JP2000208050A - 蛍光ランプの水銀含有ペレット投入装置 - Google Patents

蛍光ランプの水銀含有ペレット投入装置

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JP2000208050A
JP2000208050A JP11008735A JP873599A JP2000208050A JP 2000208050 A JP2000208050 A JP 2000208050A JP 11008735 A JP11008735 A JP 11008735A JP 873599 A JP873599 A JP 873599A JP 2000208050 A JP2000208050 A JP 2000208050A
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敦 大塚
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音和 今西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛球の弁部材を磁気吸引力で上昇させて球状
の水銀含有ペレットを自重で落下させる装置において、
剛球が外部衝撃力で非正規に上昇振動すると水銀含有ペ
レットが落下するミスが発生する、このペレット落下ミ
スを回避する装置の提供。 【解決手段】 座面42上における弁部材41の剛球4
1aと、座面42から真上に延在する内壁面44の間の
隙間gを水銀含有ペレット20の直径より小さく設定
し、剛球41aが非正規に外部衝撃力で上昇しても隙間
gが大きくならないようにして、剛球41aが非正規に
振動しても水銀含有ペレット20が隙間gに係止され
て、隙間gから下方へと落下するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直管形蛍光ラン
プや環形蛍光ランプの製造工程における排気工程設備で
使用される水銀含有ペレット投入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプ製造の排気工程は、例えばタ
ーンテーブルの周辺部に等間隔で設置された複数の各排
気ヘッドに蛍光ランプのバルブから延在する排気管を連
結しバルブをチャックした状態で、次のように行われ
る。ターンテーブルを間欠回転させてバルブを各作業ポ
ジションに移動させながら、先ずバルブを例えば400
〜500℃に加熱してバルブ内の不純ガスを排気し、こ
の排気を継続しながらバルブ内の電極の熱分解による活
性化を行い、最終工程で排気管を通してバルブ内に水銀
とアルゴン等の不活性ガスの封入を行ってから排気管を
チップオフする。
【0003】上記排気工程における水銀封入方法とし
て、定量の水銀を排気管内に滴下する方法があるが、排
気管外に水銀が飛散蒸発する可能性が高くて、蛍光ラン
プ製造の作業環境のクリーン化対策が必要となる。ま
た、別の水銀封入方法として、例えば水銀とチタンとの
金属間化合物を板状等に成形した定量の固形物品をバル
ブ内に付着させておいて、加熱排気や電極活性化、不活
性ガス封入、排気管チップオフまでの蛍光ランプ製造を
行い、最後にボンバーダでバルブ内の金属間化合物を高
温に加熱・分解して、バルブ内で水銀を蒸発させる方法
がある。この方法の場合、作業環境に水銀が飛散する心
配は無いが、ボンバーダ等の設備が大掛かりとなる。
【0004】そこで、近年においては水銀と亜鉛等を結
着させた球状の水銀含有ペレットを排気管からバルブ内
に投入して、バルブの熱で投入された水銀含有ペレット
から水銀を蒸発させるようにすることで、水銀封入をす
ることが多く行われている。このような水銀含有ペレッ
トをバルブに投入する従来装置例を、図4及び図5に示
し説明する。
【0005】図4は、蛍光ランプ製造の排気工程におけ
る排気ヘッド1が示される。排気ヘッド1は、図示しな
いターンテーブルの周縁に鉛直方向に設置されるもの
で、円筒状のヘッド本体2の下部に排気管チャック機構
3が設置され、ヘッド本体2の上部に水銀含有ペレット
投入装置4が内蔵される。排気管チャック機構3は、下
方からバルブ5の排気管6が挿通されると、この排気管
6の上端部を脱着可能に挟持する。同時にバルブ5も図
示しないターンテーブル側のチャックで挟持される。
【0006】また、ヘッド本体2の中央部に真空引き管
7が、この真空引き管7の上下箇所に冷却管8,9が連
結される。円筒状のヘッド本体2は中心部に上下に貫通
する排気孔10を有し、この排気孔10の上下端部を除
く中央部に1本のペレット供給管11が設置される。排
気管チャック機構3が排気管6をチャックすると、排気
管6の上端開口とペレット供給管11の下端開口が同軸
に対向して、排気管6の上端開口が排気孔10と連通す
る。真空引き管7は外部の真空ポンプ12に連結され、
真空ポンプ12で真空引き管7内を真空引きすると、排
気孔10の下部に連通する排気管6内とバルブ5内が排
気され、同時に排気孔10の上部と連通する水銀含有ペ
レット投入装置4の内部空間も排気される。冷却管8,
9は、例えばヘッド本体2内に形成されたラジエータ室
13に冷却水を循環させてヘッド本体2を冷却するもの
で、この冷却で水銀含有ペレット投入装置4の内部空間
が後述する水銀含有ペレットの水銀が蒸発する温度(約
38℃)より低い定温に保持される。
【0007】従来の水銀含有ペレット投入装置4を図5
に基づき説明すると、これはヘッド本体2の排気孔10
の上端部に固定された円筒状の下部ブロック21と上部
ブロック22の間に2個の弁部材である剛球23,24
を収納し、円筒状の上部ブロック22の上端開口に蓋2
5を開閉可能に設置して構成される。上下の各ブロック
22,21の内周面で、上下に連なるペレット通路空間
30が形成される。ペレット通路空間30の上端開口に
蓋25が上下に開閉可能に設置され、蓋2を閉じるとペ
レット通路空間30の上端開口が密閉され、蓋25を図
5(A)の鎖線で示すように開くと外部から定量の水銀
含有ペレット20がペレット通路空間30に投入され
る。2個の剛球23,24は磁性体で、図5(B)の鎖
線で示すように閉じた蓋25の上にマグネット(電磁
石)26を位置させ、励磁させると2個の剛球23,2
4が磁気吸引されてペレット通路空間30内を上限位置
まで上昇する。
【0008】円筒状の下部ブロック21の内周面中央部
に逆円錐状の座面31が形成され、この座面31の上端
から真上に円筒面の内壁面32が延在する。座面31の
中心部下方にペレット投入口33が形成され、このペレ
ット投入口33の下部にペレット供給管11の上端部が
同軸に連結固定されて、ペレット通路空間30にペレッ
ト供給管11が連通させてある。逆円錐状座面31に1
個の剛球23が隙間無く載置され、この剛球23上と内
壁面32の間に他の剛球(以下、補助剛球と称する)2
4が載置される。このときの剛球23はペレット投入口
33を塞いで、ペレット通路空間30に投入された水銀
含有ペレット20の投入口33への落下を防止する。補
助剛球24は剛球23より大径、大重量であり、これの
存在理由は後述する。上部ブロック22は、補助剛球2
4の上昇時の上限位置を規制するストッパーである。
【0009】図5(A)に示すように各剛球23,24
が自重で下限位置に在るとき、蓋25が開かれてペレッ
ト通路空間30に水銀含有ペレット20が投入される。
このペレット投入は、図4の排気ヘッド1が電極活性化
ポジションを通過して不活性ガス封入ポジションに至る
所定のタイミングで行われる。また、蓋25の開成は、
カムやシリンダ等を使って外部から行われる。水銀含有
ペレット20は定形の略球体で、蛍光ランプに必要な水
銀量が例えば14mmgとすると、多孔質の亜鉛球体に
14mmgの水銀を含浸させた直径が約1.4mmの球
体で、この1個が専用の切り出し装置(図示せず)でペ
レット通路空間30に自動投入される。この水銀含有ペ
レット20に対して、例えば剛球23の直径は6mm、
補助剛球24の直径は8mmである。
【0010】ペレット通路空間30に1個の水銀含有ペ
レット20が投入されると蓋2が閉じられ、ペレット通
路空間30がその側壁一部に設けた排気孔34から排気
される。投入された水銀含有ペレット20は剛球23と
座面31の間に係止して保持される。一方、ヘッド本体
2の冷却でペレット通路空間30が38℃未満の定温に
保持されているので、ペレット通路空間30に投入され
た水銀含有ペレット20は球体のままで、水銀の蒸発は
殆んど無い。
【0011】図5(A)の状態で排気ヘッド1が次の水
銀封入の作業ポジションに移動すると、同ポジションに
待機した図5(B)の鎖線で示すマグネット26が作動
して磁性体の剛球23,24を磁気吸引してペレット通
路空間30内を上昇させる。この場合、補助剛球24が
上部ブロック22に当接する上限位置まで上昇し、この
補助剛球24に磁気吸着された状態で剛球23も上昇し
て、剛球23と座面31との間に水銀含有ペレット20
の直径を超える隙間が形成され、この隙間を通って水銀
含有ペレット20が座面31からペレット投入口33へ
と自重で落下し、更に、ペレット投入口33からペレッ
ト供給管11内を通過して排気管6内に落下し、バルブ
5内に投入される。このペレット投入直後に、或いは、
同時的に排気管6からアルゴン等の不活性ガスがバルブ
5内に供給され、短時間内に排気管6のチップオフが行
われる。バルブ5内に投入された水銀含有ペレット20
は、バルブ5の自然冷却途中の熱(例えば100℃前
後)で加熱されて水銀が蒸発し、バルブ5への水銀封入
が終了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図5(A)の状態にお
いて、ペレット通路空間30内で各剛球23,24は上
方に対して自由に動ける状態にあり、この状態のときに
不意に外部衝撃力が付勢されると各剛球23,24が上
下に振動して、下部の剛球23が座面31から上方に離
反することがある。上記外部衝撃力は、例えばターンテ
ーブルの間欠回転時の回転始めと回転終わりのときの加
速度ショックによるもの、蓋25が閉じるときの機械的
衝撃力によるもの、真空引き管12の途中に設置された
排気弁の切換時の機械的衝撃力によるもの、等で与えら
れる。
【0013】このような非正規な外部衝撃力が常に微小
であれば問題ないが、時折限度を超えて大きくなり、そ
のときのショックで剛球23が座面31から水銀含有ペ
レット20の直径以上に上昇して水銀含有ペレット20
のストッパー機能を一時的に無くし、この上昇瞬間に水
銀含有ペレット20が座面31を転がってペレット投入
口33に落下するペレット落下ミスが発生することがあ
る。実際、非正規な外部衝撃力で剛球23が最大5mm
程度まで上昇浮き上がり動作をし、1.4mm以上浮き
上がると水銀含有ペレット20が落下ミスすることが分
かっている。かかるペレット落下ミスが図5(B)の正
規のペレット投入時点までに発生すると、落下ミスの水
銀含有ペレットが真空引き管7から真空系に吸引されて
バルブ5に供給されないトラブルや、落下ミスの水銀含
有ペレットが早期にバルブ5内に落下して水銀蒸発を
し、この蒸発水銀の一部が排気されて最終的なバルブ内
の封入水銀量が不足するトラブルが発生して、蛍光ラン
プの品質改善と製造歩留まりの向上化を難しくしてい
る。
【0014】尚、剛球23の非正規な外部衝撃力による
上下振動を抑制するため、剛球23にこれより大重量の
補助剛球24を乗せている。このように各剛球23,2
4の重量を相違させることで、双方が機械的振動しても
共振しないようにし、かつ、機械的振動しても互いに振
動を打ち消し合うようにして、下部の剛球23が座面3
1から大きく離反しないようにその振動量を抑制してい
るが、未だ不十分で上記トラブルが発生している。ま
た、下部の剛球23の上記振動をより小さくするため、
この剛球23をより大重量化、大径化することが検討さ
れているが、大重量化するほどマグネット26による正
規の上昇動作を正確に行わせることが難しくなることも
あって、剛球(弁部材)の大重量化、大径化は既に限界
であるのが現状である。
【0015】また、図5(A)の下部の剛球23を図5
(B)の電磁石26で磁気吸引して逆円錐面の座面31
から離反させる正規のペレット投入時において、剛球2
3が座面31に食い付いた状態になっていると磁気吸引
しても座面31から離反しないことがある。このような
事態が発生すると、最後まで水銀含有ペレット20がバ
ルブ5内に落下せず、尚更に蛍光ランプの製造歩留まり
が悪くなる。
【0016】本発明の目的とするところは、水銀含有ペ
レットをペレット通路空間に一時停止させる剛球等の弁
部材が非正規な外部衝撃力で多少振動しても水銀含有ペ
レットの落下ミスをさせない動作の安定した水銀含有ペ
レット投入装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛍光ランプの
バルブ端から延在する排気管の先端部に下部が脱着可能
に連結される排気ヘッドの上部に定ストローク上下動可
能に収納された弁部材と、下限位置に在る弁部材の下部
を隙間無く保持する逆錐面状で中央部に前記排気管に連
通するペレット投入口が形成された座面、及び、同下限
位置の弁部材の周側面に所定の間隙で対向する内壁面を
有する上端開口のペレット通路空間と、ペレット通路空
間の上端開口を適宜閉塞する蓋を備え、外部からペレッ
ト通路空間内に供給された略球状定形の水銀含有ペレッ
トを下限位置の弁部材で一時的に保持し、この弁部材を
外部からの磁気吸引力で上昇させてできる座面との隙間
に水銀含有ペレットを自重で通過させてペレット投入口
から排気管内へと落下させるようにした水銀含有ペレッ
ト投入装置であって、ペレット通路空間の内壁面と下限
位置の弁部材の周側面の間隙が水銀含有ペレットが自重
で通過しないストッパー間隙であり、このストッパー間
隙が、弁部材の外部衝撃力に伴う非正常な上下振動時に
おける弁部材上昇時にも形成され、弁部材が外部からの
磁気吸引力で所定の上限位置まで上昇すると間隙規制が
解除されて水銀含有ペレットが通過するように、所定の
上下長さ範囲で形成されていることを特徴とする。
【0018】ここで、弁部材は磁気吸引される磁性体の
球体や筒体等であり、この弁部材が下限位置に在るとき
の弁部材の周側面とペレット通路空間の内壁面の間に水
銀含有ペレットを通さない隙間を形成し、この隙間を弁
部材が非正規な外部衝撃力で振動して上昇しても維持さ
せるように形成することで、弁部材が非正規に振動して
も水銀含有ペレットの落下ミスが回避される。
【0019】また、本発明の第2の発明は、上記弁部材
が剛球であり、ペレット通路空間の座面が逆円錐面であ
ることを特徴とし、第3の発明は、上記弁部材が重量大
の大剛球で、この大剛球の上に大剛球よりも重量の小さ
い単数或いは複数個の補助剛球を載置したことを特徴と
する。この第2と第3の発明は、従来の弁部材に剛球を
使用したものの改良品に相当するもので、第2の発明に
おける剛球数は単数を含み、この剛球を複数個使用した
ものが第3の発明に相当する。
【0020】更に、本発明の第4の発明は、上記弁部材
が下端面が逆円錐面の円筒状スライダーであり、ペレッ
ト通路空間の座面が逆円錐面であることを特徴とする。
【0021】また、本発明においては、上記逆円錐面の
座面の開口角度を65度〜75度にすることが、剛球や
円筒状スライダーの弁部材を磁気吸引力で正規に上昇さ
せる動作を確実にする上で望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、第1の実施例を図1及び図
2に示し、第2の実施例を図3に示して、順に説明す
る。
【0023】図1は、図4と同様な排気ヘッド1の上部
に本発明実施例の水銀含有ペレット投入装置40を設置
したもので、図1の図4と同一、又は、相当部分には同
一符号を付して説明を省略する。尚、図1の排気管チャ
ック機構3に示される14はリング状のゴムチャック、
15は開閉アームで、排気ヘッド1がバルブ取付ポジシ
ョンに移動して開いたゴムチャック14に排気管6が挿
通されると、開閉アーム15が排気管チャック方向に回
転して、ゴムチャック14をその全周から締め付けて排
気管6に密着させる。また、図1のヘッド本体2の上部
が筒状で、この内部空間に水銀含有ペレット投入装置4
0が内蔵され、この装置40の蓋47はヘッド本体2の
上端面に埋設されたオーリング16に圧接することで排
気孔10の上端開口を密閉する。
【0024】第1の実施例である水銀含有ペレット投入
装置40の具体例を図2(A)〜(C)を参照して説明
すると、同装置40は磁性体の弁部材41と、弁部材4
1を定ストローク上下動可能に収納するペレット通路空
間46と、ペレット通路空間46の上端開口を適宜閉塞
する蓋47を備える。ペレット通路空間46の底面は逆
錐面状の座面42で、座面42の中心部にペレット投入
口43が形成され、ペレット投入口43にペレット供給
管11の上端部が連結固定されて、ペレット供給管11
とペレット通路空間46が連通する。座面42の上端か
ら鉛直方向に内壁面44が延在し、更に内壁面44の上
端からより大径の内壁面45が延在して、ペレット通路
空間46が形成される。
【0025】弁部材41は球体、筒体等の形状で、単数
或いは複数が使用されるもので、図2の実施例において
は単数の剛球41aが示される。この剛球41aに対応
する座面42は逆円錐面であり、内壁面44は円筒面
で、平常時は座面42上に剛球41aが隙間無く載置さ
れ、この剛球41a上に補助剛球41bが載せられる。
補助剛球41bは必要に応じて使用されるもので、無く
てもよい。
【0026】図2に示される水銀含有ペレット20は図
5と同様のもので、直径が約1.4mmの略球体であ
る。これに対して剛球41aは直径が10mm,補助剛
球41bの直径が8mmである。また、座面42の開口
角度θは65度〜75度の範囲に設定され、その理由は
後述する。
【0027】本発明の従来と大きく相違する特徴は、座
面42に載置された下限位置に在る剛球41aと内壁面
44の間の隙間gの最大値を水銀含有ペレット20の直
径より小さく設定したこと、及び、下限位置の剛球41
aに最も接近する内壁面44の定箇所から内壁面44の
上端までの高さhを座面42上の水銀含有ペレット20
が非正規に外部衝撃力で上下に振動するときの上昇浮き
上がり量の最大値(約5mm)程度に設定したことであ
る。
【0028】図2(A)は平常状態が示して在り、この
ときに蓋47を開いて1個の水銀含有ペレット20をペ
レット通路空間46に投入すると、水銀含有ペレット2
0は剛球41aと内壁面44の上端のところで係止され
て一時停止状態に保持され、狭い隙間gには入らない。
この平常状態で非正規に外部衝撃力が加えられて、図2
(B)に示すように剛球41aが補助剛球41bと共に
上下振動したとき、剛球41aがその最大量で上昇して
も内壁面44との隙間gが変わらず、従って、水銀含有
ペレット20は剛球41aと内壁面44の上端のところ
で係止されたままとなってペレット落下ミスが回避され
る。
【0029】そして、排気ヘッド1がアルゴン等の不活
性ガス封入ポジションに移動するタイミングで、或い
は、不活性ガス封入のタイミングで、図2(C)に示す
ようにマグネット26を使用して各剛球41a、41b
を磁気吸引し、それぞれを上限位置まで上昇させる。す
ると、剛球41aが内壁面44より浮き上がり、内壁面
44の上端と剛球41aの間に水銀含有ペレット20の
直径より大きな空間ができて、この空間から水銀含有ペ
レット20が座面42,ペレット投入口43へと落下
し、そのままペレット供給管11を通過して排気管6か
らバルブ5へと落下する。バルブ5に落下した水銀含有
ペレット20は即座にバルブ5の熱(例えば100℃程
度)で加熱されて水銀を蒸発させる。このような水銀封
入は、アルゴン等の不活性ガス封入の直前か、不活性ガ
ス封入と同時に行えばよい。
【0030】図2の第1の実施例においては、弁部材で
ある剛球41aには例えば直径10mmのより重い剛球
を、補助剛球41bには直径8mmのより軽い剛球を使
用して、弁部材である剛球41aの不本意な振動がより
小さくなるようにしている。補助剛球41bは、剛球4
1aの不本意な振動を抑制すると共に、剛球41aの磁
気吸引力による正規な上昇動作を援助する。
【0031】また、平常時に剛球41aを保持する座面
42の開口角度θを65度〜75度に設定することで、
座面42への剛球41aの食い付きが軽減されて、磁気
吸引力による剛球41aの正規の上昇動作がより確実に
なることが確認された。ちなみに開口角度θとして、従
来は60度程度に設定されていて、剛球の正規な上昇動
作が不安定になることがあったが、これが上記角度範囲
に拡大することで解決された。このことは、次の第2の
実施例においても同様であり、第2の実施例の説明の中
では言及しない。
【0032】図3の第2の実施例に示される水銀含有ペ
レット投入装置40の図2装置と相違するところは、弁
部材41に磁性体金属の円筒状スライダー41cを使用
したことである。このスライダー41cの下端面は、座
面42に密着する逆円錐面である。スライダー41c
は、ペレット通路空間46の上部に固定されたガイド部
材48にガイドされて上下動する。ガイド部材48は、
上面に蓋47が設置される円筒部49と、円筒部49の
下面中央から下方に突出するガイド柱部50を有し、円
筒部49の内部空間からガイド柱部50の側面一部を貫
通させてペレット投入ガイド孔51が形成される。
【0033】図3(A)に示す平常時において、スライ
ダー41cが座面42上に載置され、このときスライダ
ー41cの内周面の略上半分までガイド部材48のガイ
ド柱部50が挿通され、ガイド柱部50の側面のペレッ
ト投入ガイド孔51の下端開口はスライダー41cの上
端より上の位置にある。そして、スライダー41cの外
周面の略下半分(上下の長さで例えば約5mmの区間)
と、これに対向する内壁面44との間に水銀含有ペレッ
ト20が入らない所定の隙間gが形成される。蓋47を
開いてペレット投入ガイド孔51に1個の水銀含有ペレ
ット20が投入されると、水銀含有ペレット20はペレ
ット投入ガイド孔51の下端開口から隙間gの上端間で
落下し、スライダー41cに係止されて一時停止する。
【0034】図3(A)の平常状態において非正規に外
部衝撃力が加わり、図3(B)に示すようにスライダー
41cがガイド柱部50にガイドされて非正規に上昇し
ても隙間gが変わらず保持され、従って、水銀含有ペレ
ット20の落下ミスが回避される。また、図3(C)に
示すように、マグネット26を使用して正規にスライダ
ー41cを磁気吸引して上限位置まで上昇させると、ス
ライダー41cが内壁面44より浮き上がり、内壁面4
4の上端とスライダー41cとの間に水銀含有ペレット
20の直径より大きな空間ができて、この空間から水銀
含有ペレット20が座面42,ペレット投入口43へと
落下し、更にペレット供給管11を通過して排気管6か
らバルブ5へと落下する。
【0035】本発明は以上の各実施例に限らず、例えば
水銀含有ペレットの複数個をバルブに同時投入する装置
においても適用できる。このような装置においては、同
時投入される複数個の水銀含有ペレットを同一直径の略
球体としてペレット通路空間内壁面と弁部材の隙間を設
定、或いは、同時投入される複数個の水銀含有ペレット
が直径の異なる略球体であればその最小直径のものに合
わせてペレット通路空間内壁面と弁部材の隙間を設定す
ればよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、弁部材が非正規な外部
衝撃力で上下振動しても弁部材とペレット通路空間内壁
面の間の隙間が水銀含有ペレットを通さない隙間を維持
したままであるので、弁部材の非正規な上下振動時にお
ける水銀含有ペレットの落下ミスが確実に回避されて、
蛍光ランプのバルブへの水銀封入が常に正確に行えるよ
うになり、蛍光ランプの品質改善、製造歩留まりの向上
化が図れる。
【0037】また、弁部材に磁性体の剛球、円筒状スラ
イダーを適用し、この弁部材を保持するペレット通路空
間の座面を65度〜75度の開口角度の逆円錐面にすれ
ば、弁部材の上下動作が安定して、動作の信頼性の高い
水銀含有ペレット投入装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の水銀含有ペレット投入
装置を装備した排気ヘッドの縦断面図。
【図2】図1における水銀含有ペレット投入装置の縦断
面図で、同図(A)は弁部材振動前、同図(B)は弁部
材振動時、同図(C)はペレット投入時の断面図。
【図3】本発明の第2の実施例の水銀含有ペレット投入
装置の縦断面図で、同図(A)は弁部材振動前、同図
(B)は弁部材振動時、同図(C)はペレット投入時の
断面図。
【図4】従来の水銀含有ペレット投入装置を装備した排
気ヘッドの部分断面を含む側面図。
【図5】図4の水銀含有ペレット投入装置の縦断面図
で、同図(A)はペレット投入前、同図(B)はペレッ
ト投入時の断面図。
【符号の説明】
1 排気ヘッド 20 水銀含有ペレット 40 水銀含有ペレット投入装置 41 弁部材 41a 剛球(弁部材) 41c 円筒状スライダー(弁部材) 42 座面 43 ペレット投入口 44 内壁面 g 隙間 θ 座面開口角度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光ランプのバルブ端から延在する排気
    管の先端部に下部が脱着可能に連結される排気ヘッドの
    上部に定ストローク上下動可能に収納された弁部材と、
    下限位置に在る弁部材の下部を隙間無く保持する逆錐面
    状で中央部に前記排気管に連通するペレット投入口が形
    成された座面、及び、同下限位置の弁部材の周側面に所
    定の間隙で対向する内壁面を有する上端開口のペレット
    通路空間と、ペレット通路空間の上端開口を適宜閉塞す
    る蓋を備え、外部からペレット通路空間内に供給された
    略球状定形の水銀含有ペレットを下限位置の弁部材で一
    時的に保持し、この弁部材を外部からの磁気吸引力で上
    昇させてできる座面との隙間に水銀含有ペレットを自重
    で通過させてペレット投入口から排気管内へと落下させ
    るようにした水銀含有ペレット投入装置であって、 前記ペレット通路空間の内壁面と下限位置の弁部材の周
    側面の間隙が水銀含有ペレットが自重で通過しないスト
    ッパー間隙であり、このストッパー間隙が、弁部材の外
    部衝撃力に伴う非正規な上下振動時における弁部材上昇
    時にも形成され、弁部材が外部からの磁気吸引力で所定
    の上限位置まで上昇すると間隙規制が解除されて水銀含
    有ペレットが通過するように、所定の上下長さ範囲で形
    成されていることを特徴とする蛍光ランプの水銀含有ペ
    レット投入装置。
  2. 【請求項2】 上記弁部材が剛球であり、ペレット通路
    空間の座面が逆円錐面であることを特徴とする請求項1
    記載の蛍光ランプの水銀含有ペレット投入装置。
  3. 【請求項3】 上記弁部材が重量大の大剛球で、この大
    剛球の上に大剛球よりも重量の小さい単数或いは複数個
    の補助剛球を載置したことを特徴とする請求項2記載の
    蛍光ランプの水銀含有ペレット投入装置。
  4. 【請求項4】 上記弁部材が下端面が逆円錐面の円筒状
    スライダーであり、ペレット通路空間の座面が逆円錐面
    である請求項1記載の蛍光ランプの水銀含有ペレット投
    入装置。
  5. 【請求項5】 上記逆円錐面の座面の開口角度が65度
    〜75度であることを特徴とする請求項2〜4いずれか
    記載の蛍光ランプの水銀含有ペレット投入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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