JP2000211497A - 液圧源装置 - Google Patents

液圧源装置

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JP2000211497A
JP2000211497A JP11012755A JP1275599A JP2000211497A JP 2000211497 A JP2000211497 A JP 2000211497A JP 11012755 A JP11012755 A JP 11012755A JP 1275599 A JP1275599 A JP 1275599A JP 2000211497 A JP2000211497 A JP 2000211497A
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hydraulic pressure
pressure
hydraulic
pump
valve
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Shu Shimura
周 志村
Eiji Nakamura
栄治 中村
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の液圧ポンプを含むポンプ装置の改良を図
る。 【解決手段】高圧ポンプ42の吐出口側の逆止弁45よ
り上流側にリリーフ弁48を設けた。高圧ポンプ42の
吐出圧が開弁圧より高くなると、作動液がリリーフ弁4
8を経てリザーバ53に戻されるため、高圧ポンプ42
の吐出圧が過大になることを回避し得、ポンプ装置30
に加わる負荷が過大になることを回避し得る。また、リ
リーフ弁48が、異物のかみこみ等に起因して復帰不能
になっても、逆止弁45により、低圧ポンプ42から吐
出された作動液がリリーフ弁48を経てリザーバ53に
戻されることはない。したがって、ポンプ装置30から
十分な液圧の作動液が供給不能になることを回避し得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧発生装置を複
数含む液圧源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記液圧源装置の一例が、本願出願人に
より先に出願され、未公開である特願平10─3019
29号の明細書に記載されている。この明細書に記載の
液圧源装置は、互いに並列に配設された2つの液圧ポン
プと、一方の液圧ポンプの下流側に設けられた逆止弁
と、他方の液圧ポンプの下流側に設けられたパイロット
式開閉弁とを含むものである。一方の液圧ポンプは、他
方の液圧ポンプより最高吐出圧が高いプランジャポンプ
であり、他方の液圧ポンプは、正・逆両方向に作動液を
吐出可能なギヤポンプである。パイロット式開閉弁は、
一方のプランジャポンプの吐出圧が設定圧より高くなる
と開状態から閉状態に切り換えられるものである。
【0003】本願出願人は、上述の明細書に記載の液圧
源装置の改良を試みた。まず、液圧ポンプの吐出圧が過
大になることを回避するためにリリーフ弁を設けた。リ
リーフ弁を、液圧源装置の下流側(出力側)、すなわ
ち、液圧ポンプが設けられた各液通路の接続部より下流
側の共通吐出通路に1つ設けたのである。このようにリ
リーフ弁を液圧源装置の下流側に設ければ、2つの液圧
ポンプのうちのいずれか一方が作動状態にあり他方が非
作動状態にある場合には、その作動状態にある液圧ポン
プの吐出圧がリリーフ弁の開弁圧より高くなることを回
避し得、両方が作動状態にある場合には、両方の吐出圧
の和が開弁圧より高くなることを回避し得る。しかし、
リリーフ弁が開状態に保たれる異常が生じた場合、すな
わち、異物のかみこみ,錆付き等に起因して閉状態に復
帰不能になった場合には、液圧源装置から液圧を供給す
ることができなくなり、あるいは供給可能な液圧が低く
抑えられてしまうという問題が生じることが明らかとな
った。また、上記液圧源装置においては、プランジャポ
ンプの吐出圧が設定圧より高くなってパイロット式開閉
弁が閉状態に切り換えられると、ギヤポンプによって減
圧することができなくなる問題もあった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題,課題解決手段および
効果】本発明は、以上の事情を背景として、複数の液圧
発生装置を含む液圧源装置の改良を図ることを課題とし
てなされたものであり、本発明によって、下記各態様の
液圧源装置が得られる。各態様は、請求項と同様に、項
に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番
号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発
明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技
術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定
されると解釈されるべきではない。 (1)高圧の液圧を発生させる第1液圧発生装置および
第2液圧発生装置と、前記第1液圧発生装置から第2液
圧発生装置へ向かう方向の作動液の流れを阻止する遮断
装置と、その遮断装置と前記第2液圧発生装置との間の
液圧が予め定められた設定圧より高くなると閉状態から
開状態に切り換わる開放装置とを含むことを特徴とする
液圧源装置(請求項1)。本項に記載の液圧源装置にお
いては、開放装置により第2液圧発生装置から供給され
る作動液の液圧が設定圧より高くなることが回避され
る。第2液圧発生装置や、第2液圧発生装置に接続され
た液通路等に過大な負荷や液圧が加わることを回避する
ことができるのである。この液圧源装置において、万が
一、開放装置が開状態に保たれたままになるという異常
が生じた場合には、第2液圧発生装置から供給される作
動液の液圧が設定圧より低くくなり、あるいは液圧が発
生しなくなるが、第1液圧発生装置から第2液圧発生装
置に向かう方向の作動液の流れが遮断装置により阻止さ
れる。第1液圧発生装置から供給される作動液の液圧が
開放装置の異常によって不当に低く抑えられることが防
止され、液圧源装置から十分な液圧の作動液を供給する
ことができる。このように、本項に記載の液圧源装置に
よれば、開放装置が開状態に保たれたる異常が生じて
も、液圧源装置から十分な液圧の作動液が供給不能にな
ることを回避することができる。開放装置は、遮断装置
と第2液圧発生装置との間の液圧が設定圧より高くなっ
た場合に閉状態から開状態に切り換わるものであり、開
状態においては、第2液圧発生装置の出力側が液圧の低
い低圧部に連通させられる。閉状態から開状態へは、電
気的に切り換えられるものとしても、機械的に切り換え
られるものとしてもよい。開放装置により、第2液圧制
御装置の供給液圧が設定圧より高くなることが回避され
るため、開放装置を昇圧制限装置と考えることもでき
る。遮断装置は、(5) 項に記載のように、常時、第1液
圧発生装置から第2液圧発生装置へ向かう方向の作動液
の流れを阻止し、逆向きの流れを許容する逆止弁とした
り、第2液圧発生装置の作動時や開放装置の異常時等に
閉状態にされる開閉弁としたりすることができる。開閉
弁とする場合には、例えば、第1液圧発生装置の液圧が
第2液圧発生装置の液圧(開放装置の下流側の液圧)よ
り設定圧以上高くなった場合に閉状態にされるパイロッ
ト式開閉弁としたり、(8) 項に記載のように、電気的に
閉状態にされる電磁開閉弁としたりすることができる。
また、遮断装置を電磁開閉弁とし、第2液圧発生装置を
ギヤポンプ等の可逆ポンプを含むものとした場合には、
電磁開閉弁を自由に開状態と閉状態とに切り換えること
ができ、開状態に切り換えれば、いつでも、可逆ポンプ
の逆作動により、当該液圧源装置を減圧装置として機能
させることができる。 (2)前記第1液圧発生装置と第2液圧発生装置とが互
いに並列に設けられ、前記遮断装置が、前記第2液圧発
生装置が設けられた第2液通路の途中の、前記第1液圧
発生装置が設けられた第1液通路との接続部より第2液
圧発生装置側に設けられた(1) 項に記載の液圧源装置。
本項に記載の液圧源装置においては、第1液圧発生装置
と、第2液圧発生装置,遮断装置および開放装置とが並
列に設けられる。液圧源装置からは、第1液圧発生装置
から供給される作動液と第2液圧発生装置から供給され
る作動液との少なくとも一方が供給される。開放装置が
開状態に保たれる異常が生じても、第1液圧発生装置か
ら供給される作動液が液圧源装置からの作動液として供
給される。 (3)前記第2液圧発生装置が、最高吐出圧が前記第1
液圧発生装置の最高発生液圧より高い高圧ポンプを含
み、前記開放装置が、前記高圧ポンプの吐出口側の液圧
がそれ自身の開弁圧以上になると閉状態から開状態に切
り換わるリリーフ弁を含む(1) 項または(2) 項に記載の
液圧源装置(請求項2)。本項に記載の液圧源装置にお
いては、開放装置が設けられた第2液圧発生装置が高圧
ポンプを含むものとされる。開放装置は、少なくとも最
高発生液圧が高い方の液圧発生装置を開放し得るもので
あることが必要である。最高発生液圧が低い方の液圧発
生装置においては、開放装置がなくても、液圧発生装置
またはそれに接続された液通路等に加わる負荷や液圧が
過大にならない場合が多いからである。換言すれば、複
数の液圧発生装置を備えた液圧源装置においては、例え
ば、最高発生液圧が高い液圧発生装置と、最高発生液圧
が問題を生じさせない程度の高さに抑制された液圧発生
装置とを含むものとすることができるのであり、その場
合には、最高発生液圧が高い方の液圧発生装置に開放装
置を設け、低い方の液圧発生装置においては省略するこ
とができるのである。また、前述のように、開放装置が
開状態に保たれる異常が生じた場合には、開放装置が設
けられていない方の第1液圧発生装置から供給される作
動液が液圧源装置からの作動液として供給されることに
なる。開放装置の異常時に、高圧ポンプを含む第2液圧
発生装置から供給される作動液が液圧源装置から供給さ
れるより、低圧ポンプ含む第1液圧発生装置からの作動
液が供給された方が望ましい場合が多い。例えば、液圧
源装置の出力側の液圧が、第2液圧発生装置の制御によ
って制御されるより、第1液圧発生装置の制御によって
制御される方が、望ましい場合がその一例であり、例え
ば、液圧源装置の供給側の液圧を、低圧ポンプの最高吐
出圧以上に高くする必要が殆どない場合がそれに該当す
る。この場合には、高圧ポンプを含む第2液圧発生装置
が失陥状態となっても、大抵の場合は差し支えない。ま
た、液圧源装置の出力側の液圧,流量の制御が、主とし
て第1液圧発生装置の制御によって行われ、補助的に第
2液圧発生装置の制御が行われる場合も該当する。さら
に、液圧源装置の出力側の作動液の流量が大きい方が望
ましい場合が該当する。低圧ポンプは高圧ポンプより最
大吐出容量を大きくすることが容易であり、事実、殆ど
の場合大きくされる。そのため、最大吐出容量が大きい
方の液圧ポンプを作動させた方が、小さい方の液圧ポン
プを作動させるより、流量を大きくすることができるの
である。なお、これらの事情は、液圧源装置に接続され
る装置における液圧制御要求事情に基づいて決まること
が多い。 (4)前記第2液圧発生装置が、正・逆両方向に作動液
を吐出可能な可逆ポンプを含む(1) 項ないし(3) 項のい
ずれか1つに記載の液圧源装置(請求項3)。本項に記
載の液圧源装置においては、第2液圧発生装置が可逆ポ
ンプを含むものであるが、遮断装置により第1液圧発生
装置から第2液圧発生装置へ向かう作動液の流れが阻止
される。そのため、(1) 項に記載の効果に加えて、可逆
ポンプを駆動する電動モータに保持トルクを加えなくて
も、可逆ポンプが第1液圧発生装置からの作動液により
逆回転させられることを防止し得るという効果が得られ
る。また、可逆ポンプは内部漏れを完全に防止できない
ことが多いが、その場合には、内部漏れによる無駄なエ
ネルギ消費を回避できる効果も得られる。 (5)前記遮断装置が、前記第1液圧発生装置から第2
液圧発生装置に向かう方向の作動液の流れを阻止し、逆
向きの流れを許容する逆止弁である(1) 項ないし(4) 項
のいずれか1つに記載の液圧源装置(請求項4)。逆止
弁によれば、構造を複雑にすることなく、第2液圧発生
装置からの作動液の供給を許容するとともに、第1液圧
発生装置から第2液圧発生装置に向かって作動液が流れ
ることを阻止することができる。 (6)前記第1液圧発生装置が、正・逆両方向に作動液
を吐出可能な可逆ポンプを含む(1) 項ないし(5) 項のい
ずれか1つに記載の液圧源装置。第1液圧発生装置に含
まれる可逆ポンプを逆方向に作動させることにより、液
圧源装置を減圧装置として機能させることができる。例
えば、第1液圧発生装置を増圧・減圧可能なギヤポンプ
を含むものとし、第2液圧発生装置を、第1液圧発生装
置に含まれるギヤポンプより最高吐出圧が高いプランジ
ャポンプまたはギヤポンプを含むものとすることができ
る。 (7)当該液圧源装置が、前記第1液圧発生装置と第2
液圧発生装置との少なくとも一方を制御することによ
り、当該液圧源装置の出力側の液圧と流量との少なくと
も一方を制御する液圧等制御装置を含む(1) 項ないし
(6) 項のいずれか1つに記載の液圧源装置。液圧発生装
置が、液圧ポンプとその液圧ポンプを駆動する電動モー
タとを含む場合には、電動モータへの供給電流の制御に
より液圧ポンプから吐出される作動液の吐出圧,吐出流
量を制御することができる。その場合、電動モータへの
供給電流は、例えば、その電動モータによって駆動され
る液圧ポンプから吐出される作動液の吐出圧が目標液圧
に近づくように制御されるようにしたり、ON/OFF
制御されるようにしたりすることができる。ON/OF
F制御においては、最大の電流が供給される場合(O
N)と電流が全く供給されない場合(OFF)とが択一
的に選択されることになり、液圧ポンプは作動状態と非
作動状態とのいずれかの状態とされる。吐出圧が目標液
圧に近づく制御が行われる場合には、電動モータの制御
が正常に行われている限り、液圧ポンプの吐出圧が過大
になることはないが、ON/OFF制御される場合に
は、液圧ポンプの吐出圧が過大になることがある。した
がって、開放装置は、電動モータのON/OFF制御が
行われる液圧発生装置側に設けることが望ましい。換言
すれば、開放装置が設けられている第2液圧発生装置に
含まれる電動モータについては、ON/OFF制御でよ
いのであり、制御を簡単にすることができる。 (8)前記遮断装置が、開状態と閉状態とに電気的に切
り換え可能な電磁開閉弁を含む(1) 項ないし(7) 項のい
ずれか1つに記載の液圧源装置(請求項5)。第2液圧
発生装置が、(4) 項に記載のように、正・逆両方向に作
動液を吐出可能な可逆ポンプを含むものである場合に
は、電磁開閉弁が開状態にされている間は、いつでも、
液圧源装置を減圧装置として機能させることができる。
第1液圧発生装置の供給液圧の大きさとは関係なく減圧
することができるのである。また、閉状態にされた場合
には、第1液圧発生装置から供給される作動液によって
可逆ポンプが逆方向に回転させられたり、可逆ポンプを
経て作動液が漏れたりすることを回避することができる
ため、エネルギを節減することができる。当該液圧源装
置は、前記電磁開閉弁を減圧制御時に開状態に保つ減圧
時遮断装置制御装置を含むと考えることができる。な
お、電磁開閉弁は、減圧制御時にのみならず第2液圧発
生装置から作動液が吐出される増圧制御時にも(第2液
圧発生装置が作動状態にある場合)開状態に保たれる。
また、開放装置が開状態に保たれたままになる異常が生
じた場合に、電磁開閉弁が閉状態に切り換えられるよう
にすれば、第1液圧発生装置の作動液の液圧が開放装置
によって開放されることが回避される。当該液圧源装置
は、前記電磁開閉弁を開放装置の異常時に閉状態にする
異常時遮断装置制御装置を含むと考えることができる。 (9)(1) 項ないし(8) 項のいずれか1つに記載の液圧
源装置と、その液圧源装置に接続されたホイールシリン
ダとを含む制動装置。液圧源装置から供給された作動液
がホイールシリンダに供給され、ブレーキが作動させら
れる。液圧源装置の供給液圧,流量等を制御する制御装
置が設けられる場合には、その制御装置によりホイール
シリンダの液圧,液圧変化勾配等を制御することができ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、請求項1〜4各々に係る発
明に共通の一実施形態である液圧源装置を含む制動装置
を図面に基づいて詳細に説明する。図1において、10
はブレーキペダルであり、12はマスタシリンダであ
る。マスタシリンダ12は、2つの液圧室を含むタンデ
ム式のものであり、一方の液圧室には、液通路14を介
して車輪16のホイールシリンダ18が接続され、他方
の液圧室には、液通路20を介して車輪22のホイール
シリンダ24が接続されている。本実施形態において
は、1つの液圧室にホイールシリンダが1つづつ接続さ
れているのである。液通路14,20の途中には、それ
ぞれ、開状態と閉状態とに切り換え可能な電磁開閉弁2
6,28が設けられている。電磁開閉弁26,28は、
電流が供給されない場合に開状態に保たれる常開弁であ
り、閉状態にある場合には、ホイールシリンダ18,2
4がマスタシリンダ12から遮断されるが、開状態にあ
る場合には、マスタシリンダ12に連通させられ、マス
タシリンダ12の作動液がホイールシリンダ18,24
に供給されてブレーキが作動させられる。
【0006】本制動装置は、液圧源装置としてのポンプ
装置30を備えている。ポンプ装置30には、前記2つ
のホイールシリンダ18,24のみならず、車輪32,
34のホイールシリンダ36,38も接続されている。
ホイールシリンダ18,24には、マスタシリンダ12
とポンプ装置30との両方が接続されているのに対し
て、ホイールシリンダ36,38にはマスタシリンダ1
2が接続されないで、ポンプ装置30のみが接続されて
いるのである。ポンプ装置30は、互いに並列に設けら
れた2つの液圧ポンプ42,44と、液圧ポンプ42,
44の下流側にそれぞれ設けられた逆止弁45,46
と、液圧ポンプ42と逆止弁45との間に設けられ、液
圧ポンプ42の最高吐出圧を開弁圧とする開放装置とし
てのリリーフ弁48と、液圧ポンプ42,44を駆動す
る電動モータ50,52とを含むものである。本実施形
態においては、2つの液圧ポンプ42,44は、リザー
バ53の作動液をくみ上げて加圧するものであり、共に
ギヤポンプである。一方の液圧ポンプ42は他方の液圧
ポンプ44より最高吐出圧が大きく、最大吐出容量が小
さい高圧小容量型のポンプである。以下、液圧ポンプ4
2を高圧ポンプと称し、他方の液圧ポンプ44を低圧ポ
ンプと称する。
【0007】逆止弁45は、高圧ポンプ42からホイー
ルシリンダ18,24,36,38へ向かう作動液の流
れを許容するが、低圧ポンプ44から高圧ポンプ42へ
向かう作動液の流れを阻止するものであり、遮断装置の
一例である。逆止弁46は、低圧ポンプ44からホイー
ルシリンダ18,24,36,38へ向かう作動液の流
れを許容するが、高圧ポンプ42から低圧ポンプ44へ
向かう作動液の流れを阻止するものである。また、リリ
ーフ弁48は、逆止弁45と高圧ポンプ42の吐出口と
の間の液圧が開弁圧以上になると、閉状態から開状態に
切り換えられ、吐出口をリザーバ53に連通させるもの
である。本実施形態においては、リリーフ弁48は、高
圧ポンプ42側に設けられているが、低圧ポンプ44側
には設けられていない。
【0008】ここで、リリーフ弁48は、ポンプ装置3
0とホイールシリンダ18,24,36,38とを接続
する液通路54の途中に設けることも可能であるが、そ
の場合には、リリーフ弁48における異物のかみこみ,
錆付き等に起因して、復帰不能になった場合に、ポンプ
装置30から高圧の作動液を供給できなくなるという問
題がある。それに対して、リリーフ弁48を高圧ポンプ
42側に設けた場合には、復帰不能になっても、逆止弁
45により、低圧ポンプ44から高圧ポンプ42へ向か
う作動液の流れが阻止されるため、高圧ポンプ42から
吐出された作動液をホイールシリンダ側に供給できなく
ても、低圧ポンプ44から吐出された作動液をホイール
シリンダに供給することができ、ブレーキを作動させる
ことができる。
【0009】液通路54は、途中で分岐させられ、各々
の分岐通路55の先端に各ホイールシリンダ18,2
4,36,38が取り付けられている。また、分岐通路
55各々の途中には、開状態と閉状態とに切り換え可能
な電磁開閉弁56(増圧バルブ)が設けられている。電
磁開閉弁56は、電流が供給されない場合に閉状態に保
たれる常閉弁である。ホイールシリンダ18,24とリ
ザーバ53とを接続する液通路58の途中には、常閉の
電磁開閉弁60(減圧バルブ)が設けられ、ホイールシ
リンダ36,38とリザーバ53とを接続する液通路6
1の途中には、常開の電磁開閉弁62(減圧バルブ)が
設けられている。
【0010】これら電磁開閉弁26,28,56,6
0,62および電動モータ50,52は、液圧制御装置
70の指令に従って制御される。液圧制御装置70は、
CPU71,RAM72,ROM73,入力部74,出
力部75等を含むコンピュータを主体とするものであ
る。入力部74には、ブレーキペダル10が踏み込まれ
た状態にあるか否かを検出するブレーキスイッチ82,
マスタシリンダ12の液圧を検出するマスタ圧センサ8
4,ポンプ装置30の出力液圧(ポンプ液圧)を検出す
るポンプ圧センサ86,各ホイールシリンダの液圧を検
出するホイールシリンダ液圧センサ88等が接続されて
いる。マスタ圧センサ84により検出されたマスタ液圧
はブレーキペダル10の踏力に対応した大きさであるた
め、マスタ液圧に基づいて運転者の意図する目標制動力
が決定され、ホイールシリンダの目標液圧が決定され
る。
【0011】出力部75には、上述の各電磁開閉弁2
6,28,56,60,62および電動モータ50,5
2が図示しない駆動回路を介して接続されている。電磁
開閉弁26,28は、ホイールシリンダ18,24,3
6,38の液圧がポンプ装置30から供給される作動液
によって制御される液圧制御状態にある場合には、閉状
態に保たれるが、ポンプ装置30の異常時、電気系統の
異常時等には、電流が供給されなくなることにより、開
状態に切り換えられる。ホイールシリンダ18,24に
はマスタシリンダ12から作動液が供給されることによ
り、ブレーキが作動させられる。また、マスタシリンダ
12には、ストロークシミュレータ89が取り付けられ
ているため、電磁開閉弁26,28が閉状態に保たれて
も、ブレーキペダル10のストロークが非常に小さくな
って運転者が違和感を感じることが回避される。
【0012】ROM73には、図2のフローチャートで
表される液圧制御プログラム,フローチャートの図示は
省略するが、電動モータ制御プログラム,電磁開閉弁制
御プログラム等種々のプログラムやテーブル等が格納さ
れている。本実施形態においては、液圧制御プログラム
の実行に従って、電動モータ50,52、電磁開閉弁5
6,60,62の制御指令が発せられる。電動モータ5
0,52への供給電流は、ポンプ装置30から出力され
る作動液の液圧,吐出量が目標液圧,目標液圧の変化勾
配(要求液圧変化勾配)を実現し得るように、電動モー
タ制御プログラムの実行に従って決定され、駆動回路に
出力される。電磁開閉弁56,60,62の状態は、実
際のホイールシリンダ液圧が目標液圧に近づくように、
電磁開閉弁制御プログラムの実行に従って、開状態と閉
状態とのいずれかに決定され、駆動回路により切り換え
られる。
【0013】以上のように構成された制動装置における
作動について説明する。ブレーキペダル10が踏み込ま
れていない場合には、各電磁開閉弁は図示する状態に保
たれる。ブレーキペダル10が踏み込まれると、電磁開
閉弁26,28が閉状態に切り換えられ、電磁開閉弁5
6が開状態に、電磁開閉弁62が閉状態に切り換えられ
る。ホイールシリンダ18,24,36,38は、マス
タシリンダ12から遮断されてポンプ装置30に連通さ
せられ、ポンプ装置30から出力される作動液によりブ
レーキが作動させられる。ブレーキペダル10の踏込み
が解除された場合には、各電磁開閉弁は図示する状態に
戻される。ホイールシリンダ18,24の作動液は、電
磁開閉弁26,28を経てマスタシリンダ12に戻さ
れ、ホイールシリンダ36,38の作動液は、電磁開閉
弁62を経てリザーバ53に戻される。
【0014】制動時には、ポンプ装置30の制御(電動
モータ50,52への供給電流の制御)と電磁開閉弁5
6,60,62の制御とにより、各ホイールシリンダ1
8,24,36,38の液圧が、運転者の意図する目標
制動力に応じた目標液圧に近づくように制御される。制
御の一例を、図2のフローチャートに従って説明する。
本実施形態においては、高圧ポンプ42を駆動する電動
モータ50への供給電流は、ON/OFF制御され、低
圧ポンプ40を駆動する電動モータ52への供給電流
は、ポンプ装置30から出力される作動液の液圧(ポン
プ液圧)と、吐出流量とが、目標液圧,要求液圧変化勾
配を実現し得るように制御される。電動モータ52の制
御が主として行われ、電動モータ50の制御は補助的に
行われるのである。電動モータ50がON状態にされた
場合には、電動モータ50には最大の電流が供給され
る。また、電磁開閉弁56,60,62は、目標液圧と
実際のホイールシリンダ液圧とに基づいて開状態と閉状
態とのいずれかに切り換えられる。
【0015】本実施形態においては、目標液圧,要求増
圧勾配がそれほど大きくない場合には、電動モータ50
はOFF状態に保たれ、電動モータ52への供給電流が
制御される。高圧ポンプ44は非作動状態に保たれるた
め、ポンプ装置30からは、低圧ポンプ44から吐出さ
れた作動液が出力される。それに対して、目標液圧が大
きい場合や要求増圧勾配が大きい場合には、電動モータ
50,52の両方が作動状態とされる。高圧ポンプ42
と低圧ポンプ44との両方が作動状態とされ、ポンプ装
置30からは、高圧ポンプ42から吐出された作動液と
低圧ポンプ44から吐出された作動液との両方が出力さ
れる。また、要求液圧変化勾配が0以下の場合、すなわ
ち、減圧要求時または保持要求時には、電動モータ5
0,52が非作動状態にされたり、保持状態にされたり
する。主として、電磁開閉弁56,60,62の制御に
より、ホイールシリンダ18,24,36,38の液圧
が目標液圧に近づけられる。
【0016】ステップ1(以下、S1と略称する。他の
ステップについても同様とする)において、マスタ液圧
が読み込まれ、そのマスタ液圧に基づいてホイールシリ
ンダの目標液圧が決定される。S2において、その目標
液圧が設定液圧以下か否かが判定される。目標液圧が設
定液圧以下の場合には、判定がYESとなり、S3にお
いて、要求液圧変化勾配が正か否か、すなわち、増圧要
求か否かが判定される。増圧要求である場合には、判定
がYESとなり、S4において、要求増圧勾配が設定勾
配より小さいか否か判定される。ブレーキペダル10の
踏込み初期時等、目標液圧はそれほど大きくないが、要
求増圧勾配が設定値以上である場合には、S2,3にお
ける判定がYES,S4における判定がNOとなり、S
5において、電動モータ50をON状態とし、電動モー
タ52を制御する旨のモータ制御指令および各電磁開閉
弁56,60,62を制御するバルブ制御旨の指令が発
せられる。それによって、電動モータ50がON状態と
され、電動モータ52への供給電流が、ポンプ装置30
からの吐出圧,吐出流量が、目標液圧,要求増圧勾配を
実現し得るように制御される。また、電磁開閉弁56,
60,62は、実際のホイールシリンダ液圧が目標液圧
に近づくように開状態と閉状態とに適宜切り換えられ
る。
【0017】踏力がほぼ一定に保たれている場合におい
て、増圧要求中である場合には、S4における判定がY
ESとなり、S6において、電動モータ50への供給電
流を0とし、電動モータ52を制御する旨のモータ制御
指令および電磁開閉弁56を開状態とし、電磁開閉弁6
0,62を閉状態とする旨のバルブ制御指令が発せられ
る。高圧ポンプ42が非作動状態に保たれた状態で、電
動モータ52が、低圧ポンプ44から吐出される作動液
(ポンプ装置30から出力される作動液に同じ)の吐出
圧,吐出流量が目標液圧,要求増圧勾配を実現し得るよ
うに制御される。この場合には、液圧変化勾配が小さい
ため、電磁開閉弁56を開状態に保ち、電磁開閉弁6
0,62を閉状態に保てばよい。ポンプ装置30の制御
によりホイールシリンダ液圧を目標液圧に近づけること
ができるのである。それに対して、保持要求中または減
圧要求中である場合には、S3における判定がNOとな
り、S7において、電動モータ50への供給電流を0と
し、電動モータ52を保持状態とするモータ制御指令お
よび電磁開閉弁56,60,62を制御する旨のバルブ
制御指令が発せられる。高圧ポンプ42は非作動状態に
保たれ、低圧ポンプ44の作動状態が保持される。電動
モータ52において、供給電流が、駆動トルクと低圧ポ
ンプ44から受ける負荷トルクとがほぼ同じになるよう
に、制御されるのである。電磁開閉弁56,60,62
の制御により、各ホイールシリンダの液圧が保持または
減圧される。
【0018】踏力が大きく目標液圧が設定液圧より大き
い場合には、S2における判定がNOとなり、S8にお
いて、要求液圧変化勾配が正か否かが判定される。増圧
要求中である場合には、判定がYESとなり、S9にお
いて、電動モータ50,52の両方を作動状態とする旨
のモータ制御指令および電磁開閉弁56,60,62を
制御する旨のバルブ制御指令が発せられる。高圧ポンプ
42,低圧ポンプ44の両方が作動状態とされ、電磁開
閉弁56,60,62が開状態と閉状態とに適宜切り換
えられる。保持要求中または減圧要求中である場合に
は、S8における判定がNOとなり、S10において、
両方の電動モータ50,52への供給電流を0とするモ
ータ制御指令、電磁開閉弁56,60,62を制御する
旨のバルブ制御指令が発せられる。高圧ポンプ42,低
圧ポンプ44はともに非作動状態とされ、電磁開閉弁5
6,60,62の制御により、ホイールシリンダ液圧が
保持または減圧される。ホイールシリンダ液圧が高い場
合には、高圧ポンプ42,低圧ポンプ44を非作動状態
にする方が、減圧遅れを小さくすることができる。
【0019】以上のようにホイールシリンダ液圧が制御
されるのであるが、高圧ポンプ42が作動状態にある場
合には、電動モータ50には最大の電流が供給されるた
め、高圧ポンプ42の吐出圧がリリーフ弁48の開弁圧
より高くなる場合がある。リリーフ弁48は閉状態から
開状態に切り換えられ、高圧ポンプ42から吐出された
作動液が、リリーフ弁48を経てリザーバ53に戻され
る。その結果、ポンプ装置30に加えられる負荷が過大
になることが回避され、寿命を長くすることができる。
それに対して、低圧ポンプ44から吐出される作動液の
液圧は、それほど高くなることはない。また、電動モー
タ52の制御により、吐出圧が制御されるため、吐出圧
が過大になることは通常はない。そのため、リリーフ弁
を高圧ポンプ側に設け、低圧ポンプ側は省略したのであ
る。なお、電動モータ52に過大な電流が流れる等異常
時においては吐出圧が過大になる可能性があるため、安
全装置としてリリーフ弁を設けてもよい。
【0020】低圧ポンプ44は逆止弁45によりリリー
フ弁48から遮断された状態にある。リリーフ弁48
が、異物のかみこみ、錆付き等に起因して開状態から閉
状態に切り換え不能になっても、低圧ポンプ42から吐
出された作動液がリリーフ弁48を経てリザーバ53に
戻されることが回避されるため、ポンプ装置30からホ
イールシリンダに十分な液圧の作動液を供給するするこ
とができる。高圧ポンプ42が作動状態にある場合にリ
リーフ弁48が復帰不能になった場合には、高圧ポンプ
42から吐出された作動液はそのままリリーフ弁48を
経てリザーバ53に戻されるため、高圧ポンプ42から
吐出された高圧の作動液をホイールシリンダ18,2
4,36,38に供給することができないが、低圧ポン
プ44から吐出された作動液を供給することができ、ブ
レーキを作動させることができるのである。上記プログ
ラムにおけるS5,S9の実行時に、高圧ポンプ42か
ら吐出された作動液がホイールシリンダに供給不能にな
っても、低圧ポンプ44から吐出された作動液によりホ
イールシリンダ液圧を増圧させることができる。また、
低圧ポンプ44は高圧ポンプ42より最大吐出量が大き
いため、ホイールシリンダ液圧の増圧遅れを小さくする
ことができる。
【0021】なお、電動モータ50,52の制御態様は
上記実施形態における場合に限らず他の制御態様とする
こともできる。また、目標液圧は、S1において演算に
より決定されるようにされていたが、例えば、目標液圧
決定プログラム等の別のプログラムの実行に従って決定
されるようにすることもできる。さらに、電磁開閉弁5
6,60,62は、供給電流量に応じて液圧を制御可能
な液圧制御弁とすることもできる。また、リリーフ弁4
8は、高圧ポンプ42の吐出側と高圧ポンプ42の吸入
側とを接続する液通路に設けることもできる。さらに、
高圧ポンプ42,低圧ポンプ44の両方をギヤポンプと
することは不可欠ではなく、少なくとも一方をプランジ
ャポンプとすることもできる。また、上記実施形態にお
いては、遮断装置が逆止弁とされたが、開状態と閉状態
とに切り換え可能な開閉弁とすることもできる。開閉弁
は、電気的に切り換え可能なものとしても、低圧ポンプ
44の吐出圧が高圧ポンプ42の吐出圧(リリーフ弁4
8の下流側の液圧)より大きい場合に開状態から閉状態
に切り換えられるパイロット式の開閉弁としてもよい。
【0022】次に、請求項1〜3,5各々に係る発明の
共通の一実施形態としての液圧源装置を含む制動装置に
ついて図面に基づいて詳細に説明する。図3において、
本制動装置に含まれる液圧源装置としてのポンプ装置1
00は、上記実施形態における場合と同様に、2つの高
圧ポンプ102と低圧ポンプ104とを含むものであ
る。これら高圧ポンプ102,低圧ポンプ104の下流
側には、それぞれ、開状態と閉状態とに切り換え可能な
電磁開閉弁106,108が設けられるとともに、高
圧,低圧ポンプ102,104の最高吐出圧を開弁圧と
するリリーフ弁110,112がそれそれ設けられてい
る。これら高圧,低圧ポンプ102,104は、それぞ
れ電動モータ114,116の駆動により作動させられ
る。電磁開閉弁106,108は、電流が供給されない
状態で閉状態に保たれる常閉弁である。ROM73に
は、図2のフローチャートで表される液圧制御プログラ
ム,電動モータ制御プログラム,電磁開閉弁制御プログ
ラム等に加えて、図4のフローチャートで表されるリリ
ーフ弁異常検出プログラム,図5のフローチャートで表
される遮断装置制御プログラム等が格納されている。
【0023】リリーフ弁は、それに対応するポンプが作
動中であって、かつ、ポンプ装置100の出力液圧(ポ
ンプ液圧)が設定圧より低い場合に異常であるとされ
る。リリーフ弁が開状態のままであり、復帰不能な状態
にあると検出されるのである。異常が検出された場合に
は、異常フラグがセットされる。本実施形態において
は、高圧ポンプ102に対応して設けられたリリーフ弁
110を高圧側リリーフ弁、電磁開閉弁106を高圧側
電磁開閉弁と称し、低圧ポンプ104に対応して設けら
れたリリーフ弁112を低圧側リリーフ弁,電磁開閉弁
108を低圧側電磁開閉弁と称することにする。
【0024】S30において、ポンプ装置100が作動
状態にあるか否かが判定される。非作動状態にある場合
には、S31において、低圧側異常フラグ,高圧側異常
フラグの両方がリセット状態とされる。ポンプ装置10
0が作動状態にある場合には、S32において、ポンプ
装置100が作動状態にされてから、すなわち、電動モ
ータ114,116の少なくとも一方が作動状態にされ
てから設定時間経過したか否かが判定される。ポンプ装
置100から吐出される作動液の液圧が十分に高くなる
のに必要な時間だけ待たれるのである。設定時間経過し
た場合には、S32における判定がYESとなり、S3
3において液圧センサ86によって検出されたポンプ液
圧が設定液圧P* より低いか否かが判定される。設定液
圧P* 以上である場合には、ポンプ装置100は正常で
あり、判定がNOとなる。設定液圧P* より低い場合に
は、高圧側リリーフ弁110,低圧側リリーフ弁112
の少なくとも一方が異常であり、判定がYESとなる。
【0025】S34〜36において、高圧ポンプ10
2,低圧ポンプ104のうち作動状態にあるのがいずれ
であるかが検出される。低圧ポンプ104が作動状態に
あり、高圧ポンプ102が非作動状態にある場合には、
S34における判定がYES,S35における判定がN
Oとなり、S37において、低圧側リリーフ弁112が
異常であるとされ、低圧側異常フラグがセットされる。
高圧ポンプ102が作動状態にあり、低圧ポンプ104
が非作動状態にある場合には、S34における判定がN
O、S36における判定がYESとなり、S38におい
て、高圧側リリーフ弁110が異常であるとされ、高圧
側異常フラグがセットされる。
【0026】低圧ポンプ104も高圧ポンプ102も共
に作動中である場合には、S34,35の判定がいずれ
もYESとなり、S39において、電動モータ114へ
の供給電流を0とする指令が発せられる。高圧ポンプ1
02,低圧ポンプ104の両方が作動状態にある場合に
は、高圧側電磁開閉弁106も低圧側電磁開閉弁108
も開状態にあるため、高圧ポンプ102から吐出された
作動液も、低圧ポンプ104から吐出された作動液も、
異常であるリリーフ弁を経てリザーバ53に戻されるた
め、いずれのリリーフ弁が異常であるかを判定すること
ができない。そこで、高圧側,低圧側電磁開閉弁10
6,108のいずれか一方を閉状態とすれば、他方のポ
ンプが一方のリリーフ弁から遮断される。ポンプ液圧が
設定液圧以上になれば、一方のリリーフ弁が異常である
と判定することができ、設定液圧より低い場合は、他方
のリリーフ弁が異常であると判定することができるので
ある。なお、本実施形態においては、高圧側,低圧側電
磁開閉弁106,108は、後述するように、異常フラ
グがセットされている場合または対応する液圧ポンプが
非作動状態にある場合に閉状態にされるため、一方の電
磁開閉弁を閉状態とするために、それに対応する一方の
液圧ポンプを非作動状態としたのである。本実施形態に
おいては、ホイールシリンダ液圧への制御の影響が小さ
い方の高圧ポンプ102を非作動状態とした。
【0027】S39において、高圧ポンプ102の作動
が停止させられ、高圧側電磁開閉弁106が閉状態に切
り換えられる。S40において、S32における場合と
同様に、高圧ポンプ102の作動が停止させられてから
設定時間経過したか否かが判定され、経過した場合には
判定がYESとなり、S41において、ポンプ液圧が設
定液圧P* より低いか否かが判定される。設定液圧P*
より低い場合には、低圧側リリーフ弁112が復帰不能
になったと判定され、S42において、低圧側異常フラ
グがセットされる。それに対して、ポンプ液圧が設定液
圧P* 以上である場合には、低圧側リリーフ弁112は
正常であると判定することができる。S43において、
高圧側リリーフ弁110が異常であるとされ、高圧側異
常フラグがセットされる。
【0028】高圧用電磁開閉弁106は、高圧側異常フ
ラグがリセット状態にある場合は、高圧ポンプ102の
作動状態に基づいて開状態と閉状態とのいずれか一方と
されるが、セット状態にある場合は閉状態とされる。同
様に、低圧用電磁開閉弁108も、低圧側異常フラグの
状態と、低圧ポンプ104の作動状態とに基づいて開状
態と閉状態とのいずれかに切り換えられる。S51にお
いて、低圧側異常フラグがセット状態にあるか否かが判
定される。セット状態にある場合には、判定がYESと
なり、S52において、低圧側電磁開閉弁108が閉状
態に戻される。それに対して、低圧側異常フラグがリセ
ット状態にある場合には、判定はNOとなり、S53に
おいて、低圧ポンプ104が作動状態にあるか否かが判
定される。作動状態にある場合には、S54において開
状態にされるが、非作動状態にある場合には、閉状態の
ままとされる。同様に、S55において高圧側異常フラ
グがセット状態にあるか否か判定され、S56におい
て、高圧ポンプ102が作動状態にあるか否かが判定さ
れる。高圧側異常フラグがセット状態にある場合、リセ
ット状態にあるが、高圧ポンプ102が非作動状態にあ
る場合には、S57において、高圧側電磁開閉弁106
は閉状態に保たれ、高圧側異常フラグがリセット状態に
ある場合であって、高圧ポンプ102が作動状態にある
場合には、S58において、開状態に切り換えられる。
【0029】以上のように、リリーフ弁110,112
に異常が生じ、復帰不能になった場合には、それに対応
する電磁開閉弁106,108が閉状態に切り換えられ
る。その結果、正常なリリーフ弁に対応するポンプから
吐出された作動液が異常であるリリーフ弁を経てリザー
バ53に戻されることが回避され、ホイールシリンダに
十分な液圧の作動液が供給不能となることが回避され
る。なお、本実施形態においては、高圧ポンプ102側
にも、低圧ポンプ104側にもリリーフ弁110,11
2が設けられたが、両方に設けることは不可欠ではな
く、いずれか一方に設ければよい。また、低圧用電磁開
閉弁108の代わりに、逆止弁とすることもできる。さ
らに、リリーフ弁異常検出プログラムは、イグニッショ
ンスイッチがONとされた後のイニシャルチェック時に
実行されるようにしてもよい。この場合には、電動モー
タ114,116を順番に1つづつ作動状態としたり、
両方を作動状態とし、高圧側,低圧側電磁開閉弁10
6,108のいずれか一方を閉状態に切り換えることに
よって、実質的に一方のポンプから吐出された作動液の
液圧がポンプ液圧センサ86によって検出されるように
することもできる。高圧ポンプ102,低圧ポンプ10
4が作動状態にあるにもかかわらず、各々に対応する電
磁開閉弁が閉状態にされても、リリーフ弁がそれぞれ設
けられているため、吐出圧が過大になることが回避され
る。また、電磁開閉弁106,108は、電流が供給さ
れない場合に開状態に保たれる常開弁とすることもでき
る。
【0030】さらに、上記実施形態においては、高圧ポ
ンプ102,低圧ポンプ104が、増圧専用ポンプであ
り、これらを逆回転させることによってホイールシリン
ダ液圧を減圧させることは行われていなかったが、高圧
ポンプ102と低圧ポンプ104との少なくとも一方を
逆方向に回転させることにより、ホイールシリンダ液圧
を減圧させることもできる。高圧側電磁開閉弁106,
低圧側電磁開閉弁108は、高圧ポンプ102,低圧ポ
ンプ104が作動状態にある場合(要求減圧時あるいは
要求増圧時)に開状態に保たれる。換言すれば、遮断装
置が、電磁開閉弁であるため、減圧制御時には、開状態
に切り換えることができるのである。また、上記各実施
形態においては、液圧発生装置として電動モータと液圧
ポンプとを含むものであったが、これらに加えて、また
はこれらに代えて、増圧装置を含むものとすることもで
きる。さらに、ブレーキペダル10のストロークを検出
するストロークセンサを設けることもできる。ストロー
クに基づいて目標液圧が決定されるようにすれば、操作
初期時の制御遅れを小さくすることができる。以上、本
発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これは
文字通り例示であり、本発明は、前記〔発明が解決しよ
うとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載さ
れた態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の
変更,改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液圧源装置を含む制
動装置を表す回路図である。
【図2】上記制動装置の液圧制御装置のROMに格納さ
れた液圧制御プログラムを表すフローチャートである。
【図3】本発明の別の一実施形態である液圧源装置を含
む制動装置を表す回路図である。
【図4】上記制動装置の液圧制御装置のROMに格納さ
れたリリーフ弁異常検出プログラムを表すフローチャー
トである。
【図5】上記制動装置の液圧制御装置のROMに格納さ
れた遮断装置制御プログラムを表すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
30,100 ポンプ装置 42,102 高圧ポンプ 44,104 低圧ポンプ 45,46 逆止弁 48,110,112 リリーフ弁 70 液圧制御装置 106,108 電磁開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D049 BB05 BB29 CC02 HH12 HH20 HH26 HH30 HH31 HH34 HH43 HH47 HH48 HH53 RR04 RR13 3H071 AA03 BB01 CC34 CC45 DD14 DD16 DD35 DD72

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧の液圧を発生させる第1液圧発生装置
    および第2液圧発生装置と、 前記第1液圧発生装置から第2液圧発生装置へ向かう方
    向の作動液の流れを阻止する遮断装置と、 その遮断装置と前記第2液圧発生装置との間の液圧が予
    め定められた設定圧より高くなると閉状態から開状態に
    切り換わる開放装置とを含むことを特徴とする液圧源装
    置。
  2. 【請求項2】前記第2液圧発生装置が、最高吐出圧が前
    記第1液圧発生装置の最高発生液圧より高い高圧ポンプ
    を含み、前記開放装置が、前記高圧ポンプの吐出口側の
    液圧がそれ自身の開弁圧以上になると閉状態から開状態
    に切り換わるリリーフ弁を含むことを特徴とする請求項
    1に記載の液圧源装置。
  3. 【請求項3】前記第2液圧発生装置が、正・逆両方向に
    作動液を吐出可能な可逆ポンプを含むことを特徴とする
    請求項1または2に記載の液圧源装置。
  4. 【請求項4】前記遮断装置が、前記第1液圧発生装置か
    ら第2液圧発生装置に向かう方向の作動液の流れを阻止
    し、逆向きの流れを許容する逆止弁であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の液圧源装
    置。
  5. 【請求項5】前記遮断装置が、開状態と閉状態とに電気
    的に切り換え可能な電磁開閉弁を含むことを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれか1つに記載の液圧源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011061808A1 (ja) 2009-11-20 2011-05-26 トヨタ自動車株式会社 ブレーキ装置

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