JP2000205302A - 摩擦係合装置の潤滑構造 - Google Patents

摩擦係合装置の潤滑構造

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JP2000205302A JP11008789A JP878999A JP2000205302A JP 2000205302 A JP2000205302 A JP 2000205302A JP 11008789 A JP11008789 A JP 11008789A JP 878999 A JP878999 A JP 878999A JP 2000205302 A JP2000205302 A JP 2000205302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機の軸方向サイズを大きくすることな
く、適時に潤滑オイルを摩擦板へ供給する。 【解決手段】 クラッチドラム41とハブ50間の複数
の摩擦板45、46を押圧可能のピストン47にハブの
縦壁部54に向かって延びる突出壁部62が設けられ、
縦壁部54には突出壁部よりも径方向外側に複数の孔7
6が設けられ、さらに孔76の外方縁にそってガイド6
8が設けられている。また、ハブの外周筒部51には複
数の潤滑孔77が形成されている。クラッチ解放状態で
は、突出壁部の先端がハブの側壁から離れて通路が形成
され、回転軸側からのオイルが孔76を経て潤滑孔77
から摩擦板部分へ供給され、締結状態では突出壁部の先
端がハブの側壁に接近してオイルの供給が遮断される。
ピストンに供給制御用の油孔を設けないので、ピストン
摺動面の軸方向長さが短くて済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
における摩擦係合装置の潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機における摩擦係合装置として
例えばクラッチは、2つの回転部材間においてそれぞれ
一方に噛み合う摩擦板を交互に複数枚重ね、これらの摩
擦板をピストンにより押圧することにより摩擦係合さ
せ、両回転部材を一体化して締結し回転を伝達するよう
になっている。したがって回転の非伝達時には上記押圧
を解除することにより、摩擦係合を解放するのである
が、押圧を解除されても2つの回転部材間にそれぞれ噛
み合っている摩擦板間に接触は免れないので、その摩擦
力を軽減しまた摩耗を防止する必要があり、また締結、
解放作動の途中における滑り摩擦による摩耗、発熱も防
止する必要がある。
【0003】そこで、一般的に回転軸中心部に形成され
た油路から種々の経路を経てオイルをクラッチの摩擦板
部分に供給して摩擦板間の潤滑を行うようにしている。
図4は、従来のクラッチの潤滑構造の一例として、実開
平4−90737号公報に開示されたものを示す。 こ
こでは、回転軸80にドラム90がスプライン結合さ
れ、ドラム90の外周ドラム部91にはその内周面にス
プライン92が形成されている。回転軸80上にはベア
リング84を介して回転自由にハブ100が設けられ、
ハブ100の外周面にスプライン101が形成されてい
る。ハブ100は図示しない他の回転部材に連結されて
いる。
【0004】ドラム90のスプライン92とハブ100
のスプライン101は互いに対向して配置され、両者の
間にはそれぞれ一方のスプラインと噛み合う複数枚の摩
擦板108、109が交互に並べられている。これらの
摩擦板はドラム90のスプライン92に係合されたスナ
ップリング107で一方が規制され、他方側からピスト
ン95で押圧されるようになっている。
【0005】ドラム90のスプライン92部を除く内周
面と回転軸80との間にはシリンダ99が形成され、こ
のシリンダ99に上記ピストン95が摺動可能に収容さ
れている。シリンダ99には回転軸80に設けられた第
1の油路81から作動オイルが供給される。シリンダに
作動オイルが供給されると、ピストン95とハブ100
間に配されたリターンスプリング86に抗してピストン
95が移動し、摩擦板108、109を押圧する。上記
ドラム90、ハブ100、摩擦板108、109により
クラッチが構成されている。
【0006】回転軸80にはさらに第2の油路82が形
成され、第2の油路は軸方向でハブ100のスプライン
101に対応する位置に形成されたリング溝83に開口
している。ピストン95は回転軸80にそって延びる延
長筒部96を備え、この延長筒部96にはピストンスト
ロークによる移動に応じてリング溝83と連通、遮断可
能の油孔97が設けられるとともに、この油孔97を挟
んで軸方向両側にシールリング98、98が設けられて
いる。
【0007】ハブ100には摩擦板108、109の位
置に対応して複数の潤滑孔102が設けられ、またドラ
ム90にはスプライン92の端部に続いて形成された排
出溝93に排出孔94が設けられている。
【0008】これにより、ピストン95の移動によって
延長筒部96の油孔97がリング溝83と連通したとき
には、回転軸80の第2の油路82から油孔97を経て
ハブ100のスプライン部の内側空間にオイルが供給さ
れ、このオイルはハブの複数の潤滑孔102から摩擦板
108、109間に流れてこれらを潤滑する。そして、
摩擦板間を潤滑したオイルは排出溝93へ流れ、排出孔
94からドラム90の外部へ排出される。また、ピスト
ン95の移動によって延長筒部96の油孔97とリング
溝83との連通が遮断されると、上記内側空間へのオイ
ルの流れも止まり、その結果、摩擦板へのオイルの供給
も止まる。こうして、クラッチの摩擦板へ制御的にオイ
ルが供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の潤滑構造では、クラッチに制御的にオイルを供給す
るために、回転軸80にリング溝83を設けるととも
に、ピストン95にその移動によりこのリング溝83と
連通、遮断する油孔97を設けているので、油孔97を
挟む両側のシールリング98、98はピストン移動時に
もリング溝83に重ならないようにその間隔に余裕代を
持たせなければならない。このため、ピストンは長寸法
の延長筒部96を備えることとなって、変速機全体とし
て軸方向のサイズが大きくなってしまうという問題があ
る。
【0010】したがって、本発明は、上記従来の問題点
に鑑み、変速機の軸方向サイズを大きくすることなく、
適時に潤滑オイルを摩擦板へ供給できるようにした摩擦
係合装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、ド
ラム内周にスプライン嵌合した摩擦板と、ハブ外周にス
プライン嵌合した摩擦板とを交互に配置し、これらの摩
擦板を押圧可能なピストンを前記ドラム内に有し、油圧
供給による前記ピストンの進行で摩擦板同士を押し付け
て前記ドラムと前記ハブを一体回転させる締結状態と
し、油圧解放による前記ピストンの後退で前記摩擦板同
士の押し付けを解除して前記ドラムと前記ハブとの相対
回転を許容する解放状態とする摩擦係合装置の前記摩擦
板間へ潤滑油を供給する潤滑構造であって、前記ドラム
の回転軸の内部の軸方向油路から前記回転軸の外側へ放
出された潤滑油を前記ハブのスプライン部内周側の空間
へ導き該スプライン部に半径方向に延びてこの内外を貫
通する潤滑孔を介して前記摩擦板間へ潤滑油を供給する
摩擦係合装置の潤滑構造において、前記ピストンの摩擦
板側面と前記ハブの半径方向に延びた縦壁部とで区画さ
れる第1油路と、前記ハブの前記スプライン部内周空間
へ前記第1油路からの油を導くように前記ハブの壁部に
貫通させた孔と、前記ピストンの前記ハブの縦壁部側
に、この半径方向で前記貫通させた孔位置以内に前記縦
壁部へ向かって突設した突出壁部とを備え、前記ピスト
ンが進行した時、前記突出壁部が前記ハブの縦壁部に近
づき前記貫通させた孔からの潤滑油の流出量をピストン
後退時より減少させるように構成されているものとし
た。
【0012】締結時には摩擦板部分への潤滑油供給が絞
られて減少する一方、最も潤滑を要する解放時には確実
に潤滑油が摩擦板部分へ供給される。また、従来のよう
な回転軸のオイル供給用リング溝と連通・遮断する油孔
をピストンに設けないので、ピストンの摺動面の軸方向
長さが短くて済む。
【0013】また、潤滑油が内径方向から摩擦板に供給
されるので均一かつ十分な潤滑がなされるとともに、縦
壁部がピストン側に寄せられているので隣接部材をハブ
の外周筒部の内側空間に配置することができ、変速機全
体の軸方向サイズを小さくできる。
【0014】さらに、縦壁部のピストンに面する側壁に
複数の孔の外方縁にそったガイドを設けることにより、
オイルが効率よく複数の孔へ案内される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下、実施例により説明する。図1は、トルクコンバータ
と同一軸線上に構成した主変速機とこれに平行に配置さ
れた副変速機からなる自動変速機における副変速機に設
けられたクラッチに本発明を適用した実施例を示す断面
図である。自動変速機の変速機ケース10に出力ギア1
6を備える出力軸15がベアリング30を介して支持さ
れている。出力軸15の外方端17は突出して変速機ケ
ースの支持穴12に挿入され、内方端中心部には支持穴
18が設けられて同軸の入力軸25をベアリング31を
介して支持している。
【0016】ベアリング位置30より内方側に形成され
た出力ギア16には、その歯底径より若干小径の肩部1
9が形成されている。そして肩部19の端部には、それ
よりさらに小径の軸方向に延びた筒部20が形成されて
いる。肩部19にはパーキングギア33が嵌め込まれて
いる。パーキングギア33は板材をプレス成形した円環
状で、径方向に延びるディスク部34の外周に歯35を
備え、ディスク部34の内周縁を肩部19に嵌め込んで
その嵌め込み部分で溶接されている。
【0017】パーキングギア33の内方側にはクラッチ
40が設けられている。クラッチ40はクラッチドラム
41、ハブ50、摩擦板45、46、ピストン47等か
らなる。クラッチドラム41はパーキングギア33より
大径で内周面にスプライン42Aが形成されたスプライ
ン部42と、パーキングギア33と略同径の外周壁部4
3、および外周壁部43から径方向内方へ延びる底壁部
44からなる。
【0018】クラッチドラムの底壁部44の内周縁部は
パーキングギア33側へオフセットし、パーキングギア
のディスク部34に形成された凹部36内に位置して、
その内周縁がディスク部34に溶接されている。スプラ
イン部42にはオイルの排出孔78が複数個形成されて
いる。
【0019】クラッチドラム41の内側には、スプライ
ン42Aに対向するスプライン52を外周筒部51に備
えるハブ50が配置され、スプライン42Aおよびスプ
ライン52にそれぞれ係合する摩擦板45、46が軸方
向に交互に複数枚設けられる。ハブ50は入力軸25に
スプライン結合された内周壁部53とこの内周壁部から
径方向に延びる縦壁部54を有し、縦壁部54の外周に
上記外周筒部51が連なっている。換言すれば、縦壁部
54は外周筒部51から内径方向に延びている。外周筒
部51には摩擦板45、46の配置範囲内に複数の潤滑
孔77が形成されている。
【0020】縦壁部54と出力ギア15の筒部20の端
部の間には、スラストベアリング60が設けられてい
る。クラッチドラム41の外周壁部43内にはリング状
のシリンダ48が形成され、外周壁部43の内周面49
および出力軸15の筒部20の外周面21がピストン4
7の摺動面となっている。
【0021】ピストン47はその外周面および内周面に
シールリング66、67を備え、とくにその内周面はシ
ールリング67を保持するリング溝を確保するだけの短
い幅(軸方向)寸法を有している。ピストン47は摩擦
板45、46に向かって延びる押圧部58と、さらに、
ハブ50の縦壁部54に向かって延びる突出壁部62を
有している。突出壁部62の突出長さは、ピストン47
が摩擦板45、46を押圧したとき突出壁部62の先端
が縦壁部54に接近するが接触はしないように設定され
ている。
【0022】そして、ピストンの突出壁部62の内側に
は、筒部20の先端部にスナップリング24で位置決め
されたスプリングホルダ22との間にリターンスプリン
グ23が設けられて、押圧部58が摩擦板45、46か
ら離れる方向に付勢されている。
【0023】ハブの縦壁部54には、ピストンの突出壁
部62よりも径方向外側に複数の孔76が設けられてい
る。これらの孔76は、とくに図示しないが、周方向略
等間隔に配置される。さらに縦壁部54のピストン47
に面する側壁には複数の孔76の外方縁にそって外周筒
部51近傍にガイド68が設けられている。ガイド68
はピストン47に向かって延び、軸方向において突出壁
部62の外側に少間隙をもって重なる。
【0024】出力軸15には、その外方端に開口する軸
方向油路70と出力ギア16部分を図中斜めに横切る油
路71が形成されて、変速機ケース10の油路13とシ
リンダ48とを接続し、シリンダ48へ圧油を供給する
ことによりピストン47が摩擦板45、46を押圧する
ようになっている。
【0025】出力軸15にはさらに、その内方端の支持
穴18に開口し変速機ケース10の油路14と連通する
軸方向油路72が形成されている。入力軸25には出力
軸15の支持穴18内に開口する軸方向油路73が形成
されるとともに、出力軸の筒部20の内側空間と軸方向
油路73とを接続する油孔74が設けられている。これ
により、ベアリング31は、軸方向油路72から入力軸
25の軸端と支持穴18の底壁間の隙間を経て導かれる
オイル(潤滑油)と、軸方向油路72、73から油孔7
4を経て導かれるオイルによって潤滑される。
【0026】油孔74から出力軸の筒部20の内側空間
に導かれたオイルは、筒部20の端部とハブの縦壁部5
4との間のスラストベアリング60を潤滑して、ピスト
ン47の突出壁部62内側のリターンスプリング23が
設けられた空間へ流れる。この空間はピストン47とハ
ブの縦壁部54とで区画され、発明における第1油路を
構成している。
【0027】この空間に流れたオイルはピストン47の
作動に応じて制御された態様でクラッチ40の摩擦板4
5、46部分を潤滑する。図2はクラッチ40の解放状
態におけるオイルの流れを示すクラッチ部分の拡大図、
図3はピストンが摩擦板を押圧しているクラッチの締結
状態を示す拡大図である。
【0028】解放状態では、図2に示されるように、ピ
ストン47の突出壁部62の先端がハブ50の縦壁部5
4から離間している。スラストベアリング60を通過し
たオイルはピストンの突出壁部62内側の空間からこの
離間部を通って、矢示aのように、縦壁部54の複数の
孔76から外周筒部51の内側空間へ流れる。この際、
オイルは孔76の外方縁にそって設けられたガイド68
によって孔76へ滑らかに導かれる。
【0029】こうして外周筒部51の内側空間へ至った
オイルは、外周筒部に設けられた潤滑孔77を通って摩
擦板45、46部分へ導かれ、相互にすべりあっている
摩擦板間を十分に潤滑する。なお、突出壁部62とガイ
ド68間の狭い間隙からも若干のオイルが矢示bのよう
に摩擦板部へ流れる。潤滑を終えたオイルは、その後ク
ラッチドラム41の排出孔78から排出される。
【0030】つぎに締結状態では、図3に示されるよう
に、シリンダ48に圧油が供給されてピストン47が移
動し、その突出壁部62の先端がハブ50の縦壁部54
に接近して突出壁部内側の空間と縦壁部の孔76との間
隙を狭める。これにより、摩擦板45、46が押圧され
て一体となり相互間にすべりのない締結状態では、摩擦
板部分へのオイル供給を減少させる。
【0031】実施例は以上のように構成され、クラッチ
ドラムのスプライン部42とハブの外周筒部51にそれ
ぞれ形成したスプライン42A、52に噛み合う摩擦板
45、46を交互に配したクラッチにおいて、摩擦板を
押圧するピストン47にハブの縦壁部54に向かって延
びる突出壁部62を設け、ピストン47が摩擦板45、
46を押圧した締結時に突出壁部62の先端が縦壁部5
4に接近するように設定するとともに、縦壁部54には
ピストンの突出壁部62よりも径方向外側に複数の孔7
6を設け、さらに外周筒部51には潤滑孔77を設けた
ものとした。
【0032】これにより、クラッチ解放時には突出壁部
62の先端が縦壁部54から離間し、突出壁部内側の空
間からこの離間部を経て縦壁部の孔76から外周筒部5
1の内側空間へ、そして潤滑孔77を通って摩擦板部分
へ導かれるオイルの通路が形成される。この際、縦壁部
の孔76の外方縁にそって設けられたガイド68により
オイルは効率よく縦壁部の孔76へ導かれる。また、ク
ラッチ締結時には突出壁部62の先端が縦壁部に接近し
て間隙を狭め、突出壁部62内側の空間から縦壁部の孔
76へのオイルの流出量を減少させる。
【0033】したがって、クラッチ締結時には摩擦板部
分へのオイル供給が低減されて、他の潤滑を要する部位
へのオイル供給量が増し、また最も潤滑を要するクラッ
チ解放時には多量にオイルが摩擦板部分へ供給されると
いう効果を有する。そして、オイルの流通量の制御をピ
ストンの突出壁部62とハブの縦壁部54との間の隙間
の変化によって行うので、回転軸のオイル供給用リング
溝とピストンの油孔とを連通・遮断させる従来のものに
比較して、ピストンの摺動面の軸方向長さが短くて済
み、従来例のような長寸法の延長筒部を備える必要がな
いから、変速機の軸方向サイズが小型にできる。
【0034】なお、実施例は摩擦係合装置としてクラッ
チの潤滑構造について説明したが、本発明はクラッチに
限定されず、締結により回転がロックされるブレーキの
潤滑にも適用される。したがって本発明において、ドラ
ムは固定側部材をも含むものとする。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、ドラム内周と
ハブ外周にそれぞれスプライン嵌合した摩擦板を交互に
配置し、摩擦板を押圧するピストンの進行、後退でドラ
ムとハブを一体回転させる締結状態あるいは相対回転を
許容する解放状態とする摩擦係合装置において、ドラム
の回転軸の内部の軸方向油路から回転軸の外側へ放出さ
れた潤滑油をハブのスプライン部内周側の空間へ導き該
スプライン部に半径方向に延びてこの内外を貫通する潤
滑孔を介して摩擦板間へ潤滑油を供給する潤滑構造と
し、ピストンの摩擦板側面とハブの半径方向に延びた縦
壁部とで区画される第1油路と、ハブのスプライン部内
周空間へ第1油路からの油を導くようにハブの壁部に貫
通させた孔と、ピストンのハブ縦壁部側にこの半径方向
で前記貫通させた孔位置以内に縦壁部へ向かって突設し
た突出壁部とを備え、ピストンが進行した時突出壁部が
ハブの縦壁部に近づき前記貫通させた孔からの潤滑油の
流出量をピストン後退時より減少させる潤滑構造とした
ので、締結・解放に応じて適切に摩擦板部分への潤滑油
供給が制御されるとともに、ピストンの摺動面の軸方向
長さが短くて済むという効果を有する。
【0036】また潤滑油が内径方向から摩擦板に供給さ
れるので均一かつ十分な潤滑がなされるとともに、隣接
部材をハブの外周筒部の内側空間に配置することがで
き、変速機全体の軸方向サイズを小さくできる。
【0037】さらに、縦壁部のピストンに面する側壁に
複数の孔の外方縁にそったガイドを設けることにより、
オイルが効率よく複数の孔へ案内される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】クラッチ解放状態におけるオイルの流れを示す
クラッチ部分の拡大図である。
【図3】クラッチの締結状態を示す拡大図である。
【図4】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 変速機ケース 12、18 支持穴 13、14、71 油路 15 出力軸 16 出力ギア 17 外方端 19 肩部 20 筒部 21 外周面 22 スプリングホルダ 23 リターンスプリング 24 スナップリング 25 入力軸 30、31 ベアリング 33 パーキングギア 34 ディスク部 35 歯 36 凹部 40 クラッチ 41 クラッチドラム 42A、52 スプライン 43 外周壁部 44 底壁部 45、46 摩擦板 47 ピストン 48 シリンダ 49 内周面 50 ハブ 51 外周筒部 53 内周壁部 54 縦壁部 58 押圧部 60 スラストベアリング 62 突出壁部 66、67 シールリング 68 ガイド 70、72、73 軸方向油路 74 油孔 76 孔 77 潤滑孔 78 排出孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラム内周にスプライン嵌合した摩擦板
    と、ハブ外周にスプライン嵌合した摩擦板とを交互に配
    置し、これらの摩擦板を押圧可能なピストンを前記ドラ
    ム内に有し、油圧供給による前記ピストンの進行で摩擦
    板同士を押し付けて前記ドラムと前記ハブを一体回転さ
    せる締結状態とし、油圧解放による前記ピストンの後退
    で前記摩擦板同士の押し付けを解除して前記ドラムと前
    記ハブとの相対回転を許容する解放状態とする摩擦係合
    装置の前記摩擦板間へ潤滑油を供給する潤滑構造であっ
    て、前記ドラムの回転軸の内部の軸方向油路から前記回
    転軸の外側へ放出された潤滑油を前記ハブのスプライン
    部内周側の空間へ導き該スプライン部に半径方向に延び
    てこの内外を貫通する潤滑孔を介して前記摩擦板間へ潤
    滑油を供給する摩擦係合装置の潤滑構造において、 前記ピストンの摩擦板側面と前記ハブの半径方向に延び
    た縦壁部とで区画される第1油路と、 前記ハブの前記スプライン部内周空間へ前記第1油路か
    らの油を導くように前記ハブの壁部に貫通させた孔と、 前記ピストンの前記ハブの縦壁部側に、この半径方向で
    前記貫通させた孔位置以内に前記縦壁部へ向かって突設
    した突出壁部とを備え、 前記ピストンが進行した時、前記突出壁部が前記ハブの
    縦壁部に近づき前記貫通させた孔からの潤滑油の流出量
    をピストン後退時より減少させるようにしたことを特徴
    とする摩擦係合装置の潤滑構造。
  2. 【請求項2】 前記縦壁部の前記ピストンに面する側壁
    には、前記複数の孔の外方縁にそってガイドが設けら
    れ、前記通路を通ったオイルを前記複数の孔へ案内する
    よう構成されていることを特徴とする請求項1記載の摩
    擦係合装置の潤滑構造。
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JP7305526B2 (ja) 2019-11-29 2023-07-10 ダイハツ工業株式会社 変速機
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