JP2000210670A - セメント廃水処理法及びセメント廃水処理装置 - Google Patents

セメント廃水処理法及びセメント廃水処理装置

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JP2000210670A
JP2000210670A JP11014114A JP1411499A JP2000210670A JP 2000210670 A JP2000210670 A JP 2000210670A JP 11014114 A JP11014114 A JP 11014114A JP 1411499 A JP1411499 A JP 1411499A JP 2000210670 A JP2000210670 A JP 2000210670A
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cement
tank
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wastewater
treatment tank
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JP11014114A
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Takeshi Haga
武 羽賀
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KAWASAKI KEIKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
KAWASAKI KEIKI SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セメント分を固化させずにセメント廃水を処
理する。 【解決手段】 砂、セメント及び水を含むセメント廃水
を処理槽(1)内に供給し、処理槽(1)内に互いに対向して
かつ一定間隔離間して配置されたアルミニウム製の正極
板(2)と導電性の負極板(3)との間に電圧を印加して電気
分解を行うと、電気分解によりセメント水和物の生成が
阻害され、セメント分の凝結が抑制され、セメント分と
砂分とが分離されるため、比重の異なる砂層(4)とセメ
ント層(5)とが沈降速度の差で処理槽(1)の下部に解離す
ると共に、清澄度の高い水層(6)が処理槽(1)の上部に解
離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水処理、特に、
土木工事現場又は建設工事現場から排出されるセメント
廃水をセメント分が固化せずに処理できるセメント廃水
処理法及びセメント廃水処理装置に属する。
【0002】
【従来の技術】土木及び建設の工事現場で発生する公害
には、主として振動、騒音及び水質汚濁がある。中でも
水質汚濁は自然環境及び人体に与える影響は大きく、近
年、廃水の規制値が一段と厳しくなり、工事廃水の適正
な処理の要求が高まっている。工事現場での廃水の発生
源は、例えば掘削工事により地下水と土とが混合した泥
水、アースアンカー工法による山留工事及び地連続壁工
事からのセメント廃水、コンクリートプラントからの廃
水、コンクリート用骨材製造に伴う洗浄水並びに軟弱地
盤の土壌硬化用の珪酸ソーダ(水ガラス)廃水等であ
る。これらの廃水を処理するため、現在は3段階の段差
を設けた沈殿槽により自然沈降を利用してセメント及び
砂粒子等の混合物を沈殿除去させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、沈殿槽
の底部に沈降したセメント及び砂等の混合物は、沈殿槽
から引き抜いて乾燥させると、大きなコンクリートブロ
ックを形成して固化する。このように、自然乾燥により
水と固形物とを分離できるが、自然乾燥させると固形物
が固化して、処理の困難な固い大きなコンクリートブロ
ックが形成されるため、固化したコンクリートブロック
を運搬可能な形状に粉砕する必要があり、粉砕機が必要
になると共に粉砕処理作業の負担が大きい。また、浮遊
物又は比重の小さい物質が沈殿槽内の廃水中に多量に含
まれると、微細な固形物が水中に懸濁してスラリーが形
成され、水中で沈降しない固形物と水とを分離できない
ため、水と固形物との混合スラリーをそのまま廃棄しな
ければならない。そこで、本発明は、セメント分を固化
させずにセメント廃水を処理できるセメント廃水処理法
及びセメント廃水処理装置を提供することを目的とす
る。また、本発明は、セメント廃水中のセメント分と、
砂分と、水分とを個別に抽出して処理できるセメント廃
水処理法及びセメント廃水処理装置を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるセメント廃
水処理法は、砂、セメント及び水を含むセメント廃水を
処理槽(1)内に供給する工程と、処理槽(1)内に互いに対
向してかつ一定間隔離間して配置されたアルミニウム製
の正極板(2)と導電性の負極板(3)との間に電圧を印加し
てセメント廃水の電気分解を行い、処理槽(1)内のセメ
ント廃水を砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)の3層
に分離する工程と、3層に分離した砂層(4)、セメント
層(5)及び水層(6)を処理槽(1)から取り出す工程とを含
む。砂、セメント及び水からなるセメント廃水を処理槽
(1)内に供給した後、正極板(2)と負極板(3)との間に電
圧を印加するとセメント廃水の電気分解により、セメン
ト水和物の生成が阻害され、セメント分の凝結が抑制さ
れ、セメント分と砂分とが分離されるため、比重の異な
る砂分とセメント分とが沈降速度の差で処理槽(1)の下
部に解離すると共に、清澄度の高い水分が処理槽(1)の
上部に解離する。このため、混合状態の砂分、セメント
分及び水分が処理槽(1)内で分離して、砂層(4)、セメン
ト層(5)及び水層(6)の3層が形成される。従って、例え
ば、水層(6)を処理槽(1)から抜き取り、セメント層(5)
を抽出後、最後に砂層(4)を抽出することができる。
【0005】本発明によるセメント廃水処理装置は、
砂、セメント及び水を含むセメント廃水を収容する処理
槽(1)と、互いに対向してかつ一定間隔離間して処理槽
(1)内に配置されたアルミニウム製の正極板(2)及び導電
性の負極板(3)と、正極板(2)及び負極板(3)に電気的に
接続された直流電源(7)とを備える。処理槽(1)は、セメ
ント廃水を導入する流入口(8)と、処理槽(1)内に分離し
た砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)をそれぞれ排出
する1又は2以上の排出口とを備える。処理槽(1)の下
部に設けられた流入口(8)からの適度な上向流により電
気分解を効率良く行い、電解処理時間を短縮することが
できる。
【0006】本発明による実施の形態では、ポンプ(16)
に接続されかつ砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)の
少なくとも1つを排出するパイプ(9)と、砂層(4)及びセ
メント層(5)の少なくとも1つを排出する側部排出口(1
0)及び底部排出口(11)とを設けてもよい。処理槽(1)内
の水層(6)を処理水としてポンプ(16)の吸引によりパイ
プ(9)から取り除き、続いて側部排出口(10)又はパイプ
(9)によりセメント層(5)を含有するセメント廃水を抽出
し、最後に底部排出口(11)又はパイプ(9)により砂層(4)
をそれぞれ個別に抽出できる。
【0007】処理槽(1)内に収容されたセメント廃水の
浮遊物を排出する上部排出口(12)が処理槽(1)の上部に
設けられ、上部排出口(12)から供給される浮遊物は浮遊
物槽(24)に収容される。電気分解により処理槽(1)の水
面には泡状の浮遊物が生じ、上部排出口(12)から浮遊物
を完全に除去すると、清澄度の高い処理水が得られると
共に、セメント分と砂分との分離精度も向上する。
【0008】正極板(2)と負極板(3)とが離間する間隔は
15〜50mmである。正極板(2)と負極板(3)との間隔が
15mm未満であると、正極板(2)及び負極板(3)が発熱し
て処理効率が低下し、間隔が50mmを超えると、処理に
必要な電力を得るためにより大きな電圧を印加する必要
があり、安全上好ましくない。
【0009】汚濁濃度が高いほど導電率が高く電流は流
れ易くなり、汚濁濃度が低いほど導電率が低く電流は流
れ難くなるので、正極板(2)と負極板(3)に印加する電圧
はセメント廃水中の汚濁濃度に応じて3〜50Vの範囲
内で変更できる。3Vに満たないとセメント廃水中に適
正な電流が流れず、砂層(4)、セメント層(5)及び水層
(6)が3層に分離されない。また、乾燥後のセメントは
固化し処理が困難となる。一方、正極板(2)と負極板(3)
に印加する電圧が50Vを超えても、それに伴う効果は
得られず、安全上好ましくない。正極板(2)と負極板(3)
とは、処理槽(1)内に交互に複数配置され、正極板(2)と
負極板(3)の面積を大きくして処理速度の向上を図るこ
とができる。
【0010】本発明によるセメント廃水処理装置の実施
の形態では、処理槽(1)に供給するセメント廃水を収容
する原水槽(25)と、処理槽(1)の水層(6)から供給される
水分を収容する水槽(21)と、処理槽(1)のセメント層(5)
から供給されるセメント分を収容するセメント槽(22)
と、処理槽(1)の砂層(4)から供給される砂分を収容する
砂槽(23)とを備えてもよい。原水槽(25)のセメント廃水
を処理槽(1)に送水し、水層(6)は処理水として水槽(21)
に送られ、上澄みを放流口(26)からオーバーフローさせ
最終処理水として有効利用又は放流できる。セメント層
(5)は、セメント槽(22)に収容され脱水装置(32)で脱水
後乾燥させると、未固化セメント粉末乾燥物(32a)が得
られる。分離した砂層(4)も砂槽(23)に収容され、脱水
装置(33)で脱水後乾燥させると、再利用可能な乾燥砂(3
3a)が得られる。処理槽(1)は直列に2以上接続された第
1の処理槽(1a)、第2の処理槽(1b)及び第3の処理槽(1
c)を備えてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるセメント廃水
処理法及びセメント廃水処理装置の実施の形態を図1〜
図4について説明する。図1に示すように、本発明によ
るセメント廃水処理装置(20)は、処理槽(1)と、互いに
対向してかつ一定間隔離間して処理槽(1)内に配置され
たアルミニウム製の正極板(2)及び導電性の負極板(3)
と、正極板(2)及び負極板(3)に電気的に接続された直流
電源(7)とを備えている。処理槽(1)には、セメント廃水
を導入する流入口(8)と、ポンプ(16)に接続されたパイ
プ(9)と、処理槽(1)の側壁(1a)に設けられた側部排出口
(10)と、処理槽(1)の底部(1b)に設けられた底部排出口
(11)と、処理槽(1)の上部に設けられ浮遊物を除去する
上部排出口(12)を備えている。負極板(3)は通常鉄板で
形成されるが、チタン、アルミニウム及び炭素等の導電
性材料を使用してもよい。
【0012】アルミニウム製の正極板(2)とリード線(5
0)との接続及び負極板(3)とリード線(50)との接続は、
図4に示すようにリード線(50)の先端に接続した端子(5
1)を正極板(2)に鉄ネジ(53)で締め付けて行う。このと
き鉄座金(54)を挟んで鉄ネジ(53)を締め付けることによ
り、ネジ(53)締め付け部分からのアルミニウムの溶解を
抑制し、ネジ(53)が緩み、リード線(50)と正極板(2)と
の間の接続不良を防止する。
【0013】セメント廃水処理装置(20)を使用する際
に、砂、セメント及び水からなるセメント廃水を流入口
(8)から処理槽(1)内に供給した後、正極板(2)と負極板
(3)との間に6〜12Vの電圧を印加してセメント廃水中
に電流が流れ、セメント廃水の電気分解が行われる。こ
の状態で処理槽(1)内にセメント廃水を少なくても10
分間滞留させると、電気分解により、セメント水和物の
生成が阻害され、セメント分の凝結が抑制され、セメン
ト分と砂分とが分離される現象を生ずる。このため、比
重の異なる砂層(4)とセメント層(5)とが沈降速度の差で
処理槽(1)の下部に解離すると共に、清澄度の高い水層
(6)が処理槽(1)の上部に解離して、混合状態の砂分、セ
メント分及び水分が処理槽(1)内で分離して、図1に示
すように鮮明に砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)の
3層が形成される。砂層(4)は主として水と砂又は砂利
とが混在する層である。セメント層(5)は、珪酸カルシ
ウム、アルミン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カ
ルシウム等のカルシウム塩を主体とするセメントと水と
が主に混在する層である。水層(6)は砂もセメントも含
まずに主として水のみからなる層である。通常、セメン
トは水と反応すると、セメント水和物である新しい鉱物
組織が発達する凝結現象が起こり、続いて硬化現象によ
り硬度が発生し、乾燥させれば更に硬化が促進する。
【0014】砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)が3
層に分離する理由は必ずしも明確ではない。一般に、セ
メントを水と反応させると、セメント水和物である新し
い鉱物組織が発達する凝結現象が起こり、続いて硬化現
象により硬度が発生し、乾燥させれば更に硬化が促進す
る。これに対し、本発明ではセメント廃水中に流す電流
によりセメント水和物の生成が阻害されてセメント分の
凝結が抑えられ、沈降速度の差で層状に分離したセメン
ト分、砂分及び水分の反応が抑制される現象が起こると
考えられる。
【0015】電気分解の際に、正極板(2)からアルミニ
ウムイオンが溶出し、適当なpH値で水酸化アルミニウ
ムが生成される。水中の懸濁物質は一般に陰電荷を持つ
が、水酸化アルミニウムは陽電荷を持つので凝集沈殿し
てフロックを生ずる。生成された水酸化アルミニウム
は、非常に活性度が高くセメント廃水中に存在するコロ
イド粒状物質に衝突してコロイド粒状物質の凝集を阻止
し、コロイド粒状物質の分子は水酸化アルミニウムと共
に大粒の棉状フロックを形成する。また、電気分解によ
り正極板(2)から酸素が発生するので、セメント廃水中
に有機物が含まれる場合に、有機物を酸化分解してCO
D(化学的酸素要求量)等の低減を図ると共に、排水中
の溶解金属を酸化してフロックの形成が促進される。
【0016】前記のように、砂層(4)、セメント層(5)及
び水層(6)が3層に分離する結果、ポンプ(16)によりパ
イプ(9)を通じて水層(6)を処理槽(1)から抜き取り、側
部排出口(10)を開放してセメント層(5)を抽出後、最後
に砂層(4)を底部排出口(11)から抽出することができ
る。ポンプ(16)によりパイプ(9)を通じて水層(6)、セメ
ント層(5)及び砂層(4)を抽出してもよい。このように、
砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)をそれぞれ個別に
処理槽(1)から抽出でき、従来ではセメント廃水は乾燥
後に固化して取扱いが非常に困難であったが、本発明で
は、凝集剤等の薬品を注入せずにセメント分をセメント
層(5)として抽出できかつ清澄度の高い処理水を得るこ
とができると共に、砂層(4)及び水層(6)を再利用するこ
とができる。
【0017】図2に示す実施の形態では、セメント廃水
処理装置(20)の処理槽(1)に供給するセメント廃水を収
容する原水槽(25)と、セメント廃水処理装置(20)の水層
(6)を収容しかつ上部に最終処理水を放流する放流口(2
6)を備える水槽(21)と、制御弁(13)を通じて処理槽(1)
から抽出されたセメント層(5)を含むセメント廃水を収
容するセメント槽(22)と、セメント槽(22)に収容された
廃水を脱水する水切りコンベア(32)と、制御弁(14)を通
じて処理槽(1)から抽出された砂層(4)を含む廃水を収容
する砂槽(23)と、砂槽(23)に収容された廃水を脱水する
水切りコンベア(33)と、処理槽(1)の上部に設けられた
上部排出口(12)からの浮遊物を含む廃水を収容する浮遊
物槽(24)と、浮遊物槽(24)に収容された廃水を脱水する
水切りコンベア(34)とを備え、セメント廃水を連続的に
処理できる。正極板(2)と負極板(3)は、25〜30mmの
間隔で互いに対向して処理槽(1)内に交互に配置され、
正極板(2)と負極板(3)の面積を大きくして処理速度の
向上を図ることができる。水切りコンベア(34)により得
られた乾燥浮遊物(34a)は、負極板(3)から発生する水素
ガスの殺菌効果により、菌の繁殖による悪臭を発生しな
い。
【0018】工事現場等から排出される砂、セメント及
び水を含むセメント廃水を原水槽(25)に収容し、原水槽
(25)の水位が一定水位を超えたときポンプ(45)の稼動に
よりセメント廃水を流入口(8)から処理槽(1)内に供給す
る。原水槽(25)のセメント廃水を流入口(8)から処理槽
(1)に送水し、正極板(2)と負極板(3)間に一定の電圧を
印加するとセメント廃水は、砂層(4)、セメント層(5)及
び水層(6)の3層に分離する。その際に、処理槽(1)の下
部に流入口(8)を備えて適度な上向流により効率良く電
気分解を行い、電解処理時間を短縮することができる。
水層(6)は処理水として水槽(21)に送られ、上澄みを放
流口(26)からオーバーフローさせ最終処理水として有効
利用又は放流できる。次に、セメント層(5)は、制御弁
(13)を通じてセメント槽(22)に重力で送出され、セメン
ト槽(22)に隣接して設けられた水切りコンベア(32)で脱
水後乾燥されると、取扱の容易な未固化セメント粉末乾
燥物(32a)が得られる。未固化セメント粉末乾燥物(32a)
は粉末状のため、粉砕する必要がなく容易に運搬するこ
とができる。その後、分離した砂層(4)も制御弁(14)を
通じて処理槽(1)から砂槽(23)に重力で送られ、砂槽(2
3)に隣接して設けられた水切りコンベア(33)で脱水後乾
燥させると、再利用可能な乾燥砂(33a)が得られる。無
害な乾燥砂(33a)は、固化しない粒状であるから、粉砕
する必要がなく再利用できる。上部排出口(12)から除去
される浮遊物は、浮遊物槽(24)に供給され、水切りコン
ベア(34)により脱水後乾燥させると、乾燥浮遊物(34a)
が得られる。
【0019】電気分解により極めて微細な水素気泡が負
極板(3)から多量に発生し、電気分解によりコロイド粒
状物質の分子と水酸化アルミニウムとのフロックに水素
気泡が付着し、フロックが水面に浮遊する。処理槽(1)
水面には泡状の浮遊物が生じ、上部排出口(12)から浮遊
物を完全に除去すると、清澄度の高い処理水を得ること
ができると共に、セメント分と砂分との分離精度も高ま
る。
【0020】次に、2以上の処理槽を直列に接続して、
セメント廃水を連続的に処理するセメント廃水処理装置
(20)の他の実施の形態を図3について説明する。セメン
ト廃水処理装置(20)は、第1の処理槽(1a)と、第1の処
理槽(1a)の上澄み液を受ける第2の処理槽(1b)と、第1
の処理槽(1a)及び第2の処理槽(1b)からセメント廃水を
受ける第3の処理槽(1c)とを備えている。第1の処理槽
(1a)に送水されたセメント廃水の上澄み液は、滞留槽(6
0)を介して第2の処理槽(1b)の底部に供給する。第2の
処理槽(1b)の上澄み液は、水位調整槽(61)を経て第3の
処理槽(1c)に送水される。また、第1の処理槽(1a)及び
第2の処理槽(1b)の砂分も第3の処理槽(1c)に供給され
る。第3の処理槽(1c)でセメント廃水の長い滞留時間を
確保するため、第3の処理槽(1c)の容量は、第1の処理
槽(1a)及び第2の処理槽(1b)より相対的に大きい。第1
の処理槽(1a)、第2の処理槽(1b)及び第3の処理槽(1c)
内にそれぞれ設けられた正極板(2)と負極板(3)とに電圧
が印加され、図1と同様にセメント廃水はそれぞれ砂層
(4)、セメント層(5)及び水層(6)の3層に分離される。
本実施の形態では、砂層(4)、セメント層(5)及び水層
(6)は、第1の処理槽(1a)及び第2の処理槽(1b)ではな
く、第3の処理槽(1c)で分離して抽出される。第3の処
理槽(1c)でオーバーフローする水層(6)は連続的に水槽
(21)に送られる。セメント廃水を第1の処理槽(1)に連
続的に供給し、制御弁(13)及び(14)を間欠的に開弁する
ことにより、セメント層(5)及び砂層(4)をそれぞれ抽出
して、図2に示す実施の形態と同様に処理することがで
きる。図2及び図3に示す複数の正極板(2)及び負極板
(3)をユニットとして一体型に形成すれば、脱着の手間
を軽減でき、メンテナンス時の作業性が向上する。
【0021】本発明の実施の形態では、下記の作用効果
が得られる。 [1] 砂層(4)、セメント層(5)及び水層(6)をそれぞ
れ個別に処理槽(1)から抽出できる。 [2] 従来では乾燥後に固化して取扱いが非常に困難
であったセメント分を未固化セメント粉末乾燥物(32a)
として抽出できる。 [3] 砂及び水を再利用することができる。 [4] 凝集剤等の薬品を注入せずに清澄度の高い処理
水を得ることができる。 [5] セメント廃水中の有機物を酸化分解してCOD
を低減できる。 [6] セメント廃水を連続的にかつ迅速に処理するこ
とができる。 [7] 負極板(3)から発生する水素ガスの殺菌効果に
より、菌の繁殖による悪臭を発生しない。 [8] セメント廃水の処理費用低減を図ることができ
る。 [9] セメント廃水処理の際に環境に悪影響を与えな
い。
【0022】
【発明の効果】前記の通り、本発明では、工事セメント
廃水中のセメント分を固化させずに分離除去して処理を
容易に行うことができ、清澄度の高い再利用可能な処理
水を得ることができるので、セメント廃水の処理費用低
減を図ると共に、環境に悪影響を与えないセメント廃水
処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセメント廃水処理装置の概略図
【図2】 本発明によるセメント廃水処理装置の実施の
形態を示すフロー図
【図3】 本発明によるセメント廃水処理装置の他の実
施の形態を示すフロー図
【図4】 電極板とリード線との接続状態を示す部分側
面図
【符号の説明】
(1)・・処理槽、 (1a)・・第1の処理槽、 (1b)・・
第2の処理槽、 (1c)・・第3の処理槽、 (2)・・正
極板、 (3)・・負極板、 (4)・・砂層、 (5)・・セ
メント層、 (6)・・水層、 (7)・・直流電源、 (8)
・・流入口、 (9)・・パイプ、 (10)・・側部排出
口、 (11)・・底部排出口、 (12)・・上部排出口、
(13, 14)・・制御弁、 (16)・・ポンプ、 (20)・・セ
メント廃水処理装置、 (21)・・水槽、 (22)・・セメ
ント槽、 (23)・・砂槽、 (24)・・浮遊物槽、 (25)
・・原水槽、 (26)・・放流口、 (32, 33, 34)・・脱
水装置(水切りコンベア)、 (32a)・・未固化セメン
ト粉末乾燥物、 (33a)・・乾燥砂、 (34a)・・乾燥浮
遊物、 (45)・・ポンプ、

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂、セメント及び水を含むセメント廃水
    を処理槽内に供給する工程と、処理槽内に互いに対向し
    てかつ一定間隔離間して配置されたアルミニウム製の正
    極板と導電性の負極板との間に電圧を印加してセメント
    廃水の電気分解を行い、処理槽内のセメント廃水を砂
    層、セメント層及び水層の3層に分離する工程と、分離
    した砂層、セメント層及び水層を処理槽から個別に取り
    出す工程とを含むことを特徴とするセメント廃水処理
    法。
  2. 【請求項2】 水層を処理槽から抜き取った後、セメン
    ト層を抽出し、最後に砂層を抽出する請求項1に記載の
    セメント廃水処理法。
  3. 【請求項3】 砂、セメント及び水を含むセメント廃水
    を収容する処理槽と、互いに対向してかつ一定間隔離間
    して処理槽内に配置されたアルミニウム製の正極板及び
    導電性の負極板と、正極板及び負極板に電気的に接続さ
    れた直流電源とを備え、 処理槽は、セメント廃水を導入する流入口と、処理槽内
    に分離した砂層、セメント層及び水層をそれぞれ排出す
    る1又は2以上の排出口とを備えることを特徴とするセ
    メント廃水処理装置。
  4. 【請求項4】 処理槽の下部に流入口を設けた請求項3
    に記載のセメント廃水処理装置。
  5. 【請求項5】 ポンプに接続されかつ砂層、セメント層
    及び水層の少なくとも1つを排出するパイプを備える請
    求項3又は4に記載のセメント廃水処理装置。
  6. 【請求項6】 砂層、セメント層及び水層の少なくとも
    1つを排出する側部排出口及び底部排出口を設けた請求
    項3〜5のいずれか1項に記載のセメント廃水処理装
    置。
  7. 【請求項7】 処理槽の上部に浮遊物を除去する上部排
    出口を設けた請求項3〜6のいずれか1項に記載のセメ
    ント廃水処理装置。
  8. 【請求項8】 正極板と負極板とが離間する間隔は15
    〜50mmである請求項3〜7のいずれか1項に記載のセ
    メント廃水処理装置。
  9. 【請求項9】 正極板と負極板に印加する電圧は3〜5
    0Vである請求項3〜8のいずれかに記載のセメント廃
    水処理装置。
  10. 【請求項10】 処理槽内に複数の正極板と負極板を交
    互に配置した請求項3〜9のいずれか1項に記載のセメ
    ント廃水処理装置。
  11. 【請求項11】 処理槽に供給するセメント廃水を収容
    する原水槽と、処理槽の水層から供給される水分を収容
    する水槽と、処理槽のセメント層から供給されるセメン
    ト分を収容するセメント槽と、処理槽の砂層から供給さ
    れる砂分を収容する砂槽とを備えた請求項3〜10のい
    ずれか1項に記載のセメント廃水処理装置。
  12. 【請求項12】 処理槽の上部に設けられかつ処理槽内
    に収容されたセメント廃水の浮遊物を排出する上部排出
    口と、上部排出口から供給される浮遊物を収容する浮遊
    物槽とを備えた請求項11に記載のセメント廃水処理装
    置。
  13. 【請求項13】 処理槽は直列に2以上接続された第1
    の処理槽、第2の処理槽及び第3の処理槽を有する請求
    項11に記載のセメント廃水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100445158B1 (ko) * 2002-07-16 2004-08-21 현대모비스 주식회사 폐수처리를 위한 전기응집반응조
JP2012531303A (ja) * 2009-06-29 2012-12-10 プロターゴ インコーポレーテッド 排水の電気化学的処理のための装置および方法

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