JP2000209016A - アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、簡易な構成で、信頼性の高い高精
度な受信系動作確認を実現し得るようにすることにあ
る。 【解決手段】複数のアンテナ素子２０１，２０２，２０
３，…，２０ｎで受信した受信信号を増幅してサーキュ
レータ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎ、移相器２
４１，２４２，２４３，…，２４ｎを介して電力分配／
合成器２７に出力する複数の低雑音増幅器２５１，２５
２，２５３，…，２５ｎの出力のいずれか一つを切替ス
イッチ２６１，２６２，２６３，…，２６ｎを介して一
系統ずつ選択的にモニタし得るように構成したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば人工衛星
等の宇宙航行体に搭載されて衛星通信等に供するのに用
いられるアンテナ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、宇宙開発の分野においては、アン
テナビームを電気的に走査可能なフェーズドアレーアン
テナと称するアンテナ装置を利用する研究が進められて
いる。このようなアンテナ装置としては、複数のアンテ
ナ素子に対してそれぞれ電力増幅器及び低雑音増幅器を
接続した、いわゆるアクティブフェーズドアレー方式が
注目されている。

【０００３】図２は、このようなアンテナ装置を示すも
ので、複数のアンテナ素子１０１，１０２，１０３，
…，１０ｎは、例えば図示しない宇宙航行体に地上に向
けて配置される。これら複数のアンテナ素子１０１，１
０２，２０３，…，１０ｎの各入出力端には、送受信分
離用のサーキュレータ１１１，１１２，１１３，…，１
１ｎがそれぞれ接続される。

【０００４】これら複数のサーキュレータには、その各
一方端に送信信号増幅用の電力増幅器１２１，１２２，
１２３，…，１２ｎがそれぞれ接続され、これら複数の
電力増幅器１２１，１２２，１２３，…，１２ｎの各入
力端には、サーキュレータ１３１，１３２，１３３，
…，１３ｎを介して移相器１４１，１４２，１４３，
…，１４ｎがそれぞれ接続される。

【０００５】また、上記サーキュレータ１１１，１１
２，１１３，…，１１ｎの各他方端には、受信信号低雑
音増幅用の低雑音増幅器１５１，１５２，１５３，…，
１５ｎの入力端がそれぞれ接続される。これら複数の低
雑音増幅器１５１，１５２，１５３，…，１５ｎの各出
力端には、上記サーキュレータ１３１，１３２，１３
３，…，１３ｎを介して移相器１４１，１４２，１４
３，…，１４ｎがそれぞれ接続される。

【０００６】これら複数の移相器１４１，１４２，１４
３，…，１４ｎには、電力分配／合成器１６が接続さ
れ、この電力分配／合成器１６には、送信機１７及び受
信機１８がサーキュレータ１９を介して接続される。

【０００７】上記構成において、送信機１７から送信さ
れた送信信号は、サーキュレータ１９を経由して電力分
配／合成器１６に供給されて分配されて、複数の移相器
１４１，１４２，１４３，…，１４ｎにそれぞれ供給さ
れる。これら移相器１４１，１４２，１４３，…，１４
ｎは、入力した送信信号を所定の位相にそれぞれ設定す
る。

【０００８】この所定の位相に設定された送信信号は、
それぞれサーキュレータ１３１，１３２，１３３，…，
１３ｎを経由して電力増幅器１２１，１２２，１２３，
…，１２ｎに入力され、これら電力増幅器１２１，１２
２，１２３，…，１２ｎで所定の電力に増幅される。そ
して、電力増幅器１２１，１２２，１２３，…，１２ｎ
で所定の電力に増幅された送信信号は、サーキュレータ
１１１，１１２，１１３，…，１１ｎを経由してアンテ
ナ素子１０１，１０２，１０３，…，１０ｎにそれぞれ
供給され、これらアンテナ素子１０１，１０２，１０
３，…，１０ｎをから、例えば地上に向けて放射され
る。

【０００９】また、地上から送信された送信信号は、先
ず複数のアンテナ素子１０１，１０２，１０３，…，１
０ｎで受信する。すると、これら受信信号は、それぞれ
サーキュレータ１１１，１１２，１１３，…，１１ｎを
経由して低雑音増幅器１５１，１５２，１５３，…，１
５ｎに供給される。これら低雑音増幅器１５１，１５
２，１５３，…，１５ｎは、入力した受信信号を低雑音
増幅して、サーキュレータ１３１，１３２，１３３，
…，１３ｎを経由して移相器１４１，１４２，１４３，
…，１４ｎにそれぞれ供給する。

【００１０】これら移相器１４１，１４２，１４３，
…，１４ｎは、入力した受信信号を所定の位相に設定し
て電力分配／合成器１６に出力する。この電力分配／合
成器１６は、入力した受信信号を合成する。この合成さ
れた受信信号は、サーキュレータ１９を経由して受信機
１８に供給される。

【００１１】ところで、このようなアンテナ装置におい
ては、保守点検が困難な宇宙環境で使用することを考慮
した場合、その送信系及び受信系の機能・性能の高精度
な維持が要求される。

【００１２】そこで、送信系及び受信系の機能・性能を
モニタして動作を確認する動作確認手段が研究されてい
る。

【００１３】例えば、送信系の動作確認手段としては、
図３に示すように送信信号の信号レベルが比較的高いこ
とで、複数の電力増幅器１２１，１２２，１２３，…，
１２ｎの各出力端ににカップラ９を取付けて、このカッ
プラ９を介して出力の一部を抽出する。このカップラ９
の出力端には、検波器８を介してＡ／Ｄ（アナログ／デ
ジタル）変換器７が接続され、送信信号を検波器８で直
流電圧に変換した後、Ａ／Ｄ変換器７で量子化して、テ
レメトリデータとして地上局に送信する方法等が考えら
れている。

【００１４】ところが、受信系の動作確認手段として
は、受信号の信号レベルが送信信号に比して非常に小さ
いために、受信信号の一部を抽出してモニタした場合、
動作確認に適した十分な電圧を確保することが困難であ
り、信頼性の高い高精度な動作確認が困難であるという
問題を有する。

【００１５】係る事情は、省電力化と共に、高信頼性の
要求の強い宇宙開発の分野において重要な課題となって
いる。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のアクティブフェーズドアレー方式のアンテナ装置で
は、受信系の動作確認が困難であるという問題を有す
る。

【００１７】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、構成簡易にして、信頼性の高い高精度な受信系動
作確認を実現し得るようにしたアンテナ装置を提供する
ことを目的とする。

【００１８】

【課題を解決するための手段】この発明は、複数のアン
テナ素子で受信した電磁波を増幅する複数の低雑音増幅
器と、この複数の低雑音増幅器で増幅した電磁波を合成
して受信機に出力する電力合成手段と、前記複数の低雑
音増幅器のいずれか一つで増幅した電磁波を選択的に前
記受信機に出力して前記低雑音増幅器の動作をモニタす
る低雑音増幅器モニタ手段とを備えてアンテナ装置を構
成した。

【００１９】また、この発明は、前記複数のアンテナ素
子に電力増幅した電磁波を供給して目標方向に送信する
複数の電力増幅器と、複数のアンテナ素子で受信した電
磁波を増幅する複数の低雑音増幅器と、前記送信機から
送信された電磁波を分配して前記複数の電力増幅器に分
配すると共に、前記複数の低雑音増幅器で増幅した電磁
波を合成して受信機に出力する電力分配／合成手段と、
前記複数の低雑音増幅器のいずれか一つで増幅した電磁
波を選択的に前記受信機に出力して前記低雑音増幅器の
動作をモニタする低雑音増幅器モニタ手段とを備えてア
ンテナ装置を構成した。

【００２０】上記構成によれば、受信系を構成する複数
の低雑音増幅器の出力が直接的にモニタされることによ
り、低雑音増幅器の動作確認が可能な電圧が確保され、
信頼性の高い高精度な受信系動作確認が可能となる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して詳細に説明する。

【００２２】図１は、この発明の一実施の形態に係るア
ンテナ装置を示すもので、複数のアンテナ素子２０１，
２０２，２０３，…，２０ｎは、例えば図示しない宇宙
航行体に地上に向けて配置される。この複数のアンテナ
素子２０１，２０２，２０３，…，２０ｎの各入出力端
には、送受信分離用のサーキュレータ２１１，２１２，
２１３，…，２１ｎがそれぞれ接続される。

【００２３】これら複数のサーキュレータ２１１，２１
２，２１３，…，２１ｎには、その各一方端に送信信号
増幅用の電力増幅器２２１，２２２，２２３，…，２２
ｎがそれぞれ接続され、これら複数の電力増幅器２２
１，２２２，２２３，…，２２ｎの各入力端には、サー
キュレータ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎを介し
て移相器２４１，２４２，２４３，…，２４ｎがそれぞ
れ接続される。

【００２４】また、上記サーキュレータ２１１，２１
２，２１３，…，２１ｎの各他方端には、受信信号低雑
音増幅用の低雑音増幅器２５１，２５２，２５３，…，
２５ｎの入力端がそれぞれ接続される。これら複数の低
雑音増幅器２５１，２５２，２５３，…，２５ｎの各出
力端には、モニター用の切替スイッチ２６１，２６２，
２６３，…，２６ｎの各可動接点ａがそれぞれ接続さ
れ、これら切替スイッチ２６１，２６２，２６３，…，
２６ｎの各固定接点ｂには、上記サーキュレータ２３
１，２３２，２３３，…，２３ｎを介して移相器２４
１，２４２，２４３，…，２４ｎがそれぞれ接続され
る。

【００２５】これら複数の移相器２４１，２４２，２４
３，…，２４ｎには、電力分配／合成器２７が接続され
る。そして、この電力分配／合成器２７には、送信機２
８及び受信機２９がサーキュレータ３０を介して接続さ
れる。

【００２６】上記複数の切替スイッチ２６１，２６２，
２６３，…，２６ｎの各制御信号入力端には、スイッチ
制御器３１の出力端がそれぞれ接続される。

【００２７】スイッチ制御器３１は、動作確認指令に応
動して切替信号を生成して切替スイッチ２６１，２６
２，２６３，…，２６ｎのいずれか一つの可動接点ａを
固定接点ｂに接続させ、他の可動接点ａを固定接点ｂか
ら離間させるようにオン・オフ切替制御する。

【００２８】ここで、接状態の切替スイッチ２６１（２
６２，２６３，…，２６ｎ）は、低雑音増幅器２５１
（２５２，２５３，…，２５ｎ）からの出力をサーキュ
レータ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎを経由して
移相器２４１，２４２，２４３，…，２４ｎに供給し、
この移相器２４１，２４２，２４３，…，２４ｎを介し
て電力分配／合成器２７に供給され、サーキュレータ３
０を経由して受信機２９に入力される。これにより、受
信機２９には、低雑音増幅器２５１（２５２，２５３，
…，２５ｎ）のうちの一つの出力がモニタされ、ここ
に、その動作確認が行われる。

【００２９】上記構成において、送信機２８から送信さ
れた送信信号は、サーキュレータ３０を経由して電力分
配／合成器２７に供給されて分配されて、複数の移相器
２４１，２４２，２４３，…，２４ｎにそれぞれ供給さ
れる。これら移相器２４１，２４２，２４３，…，２４
ｎは、入力した送信信号をそれぞれ所定の位相に設定す
る。

【００３０】この所定の位相に設定された送信信号は、
それぞれサーキュレータ２３１，２３２，２３３，…，
２３ｎを経由して電力増幅器２２１，２２２，２２３，
…，２２ｎに供給され、これら電力増幅器２２１，２２
２，２２３，…，２２ｎで所定の電力に増幅される。

【００３１】これら電力増幅器２２１，２２２，２２
３，…，２２ｎで所定の電力に増幅された送信信号は、
サーキュレータ２１１，２１２，２１３，…，２１ｎを
経由してアンテナ素子２０１，２０２，２０３，…，２
０ｎに供給され、これらアンテナ素子２０１，２０２，
２０３，…，２０ｎを介して、例えば地上に向けて放射
される。

【００３２】また、地上から送信された信号を受信する
場合には、スイッチ制御器３１を介して切替スイッチ２
６１，２６２，２６３，…，２６ｎの全てがオン状態に
切替設定された状態で実行される。この切替スイッチ２
６１，２６２，２６３，…，２６ｎのオン状態におい
て、複数のアンテナ素子２０１，２０２，２０３，…，
２０ｎが信号を受信すると、その受信信号は、それぞれ
サーキュレータ２１１，２１２，２１３，…，２１ｎを
経由して低雑音増幅器２５１，２５２，２５３，…，２
５ｎに供給され、これら低雑音増幅器２５１，２５２，
２５３，…，２５ｎで、入力した信号が低雑音増幅され
る。

【００３３】そして、これら低雑音増幅器２５１，２５
２，２５３，…，２５ｎの出力は、切替スイッチ２６
１，２６２，２６３，…，２６ｎを介してサーキュレー
タ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎに供給され、こ
のサーキュレータ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎ
を経由して移相器２４１，２４２，２４３，…，２４ｎ
にそれぞれ供給される。

【００３４】これら移相器２４１，２４２，２４３，
…，２４ｎは、入力した受信信号を所定の位相に設定し
て電力分配／合成器２７に出力する。そして、この電力
分配／合成器２７で合成された受信信号は、サーキュレ
ータ３０を経由して受信機２９に供給される。

【００３５】そして、受信系の動作確認を行う場合に
は、例えば地上局を介して動作確認指令がスイッチ制御
器３１に入力される。すると、スイッチ制御器３１は、
動作確認指令に応動して切替信号を生成して切替スイッ
チ２６１，２６２，２６３，…，２６ｎのいずれか一つ
の可動接点ａを固定接点ｂに接続させ、他の可動接点ａ
を固定接点ｂから離間させる。

【００３６】ここで、接状態の切替スイッチ２６１（２
６２，２６３，…，２６ｎ）は、低雑音増幅器２５１
（２５２，２５３，…，２５ｎ）からの出力をサーキュ
レータ２３１（２３２，２３３，…，２３ｎ）を経由し
て移相器２４１（２４２，２４３，…，２４ｎ）に供給
する。このうち受信信号の入力した移相器２４１（２４
２，２４３，…，２４ｎ）は、受信信号を所定の位相に
設定して電力分配／合成器２７に供給する。

【００３７】電力分配／合成器２７は、入力した受信信
号を合成してサーキュレータ３０を経由して受信機２９
に出力する。すると、受信機２９には、低雑音増幅器２
５１（２５２，２５３，…，２５ｎ）のうちの一つの系
統の出力のみがモニタされ、ここに、その系統の低雑音
増幅器２５１（２５２，２５３，…，２５ｎ）のうちの
動作確認が行われる。

【００３８】このようにして、切替スイッチ２６１，２
６２，２６３，…，２６ｎを順に一系統ずつオンに切替
設定される。

【００３９】これにより、低雑音増幅器２５１，２５
２，２５３，…，２５ｎの一つの系統の出力は、切替ス
イッチ２６１，２６２，２６３，…，２６ｎを介してサ
ーキュレータ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎ、移
相器２４１，２４２，２４３，…，２４ｎ、電力分配／
合成器２７、サーキュレータ３０を経由して受信機２９
に出力される。ここで、切替スイッチ２６１，２６２，
２６３，…，２６ｎの切替制御に対応して低雑音増幅器
２５１，２５２，２５３，…，２５ｎの各系統別の動作
確認が順に実行される。

【００４０】このように、上記アンテナ装置は、複数の
アンテナ素子２０１，２０２，２０３，…，２０ｎで受
信した受信信号を増幅してサーキュレータ２３１，２３
２，２３３，…，２３ｎ、移相器２４１，２４２，２４
３，…，２４ｎを介して電力分配／合成器２７に出力す
る複数の低雑音増幅器２５１，２５２，２５３，…，２
５ｎの出力のいずれか一つを切替スイッチ２６１，２６
２，２６３，…，２６ｎを介して一系統ずつ選択的にモ
ニタし得るように構成した。

【００４１】これによれば、受信系を構成する複数の低
雑音増幅器２５１，２５２，２５３，…，２５ｎの出力
が直接的にモニタされることにより、これら低雑音増幅
器２５１，２５２，２５３，…，２５ｎの動作確認が可
能な電圧が確保される。従って、省電力化と共に、簡易
な構成を確保したうえで、信頼性の高い高精度な受信系
動作確認が実現される。

【００４２】なお、上記実施の形態では、モニタ手段と
して切替スイッチ２６１，２６２，２６３，…，２６ｎ
を低雑音増幅器２５１，２５２，２５３，…，２５ｎの
出力端に配置するように構成した場合で説明したが、こ
れに限ることなく、その他、例えば低雑音増幅器２５
１，２５２，２５３，…，２５ｎの入力端あるいはアン
テナ素子２０１，２０２，２０３，…，２０ｎの出力端
に配置するように構成してもよい。

【００４３】また、上記実施の形態では、切替スイッチ
２６１，２６２，２６３，…，２６ｎ及びスイッチ制御
器３１を用いて低雑音増幅器２５１，２５２，２５３，
…，２５ｎのいずれか一つをモニタするように構成した
場合で説明したが、これに限ることなく、その他、低雑
音増幅器２５１，２５２，２５３，…，２５ｎの電源を
選択的にオン・オフ制御することにより、低雑音増幅器
２５１，２５２，２５３，…，２５ｎのいずれか一つの
系統の出力をモニタするように構成することも可能であ
る。

【００４４】さらに、上記実施の形態では、送信系及び
受信系を備えたアンテナシステムに適用した場合で説明
したが、これに限ることなく、例えば受信系のみを備え
たアンテナシステムにおいても適用可能である。

【００４５】よって、この発明は、上記実施の形態に限
ることなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変形を実施し得ることは勿論である。

【００４６】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、構成簡易にして、信頼性の高い高精度な受信系動作
確認を実現し得るようにしたアンテナ装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施の形態に係るアンテナ装置の
構成を示したブロック図である。

【図２】この従来のアンテナ装置の構成を説明するため
に示したブロック図である。

【図３】送信系の動作確認手段の構成を示した回路図で
ある。

【符号の説明】

２０１，２０２，２０３，…，２０ｎ … アンテナ素
子。 ２１１，２１２，２１３，…，２１ｎ … サーキュレ
ータ。 ２２１，２２２，２２３，…，２２ｎ … 電力増幅
器。 ２３１，２３２，２３３，…，２３ｎ … サーキュレ
ータ。 ２４１，２４２，２４３，…，２４ｎ … 移相器。 ２５１，２５２，２５３，…，２５ｎ … 低雑音増幅
器。 ２６１，２６２，２６３，…，２６ｎ … 切替スイッ
チ。 ２７ … 電力分配／合成器。 ２８ … 送信機。 ２９ … 受信機。 ３０ … サーキュレータ。 ３１ … スイッチ制御器。 ａ … 可動接点。 ｂ … 固定接点。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のアンテナ素子で受信した電磁波を
   増幅する複数の低雑音増幅器と、 この複数の低雑音増幅器で増幅した電磁波を合成して受
   信機に出力する電力合成手段と、 前記複数の低雑音増幅器のいずれか一つで増幅した電磁
   波を選択的に前記受信機に出力して前記低雑音増幅器の
   動作をモニタする低雑音増幅器モニタ手段と具備したア
   ンテナ装置。
2. 【請求項２】 前記複数のアンテナ素子に電力増幅した
   電磁波を供給して目標方向に送信する複数の電力増幅器
   と、 複数のアンテナ素子で受信した電磁波を増幅する複数の
   低雑音増幅器と、 前記送信機から送信された電磁波を分配して前記複数の
   電力増幅器に分配すると共に、前記複数の低雑音増幅器
   で増幅した電磁波を合成して受信機に出力する電力分配
   ／合成手段と、 前記複数の低雑音増幅器のいずれか一つで増幅した電磁
   波を選択的に前記受信機に出力して前記低雑音増幅器の
   動作をモニタする低雑音増幅器モニタ手段と具備したア
   ンテナ装置。
3. 【請求項３】 前記低雑音増幅器モニタ手段は、前記複
   数の低雑音増幅器のいずれか一つで増幅した電磁波を選
   択的に前記受信機に出力する選択スイッチを備えること
   を特徴とする請求項１又は２記載のアンテナ装置。