JP2000205496A - 水素吸蔵合金の容器 - Google Patents
水素吸蔵合金の容器Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/32—Hydrogen storage
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
- Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】自動車等の積載するのに適した水素吸蔵合金の
容器を提供する。 【解決手段】縦断面が100〜200mmの正方形ある
いは矩形の横長の直方体状の外形で、内部は垂直壁と水
平壁により対称な4つの横長の直方体状の合金収納室に
区割されている。外壁の各稜と、垂直壁と外壁が交わる
交線と、水平壁と外壁が交わる交線と、垂直壁と水平壁
が交わる交線の位置には熱媒体流路が配されている。各
合金収納室の内面の各稜にはr>L/4(L:合金収納
室の対面間距離)で示されるコーナーアールを設ける事
が好ましい。
容器を提供する。 【解決手段】縦断面が100〜200mmの正方形ある
いは矩形の横長の直方体状の外形で、内部は垂直壁と水
平壁により対称な4つの横長の直方体状の合金収納室に
区割されている。外壁の各稜と、垂直壁と外壁が交わる
交線と、水平壁と外壁が交わる交線と、垂直壁と水平壁
が交わる交線の位置には熱媒体流路が配されている。各
合金収納室の内面の各稜にはr>L/4(L:合金収納
室の対面間距離)で示されるコーナーアールを設ける事
が好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】容器に収納した水素吸蔵合金
に水素ガスを吸蔵させて水素ガスを貯蔵し、必要に応じ
て水素ガスを放出させて使用する技術は広く知られてい
る。本発明はこの際に、水素吸蔵合金の収納に用いる容
器に関する。なお、水素吸蔵合金に水素ガスを吸蔵させ
る時には水素吸蔵合金を冷却し、水素ガスを取り出す時
には水素吸蔵合金を加熱する。このため水素吸蔵合金の
容器には内部の水素吸蔵合金を加熱し、あるいは冷却す
るための熱媒体、例えば温水・冷水の流路が配されてい
る。
に水素ガスを吸蔵させて水素ガスを貯蔵し、必要に応じ
て水素ガスを放出させて使用する技術は広く知られてい
る。本発明はこの際に、水素吸蔵合金の収納に用いる容
器に関する。なお、水素吸蔵合金に水素ガスを吸蔵させ
る時には水素吸蔵合金を冷却し、水素ガスを取り出す時
には水素吸蔵合金を加熱する。このため水素吸蔵合金の
容器には内部の水素吸蔵合金を加熱し、あるいは冷却す
るための熱媒体、例えば温水・冷水の流路が配されてい
る。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は、例えば水素ガスを燃料
として走行する自動車の燃料源として用いられる。この
際には自動車は水素吸蔵合金を収納した容器を積載して
走行するため、水素吸蔵合金の容器は、積載して走行す
るのに適した、積載効率の高いものが好ましい。
として走行する自動車の燃料源として用いられる。この
際には自動車は水素吸蔵合金を収納した容器を積載して
走行するため、水素吸蔵合金の容器は、積載して走行す
るのに適した、積載効率の高いものが好ましい。
【0003】円筒状の収納室内に水素吸蔵合金を収納
し、該収納室の外面あるいは内部に水素吸蔵合金を加熱
・冷却する水ジャケットを配した、外形が円筒状の水素
吸蔵合金容器が知られている。この容器は水素吸蔵合金
の収納室が円筒状であるため、水素ガスの圧力が大きく
なっても容器は変形し難い。また加熱・冷却に際して容
器は膨張・収縮するが、円筒形状であるために変形し難
い。しかしこの水素吸蔵合金容器は外形も円筒状である
ために転がり易く、また複数個の容器を例えば積み重ね
て積載する際には別途の固定装置が必要で、積載効率が
低いという問題点がある。
し、該収納室の外面あるいは内部に水素吸蔵合金を加熱
・冷却する水ジャケットを配した、外形が円筒状の水素
吸蔵合金容器が知られている。この容器は水素吸蔵合金
の収納室が円筒状であるため、水素ガスの圧力が大きく
なっても容器は変形し難い。また加熱・冷却に際して容
器は膨張・収縮するが、円筒形状であるために変形し難
い。しかしこの水素吸蔵合金容器は外形も円筒状である
ために転がり易く、また複数個の容器を例えば積み重ね
て積載する際には別途の固定装置が必要で、積載効率が
低いという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、転がり難い
外形であるために積載効率が高く、かつ収納した水素吸
蔵合金に迅速に且つまんべんなく熱を伝達する事がで
き、かつ内圧や熱応力等により変形し難い水素吸蔵合金
の容器の提供を課題としている。
外形であるために積載効率が高く、かつ収納した水素吸
蔵合金に迅速に且つまんべんなく熱を伝達する事がで
き、かつ内圧や熱応力等により変形し難い水素吸蔵合金
の容器の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の水素吸蔵
合金の容器の説明図で合金収納室が4つの例である図1
(A)は矢視イ−イの縦断面の説明図、図1(B)は長
さ方向と直角の矢視ロ−ロの縦断面の説明図である。本
発明は(1)図1(B)に示した長さ方向と直角の縦断
面が、一辺例えばa−bが例えば100〜200mmの
a,b,c,dで示す正方形あるいは矩形の横長の直方
体状の外形で、内部は例えば一の垂直壁1と一の水平壁
2とにより互いに対称な2以上の横長の直方体状の合金
収納室例えば3−1,3−2,3−3,3−4に区割さ
れ、外壁の各稜a,b,c,dと、垂直壁と外壁とが交
わる上下の交線4−1,4−2と水平壁と外壁とが交わ
る左右の交線5−1,5−2と、垂直壁と水平壁とが交
わる中央交線6の位置にはそれぞれ熱媒体流路が配さ
れ、各合金収納室3−1,3−2,3−3,3−4の内
面の各稜にはコーナーアールが設けられている事を特徴
とする水素吸蔵合金の容器である。
合金の容器の説明図で合金収納室が4つの例である図1
(A)は矢視イ−イの縦断面の説明図、図1(B)は長
さ方向と直角の矢視ロ−ロの縦断面の説明図である。本
発明は(1)図1(B)に示した長さ方向と直角の縦断
面が、一辺例えばa−bが例えば100〜200mmの
a,b,c,dで示す正方形あるいは矩形の横長の直方
体状の外形で、内部は例えば一の垂直壁1と一の水平壁
2とにより互いに対称な2以上の横長の直方体状の合金
収納室例えば3−1,3−2,3−3,3−4に区割さ
れ、外壁の各稜a,b,c,dと、垂直壁と外壁とが交
わる上下の交線4−1,4−2と水平壁と外壁とが交わ
る左右の交線5−1,5−2と、垂直壁と水平壁とが交
わる中央交線6の位置にはそれぞれ熱媒体流路が配さ
れ、各合金収納室3−1,3−2,3−3,3−4の内
面の各稜にはコーナーアールが設けられている事を特徴
とする水素吸蔵合金の容器である。
【0006】また(2)各合金収納室の内面の各稜のコ
ーナーアールがr>L/4(但しL:合金収納室の大き
い方の対面間距離)で示される半径がrのコーナーアー
ルが設けられている事を特徴とする、前記(1)に記載
の水素吸蔵合金の容器である。
ーナーアールがr>L/4(但しL:合金収納室の大き
い方の対面間距離)で示される半径がrのコーナーアー
ルが設けられている事を特徴とする、前記(1)に記載
の水素吸蔵合金の容器である。
【0007】また(3)直方体の一方の端部には水素供
給開閉弁7’を介して各合金収納室3−1,3−2,3
−3,3−4に連通し、各合金収納室に水素ガスを供給
する水素ガス供給主管7と、熱媒体供給開閉弁8を介し
て各熱媒体流路に連通し、各熱媒体流路に熱媒体を供給
する熱媒体供給主管が配され、直方体の他方の端部には
水素放出開閉弁9’を介して各合金収納室に連通し各合
金収納室3−1,3−2,3−3,3−4から水素ガス
を取り出す水素ガス取出主管9と、熱媒体放出開閉弁1
0’を介して各熱媒体流路に連通し各熱媒体流路の熱媒
体を取り出す熱媒体取出主管10が配されている、前記
(1)または(2)に記載の水素吸蔵合金の容器であ
る。
給開閉弁7’を介して各合金収納室3−1,3−2,3
−3,3−4に連通し、各合金収納室に水素ガスを供給
する水素ガス供給主管7と、熱媒体供給開閉弁8を介し
て各熱媒体流路に連通し、各熱媒体流路に熱媒体を供給
する熱媒体供給主管が配され、直方体の他方の端部には
水素放出開閉弁9’を介して各合金収納室に連通し各合
金収納室3−1,3−2,3−3,3−4から水素ガス
を取り出す水素ガス取出主管9と、熱媒体放出開閉弁1
0’を介して各熱媒体流路に連通し各熱媒体流路の熱媒
体を取り出す熱媒体取出主管10が配されている、前記
(1)または(2)に記載の水素吸蔵合金の容器であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明の水素吸蔵合金
の容器は、長さ方向と直角の縦断面が一辺が50〜40
0mm、好ましくは100〜200mmの正方形あるい
は矩形の横長の直方体状の外形である。本発明では自動
車に積載するのに適した水素吸蔵合金の容器を目的とし
ている。すでに述べた如く、外形が円筒状の容器は、自
動車に積載した際に転がり易く、また積載効率が低い。
外形が直方体状の容器は転がり難く、また積み重ねて積
載する事ができるために積載効率が高い。
の容器は、長さ方向と直角の縦断面が一辺が50〜40
0mm、好ましくは100〜200mmの正方形あるい
は矩形の横長の直方体状の外形である。本発明では自動
車に積載するのに適した水素吸蔵合金の容器を目的とし
ている。すでに述べた如く、外形が円筒状の容器は、自
動車に積載した際に転がり易く、また積載効率が低い。
外形が直方体状の容器は転がり難く、また積み重ねて積
載する事ができるために積載効率が高い。
【0009】本発明の水素吸蔵合金の容器の縦断面は、
一辺が50〜400mm好ましくは100〜200mm
の正方形あるいは矩形の直方体である。直方体の長さは
特定しないが、水素吸蔵合金を乗用車の燃料源として用
いる場合を考慮すると、長さは500〜1500mmと
する事が好ましい。縦断面の一辺が100mm未満で
は、収納できる水素吸蔵合金の収納量が少ない。一方、
一辺が200mm超では、水素吸蔵合金を収納した際の
容器が重量物となるために、簡便な取扱いが難しくな
る。
一辺が50〜400mm好ましくは100〜200mm
の正方形あるいは矩形の直方体である。直方体の長さは
特定しないが、水素吸蔵合金を乗用車の燃料源として用
いる場合を考慮すると、長さは500〜1500mmと
する事が好ましい。縦断面の一辺が100mm未満で
は、収納できる水素吸蔵合金の収納量が少ない。一方、
一辺が200mm超では、水素吸蔵合金を収納した際の
容器が重量物となるために、簡便な取扱いが難しくな
る。
【0010】本発明の水素吸蔵合金の容器の内部は、垂
直壁1と水平壁2とにより互いに対称な2以上の横長の
直方体状の合金収納室に区割されている。水素吸蔵合金
は微粉状であり、水素ガスの吸蔵、放出を繰り返すと容
器内に偏在し易い。また水素吸蔵合金は、水素の吸蔵に
際して体積が膨張する。容器内に密に偏在した水素吸蔵
合金が体積膨張すると、偏在した個所の容器の外壁は強
く加圧され、そのために容器は変形しあるいは破損す
る。
直壁1と水平壁2とにより互いに対称な2以上の横長の
直方体状の合金収納室に区割されている。水素吸蔵合金
は微粉状であり、水素ガスの吸蔵、放出を繰り返すと容
器内に偏在し易い。また水素吸蔵合金は、水素の吸蔵に
際して体積が膨張する。容器内に密に偏在した水素吸蔵
合金が体積膨張すると、偏在した個所の容器の外壁は強
く加圧され、そのために容器は変形しあるいは破損す
る。
【0011】容器のこの変形や破損を防止するために、
容器の外壁に例えば板厚が大きく高強度の鋼板を用いる
事が想考されるが、この際には容器の自重が過大とな
り、取扱いの簡便性が損なわれ、また自動車の軽量化が
損なわれる。本発明では、垂直壁1と水平壁2が容器の
外壁を補強するため、薄い鋼板やアルミニウム合金等で
外壁の形成しても、外壁の変形や破損を有効に防止する
事ができる。
容器の外壁に例えば板厚が大きく高強度の鋼板を用いる
事が想考されるが、この際には容器の自重が過大とな
り、取扱いの簡便性が損なわれ、また自動車の軽量化が
損なわれる。本発明では、垂直壁1と水平壁2が容器の
外壁を補強するため、薄い鋼板やアルミニウム合金等で
外壁の形成しても、外壁の変形や破損を有効に防止する
事ができる。
【0012】また垂直壁と水平壁を用いて容器内を2以
上の合金収納室に区割すると、区割しない場合に比べて
水素吸蔵合金の偏在の程度も軽減し、このため水素吸蔵
合金の体積膨張により発生する外壁の加圧も軽減する。
また水素ガスの吸蔵に際しては水素吸蔵合金を冷却し、
水素ガスを取り出しに際しては水素吸蔵合金を加熱する
が、水素吸蔵合金は微粉状で熱伝達が悪いために、熱伝
達の距離が長いと迅速には冷却し難く、迅速には加熱し
難い。本発明では熱伝達が優れた鋼製やアルミニウム合
金製の垂直壁と水平壁を介して水素吸蔵合金を加熱・冷
却するが、垂直壁と水平壁により熱伝達の距離が1/2
以下に短縮化し、迅速な加熱・冷却が可能となる。
上の合金収納室に区割すると、区割しない場合に比べて
水素吸蔵合金の偏在の程度も軽減し、このため水素吸蔵
合金の体積膨張により発生する外壁の加圧も軽減する。
また水素ガスの吸蔵に際しては水素吸蔵合金を冷却し、
水素ガスを取り出しに際しては水素吸蔵合金を加熱する
が、水素吸蔵合金は微粉状で熱伝達が悪いために、熱伝
達の距離が長いと迅速には冷却し難く、迅速には加熱し
難い。本発明では熱伝達が優れた鋼製やアルミニウム合
金製の垂直壁と水平壁を介して水素吸蔵合金を加熱・冷
却するが、垂直壁と水平壁により熱伝達の距離が1/2
以下に短縮化し、迅速な加熱・冷却が可能となる。
【0013】また本発明の容器には、外壁の4つの各稜
a,b,c,dと、垂直壁と外壁が交わる上下の交線4
−1,4−2と、水平壁と外壁が交わる左右の交線5−
1,5−2と、垂直壁と水平壁とが交わる中央交線6の
位置に熱媒体流路が配されている。本発明者等は熱媒体
流路の配置が異なる図2の2種類の水素吸蔵合金の容器
を用いて、内部に収納した水素吸蔵合金の水素ガスの吸
蔵、放出速度を比較した。図2(A)は熱媒体流路を本
発明の通りに配置した本発明例であり、図2(B)は熱
媒体流路を専ら垂直壁と水平壁が交わる中央交線に配置
した比較例である。尚、図2(A),図2(B)の外壁
の一辺は何れも150mmであり、水素吸蔵合金容器の
長さは700mmである。図2(A)および図2(B)
の水素吸蔵合金の容器のそれぞれには水素吸蔵合金Mm
Ni4.9Mn0.1を26kg充填した(充填率:5
0体積%)。
a,b,c,dと、垂直壁と外壁が交わる上下の交線4
−1,4−2と、水平壁と外壁が交わる左右の交線5−
1,5−2と、垂直壁と水平壁とが交わる中央交線6の
位置に熱媒体流路が配されている。本発明者等は熱媒体
流路の配置が異なる図2の2種類の水素吸蔵合金の容器
を用いて、内部に収納した水素吸蔵合金の水素ガスの吸
蔵、放出速度を比較した。図2(A)は熱媒体流路を本
発明の通りに配置した本発明例であり、図2(B)は熱
媒体流路を専ら垂直壁と水平壁が交わる中央交線に配置
した比較例である。尚、図2(A),図2(B)の外壁
の一辺は何れも150mmであり、水素吸蔵合金容器の
長さは700mmである。図2(A)および図2(B)
の水素吸蔵合金の容器のそれぞれには水素吸蔵合金Mm
Ni4.9Mn0.1を26kg充填した(充填率:5
0体積%)。
【0014】本発明者等は、熱媒体として5℃の冷水を
それぞれ合計10Nリットル/分の割合で図2(A),
図2(B)の熱媒体流路に流し、容器内の合金収納室に
1MPaGの水素ガスを導入して図2(A)、図2
(B)の水素ガスの吸蔵速度を調べた。図3はその結果
である。図3にみられる如く、水素吸蔵率が80%にな
るのに比較例の図2(B)の容器では31分を要した
が、本発明の図2(A)の容器では24分である。従っ
て本発明の容器を用いる事により、水素吸蔵に要する時
間は約20%短縮する。
それぞれ合計10Nリットル/分の割合で図2(A),
図2(B)の熱媒体流路に流し、容器内の合金収納室に
1MPaGの水素ガスを導入して図2(A)、図2
(B)の水素ガスの吸蔵速度を調べた。図3はその結果
である。図3にみられる如く、水素吸蔵率が80%にな
るのに比較例の図2(B)の容器では31分を要した
が、本発明の図2(A)の容器では24分である。従っ
て本発明の容器を用いる事により、水素吸蔵に要する時
間は約20%短縮する。
【0015】本発明者等はまた、熱媒体として45℃の
温水をそれぞれ合計10Nリットル/分の割合で図2
(A)、図2(B)の熱媒体流路に流し、大気圧の水素
を放出させた。図4はその結果である。図4にみられる
如く、水素放出率を80%にするのに、比較例の図2
(B)の容器では45分を要したが、本発明の図2
(A)の容器では25分であった。従って本発明の容器
を用いる事により、水素を80%放出するまでの時間は
図2(B)に比べて45%短縮する。
温水をそれぞれ合計10Nリットル/分の割合で図2
(A)、図2(B)の熱媒体流路に流し、大気圧の水素
を放出させた。図4はその結果である。図4にみられる
如く、水素放出率を80%にするのに、比較例の図2
(B)の容器では45分を要したが、本発明の図2
(A)の容器では25分であった。従って本発明の容器
を用いる事により、水素を80%放出するまでの時間は
図2(B)に比べて45%短縮する。
【0016】本発明の容器を用いると水素ガスを短時間
で吸蔵し、短時間で放出するが、その理由を調査するた
めに本発明者等は、内部に水素吸蔵合金を収納していな
い図2(A)、図2(B)の熱媒体流路に、それぞれ9
0℃の熱水を10Nリットル/分の割合で60秒間流
し、それぞれの容器の各壁面の温度を測定した。図5は
その結果を示す図で、図5(A)は図2(A)の1/4
区割を示す図で、図5(B)は図2(B)の1/4区割
を示す図である。図中無地部分は50℃以下で、梨地部
分は50〜65℃で、斜線部分は65℃以上である。
で吸蔵し、短時間で放出するが、その理由を調査するた
めに本発明者等は、内部に水素吸蔵合金を収納していな
い図2(A)、図2(B)の熱媒体流路に、それぞれ9
0℃の熱水を10Nリットル/分の割合で60秒間流
し、それぞれの容器の各壁面の温度を測定した。図5は
その結果を示す図で、図5(A)は図2(A)の1/4
区割を示す図で、図5(B)は図2(B)の1/4区割
を示す図である。図中無地部分は50℃以下で、梨地部
分は50〜65℃で、斜線部分は65℃以上である。
【0017】図5にみられる如く、本発明の図5(A)
は、合金収納室3−1の各稜のb,5−2,6,及び4
−1の各位置に熱媒体流路が配されているために全体が
迅速に高温となり、50℃以下の部分は存在しない。一
方、熱媒体流路が中央6のみに存在する比較例の図5
(B)は、熱媒体流路の近傍は高温になるが、熱媒体流
路から遠い部分は外気で冷却されるために50℃以下で
ある。この結果から、本発明の図5(A)の容器におい
ては、合金収納室3−1内に収納した水素吸蔵合金は、
周囲の壁面により、迅速に加熱・冷却され、従って図
3,図4に示す如く短時間で効率よく水素ガスを吸蔵・
放出したものと想考される。
は、合金収納室3−1の各稜のb,5−2,6,及び4
−1の各位置に熱媒体流路が配されているために全体が
迅速に高温となり、50℃以下の部分は存在しない。一
方、熱媒体流路が中央6のみに存在する比較例の図5
(B)は、熱媒体流路の近傍は高温になるが、熱媒体流
路から遠い部分は外気で冷却されるために50℃以下で
ある。この結果から、本発明の図5(A)の容器におい
ては、合金収納室3−1内に収納した水素吸蔵合金は、
周囲の壁面により、迅速に加熱・冷却され、従って図
3,図4に示す如く短時間で効率よく水素ガスを吸蔵・
放出したものと想考される。
【0018】本発明の各合金収納室にはまた、その各稜
に、コーナーアールを設ける。コーナーアールはr>L
/4(但しL:合金収納室の大きい方の対面間距離)で
示される半径がrのコーナーアールとすることが好まし
い。図6は本発明者等が行った温度シュミレーションに
基づく各壁面の応力解析結果の例で、図中梨地部には大
きな応力が発生し易い。本発明者等はコーナーrを変え
て梨地部の応力解析を行ったが、r>L/4にすると、
梨地部の応力は25kgf/mm2以下に低減する。こ
の結果に基づき、コーナーアールはr>L/4が好まし
い。
に、コーナーアールを設ける。コーナーアールはr>L
/4(但しL:合金収納室の大きい方の対面間距離)で
示される半径がrのコーナーアールとすることが好まし
い。図6は本発明者等が行った温度シュミレーションに
基づく各壁面の応力解析結果の例で、図中梨地部には大
きな応力が発生し易い。本発明者等はコーナーrを変え
て梨地部の応力解析を行ったが、r>L/4にすると、
梨地部の応力は25kgf/mm2以下に低減する。こ
の結果に基づき、コーナーアールはr>L/4が好まし
い。
【0019】水素ガスの吸蔵・放出の操作を容易にする
ために、また熱媒体の使用操作を容易にするために、図
1(A)では直方体の一方の端部に水素ガス供給主管7
と熱媒体供給主管8を配し、他方の端部に水素ガス取出
主管9と熱媒体取出主管10を配した水素吸蔵合金の容
器を示したが、本発明は水素ガス供給主管7と熱媒体取
出主管10を一方の端部に配し、水素ガス取出主管9と
熱媒体供給主管8とを他方の端部に配する事を禁ずるも
のではない。即ちこれ等は、使用条件に応じて適宜組合
せる事ができる。また水素ガス供給主管と水素ガス取出
主管を別個にそれぞれ設けた例を示したが、本発明は水
素ガスの供給と水素ガスの取出に共通して用いる1の水
素ガス主管とする事を禁ずるものではない。即ちこれ等
も使用条件に応じて適宜選択する事ができる。
ために、また熱媒体の使用操作を容易にするために、図
1(A)では直方体の一方の端部に水素ガス供給主管7
と熱媒体供給主管8を配し、他方の端部に水素ガス取出
主管9と熱媒体取出主管10を配した水素吸蔵合金の容
器を示したが、本発明は水素ガス供給主管7と熱媒体取
出主管10を一方の端部に配し、水素ガス取出主管9と
熱媒体供給主管8とを他方の端部に配する事を禁ずるも
のではない。即ちこれ等は、使用条件に応じて適宜組合
せる事ができる。また水素ガス供給主管と水素ガス取出
主管を別個にそれぞれ設けた例を示したが、本発明は水
素ガスの供給と水素ガスの取出に共通して用いる1の水
素ガス主管とする事を禁ずるものではない。即ちこれ等
も使用条件に応じて適宜選択する事ができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金の容器は、自動車
等に積載して使用するに際し積載効率が高い。また収納
した水素吸蔵合金に迅速に且つまんべんなく熱を伝達す
るために迅速に水素ガスを吸蔵・放出せしめる事ができ
る。また内部応力や熱応力によって変形し難い。
等に積載して使用するに際し積載効率が高い。また収納
した水素吸蔵合金に迅速に且つまんべんなく熱を伝達す
るために迅速に水素ガスを吸蔵・放出せしめる事ができ
る。また内部応力や熱応力によって変形し難い。
【図1】本発明の水素吸蔵合金の容器の例の説明図。
【図2】実験に供した本発明の容器と比較例の容器の説
明図。
明図。
【図3】水素ガスの吸蔵実験の結果を示す図。
【図4】水素ガスの放出実験の結果を示す図。
【図5】本発明の容器と比較例の容器の壁面の温度の例
を示す図。
を示す図。
【図6】本発明の容器の応力解析結果の例の説明図。
1:垂直壁、 2:水平壁、3(3−1,3−2,3−
3,3−4):合金収納室、 4−1,4−2:垂直壁
と外壁が交わる上下の交線、 5−1,5−2:水平壁
と外壁が交わる左右の交線、 6:垂直壁と水平壁が交
わる左右の交線、 7:水素ガス供給主管、 8:熱媒
体供給主管、 9:水素ガス取出主管、10:熱媒体取
出主管。
3,3−4):合金収納室、 4−1,4−2:垂直壁
と外壁が交わる上下の交線、 5−1,5−2:水平壁
と外壁が交わる左右の交線、 6:垂直壁と水平壁が交
わる左右の交線、 7:水素ガス供給主管、 8:熱媒
体供給主管、 9:水素ガス取出主管、10:熱媒体取
出主管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 靖 東京都中央区日本橋小網町8−4 日本重 化学工業株式会社内 Fターム(参考) 3D038 CA00 CA15 CC18 3E072 AA10 EA10
Claims (3)
- 【請求項1】長さ方向と直角の縦断面が正方形あるいは
矩形の横長の直方体状の外形で、内部は垂直壁及びまた
は水平壁により互いに対称な2以上の横長の直方体状の
合金収納室に区割され、外壁の4つの各稜と垂直壁と外
壁が交わる上下の各交線と水平壁と外壁が交わる左右の
各交線と垂直壁と水平壁が交わる中央交線の位置にはそ
れぞれ熱媒体流路が配され、各合金収納室の内面の各稜
にはコーナーアールが設けられていることを特徴とする
水素吸蔵合金の容器。 - 【請求項2】各合金収納室の内面の各稜のコーナーアー
ルが、r>L/4(但しL:合金収納室の大きい方の対
面間距離)で示される半径がrのコーナーアールである
ことを特徴とする、請求項1に記載の水素吸蔵合金の容
器。 - 【請求項3】直方体の一方の端部には水素供給開閉弁を
介して各合金収納室に連通し各合金収納室に水素ガスを
供給する水素ガス供給主管と、熱媒体供給開閉弁を介し
て各熱媒体流路に連通し各熱媒体流路に熱媒体を供給す
る熱媒体供給主管とが配され、直方体の他方の端部には
水素放出開閉弁を介して各合金収納室に連通し各合金収
納室から水素ガスを取り出す水素ガス取出主管と、熱媒
体放出開閉弁を介して各熱媒体流路に連通し各熱媒体流
路の熱媒体を取り出す熱媒体取出主管とが配されている
事を特徴とする、請求項1または2に記載の水素吸蔵合
金の容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1353399A JP2000205496A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 水素吸蔵合金の容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1353399A JP2000205496A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 水素吸蔵合金の容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000205496A true JP2000205496A (ja) | 2000-07-25 |
Family
ID=11835811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1353399A Pending JP2000205496A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 水素吸蔵合金の容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000205496A (ja) |
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-
1999
- 1999-01-21 JP JP1353399A patent/JP2000205496A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060106 |
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