JP2000208636A - 半導体集積回路の設計方法 - Google Patents

半導体集積回路の設計方法

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JP2000208636A
JP2000208636A JP11314139A JP31413999A JP2000208636A JP 2000208636 A JP2000208636 A JP 2000208636A JP 11314139 A JP11314139 A JP 11314139A JP 31413999 A JP31413999 A JP 31413999A JP 2000208636 A JP2000208636 A JP 2000208636A
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JP11314139A
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Keiichi Kurokawa
圭一 黒川
Masahiko Toyonaga
昌彦 豊永
Noriko Ishibashi
典子 石橋
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遅延時間を考慮しながら冗長なレジスタを除
去することにより、半導体集積回路の消費電力及び面積
を低減できるようにする。 【解決手段】 まず、レジスタA及びレジスタM間の複
数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅
延時間(6ns)と、レジスタM及びレジスタI間の複
数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅
延時間(5ns)との和である最小総遅延時間(11n
s)を求める。次に、最小総遅延時間が、レジスタA及
びレジスタM間の遅延制約(10ns)とレジスタM及
びレジスタI間の遅延制約(10ns)との和(20n
s)からクロック周期分(10ns)を差し引いた時間
(10ns)よりも大きい場合に、レジスタMを除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
設計方法、特に、レイアウト設計段階においてチップ面
積の削減及び消費電力の低減に有効となる冗長なレジス
タの削減を行なう半導体集積回路の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、同期式回路における冗長なレジス
タを削減する方法として、特開平8−314998号広
報に開示されている順序回路最適化方法がある。
【0003】この広報によると、以下のような処理を行
なうことによって最適化を行なえることが示されてい
る。 1)最適化対象の順序回路、例えば、フリップフロップ
を入力する。 2)入力した順序回路に対応するレジスタ情報付き推移
含意グラフを生成する。 3)推移含意グラフから部分回路を抽出し、抽出した部
分回路をグラフ化した後、グラフのエッジ数とレジスタ
数とが減少するように部分グラフを変形する。 4)変形された部分グラフに対応する部分回路を生成す
る。 5)部分回路を順序回路に付加し、冗長性を除去する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の順序回路最適化方法は、回路の遅延時間を考慮しな
い論理設計段階にしか適用できず、遅延時間が設計要素
として必須となるレイアウト設計以降の設計段階には適
用できない。また、論理設計段階で行なうため、論理が
大きく変わってしまいやすいという問題がある。その
上、遅延時間を用いないため、所望の設計値との誤差が
大きくなりやすいという問題を有している。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決し、特に
レイアウト設計段階以降であって、遅延時間を考慮しな
がら冗長なレジスタを除去することにより、半導体集積
回路のチップ面積を削減し且つ消費電力を低減できるよ
うにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、フリップフロップ等の論理に関与しない
レジスタ(順序回路)であって、一のレジスタの前段の
レジスタ及び該一のレジスタの後段のレジスタにおける
前段のレジスタと後段のレジスタとの間の信号伝搬経路
の最小総遅延時間を算出し、システムクロックの制約時
間を超える場合に、該一のレジスタを除去する構成とす
る。
【0007】具体的に、本発明に係る第1の半導体集積
回路の設計方法は、それぞれが複数の論理素子を含む第
1の論理素子群及び第2の論理素子群と、出力側が第1
の論理素子群の入力側と接続された第1のレジスタと、
入力側が第1の論理素子群の出力側と接続され出力側が
第2の論理素子群の入力側と接続された第2のレジスタ
と、入力側が第2の論理素子群の出力側と接続された第
3のレジスタとを備えた同期式の半導体集積回路の設計
方法を対象とし、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間
の複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最
小遅延時間と第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の複
数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅
延時間との和である最小総遅延時間を求める最小総遅延
時間算出工程と、最小総遅延時間が、第1のレジスタ及
び第2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間
と第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間
を規制する制約時間との和からクロック周期分を差し引
いた時間よりも大きい場合に、第2のレジスタを除去す
ることにより、第1の論理素子群及び第2の論理素子群
を接続するレジスタ除去工程とを備えている。
【0008】第1の半導体集積回路の設計方法による
と、最小総遅延時間が、第1のレジスタ及び第2のレジ
スタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と第2のレジ
スタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制
約時間との和からクロック周期分を差し引いた時間より
も大きい場合に、第2のレジスタを除去するため、レイ
アウト設計段階以降においても、冗長なレジスタを除去
できる。
【0009】本発明に係る第2の半導体集積回路の設計
方法は、それぞれが複数の論理素子を含む第1の論理素
子群、第2の論理素子群及び第3の論理素子群と、出力
側が第1の論理素子群の入力側と接続された第1のレジ
スタと、入力側が第1の論理素子群の出力側と接続され
出力側が第2の論理素子群の入力側と接続された第2の
レジスタと、入力側が第2の論理素子群の出力側と接続
され出力側が第3の論理素子群の入力側と接続された第
3のレジスタと、入力側が第3の論理素子群の出力側と
接続された第4のレジスタとを備えた同期式の半導体集
積回路の設計方法を対象とし、第2のレジスタ及び第3
のレジスタ間の信号伝搬経路が所定動作に複数回のクロ
ック周期を要するマルチサイクルパスである場合に、少
なくとも1つの仮のレジスタをマルチサイクルパスがシ
ングルサイクルパスとなるように挿入することにより、
マルチサイクルパスを仮のシングルサイクルパスとする
仮シングルサイクルパス化工程と、第1のレジスタ及び
第2のレジスタ間における複数の信号伝搬経路に要する
信号伝搬時間のうちの最小遅延時間と第2のレジスタ及
び仮のレジスタ間における複数の信号伝搬経路に要する
信号伝搬時間のうちの最小遅延時間との和である第1の
最小総遅延時間を求める第1の最小総遅延時間算出工程
と、仮のレジスタ及び第3のレジスタ間における複数の
信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時
間と第3のレジスタ及び第4のレジスタ間における複数
の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延
時間との和である第2の最小総遅延時間を求める第2の
最小総遅延時間算出工程と、第1の最小総遅延時間が、
第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬時間を
規制する制約時間と第2のレジスタ及び仮のレジスタ間
の信号伝搬時間を規制する制約時間との和からクロック
周期分を差し引いた時間よりも大きい場合に、第2のレ
ジスタを仮に除去する第1の仮除去工程と、第2の最小
総遅延時間が、仮のレジスタ及び第3のレジスタ間の信
号伝搬時間を規制する制約時間と第3のレジスタ及び第
4のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との
和からクロック周期分を差し引いた時間よりも大きい場
合に、第3のレジスタを仮に除去する第2の仮除去工程
と、挿入された仮のレジスタの個数と除去されたレジス
タの個数とを比較し、挿入されたレジスタの個数の方が
多い場合には、仮のレジスタの挿入を止めると共に除去
された第2のレジスタ又は第3のレジスタを元の位置に
戻して、マルチサイクルパスに復旧するパス復旧工程
と、除去されたレジスタの個数の方が多い場合には、仮
のシングルサイクルパスを正規のシングルサイクルパス
とするシングルサイクルパス化工程とを備えている。
【0010】第2の半導体集積回路の設計方法による
と、第2のレジスタ及び第3のレジスタ間のマルチサイ
クルパスに少なくとも1つの仮のレジスタを挿入して仮
のシングルサイクルパスに変更しておく。第1の最小総
遅延時間が、第1のレジスタと第2のレジスタとの間、
第2のレジスタと仮のレジスタとの間の各制約時間の和
からクロック周期分を差し引いた時間よりも大きい場合
に、第2のレジスタを仮に除去できるようになる。同様
に、第2の最小総遅延時間が、仮のレジスタと第2のレ
3スタとの間、第3のレジスタと第4のレジスタとの間
の各制約時間の和からクロック周期分を差し引いた時間
よりも大きい場合に、第3のレジスタを仮に除去できる
ようになる。このとき、挿入した仮のレジスタの個数よ
りも多くのレジスタが除去できる場合には、マルチサイ
クルパスを正規のシングルサイクルパスとするため、除
去可能なレジスタを選択する選択肢が増えることとな
る。
【0011】本発明に係る第3の半導体集積回路の設計
方法は、それぞれが複数の論理素子を含む第1の論理素
子群及び第2の論理素子群と、出力側が第1の論理素子
群の入力側と接続された第1のレジスタと、入力側が第
1の論理素子群の出力側と接続され出力側が第2の論理
素子群の入力側と接続された第2のレジスタと、入力側
が第2の論理素子群の出力側と接続された第3のレジス
タとを備えた同期式の半導体集積回路の設計方法を対象
とし、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の複数の信
号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間
と第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の複数の信号伝
搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間との
和である最小総遅延時間を求める最小総遅延時間算出工
程と、最小総遅延時間が、第1のレジスタ及び第2のレ
ジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と第2のレ
ジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する
制約時間との和からクロック周期分を差し引いた時間よ
りも大きくなるように、第1の論理素子群又は第2の論
理素子群の回路を変更する回路変更工程と、第2のレジ
スタを除去することにより、第1の論理素子群及び第2
の論理素子群を接続するレジスタ除去工程とを備えてい
る。
【0012】第3の半導体集積回路の設計方法による
と、最小総遅延時間が、第1のレジスタ及び第2のレジ
スタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と第2のレジ
スタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制
約時間との和からクロック周期分を差し引いた時間より
も大きくなるように、第1の論理素子群又は第2の論理
素子群の回路を変更するため、レジスタを確実に除去で
きる。
【0013】本発明に係る第4の半導体集積回路の設計
方法は、それぞれが複数の論理素子を含む第1の論理素
子群、第2の論理素子群及び第3の論理素子群と、出力
側が第1の論理素子群の入力側と接続された第1のレジ
スタと、入力側が第1の論理素子群の出力側と接続され
出力側が第2の論理素子群の入力側と接続された第2の
レジスタと、入力側が第2の論理素子群の出力側と接続
され、出力側が第3の論理素子群の入力側と接続された
第3のレジスタと、入力側が第3の論理素子群の出力側
と接続された第4のレジスタとを備えた同期式の半導体
集積回路の設計方法を対象とし、第2のレジスタ及び第
3のレジスタ間の信号伝搬経路が所定動作に複数回のク
ロック周期を要するマルチサイクルパスである場合に、
少なくとも1つの仮のレジスタをマルチサイクルパスが
シングルサイクルパスとなるように挿入することによ
り、マルチサイクルパスを仮のシングルサイクルパスと
する仮シングルサイクルパス化工程と、第1のレジスタ
及び第2のレジスタ間における複数の信号伝搬経路に要
する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間と第2のレジス
タ及び仮のレジスタ間における複数の信号伝搬経路に要
する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間との和である第
1の最小総遅延時間を求める第1の最小総遅延時間算出
工程と、仮のレジスタ及び第3のレジスタ間における複
数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅
延時間と第3のレジスタ及び第4のレジスタ間における
複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小
遅延時間との和である第2の最小総遅延時間を求める第
2の最小総遅延時間算出工程と、第1の最小総遅延時間
が、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬時
間を規制する制約時間と第2のレジスタ及び仮のレジス
タ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との和からクロ
ック周期分を差し引いた時間よりも大きくなるように、
第1の論理素子群又は第2の論理素子群の回路を変更す
る第1の回路変更工程と、第2の最小総遅延時間が、仮
のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制
する制約時間と第3のレジスタ及び第4のレジスタ間の
信号伝搬時間を規制する制約時間との和からクロック周
期分を差し引いた時間よりも大きくなるように、第2の
論理素子群又は第3の論理素子群の回路を変更する第2
の回路変更工程と、第2のレジスタ又は第3のレジスタ
を仮に除去するレジスタ仮除去工程と、挿入された仮の
レジスタの個数と除去されたレジスタの個数とを比較
し、挿入されたレジスタの個数の方が多い場合には、仮
のレジスタの挿入を止めると共に除去された第2のレジ
スタ又は第3のレジスタ及び変更した回路を元に戻し
て、マルチサイクルパスに復旧するパス復旧工程と、除
去されたレジスタの個数の方が多い場合には、仮のシン
グルサイクルパスを正規のシングルサイクルパスとする
シングルサイクルパス化工程とを備えている。
【0014】第4の半導体集積回路の設計方法による
と、第2のレジスタ及び第3のレジスタ間のマルチサイ
クルパスに少なくとも1つの仮のレジスタを挿入して仮
のシングルサイクルパスに変更し、さらに、第3の半導
体集積回路の設計方法と同様に、第1の最小総遅延時間
が、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬時
間を規制する制約時間と第2のレジスタ及び仮のレジス
タ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との和からクロ
ック周期分を差し引いた時間よりも大きくなるように第
1の論理素子群又は第2の論理素子群の回路を変更する
ことにより第2のレジスタを仮に除去する。同様にして
第3のレジスタも仮に除去する。このとき、挿入した仮
のレジスタの個数よりも多くのレジスタが除去できる場
合には、マルチサイクルパスを正規のシングルサイクル
パスとするため、除去可能なレジスタを選択する選択肢
が増えることとなる。
【0015】第2又は第4の半導体集積回路の設計方法
において、仮シングルサイクルパス化工程が、マルチサ
イクルパスに対して、それぞれが複数の信号伝搬経路と
交差するように複数の分割線を配置する分割線配置工程
と、複数の信号伝搬経路との交点の数が最も少なくなる
第1の分割線を選択する最少分割線選択工程と、第1の
分割線と複数の信号伝搬経路との交点に仮のレジスタを
挿入し、挿入された仮のレジスタがシングルサイクルパ
スを形成するか否かを判定する判定工程と、挿入された
仮のレジスタがシングルサイクルパスを形成しない場合
に、第1の分割線よりも交点の数が多い第2の分割線を
選択し、判定工程から繰り返す繰り返し工程とを含むこ
とが好ましい。このようにすると、マルチサイクルパス
が複雑なネットワークからなる場合であっも、最少個数
のレジスタの挿入でシングルサイクルパス化を行なえ
る。
【0016】第3又は第4の半導体集積回路の設計方法
において、回路変更工程が信号伝搬経路に属する配線の
配線長を長くする工程を含むことが好ましい。このよう
にすると、最短となる信号伝搬経路の最小遅延時間を確
実に大きくできる。
【0017】第3又は第4の半導体集積回路の設計方法
において、回路変更工程が、最小総遅延時間を与える信
号伝搬経路に属する複数の論理素子のうちのいずれかの
配置位置を信号伝搬時間が長くなるように移動させる工
程を含むことが好ましい。このようにすると、最短とな
る信号伝搬経路の最小遅延時間を確実に大きくできる。
【0018】第3又は第4の半導体集積回路の設計方法
において、回路変更工程が、最小総遅延時間又は該最小
総遅延時間に近い遅延時間を与える複数の信号伝搬経路
を抽出する工程と、抽出した複数の信号伝搬経路のう
ち、一の信号伝搬経路に属する一の論理素子と他の信号
伝搬経路に属する他の論理素子とをそれぞれ配線の接続
を変更することなく互いの配置位置を入れ替える工程と
を含むことが好ましい。このようにすると、論理の変更
がなく、且つ、抽出した信号伝搬経路以外の信号伝搬経
路になんら影響を与えることなく最小遅延時間を確実に
大きくできる。
【0019】第3又は第4の半導体集積回路の設計方法
において、回路変更工程が、最小総遅延時間を与える信
号伝搬経路に属する複数の論理素子のうち、入力側に位
置する一の論理素子と出力側に位置する他の論理素子と
を配線の接続を変更することなく互いの配置位置を入れ
替える工程を含むことが好ましい。
【0020】第3又は第4の半導体集積回路の設計方法
において、回路変更工程が最小総遅延時間を与える信号
伝搬経路に遅延素子を挿入する工程を含むことが好まし
い。
【0021】第3又は4の半導体集積回路の設計方法に
おいて、回路変更工程が最小総遅延時間を与える信号伝
搬経路に属する論理素子の駆動能力を小さくする工程を
含むことが好ましい。
【0022】本発明に係る第5の半導体集積回路の設計
方法は、それぞれが複数の論理素子を含む第1の論理素
子群及び第2の論理素子群と、出力側が第1の論理素子
群の入力側と接続された第1のレジスタと、入力側が第
1の論理素子群の出力側と接続され出力側が第2の論理
素子群の入力側と接続された第2のレジスタと、入力側
が第2の論理素子群の出力側と接続された第3のレジス
タとを備えた同期式の半導体集積回路の設計方法を対象
とし、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複
数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅
延時間と、第2のレジスタ及び第3のレジスタ間におけ
る複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最
小遅延時間と、第1のレジスタへのクロック信号の到達
時間との和から、第3のレジスタへのクロック信号の到
達時間を差し引いた最小総伝搬遅延時間を求める最小総
伝搬遅延時間算出工程と、第1のレジスタ及び第2のレ
ジスタ間における複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬
時間のうちの最大遅延時間と、第2のレジスタ及び第3
のレジスタ間における複数の信号伝搬経路に要する信号
伝搬時間のうちの最大遅延時間と、第3のレジスタへの
クロック信号の到達時間との和から、第1のレジスタへ
のクロック信号の到達時間を差し引いた最大総伝搬遅延
時間を求める最大総伝搬遅延時間算出工程と、最小総伝
搬遅延時間が、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の
信号伝搬時間を規制する制約時間と第2のレジスタ及び
第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と
の和からクロック周期分を差し引いた時間よりも大き
く、且つ、最大総伝搬遅延時間が、第1のレジスタ及び
第2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と
第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を
規制する制約時間との和よりも小さくなるように、第1
のレジスタ又は第3のレジスタに到達するクロック信号
の到達時間を調整することにより、第2のレジスタを除
去するレジスタ除去工程とを備えている。
【0023】第5の半導体集積回路の設計方法による
と、最小総伝搬遅延時間が、第1のレジスタ及び第2の
レジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と第2の
レジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制す
る制約時間との和からクロック周期分を差し引いた時間
よりも大きく、且つ、最大総伝搬遅延時間が、第1のレ
ジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する
制約時間と第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号
伝搬時間を規制する制約時間との和よりも小さくなるよ
うに、第1のレジスタ又は第3のレジスタに到達するク
ロック信号の到達時間を調整することにより第2のレジ
スタを除去するため、素子又は信号伝搬経路を変更する
ことなくレジスタを除去できる。
【0024】本発明に係る第6の半導体集積回路の設計
方法は、それぞれが複数の論理素子を含む第1の論理素
子群及び第2の論理素子群と、出力側が第1の論理素子
群の入力側と接続された第1のレジスタと、入力側が第
1の論理素子群の出力側と接続され出力側が第2の論理
素子群の入力側と接続された第2のレジスタと、入力側
が第2の論理素子群の出力側と接続された第3のレジス
タとを備えた同期式の半導体集積回路の設計方法を対象
とし、第1の論理素子群及び第2の論理素子群に印加す
る電源電圧値を低減する電源電圧低減工程と、第1のレ
ジスタ及び第2のレジスタ間の複数の信号伝搬経路に要
する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間と第2のレジス
タ及び第3のレジスタ間の複数の信号伝搬経路に要する
信号伝搬時間のうちの最小遅延時間との和である最小総
遅延時間を求める最小総遅延時間算出工程と、第1のレ
ジスタ及び第2のレジスタ間の複数の信号伝搬経路に要
する信号伝搬時間のうちの最大遅延時間と第2のレジス
タ及び第3のレジスタ間の複数の信号伝搬経路に要する
信号伝搬時間のうちの最大遅延時間との和である最大総
遅延時間を求める最大総遅延時間算出工程と、最小総遅
延時間が、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号
伝搬時間を規制する制約時間と第2のレジスタ及び第3
のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との和
からクロック周期分を差し引いた時間よりも大きく、且
つ、最大総遅延時間が、第1のレジスタ及び第2のレジ
スタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と第2のレジ
スタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制
約時間との和よりも小さくなる場合に、第2のレジスタ
を除去するレジスタ除去工程とを備えている。
【0025】第6の半導体集積回路の設計方法による
と、第1の論理素子群及び第2の論理素子群に印加する
電源電圧値を低減しておき、最小総遅延時間が、第1の
レジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制す
る制約時間と第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信
号伝搬時間を規制する制約時間との和からクロック周期
分を差し引いた時間よりも大きく、且つ、最大総遅延時
間が、第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬
時間を規制する制約時間と第2のレジスタ及び第3のレ
ジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との和より
も小さくなる場合に、第2のレジスタを除去するため、
冗長なレジスタを除去できると共に消費電力を確実に低
減できる。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導
体集積回路の設計方法を説明するための部分回路であっ
て、レイアウト設計後にパス遅延時間を解析した結果を
示している。また、部分回路は所定の設計制約を満たし
ているとする。図1に示すように、順序回路であるフリ
ップフロップからなる11個のレジスタA〜D、F〜
K、Mが配置されている。第1の入力信号を受けるレジ
スタAはレジスタB、C、D、F、Gと直列に接続さ
れ、レジスタGは第1の出力信号を出力する。
【0028】レジスタAからの出力信号を受けるレジス
タMは、レジスタI及びレジスタJと直列接続されてい
る。レジスタIはレジスタM及びレジスタCからの出力
信号を受け、レジスタJは第2の出力信号を出力する。
第2の入力信号を受けるレジスタHはレジスタCの入力
側と接続され、レジスタKはレジスタD、F間に並列接
続されている。ここで、各レジスタ間の矢印の向きは該
レジスタ間の信号(データ)が流れる方向を示し、実線
は複数の信号伝搬経路(パス)のうちの最大の遅延が生
じるパスを表わし、破線は複数のパスのうちの最小の遅
延が生じるパスを表わしている。なお、各レジスタ間に
は、複数の組み合わせ論理回路素子を含む論理素子群L
1、L2、L3等がそれぞれ配置されているが、ここで
は省略する。
【0029】図1における各レジスタ間のパスに付され
ている数字はパスごとの遅延時間を表わしている。通
常、パスの遅延時間には遅延制約(設計制約)が設けら
れており、ここでは、クロック信号の1周期で動作する
シングルサイクルパスの設計制約を10nsとしてい
る。従って、クロック周期のn(但し、nは2以上の整
数である。)倍の周期で伝搬する、いわゆるマルチサイ
クルパスの場合はn×10nsとなる。例えば、図1に
示す、レジスタD−レジスタF間(以下、パスDFと呼
ぶ。)のパスはパス遅延が17nsであり、2サイクル
のマルチサイクルパスであることが分かる。
【0030】以下、前記のように構成された回路のレジ
スタ除去方法を説明する。
【0031】まず、図1に示すレジスタMに着目する
と、該レジスタMは論理素子群L1を介してレジスタA
と接続されると共に論理素子群L2を介してレジスタI
と接続されている。
【0032】次に、レジスタMを節点(ノード)Mに置
き換えると、節点Mを含むパスであるパスAMI間の遅
延時間は、図2に示すように、最大総遅延時間がパスA
Mの8ns及びパスMIの9nsの和として17nsと
なり、最小総遅延時間がパスAMの6ns及びパスMI
の5nsの和として11nsとなる。
【0033】ここで、もし、最小総遅延時間が設計制約
の10nsよりも小さい場合には、レジスタAの出力信
号がレジスタIに1サイクル早く入力されてしまうた
め、回路は誤動作してしまう。しかしながら、本実施形
態においては、最小総遅延時間がクロック周期10ns
よりも大きいので、レジスタMがなくても誤動作しな
い。
【0034】このように、節点Mを含むパスAMIの最
小総遅延時間(Pmin)がパスAMIの信号伝搬時間
の制約値(Pconst)、すなわち2クロックサイク
ル分の20nsから1クロックサイクル値(T=10n
s)を差し引いた値よりも大きい場合にレジスタMを除
去できる。この関係を以下の式(1)に示す。
【0035】Pconst−T<Pmin …(1) ここで、式(1)は、パスの終端のレジスタが1周期前
のクロックサイクルによって誤った信号をラッチしない
ことを保証されているため、制約値Pconstが3ク
ロック以上の場合にも成り立つ。
【0036】同様に、パスDKとパスKFを形成するレ
ジスタKも、パスDKFの最小総遅延時間Pminが1
1nsとなって、式(1)を満たすため除去可能とな
る。
【0037】本実施形態によると、論理設計段階の後工
程、特に、レイアウト工程において、冗長なレジスタを
除去できるため、論理を変えることなく、素子数を削減
できるので、LSIのチップ面積の低減及び消費電力の
低減を図ることができる。その上、検査用のデータであ
るテストベクタ長をも小さくできるので、検査効率を向
上できる。また、論理を変えないため、論理設計段階の
回路との誤差が生じない。
【0038】(第1の実施形態の第1変形例)次に、図
3に示すように、図1のレジスタBに着目し、レジスタ
Bを節点Bに置き換える。図3における節点Bを含むパ
スABCの最小総遅延時間は9nsとなるため、レジス
タBを除去すると制約時間の10nsよりも小さくなる
ので、誤動作を起こす。そこで、本変形例においては、
図4に示すように、パスBC間の最小遅延パスに遅延素
子を挿入して、最小値遅延時間を3nsから6nsに
し、パスABC間の最小総遅延時間を12nsとしてい
る。これにより、最小総遅延時間がクロック周期10n
sよりも大きいので、レジスタBを除去できる。
【0039】ここで、遅延素子はパスAB間に挿入して
もよく、また、最小総遅延時間を大きくするには、パス
AB又はパスBC上の論理素子のサイズを小さくしても
よい。
【0040】なお、パスABCはシングルクロックパス
であるため、最大総遅延時間が制約値の20nsを越え
ない範囲で最小総遅延時間を増大させることはいうまで
もない。
【0041】このように、設計された論理を変更するこ
となく、且つ、注目したパスABC以外のパスになんら
影響を与えることなく、冗長なレジスタを除去できる。
【0042】(第1の実施形態の第2変形例)次に、パ
ス遅延時間を増大させる変形例を説明する。
【0043】図5(a)に示すように、例えば、最小遅
延パスの1つである論理素子L11、L12と直列接続
されたレジスタO及びレジスタPとを接続する配線の配
線長(信号伝搬長)を長くするとよい。
【0044】また、図5(b)に示すように、論理素子
L11のレイアウト位置を移動前の配線長よりも移動後
の配線長の方が長くなるように移動させてもよい。
【0045】また、図5(c)に示すように、例えば、
最小遅延パスの1つである論理素子L11、L12と直
列接続されたレジスタO及びレジスタPと、最小遅延パ
スの1つである論理素子L21、L22と直列接続され
たレジスタQ及びレジスタRとが配置されている場合
に、パスOPとパスQRとの各最小遅延時間を共に大き
くする場合を考える。この場合には、図5(d)に示す
ように、パスOPに属する論理素子L11と、パスQR
に属する論理素子L21とのレイアウト位置を互いに交
換することが好ましい。このようにすると、パスOP及
びパスQRの信号伝搬長のいずれもが増大するため、い
ずれの最小遅延時間も確実に長くなる。その上、配置位
置を交換するため、チップ面積の増大を招くことがな
い。
【0046】(第1の実施形態の第3変形例)次に、パ
ス遅延時間を増大させる他の変形例を説明する。
【0047】図6(a)に示すように、例えば、最小遅
延パスの1つである論理素子L21、L22と接続され
たレジスタQ及びレジスタRとが配置されている場合
に、パスQRの最小遅延時間を大きくしたいとする。そ
こで、図6(b)に示すように、論理素子L21と論理
素子l22との接続を変えることなく互いの配置位置を
交換する。これにより、パスQRの信号伝搬長が増大す
るため、最小遅延時間を確実に長くすることができる。
【0048】(第1の実施形態の第4変形例)次に、マ
ルチサイクルパスであるパスDFに着目し、マルチサイ
クルパスをシングルサイクルパス化することにより、レ
ジスタを除去する方法を説明する。
【0049】図1に示すように、マルチサイクルパスD
Fには、パスが1本のみあり、従って最大遅延時間及び
最小遅延時間は共に等しく17nsであるとする。
【0050】ここで、図7に示すように、マルチサイク
ルパスDFにおける遅延時間がシングルサイクルパスの
遅延制約を満たすように、例えば、10対7となる位置
にレジスタLを挿入する。これにより、パスDL間の最
大遅延時間及び最小遅延時間は共に10nsとなり、パ
スLF間の最大遅延時間及び最小遅延時間は共に7ns
となる。その結果、マルチサイクルパスDFにレジスタ
Lを挿入すると、図7に示すレジスタDは最小総遅延時
間及び最大総遅延時間が共に19nsとなり、レジスタ
Fは最小総遅延時間及び最大総遅延時間が11ns及び
15nsとなり、従って、レジスタDレジスタFは共に
制約時間の10nsを超え且つ20ns以下であるた
め、レジスタD及びレジスタFの両方を除去できるよう
になる。このように、マルチサイクルパスDFに1個の
レジスタを挿入してシングルサイクルパス化すれば、2
個のレジスタを除去でき、複数のレジスタのうちの削減
可能な候補が増える。
【0051】このように、本変形例においては、シング
ルサイクルパス化のために挿入するレジスタの個数より
も、除去できるレジスタの個数が多い場合に有効とな
る。従って、シングルサイクルパス化のために挿入する
レジスタの個数が、除去できるレジスタの個数よりも多
くなる場合には、集積回路に含まれるレジスタの総数が
逆に増加することになるため、マルチサイクルパスをわ
ざわざシングルサイクルパス化する必要はなく、マルチ
サイクルパスのままとしておけばよい。
【0052】また、シングルサイクルパス化のためのレ
ジスタを挿入する場合には、第1〜第3変形例の方法を
用いることができる。
【0053】また、マルチサイクルパスとして2サイク
ルパスを用いたが3サイクル以上のマルチサイクルパス
であってもよい。但し、3サイクル以上のマルチサイク
ルパスをシングルサイクルパス化するには1パス当たり
2個以上のレジスタを挿入する必要がある。
【0054】以上、説明を簡単にするために、最小総遅
延時間及び最大総遅延時間が同値の場合を想定したが、
一般にはマルチサイクルパスを含むネットワークがより
複雑であり、挿入するレジスタの挿入位置を工夫するこ
とによって挿入するレジスタの個数を減らす必要があ
る。
【0055】図8は本実施形態の第4変形例に係る論理
素子L31〜L40を含むマルチサイクルパスABを表
わしている。図8に示すように、パスABは、レジスタ
A−論理素子L31−論理素子L32−論理素子L33
−論理素子L34−レジスタBからなる第1のパスP1
と、レジスタA−論理素子L35−論理素子L36−論
理素子L37−論理素子L38−レジスタBからなる第
2のパスP2との2本がある。さらに、第1のパスP1
及び第2のパスP2には、部分的に並列に接続された複
数のパスを有している。
【0056】以下、シングルサイクルパス化を図るレジ
スタの個数を最小とする方法を説明する。
【0057】まず、それぞれが少なくとも第1のパスP
1及び第2のパスP2と交差する4本の分割線a、b、
c、dを導入する。ここで、分割線aは論理素子L32
及びL33の間と論理素子L35及びL36の間におい
て2点で交差する。分割線bは論理素子L32及びL3
3の間と論理素子L36及びL37の間において部分的
に並列に接続されたパスを含め3点で交差する。分割線
cは論理素子L31及びL32の間と論理素子L36及
びL37の間において部分的に並列に接続されたパスを
含め4点で交差する。分割線dは論理素子L31及びL
32の間と論理素子L37及びL38の間において部分
的に並列に接続されたパスを含め5点で交差する。
【0058】次に、パスABと交差する4本の分割線
a、b、c、dのうち、パスとの交点の数が最小となる
分割線との交点にレジスタを挿入する。前述したよう
に、分割線aの交点の数は2で最小となるため、図9
(a)に示すように、論理素子L32と論理素子L33
との間にレジスタCを挿入すると共に、論理素子L35
と論理素子L36との間にレジスタDを挿入する。
【0059】次に、図9(b)に示すように、レジスタ
C、Dを挿入した後、パスAC間、パスAD間、パスC
B間及びパスDB間の最大遅延時間と最小遅延時間とを
算出する。ここでは、パスDB間の最大遅延時間が15
nsであるため、シングルサイクルパスとならないこと
が分かる。
【0060】次に、図10(a)に示すように、パスA
Bとの交点の数が3である分割線bと各パスとの交点に
レジスタを挿入する。すなわち、論理素子L32と論理
素子L33との間にレジスタCを挿入し、論理素子L3
6と論理素子L39との間にレジスタDを挿入し、論理
素子L36と論理素子L37との間にレジスタEを挿入
する。
【0061】次に、図10(b)に示すように、レジス
タC、D、Eを挿入した後、パスAC間、パスAD間、
パスAE間、パスCB間、パスDB間及びパスEB間の
最大遅延時間と最小遅延時間とをそれぞれ算出する。こ
のように、最大遅延時間及び最小遅延時間は、いずれの
パスにおいても制約時間の10ns以下であるため、各
パスにおける分割線bとの交点にレジスタを挿入すれ
ば、挿入するレジスタの個数を最低限に抑えながらも、
シングルサイクルパス化を達成できる。
【0062】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の実
施形態について図面を参照しながら説明する。
【0063】本実施形態は、回路に遅延素子を挿入した
り、論理素子の配置位置を変更して信号伝搬経路長を長
くしたりすることによって最小遅延時間を延ばすのでは
なく、各レジスタに供給する同期用のクロック信号の到
達時刻を調整することにより、到達時間に差を設け、実
質的な遅延時間を増大させることにより、レジスタを除
去する構成とする。
【0064】一般に、同期式回路は、回路内のすべての
レジスタに対して同一時刻にクロック信号が入力される
必要がある。従って、同期式回路のレイアウト設計にお
いては、すべてのレジスタに同一時刻にクロック信号が
入力されるようにクロック設計が行なわれる。
【0065】基準となるクロック信号の入力時刻と実際
のレジスタに入力されるクロック信号の入力時刻との差
をクロックスキューと呼ぶ。ここで、例えば、所定時刻
よりも遅れてレジスタに入力される場合を正のスキュー
とし、逆に、所定時刻よりも先にレジスタに入力される
場合を負のスキューとする。
【0066】従って、所定時刻よりもクロック信号が5
nsだけ遅れてレジスタに到達する場合は、+5nsと
表現し、逆に、所定時刻よりもクロック信号が5nsだ
け早くレジスタに到達する場合は、−5nsと表現す
る。
【0067】図11(a)は本発明の第2の実施形態に
係る半導体集積回路の設計方法を説明するための部分回
路であって、レイアウト設計後にパスの最大及び最小の
各遅延時間を解析した結果を示している。ここでは、ク
ロック周期が10nsの同期式回路とし、レジスタA、
B、C、Dは入力側からこの順に直列接続されている。
図11(a)に示すように、パスAB間の最大遅延時間
は9nsで最小遅延時間は5nsであり、パスBC間の
最大遅延時間は7nsで最小遅延時間は4nsであり、
パスCD間の最大遅延時間は8nsで最小遅延時間は5
nsである。クロック信号は、レジスタAに時刻10n
s、レジスタBに時刻20ns、レジスタCに時刻30
ns、レジスタDに時刻40nsと、それぞれ10ns
周期で到達するようにクロック設計が行なわれている。
従って、各レジスタのスキューは±0nsである。
【0068】図11(a)において、レジスタCを節点
に置き換えるとすると、パスBCD間の最小総遅延時間
は9nsとなり、クロック周期の10nsよりも小さい
ので、レジスタCを除去できない。そこで、図11
(b)に示すように、レジスタBとレジスタCとに到達
するクロック信号に、それぞれ+5ns、+2nsの正
のスキューを設ける。これにより、レジスタBへのクロ
ック到達時刻が25nsとなる。
【0069】パスBC間の最大遅延時間は7nsである
ため、レジスタCへのクロック信号到達時刻が32ns
となるように+2nsのスキューを設定している。パス
CD間の最大遅延時間は8nsであるため、レジスタD
にはスキューを設定していない。
【0070】このように、パスBCD間の最小総遅延時
間の9ns(=5ns+4ns)と、レジスタBへの正
のスキューの+5nsとの和が、14nsとなるため、
パス遅延時間制約である10nsよりも大きくなるの
で、レジスタCを除去できるようになる。
【0071】従って、本実施形態によると、論理設計段
階の後工程、特に、レイアウト工程において、システム
クロックの分配に局所的にスキューを発生させることに
より、冗長なレジスタを除去できるため、論理を変える
ことなく、素子数を削減できるので、LSIのチップ面
積の低減及び消費電力の低減を図ることができ、さらに
は、検査用のデータであるテストベクタ長をも小さくで
きるので、検査効率を向上できる。また、論理を変えな
いため、論理設計段階の回路との誤差が生じない。
【0072】(第2の実施形態の一変形例)以下、本実
施形態の一変形例について図面を参照しながら説明す
る。
【0073】これまで説明した各実施形態及び各変形例
においては、最大遅延時間が遅延制約を満たすことを前
提として、パスの最小遅延時間を増大することにより、
冗長なレジスタの除去を行なう方法を説明した。
【0074】本変形例は、冗長なレジスタの除去を行な
えるようにパスの最小遅延時間を増大すると、最大遅延
時間が遅延制約を満たさなくなる場合に、レジスタに供
給される同期用のクロック信号のレジスタへの到達時間
を調整することにより、パスの信号伝搬時間の遅延制約
を満たすようにする。
【0075】ここでも、第2の実施形態と同様に、所定
時刻よりもクロック信号が5nsだけ遅れてレジスタに
到達する場合は、+5nsと表現し、逆に、所定時刻よ
りもクロック信号が5nsだけ早くレジスタに到達する
場合は、−5nsと表現する。
【0076】図12(a)は本実施形態の一変形例に係
る半導体集積回路の設計方法を説明するための部分回路
であって、パスの最大及び最小の各遅延時間を解析した
結果を示している。ここでは、クロック周期が10ns
の同期式回路とし、レジスタA、B、Cは入力側からこ
の順に直列接続されている。図12(a)に示すよう
に、パスAB間の最大遅延時間は9nsで最小遅延時間
は2nsであり、パスBC間の最大遅延時間は8nsで
最小遅延時間は2nsである。クロック信号は、レジス
タAに時刻10ns、レジスタBに時刻20ns、レジ
スタCに時刻30ns、それぞれ10ns周期で到達す
るようにクロック設計が行なわれている。従って、各レ
ジスタのスキューは±0nsとなっている。
【0077】ここで、パスABC間の最小遅延時間(P
min)は4nsとなり、前述の式(1)を満たしてお
らず、式(2)のようになる。 Pconst−T=20−10>2+2(=Pmin) …(2) 従って、図12(b)に示すように、パスBC間に遅延
素子等を挿入してパスBC間の最小遅延時間を7nsだ
け大きくして、2nsから9nsに変更する。これによ
り、式(3)に示すように、式(1)を満たすようにな
る。 Pconst−T=20−10<2+9(=Pmin) …(3) しかしながら、このような最小遅延の増大処理により、
最大遅延時間が最小遅延時間の増加分の2分の1だけ大
きくなるとすると、11.5nsとなって、パスBC間
の遅延制約の10nsを超えてしまうという事態が生じ
る。
【0078】そこで、本変形例においては、図12
(c)に示すように、レジスタBへのクロック到達時刻
を1ns早くし、レジスタCへのクロック到達時刻を
0.5ns遅くする。これにより、パスAB間のクロッ
クスキューが−1nsとなり、パスBC間のクロックス
キューが+1.5nsとなる。従って、レジスタBC間
のクロック周期は11.5nsとなるため、最大遅延時
間11.5nsと同値となり遅延制約を満たすようにな
る。
【0079】一方、クロック信号の到達時刻を調整した
結果、パスABCにおける信号伝搬時間の制約値が20
nsから20.5nsと変化する。しかしながら、式
(4)に示すように、式(1)を満たしているため、レ
ジスタBを除去することができる。 Pconst−T=20.5−10<2+9(=Pmin) …(4) (第3の実施形態)以下、本発明の第3の実施形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0080】本実施形態は、回路の電源電圧を低減し、
素子の駆動能力を低下させることにより、遅延時間を増
大させる構成とする。すなわち、3つの連続するレジス
タからなるパスの最小総遅延時間が制約時間を超え、且
つ、パスの最大総遅延時間が制約時間の2倍よりも小さ
くなる場合に、パスの両端部のレジスタに挟まれたレジ
スタが除去可能となる。
【0081】図13(a)は本発明の第3の実施形態に
係る半導体集積回路の設計方法を説明するための部分回
路であって、レイアウト設計後にパスの最大及び最小の
各遅延時間を解析した結果を示している。ここでは、ク
ロック周期が10nsの同期式回路とし、レジスタA、
B、Cは入力側からこの順に直列接続されている。図1
3(a)に示すように、回路の電源電圧が3Vの場合
に、パスAB間の最大遅延時間は5nsで最小遅延時間
は2nsであり、パスBC間の最大遅延時間は6nsで
最小遅延時間は5nsである。
【0082】ここで、図13(b)に示すように、回路
の電源電圧を3Vから2Vに下げると、パスAB間及び
パスBC間の最大遅延時間はそれぞれ7ns及び8ns
となり、これらの和15nsがパスABCの遅延制約の
20nsを超えないため、この電圧低減処理は有効であ
ることが分かる。
【0083】さらに、この電圧低減処理により、パスA
B間及びパスBC間の最小遅延時間はそれぞれ4ns及
び7nsとなるため、レジスタBを節点Bに置き換えた
ときの節点Bを含むパスABCの最小総遅延時間は11
nsとなって、パスの遅延制約よりも大きくなる。従っ
て、パスAB及びパスBC間の論理素子群(図示せず)
に印加する電圧を3Vから2Vに低減することにより、
レジスタBを除去できるようになる。
【0084】このように、本実施形態によると、論理設
計段階の後工程、特に、レイアウト工程において、電源
電圧を低減することにより、冗長なレジスタを除去でき
る。その結果、論理を変えることなく素子数を削減でき
るため、LSIのチップ面積及び消費電力の低減を図る
ことができる。さらには、検査用のデータであるテスト
ベクタ長をも小さくできるので、検査効率を向上でき
る。また、論理を変えないため、論理設計段階の回路と
の誤差が生じることがない。
【0085】
【発明の効果】本発明に係る半導体集積回路の設計方法
によると、論理設計段階の後工程、特に、レイアウト工
程において論理を変更することなく冗長なレジスタを除
去できるため、チップ面積の削減及び消費電力の低減を
図ることができる。また、回路規模を小さくできるた
め、検査用のデータであるテストベクタ長をも小さくで
きるので、検査効率を向上できる。
【0086】本発明に係る他の半導体集積回路の設計方
法によると、マルチサイクルパスを有している場合に、
該マルチサイクルパスに仮のレジスタを挿入して仮にシ
ングルサイクルパスに変更した場合に、挿入した仮のレ
ジスタの個数よりも多くのレジスタが除去できる場合に
は、マルチサイクルパスをシングルサイクルパス化する
ため、除去可能なレジスタを選択する選択肢が増えるこ
ととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路
の設計方法を示す部分回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路
の設計方法を示す部分回路図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半
導体集積回路の設計方法を示す部分回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半
導体集積回路の設計方法を示す部分回路図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態の第
2変形例に係る半導体集積回路の設計方法を示す部分回
路図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の
第3変形例に係る半導体集積回路の設計方法を示す部分
回路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る半
導体集積回路の設計方法を示す部分回路図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る半
導体集積回路の設計方法を示す部分回路図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の
第4変形例に係る半導体集積回路の設計方法を示す部分
回路図である。
【図10】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態
の第4変形例に係る半導体集積回路の設計方法を示す部
分回路図である。
【図11】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態
に係る半導体集積回路の設計方法を示す部分回路図であ
る。
【図12】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態の
一変形例に係る半導体集積回路の設計方法を示す部分回
路図である。
【図13】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態
に係る半導体集積回路の設計方法を示す部分回路図であ
る。
【符合の説明】
L1 論理素子群 L2 論理素子群 L1 論理素子群 L11 論理素子 L12 論理素子 L21 論理素子 L22 論理素子 L31 論理素子 L32 論理素子 L33 論理素子 L34 論理素子 L35 論理素子 L36 論理素子 L37 論理素子 L38 論理素子 L39 論理素子 L40 論理素子 P1 第1のパス P2 第2のパス

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが複数の論理素子を含む第1の
    論理素子群及び第2の論理素子群と、出力側が前記第1
    の論理素子群の入力側と接続された第1のレジスタと、
    入力側が前記第1の論理素子群の出力側と接続され出力
    側が前記第2の論理素子群の入力側と接続された第2の
    レジスタと、入力側が前記第2の論理素子群の出力側と
    接続された第3のレジスタとを備えた同期式の半導体集
    積回路の設計方法であって、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複数
    の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延
    時間と前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間におけ
    る複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最
    小遅延時間との和である最小総遅延時間を求める最小総
    遅延時間算出工程と、 前記最小総遅延時間が、前記第1のレジスタ及び第2の
    レジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と前記第
    2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規
    制する制約時間との和からクロック周期分を差し引いた
    時間よりも大きい場合に、前記第2のレジスタを除去す
    ることにより、前記第1の論理素子群及び第2の論理素
    子群を接続するレジスタ除去工程とを備えていることを
    特徴とする半導体集積回路の設計方法。
  2. 【請求項2】 それぞれが複数の論理素子を含む第1の
    論理素子群、第2の論理素子群及び第3の論理素子群
    と、出力側が前記第1の論理素子群の入力側と接続され
    た第1のレジスタと、入力側が前記第1の論理素子群の
    出力側と接続され出力側が前記第2の論理素子群の入力
    側と接続された第2のレジスタと、入力側が前記第2の
    論理素子群の出力側と接続され出力側が前記第3の論理
    素子群の入力側と接続された第3のレジスタと、入力側
    が前記第3の論理素子群の出力側と接続された第4のレ
    ジスタとを備えた同期式の半導体集積回路の設計方法で
    あって、 前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬経
    路が所定動作に複数回のクロック周期を要するマルチサ
    イクルパスである場合に、少なくとも1つの仮のレジス
    タを前記マルチサイクルパスがシングルサイクルパスと
    なるように挿入することにより、前記マルチサイクルパ
    スを仮のシングルサイクルパスとする仮シングルサイク
    ルパス化工程と、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複数
    の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延
    時間と前記第2のレジスタ及び仮のレジスタ間における
    複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小
    遅延時間との和である第1の最小総遅延時間を求める第
    1の最小総遅延時間算出工程と、 前記仮のレジスタ及び第3のレジスタ間における複数の
    信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時
    間と前記第3のレジスタ及び第4のレジスタ間における
    複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小
    遅延時間との和である第2の最小総遅延時間を求める第
    2の最小総遅延時間算出工程と、 前記第1の最小総遅延時間が、前記第1のレジスタ及び
    第2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と
    前記第2のレジスタ及び仮のレジスタ間の信号伝搬時間
    を規制する制約時間との和からクロック周期分を差し引
    いた時間よりも大きい場合に、前記第2のレジスタを仮
    に除去する第1の仮除去工程と、 前記第2の最小総遅延時間が、前記仮のレジスタ及び第
    3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と前
    記第3のレジスタ及び第4のレジスタ間の信号伝搬時間
    を規制する制約時間との和からクロック周期分を差し引
    いた時間よりも大きい場合に、前記第3のレジスタを仮
    に除去する第2の仮除去工程と、 挿入された仮のレジスタの個数と除去されたレジスタの
    個数とを比較し、挿入されたレジスタの個数の方が多い
    場合には、前記仮のレジスタの挿入を止めると共に除去
    された前記第2のレジスタ又は第3のレジスタを元の位
    置に戻して、前記マルチサイクルパスに復旧するパス復
    旧工程と、 除去されたレジスタの個数の方が多い場合には、仮のシ
    ングルサイクルパスを正規のシングルサイクルパスとす
    るシングルサイクルパス化工程とを備えていることを特
    徴とする半導体集積回路の設計方法。
  3. 【請求項3】 それぞれが複数の論理素子を含む第1の
    論理素子群及び第2の論理素子群と、出力側が前記第1
    の論理素子群の入力側と接続された第1のレジスタと、
    入力側が前記第1の論理素子群の出力側と接続され出力
    側が前記第2の論理素子群の入力側と接続された第2の
    レジスタと、入力側が前記第2の論理素子群の出力側と
    接続された第3のレジスタとを備えた同期式の半導体集
    積回路の設計方法であって、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複数
    の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延
    時間と前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間におけ
    る複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最
    小遅延時間との和である最小総遅延時間を求める最小総
    遅延時間算出工程と、 前記最小総遅延時間が、前記第1のレジスタ及び第2の
    レジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と前記第
    2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規
    制する制約時間との和からクロック周期分を差し引いた
    時間よりも大きくなるように、前記第1の論理素子群又
    は前記第2の論理素子群の回路を変更する回路変更工程
    と、 前記第2のレジスタを除去することにより、前記第1の
    論理素子群及び第2の論理素子群を接続するレジスタ除
    去工程とを備えていることを特徴とする半導体集積回路
    の設計方法。
  4. 【請求項4】 それぞれが複数の論理素子を含む第1の
    論理素子群、第2の論理素子群及び第3の論理素子群
    と、出力側が前記第1の論理素子群の入力側と接続され
    た第1のレジスタと、入力側が前記第1の論理素子群の
    出力側と接続され出力側が前記第2の論理素子群の入力
    側と接続された第2のレジスタと、入力側が前記第2の
    論理素子群の出力側と接続され、出力側が前記第3の論
    理素子群の入力側と接続された第3のレジスタと、入力
    側が前記第3の論理素子群の出力側と接続された第4の
    レジスタとを備えた同期式の半導体集積回路の設計方法
    であって、 前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬経
    路が所定動作に複数回のクロック周期を要するマルチサ
    イクルパスである場合に、少なくとも1つの仮のレジス
    タを前記マルチサイクルパスがシングルサイクルパスと
    なるように挿入することにより、前記マルチサイクルパ
    スを仮のシングルサイクルパスとする仮シングルサイク
    ルパス化工程と、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複数
    の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延
    時間と前記第2のレジスタ及び仮のレジスタ間における
    複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小
    遅延時間との和である第1の最小総遅延時間を求める第
    1の最小総遅延時間算出工程と、 前記仮のレジスタ及び第3のレジスタ間における複数の
    信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時
    間と前記第3のレジスタ及び第4のレジスタ間における
    複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小
    遅延時間との和である第2の最小総遅延時間を求める第
    2の最小総遅延時間算出工程と、 前記第1の最小総遅延時間が、前記第1のレジスタ及び
    第2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と
    前記第2のレジスタ及び仮のレジスタ間の信号伝搬時間
    を規制する制約時間との和からクロック周期分を差し引
    いた時間よりも大きくなるように、前記第1の論理素子
    群又は第2の論理素子群の回路を変更する第1の回路変
    更工程と、 前記第2の最小総遅延時間が、前記仮のレジスタ及び第
    3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と前
    記第3のレジスタ及び第4のレジスタ間の信号伝搬時間
    を規制する制約時間との和からクロック周期分を差し引
    いた時間よりも大きくなるように、前記第2の論理素子
    群又は第3の論理素子群の回路を変更する第2の回路変
    更工程と、 前記第2のレジスタ又は前記第3のレジスタを仮に除去
    するレジスタ仮除去工程と、 挿入された仮のレジスタの個数と除去されたレジスタの
    個数とを比較し、挿入されたレジスタの個数の方が多い
    場合には、前記仮のレジスタの挿入を止めると共に除去
    された前記第2のレジスタ又は第3のレジスタ及び変更
    した回路を元に戻して、前記マルチサイクルパスに復旧
    するパス復旧工程と、 除去されたレジスタの個数の方が多い場合には、仮のシ
    ングルサイクルパスを正規のシングルサイクルパスとす
    るシングルサイクルパス化工程とを備えていることを特
    徴とする半導体集積回路の設計方法。
  5. 【請求項5】 前記仮シングルサイクルパス化工程は、 前記マルチサイクルパスに対して、それぞれが前記複数
    の信号伝搬経路と交差するように複数の分割線を配置す
    る分割線配置工程と、 前記複数の信号伝搬経路との交点の数が最も少なくなる
    第1の分割線を選択する最少分割線選択工程と、 前記第1の分割線と前記複数の信号伝搬経路との交点に
    前記仮のレジスタを挿入し、挿入された前記仮のレジス
    タがシングルサイクルパスを形成するか否かを判定する
    判定工程と、 挿入された前記仮のレジスタがシングルサイクルパスを
    形成しない場合に、前記第1の分割線よりも前記交点の
    数が多い第2の分割線を選択し、前記判定工程から繰り
    返す繰り返し工程とを含むことを特徴とする請求項2又
    は4に記載の半導体集積回路の設計方法。
  6. 【請求項6】 前記回路変更工程は、 信号伝搬経路に属する配線の配線長を長くする工程を含
    むことを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体集積
    回路の設計方法。
  7. 【請求項7】 前記回路変更工程は、 前記最小総遅延時間を与える信号伝搬経路に属する複数
    の論理素子のうちのいずれかの配置位置を信号伝搬時間
    が長くなるように移動させる工程を含むことを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の半導体集積回路の設計方法。
  8. 【請求項8】 前記回路変更工程は、 前記最小総遅延時間又は該最小総遅延時間に近い遅延時
    間を与える複数の信号伝搬経路を抽出する工程と、 抽出した複数の信号伝搬経路のうち、一の信号伝搬経路
    に属する一の論理素子と他の信号伝搬経路に属する他の
    論理素子とをそれぞれ配線の接続を変更することなく互
    いの配置位置を入れ替える工程とを含むことを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の半導体集積回路の設計方法。
  9. 【請求項9】 前記回路変更工程は、 前記最小総遅延時間を与える信号伝搬経路に属する複数
    の論理素子のうち、入力側に位置する一の論理素子と出
    力側に位置する他の論理素子とを配線の接続を変更する
    ことなく互いの配置位置を入れ替える工程を含むことを
    特徴とする請求項3又は4に記載の半導体集積回路の設
    計方法。
  10. 【請求項10】 前記回路変更工程は、 前記最小総遅延時間を与える信号伝搬経路に遅延素子を
    挿入する工程を含むことを特徴とする請求項3又は4に
    記載の半導体集積回路の設計方法。
  11. 【請求項11】 前記回路変更工程は、 前記最小総遅延時間を与える信号伝搬経路に属する論理
    素子の駆動能力を小さくする工程を含むことを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の半導体集積回路の設計方法。
  12. 【請求項12】 それぞれが複数の論理素子を含む第1
    の論理素子群及び第2の論理素子群と、出力側が前記第
    1の論理素子群の入力側と接続された第1のレジスタ
    と、入力側が前記第1の論理素子群の出力側と接続され
    出力側が前記第2の論理素子群の入力側と接続された第
    2のレジスタと、入力側が前記第2の論理素子群の出力
    側と接続された第3のレジスタとを備えた同期式の半導
    体集積回路の設計方法であって、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複数
    の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延
    時間と、前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間にお
    ける複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの
    最小遅延時間と、前記第1のレジスタへのクロック信号
    の到達時間との和から、前記第3のレジスタへのクロッ
    ク信号の到達時間を差し引いた最小総伝搬遅延時間を求
    める最小総伝搬遅延時間算出工程と、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間における複数
    の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最大遅延
    時間と、前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間にお
    ける複数の信号伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの
    最大遅延時間と、前記第3のレジスタへのクロック信号
    の到達時間との和から、前記第1のレジスタへのクロッ
    ク信号の到達時間を差し引いた最大総伝搬遅延時間を求
    める最大総伝搬遅延時間算出工程と、 前記最小総伝搬遅延時間が、前記第1のレジスタ及び第
    2のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と前
    記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間
    を規制する制約時間との和からクロック周期分を差し引
    いた時間よりも大きく、且つ、前記最大総伝搬遅延時間
    が、前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝
    搬時間を規制する制約時間と前記第2のレジスタ及び第
    3のレジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との
    和よりも小さくなるように、前記第1のレジスタ又は前
    記第3のレジスタに到達するクロック信号の到達時間を
    調整することにより、前記第2のレジスタを除去するレ
    ジスタ除去工程とを備えていることを特徴とする半導体
    集積回路の設計方法。
  13. 【請求項13】 それぞれが複数の論理素子を含む第1
    の論理素子群及び第2の論理素子群と、出力側が前記第
    1の論理素子群の入力側と接続された第1のレジスタ
    と、入力側が前記第1の論理素子群の出力側と接続され
    出力側が前記第2の論理素子群の入力側と接続された第
    2のレジスタと、入力側が前記第2の論理素子群の出力
    側と接続された第3のレジスタとを備えた同期式の半導
    体集積回路の設計方法であって、 前記第1の論理素子群及び第2の論理素子群に印加する
    電源電圧値を低減する電源電圧低減工程と、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の複数の信号
    伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間と
    前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の複数の信号
    伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最小遅延時間と
    の和である最小総遅延時間を求める最小総遅延時間算出
    工程と、 前記第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の複数の信号
    伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最大遅延時間と
    前記第2のレジスタ及び第3のレジスタ間の複数の信号
    伝搬経路に要する信号伝搬時間のうちの最大遅延時間と
    の和である最大総遅延時間を求める最大総遅延時間算出
    工程と、 前記最小総遅延時間が、前記第1のレジスタ及び第2の
    レジスタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間と前記第
    2のレジスタ及び第3のレジスタ間の信号伝搬時間を規
    制する制約時間との和からクロック周期分を差し引いた
    時間よりも大きく、且つ、前記最大総遅延時間が、前記
    第1のレジスタ及び第2のレジスタ間の信号伝搬時間を
    規制する制約時間と前記第2のレジスタ及び第3のレジ
    スタ間の信号伝搬時間を規制する制約時間との和よりも
    小さくなる場合に、前記第2のレジスタを除去するレジ
    スタ除去工程とを備えていることを特徴とする半導体集
    積回路の設計方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172915A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 キヤノン株式会社 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム

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