JP2000205859A - 観測用ブイ - Google Patents

観測用ブイ

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JP2000205859A
JP2000205859A JP11009176A JP917699A JP2000205859A JP 2000205859 A JP2000205859 A JP 2000205859A JP 11009176 A JP11009176 A JP 11009176A JP 917699 A JP917699 A JP 917699A JP 2000205859 A JP2000205859 A JP 2000205859A
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JP
Japan
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observation
buoy
positioning
flow
observation buoy
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JP11009176A
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English (en)
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Hideto Fujii
秀人 藤井
Hirohide Kiri
博英 桐
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NATL RES INST OF AGRICULTURAL ENGINEERING
Original Assignee
NATL RES INST OF AGRICULTURAL ENGINEERING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で簡易な構成でありながら高精度に沿岸
域等の流況及び周囲の環境を観測することができる観測
用ブイを提供すること。 【解決手段】 観測用ブイ1を流況を観測する水域に漂
流させて、DGPS受信機11で地球上の位置を測定
し、観測用センサ12で水質等の周囲の環境を測定し
て、パソコン13のハードディスクに記録した後、観測
用ブイ1を回収してパソコン13のデータを読み取るこ
とで周囲の環境等を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流水域における流
況又は環境を観測する観測用ブイに関し、特に小型で水
深の浅い広範囲の水域での観測に適する観測用ブイに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、河川域や沿岸域のような水深の浅
い水域では、観測用センサを有するブイや船舶を固定し
て、又は、観測施設を設けての定点観測により流況及び
環境観測を行っている。洪水時の河川では、目標物を流
下させ、その流下物が決められた区間を通過するのにか
かった時間から流速を求めている。水深の深い海域の海
洋環境観測では、GPS受信機と、無線送受信機と、観
測用センサとを搭載した浮遊式ブイ及び地上無線送受信
設備による観測が行われている(例えば、特開平7−5
5911号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の固定ブイや船
舶、観測施設を用いた流況及び環境観測では、定点観測
であるため、流れに沿った流速の変化を観測することは
できない。GPS受信機と、無線送受信機と、観測用セ
ンサとを搭載した浮遊式ブイ及び地上無線送受信設備に
よる海洋環境観測では、 (1).浮遊式ブイから無線の届く範囲内において船舶によ
り浮遊式ブイを追いかけるか、又は、通信衛星を用いた
通信設備を必要としているため、観測に費用がかかる。 (2).無線送受信機のアンテナをブイ上に出しておく必要
があるため、風の影響を受け、正確な流れを計測するこ
とは困難である。
【0004】(3).浮遊式ブイが大型化するため極浅い水
域での観測が困難である。 (4).GPSによる測位精度が±25m程度と低く、観測
できる流速は、潮流速のような流れの変化が遅いものに
限られ、洪水や排水ゲートから出る流れなどの流況の測
定への適用は困難である。などの問題点がある。 本発明は、上記問題点に鑑み、小型で簡易な構成であり
ながら高精度に流況を観測することができる観測用ブイ
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の観測用ブイは、
地球上における自身の位置を測定する測位器と、前記測
位器によって測定された位置を記録する不揮発性の記録
媒体と、を備えるものである。また、周囲の環境を観測
する観測用センサを備え、前記記録媒体は前記観測用セ
ンサによって観測されたデータを前記測位器によって測
定された位置に対応付けて記録するものであることで、
流れに沿った広範囲の水域の環境を観測することができ
る。さらに、前記測位器は、衛星からの測位情報と基地
局からの測位誤差情報とを受信して測位するDGPS
(Differential Global Positioning System)であ
ることで、測位精度を高めて、速い流況についての測定
をすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら本発
明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は
本発明の一実施の形態による観測用ブイの構成図であ
る。ここで、実線矢印はデータ信号の系統を示し、二重
線は電力供給系統を示す。小型浮遊式の観測用ブイ1内
には、GPS衛星2からの信号と海上保安庁が提供する
DGPS位置補正用ビーコンデータを単体で受信可能な
DGPS受信機11と、観測用センサ12と、パソコン
13と、夜間標示灯14と、電源装置15とが搭載され
ている。
【0007】DGPS受信機11は、複数のGPS衛星
2からの信号及び海上保安庁が提供するDGPS位置補
正用ビーコンデータを常時受信して、観測用ブイ1の位
置を1m以内の誤差で測位し最大1秒毎にデータを出力
する。観測用センサ12は、水温、濁度、その他水質を
観測するセンサなど、目的に応じて搭載する。パソコン
13は、DGPS受信機11から出力されたデータを搭
載しているハードディスクに記録する。
【0008】夜間標示灯14は、観測用ブイ1周辺が暗
くなった場合に点滅信号を発し、観測用ブイ1の存在を
他の船舶に知らせる。観測用ブイ1は、船で観測を行う
水域に運び、DGPS受信機11及びパソコン13を起
動し、漂流させる。観測終了後、観測用ブイ1を船に引
上げ、パソコン13内のハードディスクに記録されたデ
ータをもとに流況及び環境を解析する。
【0009】測位には、海上保安庁が提供するDGPS
位置補正用ビーコンデータを使用することにより、独自
の基地局を設置する必要がなく、容易に高精度の測位が
可能になる。海上保安庁が提供するDGPS位置補正用
ビーコンデータ基地局は、日本国内26ケ所に配置さ
れ、日本国内及び沿岸全域での測位が可能であることか
ら、水域を選ばず、極浅い水域から沿岸域まで広い水域
においての観測が可能である。
【0010】観測用ブイ1は、DGPSアンテナ16を
含む全ての機器をブイ標体内部に設置した。これにより
ブイ標体の安定性を低下させることなく圧延鋼材等から
成るウエート部17を小さくすることができ、極浅い水
域でも調査が可能となる。また、風による影響を小さく
することができ、より正確な流況を計測することが可能
である。
【0011】ブイ標体は、アルミニウム合金製とするこ
とにより軽量化を図り、少人数による船からの積み上
げ、積み下ろしを可能にした。また、フロート部18
は、発泡樹脂製とし、観測用ブイ1が船舶と衝突した際
には緩衝材の役割を果たすものとし、フロート部18が
破損した場合にも観測用ブイ1が沈まないようブイ本体
を設計した。ブイ標体上部のフード19は、波をかぶら
ず、また、GPS衛星2からの信号を遮らないよう透明
のポリカーボネート樹脂製とした。
【0012】試作機を作成して、長崎県I湾で排水ゲー
ト下流地点における流況を測定した。本実施の形態の観
測用ブイ1を船で運び、DGPS受信機11及びパソコ
ン13を起動後、排水ゲート中央部に着水させた(図
2)。図3は、5分毎の観測用ブイ1の流況軌跡の具体
例を示した図である。測定開始時14:10には排水ゲ
ートは全閉であったが、測定開始から約1時間後の1
5:10に排水ゲートが30cm開かれた。全測定時間
は、約2時間であり、その間1秒毎にデータを収集し
た。
【0013】測定開始後約1時間の間(14:10〜1
5:10)、観測用ブイ1は潮の流れに乗り、遅い速度
で北へ移動している。排水ゲートが開いた時点15:1
0で、排水ゲート北側に移動していた観測用ブイ1を船
で牽引し、排水ゲート中央部へと移動させた。その後、
観測用ブイ1は、排水ゲートから出た流れに乗り、北東
へと移動していく様子が読み取れる。
【0014】図4は、流速の変化、すなわち、各時刻に
おいて単位時間当たりに移動した距離[m/s]の変化
を示した図である。これから、排水ゲート全閉時は、
0.05m/s程度であった流速が排水ゲートが開けら
れた後は、0.3〜0.4m/sとなっている。また、
流れが沖へと進むに従い、次第に流速が遅くなっていく
様子が捉えられている。
【0015】本実施の形態の試作機では2名の作業員に
より船への引き上げ作業が可能であることから小人数で
の観測が行える。なお、本発明は上記実施の形態に限定
されるものではない。記録媒体としては、磁気ディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、又は、書き換え可能
なROM等を用いることができる。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、記録デ
ータを送信する通信設備、例えば、高価な通信衛星設備
や大きくて外部に突出する地上波通信用の外部アンテナ
等を設ける必要がないので、小型でありながら高精度に
流況を観測することができる。また、荒天時にも観測を
行うことが可能であり、洪水時における流況の観測が可
能となる。
【0017】データを不揮発性の記録媒体に記録してい
るので、例え電池が切れても、記録したデータが消失し
てしまうことがない。機器構成が簡単なため、現地での
設定作業が簡易であり、また、少人数での作業員により
船への引き上げ作業が可能であることから全体でも小人
数で観測が行える。観測用ブイ標体内に観測センサを搭
載することにより、流れに沿った塩分濃度や濁度などの
変化を観測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による観測用ブイの構成
図である。
【図2】本実施の形態による流況観測を行っている状況
を示した写真である。
【図3】本実施の形態の観測用ブイの流況軌跡の具体例
を示した図である。
【図4】本実施の形態の観測用ブイの流速の変化の具体
例を示した図である。
【符号の説明】
1 観測用ブイ 2 GPS衛星 11 DGPS受信機 12 観測用センサ 13 パソコン 14 夜間表示灯 15 電源装置 16 DGPSアンテナ 17 ウエート部 18 フロート部 19 フード

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地球上における自身の位置を測定する測
    位器と、前記測位器によって測定された位置を記録する
    不揮発性の記録媒体と、を備えることを特徴とする観測
    用ブイ。
  2. 【請求項2】 周囲の環境を観測する観測用センサを備
    え、前記記録媒体は前記観測用センサによって観測され
    たデータを前記測位器によって測定された位置に対応付
    けて記録するものであることを特徴とする請求項1記載
    の観測用ブイ。
  3. 【請求項3】 前記測位器は、衛星からの測位情報と基
    地局からの測位誤差情報とを受信して測位するDGPS
    (Differential Global Positioning System)であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の観測用ブイ。
JP11009176A 1999-01-18 1999-01-18 観測用ブイ Pending JP2000205859A (ja)

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