JP2000208786A - 集積型薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

集積型薄膜太陽電池の製造方法

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JP2000208786A
JP2000208786A JP11004144A JP414499A JP2000208786A JP 2000208786 A JP2000208786 A JP 2000208786A JP 11004144 A JP11004144 A JP 11004144A JP 414499 A JP414499 A JP 414499A JP 2000208786 A JP2000208786 A JP 2000208786A
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lower electrode
layer
electrode layer
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Susumu Kidoguchi
晋 木戸口
Hisashi Hayakawa
尚志 早川
Hiroshi Taniguchi
浩 谷口
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Original Assignee
Sharp Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積型薄膜太陽電池のパターニング工程にお
いて、隣接する発電領域の上部電極と下部電極とを良好
に電気的接続し、太陽電池特性の向上と生産コストの低
減を可能とするための手段を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 上部電極(4a、4b及び4c)上から
レーザ光22を照射して、と隣接する発電領域の上部電
極(4a、4b及び4c)と下部電極(2a、2b及び
2c)とを電気的接続部分12により電気的に接続する
ことで上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積型薄膜太陽電
池の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、隣接
する発電領域の上部電極と下部電極とを電気的接続する
ための加工方法並びに同一の発電領域内に生じた電気的
漏洩部の除去方法を含む集積型薄膜太陽電池の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、薄膜太陽電池の基板が、絶縁表
面を有する場合は、単一基板上で複数の光起電力素子を
直列に接続することによって所望の光起電力を得る、い
わゆる集積化と呼ばれる加工が施される場合が多い。こ
のような、絶縁表面を有する基板上に形成された薄膜太
陽電池は、下部電極、光電変換層及び上部電極がこの順
に積層されている。
【0003】また、不透光性基板を用いる場合は、上部
電極には、一般に酸化物からなる透明導電膜が用いられ
ている。この導電膜に起因する直列抵抗により、太陽電
池は電力損失を生じるため、太陽電池電流−電圧特性に
おける曲線因子(F.F.)が低下する。この直列抵抗
による損失を抑えるため、電流の流れる距離を短くす
る、すなわち集積化を行なう必要がある。集積化は、各
層形成時にそれぞれの層を所定形状にパターニングする
ことにより行われる。
【0004】パターニングには、マスクを使用した蒸着
法、フォトエッチング法又はレーザ・スクライブ法等が
使用される。このうち、レーザ・スクライブ法は、その
他の方法に比べてコスト的、工程的及び最終的に得られ
る太陽電池出力のいずれにおいても優れているため、広
く使用されている。レーザ・スクライブ法を使用した従
来の集積型薄膜太陽電池の製造方法を、図6(a)〜
(f)を用いて説明する。まず、絶縁表面を有する基板
1上に下部電極層2を積層する(図6(a)参照)。
【0005】次に、基板1上に形成された下部電極層2
をレーザ・スクライブ法によって短冊状に絶縁分離する
(第1のパターニング、図6(b)参照)。第1のパタ
ーニングにより、下部電極層2は、溝11を介して、発
電領域(単位セル)毎に分割され下部電極(参照番号2
a、2b及び2c)となる。
【0006】次いで、非晶質半導体に代表される光電変
換材料層3を積層する(図6(c)参照)。更に、溝1
1と平行かつ所定幅ずらした位置に、下地の下部電極を
損傷せずに、レーザ・スクライブ法によって光電変換材
料層のみを選択的に短冊状に分離する(第2のパターニ
ング、図6(d)参照)。第2のパターニングにより、
光電変換材料層3は、溝12を介して、発電領域毎に分
離され、光電変換層(参照番号3a、3b及び3c)と
なる。
【0007】更に、上部電極層4を積層する(図6
(e)参照)。次いで、溝12と平行かつ溝11と反対
側に所定幅ずらした位置に、下地の光電変換層及び下部
電極を損傷せずに、レーザ・スクライブ法によって上部
電極層4のみを選択的に短冊状に分離する(第3のパタ
ーニング、図6(f)参照)。第3のパターニングによ
り、上部電極層4は、溝13を介して、発電領域毎に分
離され、上部電極(参照番号4a、4b及び4c)とな
る。
【0008】なお、図6(a)〜(f)中、21、24
及び23は、下部電極層2、光電変換層3及び上部電極
層4を分離するためのレーザ光を示している。
【0009】更に、特開平6−132552号公報に
は、上部電極と下部電極とを電気的に接続するための第
2のパターニングに関して、予め下部電極の上に局部的
に導電体層を形成し、上部電極上に積層された集電電極
層上からレーザ光を照射し、前記集積電極層と下部電極
の上に形成された導電体層とを電気的に接続する方法が
示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した3段階のパタ
ーニングのうち、光電変換材料層のみを選択的に除去す
る第2のパターニングは、溝12を通じて上部電極と下
部電極とを電気的に接続するために施されている。その
ため、複数の光起電力素子を直列に接続する集積化の工
程において、溝12の形状が不完全であると、最終的に
得られる太陽電池の電流−電圧特性が直列抵抗損失を含
んだものとなり、曲線因子(F.F.)が低下し、結果
として、太陽電池の出力が低下することとなる。
【0011】従来、この第2のパターニングには、レー
ザ光を用いた、レーザ・スクライブ法が多く用いられて
いた。レーザ・スクライブ法は、光電変換材料層を成膜
した後、上部電極を形成する前に、加工対象物を載せた
ステージを走査しながらレーザ光を照射する、あるいは
加工対象物を載せたステージは固定とし、レーザ光を走
査しながら照射する、又は、それらの併用によって光電
変換材料層を熱的又は分子的に蒸発させ、選択除去する
方法である。この方法は比較的容易に溝が形成できるた
め、生産工程が簡略化でき、生産コストを低く抑えるこ
とができる。更に、レーザ装置による加工は、極めて精
度を高くすることができるため、加工溝幅を100μm
以下にすることができる。そのため、集積型薄膜太陽電
池においては、実際の発電に寄与せず、発電有効面積の
減少させる直列接続領域を小さくすることができる。
【0012】しかしながら、このように光電変換材料層
の上からレーザ光を照射して光電変換材料層のみを選択
的に除去する方法は、レーザ光の条件を適正に管理しな
ければ除去不良が生じ易い。すなわち、第2のパターニ
ングにおいて、光電変換材料層に照射されるレーザ光の
パワーが過大であれば、光電変換材料層のみならず、下
部電極をも損傷してしまう。その結果、隣接する発電領
域と電気的に接続されない、又は、発電領域間に大きな
直列抵抗損失を生じることになる。一方、光電変換材料
層に照射されるレーザ光のパワーが不足していれば、光
電変換材料層が完全に除去されない。そのため、隣接す
る発電領域との電気的接続が完全とならず、直列抵抗損
失を生じることとなる。また、溝周辺に飛散した光電変
換材料層の加工物の粉塵によって、光電変換層に破れが
生じる場合があった。そのため、上部電極と下部電極と
の間に電気的な漏れを生じるので太陽電池特性が低下し
てしまう。
【0013】いずれにせよ、光電変換材料層上からレー
ザ光を照射して光電変換材料層を選択的に除去する方法
では、再現よく良好な加工を行なうことが難しく、工業
的に大量生産する場合においては、歩留りの低下を招く
恐れがある。
【0014】また、特開平6−132552号公報に記
載の手法によれば、上部電極上に積層された集電電極層
上からレーザ光を照射して上部電極と下部電極とを電気
的に接続することが可能である。しかし、良好な電気的
接続を得るためには、予め下部電極の上に局部的に導電
体層を形成する必要がある。更に、上部電極上に集電電
極層を形成する方法として、マスクパターンを用いる方
法、エッチング法又は導電ペーストを印刷する方法等が
記載されているが、いずれの方法も、光電変換層内に電
気的短絡箇所を生じ易い。そのため太陽電池の出力特性
及び歩留まりの低下を招くという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、絶縁表
面を有する同一基板上に下部電極、光電変換層及び上部
電極からなる複数の発電領域が直列に接続された集積型
薄膜太陽電池において、基板上に下部電極層を積層及び
パターニング加工することにより下部電極を形成し、下
部電極上に光電変換材料層及び上部電極層を積層し、次
いで、上部電極層と光電変換材料層をパターニング加工
して上部電極層の分離、及び隣接する発電領域の上部電
極と下部電極との電気的接続を行うことにより光電変換
層と上部電極を形成する工程からなり、隣接する発電領
域の上部電極と下部電極とを電気的に接続する工程にお
いて、上部電極層上から照射するレーザ光は、下部電極
層での反射率が90%以上であることを特徴とする集積
型薄膜太陽電池の製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば図1に示すよう
に、基板1上に、溝11を介して分離された下部電極
(2a、2b及び2c)、下部電極を覆う光電変換層
(3a、3b及び3c)、光電変換層上に溝13を介し
て分離された上部電極(4a、4b及び4c)を備え、
電気的接続部分12を介して隣接する発電領域の上部電
極と下部電極とが接続されてなる集積型薄膜太陽電池の
製造工程において、上部電極上からレーザ光22を照射
して、隣接する発電領域の上部電極と下部電極とを電気
的に接続する電気的接続部分12を形成することを特徴
の1つとする。このような本発明の製造方法によって、
集積型薄膜太陽電池を工業的に大量生産する場合に、比
較的広い加工条件範囲で再現性がよく、高歩留まりを実
現することができる。
【0017】以下に本発明の製造方法を具体的に説明す
る。まず、本発明に使用することができる基板として
は、絶縁表面を有しさえすれば、特に限定されない。基
板としては、具体的には、カーボンファイバー、黒鉛、
ステンレススチール、アルミニウム、銅、チタン、鉄、
亜鉛メッキ鋼等のフィルム状やシート状の導電性基板を
絶縁膜(例えば、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の樹脂膜、シリカ、アル
ミナ、酸化チタン等のセラミックス膜)で被覆した基
板、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、シリコン樹脂等の樹脂や、シリカ、アルミナ、酸化
チタン等のセラミックス等のフィルムやシート等の絶縁
性基板が挙げられる。
【0018】次に、基板上に下部電極層が積層される。
下部電極層は、金属層、金属酸化物層又は金属層と金属
酸化物層との積層体からなる。ここで、金属層は、金、
銀、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン等の材料から
構成される。金属酸化物層は、酸化インジウム錫(IT
O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)等の材料
から構成される。下部電極層は、隣接する発電領域の上
部電極と下部電極とを電気的に接続するためのレーザ光
の波長に対して、90%以上の反射率を有する材料から
なる。この観点から、上記の内、少なくとも金、銀、ア
ルミニウム、銅、ニッケル、チタン等の材料を少なくと
も1種以上含むことが好ましい。具体的な下部電極層の
構成は、基板側から、銀−ZnO、銀−アルミニウム−
ZnO、銀−ITO−ZnOの積層体からなることが好
ましい。下部金属層の厚さは、0.1〜10μmの範囲
であることが好ましい。下部電極層の形成方法として
は、例えば、蒸着法、スパッタリング法等が挙げられ
る。
【0019】次に、下部電極層は、所望の形状にパター
ニングされることにより、複数の発電領域毎の下部電極
に分離される(第1のパターニング)。ここで、分離す
るための手段としては、マスクを使用した蒸着法、フォ
トエッチング法又はレーザ・スクライブ法等が挙げられ
る。このうち、レーザ・スクライブ法は、その他の方法
に比べてコスト的、工程的及び最終的に得られる太陽電
池出力のいずれにおいても優れているため好ましい。レ
ーザ・スクライブ法に使用することができるレーザとし
ては、ルビーレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ、ア
レキサンドライトレーザ等が挙げられる。この内、YA
Gレーザが好ましく、特に、ネオジミウムYAGレーザ
(Nd:YAGレーザ)が好ましい。なお、Nd:YA
Gレーザの基本波(波長λ=1064nm)、第2高調
波(SHG、波長λ=534nm)、第3高調波(TH
G、波長λ=355nm)をいずれも使用することがで
きる。
【0020】また、隣接する下部電極との間の溝の間隔
は、下部電極同士が電気的に分離されていることが必要
であり、具体的には10〜150μmの範囲であること
が好ましい。次に、下部電極を覆うように光電変換材料
層が積層される。光電変換材料層を構成する材料として
は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコ
ン、アモルファスシリコン等のシリコン類や、SiG
e、SiC、GaAs、CdS、CdSe、CdTe等
の化合物半導体が挙げられる。
【0021】光電変換材料層の厚さは、0.08〜2μ
mの範囲であることが好ましい。光電変換材料層の形成
方法としては、例えば、蒸着法、CVD法、プラズマC
VD法、スパッタリング法等が挙げられる。次いで、光
電変換材料層を覆うように上部電極層が積層される。上
部電極層は、金属層、金属酸化物層、金属層と金属酸化
物層との積層体からなる。ここで、金属層は、金、銀、
アルミニウム、銅、ニッケル、チタン等の材料から構成
される。金属酸化物層は、ITO、ZnO、SnO、酸
化チタン(TiO2)、酸化インジウム(In23)等
の材料から構成される。上記の内、ITOを使用するこ
とが好ましい。上部電極層の厚さは、0.01〜1μm
の範囲であることが好ましい。上部電極層の形成方法と
しては、例えば、蒸着法、スパッタリング法等が挙げら
れる。
【0022】また、上部電極層を成膜後、以下で説明す
る隣接する発電領域の上部電極と下部電極とを電気的に
接続する前に、同一の発電領域内で光電変換材料層を介
して上部電極と下部電極との間に電気的な漏洩がある場
合、その発電領域の電気的漏洩部を、電気化学的手法に
よって溶解(電解エッチング)除去することが好まし
い。この電気化学的手法に使用される電解液としては、
導通時に上部電極を溶解しうるものであれば特に限定さ
れない。具体的には、上部電極層がITOである場合、
電気化学的手法には、硫酸を少なくとも含む電解液を用
いることが好ましい。
【0023】次に、隣接する発電領域の上部電極と下部
電極とを電気的に接続し、光電変換材料層を複数の発電
領域毎の光電変換層に分離するために、レーザ光が照射
される(第2のパターニング)。レーザ光の照射位置
は、下部電極間の溝と所定幅(例えば、50〜400μ
mの範囲)離れ、前記溝と平行になる位置であることが
好ましい。
【0024】電気的接続には、ネオジミウムYAGレー
ザ(Nd:YAGレーザ)が好ましい。なお、Nd:Y
AGレーザの基本波(波長λ=1064nm)、第2高
調波(SHG、波長λ=534nm)が使用される。レ
ーザ光の照射方法としては、例えば、レーザ光を固定
し、基板を載せたステージを走査しながら照射する方法
や、基板を載せたステージを固定し、レーザ光を走査し
ながら照射する方法が挙げられる。
【0025】次に、上部電極層は、所望の形状にパター
ニングされることにより、複数の発電領域毎の上部電極
に分離される(第3のパターニング)。分離するための
手段としては、上記下部電極層の分離と同様の手段を使
用することができる。特に、レーザ・スクライブ法を使
用することが好ましい。
【0026】ここで、上記のように上部電極層の分離
を、隣接する発電領域の上部電極と下部電極の電気的接
続の後に行ってもよいが、この逆に隣接する発電領域の
上部電極と下部電極の電気的接続の前に上部電極層の分
離を行ってもよい。更に、両工程を同時に行ってもよ
い。この内、2通りの光路を設けることによって、隣接
する発電領域の下部電極と上部電極とを電気的に接続す
る工程と、上部電極層を分離する工程とを同時に行なう
ことがより好ましい。
【0027】同時に行う場合、両工程に使用するレーザ
光の波長は、同じでも、例えば、Nd:YAGレーザの
基本波と第2高調波のように互いに異なっていてもよ
い。また、この場合、レーザ光は1台の装置の互いに近
接した異なる位置から出射してもよく、複数の装置を使
用してもよい。
【0028】
【実施例】以下、本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方
法を更に詳細に説明する。
【0029】実施例1 実施例1の集積型薄膜太陽電池の製造方法を、図2
(a)〜(f)に基づき説明する。絶縁表面を有する不
透光性の基板として、表面に耐熱性を有するポリイミド
樹脂を主成分とする高分子樹脂をコーティングしたステ
ンレス製の基板1を用い、その片面にスパッタリング法
によって、Ag(厚さ0.4μm)及びZnO(厚さ
0.1μm)を連続して積層することにより下部電極層
2を形成した(図2(a)参照)。
【0030】これを、レーザ・スクライブ法を用いて短
冊状の発電領域(単位セル)毎に絶縁分割した(第1の
パターニング)。具体的には、Nd:YAGレーザの第
3高調波21(THG、波長λ=355nm)を照射
し、下部電極層2を単位セル毎に絶縁分離して、単位セ
ル毎に分離された下部電極(2a、2b及び2c)を形
成した(図2(b)参照)。なお、単位セル間の溝11
の幅は、50μmとした。
【0031】続いて、光電変換材料層3として非晶質シ
リコン(a−Si:H)をプラズマCVD法によって厚
さ0.3μmで積層した後(図2(c)参照)、上部電
極層4としてITOをスパッタリング法によって厚さ
0.05μmで積層した(図2(d)参照)。
【0032】次に、溝11と平行かつ近接した位置(具
体的には、溝11の端部から200μm離れた位置)
に、上部電極層4上からレーザ光22を照射し、隣接す
る単位セルの上部電極と下部電極とを電気的に接続した
(第2のパターニング、図2(e)参照)。具体的に
は、Qスイッチドライブを用いた連続発振Nd:YAG
レーザの第2高調波(SHG、波長λ=532nm)を
繰返周波数5kHz、加工面パワー5kW/cm2 、加
工速度300mm/s、加工面ビームサイズ120μm
×120μmで照射することで、隣接する単位セルの上
部電極と下部電極とを電気的に接続すると共に光電変換
材料層3を単位セル毎に分離した。図2(e)中、参照
番号3a、3b及び3cは、単位セル毎に分離された光
電変換層を、12は、隣接する単位セルの上部電極と下
部電極とを接続する電気的接続部分を意味している。
【0033】更に、電気的接続部分12と平行で、かつ
電気的接続部分12を基準として溝11と反対側に近接
した位置(具体的には、電気的接続部分12の端部から
300μm離れた位置)に、上部電極層4上からレーザ
光23を照射し、上部電極層4を単位セル毎に絶縁分離
して、単位セル毎に分離された上部電極(4a、4b及
び4c)を形成した(第3のパターニング、図2(f)
参照)。
【0034】得られた集積型薄膜太陽電池は、有効発電
寸法240mm×240mmであり、出力特性は、AM
1.5(100mW/cm2 )において、曲線因子=
0.67、最大出力=5.6Wであった。
【0035】実施例2 まず、絶縁表面を有する不透光性基板として、陽極酸化
によって、表面をアルミナでコーティングしたアルミニ
ウム製の基板1を用い、その片面に下部電極層として、
Ag(厚さ0.4μm)、Al(厚さ0.1μm)、Z
nO(厚さ0.1μm)を連続して蒸着法によって積層
した。
【0036】次に、下部電極層を、実施例1と同様に、
レーザ・スクライブ法によって短冊状の単位セル毎に絶
縁分割し、続いて光電変換材料層及び上部電極層を連続
して積層した。
【0037】次に、隣接する単位セルの上部電極と下部
電極とを電気的に接続するためのレーザ光を、Qスイッ
チドライブを用いた連続発振Nd:YAGレーザの基本
波(波長λ=1064nm)を繰返周波数10kHz、
加工面パワー3kW/cm2、加工速度500mm/
s、加工面ビームサイズ50μm×50μmで照射する
こと以外は、実施例1と同様にして、集積型薄膜太陽電
池を形成した。得られた集積型薄膜太陽電池は、有効発
電寸法240mm×240mmであり、出力特性は、A
M1.5(100mW/cm2)において、曲線因子=
0.67、最大出力=5.7Wであった。
【0038】実施例3 実施例3の集積型薄膜太陽電池の製造方法を、図3
(a)〜(e)に基づき説明する。実施例2と同様の基
板上に、実施例2と同様にして下部電極層2を積層及び
分離し、実施例1と同様にして光電変換材料層3及び上
部電極層4を積層した(図3(a)〜(d)参照)。
【0039】次に、近接した位置で2箇所のレーザ出射
を可能とした1台のレーザ装置によって、レーザ光22
及び23を照射し、隣接する単位セルの上部電極と下部
電極との電気的接続と、上部電極層4の絶縁分離を同時
に行った。なお、レーザ光の照射条件は、Qスイッチド
ライブを用いた連続発振Nd:YAGレーザの第2高調
波(SHG、波長λ=532nm)を繰返周波数10k
Hz、加工面パワー5kW/cm2、加工速度400m
m/s、加工面ビームサイズ80μm×80μmとし
た。
【0040】得られた積層型薄膜太陽電池は、有効発電
寸法240mm×240mmとした場合、出力特性は、
AM1.5(100mW/cm2)において、曲線因子
=0.67、最大出力=5.7Wであった。
【0041】実施例4 実施例4の集積型薄膜太陽電池の製造方法を、図4
(a)〜(f)及び図5に基づき説明する。なお、図5
は図4(e)の拡大図である。
【0042】実施例1と同様の基板1を使用し、実施例
1と同様にして、基板1上に下部電極層2を積層及び分
離し、光電変換材料層3及び上部電極層4を積層した
(図4(a)〜(d)参照)。
【0043】次に、電解液槽31中の3%H2SO4水溶
液(電解液)32中に基板を浸漬し、下部電極に陰極、
対向電極33に陽極を各々接続した直流電源装置34に
よって、2Vの電圧を1.5秒間印加した(図4(e)
及び図5参照)。これによって、同一の発電領域内で上
部電極と下部電極とが光電変換材料層を介して電気的に
漏洩している部分は電解エッチングにより除去されるこ
ととなる。その結果、太陽電池特性の回復が図られる。
【0044】更に、実施例3と同様にして、上部電極と
下部電極の接続及び上部電極層の分割を行うことによ
り、積層型薄膜太陽電池を形成することができた(図4
(f)参照)。得られた積層型薄膜太陽電池は、有効発
電寸法240mm×240mmとした場合、出力特性
は、AM1.5(100mW/cm2)において、曲線
因子=0.69、最大出力=5.8Wであった。
【0045】
【発明の効果】本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法
によれば、上部電極層上からレーザ光を照射して、隣接
する発電領域の上部電極と下部電極とを電気的に接続す
ることを特徴の1つとしているため、集積型薄膜太陽電
池を工業的に大量生産する場合に、比較的広い加工条件
範囲で再現性のよい加工が可能となる。そのため、歩留
まりも向上させることができる。
【0046】また、上部電極層から照射するレーザ光
が、Nd:YAGレーザの基本波(波長λ=1064n
m)や、第2高調波(SHG、波長λ=532nm)の
ような、下部電極に対して90%以上の反射率の波長を
有するので、下部電極を損傷することなく、比較的広い
加工条件範囲で良好な加工が可能となる。
【0047】更に、下部電極層が、金、銀、アルミニウ
ム、銅、ニッケル又はチタンを少なくとも1種以上含む
ことにより、下部電極層の可視光領域における反射率が
高くなり太陽電池特性を向上させることができる。これ
に加えて、工業的に広く用いられる可視乃至赤外領域に
おけるレーザ光に対する反射率を概ね90%以上とする
ことが可能となる。また、上部電極層がITOからなる
ことにより、上部電極層上からレーザ光を照射した場
合、下部電極と上部電極との良好な電気的接続を得るこ
とができる。
【0048】更に、隣接する発電領域の上部電極と下部
電極とを電気的に接続する工程と、上部電極層を分離す
る工程とを同時に行えば、製造時間が短縮できる。これ
に加えて、両工程の位置合わせを1回で行うことができ
るので、位置合わせ精度を向上させることができる。ま
た、両工程に必要なレーザ装置の台数を削減することが
できるため、コストを低減することができる。
【0049】隣接する発電領域の上部電極と下部電極と
を電気的に接続する前に、電気化学的手法によって、同
一の発電領域内に生じた上部電極と下部電極との電気的
漏洩部を除去すれば、太陽電池の特性を向上させること
ができる。
【0050】また、上記電解液を、硫酸を少なくとも含
む溶液とすることによって、特に、上部電極層にITO
を使用した場合、電気的漏洩部を安定して電解エッチン
グ処理することができるので、歩留まりを向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られた集積型薄膜太
陽電池の概略断面図である。
【図2】本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法の概略
断面工程図である。
【図3】本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法の概略
断面工程図である。
【図4】本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法の概略
断面工程図である。
【図5】図4の1工程の概略拡大図である。
【図6】従来の集積型薄膜太陽電池の製造方法の概略断
面工程図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部電極層 3 光電変換材料層 4 上部電極層 2a,2b,2c 単位セル毎に分割された下部電極 3a,3b,3c 単位セル毎に分割された光電変換層 4a,4b,4c 単位セル毎に分割された上部電極 11 下部電極の絶縁分離溝 12 上部電極と下部電極の電気的接続部分 13 上部電極の絶縁分離溝 14 光電変換層の溝加工部 21 下部電極層の分離用のレーザ光 22 上部電極と下部電極の電気的接続用のレーザ光 23 上部電極層の分離用のレーザ光 24 光電変換材料層の分離用のレーザ光 31 電解液槽 32 電解液 33 対向電極 34 直流電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F051 BA14 EA02 EA09 EA10 EA11 FA04 FA06 FA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁表面を有する同一基板上に下部電
    極、光電変換層及び上部電極からなる複数の発電領域が
    直列に接続された集積型薄膜太陽電池において、 基板上に下部電極層を積層及びパターニング加工するこ
    とにより下部電極を形成し、 下部電極上に光電変換材料層及び上部電極層を積層し、
    次いで、上部電極層と光電変換材料層をパターニング加
    工して上部電極層の分離、及び隣接する発電領域の上部
    電極と下部電極との電気的接続を行うことにより光電変
    換層と上部電極を形成する工程からなり、 隣接する発電領域の上部電極と下部電極とを電気的に接
    続する工程において、上部電極層上から照射するレーザ
    光は、下部電極層での反射率が90%以上であることを
    特徴とする集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 隣接する発電領域の上部電極と下部電極
    とを電気的に接続する工程で用いるレーザ光は、Nd:
    YAGレーザの基本波(波長λ=1064nm)である
    請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 隣接する発電領域の上部電極と下部電極
    とを電気的に接続する工程で用いるレーザ光は、Nd:
    YAGレーザの第2高調波(SHG,波長λ=532n
    m)である請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】 下部電極層が、金、銀、アルミニウム、
    銅、ニッケル、チタンを少なくとも1種以上含む請求項
    1〜3いずれか1つに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上部電極層が、酸化インジウム錫(IT
    O)からなる請求項1〜4いずれか1つに記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 レーザ光を照射して、隣接する発電領域
    の上部電極と下部電極とを電気的に接続する工程と、上
    部電極層を分離する工程とを同時に行なう請求項1〜5
    のいずれか1つに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 レーザ光を照射して隣接する発電領域の
    上部電極と下部電極とを電気的に接続する前に、電気化
    学的手法によって、同一の発電領域内に生じた上部電極
    と下部電極との電気的漏洩部を除去する工程を含む請求
    項1〜6のいずれか1つに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 電気化学的手法が、硫酸を少なくとも含
    む電解液を用いて行われる請求項1〜7のいずれか1つ
    に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100497335B1 (ko) * 2002-10-17 2005-06-28 한국전자통신연구원 나노입자 산화물 태양전지 모듈 및 그 제조방법
JP2021168642A (ja) * 2020-04-14 2021-10-28 國立中正大學 癌細胞部位と病変の程度を識別するためのバイオセンサチップ及びその方法

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