JP2000206011A - 微細物体の自動採取装置および採取方法 - Google Patents

微細物体の自動採取装置および採取方法

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JP2000206011A
JP2000206011A JP11006552A JP655299A JP2000206011A JP 2000206011 A JP2000206011 A JP 2000206011A JP 11006552 A JP11006552 A JP 11006552A JP 655299 A JP655299 A JP 655299A JP 2000206011 A JP2000206011 A JP 2000206011A
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JP11006552A
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English (en)
Inventor
Kanji Yahiro
寛司 八尋
Takayuki Hatase
貴之 畑瀬
Hiroaki Motoyama
裕章 本山
Tatsuya Nishi
達也 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細物体の探索・識別・採取およびその後の
分別管理を自動化し、これらの作業を効率よく高い信頼
性で行うことができる微細物体の自動採取装置および採
取方法を提供すること。 【解決手段】 液体を含んだ試料を入れた試料容器8を
試料テーブル7に載置し、試料の中の目的とする微細物
体をカメラ18で撮像して画像処理により探索条件に基
づいて探索する。探索された微細物体は赤外線レーザ光
源11によってレーザ光線を微細物体に照射することに
より光圧によりトラップされて捕捉され、捕捉された微
細物体は、マイクロピペット23によって採取され、マ
イクロプレート34のウェル35に探索条件に基づいて
分類されて分注される。これにより、同一の装置で微細
物体の探索、識別、採取、分別管理を効率的に行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学分野等にお
いて試料溶液中の微生物や動植物細胞などの微細物体を
自動的に探索して採取する微細物体の自動採取装置およ
び採取方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生化学分野等における各種操作のプロセ
スでは、試料中に存在する多数の微生物または動植物細
胞等の微細物体の中から、特定の微細物体を探索・識別
して採取する操作が行われる。従来は熟練した専門家
が、顕微鏡視野内にて微細物体を観察・識別し、識別さ
れた微細物体をマイクロピペットを操作して採取すると
いう手作業的な方法が一般に用いられていた。このよう
な手作業に頼る方法は効率がきわめて低く、また識別結
果も不正確で信頼性に欠けるものであった。このため近
年、識別された微細物体の採取をより容易に行うことが
できる採取装置が使用されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記採
取装置においても、特定の微細物体を識別するのは人間
の眼であることから、目的とする微細物体を顕微鏡視野
内で観察して識別するのに要する時間は作業を行う者の
熟練度に依存することとなっていた。そして探索作業に
時間を費やしてしまうと、試験作業の効率を低下させる
のみでなく折角培養した採取対象の微細物体が死滅した
り、また不要な微細物体が増殖して目的の微細物体の探
索そのものを困難にするという問題点があった。さら
に、識別・採取後の微細物体は種類毎に適切に分別管理
される必要があるが、肉眼で視認不可能の対象物である
ため分別ミスが生じやすく、異物体を混入させて試験等
の信頼性を損なう場合があるという問題点もあった。こ
のように、顕微鏡視野内での特定の微細物体の探索・採
取という細心の注意力・集中力を要する作業を、手作業
的方法で長時間継続してしかも正確に行うことは本来非
常に困難であり、この作業を自動化・効率化することが
求められていた。
【0004】そこで本発明は、微細物体の探索・識別・
採取およびその後の分別管理を自動化し、これらの作業
を効率よく高い信頼性で行うことができる微細物体の自
動採取装置および採取方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の微細物体
の自動採取装置は、液体を含んだ試料を入れた試料容器
を支持する試料テーブルと、試料の中の目的とする微細
物体を探索する探索手段と、探索手段で探索された微細
物体を捕捉する捕捉手段と、捕捉した微細物体を採取す
る採取手段を備えた。
【0006】請求項2記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
探索手段は、試料内の微細物体を撮像するカメラと、こ
のカメラで撮像した画像より目的の微細物体を認識する
画像処理手段である。
【0007】請求項3記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
捕捉手段は、光線を微細物体に照射してこれを光圧によ
りトラップする。
【0008】請求項4記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
採取手段は、マイクロピペットである。
【0009】請求項5記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
探索手段は複数種類の微細物体の探索を行い、採取手段
によって採取された微細物体を探索条件に基づいて分類
する分類手段を備えた。
【0010】請求項6記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項5記載の微細物体の自動採取装置であって、
分類手段は、採取した微細物体を収容する複数の容器を
備えた。
【0011】請求項7記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項6記載の微細物体の自動採取装置であって、
微細物体を撮像するカメラを有し、このカメラで撮像さ
れた微細物体の画像をこの微細物体が分類されて収容さ
れる容器に関する情報と関連づけて記憶する記憶手段を
備えた。
【0012】請求項8記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項7記載の微細物体の自動採取装置であって、
微細物体の画像を、この微細物体が収容された容器に関
する情報と共に出力する出力手段を備えた。
【0013】請求項9記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
微細物体が置かれる環境の温度、湿度および二酸化炭素
濃度を一定に保持する環境条件保持手段を備えた。
【0014】請求項10記載の微細物体の採取方法は、
容器に入った液体を含んだ試料の中から目的とする微細
物体を探索するステップと、探索された微細物体を捕捉
するステップと、捕捉した微細物体を採取するステップ
を含む。
【0015】請求項11記載の微細物体の採取方法は、
請求項10記載の微細物体の採取方法であって、微細物
体を探索するステップにおいて、試料内の微細物体をカ
メラで撮像して画像を取得し、この画像より目的の微細
物体を認識する。
【0016】請求項12記載の微細物体の採取方法は、
請求項10記載の微細物体の採取方法であって、微細物
体を捕捉するステップにおいて、光線を微細物体に照射
してこれを光圧によりトラップする。
【0017】請求項13記載の微細物体の採取方法は、
請求項10記載の微細物体の採取方法であって、微細物
体を採取するステップにおいて、マイクロピペットで微
細物体を吸引して採取する。
【0018】請求項14記載の微細物体の採取方法は、
容器に入った液体を含んだ試料の中から目的とする微細
物体を識別するステップと、識別された微細物体を捕捉
するステップと、捕捉した微細物体を採取するステップ
と、採取した微細物体を所定の容器に収容するステップ
と、採取した微細物体の情報を収容先の容器と関連づけ
て記憶するステップを含む。
【0019】請求項15記載の微細物体の採取方法は、
請求項14記載の微細物体の採取方法であって、採取し
た微細物体の情報が微細物体の画像を含む。
【0020】
【発明の実施の形態】請求項1記載の微細物体の自動採
取装置は、液体を含んだ試料を入れた試料容器を支持す
る試料テーブルと、試料の中の目的とする微細物体を探
索する探索手段と、探索手段で探索された微細物体を捕
捉する捕捉手段と、捕捉した微細物体を採取する採取手
段を備えたものであり、微細物体の探索・捕捉・採取の
一連の作業を自動的に行うという作用を有する。
【0021】請求項2記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
探索手段を、試料内の微細物体を撮像するカメラと、こ
のカメラで撮像した画像より目的の微細物体を認識する
画像処理手段で構成したものであり、画像処理によって
目的の微細物体を認識して探索するという作用を有す
る。
【0022】請求項3記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
光線を微細物体に照射してこれを光圧によりトラップす
るものであり、微細物体を非接触で捕捉するという作用
を有する。
【0023】請求項4記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
採取手段にマイクロピペットを採用したものであり、液
体とともに目的の微細物体を吸引して採取するという作
用を有する。
【0024】請求項5記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
探索手段は複数種類の微細物体の探索を行い、採取手段
によって採取された微細物体を探索条件に基づいて分類
する分類手段を備えたものであり、探索条件に基づいて
微細物体の分類を自動的に行うという作用を有する。
【0025】請求項6記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項5記載の微細物体の自動採取装置であって、
分類手段に採取した微細物体を収容する複数の容器を備
える構成としたものであり、分類した微細物体を容器に
分けて収容するという作用を有する。
【0026】請求項7記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項6記載の微細物体の自動採取装置であって、
微細物体を撮像するカメラを有し、このカメラで撮像さ
れた微細物体の画像をこの微細物体が分類されて収容さ
れる容器に関する情報と関連づけて記憶手段に記憶する
ようにしたものであり、容器に収容された微細物体の画
像を記憶するという作用を有する。
【0027】請求項8記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項7記載の微細物体の自動採取装置であって、
微細物体の画像を、この微細物体が収容された容器に関
する情報と共に出力手段により出力するようにしたもの
であり、微細物体とこの微細物体が収容されている容器
を特定する情報をわかりやすく表示するという作用を有
する。
【0028】請求項9記載の微細物体の自動採取装置
は、請求項1記載の微細物体の自動採取装置であって、
微細物体が置かれる環境の温度、湿度および二酸化炭素
濃度を一定に保持する環境条件保持手段を備えたもので
あり、作業環境を一定に保つという作用を有する。
【0029】請求項10記載の微細物体の採取方法は、
容器に入った液体を含んだ試料の中から目的とする微細
物体を探索するステップと、探索された微細物体を捕捉
するステップと、捕捉した微細物体を採取するステップ
を含むものであり、目的の微細物体の採取を効率よく行
うという作用を有する。
【0030】請求項11記載の微細物体の採取方法は、
請求項10記載の微細物体の採取方法であって、微細物
体を探索するステップにおいて、試料内の微細物体をカ
メラで撮像して画像を取得し、この画像より目的の微細
物体を認識するようにしたものであり、画像処理によっ
て目的の微細物体の認識して探索するという作用を有す
る。
【0031】請求項12記載の微細物体の採取方法は、
請求項10記載の微細物体の採取方法であって、微細物
体を捕捉するステップにおいて、光線を微細物体に照射
してこれを光圧によりトラップするようにしたものであ
り、微細物体を非接触で捕捉するといった作用を作用を
有する。
【0032】請求項13記載の微細物体の採取方法は、
請求項10記載の微細物体の採取方法であって、微細物
体を採取するステップにおいて、マイクロピペットで微
細物体を吸引して採取するようにしたものであり、液体
とともに目的の微細物体を採取するといった作用を有す
る。
【0033】請求項14記載の微細物体の採取方法は、
容器に入った液体を含んだ試料の中から目的とする微細
物体を識別するステップと、識別された微細物体を捕捉
するステップと、捕捉した微細物体を採取するステップ
と、採取した微細物体を所定の容器に収容するステップ
と、採取した微細物体の情報を収容先の容器と関連づけ
て記憶するステップを含むようにしたものであり、分類
して収容された微細物体の情報を収容先の容器に関連さ
せて記憶するという作用を有する。
【0034】請求項15記載の微細物体の採取方法は、
請求項14記載の微細物体の採取方法であって、採取し
た微細物体の情報が微細物体の画像を含むようにしたも
のであり、微細物体を画像で特定できるという作用を有
する。
【0035】次に本発明の実施の形態を図面を参照して
説明する。図1は本発明の実施の形態の微細物体の自動
採取装置の側面図、図2は同微細物体の自動採取装置の
構成を示すブロック図、図3は同微細物体の自動採取装
置の処理機能を示す機能ブロック図、図4、図5は同微
細物体の自動採取装置の表示画面を示す図、図6、図7
は同微細物体の自動採取装置による採取方法のフロー図
である。
【0036】まず図1を参照して微細物体の自動採取装
置の構造を説明する。図1において、微細物体の自動採
取装置1は、以下に説明する各部をカバー2の内部に配
置して構成されている。カバー2は断熱部材によって成
り、カバー2の内部環境の環境条件を保持する環境条件
保持手段である環境コントローラ3を備えている。環境
コントローラ3を駆動することにより、カバー2の内部
に収容される試料中の微細物体が置かれる環境の温度・
湿度および二酸化炭素濃度などの環境条件を一定に保持
することができる。
【0037】カバー2の内部には基台5が配設されてい
る。基台5の端部にはサイドフレーム5aが立設されて
おり、サイドフレーム5aの上部には上部フレーム5b
が固着されている。サイドフレーム5aの側面には、第
1のXYテーブル6が配設されており、第1のXYテー
ブル6には透光性を有する試料テーブル7が装着されて
いる。試料テーブル7は、微生物や動植物細胞等の微細
物体を含んだ液状試料を入れた透光性を有する試料容器
8を支持している。
【0038】上部フレーム5bには透過照明9(第1の
照明部)が配設されており、透過照明9は、ミラー14
で反射された照明光を試料容器8上に照射する。試料容
器8の下方の基台5の底部にはカメラ18が配設されて
いる。また基台5の側部には蛍光照明10(第2の照明
部)が配設されており、蛍光照明10はハーフミラー1
5を介して試料容器8の下方から照明光を照射する。カ
メラ18は、透過照明9または蛍光照明10によって照
明された試料容器8を撮像する。
【0039】基台5の側部には、赤外線レーザ光源11
(第1のレーザ装置)および紫外線レーザ光源12(第
2のレーザ装置)が配設されている。赤外線レーザ光源
11から照射された赤外線レーザ光は走査光学系13を
経てミラー17によって上方に照射され、試料容器8に
下方から入射する。試料容器8の試料液体中の微細物体
に赤外線レーザ光を照射することにより、微細物体は赤
外線レーザ光の光圧によりトラップされ、捕捉される。
走査光学系13によって赤外線レーザ光を走査させるこ
とにより、試料容器8内の捕捉対象の微細物体に赤外線
レーザ光を照射してこれをトラップし、非接触にて任意
の位置に移動させることができる。赤外線レーザ光源1
1および走査光学系13は、微細物体をレーザ光によっ
てトラップするいわゆるレーザピンセットであり、微細
物体を捕捉する捕捉手段となっている。
【0040】紫外線レーザ光源12から照射された紫外
線レーザ光はミラー16によって反射され、試料容器8
に下方から入射する。この紫外線レーザ光は試料中の微
細物体を局部的に破壊する加工用途に適しており、紫外
線レーザ光を加工対象の微細物体に照射することにより
微細物体の切断などの加工を行うことができる。紫外線
レーザ光源12は加工手段となっている。
【0041】試料容器8の上方には、試料供給ピペット
21が導設されており、試料供給ピペット21はXYZ
テーブル22によって移動可能となっている。試料供給
ピペット21は、分注機構25に接続されており、分注
機構25には配管26,27,28を介して試料タンク
29、洗浄用の希釈液タンク30、廃液タンク31が接
続されている。分注機構25の吸入・吐出機構を用いる
ことにより、試料タンク29および希釈液タンク30か
ら吸入した試料、希釈液を、試料供給ピペット21の先
端から選択的に試料容器8に吐出する。試験後に試料容
器8に残存する余分の試料や洗浄に用いられた後の希釈
液は、分注機構25により吸引されて廃液タンク31に
回収される。
【0042】試料容器8の近傍には、XYZテーブル2
4によって移動可能な採取用のマイクロピペット23
が、先端の吸入口を試料容器8の液体中に浸入させる姿
勢で配設されている。マイクロピペット23は分注機構
25に接続されており、分注機構25の吸入・吐出機能
を用いることにより、試料容器8中の試料に含まれマイ
クロピペット23の吸入口近傍に位置する微細物体を吸
入して採取し、分注ノズル36の先端部から吐出するこ
とができる。したがって、マイクロピペット23は、分
注機構25とともに微細物体を採取する採取手段となっ
ている。
【0043】分注機構25の下方には、第2のXYテー
ブル32が配設されている。第2のXYテーブル32上
にはプレートホルダ33が装着されており、プレートホ
ルダ33の上面には、複数の微細物体の容器であるウェ
ル35を備えたマイクロプレート34が載置されてい
る。第2のXYテーブル32を駆動して、分注ノズル3
6の直下に位置するマイクロプレート34を水平移動さ
せることにより、任意のウェル35に分注ノズル36か
ら吐出される微細物体を注入することができる。
【0044】次に図2を参照して、自動採取装置の制御
系の構成を説明する。撮像コントローラ40は、カメラ
18によって撮像された試料容器8内の微細物体の画像
により、目的の微細物体を画像処理により認識する。し
たがって撮像コントローラ40は画像処理手段であり、
カメラ18と撮像コントローラは、試料の中の目的とす
る微細物体を探索する探索手段となっている。撮像コン
トローラ40はカメラ18による撮像時に、第1の照明
部9および第2の照明部10を制御する。
【0045】分注コントローラ41は、分注機構25の
動作を制御する。走査光学系コントローラ42は走査光
学系13を制御することにより、トラップ用の赤外線レ
ーザ光を試料容器8内で移動させる。CPU43は、記
憶手段であるRAM44、ROM45、ファイル装置4
6に格納されたプログラムやデータに基づいて各種の処
理や演算を実行する。RAM44はCPU43の処理演
算時にデータを一時的に格納するためのメモリである。
ROM45は、各種の処理や動作に必要なプログラムを
記憶する。
【0046】ファイル装置46は、プログラムや各種の
データ、例えばカメラ18で撮像された微細物体の画像
や、これらの微細物体の分類結果などを格納する。記憶
媒体ドライブ装置47は、必要なプログラムやデータの
外部記憶媒体への書き込み・読み取りを行う。外部記憶
媒体48はフロッピーディスクなどの記憶媒体であり、
データ保管用として用いられる。表示モニタ49はディ
スプレイであり、操作・入力時の画面表示や、撮像され
た微細物体の画像を表示する。入力部50はキーボード
やポインティングデバイスであり、操作コマンドやデー
タの入力を行う。
【0047】次に図3〜図5を参照して、自動採取装置
の処理機能について説明する。図3において、画像処理
手段51は、撮像コントローラ40に備えられたもので
あり、捕捉動作制御手段52、採取動作制御手段53、
分類処理手段54、表示処理手段55は、CPU43に
よって実行される処理手段(処理機能)である。また、
以下に説明する各記憶部は、記憶手段としてのRAM4
4、ROM45、ファイル装置46に記憶される内容を
示している。
【0048】基準画像記憶部56は、探索条件として用
いられる基準画像を記憶する。探索条件記憶部57は、
画像処理によって得られた視野内の微細物体の画像から
目的とする微細物体を特定する探索処理を行う際の探索
条件を記憶する。採取微細物体画像記憶部58は、探索
され、採取された微細物体の画像を記憶する。マイクロ
プレート情報記憶部59は、採取された微細物体を収容
するマイクロプレートのウェルの配列などの情報を記憶
する。採取結果記憶部60は、採取された微細物体の種
類などのデータを微細物体が収容されるウェルの情報と
関連づけて記憶する。
【0049】次に、上記処理機能の内容について説明す
る。カメラ18によって撮像された試料の画像データは
画像処理手段51によって画像処理される。そしてこの
画像処理によって得られた視野内の各微細物体の画像
が、目的とする微細物体を特定するための探索条件と合
致するかどうかが判断される。ここで用いられる探索条
件としては、基準画像として記憶された画像との一致度
に基づくものや、寸法、形状、色に基づくもの、さらに
は視野内での微細物体の移動速度や軌跡などの運動パタ
ーンに基づいて設定される条件など、画像情報に基づい
て設定可能な各種の探索条件が設定される。カメラ1
8、撮像コントローラ40の画像処理手段は、試料の中
から探索条件に基づいて目的とする微細物体を探索する
探索手段となっている。
【0050】上記処理により探索され、目的の微細物体
として特定された微細物体に、第1のレーザ装置11の
赤外線レーザ光を照射することにより、微細物体は光圧
によってトラップされる。このトラップによる捕捉動作
は捕捉動作制御手段52によって、走査光学系コントロ
ーラ42、第1のレーザ装置11、第2のレーザ装置1
2、第1のXYテーブル6を制御することによって行わ
れる。
【0051】この探索処理に用いられる微細物体の基準
画像は、記憶手段である基準画像記憶部56に記憶され
る。探索条件として用いられる寸法、形状、色や、軌
跡、移動速度などの運動パターンなどのデータは、入力
部50から入力され、探索条件記憶部57に記憶され
る。また、探索結果により捕捉・採取の対象となった微
細物体の画像データは、採取微細物体画像記憶部58に
記憶される。
【0052】また画像処理により探索された微細物体を
採取するに際し、複数種類の微細物体が存在する場合に
は、採取後の分類管理を想定した分類処理が行われる。
すなわち、同一の試料から複数の探索条件に基づいて探
索され、採取される複数の微細物体について、どのマイ
クロプレートの、どのウェルに当該探索条件に対応する
微細物体を収容するかの決定がなされる。この決定は、
マイクロプレート情報記憶部59に記憶された使用予定
のマイクロプレートの情報に基づいて、分類処理手段5
4によってなされる。
【0053】そして、この決定に基づいて、探索され採
取された微細物体を試料容器8からマイクロピペット2
3を用いて採取し、採取された微細物体をマイクロプレ
ート34に分注する処理、すなわち採取後の微細物体を
マイクロプレート34の指定されたウェル35に収容す
る分注処理を行う。これらの処理は、採取動作制御手段
53によって、第2のXYテーブル32、XYZテーブ
ル24、分注コントローラ42を制御することにより行
われる。すなわち、マイクロプレート34は、微細物体
を探索条件に基づいて分類する分類手段となっている。
そして、マイクロプレート34のウエル35は、微細物
体を収容する容器となっている。
【0054】また、探索・採取され上記分注処理がなさ
れると、採取結果のデータが採取結果記憶部60に記憶
され、これらのデータに基づいて図4、図5に示すよう
なデータ画面が表示処理手段55により作成される。図
4に示す画面は、どのマイクロプレートのどのウェル
に、どのような微細物体が収容されているかを表示する
ものであり、プレート番号およびウェル位置を画面上の
表示ボックス70,71に入力することにより、マイク
ロプレートのウェル位置がグラフィック画像72を用い
て図示され、そのウェルに収容されている微細物体の名
称や画像処理で得られた特徴データおよび画像73が表
示される。
【0055】また、入力部50より画面上のカーソル7
7を操作してグラフィック画像72で表示されたウェル
を指示すると、プレート番号およびウェル位置が表示ボ
ックス70,71に表示され、そのウェルに収容されて
いる微細物体の名称や特徴データおよび画像72が表示
される。
【0056】すなわち微細物体の画像データは、記憶手
段としての採取結果記憶部60に、微細物体が収容され
るウェルに関する情報と関連づけて記憶され、この記憶
された微細物体の画像データは、ウェルに関する情報と
ともに出力手段である表示モニタ60の画面に表示出力
される。図5は採取結果一覧表を示しており、採取操作
に付された一連番号ごとに、マイクロプレートの番号7
4、ウェル位置の座標番号75および画像に付された登
録番号76が表示される。
【0057】次に、自動採取装置による微細物体の採取
方法について、各図を参照しながら図6、図7のフロー
に沿って説明する。図1において、まず分注機構25に
よって希釈液タンク30から希釈液を吸入し、試料供給
ピペット21から吐出させて試料テーブル7上の試料容
器8を洗浄する(ST1)。次いで、分注機構25によ
って試料タンク29から微細物体を含んだ試料を吸入
し、試料供給ピペット21から吐出させて試料容器8中
に供給する(ST2)。
【0058】この後、カメラ18により試料容器8中の
液体を含んだ試料を撮像し(ST3)、得られた画像の
中から画像処理により目的の微細物体を認識して検出す
る探索処理を行う(ST4)。すなわち、試料の中から
目的とする微細物体が識別される。ここで、探索対象と
された試料中に目的の微細物体を全く発見しないなら
ば、最初のST1に戻り、新たな試料について同様の処
理を繰り返す。
【0059】また目的とする微細物体が発見された場合
には(ST5)、発見した微細物体、すなわち探索対象
の微細物体の画像データを採取微細物体画像記憶部58
に格納し(ST6)、赤外線レーザ光線を照射すること
により、識別された目的の微細物体をレーザピンセット
によって光圧でトラップして捕捉し、マイクロピペット
23の採取位置まで移送する(ST7)。
【0060】そして、この微細物体を収容するウェルの
位置を分類処理手段54によって決定し(ST8)、決
められたウェルが分注ノズル36の直下に位置するよう
第2のXYテーブル32を駆動してマイクロプレート3
4を位置決めする(ST9)。次いでXYZテーブル2
4を駆動してマイクロピペット23の先端を採取位置へ
移動し(ST10)、分注機構25を駆動して、捕捉さ
れた目的の微細物体をマイクロピペット23で吸引して
採取し、所定のウェル35内に吐出して収容する(ST
11)。
【0061】このとき、採取結果データとして、収容し
たウェル位置と、ST6で格納した画像の番号を採取結
果記憶部60に格納する(ST12)。すなわち、採取
した微細物体の情報を収容先のウェルと関連づけて記憶
する。この後、必要な数の微細物体を採取したか否かが
判断され(ST13)、未採取であればST3に戻って
以降のステップを繰り返し、また既に必要数の微細物体
が採取済みであれば、試料テーブル7を再び洗浄して
(ST14)、採取処理を終了する。
【0062】本実施の形態の微細物体の自動採取装置お
よび採取方法によれば、目的とする微細物体を探索する
探索手段と、探索された微細物体を捕捉する捕捉手段
と、捕捉した微細物体を採取する採取手段を備えたの
で、試料の中から目的とする微細物体の採取を自動的に
行うことができる。
【0063】探索手段を、カメラとカメラで撮像した画
像から目的の微細物体を認識する画像処理手段で構成す
ることにより、微細物体の探索の精度を高めることがで
きる。また、画像を用いるので様々な種類の微細物体の
探索への対応が容易である。また、採取された微細物体
を探索手段の探索条件に基づいて分類する分類手段を備
えることにより、採取後の微細物体の分別管理を正確に
行うことができる。さらに分類手段に複数の容器を備え
ることにより、分類した微細物体を自動的に容器へ収容
することができる。この場合、微細物体は、別々にまた
は分類別に分けられて各容器に収容される。
【0064】また、分類された微細物体に関する情報
と、この微細物体を収容する容器に関する情報とを関連
させて記憶する記憶手段を備えることにより、実際に容
器に収容されている微細物体を記憶手段の情報に基づい
て照合することができる。さらに微細物体に関する情報
として微細物体の画像を使用し、この画像を容器の位置
等を示す情報とともに表示する出力手段を備えることに
より、利便性よく照合や微細物体の管理を行うことがで
きる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、試料中の目的とする微
細物体の探索・捕捉・採取をそれぞれ自動的に行う手段
を備えるようにしたので、これらの作業を同一装置で効
率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
の側面図
【図2】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
の処理機能を示す機能ブロック図
【図4】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
の表示画面を示す図
【図5】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
の表示画面を示す図
【図6】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
による採取方法のフロー図
【図7】本発明の実施の形態の微細物体の自動採取装置
による採取方法のフロー図
【符号の説明】
3 環境コントローラ 6 第1のXYテーブル 7 試料テーブル 8 試料容器 11 赤外線レーザ光源(第1のレーザ装置) 12 紫外線レーザ光源(第2のレーザ装置) 13 走査光学系 18 カメラ 23 マイクロピペット 25 分注機構 34 マイクロプレート 35 ウェル 40 撮像コントローラ 43 CPU 44 RAM 45 ROM 46 ファイル装置 51 画像処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑瀬 貴之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 本山 裕章 東京都町田市旭町3丁目6番6号 協和醗 酵工業株式会社東京研究所内 (72)発明者 西 達也 東京都町田市旭町3丁目6番6号 協和醗 酵工業株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 3F059 AA10 BA01 BA09 DA03 DB09 FB12 4B029 AA09 BB01 CC01 HA07 HA09 HA10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を含んだ試料を入れた試料容器を支持
    する試料テーブルと、試料の中の目的とする微細物体を
    探索する探索手段と、前記探索手段で探索された微細物
    体を捕捉する捕捉手段と、捕捉した微細物体を採取する
    採取手段とを備えたことを特徴とする微細物体の自動採
    取装置。
  2. 【請求項2】前記探索手段は、試料内の微細物体を撮像
    するカメラと、このカメラで撮像した画像より目的の微
    細物体を認識する画像処理手段であることを特徴とする
    請求項1記載の微細物体の自動採取装置。
  3. 【請求項3】前記捕捉手段は、光線を微細物体に照射し
    てこれを光圧によりトラップすることを特徴とする請求
    項1記載の微細物体の自動採取装置。
  4. 【請求項4】前記採取手段は、マイクロピペットである
    ことを特徴とする請求項1記載の微細物体の自動採取装
    置。
  5. 【請求項5】前記探索手段は複数種類の微細物体の探索
    を行い、採取手段によって採取された微細物体を探索条
    件に基づいて分類する分類手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の微細物体の自動採取装置。
  6. 【請求項6】前記分類手段は、採取した微細物体を収容
    する複数の容器を備えたことを特徴とする請求項5記載
    の微細物体の自動採取装置。
  7. 【請求項7】微細物体を撮像するカメラを有し、このカ
    メラで撮像された微細物体の画像をこの微細物体が分類
    されて収容される容器に関する情報と関連づけて記憶す
    る記憶手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の微
    細物体の自動採取装置。
  8. 【請求項8】前記微細物体の画像を、この微細物体が収
    容された容器に関する情報と共に出力する出力手段を備
    えたことを特徴とする請求項7記載の微細物体の自動採
    取装置。
  9. 【請求項9】前記微細物体が置かれる環境の温度、湿度
    および二酸化炭素濃度を一定に保持する環境条件保持手
    段を備えたことを特徴とする請求項1記載の微細物体の
    自動採取装置。
  10. 【請求項10】容器に入った液体を含んだ試料の中から
    目的とする微細物体を探索するステップと、探索された
    微細物体を捕捉するステップと、捕捉した微細物体を採
    取するステップを含むことを特徴とする微細物体の採取
    方法。
  11. 【請求項11】前記微細物体を探索するステップにおい
    て、試料内の微細物体をカメラで撮像して画像を取得
    し、この画像より目的の微細物体を認識することを特徴
    とする請求項10記載の微細物体の採取方法。
  12. 【請求項12】前記微細物体を捕捉するステップにおい
    て、光線を微細物体に照射してこれを光圧によりトラッ
    プすることを特徴とする請求項10記載の微細物体の採
    取方法。
  13. 【請求項13】前記微細物体を採取するステップにおい
    て、マイクロピペットで微細物体を吸引して採取するこ
    とを特徴とする請求項10記載の微細物体の採取方法。
  14. 【請求項14】容器に入った液体を含んだ試料の中から
    目的とする微細物体を識別するステップと、識別された
    微細物体を捕捉するステップと、捕捉した微細物体を採
    取するステップと、採取した微細物体を所定の容器に収
    容するステップと、採取した微細物体の情報を収容先の
    容器と関連づけて記憶するステップを含むことを特徴と
    する微細物体の採取方法。
  15. 【請求項15】前記採取した微細物体の情報が微細物体
    の画像を含むことを特徴とする請求項14記載の微細物
    体の採取方法。
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