防止され、挿入後の違和感もな
く、特に直腸や肛門に疾患を抱えている患者のコンプラ
イアンスの向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】半楕円体頭部と直線状の頸部傾斜線を有する肛
門用坐剤の縦断面図
【図2】半楕円体頭部と凸弧状の頸部傾斜線を有する肛
門用坐剤の縦断面図
【図3】半楕円体頭部と凹弧状の頸部傾斜線を有する肛
門用坐剤の縦断面図
【図4】先端が丸く円柱状の頭部と直線状の頸部傾斜線
を有する肛門用坐剤の縦断面図
【符号の説明】
(1) 坐剤頭部 (2) 坐剤胴部 (3) 坐剤頸部 (4) 坐剤頭部下端直径 (5) 坐剤胴部直径 (6) 頭部下端半径と胴部半径との差 (7) 坐剤の全長 (8) 頭部下端から胴部下端までの長さ (9) 坐剤頭部下端外縁の点 (10)坐剤胴部上端外縁の点(9)からの最近点 (11)坐剤頭部下端外縁の点(9)と胴部上端外縁にお
ける点(9)からの最近点(10)を結んだ直線 (12)点(9)胴部側面を垂下した垂線 (13)直線(11)と直線(12)のなす外角(坐剤頸部側
面の傾斜角)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部が半球状または半楕円体状の頭部
    (1)、円柱状の胴部(2)および頭部と胴部を接合する
    頸部(3)からなる回転体であり、その回転体の中心線
    に沿った縦断面において、頭部下端直径(4)が8〜1
    2mm、胴部直径(5)が5〜8mm、頭部下端半径と
    胴部半径の差(6)が1〜3mm、全長(7)が28〜3
    6mm、頭部下端から胴部下端までの長さ(8)が、1
    8mm以上、頭部下端外縁の点(9)と胴部上端外縁に
    おける点(9)からの最近点(10)を結んだ直線(11)
    と点(10)から胴部側面を垂下した垂線(12)のなす外
    角(13)が90〜150°である挿入時の途中排出が防
    止された肛門用坐剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010520300A (ja) * 2007-03-05 2010-06-10 二郎 高島 痔核治療坐薬
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