JP2000202054A - たるみ取り機構を備えた長さ調節装置 - Google Patents

たるみ取り機構を備えた長さ調節装置

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JP2000202054A
JP2000202054A JP11004077A JP407799A JP2000202054A JP 2000202054 A JP2000202054 A JP 2000202054A JP 11004077 A JP11004077 A JP 11004077A JP 407799 A JP407799 A JP 407799A JP 2000202054 A JP2000202054 A JP 2000202054A
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adjusting device
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 一定の張りをもたせながら常にロープのたる
みを取った状態を維持できる、長さ調節装置を備えた巻
取り装置の提供。 【解決手段】 ロープ2が巻き取られた巻き取り装置4
からのロープ2の引き出し長さを任意の長さでロックし
得る長さ調節装置において、内部にロープ2が挿通する
挿通路を有し回動することによりロープを外側に巻き付
ける回動体3と、該回動体3を固定状態と回動自在とに
任意に切り替える機構とからなり、該回動体3が固定状
態の時にはロープ2のロックは解除されており、回動自
在に切り替えた時には連動してロープ2がロックされ、
かつ回動体3には一の回転方向に張力が加えられてロー
プ2のたるみ分を一定の張りを確保しながら常時吸収す
るか、或いは回動体3には一の回転方向にのみ回転可能
なラチェット機構が働いてロープ2の増し締めを可能と
した長さ調節装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、命綱、高所安全
帯、高層物・斜面等の昇降用安全帯、愛玩犬等の引き紐
やつなぎ止め紐、車両等の牽引ロープ、親綱、ガードロ
ープ、又はラッシング等のたるみ取り機構を備えた長さ
調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、命綱、高所安全帯、高層物・斜面
等の昇降用安全帯、愛玩犬等の引き紐やつなぎ止め紐、
車両等の牽引ロープ等においては、一定の長さに切断さ
れたロープの両端もしくは一端にフック等の接続金具を
取り付けて用いるか、もしくはロック機構の備わった巻
き取り装置にロープをあらかじめ巻き込んでおき、そこ
から適当な長さのロープを引き出してロックし、その長
さの範囲の中で作業、運動等の動作を行うか、もしくは
自動車用の3点式シートベルトにみられるような、通常
は巻き取り装置に巻き込まれた長さの分だけ自由に出入
り出来るロープが、大きな衝撃荷重を受けたとき緊急ロ
ックされ、それ以上のロープの引き出しを停止する装置
を用いるかしていた。
【0003】又、親綱、ガードロープ、ラッシング等に
おいては、定められた長さのロープの一方端にフック等
の接続金具を取りつけ、他方端にロープ緊張機等の一部
増し締めも可能なロック機構を備えたフック等を取り付
けたものを用い、両端のフック等を親綱、ガードロー
プ、ラッシング等が必要とされる個所に引っかけ、ロー
プ緊張機等ロック機構に引き通されたロープを手の力も
しくはラチェットを用いて張りを持たせた状態でロック
して使用していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、愛玩犬等の引
き紐においては、愛玩犬等を連れ歩く環境に応じて、例
えば市街地等を連れ歩くときには出来るだけ短く、郊外
等で運動させるときには長くというように引き紐の長さ
が変化する事が望ましいが、一定の長さに切断されたロ
ープの一端にフック等を取り付けた引き紐では長さを変
える事が出来ず、たとえ飼育者が一緒に動き回るとして
も、引き紐を付けたまま郊外で思うような運動をさせる
事が極めて難しかった。
【0005】その問題を解決するために最近は、ロック
機構の備わった巻き取り装置にロープをあらかじめ巻き
込んでおき、そこから適当な長さのロープを引き出して
ロックし、その長さの範囲の中で愛玩犬等の動物を運動
させる事が可能になったが、そのようにして移動を停止
されたロープは、ロックを解除するまでは常に一定の長
さを維持しており、愛玩犬等の運動方向によってはロー
プにたるみが生じ、そのたるみが大きくなると、ロープ
がベンチ等障害物や愛玩犬等自身に絡まってしまう事が
多く発生していたし、愛玩犬等を庭先などにつなぎ止め
ておくつなぎ止め紐においても同様な問題が発生してい
た。
【0006】車両等の牽引ロープにおいても前述したよ
うな問題があり、特にロープに発生したたるみが走行路
面上等の障害物もしくは車両等自身に絡まるなどして、
思わぬ事故につながるケースが多々あり、ロープのたる
みを解消するために、最近は牽引に必要な強度を外層部
に求め、芯部にストレッチ素材を用いてそのストレッチ
素材の戻り応力でたるみを取るような、芯入り袋組織の
ロープが登場してきているが、ストレッチ素材は応力劣
化が激しいものがほとんどであるため、劣化の見極めを
しないで用いたために牽引中にストレッチ素材の破断が
発生したりするケースがあったし、またそのような材料
構成であるために、ロープそのものの容積がどうしても
大きくならざるを得ない欠点を有していた。
【0007】又、命綱、高所安全帯、高層物・斜面等の
昇降用安全帯等においても前述した愛玩犬等の引き紐と
同じような構造の安全帯を用いており、代表的な例とし
ては、安全帯のロープの一方端部を作業者の主に腰部付
近に接続し、他方端部を例えばフック等の接続金具を用
いて、ビル建設現場や斜面等の作業個所近くの梁等の骨
材もしくは親綱等に接続して、ロープの長さの範囲内で
作業を行っているが、この場合、作業者の活動範囲は、
転落したとき大きな事故を招かない程度で出来るだけ大
きな範囲を確保する事が、作業効率や作業員のストレス
軽減の意味から好ましいのであるが、ロック機構の備わ
った巻き取り装置を備えていない一定の長さに切断され
たロープによる安全帯は、安全帯の長さが落下の危険を
考慮して極めて短く設定されているため、作業者にはほ
とんど移動の自由がなく、たとえ親綱に接続していて
も、ほとんど親綱の下から離れる事が出来ないでいた。
【0008】又、ロック機構の備わった巻き取り装置を
備えた安全帯においても、ロープを長く引き出してロッ
クした場合、移動方向によってはロープにたるみが発生
し、それが身辺の建設材料等に絡まってしまう等の障害
が発生する危険度が極めて高くなり、現実的には巻き取
り装置を備えていない安全帯とほぼ同程度の長さしか引
き出せないでいた。
【0009】最近は緊急ロック機構を備えた安全帯が一
部に提供されており、その安全帯はロープを常に緊張状
態の中で自由に出入りさせ、緊急ロック機構に衝撃が加
えられたときロープの引き出しが緊急停止される構造を
有しており、ロープにはたるみは発生しないが、ロープ
が巻き取り装置に巻き込まれた長さの分だけ自由に引き
出されてしまうために、作業者等が天地の方向に移動す
る場合はともかく、それ以外の方向例えば左右に移動し
ている場合、ロープの引き出し長さは作業者等の移動に
対して無制限であり、ロープが長く引き出された状態で
落下した場合の事を考えると危険な使用方法といえた。
【0010】又、親綱、ガードロープ、ラッシング等に
おいては、一定の長さのロープを用いるため、現場毎に
長さの異なる親綱やガードロープを複数用意しなくては
ならず、在庫量が膨大になっていたし、ロープに緊張を
与えるにしても、手の力だけで引っ張ってロックする場
合がほとんどであるため充分な張りが取れず、親綱やガ
ードロープが人等の重みや自然伸張によってたるんでし
まい、作業者の足場が不安定になったり、ガードロープ
にもたれた人が転倒したりする事故も時々発生してい
た。
【0011】上記の問題に鑑み、ガードロープの一部も
しくはラッシングにおいては、ラチェットを備えた巻き
取り装置を用いた商品が出回っているが、この種類の商
品においては巻き取り装置内に巻き残されたロープの遊
びを全て取り去った後に、初めて増し締めが機能し始め
る事が構造的に必要であるため、ラチェットギアを廻す
回数が非常に多くなり作業が煩瑣になる事は勿論、巻き
取り装置内に巻き残されたロープ間の摩擦力が意外に大
きいため、増し締めの程度によっては巻き取り装置内に
ロープの遊びが残ってしまい、強い力が掛かったときロ
ープにたるみが発生するような危険性を常にはらんでい
た。
【0012】そこでこの発明の課題は、所要の長さのロ
ープをあらかじめ巻き込んだ巻き取り装置の付いた、命
綱、高所安全帯、高層物・斜面等の昇降用安全帯、愛玩
犬等の引き紐やつなぎ止め紐、車両等の牽引ロープにお
いて、希望の長さのロープを引き出してロックした後に
おいても、引き出されたロープの長さの範囲において、
作業者や愛玩犬等ならびに車両等の動きに合わせて、一
定の張りをもたせながら常にロープのたるみを取った状
態を維持し、命綱および高所安全帯、高層物・斜面等の
昇降用安全帯、愛玩犬等の引き紐やつなぎ止め紐におい
ては、あらかじめ設定された荷重を越えた負荷が転落等
によって掛かったとき、ロックされた状態のままでゆっ
くりとロープが滑り出る事によって、愛玩犬等や作業者
にかかる衝撃を緩和すると共に、状況によっては作業者
を安全なもしくは救出可能な地点までゆっくりと降ろす
事を可能にする製品を提供することである。
【0013】更に、親綱、ガードロープ、ラッシング等
においては従来何種類も在庫しておかなければならなか
ったものをほとんど1〜2種類に統合し、更により正確
な力と極めて短い距離で確実な増し締めが行われ、格納
等のため巻き取り装置にロープを巻き取る際において
も、制御可能な巻き込み力によって巻き取る事によっ
て、ロープの跳ね現象を防止出来る製品を提供する事に
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1の発明は、ロープ(細幅ベルト、組紐、編
紐、又は撚紐等の繊維もしくは金属もしくは樹脂もしく
はそれらの組み合わせ等で構成された、一定の長さを有
する細長い形状物)が巻き取られた巻き取り装置からの
ロープの引き出し長さを任意の長さでロックし得る長さ
調節装置において、内部にロープが挿通する挿通路を有
し回動することによりロープを外側に巻き付ける回動体
と、該回動体を固定状態と回動自在とに任意に切り替え
る機構とからなり、該回動体が固定状態の時にはロープ
のロックは解除されており、回動自在に切り替えた時に
は連動してロープがロックされ、かつ回動体には一の回
転方向に張力が加えられることにより、ロープのたるみ
分を一定の張りを確保しながら常時吸収する、たるみ取
り機構を備えた長さ調節装置である。
【0015】上記発明によれば、所要の長さのロープを
あらかじめ巻き込んだ巻き取り装置の付いた命綱および
高所安全帯や高層物・斜面等の昇降用安全帯、愛玩犬等
の引き紐やつなぎ止め紐、車両等の牽引ロープ等におい
て、巻き取り装置内に巻き込まれているロープを、愛玩
犬等や作業者の動作等によって希望の長さ引き出した
後、それ以上ロープの長さが変化しないように一時的に
ロックする事によって、ロックされたロープの長さの範
囲内で愛玩犬等や作業者の自由な行動もしくは車両の牽
引を可能にし、更に回動体が一方向に回転力が加えられ
てロープを巻き込んでいく張力が発生しているので、ロ
ックされたロープの長さより短い距離に愛玩犬等や作業
者、車両等が移動したとき、長さが余って生じたロープ
のたるみを、一定の張りを確保しながら常時吸収する事
が可能となる。
【0016】又、請求項2の発明は、上記請求項1の発
明において、引き出し長さを任意の長さでロックされた
ロープに、あらかじめ任意の値に設定された荷重以上の
負荷が掛かったとき、ロープがロック状態を保ったま
ま、ゆっくりと滑り出すようにした、たるみ取り機構を
備えた長さ調節装置である。
【0017】上記発明によれば、それ以上ロープの長さ
が変化しないよう希望の長さで一時的にロックされたロ
ープに、例えば作業者が足を踏み外して転落しそうにな
ったり、もしくは愛玩犬等が何かに驚いて突発的に駆け
出そうとしたり等で、あらかじめ任意の値に設定された
荷重以上の大きな負荷が掛かったとき、ロックされた状
態のままで緩やかにロープが滑り出る事によって、愛玩
犬等の動物や作業者にかかる衝撃を緩和すると共に、状
況によっては作業者を安全なもしくは救出可能な地点ま
でゆっくりと降ろす事が可能となる。
【0018】又、請求項3の発明は、ロープが巻き取ら
れた巻き取り装置からのロープの引き出し長さを任意の
長さでロックし得る長さ調節装置において、内部にロー
プが挿通する挿通路を有し回動することによりロープを
外側に巻き付ける回動体と、該回動体を固定状態と回動
自在とに任意に切り替える機構とからなり、該回動体が
固定状態の時にはロープのロックは解除されており、回
動自在に切り替えた時には連動してロープがロックさ
れ、かつ回動体には一の回転方向にのみ回転可能なラチ
ェット機構が働き、ロープをより強く緊張させるための
増し締めを可能とした、たるみ取り機構を備えた長さ調
節装置である。
【0019】上記発明によれば、引き出されるロープの
端末と、この発明のたるみ取り機構を備えた長さ調節装
置の両方に、フック等の接続金具を取り付け、両方のフ
ック等の接続金具を親綱、ガードロープ、ラッシング等
が必要とされる個所に引っかけた後、たるみ取り機構に
備えられたラチェット等をハンドル等でわずかに廻す事
によって確実な増し締めを可能にし、巻き取り装置に装
備されているロープの全延長分の長さの範囲において、
自由な張り長さと張りの強さを設定する事が可能とな
る。
【0020】又、請求項4の発明は、上記請求項3の発
明において、巻き取り装置の巻き込み力を、自力ではロ
ープを巻き取れない程度に制限しておき、巻き取りのた
めのハンドルを取り付けるかあるいは着脱自在に取り付
け可能にし、巻き込み力に起因して発生するロープの跳
ね現象を防止することを可能とした、たるみ取り機構を
備えた長さ調節装置である。
【0021】上記発明によれば、増し締めが行われ強く
緊張された親綱、ガードロープ、ラッシング等を格納等
のため、ロープの緊張を解除し引き出されたロープを巻
き取り装置に巻き取る際、強力な巻き込み力に起因して
発生するロープの跳ね現象を防止する事が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の構成を図面を参考に
して説明する。
【0023】図1は本発明のたるみ取り機構を備えた長
さ調節装置を用いた製品、例えば、命綱、高所安全帯、
高層物・斜面等の昇降用安全帯、愛玩犬等の引き紐やつ
なぎ止め紐、車両等の牽引ロープ等の製品全体の配置の
一例の概要を説明しており、所要な長さのロープを巻き
込んだ巻き取り装置4から引き出されたロープ2は、回
動体3を経由して、それら一式を収納したケース1の挿
通窓から外に出るようになっている。
【0024】尚、50,51はそれぞれ回動体3ならび
に巻き取り装置4に接続された回転軸であり、ボールベ
アリング等を介してケース1の軸受け部に接続してい
る。
【0025】又、希望の長さでロープ2を一時的にロッ
クもしくは解除するために、レバー6から紐状7を介し
てカムシステム5を作動させる事によって上下する押し
鋲8が回動体3の上側に設けられており、該押し鋲8
は、該押し鋲8が後述する図4乃至図6他で示す回動体
3内に取り付けられた加圧装置18を操作する事によっ
てロープ2をロックする。尚、押し鋲8は、回動体3の
内部でロープ2をロックもしくは解除するのみならず、
回動体3を固定状態と回動状態とに切り替える作用もあ
る。
【0026】この製品において、押し鋲8を確実に上下
させる事が出来れば、その仕組みは例えば電動モーター
によるギア駆動方式等、図1に示したレバー6と紐状7
を介したカムシステム5を用いる方法以外の方法による
事は可能であるし、レバー6の形状にしても図1に示し
た以外、例えばトリガーのような形状等他の形状による
事は可能であり、ケース1の形状ならびに材質ならびに
ケース1に収納されるそれぞれの装置や部品等の位置関
係も、本発明の効果を満たすに足る強度や通常使用する
に支障の無い程度の重さ等が確保され、それぞれの装置
や部品等が本発明の目的を損なう事無く、確実に効率よ
く収納され機能するのであれば、例えば押し鋲8が回動
体3の側面に機能するように設置する等、自由な材質や
形状ならびに配置によることは可能である。
【0027】図2並びに図3は本発明のたるみ取り機構
を備えた長さ調節装置における回動体3の仕組みの概要
の一例を説明しており、図2においてロープ2は、Bの
ごとく両方向回転可能な巻き取り装置4の、ぜんまいも
しくは渦巻バネ13の戻ろうとする力によって、ロープ
を引き込むに足る範囲で出来るだけ軽微な巻き込み力E
を常に受けながら、例えばカムシステム5の軸10を回
転軸とするカム9によって押される等により押し下げら
れた押し鋲8によって、回転を停止させられた回動体3
の中をCの如く自由に行き来する。
【0028】図3において、例えばカムシステム5の作
動によってカム9が倒れることにより、図4で示す蔓巻
バネ14により常に上向きの力が加えられている押し鋲
8は持ち上がり、回動体3はAの如く両方向に回転が可
能になると共に、ロープ2は、後述する図4乃至図6他
で示す回動体3内の加圧装置18の作動によって任意の
長さで一時的にロックされながら、回動体3に取り付け
られたぜんまいもしくは渦巻バネ12の戻ろうとする力
Dと、愛玩犬等や作業者もしくは車両等の前進しようと
する力によって、C′のごとく前後に行き来する。
【0029】この場合、ぜんまいもしくは渦巻バネ12
の戻ろうとする力Dは、巻き取り装置4のぜんまいもし
くは渦巻バネ13の戻ろうとする力Eに比較して大きい
事が必要であり、それぞれの力の大きさはこの発明の長
さ調節装置が用いられる製品用途に応じて個別に定める
事が可能である。
【0030】又、図2並びに図3において、カム9には
一方端をケース1に接続された蔓巻バネ11が接続され
ており、紐状7を引きカム9を倒したとき蔓巻バネ11
は伸び、紐状7をゆるめたときカム9は蔓巻バネ11の
戻ろうとする力によって立つようになっているが、カム
の形状並びにカムの動かし方等は、押し鋲8を的確に上
下出来れば、卵型等いかなる形状並びにクランク方式等
いかなる方法による事も可能である。
【0031】尚、レバー6により一旦カム9を倒した
際、そのままでは蔓巻バネ11の力によってカム9が立
って押し鋲8が下に押されて思わぬ時点で回動体3の回
動を停止させ同時にロープ2のロックが外れてしまうと
いったことがないように、レバー6を手前に引いた状態
で固定するピンロックのような既知の手段(図示せず)
が設けてある。
【0032】図4並びに図5並びに図6は本発明の長さ
調節装置における押し鋲8の、回動体3と加圧装置18
に対する働きを、図4に於いては側面から、図5に於い
ては正面から、図6に於いては上面からそれぞれ説明し
ており、図4(A)は回動体3を固定している状態、図
4(B)、図5、及び図6は、回動体3が回動自在とな
った状態を示している。
【0033】押し鋲8は、例えば上下をビス等15によ
ってケース1と押し鋲8に取り付けられた2個の蔓巻バ
ネ14によって常に引き上げられようとする力を受ける
保持部16と、2個の突起部17で構成され、回動体3
の鍔部によって上下方向以外への遊動を制御されている
押し鋲8は、カムシステム5の回転によりカム9が立つ
事によって、強制的に図4(A)に示す位置まで下方に
押し下げられ、それに従って押し鋲8の下部の突起部1
7が回動体3に取り付けられた加圧装置18の筒内に進
入し、回動体3の回転を停止させると共に加圧装置18
の上向き方向の加圧を解除し、ロープ2は回動体3に設
けられた挿通路19の中を自由に行き来する事ができる
ようになる。
【0034】図4(B)や図5及び図6に示すように、
カムシステム5の回転によりカム9が横になって押し鋲
8が引き上げられ、突起部17が加圧装置18並びに回
動体3から離れると、回動体3はAのごとく両方向に回
転が可能になり、更に加圧装置18が上向きの加圧動作
をする事によって、ロープ2がその時点で一時的にロッ
クされ、それ以上ロープの長さが変化しない状態のまま
で発生するたるみを取る事が可能になる。
【0035】この場合、押し鋲8は、回動体3の鍔部に
よって遊動を制御されるようになっているが、例えばケ
ース1にガイドを設けてそのガイドに押し鋲8の遊動を
制御させる事によって鍔部をより小さくする等、ほかの
手段による事は可能であるし、蔓巻バネ14並びに突起
部17並びに加圧装置18の数も2個として説明してい
るが、それぞれの目的が達成されれば2個以外の数を用
いる事は可能であり、ギア等で押し鋲8を上下させる等
の場合には蔓巻バネ14を省略する事も可能である。
【0036】図7及び図8は、加圧装置18がロープを
ロックする様子を示すものであり、図7においてはロー
プのロックが解除され回動体3の回転が停止した状態
の、図8においてはロープがロックされ回動体3が回転
可能にある状態の、回動体3に取り付けられた加圧装置
18の仕組みを、それぞれ(A)においてロープの引き
出し口に対して正面から(B)において同じく側断面か
ら説明している。
【0037】加圧装置18は、回動体3に設けられた挿
通路19に接続する、ロープの厚みより若干高さ方向に
大きく開口部23より幅方向に大きい開口部22を有す
る外筒部20と、開口部22より高さ方向に大きくかつ
ロープの幅とほぼ同一の幅を有する開口部23を有し、
外筒部20内で上下に遊動可能な内筒部21から構成さ
れ、内筒部21は外筒部20の下面との間で蔓巻バネ2
4によって常に上方への押し圧を受けており、その押し
圧は蔓巻バネ24の選択とネジ29の締め込み加減の調
節によって強弱を調整する事が可能である。
【0038】この場合、外筒部20を別に設ける事な
く、回動体3に空洞部を設け外筒部20の役割をさせる
事は可能であるし、内筒部21は本発明の目的を達成す
るに足る強度を維持できれば、筒状もしくは棒状のいず
れの形態を用いる事も可能であり、内筒部21に常に上
方への押し圧を掛ける事が可能であれば、例えば油圧装
置もしくは磁石等蔓巻バネ24以外の方法による事は可
能であり、蔓巻バネ24の押し圧の調整にしてもネジ2
9以外、例えばギヤシステム等他の方法による事も可能
である。
【0039】図7において内筒部21は、押し鋲8の突
起部17に矢印Fの方向に押される事によって外筒部2
0内を下方へ移動し、それによって開口部23は、開口
部22の高さ分全てを包含する位置に到達し、ロープ2
は開口部22並びに23間を障害なく行き来する事が可
能になる。
【0040】図8においてロープ2が挿通された開口部
23を有する内筒部21は、突起部17が加圧装置18
から遊離した事によって、蔓巻バネ24の力により矢印
Gの方向へ押し上げられ、その事によってロープ2は開
口部22の上面に押しつけられ、開口部22の上面と開
口部23の下面との間に摩擦力によって一時的にロック
されるが、その際の蔓巻バネ24の押し上げる力を調節
する事によって、ロープ2は任意の値に設定された摩擦
力を越えた時点で、ロックされた状態のままゆっくりと
滑り出す事になる。
【0041】尚、押し鋲8並びに加圧装置18の配置
は、上記図4乃至図8で図示して説明した配置以外、例
えば回動体3の側面に挿通路19と開口部22並びに2
3が合致するように配置して機能させる等、他の配置に
よる事も可能である。
【0042】図9並びに図10並びに図11は、それぞ
れ開口部とロープ2との間の摩擦力を高め確実にロック
する方法の各例を、加圧装置18の側断面図でそれぞれ
説明しており、各図中(A)は、ロープ2が開口部22
並びに23間を障害なく行き来出来る様子を、(B)
は、内筒部21が蔓巻バネ24により矢印Gの方向へ押
し上げられる事によって、ロープ2が開口部22と開口
部23の間に摩擦力によってロックされている様子を表
している。
【0043】摩擦力を高める方法の例として、図9にお
いては開口部22の上面部周辺の図示された地点と、開
口部23の下面周辺の図示された地点に、それぞれ横
畝、菱型畝等25,26を設ける事によって凹凸を作
り、図10においては図9の畝を設けた個所とほぼ同一
の個所に、例えば発泡ポリウレタン等の発泡樹脂もしく
は皮革材もしくはゴム材等の増摩擦材を張り付け、図1
1においては開口部22の上面部間に鋼材等硬質材料で
出来た、ロープ2の幅より若干広く開口部23より狭い
幅のブリッジ30を設け、そのブリッジ30の下面に図
9のような凹凸加工もしくは図10のような増摩擦材2
7、28を張り付けるなどし、開口部22の下面部間に
もブリッジ30と同一の幅で伸縮性を有する例えばゴム
材等31を取り付け、外筒部20内をブリッジ等30,
31に阻害される事なく、内筒部21が上下出来る構造
になっているが、ロープ2との接触面の摩擦力を向上さ
せる目的が達成されるならば、上記したそれぞれの方法
を組み合わせたり上記以外の方法例えば磁石等による事
は可能である。
【0044】図12並びに図13は、親綱、ガードロー
プ、ラッシング等における増し締めが可能なように、上
述したたるみ取り機構を一部変更した長さ調節装置(請
求項3)であり、かつ、ロープの跳ね現象を防止する事
が可能な巻き取り装置を備えた(請求項4)ものを説明
しており、ケース1に固定された支点35を中心に、一
方端を紐34でカム9の図示された位置に接続されて、
重心を紐側に偏在させた動揺する爪33とギア32で構
成されるラチェット36が、回動体3のぜんまいもしく
は渦巻バネ(図示せず、図2及び図3における渦巻バネ
12と同じ)の反対面側の、ハンドル取り付け孔37を
備えた回転軸50′に接続されている。
【0045】図12において重心が偏在する爪33は、
紐34が立った状態にあるカム9によってたるんでいる
ためにギア32から離れ、それによりロープ2はラチェ
ット36の影響を受ける事なく、これまでの説明の通り
巻き取り装置4から回動体3を経由して、矢印Cのごと
く自由に行き来する事ができる。
【0046】図13においては、加圧装置18を機能さ
せるために横になったカム9が紐34を引く事によっ
て、爪33はギア32に接触してラチェット36が機能
し、ロープ2はこれまでの説明の通り回動体3によって
任意の長さで一時的にロックされるが、その時点でハン
ドル取り付け孔37にハンドルを取り付け、回動体3を
矢印A′の方向に回転させると、ロープ2は矢印C′の
方向に巻き取られる事によって増し締められ、適当な張
りを与えた任意の時点で増し締めを停止する事が可能に
なるが、爪33を確実にギア32に接触、解離させる事
が出来れば、てこ棒、ゴム糸等紐以外のいかなる方法に
よる事も可能であり、本発明の目的が達成できる範囲に
おいて、公知のラチェット機構を用いる事も可能であ
る。
【0047】更に長く引き出されたロープを収納のため
に巻き取り装置4に巻き取る際、巻き取り装置のぜんま
いもしくは渦巻バネ(図示せず、図2及び図3における
渦巻バネ13と同じ)の戻ろうとする力Eだけに頼ろう
とすると、制御されない大きな力Eがロープを激しく巻
き取ろうとする事によって、ロープが跳ねるような挙動
を示し極めて危険な事態を招く恐れがあるが、その危険
を回避するために、ぜんまいもしくは渦巻バネ13の戻
ろうとする力を単独ではロープを巻き取れない程度に設
定し、巻き取り装置4のぜんまいもしくは渦巻バネ13
の反対面側に、ハンドル取り付け孔38を回転軸51′
に接続し、そこにハンドルを取り付けて巻き取り装置4
を回転させる事によって、ぜんまいもしくは渦巻バネ1
3の力の補助を受けた制御できる巻き取り力E′を発生
せしめ、その力によってロープを巻き取るようになって
いる。
【0048】尚、巻き取り装置4を制御可能な力で回転
させる事が出来れば、ハンドルの取り付け位置を回転軸
51′以外の巻き取り装置4の任意の位置に設定する事
は可能であるし、制御できる巻き取り力E′を発生せし
める事が出来れば、ぜんまいもしくは渦巻バネ13の力
の補助を受けたハンドル以外の手段による事も可能であ
る。
【0049】図14並びに図15は、図12並びに図1
3で説明した長さ調節装置において、ラチェット36の
作動を、押し鋲8の上下に連動させるようにしたもので
あり、図14はロープ2はロックされず、かつ回動体3
が固定されている状態を示し、図15はロープ2がロッ
クされ、かつ回動体3はラチェット機構が働き、増し締
め方向に回転可能となった状態を示しており、前述の図
12並びに図13と同一部分には同一の符号を付してい
る。
【0050】図14において重心が偏在する爪33は、
紐39が下降位置にある押し鋲8によってたるんでいる
ためにギア32から離れ、それによりロープ2はラチェ
ット36の影響を受ける事なく、これまでの説明の通り
巻き取り装置4から回動体3を経由して、矢印Cのごと
く自由に行き来する事ができる。
【0051】図15においては、加圧装置18を機能さ
せるために上昇した押し鋲8が紐39を引く事によっ
て、爪33はギア32に接触してラチェット36が機能
し、前述の図13における説明と同様、ロープ2はこれ
までの説明の通り回動体3によって任意の長さで一時的
にロックされ、その時点でハンドル取り付け孔37にハ
ンドルを取り付け、回動体3を矢印A′の方向に回転さ
せると、ロープ2は矢印C′の方向に巻き取られる事に
よって増し締められ、適当な張りを与えた任意の時点で
増し締めを停止する事が可能になる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を、強度規格が300
kg以上で直径が2.5mmの皮部がナイロンで芯部が
アラミドの芯入り組み紐からなる、長さが5mのロープ
を用いた愛玩犬用の引き紐で説明する。
【0053】両側に直径55mmの鍔部を有し、直径4
0mm幅30mmのプラスチック製の芯部の巻き取り装
置4にロープ2を巻き取り、一方端部をケース1に取り
付けた渦巻バネ13の反対端部を接続して、更に巻き取
り装置の中心には細い金属棒を貫通固定し、ボールベア
リングを介してケース1に取り付けられた軸受け部と接
続して回転軸51となした。
【0054】両側に直径60mmの鍔部を有し、直径4
0mm幅30mmのプラスチック製の芯部の回動体3を
巻き取り装置の右側横に取り付け、巻き取り装置に取り
付けた渦巻バネより強い戻ろうとする力を持つ、一方端
部をケース1に取り付けた渦巻バネ12の反対端部を接
続し、更に回動体の中心には細い金属棒を貫通固定し、
ボールベアリングを介してケース1に取り付けられた軸
受け部と接続して回転軸50となした。
【0055】回動体の内部には、図4乃至図6のように
2個の加圧装置18を取り付けたが、芯部の円の頂点か
ら左右にそれぞれ10mm移動した幅の中心を中心点と
する、一辺が8mmの正方形の断面を有し深さが30m
mの穴を1個づつ合計2個うがち、直径2mmの雌ネジ
をうがたれた穴の下面の中心から巻き芯部を下方に貫通
するようにうがって加圧装置の外筒部20とし、開口部
22と挿通路19を兼ねて、高さ3.5mm幅4mmの
断面を有する四角形の孔を、先にうがたれた外筒部20
に直角に交差するよう図4のごとき芯部の位置に貫通さ
せ、孔の両端部を図4乃至図6のごとく幅方向に最大2
0mm高さ方向に最大5mmになるような、開口部に到
らない漏斗状に成形し、開口部22となる地点に図10
の如く増摩擦材27としてゴム材を張付けた。
【0056】一辺が7mmの正方形の断面を有し、高さ
が23mmのプラスチック製の四角柱の上面を芯部のr
に合わせて切り取ったものの、上面に薄いゴム材を下面
に金属板をそれぞれ張付けて内筒部21を作成し、内筒
部21の下辺から1.5mm上の幅中央部に、高さ10
mm幅3mmの四角形の断面を有する孔を開口部23と
して貫通させ、開口部の下面に27と同様のゴム材28
を張付けた後、下面の金属板に長さ15mm直径7mm
の蔓巻バネ24の上端を溶接し、蔓巻バネの下端も同様
な金属板に溶接して、開口部22,23それぞれの開口
面が合うように外筒部へ挿入し、先にうがかれた雌ネジ
にネジ29をねじ込んだ。
【0057】回動体の芯部のrと同一のrをもつ、幅が
25mm長さが40mmの金属製の保持部16を作成
し、その両端近くに、一辺が6.5mmの正方形の断面
を有し長さが5mmの、下断面を内筒部上面のrにあわ
せて成形された金属製の突起部17を、図4のように2
個の加圧装置の内筒部に嵌合するそれぞれの位置に固定
した後、保持部16の両端とケース1を2個の蔓巻バネ
14で連結して押し鋲8を作成した。
【0058】カムシステム5は、図4乃至図6のごとく
長さ31mm幅7mm厚み5mmのプラスチック製のカ
ムの回転軸10をケース1に取り付け、図2のようにカ
ムが立ったときのカム上端部に、蔓巻バネ11の一端を
接続し反対端をケース1に接続した。
【0059】蔓巻バネが接続されたカム上端部の同一場
所と、金属製のレバー6の上端部を、直径1mmのアラ
ミド製ロープで図1のごとく連結したが、レバー6はケ
ース1に設けられたガイドに沿って図1の矢印のごとく
前後に移動し、カム9が図2乃至図3のそれぞれの位置
に達したときに、一時的に停止するような構造を持っ
て、図1のような窓の開いたケースに取り付けた。
【0060】レバー6を前に送り、カム9が倒れた状態
にして、ロープ2を挿通路19に沿って引き通し、ケー
ス1の挿通窓から引きだした後、ロープと愛玩犬との接
触部を柔らかにするため、長さ20cm直径5mmのア
クリル製の組み紐に接続した後、フックを取り付けて愛
玩犬用の引き紐を完成した。
【0061】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の長さ調節装置を
用いた愛玩犬等の引き紐及びつなぎ止め紐によって、従
来往々にしてあったように、公園内において引き紐を放
された愛玩犬等が駆け回ってしまい、周囲に迷惑を掛け
るような事がなくなり、紐を長く引き出して紐の長さを
半径とした円の中で、愛玩犬等に自由な運動をさせた場
合でも、引き紐は愛玩犬等の動きに合わせ常に適度に緊
張しており、従来見受けられたような、たるんだ引き紐
がベンチ等の障害物や愛玩犬等自身の身体に絡まってし
まう事態を解消する事が出来るし、また愛玩犬等は何か
に驚いたとき反射的に激しい動きを示すが、その時に引
き紐もしくはつなぎ止め紐の長さが固定されているため
に首輪にかかってしまう極めて大きな衝撃荷重は、本発
明による愛玩犬等の引き紐及びつなぎ止め紐によって確
実に軽減する事が出来る。
【0062】又、車両等の牽引ロープにおいてもロープ
に発生するたるみを取る事は、たるみが招く、ロープの
路面の障害物あるいは車両とのからがりを確実に防止す
る事が出来、しかもストレッチ素材を用いたものに比較
して格段の耐久性を確保できると共に、芯入り袋組織の
ロープに比較して本発明のロープは極めて細く作成する
事が可能なため、あたかもジープ等の前面に常備するウ
インチのような設置ならびに用法も可能になる。
【0063】更に、命綱、高所安全帯及び高層物・斜面
等の昇降用安全帯においては、本発明によって、ロープ
は作業者等の希望する長さでロックされたまま、作業者
等の動きに合わせて常に適度な緊張を保っているため、
作業者等が例えば横方向に移動するためにロープを規定
の範囲内で幾分長く引き出して用いても、ロープのたる
みが工事現場等に散在する工事用材料や工事途中の突起
物に絡まってしまい、意図しない方向から力を加えられ
るという、作業者の転落事故の主要な原因を回避する事
が出来る。
【0064】次に、本発明の請求項2に記載の長さ調節
装置を用いた命綱、高所安全帯、及び高層物・斜面等の
昇降用安全帯においては、万一作業者が転落したとして
も、その時にかかる大きな衝撃荷重を確実に軽減し、場
合によっては作業者をそのまま安全な高さまでゆっくり
と降下させる事によって、作業者の安全面に大きな貢献
をする事が出来る。
【0065】又、本発明の請求項3に記載の長さ調節装
置を用いた親綱、ガードロープ、又はラッシングにおい
ては、希望の長さのロープを巻き込んだ巻き取り装置か
ら実際に必要な長さのロープを引き出して張り渡し、そ
のロープを緊張させる事によって、従来必要とされてい
た、現場毎に長さの違う沢山の種類の親綱を持ち込んだ
り在庫したりする必要がなくなり、更に本発明の長さ調
節装置を用いる事によって、ラチェットギアを僅かに廻
すだけでロープは希望する緊張に達すると共に、巻き取
り装置内に残されたロープの、残存する遊びを全く無視
した増し締めが可能になる。
【0066】更に、本発明の請求項4に記載の長さ調節
装置を用いた場合、ロープを格納等のため巻き取り装置
に巻き込む際に発生していた、ロープが跳ねると云う極
めて危険な現象も解消される事によって、作業員のスト
レスや労力の軽減ならびに安全に大きく寄与する事が出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の長さ調節装置を示す側面図である。
【図2】この発明の長さ調節装置の要部を示す側面図で
ある。
【図3】この発明の長さ調節装置の要部を示す側面図で
ある。
【図4】この発明の回動体を示す側面図で、(A)は押
し鋲が下降位置にある状態 (B)は押し鋲が上昇位置
にある状態を示す。
【図5】この発明の回動体を示す正面図である。
【図6】この発明の回動体を示す上面図である。
【図7】加圧装置において、ロープのロックが解除され
回動体の回動が停止した状態を示すもので、(A)は正
面図、(B)は側面図である。
【図8】加圧装置において、ロープがロックされ回動体
が回動可能な状態を示すもので、(A)は正面図、
(B)は側面図である。
【図9】加圧装置において、ロープがロックされる部分
の一例を示す側面図で、(A)はアンロック状態、
(B)はロック状態を示す。
【図10】加圧装置において、ロープがロックされる部
分の他の例を示す側面図で、(A)はアンロック状態、
(B)はロック状態を示す。
【図11】加圧装置において、ロープがロックされる部
分の他の例を示す側面図で、(A)はアンロック状態、
(B)はロック状態を示す。
【図12】この発明の増し締め可能な長さ調節装置の要
部を示す側面図である。
【図13】この発明の増し締め可能な長さ調節装置の要
部を示す側面図である。
【図14】この発明の増し締め可能な長さ調節装置の他
の例の要部を示す側面図である。
【図15】この発明の増し締め可能な長さ調節装置の他
の例の要部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ケース 2 ロープ 3 回動体 4 巻き取り装置 5 カムシステム 6 レバー 7 紐状 8 押し鋲 9 カム 10 軸 11 蔓巻バネ 12,13 渦巻バネ 14 蔓巻バネ 15 ビス 16 保持部 17 突起部 18 加圧装置 19 挿通路 20 外筒部 21 内筒部 22 開口部(外筒部の) 23 開口部(内筒部の) 24 蔓巻バネ 25,26 菱型畝 27,28 増摩擦材 29 ネジ 30 ブリッジ 31 ゴム材 32 ギヤ 33 爪 34,39 紐 35 支点 36 ラチェット 37,38 ハンドル取り付け孔 50,50´,51,51´ 回転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細幅ベルト、組紐、編紐、又は撚紐等の
    繊維もしくは金属もしくは樹脂もしくはそれらの組み合
    わせ等で構成された、一定の長さを有する細長い形状物
    (以下、ロープ)が巻き取られた巻き取り装置からのロ
    ープの引き出し長さを任意の長さで固定(以下、ロッ
    ク)し得る長さ調節装置において、内部にロープが挿通
    する挿通路を有し回動することによりロープを外側に巻
    き付ける回動体と、該回動体を固定状態と回動自在とに
    任意に切り替える機構とからなり、該回動体が固定状態
    の時にはロープのロックは解除されており、回動自在に
    切り替えた時には連動してロープがロックされ、かつ回
    動体には一の回転方向に張力が加えられることにより、
    ロープのたるみ分を一定の張りを確保しながら常時吸収
    することを特徴とする、たるみ取り機構を備えた長さ調
    節装置。
  2. 【請求項2】 引き出し長さを任意の長さでロックされ
    たロープに、あらかじめ任意の値に設定された荷重以上
    の負荷が掛かったとき、ロープがロック状態を保ったま
    ま、ゆっくりと滑り出すようにしたことを特徴とする、
    請求項1記載のたるみ取り機構を備えた長さ調節装置。
  3. 【請求項3】 ロープが巻き取られた巻き取り装置から
    のロープの引き出し長さを任意の長さでロックし得る長
    さ調節装置において、内部にロープが挿通する挿通路を
    有し回動することによりロープを外側に巻き付ける回動
    体と、該回動体を固定状態と回動自在とに任意に切り替
    える機構とからなり、該回動体が固定状態の時にはロー
    プのロックは解除されており、回動自在に切り替えた時
    には連動してロープがロックされ、かつ回動体には一の
    回転方向にのみ回転可能なラチェット機構が働き、ロー
    プをより強く緊張させるための増し締めを可能としたこ
    とを特徴とする、たるみ取り機構を備えた長さ調節装
    置。
  4. 【請求項4】 巻き取り装置の巻き込み力を、自力では
    ロープを巻き取れない程度に制限しておき、巻き取りの
    ためのハンドルを取り付けるかあるいは着脱自在に取り
    付け可能にし、巻き込み力に起因して発生するロープの
    跳ね現象を防止することを可能としたことを特徴とす
    る、請求項3におけるたるみ取り機構を備えた長さ調節
    装置。
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