JP2000203298A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JP2000203298A
JP2000203298A JP11010896A JP1089699A JP2000203298A JP 2000203298 A JP2000203298 A JP 2000203298A JP 11010896 A JP11010896 A JP 11010896A JP 1089699 A JP1089699 A JP 1089699A JP 2000203298 A JP2000203298 A JP 2000203298A
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calculating
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yaw moment
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Hideo Yagata
英夫 矢形
Naoto Fukushima
直人 福島
Etsuo Katsuyama
悦生 勝山
Hiroshi Sato
博 佐藤
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストの手段でありながら、高い精度で駆
動力配分制御の故障検出を行うことができるようにする
こと。 【解決手段】 車両挙動検出手段dの検出に基づいて駆
動力配分量を決定し、駆動力配分機構bの作動を制御す
る駆動力配分制御手段eと、駆動力配分機構bに対する
制御が正常に成されているか否かを判定する故障判定手
段fと、を備えた車両制御装置において、故障判定手段
fが、左右の駆動輪の車輪速差であるスリップ率を求
め、このスリップ率と駆動力配分制御手段eが出力する
駆動力配分量に対して、予め設定された範囲の対応関係
にある場合には正常と判定する一方、前記対応関係にな
い場合には故障と判定するよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の駆動輪に対
する駆動力の配分を変更する手段を有した車両制御装置
に関し、特に、その故障検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、左右輪の駆動力配分や、各輪の制
動力配分などを制御して旋回走行時の安定性の向上やス
ポーツ性の向上が図られている。このような駆動力配分
を変更可能な車両制御装置として、例えば、特開平7−
17289号公報に記載されたものが知られている。こ
の従来技術は、車両のエンジンの駆動力を左右輪へ配分
調整するトルク分配装置を有し、駆動輪に過剰スリップ
が発生したときにエンジントルクを低減させ、操舵特性
の急変などを防止することができるというものであっ
た。
【0003】また、このような駆動力配分を行う車両制
御装置にあっては、駆動力配分が制御通りに実行されな
い場合、不具合が生じるおそれがあるため、この駆動力
配分が正常に実行されているか否かを監視する必要があ
る。このような技術として、例えば、特開平8−230
499号公報記載の技術が公知である。この従来技術で
は、油圧制御弁から左右の油圧クラッチに向けて出力さ
れる油圧を検出する油圧センサを設け、駆動力配分の制
御出力に応じた油圧が油圧アクチュエータに出力されて
いるか否かを監視することで、制御が正常に実行されて
いるか否かを判定するよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術にあっては、左右の油圧クラッチに出力される
油圧を検出する油圧センサを2個設けた構成であり、こ
の監視制御専用のセンサを必要とするため、コストアッ
プを招くという問題がある。また、この油圧センサを設
けた油圧回路よりも出力側、すなわち油圧クラッチなど
に異常が生じ、油圧は正しく出力されているのに、駆動
力配分は正しく行われていないというような故障は検出
することができないものであり、監視性能の向上が望ま
れていた。
【0005】本発明は、上述の問題に着目してなされた
もので、低コストの手段でありながら、高い精度で駆動
力配分制御の故障検出を行うことができるようにするこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の車両制御装置は、図1のクレーム対応図
に示すように、エンジンaの駆動力を左右の駆動輪に配
分させる駆動力配分機構bと、車両挙動を検出する車両
挙動検出手段dと、この車両挙動検出手段dの検出に基
づいて駆動力配分量を決定し、駆動力配分機構bの作動
を制御する駆動力配分制御手段eと、前記駆動力配分機
構bに対する制御が正常に成されているか否かを判定す
る故障判定手段fと、を備えた車両制御装置において、
前記故障判定手段fが、左右の駆動輪の車輪速差である
スリップ率を求め、このスリップ率と駆動力配分制御手
段eが出力する駆動力配分量に対して、予め設定された
範囲の対応関係にある場合には正常と判定する一方、前
記対応関係にない場合には故障と判定するよう構成され
ていることを特徴とする。したがって、本発明では、故
障判定手段fは、少なくとも駆動輪の車輪速と、駆動力
配分制御手段eの制御出力とが解れば故障の有無の判定
を行うことができるものであり、入力手段としては既存
の車輪速センサがあればよく故障判定専用のセンサを追
加する必要がないため、コストダウンを図ることができ
る。しかも、本発明では、駆動力配分制御の実行結果に
よる駆動輪の回転の状態と駆動力配分制御の状態とで故
障を判定しているため、制御系だけでなく駆動力配分機
構から駆動輪にかけての駆動伝達系に故障が発生した場
合も故障検出が可能となり、検出精度が向上する。
【0007】なお、請求項2に記載のように、前記故障
判定手段fは、前記スリップ率αを求めるにあたり左右
の駆動輪速をVL,VRとしたときに、 α=|(VL−VR)/(VL+VR)| の演算式を用いるようにしてもよい。したがって、駆動
輪の速度差であるスリップ率αを求めることができる。
【0008】また、請求項3に記載のように、前記故障
判定手段fは、スリップ率αを求めるにあたり旋回によ
る内外輪速度差を補正する補正項を有した演算式を用い
るようにしてもよい。この演算式としては、例えば、請
求項4に記載のように、 α=|(VL−VR)/(VL+VR)+(Lt×△
ψ)/(2×V)| (なお、Lt:予め入力された駆動輪トレッド長、V
L,VR:左右の駆動輪車輪速、V:車速、△ψ:ヨー
レートである)とすることができる。したがって、左右
の駆動輪の速度差から旋回時の内輪と外輪との速度差の
成分を取り除いて、より精度の高い故障判定が可能とな
る。
【0009】また、請求項5に記載のように、請求項1
ないし4記載の車両制御装置において、前記車両挙動検
出手段dに、車両に生じている実ヨーモーメントを検出
する実ヨーモーメント検出手段d1が含まれ、前記駆動
力配分制御手段eが、前記車両挙動検出手段dからの入
力に基づいて、現在の車両挙動において必要なヨーモー
メントである目標ヨーモーメントを求める目標ヨーモー
メント演算手段e1を備え、目標ヨーモーメントと実ヨ
ーモーメントとの差に基づいて目標駆動力配分量TMを
決定するよう構成され、前記故障判定手段fは、予め設
定されたマップに基づいて目標駆動力配分量TMからテ
ーブル検索値αTMを求め、このテーブル検索値αTM
とスリップ率αとの差が所定の範囲内であれば正常と判
断する一方、前記差が所定の範囲外であれば故障と判定
するよう構成された手段としてもよい。このように、故
障判定を、目標駆動力配分量TMに対応したテーブル検
索値αTMと、スリップ率αとの差により行うようにし
ているため、駆動力配分に対するスリップ率の対応関係
を、簡易に判定することができる。また、車両に必要な
旋回力に相当する目標駆動力配分量TMをヨーモーメン
トに基づいて求めているために、車両に発生したヨーモ
ーメントを、さらにヨーレイトセンサによりヨーレイト
として検出してヨーレイトで制御する場合のように、駆
動力配分制御の制御結果に遅れや振動が生じることがな
く、高い制御精度が得られる。また、請求項6に記載の
ように、請求項5記載の車両制御装置において、前記故
障判定手段fは、(|α−αTM|/α)×100の演
算式で得られた値が、予め設定された判定値FSを越え
なければ正常と判断する一方、前記値が判定値を越えれ
ば故障と判定するよう構成してもよい。
【0010】さらに、請求項7に記載のように、請求項
1ないし6記載の車両制御装置において、前記故障判定
手段fは、故障判定において前記スリップ率と駆動力配
分制御手段eの出力とを比較するにあたり、駆動力配分
制御手段の出力に所定の遅れ時間Tを持たせ、駆動力配
分制御手段eの出力と、この制御結果であるスリップ率
αとの関係を時間的に一致させるようにするのが好まし
い。このように駆動力配分制御手段eの出力に所定の遅
れ時間Tを持たせてスリップ率αとの比較を行うことに
より、駆動力配分制御手段eの制御出力に基づいて駆動
力配分機構bが作動し、左右の駆動輪に対する駆動力配
分の調整が成され、その結果生じたスリップ率αと、こ
のスリップ率αが発生する原因となった駆動力配分制御
手段eの出力である駆動力配分量TMとを、時間的に一
致させて比較することになり、故障判定精度が向上す
る。
【0011】なお、前記実ヨーモーメント検出手段d1
としては、請求項8記載の発明のように、車両挙動検出
手段dで得られる横力・前後力検出手段からの入力に基
づいて実ヨーモーメントを演算する手段としてもよい
し、また、請求項9記載の発明のように、ヨーレイトセ
ンサで得られるヨーレイトの微分値と、車両のヨー慣性
モーメントの値とを乗算することによって実ヨーモーメ
ントを求める手段としてもよい。
【0012】また、請求項5ないし9に記載の目標ヨー
モーメント演算手段e1は、請求項10に記載の発明の
ように、舵角と車両状態量とを用いて目標ヨーレイトを
演算し、この目標ヨーレイトの微分値と車両のヨー慣性
モーメントの値との乗算により目標ヨーモーメントを演
算する手段としてもよいし、請求項11に記載の発明の
ように、各輪の状態量と目標タイヤ特性とを用いて目標
ヨーモーメントを演算する手段としてもよい。この目標
タイヤ特性としては、理想的特性を用いることができ、
この場合、理想的なタイヤ特性を得るための目標ヨーモ
ーメントを演算することになる。また、請求項11記載
の目標ヨーモーメント演算手段e1は、請求項12に記
載の発明のように、各輪の輪荷重を演算する輪荷重演算
手段e11と、各輪のスリップ角を演算する各輪スリッ
プ角演算手段e12と、各輪の制駆動力を演算する各輪
制駆動力演算手段e13と、を含み、前記各輪の状態量
として、輪荷重、スリップ角、制駆動力を含むようにし
てもよいし、あるいは、請求項13に記載の発明のよう
に、目標ヨーモーメント演算手段e1を、横加速度によ
る荷重移動を演算する荷重移動演算手段e14と、各輪
のスリップ角を演算する各輪スリップ角演算手段e12
と、荷重移動と各輪スリップ角のみを用いて目標タイヤ
特性から目標横力を演算し、この目標横力から目標ヨー
モーメントを演算する演算手段e15と、を備えた手段
としてもよい。
【0013】また、請求項5ないし13記載の実ヨーモ
ーメント検出手段d1を、請求項14記載の発明のよう
に、各輪タイヤの状態量推定手段d11と、この状態量
推定手段d11の出力信号を用いて車両のヨーモーメン
トを演算する演算手段d2とにより構成してもよい。
【0014】また、請求項14記載の各輪タイヤの状態
量推定手段d11は、請求項15に記載の発明のよう
に、車両スリップ角・舵角・ヨーレイト・車速から各輪
のスリップ角を求める各輪スリップ角演算手段d111
と、車両の前後加速度および横加速度から各輪の輪荷重
を求める輪荷重演算手段d112と、ブレーキ状態およ
び車両前後加速度から各輪に働く制駆動力を演算する制
駆動力演算手段d113と、これら演算手段d111,
d112,d113で得られた輪荷重・制駆動力・各輪
スリップ角に基づいて各輪に働く横力を演算する横力演
算手段d114とを備えている手段としてもよい。
【0015】また、請求項15記載の横力演算手段d1
14は、請求項16に記載の発明のように、輪荷重とス
リップ角とに基づいて制駆動力抜きの各輪に働く横力を
予め設定されたマップにより求める手段と、制駆動力に
基づいて横力低減率を求める手段と、前記制駆動力抜き
の横力と横力低減率とに基づいて各輪横力を求める手段
とを備えている手段としてもよい。
【0016】なお、請求項12ないし16記載の前記各
輪スリップ角演算手段d111,e12は、車両の重心
点におけるスリップ角を求めた後、各輪スリップ角を求
めるよう構成し、車両重心点のスリップ角を求めるにあ
たり、車両のヨーレイト△ψと横加速度△△Yと車速V
の各センサ信号から次式(1)により後輪のコーナリン
グパワー推定値PC2 を演算し、 PC2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△Y ]+f(△△Y) …(1) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両
の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリン
グパワー、第二項のf(△△Y)は横加速度による補正
項である)次に、前記後輪のコーナリングパワー推定値
PC2 とヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデ
ルから解析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関
係式である次式(2) β=−Kbr[(Tb s+1)/(Tr s+1)]△ψ …(2) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC2 ))V
2 )(b/V)、Tb =IV/(LbPC2 −maV
2 )、Tr =[ma/(LPC2 )]Vである]により
演算することができる。あるいは、請求項12ないし1
6記載の前記各輪スリップ角演算手段d111,e12
は、車両の重心点におけるスリップ角を求めた後、各輪
スリップ角を求めるよう構成し、車両重心点のスリップ
角を求めるにあたり、車両のヨーレイト△ψと横加速度
△△Yと車速Vの各センサ信号から次式(5)により後
輪のコーナリングパワー推定値PC2 を演算し、 PC2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△Y ] …(5) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、である)前記後輪
のコーナリングパワー推定値PC2 とヨーレイト信号△
ψを用いて、車両の二輪モデルから解析的に求められる
ヨーレイトとスリップ角の関係式である次式(6) β=−Kbr[(Tb s+1)/(Tr s+1)]△ψ …(6) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC2 ))V
2 )(b/V)、Tb =IV/(LbPC2 −maV
2 )、Tr =[ma/(LPC2 )]Vである]により
スリップ角βを演算することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。まず、実施の形態を説明する前
に、前輪の舵角δ、ヨーレイトψ、コーナリングパワー
C、横力Fなどの関係について説明する。図2は一般的
に用いられる車両の2輪モデルで、図において、FWは
前輪、RWは後輪、WPは車両の重心、δは前輪舵角、
△ψはヨーレイト、△△Yは横加速度、βはスリップ
角、C1は前輪コーナリングパワー(2輪分)、C2は
後輪コーナリングパワー(2輪分)、mは車両質量、I
は車両慣性モーメント、Lはホイールベース、Vは車速
を示している。
【0018】この図のように車速Vで進んでいる車両の
ヨーレイト△ψと、スリップ角βとの運動方程式は、下
記の式(11)および(12)に示すとおりである。 mV(△β+△ψ) =−C1(β+a△ψ/v−δ)−C2(β−b△ψ/V) …(11) I△△ψ= −aC1(β+a△ψ/V−δ)+bC2(β−b△ψ/V) …(12) 図3は、舵角δに対するヨーレイト△ψとスリップ角β
の応答の形を示しているもので、これを舵角入力0とし
て簡略化したものが図4である。
【0019】次に、実施の形態について説明する。本実
施の形態は後輪駆動車に適用した例であって、図5は駆
動力配分機構21を示す概略構成図である。図におい
て、50は周知の差動装置であり、推進軸51の回転力
を減速小歯車52と減速大歯車53によってデファレン
シャルケース54に伝達し、さらにデファレンシャルケ
ース54の回転力を差動小歯車55と差動大歯車56,
57によって左右の車輪軸58,59に配分するように
なっている。また、差動小歯車55の自転により、後輪
の左右の車輪軸58,59の回転数差が吸収されること
になる。なお、図中50Aは、差動装置50の本体とし
てのデファレンシャルハウジングである。
【0020】前記駆動力配分機構21は、左の車輪軸5
8とデファレンシャルケース54との間に相対的な回転
力を付与可能な油圧モータ61と、デファレンシャルケ
ース54の回転によって油圧を発生する油圧ポンプ62
とを備えている。油圧モータ61は、例えば、車輪軸5
8とデファレンシャルケース54との間に設けられたト
ロコイドモータなどにより構成され、その入力ポートP
5,P6のいずれから油圧を導入するかにより回転方向
が切り換わる。油圧ポンプ62は、例えば、デファレン
シャルケース54とデファレンシャルハウジング50A
との間に設けられたトロコイドポンプなどにより構成さ
れ、その吸入ポートP7から吸入した作動油を吐出ポー
トP8から吐出する。このポンプ62は、デファレンシ
ャルケース54の回転によって駆動されるため、作動油
の吐出流量が車速に比例することになる。
【0021】ポンプ62の吐出ポートP8から吐出され
た作動油は、圧力調整弁63によって圧力調整された
上、4ポート3位置切り換え式の切換弁64に導出され
る。本例の圧力調整弁63は、制御型リリーフ弁であっ
て、ポンプ62の吐出ポートP8と切換弁64の第1の
入力ポートP11との間の供給通路L1と、リザーバ6
5に連通するリリーフ通路L2との間に設けられてい
る。L3は、ポンプ62の吸入ポートP7とリザーバ6
5との間の連通路、L4は、リザーバ65と切換弁64
の第2の入力ポートP12との間の連通路であり、本例
の場合、これらの連通路L3,L4とリリーフ通路L2
が共通化されている。圧力調整弁63は、入力ポートP
11に入力される油圧を調整し、リリーフした作動油を
リザーバ65に排出する。つまり、供給通路L1の圧力
を減圧調整し、その減圧相当分の作動油をリリーフ通路
L2からリザーバ65に戻して循環させる。そのため、
供給通路L1が減圧された分だけ、ポンプ62の負荷が
低減され、この結果、作動油の温度上昇や車両の燃費の
上昇が抑えられることになる。また、リザーバ65とし
ては、差動装置50内の底面側において適量の作動油を
潤滑油として収容する収容部を利用してもよい。
【0022】切換弁64は、その切換位置に応じて第
1,第2および第3の切換状態が得られるようになって
いる。第1の切換状態は、図5のように、入力ポートP
11,P12どうしを連通させ、かつ出力ポートP1
3,P14どうしを連通させる状態であり、第2の切換
状態は、入力ポートP11と出力ポートP13とを連通
させ、かつ入力ポートP12と出力ポートP14とを連
通させる状態であり、第3の切換状態は、入力ポートP
11と出力ポートP14とを連通させ、かつ入力ポート
P12と出力ポートP13とを連通させる状態である。
出力ポートP13,P14は、それぞれロータリジョイ
ント66を介してモータ61のポートP5,P6に接続
されている。
【0023】このように構成された駆動力配分機構21
は、切換弁64が第1の切換状態のときに、モータ61
の自由回転を許容する。そして、切換弁64が第2の切
換状態のときは、モータ61が一方向に回転して、デフ
ァレンシャルケース54に対して左の車輪軸58が増速
方向に強制的に回転され、それらの間の相対回転分だ
け、左の車輪軸58が増速され、かつ右の車輪軸59が
減速されることになる。それらの車輪軸58,59の増
減速の割合、つまり駆動力の配分の割合は圧力調整弁6
3によって調整される。一方、切換弁64が第3の切換
状態のときは、モータ61が他方に回転して、デファレ
ンシャルケース54に対して左の車輪軸58が減速方向
に強制的に回転され、それらの間の相対回転分だけ左の
車輪軸58が減速されかつ右の車輪軸59が増速される
ことになる。それらの車輪軸58,59の増速の割合、
つまり駆動力の配分の割合は圧力調整弁63によって調
整される。このように、モータ61に対する作動油の供
給方向と、その作動油の圧力に応じて、左右の後輪L
W,RWに対する駆動力の配分の割合が制御され、その
配分の割合に応じて車両にヨーモーメントが発生するこ
とになる。
【0024】上述の駆動力配分機構21の圧力制御弁6
3および切換弁64の作動はコントロールユニット12
により制御される。このコントロールユニット12は、
図6に示すように、入力側にブレーキスイッチ31,前
後加速度センサ(以下、前後Gセンサという)32,横
加速度センサ(以下、前後Gセンサという)33,操舵
角センサ34,ヨーレイトセンサ35,車速センサ3
6,スリップ角検出手段37,4輪それぞれの車輪速を
検出する車輪速センサ38が接続され、後述する目標ヨ
ーモーメント演算手段22,実ヨーモーメント演算手段
23,駆動力配分演算手段24,トルク低減量演算手段
25,出力回路26,27,故障判定手段28を備え、
前記圧力制御弁63および切換弁64の作動の制御、お
よび図外のスロットルバルブを作動させるスロットルバ
ルブアクチュエータ70の駆動の制御に加え、故障判定
を行って故障判定時には駆動力配分制御を中止するフェ
イルセーフ制御を実行するよう構成されている。
【0025】前記目標ヨーモーメント演算手段22は、
車両挙動に応じた目標ヨーモーメントMMを求める手段
である。前記実ヨーモーメント検出手段23は、車両に
生じている実ヨーモーメントMを検出する手段である。
前記駆動力配分演算手段24は、目標ヨーモーメントM
Mと実ヨーモーメントMとを比較して、両者の差(MM
−M)に基づいて各駆動輪LW,RWの左右の目標駆動
力配分量TMを求める演算を行い、この演算結果に基づ
いて圧力制御弁63の出力値を決定する手段である。図
7は、実施の形態の構成および作動説明図であって、こ
の図では、駆動力配分機構21が、目標ヨーモーメント
MMと実ヨーモーメントMとの差分のヨーモーメントを
発生していることを示している。
【0026】前記トルク低減量演算手段25は、図8の
フローチャートに示すトルク低減制御を実行するもの
で、まず、ステップS1において、車輪速センサ38か
ら得られる左右の駆動輪(後輪)の車輪速VL,VR
と、車速センサ36から得られる車速Vと、ヨーレイト
センサ35から得られるヨーレイト△ψとを読み込む。
続くステップS2において、上記VL,VR,V,△
ψ、および予め入力されている車両の駆動輪のトレッド
長Ltとに基づいて、 α=|(VL−VR)/(VL+VR)+(Lt×△
ψ)/(2×V)| の演算式により左右駆動輪の速度差に基づくスリップ率
αを求める。ステップS3では、このスリップ率αと予
め入力されている図9に示すマップとに基づいてトルク
低減量△TEを求め、続くステップS8において、トル
ク低減量△TEに応じた指令値を出力する。この出力に
より出力回路27からスロットルバルブアクチュエータ
70に向けて制御信号が出力されて、エンジンの駆動ト
ルクが低減される。
【0027】なお、上記演算式の(VL−VR)/(V
L+VR)の項から解るように、スリップ率αは、左右
の駆動輪に差が生じない場合には、その値は0であっ
て、左右の駆動輪速に差が生じることで初めて値が生じ
る。したがって、旋回半径に比例した値となる。さら
に、このスリップ率αは、(Lt×△ψ)/(2×V)
の補正項から解るように、よりいっそう旋回半径に応じ
た値とすべく、車速Vが大きいほど小さな値となる一
方、ヨーレート△ψが大きいほど大きな値となる補正を
行うもので、すなわち、旋回時には、駆動力配分の指令
を行っていない状態であっても内輪よりも外輪の方が早
くなって、左右輪速差が生じるため、この差分を考慮す
るものである。ちなみに、スリップ率αは、図10に示
すように、前後加速度が大きくなるほど大きな値とな
る。
【0028】次に、故障判定手段28で実行するフェイ
ルセーフ制御について説明すると、図11のフローチャ
ートに示すように、まず、ステップS11において、ト
ルク低減量演算手段25から旋回半径を考慮したスリッ
プ率αを読み込む。続くステップS12では、所定の制
御時間遅れ時間Tを持たせて駆動力配分演算手段24か
らの出力である目標駆動力配分量TMn−1を読み込
み、図12に示す予め設定されたマップに基づいてテー
ブル検索値αTMを求める。次に、ステップS13にお
いて、(|α−αTM|/α)×100の演算で得られ
た値が、予め設定された判定値FSよりも大きいか否か
による故障判定を実行し、YESすなわち(|α−αT
M|/α)×100>FSの場合には、ステップS14
に進んで故障と判定して、駆動力配分演算手段24の演
算に基づく制御を中止させる指令信号を出力し、一方、
NOすなわち(|α−αTM|/α)×100≦FSの
場合は、ステップS15に進んで正常と判定する。な
お、駆動力配分演算手段24が制御を中止した場合、切
換弁64は中立位置、圧力制御弁63は制御圧が0(大
気圧)となり、駆動力配分制御が実行されない。
【0029】すなわち、上述した故障判定は、左右の駆
動輪の速度差に基づくスリップ率αが、駆動力配分演算
手段24が決定した目標駆動力配分量TMに対応した関
係となっているか否かを判定し、この関係にない時に、
トルク伝達に異常があるとして故障と判定するようにし
たものである。
【0030】次に、目標ヨーモーメント演算手段22に
ついて詳述する。図13は目標ヨーモーメント演算手段
22の説明図であり、目標ヨーモーメント演算手段22
は、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重演算部22
bと、各輪スリップ角演算部22dと目標横力演算部2
2gと、目標ヨーモーメント演算部22iとを備え、車
両挙動検出手段としての後述のセンサなどの入力手段に
接続されている。これら入力手段としては、通常OFF
で運転者が制動操作を行ったときにONとなるブレーキ
スイッチ31と、車両の前後方向加速度(以下、前後G
という)を検出する前後Gセンサ32と、車両の横方向
加速度(以下、横Gという)を検出する横Gセンサ33
と、運転者の操舵角度を検出する操舵角センサ34と、
車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ35と、
車速を検出する車速センサ36と、車両のスリップ角β
を検出するスリップ角検出手段37とが設けられてい
る。
【0031】前記各輪制駆動力演算部22aは、4輪の
各輪に作用する制動力および駆動力である制駆動力T
1,T2,T3,T4(ただし、T1は前左輪の制駆動
力、T2は前右輪の制駆動力、T3は後左輪の制駆動
力、T4は後右輪の制駆動力)を求めるもので、ブレー
キスイッチ31がONである時には、その時の前後Gに
相当する制動力が前後で所定の割合で4輪に働いている
とし、ブレーキスイッチ31がOFFである時には、そ
の時の前後Gに相当する駆動力が駆動輪である後輪に働
いているとして、各輪の制駆動力を求めるよう構成され
ている。具体的には、ブレーキスイッチ31からの信号
をBsig、前後Gを△△X、車両重量をmとした場合
に、下記の式に基づいて求める。 Bsig=0(ブレーキOFF)のとき、 T1=T2=0 T3=T4=m△△X/2 Bsig=1(ブレーキON)のとき、 T1=T2=m△△X・(0.7/2) T3=T4=m△△X・(0.3/2) の関係が成り立つ。
【0032】各輪荷重演算部22bは、前後G△△Xお
よび横G△△Yに応じて、各輪荷重W1,W2,W3,
W4(ただし、W1は前左輪の輪荷重、W2は前右輪の
輪荷重、W3は後左輪の輪荷重、W4は後右輪の輪荷
重)を下記の式に基づいて演算するものである。なお、
Lはホイルベース、aは前車軸から重心点までの距離、
bは後車軸から重心点までの距離、hは重心高である。 W1=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)−
0.6m△△Yh/t W2=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)+
0.6m△△Yh/t W3=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)−
0.4m△△Yh/t W4=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)+
0.4m△△Yh/t の関係が成り立つ。
【0033】各輪スリップ角演算部22dは、車両重心
点のスリップ角βに基づいて、舵角δ、ヨーレイトψ、
車速Vを用いて、前輪スリップ角βfおよび後輪スリッ
プ角βrを求める演算(下記式)を行うものである。 βf=β−(△ψ/V)Lf+δ βr=β+(△ψ/V)Lr の関係が成り立つ。
【0034】なお、スリップ角検出手段37は、ヨーレ
イト△ψと横G△△Yと車速Vに基づいて車両スリップ
角βを推定する手段である。この推定方法を説明する
と、まず、次式(21)によりコーナリングパワー推定
値PC2 を演算する。 PC2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△Y ]+f(△△Y) …(21) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両
の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリン
グパワー、第二項のf(△△Y)は横Gによる補正項で
ある) そして、前記後輪のコーナリングパワー推定値PC2 と
ヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解
析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関係式であ
る次式(22)でスリップ角(推定値)βを演算する。 β=−Kbr[(Tb s+1)/(Tr s+1)]△ψ …(12) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC2 ))V
2 )(b/V)、Tb =IV/(LbPC2 −maV
2 )、Tr =[ma/(LPC2 )]Vである]。な
お、前記補正項f(△△Y)を、次式(23)に示す、
|△△Y|の一次式とすることも可能である。 f(△△Y)=C*2|△△Y|/9.8 …(23) (C*2は後輪タイヤのサイドフォースとスリップ角図上
でサイドフォースがほぼ飽和する点と原点を結ぶ直線の
傾き) あるいは、ヨーレイト△ψの代わりに横G△△Yを用い
て、同じく車両の二輪モデルから解析的に求められる横
Gとスリップ角βの関係式である次式(24)を用いて
スリップ角(推定値)βを演算することもできる。 β=−Kbg[(Tb s+1)/(Tg2s2 +Tg1s+1)]△△Y …(24) [ここで、Kbg=(1−(ma/(LbPC2 ))V
2 )(b/V2 )、Tb =IV/(LbPC2 −maV
2 )、Tg2=[I/(LPC2 )]、Tg1=b/Vであ
る] また、上記(21)に替えて、次式(31)により後輪
のコーナリングパワー推定値PC2 を演算し、 PC2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△Y ] …(31) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、である) 上記式(22)に替えて次式(32)によりスリップ角
βを演算することもできる。 β=−Kbr[(Tb s+1)/(Tr s+1)]△ψ …(32) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC2 ))V
2 )(b/V)、Tb =IV/(LbPC2 −maV
2 )、Tr =[ma/(LPC2 )]Vである]。
【0035】前記目標横力演算部22gは、図14に示
す目標タイヤ特性マップに基づいて各輪荷重W1〜W4
と各輪スリップ角βf,βrとにより、各輪に働く目標
横力Fy1,Fy2,Fy3,Fy4を求めるものであ
る。なお、この図14において実線で示すのが目標タイ
ヤ特性であってこれは理想的なタイヤ特性に設定されて
いる。すなわち、実際のタイヤ特性は、図において点線
で示すように、スリップ角βf,βrが大きくなると横
力Fがある程度以上得られなくなり頭打ち状態となる特
性であるのに対して、この理想的に設定された目標タイ
ヤ特性は、スリップ角βf,βrが大きくなるにつれて
横力Fが大きくなるように、つまり高いコーナリングフ
ォースが得られるように設定されている。
【0036】前記目標ヨーモーメント演算部22iは、
各目標横力Fy1〜Fy4に基づいて、下記式により目
標ヨーモーメントMMを演算するよう構成されている。 MM=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b なお、図15は目標ヨーモーメント演算手段22の他例
であって、この例では、各輪荷重演算22cが、横Gに
基づいて荷重移動を演算し、この荷重移動と各輪スリッ
プ角演算部22dが求めた各輪スリップ角βf,βrと
に応じて目標横力演算部22gにおいて予め設定した目
標タイヤ特性に基づいて目標横力F1〜F4を求めるよ
うに構成した例である。なお、この荷重移動を考慮した
横力は、例えば、後述する実ヨーモーメント検出手段2
3の第1横力演算部23fのようにスリップ角βf,β
rと輪荷重Wとから求めるように構成する。
【0037】また、目標ヨーモーメントMMは、次のよ
うに演算することができる。 MM=I(d△ψ1 /dt) =(I/L)(△δV+δ△V) ここで、△ψ1 は目標ヨーレート、Iは車両慣性モーメ
ント、Lはホイルベース、δは舵角、△δは操舵速度で
ある。
【0038】次に、前記実ヨーモーメント検出手段23
について説明する。この車両ヨーモーメント検出手段2
3は、図16に示すように、各輪制駆動力演算部22a
と、各輪荷重演算部22bと、各輪スリップ角演算部2
2dと、横力低減率演算部23eと、第1横力演算部2
3fと、第2横力演算部23hと、実ヨーモーメント演
算部23iとを備えている。ここで、各輪制駆動力演算
部22aと各輪荷重演算部22bと各輪スリップ角演算
部22dとについては、上述した目標ヨーモーメント演
算手段22で説明したものと同じものであるので説明を
省略する。
【0039】前記横力低減率演算部22eは、前記各輪
制動力演算部22aが演算した各輪の制駆動力T1〜T
4および各輪荷重演算部22bが演算した各輪荷重W1
〜W4に基づき、下記式により各輪ごとの横力低減率k
1,k2,k3,k4(ただし、k1は前左輪横力低減
率、k2は前右輪横力低減率、k3は後左輪横力低減
率、k4は後右輪横力低減率)を演算するものである。
すなわち、制駆動力Tが大きくなると横力Fyが減るも
のであり、この制駆動力Tに応じた横力Fyの低減率を
演算する。 k1=(W12 −T121/2 /W1 k2=(W22 −T221/2 /W2 k3=(W32 −T321/2 /W3 k4=(W42 −T421/2 /W4 前記第1横力演算部23fは、荷重移動を考慮した横力
Fを求めるもので、輪荷重Wとスリップ角βf,βrに
より各輪に働く横力Fを図17に示すマップに基づいて
求める。なお、輪荷重Wが任意の時、マップデータ間で
補完された値が求まるよう構成する。
【0040】前記第2横力演算部23hは、各輪の横力
低減率kならびに荷重移動を考慮した横力Fとから各輪
の横力Fy1,Fy2,Fy3,Fy4(ただし、Fy
1は前左輪横力、Fy2は前右輪横力、Fy3は後左輪
横力、Fy4は後右輪横力)を下記式により求める。 Fy1=k1・F1 Fy2=k2・F2 Fy3=k3・F3 Fy4=k4・F4 前記実ヨーモーメント演算部23iは、各輪に働く横力
Fy1〜Fy4から車両に生じている実ヨーモーメント
Mを下記式により演算するものである。 M=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b である。
【0041】以上説明してきた、本実施の形態では、コ
ントロールユニット12の駆動力配分演算手段24は、
必要に応じ駆動力配分機構21に対し左右の駆動輪L
W,RWへの駆動トルクの配分を最適とする実行する。
そして、旋回時において、トルク低減量演算手段25で
は、左右駆動輪のスリップ率αに応じ、スリップ率αが
大きくなるほどトルク低減量△TEを大きくする制御を
実行するものであり、すなわち、車両の旋回限界を超え
るパワーオーバステア時には、このパワーオーバステア
の状態に高い精度で対応させてエンジンの駆動トルクを
低減させる。この制御を実行するにあたり、本実施の形
態ではスリップ率αを、左右の駆動輪速の差に基づくと
ともに、車速Vおよびヨーレート△ψに対応させて補正
を行っているため、高い精度で旋回限界付近での車両の
安定性を従来よりもよりも向上させることができるとい
う効果が得られる。
【0042】また、本実施の形態では、駆動力配分の制
御を実行するにあたり、実ヨーモーメントMを検出する
とともに、目標ヨーモーメントMMを演算して両者の差
から目標駆動力配分量TMを決定するようにしているた
め、ヨーレイトに基づく制御と比べて、制御遅れが生じ
ることがなく、また、振動も生じないものであり、制御
品質が向上するという効果が得られる。しかも、上述の
制御を実行するにあたり、入力手段としては、既存の各
センサ31〜38を用いるだけであり、車輪の横力を求
めるために荷重センサなどの新たなセンサを追加する必
要がないため、製造コストを低く抑えることができると
いう効果が得られる。
【0043】さらに、本実施の形態では、上述の駆動力
配分制御が正しく実行されているか否かを判定するフェ
イルセーフ制御を故障判定手段28が実行するにあた
り、既存のセンサからの信号により求めたスリップ率α
と、上述のように既存のセンサにより高い精度で得られ
た目標ヨーモーメントMMおよび実ヨーモーメントMに
基づく目標駆動力配分量TMと、に基づいて判定するよ
うに構成したため、低コストの手段により高い精度で故
障判定を行うことができるという効果を奏するものであ
り、加えて、この故障判定は、上述のように駆動輪L
W,RWの速度差によるスリップ率αに基づいて判定し
ているため、圧力制御弁63による油圧コントロール部
分よりも駆動輪側である駆動伝達系において異常が発生
した場合でもその異常を検出することができ、これによ
っても検出精度の向上を図ることができるという効果を
奏する。
【0044】
【発明の効果】本願全請求項記載の車両制御装置は、左
右の駆動輪の車輪速差であるスリップ率を求め、このス
リップ率と駆動力配分制御手段が出力する駆動力配分量
に対して、予め設定された範囲の対応関係にある場合に
は正常と判定する一方、前記対応関係にない場合には故
障と判定するよう故障判定手段を構成したため、少なく
とも駆動輪の車輪速と、駆動力配分制御手段の制御出力
とが解れば故障の有無の判定を行うことができるもので
あり、入力手段としては既存の車輪速センサがあればよ
く故障判定専用のセンサを追加する必要がないため、コ
ストダウンを図ることができるという効果を奏するとと
もに、駆動力配分制御の実行結果による駆動輪の回転の
状態と駆動力配分制御の状態とで故障を判定しているた
め、制御系だけでなく駆動力配分機構から駆動輪にかけ
ての駆動伝達系に故障が発生した場合も故障検出が可能
となり、故障検出精度が向上するという効果を奏する。
【0045】また、請求項3および請求項4に記載の発
明は、前記故障判定手段が、スリップ率αを求めるにあ
たり旋回による内外輪速度差を補正する補正項を有した
演算式を用いるようにしたため、左右の駆動輪の速度差
から旋回時の内輪と外輪との速度差の成分を取り除い
て、より精度の高い故障判定が可能となるという効果を
奏する。
【0046】また、請求項5および請求項6に記載の発
明は、故障判定を、目標駆動力配分量TMに対応したテ
ーブル検索値αTMと、スリップ率αとの差により行う
ようにしたため、駆動力配分に対するスリップ率の対応
関係を、簡易に判定することができるという効果を奏
し、かつ、目標駆動力配分量TMをヨーモーメントに基
づいて求めているために、車両に発生したヨーモーメン
トを、さらにヨーレイトセンサによりヨーレイトとして
検出してヨーレイトで制御する場合のように、駆動力配
分制御の制御結果に遅れや振動が生じることがなく、高
い制御精度が得られるという効果を奏する。
【0047】また、請求項7に記載の発明は、故障判定
においてスリップ率αと駆動力配分制御手段の出力とを
比較するにあたり、駆動力配分制御手段の出力に所定の
遅れ時間Tを持たせ、駆動力配分制御手段の出力と、こ
の制御結果であるスリップ率αとの関係を時間的に一致
させるようにしたため、故障判定精度が向上するという
効果を奏する。
【0048】また、請求項11ないし16に記載の発明
では、目標タイヤ特性とを用いて目標ヨーモーメントを
演算するように構成したため、目標タイヤ特性として理
想的特性を用いることで、理想的なタイヤ特性を得るた
めの目標ヨーモーメントを演算することができ、これに
より、より旋回限界を正確に判定することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両のヨー運動制御装置を示すクレー
ム対応図である。
【図2】2輪モデル図である。
【図3】前輪操舵角δとスリップ角βとヨーレイト△ψ
との関係を示す運動方程式のモデル図である。
【図4】上記運動方程式を簡略化したモデル図である。
【図5】実施の形態の駆動力配分機構を示す概略構成図
である。
【図6】実施の形態のブロック図である。
【図7】実施の形態の説明図である。
【図8】実施の形態のトルク低減制御を示すフローチャ
ートである。
【図9】実施の形態のトルク低減量△TEを求める特性
図である。
【図10】実施の形態の旋回限界特性図である。
【図11】実施の形態のフェイルセーフ制御をフローチ
ャートである。
【図12】実施の形態のテーブル検索値を求めるマップ
を示す特性図である。
【図13】実施の形態の目標ヨーモーメント演算手段を
示すブロック図である。
【図14】実施の形態の目標横力を求めるマップを示す
特性図である。
【図15】目標ヨーモーメント演算手段の他例を示すブ
ロック図である。
【図16】実施の形態の実ヨーモーメント検出手段を示
すブロック図である。
【図17】実施の形態の横力を求めるマップを示す特性
図である。
【符号の説明】
a エンジン b 駆動力配分機構 d 車両挙動検出手段 d1 実ヨーモーメント検出手段 d11 各輪タイヤの状態量推定手段 d111 各輪スリップ角演算手段 d112 輪荷重演算手段 d113 制駆動力演算手段 d114 横力演算手段 d2 演算手段 e 駆動力配分制御手段 e1 目標ヨーモーメント演算手段 e11 輪荷重演算手段 e12 各輪スリップ角演算手段 e13 各輪制駆動力演算手段 e14 荷重移動演算手段 e15 演算手段 f 故障判定手段 12 コントロールユニット 21 駆動力配分機構 22 目標ヨーモーメント演算手段 22a 各輪制駆動力演算部 22b 各輪荷重演算部 22d 各輪スリップ角演算部 22g 目標横力演算部 22i 目標ヨーモーメント演算部 23 実ヨーモーメント検出手段 31 ブレーキスイッチ 32 前後Gセンサ 33 横Gセンサ 34 操舵角センサ 35 ヨーレイトセンサ 36 車速センサ 37 スリップ角検出手段 38 車輪速センサ 50 差動装置 50A デファレンシャルハウジング 51 推進軸 52 減速小歯車 53 減速大歯車 54 デファレンシャルケース 55 差動小歯車 56,57 差動大歯車 58,59 車輪軸 61 油圧モータ 62 油圧ポンプ 63 圧力調整弁 64 切換弁 65 リザーバ 66 ロータリジョイント 70 スロットルバルブアクチュエータ P5,P6 入力ポート P7 吸入ポート P8 吐出ポート P11 入力ポート P12 入力ポート P13 出力ポート P14 出力ポート L1 供給通路 L2 リリーフ通路 L3 連通路 L4 連通路
フロントページの続き (72)発明者 勝山 悦生 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 佐藤 博 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3D036 GA01 GA38 GB08 GC07 GD02 GG12 GG31 GG33 GG35 GG40 GG42 GG43 GG44 GG52 GG60 GH15 GJ01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分
    させる駆動力配分機構と、 車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、 この車両挙動検出手段の検出に基づいて駆動力配分量を
    決定し、駆動力配分機構の作動を制御する駆動力配分制
    御手段と、 前記駆動力配分機構に対する制御が正常に成されている
    か否かを判定する故障判定手段と、を備えた車両制御装
    置において、 前記故障判定手段が、左右の駆動輪の車輪速差であるス
    リップ率を求め、このスリップ率と駆動力配分制御手段
    が出力する駆動力配分量に対して、予め設定された範囲
    の対応関係にある場合には正常と判定する一方、前記対
    応関係にない場合には故障と判定するよう構成されてい
    ることを特徴とする車両制御装置。
  2. 【請求項2】 前記故障判定手段は、前記スリップ率α
    を求めるにあたり左右の駆動輪速をVL,VRとしたと
    きに、 α=|(VL−VR)/(VL+VR)| の演算式を用いることを特徴とする請求項1記載の車両
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記故障判定手段は、スリップ率αを求
    めるにあたり旋回による内外輪速度差を補正する補正項
    を有した演算式を用いることを特徴とする請求項2記載
    の車両制御装置。
  4. 【請求項4】 前記故障判定手段がスリップ率αを求め
    る演算式が、 α=|(VL−VR)/(VL+VR)+(Lt×△
    ψ)/(2×V)| (なお、Lt:予め入力された駆動輪トレッド長、V
    L,VR:左右の駆動輪車輪速、V:車速、△ψ:ヨー
    レートである)であることを特徴とする請求項3記載の
    車両制御装置。
  5. 【請求項5】 前記車両挙動検出手段に、車両に生じて
    いる実ヨーモーメントを検出する実ヨーモーメント検出
    手段が含まれ、 前記駆動力配分制御手段が、前記車両挙動検出手段から
    の入力に基づいて、現在の車両挙動において必要なヨー
    モーメントである目標ヨーモーメントを求める目標ヨー
    モーメント演算手段を備え、目標ヨーモーメントと実ヨ
    ーモーメントとの差に基づいて目標駆動力配分量TMを
    決定するよう構成され、 前記故障判定手段は、予め設定されたマップに基づいて
    目標駆動力配分量TMからテーブル検索値αTMを求
    め、このテーブル検索値αTMとスリップ率αとの差が
    所定の範囲内であれば正常と判断する一方、前記差が所
    定の範囲外であれば故障と判定するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4記載の車両制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記故障判定手段は、 (|α−αTM|/α)×100の演算式で得られた値
    が、予め設定された判定値FSを越えなければ正常と判
    断する一方、前記値が判定値を越えれば故障と判定する
    よう構成されていることを特徴とする請求項5記載の車
    両制御装置。
  7. 【請求項7】 前記故障判定手段は、故障判定において
    前記スリップ率と駆動力配分制御手段の出力とを比較す
    るにあたり、駆動力配分制御手段の出力に所定の遅れ時
    間Tを持たせ、駆動力配分制御手段の出力と、この制御
    結果であるスリップ率との関係を時間的に一致させたこ
    とを特徴とする請求項1ないし6記載の車両制御装置。
  8. 【請求項8】 前記実ヨーモーメント検出手段を、車両
    挙動検出手段で得られる横力・前後力検出手段からの入
    力に基づいて実ヨーモーメントを演算する手段としたこ
    とを特徴とする請求項5ないし7記載の車両制御装置。
  9. 【請求項9】 前記実ヨーモーメント検出手段を、ヨー
    レイトセンサで得られるヨーレイトの微分値と、車両の
    ヨー慣性モーメントの値とを乗算することによって実ヨ
    ーモーメントを求める手段としたことを特徴とする請求
    項5ないし7記載の車両制御装置。
  10. 【請求項10】 前記目標ヨーモーメント演算手段を、
    舵角と車両状態量とを用いて目標ヨーレイトを演算し、
    この目標ヨーレイトの微分値と車両のヨー慣性モーメン
    トの値との乗算により目標ヨーモーメントを演算する手
    段としたことを特徴とする請求項5ないし9記載の車両
    制御装置。
  11. 【請求項11】 前記目標ヨーモーメント演算手段を、
    各輪の状態量と目標タイヤ特性とを用いて目標ヨーモー
    メントを演算する手段としたことを特徴とする請求項5
    ないし9記載の車両制御装置。
  12. 【請求項12】 前記目標ヨーモーメント演算手段が、
    各輪の輪荷重を演算する輪荷重演算手段と、各輪のスリ
    ップ角を演算する各輪スリップ角演算手段と、各輪の制
    駆動力を演算する各輪制駆動力演算手段と、を含み、前
    記各輪の状態量として、輪荷重、スリップ角、制駆動力
    を含むように構成したことを特徴とする請求項11記載
    の車両制御装置。
  13. 【請求項13】 前記目標ヨーモーメント演算手段が、
    横加速度による荷重移動を演算する荷重移動演算手段
    と、各輪のスリップ角を演算する各輪スリップ角演算手
    段と、荷重移動と各輪スリップ角のみを用いて目標タイ
    ヤ特性から目標横力を演算し、この目標横力から目標ヨ
    ーモーメントを演算する演算手段と、を備えていること
    を特徴とする請求項11記載の車両制御装置。
  14. 【請求項14】 前記実ヨーモーメント検出手段を、各
    輪タイヤの状態量推定手段と、この状態量推定手段の出
    力信号を用いて車両のヨーモーメントを演算する演算手
    段とにより構成したことを特徴とする請求項5ないし1
    3記載の車両制御装置。
  15. 【請求項15】 前記各輪タイヤの状態量推定手段が、
    車両スリップ角・舵角・ヨーレイト・車速から各輪のス
    リップ角を求める各輪スリップ角演算手段と、車両の前
    後加速度および横加速度から各輪の輪荷重を求める輪荷
    重演算手段と、ブレーキ状態および車両前後加速度から
    各輪に働く制駆動力を演算する制駆動力演算手段と、こ
    れら演算手段で得られた輪荷重・制駆動力・各輪スリッ
    プ角に基づいて各輪に働く横力を演算する横力演算手段
    と、を備えていることを特徴とする請求項14記載の車
    両制御装置。
  16. 【請求項16】 前記横力演算手段が、輪荷重とスリッ
    プ角とに基づいて制駆動力抜きの各輪に働く横力を予め
    設定されたマップにより求める手段と、制駆動力に基づ
    いて横力低減率を求める手段と、前記制駆動力抜きの横
    力と横力低減率とに基づいて各輪横力を求める手段とを
    備えていることを特徴とする請求項15記載の車両制御
    手段。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014040852A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Jtekt Corp 駆動力制御装置及び車両の制御方法

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