JP2000208132A - 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器 - Google Patents

非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Info

Publication number
JP2000208132A
JP2000208132A JP11009964A JP996499A JP2000208132A JP 2000208132 A JP2000208132 A JP 2000208132A JP 11009964 A JP11009964 A JP 11009964A JP 996499 A JP996499 A JP 996499A JP 2000208132 A JP2000208132 A JP 2000208132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
temperature
support shaft
contact
sensing rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11009964A
Other languages
English (en)
Inventor
Morio Kobayashi
守夫 小林
Kazuo Ito
一夫 伊藤
Takashi Onuma
隆 大沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Yamada Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Yamada Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Yamada Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11009964A priority Critical patent/JP2000208132A/ja
Publication of JP2000208132A publication Critical patent/JP2000208132A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常温度上昇した非水電解液二次電池の電池
内温度を迅速に感知し、異常電池を安全確実に遮断また
は短絡放電し、発煙・発火・爆発を未然に防止し、使い
勝手の向上した非水電解液二次電池および電池用熱動継
電器を提供する。 【解決手段】 電池缶10の封口部に電池内の熱を直接
受熱する温度感知棒30と、温度感知棒内に支持軸31
を溶接固定した熱可溶金属32を備え、熱可溶金属32
の溶融により応動する端子切り換えスイッチを有する安
全装置を設置し、電池の異常温度上昇時に、電極との通
電を遮断したり、正負極端子間を短絡させることによ
り、異常電池を複数個直列接続された組電池から切り離
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池および電池用熱動継電器に係わり、特に電気自動車,
電動カート等の移動体機器、ビデオカメラ,パソコン等
の携帯機器、停電時のバックアップ機器、及びセキュリ
テイ機器等の製品の電源として使われる非水電解液二次
電池において、過充電や逆充電および短絡等の異常発熱
による電池内温度を感知して、設定温度に達したときに
電池回路を遮断し、発火や爆発を未然に防止することの
できる非水電解液二次電池および電池用熱動継電器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の非水電解液二次電池の安全保護装
置としては、特開平6−290767号公報に示されて
いる通り、電池反応部と正または負の極端子と他の極端
子を兼ねる電池容器とを有する化学電池で、電池の異常
反応時に発生するガス圧または反応熱にて駆動する駆動
部材により、電極に接続され絶縁材を介して電池容器を
密封している仕切板と極端子間の導通を遮断し、極端子
と電池容器間を短絡する方法が知られている。
【0003】また、特開平6−203827号公報に示
されて通り、電池本体の捲回体巻芯部に温度ヒューズを
配置し、温度ヒューズの一端は電極体の正極に接続さ
れ、他端は正極端子を兼ねる封口蓋群の端子板に接続さ
れ、電池温度が所定温度以上に昇温した場合、ヒューズ
を溶断して電気通路を遮断する方法が知られている。
【0004】また、熱動継電器の例としては、特公平7
−75138号公報に示されているとおり、可動接点を
備えた皿形バイメタル、固定接点、熱可溶金属にて互い
に結合された頭部とねじ部から成る調節ねじ、並びに調
節ねじ頭部に皿形バイメタルを押し付けて保持するコイ
ルばね等を備える構成の熱動継電器により、通常の温度
上昇時はバイメタルにより電流遮断を行い、接点溶着等
の異常高温状態になった場合には、熱可溶金属が溶け
て、コイルばねによりバイメタルを強制的に押し上げて
接点を開き、電流を遮断する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−290767号公報に記載の例では、電気通路
となり、かつシール部材となる仕切板が、絶縁材を介し
て電池容器の開口部に加締め構造により電池容器を密封
している。この内側に曲げられた電池容器の開口端の内
側と仕切板との間に、電池の外部と接続される極端子が
ガス圧により移動可能に設置される構造となっている。
したがって、電解液の漏れを防止するガスケットの役目
をするポリプロピレン等の軟質の厚い絶縁材を介して仕
切板を加締める必要があり、加締めバラツキにより仕切
板の位置が上下方向に安定しないばかりか、軟質肉厚樹
脂の経時温度変化により電池容器の密封が緩み、液漏れ
を起こしやすい。また、電気接続部となる内側に曲げた
電池容器開口端部と仕切板の距離、および平行度がばら
つくため、極端子との間の接触・開離が確実に行われな
い等の不具合があった。また、極端子は外部負荷と電気
的に接続されると共に、極端子の移動可能が必須であ
り、一方の電極接続部である電池容器開口端部も電池外
郭を形成しているため、外力により接続部が変形した
り、ゴミ等が侵入したりしてスイッチ機能をさせるには
実用上適さない構造であった。
【0006】また、上記特開平6−203827号公報
に記載の例では、電池の内部に温度ヒューズを直接設置
することは、電池缶内の温度上昇に対して迅速に反応す
るという面では有利であるが、温度ヒューズと電極体お
よび封口蓋群の端子間との電気的接続に問題がある。特
に電池容量が大きくなると、電極体から引き出すリード
線の数が多くなり、配線間の電気絶縁や他の部品との干
渉を避けるために、その集電構造およびリード線接続作
業に注意が必要となる。また、温度ヒューズが電解液中
で充電部となるために電気分解や電触防止構造を採用す
る必要が生ずる。
【0007】また、上記特公平7−75138号公報に
記載の例は、電動機等の一般負荷を保護するための保護
装置であり、二次電池特有の充電および放電特性に見ら
れるように、負荷となったり電源となったり、二つの役
割を果たす電池を保護する構造としては不向きである。
さらに、電池と一体に組み合わせるには、熱感知構造、
耐電解液・耐電食や電解液密閉構造などに改善が必要と
なる。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、非水電解
液二次電池が異常温度上昇した場合、電池内の温度を迅
速に感知し、電池回路の通電路を確実に遮断して発火・
爆発を防止し、安全性の向上を図ると共に、使い勝手の
向上した非水電解液二次電池および電池用熱動継電器を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的とする非水電解
液二次電池は、正極および負極をセパレータを介して捲
回した電極群と非水電解液からなる発電要素を電池缶に
収納し、前記電池缶の開口部を封口部材で密閉した非水
電解液二次電池において、前記正極および負極を封口部
材に貫通設置された各極電池側端子に接続し、前記封口
部材と各極負荷側端子を備えた絶縁カバーが一体となっ
て密閉した安全装置の内部に、熱応動のスイッチによる
各端子の切り換え回路を有するとともに、電池内部の温
度を感知する先端封止の管状の温度感知棒を電池缶内に
突き出して前記封口部材に貫通設置し、前記温度感知棒
の管内に安全装置側から可動接点を支持する支持軸を弾
性体を介して挿入し、温度感知棒の管内部で温度感知棒
と支持軸を熱可溶金属で結合し、電池の温度上昇時に前
記熱可溶金属を溶かして温度感知棒に結合された支持軸
を開放し、支持軸に接続された可動接点を弾性体にて駆
動して、安全装置内の各端子を切り換える、ことにより
達成される。
【0010】上記目的とする電池用熱動継電器は、電池
の正極または負極に接続される電池側端子に接続された
一方の常閉側固定接点、および同極の負荷側端子と作動
側固定接点に接続された他方の常閉側固定接点と、前記
電池の他方の電極に接続される電池側端子と他方の負荷
側端子の両端子に接続された作動側固定接点と、前記常
閉側固定接点に通常は接触している可動接点を有する接
触板と、前記電池内部の温度を感知する先端封止金属管
の温度感知棒および前記電池側端子を貫通させて密閉固
定した封口部材と、前記負荷側端子を貫通固定する絶縁
カバーと、前記温度感知棒の管内で熱可溶金属によって
結合された支持軸と、支持軸に接続された接触板と、接
触板を押し付け保持する弾性体を備え、前記電池内の温
度上昇により設定温度に達すると、前記熱可溶金属が溶
融して弾性体の復元力により支持軸および接触板が駆動
し、可動接点が作動側固定接点に接触する、ことにより
達成される。
【0011】また上記目的とする電池用熱動継電器は、
の電池用熱動継電器は、電池の正極または負極に接続さ
れる電池側端子および同極の負荷側端子にそれぞれ接続
された常閉側固定接点と、前記常閉側固定接点に通常は
接触している可動接点を有する接触板と、前記電池内部
の温度を感知する先端封止金属管の温度感知棒および電
池側端子を貫通させて密閉固定した封口部材と、負荷側
端子を貫通固定する絶縁カバーと、前記温度感知棒の管
内で熱可溶金属によって結合された支持軸と、支持軸に
接続された接触板と、接触板を押し付け保持する弾性体
を備え、前記電池内の温度上昇により設定温度に達する
と、前記熱可溶金属が溶融して弾性体の復元力により支
持軸および接触板が駆動し、可動接点が常閉側固定接点
から離れる、ことにより達成される。
【0012】さらにまた、上記目的とする電池用熱動継
電器は、電池の正極および負極に接続される電池側端子
と負荷側端子の両端子に接続された正極および負極の作
動側固定接点と、前記作動側固定接点に対して非接触で
通常はフリーとなっている可動接点を有する接触板と、
前記電池内部の温度を感知する先端封止金属管の温度感
知棒および前記電池側端子を貫通させて密閉固定した封
口部材と、前記負荷側端子を貫通固定する絶縁カバー
と、前記温度感知棒の管内で熱可溶金属によって溶接結
合された支持軸と、支持軸に接続された接触板と、接触
板を押し付け保持する弾性体を備え、前記電池内の温度
上昇により設定温度に達すると、前記熱可溶金属が溶融
して弾性体の復元力により支持軸および接触板が駆動
し、可動接点が前記作動側固定接点に接触する、ことに
より達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面を
参照して説明する。
【0014】最初に、図1および図2により、本発明に
係わる非水電解液二次電池の実施例について説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例を示す構造縦断
面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。図に
おいて、1は正極であり、アルミ箔からなる正極集電体
1aの両面に無機リチウムインターカレーション・デイ
ンターカレーション材料を正極活物質とする正極合剤1
b(たとえば活物質としてLiMn2O4,LiCoO2,LiNiO
2等、導電剤としてカーボン、結着剤としてポリフッ化
ビニリデンを混合調整したもの)を保持させたものであ
る。2は負極であり、銅箔からなる負極集電体2aの両
面にリチウムインターカレーション・デインターカレー
ションのカーボン材料を負極活物質とする負極合剤2b
(たとえば活物質として黒鉛,結着剤としてポリフッ化
ビニリデンを混合調整したもの)を保持させたものであ
る。
【0016】3はセパレータであり、微多孔性のポリエ
チレンフィルム、またはポリプロピレンフィルムからな
る。なお、ポリエチレンフィルムは温度が上昇した時、
フィルム自身の溶融によって前記微多孔が閉じるシャッ
トダウン開始温度が約130℃であり、ポリプロピレン
フィルムのシャットダウン開始温度は約150℃であ
る。
【0017】上記、正極1と負極2はセパレータ3を介
して対向した状態で中空円筒形の巻芯4に渦巻き状に捲
回され、電極群5を形成している。この場合、セパレー
タ3は正極1,負極2よりも若干幅広く巻かれており、
さらに巻芯部および巻き終り部において数回セパレータ
3単独で巻かれており、正極,負極間及び電極群周囲と
の絶縁性を持たせている。この電極群5は非水電解液
(図示せず)に浸漬されて発電要素となる。非水電解液
は、LiPF6,LiBF4,LiClO4,LiAsF6等のリチウム塩を電
解質として、有機溶媒(プロピレンカーボネート,エチ
レンカーボネート,ジエチルカーボネート,ジメチルカ
ーボネート等の単独または混合物)に溶解したものが使
われる。
【0018】電池缶10には、ステンレス鋼,ニッケル
めっき鉄,ニッケルめっき銅やアルミニウムが使われ、
上記電極群5と非水電解液からなる発電要素を有底円筒
形の電池缶10に収納し、封口部材21を有する安全装
置20を被せて、ガスケット15を介して電池缶の開口
部に加締め蜜封したものである。封口部材21は耐電解
液性,耐熱性および強度を兼ね備えた、ポリフィニレン
サルファイド(PPS)やフェノール等の絶縁材料から
なる。また、電池缶10内の缶底部10aには電池内充
電部と電池缶10との電気絶縁性を保つために、絶縁板
12が設置されている。
【0019】缶底部10aには切り込み溝等の弱点部を
有する防爆弁11が設けられており、電池缶10内の圧
力が異常温度上昇により高圧になった場合に開裂し、電
池缶10の爆発を防止する。防爆弁11の部分に位置す
る絶縁板12にはガス抜き穴が開けられて、ガスの放出
を阻害しないようにしてある。防爆弁11の作動圧力と
しては、電池缶内の温度と、電池缶自身および加締め部
が先に破壊しない強度から決定され、10Kg/cm2
から20Kg/cm2の範囲が望ましい。
【0020】正極リード6はアルミニウム材からなり、
正極1の正極集電体1aとアルミニウム材の正極電池側
端子26に溶接等により接続されている。負極リード7
はニッケルまたは銅材からなり、負極2の負極集電体2
aとニッケルまたは銅材の負極電池側端子27に溶接等
により接続されている。絶縁デスタント13は、電極群
5と封口部材21間に、正極リード6および負極リード
7を取りまとめて収納する空間を確保すると共に、電極
群5が電池缶10内で移動しないように押さえている。
【0021】正極電池側端子26,負極電池側端子27
および温度感知棒30は、電池缶10内部に突き出して
封口部材21に密封性を持たせて貫通固定されている。
温度感知棒30は電池内に突き出した先端部30aが封
止された管状の銅またはアルミニウムの金属材料からな
り、熱伝導度が高い。また、アルミニウムを温度感知棒
30に使用する場合は、管内に銅メッキ、銅クラッド、
または銅リングを圧入する等の処理(図示せず)をし、
ハンダ溶接などの溶接をしやすくする必要がある。温度
管知棒30の材質は、温度感知棒の電位が電池の正極側
に使われる場合は、アルミニウムを、負極側に使われる
場合は、銅が電池内での電気化学反応による電食防止の
ために使用される。温度感知棒の電池側先端部の温度感
知部30aは電極群5の巻芯4の内部またはその近傍に
位置し、温度感知棒30の他端部は安全装置20内に管
の開口端が覗いている。
【0022】安全装置20はプラスチック等の絶縁材か
ら成る封口部材21と絶縁カバー22が一体となって密
閉空間を形成し、その内部に両端に可動接点25aを備
えた接触板25を内蔵し、これが熱応動スイッチの可動
部となる。正極負荷側端子28および負極負荷側端子2
9は絶縁カバー22の底面に内外に貫通して取り付けら
れており、絶縁カバーの外に出た部分が外部負荷との電
気接続部となる単電池全体の各極端子となる。
【0023】正極負荷側端子28は安全装置20内で向
かい合った平行部内側に常閉側固定接点28a,作動側
固定接点28bを有している。負極外部端子29は、安
全装置20内でL字状に曲げられた水平部に作動側固定
接点29aを有し、垂直部で負極電池側端子27の先端
部と溶接等により電気的に接続されている。一方、正極
電池側端子26は、安全装置20内でL字状に曲げられ
た水平部に常閉側固定接点26aを有している。正極電
池側端子26と正極負荷側端子28の常閉側固定接点2
6a,28aは下側に、正極負荷側端子28と負極負荷
側端子29の作動側固定接点28b,29aは上側にそ
れぞれ平行に対向している。前記、常閉側固定接点26
a,28aと作動側固定接点28b,29a間には、可
動スイッチである接触板25が設置され、可動接点25
aは通常、常閉側固定接点26a,28aに接触してい
る。
【0024】温度感知棒30の管内には支持軸31が挿
入され、温度感知棒先端部30aで支持軸31先端部
を、熱可溶金属32で溶接結合している。支持軸31
は、ハンダ溶接などの溶接性の良い銅または銅合金が適
している。熱可溶金属32は低温ハンダ等の合金で、溶
融温度が80℃から130℃の範囲のものが選定され
る。支持軸31の他端部には、コイルばね等の弾性体3
3を圧縮介在させて、接触板25をナット35によりね
じ込み固定している。弾性体33は、温度上昇により熱
可溶金属32の温度が設定温度に達した場合、熱可溶金
属32が溶けて温度感知棒30と支持軸31の結合が開
放され、支持軸31および接触板25を押し上げて、可
動接点25aが作動側固定接点28b,29aへの接触
圧力が得られるに十分な自由長と押圧力を有するものと
する。
【0025】接触板25の両端の可動接点25aは、通
常は正極電池側端子26の接点26aと正極負荷側端子
28の接点28a間を短絡し、設定温度以上に上昇する
と正極負荷側端子28の接点28bと負極負荷側端子2
9の接点29a間を短絡する。つまり、温度上昇により
異常温度になると正極負荷側端子と発電要素である正電
極の導通が遮断され、正・負極の負荷側端子間が短絡す
るものである。(図中の点線は接触板25,支持軸31
が作動した状態を示す。)図3は、本実施例の非水電解
液二次電池を複数個直列接続した場合の電気回路図であ
る。同図ではn個の単電池(45a〜45n)を直列接
続した場合を示し、単電池の電圧をE(V)とすると、
組電池の出力端子X−Y間の電圧はn×E(V)とな
る。cは正極負荷側端子28、aは発電要素の正極に接
続された正極電池側端子26、bは発電要素の負極に接
続された負極負荷側端子29を表している。通常は端子
cは端子a側に接触しており、異常温度上昇すると端子
cは端子b側に切り替わる。
【0026】次に、本実施例による非水電解液二次電池
の組み立て方法について説明する。
【0027】先ず、正極1および負極2にそれぞれ正極
リード6、負極リード7を、スポット溶接または超音波
溶接により取り付けておく。このとき、電池容量の大き
さにより取り付けるリードの数は増減される。この正極
1と負極2をセパレータ3を介して巻芯4に捲回し、巻
終わり部はテープ等で止めて電極群5を作る。電池缶1
0の缶底部10a側から絶縁板12、電極群5、絶縁デ
スタント13の順に入れ、正極リード6、負極リード7
をそれぞれ束ねて纏めておく。次いで、電池ケース10
の開口部付近にネッキング成形をし、正極リード6、負
極リード7を安全装置20の正極電池側端子26、負極
電池側端子27に溶接する。次に電解液を注入し、安全
装置20をガスケット15を介して加締めにより密封し
て完成する。そのため、電解液の密封信頼性が高く、さ
らに安全装置20を備えた非水電解液二次電池を、従来
の組立工程と変わりなく組立てられるので作業性が良
い。
【0028】次に、本実施例による非水電解液二次電池
の作用について説明する。
【0029】電池は充電回路の故障により設定電圧以上
に過充電されると、リチウムインターカレーション・デ
インターカレーションとしての電池反応以外の、電解液
を分解する化学反応を起こし、電池を劣化させると共に
電池の温度を上昇させる。また、過充電が継続された
り、充電・放電の繰り返しにより、負極にデントライト
反応によりリチウム金属が析出し、セパレータ3を突き
破り、正・負極間短絡を起こし、短絡電流が流れて異常
温度になる。さらに、通常の電池の使用温度範囲を越え
た高温での使用や、誤使用による外部短絡、逆充電、あ
るいは、何らかの原因による電池内の内部短絡によって
も、電池は発熱し異常温度となる。
【0030】非水電解液二次電池の温度が上昇すると、
正極1、負極2間にあるセパレータ3のフィルムが13
0℃から150℃で溶融し、フィルムの微多孔が閉じて
正負電極間のリチウムイオンの移動を停止させるシャッ
トダウン効果により、電流を遮断する働きがある。しか
しながら、セパレータの材料であるポリエチレンフィル
ムやポリプロピレンフィルムは、更なる温度上昇により
溶融収縮し、正負電極間の絶縁性を確保できずに、電極
間短絡に至ってしまう場合がある。電池内温度が150
℃を越えると、電極に使われている充電活物質が熱暴走
を起こし、発煙・発火・爆発に至る危険な温度領域とな
る。
【0031】つまり、正極活物質であるLiMn2O4、LiCoO
2、LiNiO2等の結晶格子からの酸素脱離反応により、急
激な発熱を伴う。酸素脱離開始温度は活物質の種類や充
電深度により異なるが、150℃から400℃の範囲に
ある。電池が何らかの原因により異常温度上昇すると、
電池内の電解液は分解し、また、電解液と正極および負
極の活物質が化学反応を起こしてガスを発生し、電池ケ
ース内の圧力が急上昇する。電池内の圧力が上昇して1
0Kg/cm2から20Kg/cm2になると、防爆弁1
1が開裂しガスを電池ケース外に放出して、電池の爆発
力を軽減する。このとき、高温ガスはスイッチのある密
閉空間外から放出されるので、スイッチを腐食させた
り、スイッチの火花により電解液の高温ガスに着火した
りすることがない。
【0032】一方、電池内の異常温度上昇は、安全装置
20から電池内に突き出した温度感知棒30を通して、
温度感知棒内の熱可溶金属32の温度を上昇させ、設定
温度に達すると熱可溶金属が溶融する。支持軸31と温
度感知棒30との固着が開放され、弾性体33の反発力
により支持軸31ごと接触板25を温度感知棒30の管
穴に沿って押し上げ、正極負荷側端子と発電要素である
正電極の導通が遮断され、正・負極の負荷側端子間が短
絡するようにスイッチが切り換わる。このように、電池
缶10内部の温度が、電池缶内部に位置する温度感知棒
30と熱可溶金属32に直接働くので、温度上昇に対し
て遅れることなく、正確な感度の良いスイッチ動作がで
き、電池を安全に保護することができる。また、電池の
置かれている周囲温度に影響されることなく、常に電池
内部温度に正しく対応したスイッチ作動温度とすること
ができる。
【0033】つまり、図3の異常単電池のc−a間の導
通が遮断され、c−b間が短絡される。したがって、異
常単電池が直列回路から安全に切り離され、異常単電池
をバイパスして残った正常電池の直列回路が形成され、
出力電圧は(n−1)×E(V)で運転を継続する。
【0034】スイッチの作動温度となる熱可溶金属32
の溶融温度の下限は、電池の実使用温度範囲の60℃で
作動しないこと、および熱可溶金属のクリープ特性によ
る誤動作を防止することから80℃以上とし、溶融温度
の上限は、セパレータの溶融温度および充電電極の熱暴
走にならない温度から130℃以下とした。また、本実
施例の熱応動の熱可溶金属と弾性体を利用したスイッチ
は、一度作動すると復帰しないので、電池の安全性を継
続して保つことができる。
【0035】なお、上記実施例では正極負荷側端子cを
基準端子として正極電池側端子aと負極端子bを切り換
える構造で説明したが、正極および負極をそれぞれ正極
電池側端子と負極電池側端子に逆に接続しても全く同じ
機能を有するものである。また、スイッチによる各端子
の切り換え回路は、上記実施例に限定されるものではな
い。
【0036】上記実施例の非水電解液二次電池によれ
ば、以下の効果がある。
【0037】(1)電池缶内に突き出した先端封止の管
状の温度感知棒内にある熱可溶金属により電池内部の電
極群の発熱を直接感知し、熱可溶金属の溶融を利用した
スイッチにより端子切り換えができる安全装置により電
池缶の開口部を密封したので、電池内部の熱変化に対し
て外部温度の影響を受けることなく、早く正確な作動温
度で電池を安全に保護できる。
【0038】(2)温度感知棒を熱伝導性の良い銅およ
び管内部が銅被覆のアルミニウムの金属材料としたの
で、電池内部の熱変化に対して熱応答性が良く、確実に
電池を保護できると共に、支持軸と温度感知棒との熱可
溶金属による溶接接合性も良い。
【0039】(3)温度感知棒の管の材質を銅およびア
ルミニウムとしたので、リチウムイオン二次電池の耐電
解液性や、正極側および負極側に使われても十分対応で
きる耐腐食性を持っている。
【0040】(4)熱可溶金属の溶融温度を80から1
30℃の範囲とし、スイッチを作動させるので、電池の
特性に適した保護特性とすることができる。
【0041】(5)接点を有するスイッチにより端子切
り換えを行うので動作が確実で接触抵抗も少なく、安全
性の高い放電特性の優れた非水電解液二次電池を提供で
きる。
【0042】(6)スイッチによる端子切り換え回路が
封口部材と絶縁カバーでインクローズされており、か
つ、防爆弁がスイッチのある密閉空間外にあるので、ゴ
ミやガス等が入る恐れが無いので接点の接触不良は無く
なり、接点の火花により噴出した可燃性電解液の高温ガ
スに着火の恐れの無い非水電解液二次電池とすることが
できる。
【0043】次に、非水電解液二次電池に用いられる電
池用熱動継電器の実施例を、図面を参照しながら以下に
説明する。
【0044】図4は、本実施例の電池用熱動継電器の第
1の実施例を示す縦断面図であり、図1に示した非水電
解液二次電池に設けられている安全装置20と、実質的
に同様の構造のものである。図7は図4の実施例の電気
回路図である。なお、電気回路図において、40は電池
用熱動継電器を、41は非水電解液二次電池の発電要素
である電池素子を、42は電池を電源として運転される
電気負荷を表す。
【0045】これらの図に示すように、封口部材21は
電池用熱動継電器40の外郭を形成すると共に、非水電
解液の二次電池のケースの密閉封口板として、電池に一
体に取り付けられる。そのため、非水電解液二次電池に
使用される電解液に耐え、かつ、電池の温度上昇に耐え
る高耐熱性のポニフィニレンサルファイド(PPS)や
フェノール樹脂が適している。絶縁カバー22は、封口
部材21と合体し、電池用熱動継電器40のスイッチ部
を納めるケースを形成している。
【0046】電池側端子36および先端封止管状の温度
感知棒30を封口部材21を貫通して外側に突き出し、
封口部材21にインサート成形等により密閉固定されて
いる。たとえば、リチウムイオン二次電池の場合、電池
側端子36および温度感知棒30の外側は、電池内で充
電部となる場合には、電気化学反応防止のため、正極に
接続される場合はアルミニウムを、負極に接続される場
合は銅材を使用する必要がある。また、温度感知棒30
にアルミニウムを使用する場合は、管内部30bには溶
接性を良くするために銅材で被覆をすることが望まし
い。アルミニウムや銅は熱伝導が良く、かつ、耐電解液
性にも優れ、電池ケース内で熱を伝える目的で使用する
温度感知棒30としては、適切な金属材料である。
【0047】負荷側端子37は、絶縁カバー22から外
側に突き出して取り付けられている。常閉側固定接点3
8は、一方は電池の正極または負極に接続される電池側
端子36に接続され、他方は同極の負荷側端子37と作
動側固定接点39に接続されている。また、もう一方の
作動側固定接点39は、他電極に接続される電池側端子
36と負荷側端子37に接続されている。接触板25は
両端部に可動接点25aを有し、常閉側固定接点38と
作動側固定接点39の間に設置されている。
【0048】支持軸31は、溶接性を良くするために銅
または銅合金からなり、一端部が先細のテーパー形状3
1aをし、他端部がネジ部31bとなっている。支持軸
31の先端テーパー部31aは、温度感知棒30の管内
部30bの先端部30aまで挿入され、熱可溶金属32
により、支持軸31の先端テーパー部31aと温度感知
棒の先端部30aが互いに溶接結合されている。熱可溶
金属32はハンダ等の低融点合金であり、非水電解液二
次電池用として使うには、実使用上限温度と電池電極の
熱暴走を防止する温度との関係から80から130℃の
範囲の融点を持った低融点合金が、電池を安全に保護す
るのに適している。
【0049】支持軸31の他端部であるネジ部31b
は、電池用熱動継電器40のケース内にでており、圧縮
された弾性体33を介して、接触板25をナット35で
ねじ固定している。接触板25は、コイルばね等の弾性
体33でナット35側に押し付けて保持され、可動接点
25aは、通常は常閉側固定接点38に接触している。
可動接点25aの常閉側固定接点38への接触圧は、ナ
ット35の支持軸ネジ部31bへのねじ込み量によっ
て、接触板25の湾曲変形のばね圧力で調節される。弾
性体33は、温度上昇により熱可溶金属32が溶融し
て、温度感知棒30と支持軸31の結合が解除されたと
き、支持軸31と共に接触板25を押し上げて、可動接
点25aが作動側固定接点39に接触させるに十分な自
由長と押し圧力を有するものとする(図の中で点線は、
接触板25、可動接点25a、支持軸31、ナット35
が作動した状態を示す。)このように、温度感知棒30
および電池側端子36を樹脂の封口部材21に貫通させ
て、プラスチックインサート成形により密閉固定するこ
とにより、電池内の電解液の漏れる心配が無く、電池の
封口板として電池と一体に使用することが可能となっ
た。
【0050】また、支持軸31は、温度感知棒30に熱
可溶金属32で溶接結合された後に、弾性体33を介し
て接触板25をナット35でねじ込み固定することがで
きるので、溶接時に溶接部に弾性体33の反発力が加わ
らず、溶接作業性および溶接信頼性が高くできるもので
ある。また、支持軸31の先端溶接部をテーパー形状3
1aとしたので、温度上昇により熱可溶金属32が溶融
し、支持軸31が熱可溶金属から抜ける場合もスムーズ
に抜け、さらに、支持軸31の周囲に付着した熱可溶金
属もテーパー部の細径部分であるので、支持軸が温度感
知棒30の管内部30bを通るのに障害が無く、確実な
スイッチ動作ができるものである。
【0051】図5は、本発明の電池用熱動継電器の第2
の実施例を示す断面図であり、図8は図5の実施例の電
気回路図である。
【0052】この第2の実施例が、図4に示した第1の
実施例と異なるところは、作動側固定接点が無い構造に
なっていることである。つまり、一方の常閉側固定接点
38は、電池の正極または負極に接続される電池側端子
36に接続され、他方の常閉側固定接点38は負荷側端
子37に接続されている。電池の他の電極はもう一方の
電池側端子36に接続され、そのまま、もう一方の負荷
側端子37に接続されている。通常は、接触板25の可
動接点25aは常閉側固定接点に接触しており、温度上
昇時は、温度感知棒30内の熱可溶金属32の溶融によ
り、温度感知棒30と支持軸31の固着が解け、弾性体
33が支持軸31と共に接触板25を押し上げ、可動接
点25aが常閉側固定接点38から離れ、電池と負荷の
接続を遮断する。
【0053】図6は、電池用熱動継電器の第3の実施例
を示す断面図であり、図9は図6の実施例の電気回路図
である。
【0054】この第3の実施例が、図4に示した第1の
実施例と異なるところは、常閉側固定接点が無い構造に
なっていることである。つまり、電池の正極と負極に接
続される電池側端子36および負荷側端子37が共に接
続され、作動側固定接点39がそれぞれの正負極側端子
に接続されている。通常は、接触板25の可動接点25
aは何処にも接触しておらずフリーな状態であり、温度
上昇時は、温度感知棒30内の熱可溶金属32の溶融に
より、温度感知棒30と支持軸31の固着が解け、弾性
体33が支持軸と共に接触板25を押し上げ、可動接点
25aが作動側固定接点39に接触して、電池の正極と
負極間を短絡し、負荷側端子の電圧出力を零にする。
【0055】次に、電池用熱動継電器の上記第1ないし
第3の実施例について、それぞれの作用を説明する。
【0056】まず、電池用熱動継電器の第1の実施例の
作用を述べる。電池が何らかの原因により異常温度上昇
すると、電池に一体に取り付けられた電池用熱動継電器
の、電池内部に突き出した温度感知棒30を通して、電
池内の熱が温度感知棒30内の熱可溶金属32に直接、
伝わる。熱可溶金属32の温度が設定温度の80℃から
130℃の範囲になると、熱可溶金属が溶融し、温度感
知棒30と支持軸31の先端部のテーパー部31aとの
結合が解放される。それにより、力を蓄えていた弾性体
33は、支持軸31と共に接触板25を温度感知棒30
の管内部に沿って押し上げ、可動接点25aを常閉側固
定接点38から開離して、作動側固定接点39に接触さ
せる。したがって、電池側端子36電池の一方の電極の
出力が遮断され、負荷側端子37間が短絡されることに
より、電池および負荷の両方を安全に保護することがで
きる。このように熱可溶金属32は、電池内に突き出し
た温度感知棒30の内部で熱を受けるので、正確かつ早
く電池内部の温度に対応し、電池の周囲温度の影響を受
けることなく、確実な電池の保護ができるものである。
さらに、一度、熱可溶金属32が溶融して、接触板25
が弾性体33の力により移動した後は、可動接点25a
が元に復帰することは無いので、安全性は確実に保たれ
る。
【0057】また、電池を複数個直列に接続して使用す
る場合でも、電池側端子の遮断により異常電池1個のみ
を切り離し、負荷側端子間の短絡によって、残った正常
電池の直列回路が形成され、負荷の運転を継続すること
ができる。さらに、直流電圧E(V)の電池n個を直列
に接続した場合に、可動接点25aが常閉側固定接点3
8を離れるときに常閉側固定接点間には、n×E(V)
の直流電圧がかかり、直流の電流アークが発生するが、
可動接点25aが作動側固定接点39間を短絡すること
により、常閉側固定接点間には1個の電池の電圧E
(V)しかかからなくなるので、直流の電流アークを切
ることができる。
【0058】次に、電池用熱動継電器の第2の実施例の
作用は、上記第1の実施例の作用で説明した内容のう
ち、常閉側固定接点38を異常温度上昇時に遮断する作
用までが同じで、負荷側端子37間を短絡する機能を除
いたものである。つまり、第1の実施例と同じく、電池
の異常時に電池回路を速やかに遮断し、電池を発火や爆
発に至る前に安全に保護する作用がある。
【0059】次に、電池用熱動継電器の第3の実施例の
作用について説明する。通常は、二次電池に接続された
電池側端子36と直結された負荷側端子37に、負荷4
2が接続されて使われるので、途中に接点による接触部
分が無く、電池用熱動継電器を含めた負荷側端子37間
の電池側内部抵抗が小さくできる。したがって、電池使
用時の電池の負荷特性が良く、電力損失が少ないので、
電池全体の発熱を抑えることができる。
【0060】また、電池の異常温度上昇時に、電池の正
極と負極に接続された作動側固定接点39間を可動接点
25aで短絡するので、異常電池に蓄電された電気エネ
ルギーが、接触板25を通して電池ケース外に放電され
る。したがって、異常電池の蓄電量を安全な状態にして
消滅させることができる。電池の燃焼試験の結果、充電
電気量の多い電池ほど爆発しやすいが、放電した電池は
全く爆発しないことを確認した。また、電池を複数個直
列接続した場合でも、負荷側端子間が短絡されるので、
異常電池の出力が零となり、残った正常電池のみの直列
回路が形成され、継続して負荷に電力を供給できる。ま
た、直流電流が流れている接点間を切らない構造なの
で、直流アークの発生はない。
【0061】上記実施例の電池用熱動継電器によれば、
以下の効果がある。
【0062】(1)電池側端子および負荷側端子に常閉
側固定接点および作動側固定接点を組み合わせた回路を
接続し、可動接点を有する接触板により回路を切り換
え、電池回路の遮断や負荷端子間の短絡により、異常電
池を切り離したり、異常電池をバイパスした残りの正常
電池で継続使用できるので、電池の安全性が確保できる
と共に使い勝手が良い。
【0063】(2)熱可溶金属にて溶接される支持軸の
先端部の形状を先細のテーパーとしたので、熱可溶金属
が溶融した場合に、支持軸の動作がスムーズとなり、ス
イッチ動作を確実にすることができる。
【0064】(3)支持軸と接触板の接合をねじ接続と
したので、支持軸を溶接した後に圧縮した弾性体を介し
て接触板を固定でき、組立性および溶接部の信頼性が向
上する。
【0065】(4)温度感知棒および電池側端子を、プ
ラスチックインサート成形により封口部材に貫通して密
閉固定したので、電池の外郭を形成する封口板として電
池に一体に取り付けられ、電解液の漏れない信頼性の高
い構造とすることができる。
【0066】
【発明の効果】本発明の非水電解液二次電池によれば、
電池缶内に突き出した先端封止の管状の温度感知棒内に
ある熱可溶金属により電池内部の電極群の発熱を直接感
知し、熱可溶金属の溶融を利用したスイッチにより端子
切り換えができる安全装置により電池缶の開口部を密封
したので、電池内部の熱変化に対して外部温度の影響を
受けることなく、早く正確な作動温度で電池を安全に保
護できる、という効果がある。
【0067】また、本発明の電池用熱動継電器によれ
ば、電池側端子および負荷側端子に常閉側固定接点およ
び作動側固定接点を組み合わせた回路を接続し、可動接
点を有する接触板により回路を切り換え、電池回路の遮
断や負荷端子間の短絡により、異常電池を切り離した
り、異常電池をバイパスした残りの正常電池で継続使用
できるので、電池の安全性が確保できると共に使い勝手
が良い、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解液二次電池の一実施例を
示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1に示す非水電解液二次電池を直列接続した
電気回路図である。
【図4】本発明に係る電池用熱動継電器の第1の実施例
を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る電池用熱動継電器の第2の実施例
を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る電池用熱動継電器の第3の実施例
を示す縦断面図である。
【図7】図4の実施例の電気回路図である。
【図8】図5の実施例の電気回路図である。
【図9】図6の実施例の電気回路図である。
【符号の説明】
1…正極、1a…正極集電体、1b…正極合剤、2…負
極、2a…負極集電体、2b…負極合剤、3…セパレー
タ、4…巻芯、5…電極群、6…正極リード、7負極リ
ード、10…電池缶、10a…缶底部、11…防爆弁、
12…絶縁板、13…絶縁デスタント、15…ガスケッ
ト、20…安全装置、21…封口部材、22…絶縁カバ
ー、25…接触板、25a…可動接点、26…正極電池
側端子、26a…常閉側固定接点、27…負極電池側端
子、28…正極負荷側端子、28a…常閉側固定接点、
28b…作動側固定接点、29…負極負荷側端子、29
a…作動側固定接点、30…温度感知棒、30a…先端
部、30b…管内部、31…支持軸、31a…テーパー
部、31b…ネジ部、32…熱可溶金属、33…弾性
体、35…ナット、36…電池側端子、37…負荷側端
子、38…常閉側固定接点、39…作動側固定接点、4
0…電池用熱動継電器、41…電池素子、42…電気負
荷、45a,45b,45n…単電池。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 一夫 愛知県名古屋市北区上飯田南町5丁目45番 地 山田電機製造株式会社内 (72)発明者 大沼 隆 愛知県名古屋市北区上飯田南町5丁目45番 地 山田電機製造株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA13 BB04 CC06 FF02 GG01 HH02 KK04 5H022 AA09 AA18 CC08 CC12 CC21 EE01 EE04 KK01 5H029 AJ12 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 BJ27 DJ02 DJ03 DJ04 DJ09 DJ13 EJ01 EJ12 HJ14 5H030 AA03 AA04 AA07 FF22 FF68

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極をセパレータを介して対
    向させて捲回した電極群と電解液からなる発電要素を電
    池缶に収納し、前記電池缶の開口部を封口部材で密閉し
    た非水電解液二次電池において、 前記正極および負極を封口部材に貫通設置された各極電
    池側端子に接続し、前記封口部材と各極負荷側端子を備
    えた絶縁カバーが一体となって密閉した安全装置の内部
    に、熱応動のスイッチによる各端子の切り換え回路を有
    するとともに、電池内部の温度を感知する先端封止の管
    状の温度感知棒を電池缶内に突き出して前記封口部材に
    貫通設置し、前記温度感知棒の管内に安全装置側から可
    動接点を支持する支持軸を弾性体を介して挿入し、温度
    感知棒の管内部で温度感知棒と支持軸を熱可溶金属で結
    合し、電池の温度上昇時に前記熱可溶金属を溶かして温
    度感知棒に結合された支持軸を開放し、支持軸に接続さ
    れた可動接点を弾性体にて駆動して、安全装置内の各端
    子を切り換えることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 前記安全装置は、温度感知棒が銅または
    管内部が銅被覆のアルミニウムの金属材料からなり、温
    度感知棒の先端部が電池缶内の電極群の巻芯部内または
    電極群近傍に位置し、温度感知棒の管内部で支持軸を熱
    可溶金属にて結合し、熱可溶金属の接続部が電池缶の内
    部に位置している請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 前記安全装置は、電池内部の温度上昇時
    の作動温度である熱可溶金属の溶融温度が、80℃から
    130℃の範囲である請求項1もしくは2のいずれかに
    記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 電池の正極または負極に接続される電池
    側端子に接続された一方の常閉側固定接点、および同極
    の負荷側端子と作動側固定接点に接続された他方の常閉
    側固定接点と、前記電池の他方の電極に接続される電池
    側端子と他方の負荷側端子の両端子に接続された作動側
    固定接点と、前記常閉側固定接点に通常は接触している
    可動接点を有する接触板と、前記電池内部の温度を感知
    する先端封止金属管の温度感知棒および前記電池側端子
    を貫通させて密閉固定した封口部材と、前記負荷側端子
    を貫通固定する絶縁カバーと、前記温度感知棒の管内で
    熱可溶金属によって結合された支持軸と、この支持軸に
    接続された接触板と、この接触板を押し付け保持する弾
    性体とを備え、前記電池内の温度上昇により設定温度に
    達すると、前記熱可溶金属が溶融して弾性体の復元力に
    より支持軸および接触板が駆動し、可動接点が作動側固
    定接点に接触することを特徴とする電池用熱動継電器。
  5. 【請求項5】 電池の正極または負極に接続される電池
    側端子および同極の負荷側端子にそれぞれ接続された常
    閉側固定接点と、前記常閉側固定接点に通常は接触して
    いる可動接点を有する接触板と、前記電池内部の温度を
    感知する先端封止金属管の温度感知棒および電池側端子
    を貫通させて密閉固定した封口部材と、負荷側端子を貫
    通固定する絶縁カバーと、前記温度感知棒の管内で熱可
    溶金属によって結合された支持軸と、この支持軸に接続
    された接触板と、この接触板を押し付け保持する弾性体
    とを備え、前記電池内の温度上昇により設定温度に達す
    ると、前記熱可溶金属が溶融して弾性体の復元力により
    支持軸および接触板が駆動し、可動接点が常閉側固定接
    点から離れることを特徴とする電池用熱動継電器。
  6. 【請求項6】 電池の正極および負極に接続される電池
    側端子と負荷側端子の両端子に接続された正極および負
    極の作動側固定接点と、前記作動側固定接点に対して非
    接触で通常はフリーとなっている可動接点を有する接触
    板と、前記電池内部の温度を感知する先端封止金属管の
    温度感知棒および前記電池側端子を貫通させて密閉固定
    した封口部材と、前記負荷側端子を貫通固定する絶縁カ
    バーと、前記温度感知棒の管内で熱可溶金属によって溶
    接結合された支持軸と、この支持軸に接続された接触板
    と、この接触板を押し付け保持する弾性体とを備え、前
    記電池内の温度上昇により設定温度に達すると、前記熱
    可溶金属が溶融して弾性体の復元力により支持軸および
    接触板が駆動し、可動接点が前記作動側固定接点に接触
    することを特徴とする電池用熱動継電器。
  7. 【請求項7】 先端封止管状の温度感知棒および電池側
    端子を、封口部材より電池内部側に突き出して貫通さ
    せ、樹脂のインサート成形により温度感知棒および電池
    側端子を封口部材に密閉固定させた請求項4ないし6の
    いずれかに記載の電池用熱動継電器。
  8. 【請求項8】 温度感知棒の管内に挿入されて管内先端
    部で熱可溶金属で溶接結合される支持軸の先端部を、先
    細のテーパー形状とした請求項4ないし6のいずれかに
    記載の電池用熱動継電器。
  9. 【請求項9】 支持軸の一端部を温度感知棒に熱可溶金
    属にて溶接結合し、支持軸の他端部に接触板を弾性体を
    圧縮介在させてねじ接続とした請求項4ないし6のいず
    れかに記載の電池用熱動継電器。
JP11009964A 1999-01-19 1999-01-19 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器 Pending JP2000208132A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11009964A JP2000208132A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11009964A JP2000208132A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000208132A true JP2000208132A (ja) 2000-07-28

Family

ID=11734632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11009964A Pending JP2000208132A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000208132A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003123846A (ja) * 2001-10-19 2003-04-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
KR101057514B1 (ko) * 2004-07-28 2011-08-17 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지
WO2015007459A1 (de) * 2013-07-16 2015-01-22 Robert Bosch Gmbh Baugruppe zur absicherung einer elektrochemischen speicherzelle
JPWO2018003439A1 (ja) * 2016-06-30 2019-04-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 正極活物質及び非水電解質二次電池
CN109962205A (zh) * 2017-12-25 2019-07-02 惠州比亚迪电池有限公司 电池盖板组件、单体电池、电池模组、动力电池包和电动汽车
WO2019195985A1 (zh) * 2018-04-09 2019-10-17 深圳市瑞德丰精密制造有限公司 具有多种保护机制的电池顶盖
CN110649193A (zh) * 2019-09-04 2020-01-03 王建国 一种耐低温电池模组
KR102074308B1 (ko) * 2019-04-30 2020-02-06 주식회사 와이엠텍 회로 폐로 장치

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003123846A (ja) * 2001-10-19 2003-04-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
KR101057514B1 (ko) * 2004-07-28 2011-08-17 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지
WO2015007459A1 (de) * 2013-07-16 2015-01-22 Robert Bosch Gmbh Baugruppe zur absicherung einer elektrochemischen speicherzelle
JPWO2018003439A1 (ja) * 2016-06-30 2019-04-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 正極活物質及び非水電解質二次電池
CN109962205A (zh) * 2017-12-25 2019-07-02 惠州比亚迪电池有限公司 电池盖板组件、单体电池、电池模组、动力电池包和电动汽车
CN109962205B (zh) * 2017-12-25 2021-09-21 惠州比亚迪电池有限公司 电池盖板组件、单体电池、电池模组、动力电池包和电动汽车
WO2019195985A1 (zh) * 2018-04-09 2019-10-17 深圳市瑞德丰精密制造有限公司 具有多种保护机制的电池顶盖
KR102074308B1 (ko) * 2019-04-30 2020-02-06 주식회사 와이엠텍 회로 폐로 장치
CN110649193A (zh) * 2019-09-04 2020-01-03 王建国 一种耐低温电池模组

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5609972A (en) Cell cap assembly having frangible tab disconnect mechanism
JP4802188B2 (ja) 保護素子を内蔵した電極リードを有する電気化学素子
JP2000182598A (ja) 非水電解液二次電池およびその熱動継電器
EP2827408B1 (en) Lithium-ion rechargeable battery
JPH10326610A (ja) 非水電解液二次電池
US6045939A (en) Lithium secondary battery having thermal switch
JP4558671B2 (ja) 二次電池
KR100601500B1 (ko) 온도와 압력 감응형 안전 벤트를 갖는 리튬 이온 이차 전지
KR100720282B1 (ko) 안전성이 향상된 이차전지
EP1422771A1 (en) Non-aqueous electrolytic secondary battery
JP2000067840A (ja) 蓄電池または電池用の安全通気口
JPH117931A (ja) 二次電池
JPH1140203A (ja) 二次電池
JP2006313743A (ja) 二次電池
JP2004273139A (ja) リチウム二次電池
JP2003051304A (ja) 非水電解質二次電池
JPH1140204A (ja) 二次電池
JPH10214613A (ja) 非水電解液二次電池とこれを用いた組電池
JP2000067847A (ja) 二次電池及び組電池
JPH11167909A (ja) 非水電解液電池用防爆弁装置
KR100770116B1 (ko) 원통형 리튬 이차 전지
JP2000208132A (ja) 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器
JPH117932A (ja) 二次電池
JPH10261400A (ja) 非水電解液二次電池
JP2000182596A (ja) 電池用熱動継電器