JP2000201686A - 癌の血管新生を抑制するリボザイム及び癌治療用組成物 - Google Patents

癌の血管新生を抑制するリボザイム及び癌治療用組成物

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JP2000201686A
JP2000201686A JP11009457A JP945799A JP2000201686A JP 2000201686 A JP2000201686 A JP 2000201686A JP 11009457 A JP11009457 A JP 11009457A JP 945799 A JP945799 A JP 945799A JP 2000201686 A JP2000201686 A JP 2000201686A
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cancer
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nucleic acid
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Masato Nakamura
雅登 中村
Yasuyuki Onishi
保行 大西
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JITSUKEN DOUBUTSU CHUO KENKYUSHO
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JITSUKEN DOUBUTSU CHUO KENKYUS
JITSUKEN DOUBUTSU CHUO KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌の遺伝子治療にリボザイムを利用するこ
と。 【解決手段】 特に血管内皮成長因子(VEGF)mR
NAの切断を介して癌の血管新生を抑制する能力をもつ
リボザイム、そのリボザイムをコードする核酸分子、そ
の核酸分子を含むベクター、そのベクターを含む宿主細
胞、そのリボザイム又はベクターを含む癌治療用の医薬
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌の血管新生を抑
制する能力をもつリボザイムに関する。特に、血管内皮
成長因子mRNAの切断を介して癌の血管新生を抑制す
るリボザイムに関する。本発明はまた、そのようなリボ
ザイムをコードする核酸分子、該分子を含むベクター、
該ベクターを含む宿主細胞、並びに該ベクターを含む癌
を治療するための医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】血管新生は、腫瘍の成長及び転移にとっ
て必須の過程であり、腫瘍間質での血管新生の抑制は新
しい抗癌治療のための有効な戦略の1つである。腫瘍で
の血管新生の抑制に関して種々の標的分子が報告されて
いる(S.Y. Chen et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. US
A, 1996, 93:8502-8507)。血管内皮成長因子(以下
「VEGF」という)に対するモノクローナル抗体もま
た腫瘍の血管新生及び成長を抑制することが報告されて
いる(L.Claesson-Welsh et al., Proc. Nat'l. Acad.
Sci. USA, 1998, 95:5579-5583; Z.Wu et al., Bioche
m. Biophys. Res. Commun., 1997, 236:651-654; M.S.
O'Reilly et al., Cell, 1997, 88:277-285)。
【0003】しかしながら、これらの抗血管新生戦略は
癌間質の血管新生に特異的でないため、生理学的血管新
生あるいは組織低酸素症からの回復のための標準的機序
に対し悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、可溶性V
EGF受容体flt-1によるVEGFの阻害の結果、ラッ
トにおいて卵巣黄体形成の完全抑制が生じたことが報告
されている(N. Ferrara et al., Nature Med., 1998,
4:336-340)。したがって、癌血管新生に特異的な分子
標的を同定し癌に対する有効な血管形成抑制療法を確立
することが必要である。
【0004】VEGFは34〜42kdの二量体糖タン
パク質であり、内皮細胞の透過及び分裂活性を増加させ
(D.J. Gospodarowicz et al., Proc. Nat'l. Acad. S
ci.USA, 1989, 86:7311-7315;P.J. Keck et al., Scien
ce, 1989, 246:1309-1312)、腫瘍血管新生において重
要な役割を果たしている(K.H. Plate et al., Nature,
1992, 359:845-848)。VEGFの過剰発現は種々の新
生物で立証されており(Y. Takahashi et al., Cancer
Res., 1995, 55:3964-3968; L.F. Brown et al., Hum.
Pathol., 1995, 26:86-91; R.A. Berkman et al., J. C
lin. Invest.,1993, 91:153-159;C.A. Boocock et al.,
J. Natl. Cancer Inst., 1995, 87:506-516; K. Suzuk
i et al., Cancer Res., 1996, 56:3004-3009)、特定
の種類の癌で予後の重要性を有している(K. Inoue et
al., Cancer, 1997, 79:206-213;M. Volm et al., Int.
J. Cancer, 1997, 74:64-68; P.J. Paley et al., Can
cer, 1997, 80:98-106; G. Gasparini et al., J. Nat
l. Cancer Inst., 1997, 89:139-147; A. Obermair et
al., Gynecol. Oncol., 1996, 63:204-209)。VEGF
mRNAの選択的スプライシングによって5つのVEG
Fイソフォーム、即ちVEGF121、VEGF14
5、VEGF189及びVEGF206が生じ(E. Tis
cher et al., J. Biol. Chem., 1991, 266:11947-1195
4; Z. Poltoraket al., J. Biol. Chem., 1997, 272;71
51-7158)、それらの各々は異なる生物活性を有してい
る(H.F. Dvorak et al., Am. J. Pathol., 1995, 146:
1029-1039)。VEGF145、VEGF165、VE
GF189及びVEGF206は細胞関連イソフォーム
(K.A. Houck et al., J. Biol. Chem., 1992, 267:260
31-26037)であるが、VEGF121とVEGF165
は可溶性分子として分泌される(J.E. Park et al., Mo
l. Biol. Cell, 1993, 4:1317-1326)。
【0005】最近、本発明者らは、イソフォームVEG
F189が非小細胞肺癌で正常肺組織に比して有意に高
頻度に発現され、大腸癌では肝臓転移と予後の悪さに相
関していることを示した(Y. Oshika et al., Int. J.
Oncol., 1998, 12:541-544;T. Tokunaga et al., Br.
J. Cancer, 1998, 77:998-1002)。さらに、VEGF1
89イソフォームの発現は重症免疫不全マウスへの大腸
癌の異種移植可能性と密接に関わっている(T. Tokunag
a et al., J. Natl. Cancer Inst., 1998, 90:48-4
9)。この細胞関連イソフォームVEGF189は癌細
胞周辺により特異的に残留することが示唆されている
が、これは、可溶性イソフォームVEGF121及びV
EGF165と比べて細胞表面のプロテオグリカンとよ
り強い親和性を有していることによる。
【0006】ところで、リボザイムは配列特異的にRN
A基質を切断する触媒性アンチセンスRNA(T.R. Cech
et al., Cell, 1981, 27:487-496)であり、癌遺伝子療
法の潜在的に有用なツールである(H. Kijima et al.,
Pharmac. Ther., 1995, 68:247-267; A. Irie et al.,
Int. J. Urol., 1997, 4:329-337)。ハンマーヘッド型
リボザイムがタバコ輪状斑紋ウイルスのサテライトRN
Aで最初に発見(J.M.Buzayan et al., Nature, 1986,
323:349-353; G.A. Prody et al., Science,1986, 231:
1577-1580)されたが、このリボザイムはシス作用的に
機能する。また、異常上皮成長因子受容体に対するハン
マーヘッド型リボザイムがin vivoで異常上皮成長因子
受容体導入遺伝子形質転換細胞の成長を効果的に抑制す
ることが示されている(H. Yamazaki et al., J. Natl.
Cancer Inst. , 1998, 90:581-587)。さらに、HIV
やC型肝炎ウイルスの遺伝子、活性化ras癌遺伝子、ト
ランケートされたbcr-abl遺伝子のような特定の遺伝子
のリボザイム仲介の特異的切断及び機能抑制も報告され
ている(N. Sarver et al., Science, 1990, 247:1222-
1225; J. Ohkawa et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. US
A, 1993, 90:11302-11306; N. Sakamoto et al., J. Cl
in. Invest., 1996, 98:2720-2728; Y. Ohta et al., N
ucleic Acids Res., 1996, 24:938-942; D.S. Suyder e
t al., Blood, 1993, 82:600-605)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、癌の血
管新生とVEGFとの関係についての研究を通して、VEGFイ
ソフォーム189が癌間質での血管新生及び癌の発達ま
たは進行にとって他のイソフォームよりも重要であるこ
と、またVEGF189が正常組織に重大に悪影響を及
ぼすことなく癌遺伝子治療のための分子標的であると推
定した。本発明の目的は、癌細胞中で過剰産生されるVE
GF189の転写産物を特異的に切断するリボザイムを提供
することである。本発明の別の目的は、リボザイム又は
リボザイムをコードする核酸配列(DNA又はcDNA)を含
むベクターを癌の治療(特に遺伝子治療)に使用するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、VEGF
の異常イソフォーム(VEGF189)をエキソン6で
切断可能なハンマーヘッド型リボザイムを設計しin vit
roとin vivoでVEGF189のリボザイム仲介切断の
有効性を評価した。その結果、VEGF189のリボザ
イム仲介特異的切断により、ヌードマウス内のヒト肺腺
癌異種移植片の血管新生と成長を抑制することを見出し
た。これにより、VEGF189に対するリボザイムが
癌の遺伝子治療に潜在的に有効であることが判明し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、癌の血管新生を抑制
する能力をもつリボザイムを提供する。 一実施態様において、前記抑制はVEGFmRNAの切
断、より具体的にはVEGF189遺伝子エキソン6の
転写mRNAのGUC配列の直後での切断によって引き
起こされる。また、好適にはリボザイムはハンマーヘッ
ド型である。別の実施態様において、本発明のリボザイ
ムは配列番号1に示す核酸配列又はリボザイム活性をも
つその改変配列を有する。さらに好適には、癌は肺癌で
ある。
【0010】本発明はまた、核酸を転写するためのプロ
モーターの制御下にある、上記のリボザイムをコードす
る核酸分子を提供する。核酸分子はDNA又はcDNA
である。より具体的には、核酸分子は配列番号2に示す
塩基配列又は転写によって活性リボザイムに導き得るそ
の改変配列を含む。本明細書中で使用する改変とは、核
酸配列中の1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付
加を意味する。本発明はさらに上記の核酸分子を含むベ
クターを提供する。ベクターはプラスミド、ウイルス、
コスミド、レトロトランスポゾンなどを含む。具体的例
示としてpHβ/V189Rz(実施例参照)を挙げることがで
きる。
【0011】本発明はさらにまた、上記のベクターを含
む宿主細胞を提供する。宿主細胞は原核及び真核細胞、
例えば細菌細胞、ヒト細胞を含む哺乳類細胞である。本
発明はさらに、哺乳類の癌細胞内において血管新生を抑
制する能力をもつ上記リボザイム又は該リボザイムを発
現し得る上記ベクターの有効量を、医薬上許容され得る
担体とともに含む、癌治療用医薬組成物を提供する。一
実施態様において、癌は肺癌、特にヒト肺癌である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のリボザイムは、癌の血管
新生を抑制する能力を有し、特にそのような血管新生の
抑制は癌におけるVEGFの機能不全もしくは機能抑制
によって仲介される。すなわち、本発明のリボザイムは
VEGF、特にVEGF189に特異的である。本発明
のリボザイムはまた、癌において過剰発現されるVEG
Fの転写産物に主として作用することによって癌の成長
及び転移を阻止又は抑制するとともに、正常細胞には有
害な作用を及ぼさないという特徴を有する。
【0013】一般に、リボザイムはRNAの特定の部位
を認識するアンチセンス配列を含むRNA分子であり、
かつRNA切断性の酵素活性を有する。リボザイムには
2つのタイプ、すなわちハンマーヘッド型リボザイム及
びヘアピン型リボザイムが知られている。これらのタイ
プはともにアンチセンス活性とエンドリボヌクレオチダ
ーゼ活性を有するため、特定の標的RNAを識別してR
NAの特定部位を特異的に切断することによって標的R
NAを不活化することができる。ヘアピン型リボザイム
が特異的に認識する配列はNNNG/CN*GUCNNNNNNNN(配列
番号3;ここでN*Gは切断部位を示し、NはG、U、C
又はAのいずれかである。)を有するすべてのRNA配
列である。一方、ハンマー型リボザイムはNUX(ここで
NはG、U、C又はAであり、XはC、U又はAのいず
れかである。)を有するすべてのRNA配列を認識す
る。
【0014】本発明のリボザイムは、上記の癌血管新生
の抑制能力を有する限り、ヘアピン型、ハンマーヘッド
型のいずれでもよい。本発明の実施態様において、ハン
マーヘッド型リボザイムが好ましい。本発明のハンマー
ヘッド型リボザイムはVEGFmRNAのNUX(ここで
NはG、U、C又はAであり、XはC、U又はAのいず
れかである。)という切断可能配列の後で基質RNA鎖
を部位特異的に切断する。具体的には、VEGFのなか
でも、とりわけVEGF189に対して特異的であり、
VEGF189遺伝子エキソン6の転写mRNAのGU
C配列の直後で切断が起こる(図1のb参照)。本発明
のリボザイムの一例は以下の配列:5'-GCUCCAGCUGAUGAG
UCCGUGAGGACGAAACUUAUACCGG-3'(配列番号1)を含む。
【0015】このリボザイムは図1のbに示されるよう
な構造を有しており、標的となる基質RNA鎖と塩基対
を形成して結合する基質結合領域、切断に必須となる金
属イオン(Mgイオン)が捕捉される活性中心領域、お
よびその他の領域から構成されている。基質結合領域は
基質RNA鎖の配列に応じて変化可能であるが、活性中
心領域は比較的保存されており活性保持のために変異は
好ましくない。その他の領域も活性発現にとって重要と
考えられるが、この領域を切除して例えばT. Kuwabara
ら, BIO Clinica (1988), 13(7):23-28に記載されるよ
うなダイマー型ミニザイムとすることによってリボザイ
ム活性を維持又は増強することができる。これらの点
で、本発明のリボザイムは癌血管新生の抑制能力を有す
るという条件で配列番号1に示す配列の改変配列を含ん
でもよい。ここで改変とは、核酸配列中の1個以上のヌ
クレオチドの置換、欠失又は付加を意味する。
【0016】本発明のリボザイムは周知の方法によって
化学的に合成することができる(例えばPromega社(米
国)のプロトコル)。あるいは、リボザイムはRNAポ
リメラーゼのプロモーター、例えばT7RNAポリメラ
ーゼもしくはSP6RNAポリメラーゼなどのプロモー
ターに作動可能に連結した該リボザイムをコードするD
NAから、その転写を介して合成することができる。
【0017】したがって、本発明はさらに、核酸を転写
するためのプロモーターの制御下にある、上記リボザイ
ムをコードする核酸分子にも関する。核酸分子はDNA
またはcDNAである。本発明の実施態様において、核
酸分子は下記の塩基配列:5'-GGCCATATTCAAAGCAGGAGTGC
CTGAGTAGTCGACCTCG-3'(配列番号2)を含む。本発明に
は、癌血管新生抑制活性をもつリボザイムを生成し得る
という条件で配列番号2の配列中、特に上述したような
リボザイムの活性中心領域以外の部位に対応する部分に
改変(1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加)
を含む配列も包含する。
【0018】この核酸分子からのリボザイムの産生にお
いては、リボザイムをコードする核酸分子を作動可能に
RNAポリメラーゼプロモーターに連結して含むベクタ
ーを作製し、宿主細胞を形質転換し、リボザイムを発現
させる。リボザイムの発現はインビトロでもインビボで
も行うことができる。ベクターとしてプラスミド、ウイ
ルス、コスミド、レトロトランスポゾンなどの任意のベ
クターが使用可能であるが、特にヒトを含む哺乳類の癌
遺伝子治療に使用する場合には例えばアデノウイルスベ
クター(例えばアデノ関連1型ベクター又は2型ベクタ
ー;Chatterjeeら, (1992) Science 258:1485-1488)、
レトロウイルスベクター(例えば非病原性のワクシニア
ウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルスベク
ターなど;Leverら, (1989) J. Vitol. 63:4085-408
7)、ワクシニアウイルスベクター、バキュロウイルス
ベクター等をベクターとして用いることができる。遺伝
子治療法については、例えばLarrick, J.W. とBurck,
K.L., (1991) Gene Therapy: Application of Molecula
r Biology, Elsevier Science Publishing Co., Inc. U
SA;Kreigler, M. (1990) Gene Transfer and Expressi
on: A Laboratory Manual, W.H. Freeman and Company,
USA;斎藤泉ら編,別冊実験医学ザ・プロトコールシリ
ーズ遺伝子導入&発現解析実験法(1997)羊土社、等に
記載されており、ここに開示のベクター類、遺伝子導入
法、導入判定用レポーター遺伝子類は本発明においても
利用できる。
【0019】ベクターを用いてリボザイムを製造する場
合には、リボザイムをコードする核酸配列を強力なプロ
モーター、例えばlacプロモーター、SV40後期プロモー
ター、SV40前期プロモーター、ラムダプロモーター、等
の制御下に置くことができる。一方、癌遺伝子治療用の
ベクターでは、例えばレトロウイルスLTRもしくはヒトt
RNAvalプロモーター、アデノウイルスVA1プロモータ
ー、挿入pol IIIプロモーター、β−アクチンプロモー
ター、T7プロモーター、p7.5プロモーター、バキュロウ
イルスポリヘドリンプロモーターなどのプロモーターの
制御下にリボザイムをコードする核酸配列が挿入され得
る。ベクターは慣用の選択マーカー遺伝子、レポーター
遺伝子(例えば薬剤耐性、栄養要求性、酵素類など)を
含むことができる。遺伝子導入法で公知のレポーター遺
伝子には、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセ
チルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
が含まれる。
【0020】したがって、本発明はまた、核酸を転写す
るためのプロモーターとともにリボザイムをコードする
核酸分子を含むベクターも包含する。ここでリボザイム
は癌の血管新生を抑制する能力をもつものである。ワク
シニアウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、
アデノウイルスベクター等において遺伝子導入用カセッ
トベクターが知られており、本発明で使用できる。本発
明の実施態様において、使用できるベクターはpHβ/V18
9Rz(後述の実施例参照)である。
【0021】上記のように作製されるベクターはつい
で、宿主細胞に導入してリボザイムを生成することがで
きる。形質転換またはトランスフェクション用の宿主細
胞として原核細胞又は真核細胞、例えば細菌細胞、ヒ
ト、マウス、ラット等の哺乳類細胞を例示できる。例え
ば塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、リン酸カルシウ
ム法、DEAE-デキストラン法、エレクトロポレーション
法、リポフェクション法、ウイルスベクター法、マイク
ロインジェクション、DNA直接注射法などの方法によっ
てベクターを細胞に導入することができる。ベクターの
作製、形質転換およびトランスフェクションについて
は、Sambrookら, (1989) Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual, Cold Spring Harbor Pressに記載の手法を
利用することができる。
【0022】遺伝子治療では、本発明のリボザイム又は
ベクターを癌の治療に使用することができる。リボザイ
ムは例えばリポソーム内に封入して送達する所謂リポソ
ームデリバリーシステム、マイクロインジェクション、
DNA直接注射法、遺伝子銃などを利用して細胞内に導入
することが可能である。また、本発明のベクターはリボ
ザイムをコードする核酸分子が細胞内で安定に発現する
のに好ましい条件下で形質導入される。例えばウイルス
ベクター法、リン酸カルシウム法、マイクロインジェク
ション、リポフェクション、DNA直接注射法などの方法
を使用できる。
【0023】本発明により、標的癌細胞中でリボザイム
を転写産物として生成させることによって癌細胞中のVE
GF好ましくはVEGF189 mRNAの切断を介して癌の血管新
生を抑制し、その結果癌の進行や転移を阻止又は抑制す
ることができる。適用可能な癌としては、その細胞中で
VEGFとりわけVEGF189を過剰発現する癌、例えば肺癌、
食道癌、結腸癌、直腸癌、腎癌、神経膠腫などに本発明
を適用できる。本発明の実施態様において、癌は肺癌で
ある。
【0024】したがって、本発明は哺乳類の癌細胞内に
おいて血管新生を抑制する能力をもつリボザイム又は該
リボザイムを発現し得るベクターの有効量を、医薬上許
容され得る担体とともに含む、癌の治療(特に遺伝子治
療)に使用するための医薬組成物を提供する。医薬上許
容され得る担体は、標準的医薬担体のいずれか、例えば
生理食塩水、緩衝液、滅菌水、乳化剤、水和剤などを含
む。組成物にはさらに、安定剤、保存剤、リボザイムを
活性化するために必要なMg2+などの金属イオン、など
を含ませることができる。又、本発明の組成物には抗癌
剤を含有させて標的癌細胞を攻撃することも可能であ
る。
【0025】本発明は、細胞中でVEGFとりわけVEGF189
を過剰発現する種々のタイプの癌、例えば肺癌、食道
癌、結腸癌、直腸癌、腎癌、神経膠腫など、特にヒト肺
癌を含む哺乳類の肺癌の治療に適用できる。医薬組成物
内における本発明のリボザイム又はベクターの量は癌の
血管新生を抑制し癌の進行及び/又は転移を阻止又は抑
制し得る治療有効量である。本発明の医薬組成物を癌の
治療に使用するには、例えばリポソームデリバリーシス
テムなどの手法で実施することができる。
【0026】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するが、本発明
の範囲は以下の実施例によって制限されないものとす
る。 <実施例>リボザイムの構築とVEGF189のインビトロ切断 VEGF189 mRNAをそのエキソン6で特異的に切断
するハンマーヘッド型リボザイムを設計した(図1の
b)。RNA基質として使用するDNA鋳型とハンマー
ヘッド型リボザイムを、リボザイムV189Rzについ
てのプライマー: (Rz1) 5'-TAATACGACTCACTATAGGCTCCAGCTGATGAGTCCGT-3'
(配列番号4)及び(Rz2) 5'-CCGGTATAAGTTTCGTCCTCACG
GACTCAT-3'(配列番号5); VEGF189RNA基質についてのプライマー: (S1) 5'-TAATACGACTCACTATAGAAGCGCAAGAAATC-3'(配列
番号6)及び(S2)5'-ACGCTCCAGGACTTATACCGGGATTTCTT
GCG-3'(配列番号7)をそれぞれ用いて30サイクルの
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(変性94℃、90秒;
アニーリング60℃、90秒;伸長72℃、90秒)を
実施して合成した。Rz1及びRz2プライマー配列は、ハ
ンマーヘッド型リボザイム及びVEGF189mRNAに相補的な
配列に由来した(図1のc)。また、S1及びS2プライマ
ーは、VEGF189遺伝子のエキソン6とエキソン7に由来
した(図1のd)。
【0027】不能化されたハンマーヘッド型リボザイム
(dis-V189Rz)もまた以下のプライマー: (Rz3) 5'-TAATACGACTCACTATAGGCTCCAGCTAATGAGTCCGT-3'
(配列番号8)を用いてPCR合成した。dis-V189Rz
は、V189Rz配列と比べて触媒コア中に単一の塩基変化
(G→A、図1のb)を含んでいる。また、Rz1、Rz
3及びS1はそれらの5’末端にT7プロモーター配列
を含んでいた(図1のc及びd)。
【0028】PCR産物を3%複合アガロースゲル(2
%NuSieve、1%Seakem)(FMC Corp.、Rockland、ME)
を通して分画し、電気泳動し、フェノール/クロロホル
ム処理で精製した。溶出した生成物をT7RNAポリメ
ラーゼ用の鋳型として用いた。切断実験のために、リボ
ザイムV189Rz又はdis−V189Rz及び35塩基のVEGF189RN
A基質をT7 RNAポリメラーゼ(Stratagene、La Jolla、C
A)を用いるインビトロ転写によって合成し、α−
32P]−UTP(110 TBq/mmol、Amersham Life Science
Inc.、 Arlington Height、IL)を用いてラベルし
た。その後、RNA基質とリボザイムを12%ポリアクリ
ルアミドゲルを通して分画し、生成物を1%SDS、0.5M
CH3COONH4、1mM EDTAで溶出した。
【0029】切断反応を、2pmolのV189Rz又はdis−V18
9Rz RNAと2pmolのVEGF189 RNA基質を混合し、95℃で
2分間加熱し、次いで氷上で素早く冷却することによっ
て行った。個々の反応混合液を、異なる条件(Mg2+
度:0mM〜20mM;37℃;16時間)下でインキュベート
した。切断生成物を変性9%TBEポリアクリルアミドゲ
ル上で分離し、オートラジオグラフィー(X−OMAT AR,
Eastman Kodak Company,Rochester,NY)で検出した。
【0030】抗VEGF189リボザイムを含む肺癌トランス
フェクタント V189Rz又はdis−V189Rzの非小細胞肺癌細胞へのトラン
スフェクションのために、PCRによって新規のリボザイ
ムDNA及び不能化リボザイムDNAを構築し、発現ベクター
pHβApr−1(P. Gunning et al., Proc. Nat'l. Aca
d. Sci. USA, 1987, 84:4831-4835; S.Y. Ng et al., M
ol. Cell. Biol., 1985, 5:2720-2732)中に導入した。
【0031】即ち、PCRは、以下のプライマー対、即ちV
189Rzについて、(Rz4) 5'-GGGTCGACGCTCCAGCTGATGAGTCC
GT-3'(配列番号9)及び(Rz5) 5'-CCGGATCCCCGGTATAAG
TTTCGTCCTCACGGACTCAT-3'(配列番号10);dis−V189
Rzについて、プライマーRz4及び(Rz6) 5'-GGGTCGACGC
TCCAGCTAATGAGTCCGT-3'(配列番号11)を用いて行っ
た。プライマーRz3及びRz5は各々SalI制限部位を含み、
プライマーRz4はその5’末端にBamHI部位を含んでい
た。SalI及びBamHIで制限エンドヌクレアーゼ消化後、P
CR産物を、β−アクチンのプロモーター領域とネオマイ
シン耐性遺伝子とを含む真核生物発現プラスミドpHβ
Apr−1(H. Yamazaki et al.,J. Natl. Cancer Inst. 19
98, 90:581-587)にサブクローニングした。
【0032】74歳の男性患者から樹立したヒト肺腺癌細
胞系OZ-6細胞を、ペニシリン(100μg/ml)とスト
レプトマイシン(100μg/ml)を補充した10%牛
胎仔血清(IBL,Fujioka,Japan)含有のダルベッコ改
良イーグル必須培地(DMEM)中に維持した。リポフェク
ション法(Lipofectin, Gibco BRL, Rockville, MD)に
よってV189Rz又はdis-V189Rzでのトランスフェクション
を行った。プラスミド含有細胞を、600μg/mlのG41
8(Gibco BRL)を補充したDMEM中で4〜6週間にわたっ
て選択し、V189Rz(OZ-6/VR)トランスフェクタント又はd
is-V189Rz(OZ-6/DVR)トランスフェクタントを単離し
た。
【0033】トランスフェクタント中でのVEGF189 mRN
Aの発現 OZ−6、OZ-6/VR及びOZ-6/DVRからグアニジンイソシア
ネートとフェノール/クロロホルムを用いる一段階法
(P. Chomczynski et al., Anal. Biochem. 1987, 162:
156-159)によって全細胞RNAを抽出した。トランスフェ
クトされた細胞がpHβ/V189RzまたはpHβ/dis-V189Rzを
産生していることが、pHβApr-1由来プライマー: (pHβ-S1) 5'-CTAGCGGCCTAAGGACTCGG-3'(配列番号1
2)及び(pHβ-S2) 5'-TCACTGCATTCTAGTTGTGG-3'(配列
番号13)を用いるRT-PCR、並びに断片を含むオリゴヌ
クレオチド: (pHβ-pb) 5'-GCGAGAATAGCCGGGCGCGCTG-3'(配列番号1
4)とのハイブリダイゼーションによって確認された。
VEGF189 mRNAのレベルは従来記載されるとおりRT-PCR
によって決定した(Y. Oshika et al., Int. J. Onco
l., 1998, 12:541-544; T. Tokunaga et al., Br. J. C
ancer, 1998, 77:998-1002)。
【0034】この実験で使用したプライマー類はエキソ
ン4(センス)とエキソン7(アンチセンス)に結合し
て、VEGF189については204bpのcDNA断片を生成
し、VEGF165については132bpの断片を生成した。
この方法では、VEGF189のPCRはVEGF165のPCRと競合した
ため、VEGF189とVEGF165の比例的濃度を種々のサンプル
間で定量的に比較することができた。また、全細胞RNA
(15μg、GeneScreen Plus, NEN Life Science Prod
ucts,Boston, MA)を用いるノーザンブロッティングに
よって、VEGF遺伝子発現を評価した。
【0035】ヌードマウスでのリボザイム−トランスフ
ェクタントの成長 親細胞系OZ-6及びトランスフェクタントOZ-6/VR、OZ-6/
DVRをヌードマウス(雌、8週齢、BALB/cA-nu、Clea Ja
pan Inc., Japan)にマウス1匹あたり1×105細胞ま
たは5×105細胞を皮下接種した。細胞の成長速度
を、投与後の腫瘍損傷のサイズを測定することによって
評価した。最大腫瘍サイズが約3cmに達したとき、全
マウスをペントバルビタールによる深麻酔下で犠牲に
し、それらの腫瘍を切除した。実験動物を含む全ての実
験は実験動物中央研究所(神奈川)の飼育/使用指針に
従って行なった。
【0036】異種移植片の血管分布 切除された腫瘍を20℃、24時間10%ホルマリンで
固定した。厚さ3μmのパラフィン包埋切片を脱パラフ
ィン化し、抗原−回復を0.01Mクエン酸緩衝液中、12
1℃、5分間オートクレーブにかけることにより行っ
た。メタノール中0.3%H22を用いて20℃、30分間
内因性ペルオキシダーゼをブロックした後、切片をマウ
スCD34に対するラットモノクローナル抗体(1:20,
Hycult Biotechnology, Uden, Netherlands)と一緒に
20℃、60分間インキュベートした。その後、ビオチン
結合抗ラットIgG(1:200, Amersham Life Science,
Buckinghamshire, UK)を添加し、20℃、60分間反
応した。生成物を視覚化するために、チラミドシグナル
増幅を行った。即ち、切片を第一西洋ワサビペルオキシ
ダーゼ(HRP)結合ストレプトアビジン(1:800, Dak
o, Carpinteria, CA)、ビオチン−チラミド(Dako)及
び第二HRP結合ストレプトアビジン(Dako)と一緒に2
0℃、各ステップ15分間連続的にインキュベートした。
生成物は3,3'-ジアミノベンジジン発色団(1:50, Dak
o)で視覚化した。核はヘマトキシリンで逆染色した。
【0037】統計分析 ヌードマウスに形成された腫瘍のサイズの統計的比較は
MacintoshのSPSSソフトウエア、バージョン6.1(SPSS I
nc., Chicago, IL)を使用するScheffeの多重比較試験
における分散分析によって行った。
【0038】結果 (1)インビトロでのリボザイムによるVEGF189イソフ
ォームの切断 VEGF189、VEGF145及びVEGF206はエキソン6を含んでい
たが、VEGF121及びVEGF165はエキソン6を含んでいなか
った(図1のa)。初代非小細胞肺癌標本(Y.Oshika e
t al., Int. J. Oncol., 1998, 12:541-544)でも、ま
たヒト肺腺癌細胞系OZ-6でもVEGF145又はVEGF206の発現
は検出できなかった。そのため、VEGF189イソフォーム
(V189Rz、図1のb)のエキソン6のGUCにターゲッテ
ィングしてVEGF189 mRNAを特異的に切断するハンマー
ヘッド型リボザイムをPCRによって構築した。また、触
媒コアに一塩基置換(G→A、図1のb)をもつ不能化リ
ボザイム(dis-V189Rz)をPCRによって作製した(図1
のd)。
【0039】10mM Mg2+と一緒に37℃、18時間VEGF189
合成基質及びV189Rzをインキュベートしたときには、3
5塩基の該基質が切断されて26塩基の5’末端断片と
9塩基の3’末端断片を生成した(図2のa)。V189Rz
の切断活性はMg2+濃度依存的に増加した(図2のb)。
一方、dis-V189Rzは、高濃度のMg2+の存在下であって
も、VEGF189合成基質を切断しなかった(図2のc)。
切断生成物は反応の開始30分以内で視覚で検出され、18
時間まで漸増した。V189Rzは10mM Mg2+の存在下、37
℃、18時間で基質:リボザイムの比(モル比)2:1、
4:1および10:1で効果的に基質を切断した。上記
の結果は、リボザイムV189Rzが酵素と同様にVEGF189基
質の切断を触媒することを示している。
【0040】(2)肺腺癌細胞系での抗VEGF189リボザ
イムV189Rzのインビボ作用 構築した発現プラスミドpHβ/V189Rz又はpHβ/dis-V189
RzをOZ-6に導入し、600μg/mlのG418による選択後
に安定なトランスフェクタントOZ-6/VR、OZ-6/DVRを樹
立した。RT-PCRによって、それらのトランスフェクタン
ト中にpHβ/V189Rz又はpHβ/dis-V189Rzの発現を確認し
た(図3のa)。VEGF165 mRNAに対するVEGF189の発現
レベルは、親細胞系(48.3%)と比較してOZ-6/VR(9.6
%)で減少したが、OZ-6/DVR(51.5%)では減少しなか
った(図3のb)。ノーザンブロッティング分析によっ
て評価されるように、総VEGF遺伝子発現レベルはトラン
スフェクタントOZ-6/VR及びOZ-6/DVRでともに有意に減
少しなかった。細胞培養では、これらのトランスフェク
タントは親細胞系OZ-6と比較して類似の形態学的特徴を
示した(図3のc)。上記トランスフェクタントの成長
速度は親細胞系のものと有意な違いはなかった。
【0041】(3)ヌードマウスにおける抗VEGF189リ
ボザイムV189Rzによるヒト肺癌 成長の抑制 腫瘍形成に対するV189Rzの作用を決定するために、肺癌
トランスフェクタント及び親細胞をヌードマウスにマウ
スあたり1×105細胞又は5×105細胞を皮下接種し
た。1×105個のOZ-6/VR細胞の接種後、16週間の観察
期間内にマウスに腫瘍は形成されなかったのに対して、
同数の親細胞又はOZ-6/DVRを接種した全てのマウスには
腫瘍が形成された(表1)。
【0042】
【表1】
【0043】8週間の期間腫瘍形成を観察したが、5×
105OZ-6/VR細胞を接種した4匹のマウスのうち2匹に
小さな白色の腫瘍が認められた(図4のa)。OZ-6/VR
腫瘍(64.2mm3)はOZ-6腫瘍(1413.5mm3)よりも有意に
小さかった(p<0.05、Scheffeの多重比較試験;図4の
a)。抗マウスCD34を用いる免疫組織化学的に評価した
間質の血管分布は、OZ-6/VR腫瘍ではOZ-6腫瘍と比べて
顕著に減少した(図4のb)。
【0044】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> The Central Institute for Experimental Animals <120> Ribozymes for inhibiting vascularization in cancers and compositions for gene therapy of cancers <130> P98-0651 <160> 14 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 40 <212> RNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This shows a sequence of anti-VEGF189 ribozyme. <400> 1 gcuccagcug augaguccgu gaggacgaaa cuuauaccgg 40 <210> 2 <211> 40 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 ggccatattc aaagcaggag tgcctgagta gtcgacctcg 40 <210> 3 <211> 17 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: This a sequence recognized by hairpin ribozymes. <400> 3 nnngcngucn nnnnnnn 17 <210> 4 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of ribozyme V189Rz. <400> 4 taatacgact cactataggc tccagctgat gagtccgt 38 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of ribozyme V189Rz. <400> 5 ccggtataag tttcgtcctc acggactcat 30 <210> 6 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of VEGF189 RNA substrate. <400> 6 taatacgact cactatagaa gcgcaagaaa tc 32 <210> 7 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of VEGF189 RNA substrate. <400> 7 acgctccagg acttataccg ggatttcttg cg 32 <210> 8 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:This is a primer for PCR of dis-V189Rz. <400> 8 taatacgact cactataggc tccagctaat gagtccgt 38 <210> 9 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of V189Rz. <400> 9 gggtcgacgc tccagctgat gagtccgt 28 <210> 10 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of V189Rz. <400> 10 ccggatcccc ggtataagtt tcgtcctcac ggactcat 38 <210> 11 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR of dis-V189Rz. <400> 11 gggtcgacgc tccagctaat gagtccgt 28 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer from pHβApr-1. <400> 12 ctagcggcct aaggactcgg 20 <210> 13 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: This is a primer for PCR from pHβApr-1. <400> 13 tcactgcatt ctagttgtgg 20 <210> 14 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:This is an oligonucleotide for hybridization with pHβ/V189Rz or pHβ/dis-V189Rz. <400> 14 gcgagaatag ccgggcgcgc tg 22
【図面の簡単な説明】
【図1】VEGF mRNA イソフォーム及び抗VEGF189リボザ
イム(V189/Rz)の構造を示す。a)VEGF206、VEGF189及
びVEGF145はエキソン6を含んでいた。VEGF206及びVEGF
145は非小細胞肺癌細胞系OZ-6では検出されなかった。
b)V189/Rzはエキソン6のGUCトリプレットのところで
切断するように設計された。不能化リボザイムdis-V189
/Rzはハンマーヘッド構造の触媒コアに単一のG→A変化
を含んだ。c)リボザイム用の相補的DNA鋳型を合成す
るために用いたPCRプライマー。d)インビトロ切断反
応の基質RNA用の相補的DNA鋳型を合成するために用いた
PCRプライマー。e)発現プラスミドpHβ/V189Rz及びpH
β/dis-V189Rzの概略図。
【図2】インビトロでの切断反応を示す写真である。a)
抗VEGF189リボザイム(V189Rz)はVEGF189合成基質を効
果的に切断した。b)この切断活性はMg2+濃度依存的に
増加した。c)不能化リボザイム(dis-V189Rz)は高濃
度のMg2+の存在下でさえVEGF189基質を切断しなかっ
た。
【図3】親細胞系OZ-6およびトランスフェクタントOZ-6
/VR、OZ-6/DNVRにおけるVEGF189 mRNAの発現レベルを
示す写真である。a)RT-PCR分析によりリボザイム発現ベ
クターpHβ/V189Rz又はpHβ/dis-V189Rzの導入が確認さ
れた。VEGF189転写体レベルはOZ-6/VR中で有意に減少し
た。b)トランスフェクタントOZ-6/VR及びOZ-6/DVRは
親細胞系OZ-6と同様の形態学的特徴を示した。
【図4】ヌードマウスにおける腫瘍成長を示す写真であ
る。a)OZ-6細胞は大きい赤色(血管)の腫瘍を全てのマ
ウスに形成した。しかし、12週間の観察期間中に1×1
5OZ-6/VR細胞を接種したマウスでは、腫瘍形成は観察
されなかった。5×105OZ-6/VR細胞の接種後12週間で
2つの小さな白色(非血管)腫瘍が観察された。b)腫
瘍の血管分布はマウスCD34(内皮マーカー)に対する免
疫組織化学的染色によって評価した。OZ-6/VRに由来の
小さな腫瘍はOZ−6腫瘍と比べて顕著に減少した血管分
布を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/15 4C086 1/19 1/19 4C087 1/21 1/21 5/10 9/16 9/16 C07H 21/04 B // C07H 21/04 C12N 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 BA07 CA01 CA04 CA05 CA09 CA11 CA12 CA20 DA03 EA04 FA02 GA13 GA18 HA11 HA13 HA14 HA17 4B050 CC01 CC03 DD20 EE10 LL01 LL03 4B065 AA93X AB01 AC14 BA05 BB01 BC01 BD50 CA27 CA44 CA46 4C057 BB02 BB05 DD01 MM02 MM04 4C084 AA01 AA02 AA07 AA13 BA22 BA35 CA53 CA59 DC30 MA01 MA66 NA13 NA14 ZB262 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 NA14 ZB26 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 MA01 MA66 NA13 NA14 ZB26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌の血管新生を抑制する能力をもつリボ
    ザイム。
  2. 【請求項2】 前記抑制が血管内皮成長因子(VEG
    F)mRNAの切断によるものである請求項1に記載の
    リボザイム。
  3. 【請求項3】 VEGF189遺伝子エキソン6の転写
    mRNAのGUC配列の直後で切断する請求項2に記載
    のリボザイム。
  4. 【請求項4】 ハンマーヘッド型である請求項1〜3の
    いずれかに記載のリボザイム。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示す核酸配列又はリボザイ
    ム活性をもつその改変配列を有する請求項4に記載のリ
    ボザイム。
  6. 【請求項6】 癌が肺癌である請求項1〜5のいずれか
    に記載のリボザイム。
  7. 【請求項7】 核酸を転写するためのプロモーターの制
    御下にある、請求項1〜6のいずれかに記載のリボザイ
    ムをコードする核酸分子。
  8. 【請求項8】 DNA又はcDNAである請求項7に記
    載の核酸分子。
  9. 【請求項9】 配列番号2に示す塩基配列又は転写によ
    って活性リボザイムに導き得るその改変配列を含む請求
    項7又は8に記載の核酸分子。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の核酸
    分子を含むベクター。
  11. 【請求項11】 pHβ/V189Rzである請求項10に記載
    のベクター。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11に記載のベクター
    を含む宿主細胞。
  13. 【請求項13】 哺乳類の癌細胞内において血管新生を
    抑制する能力をもつ請求項1〜6のいずれかに記載のリ
    ボザイム又は該リボザイムを発現し得る請求項10又は
    11に記載のベクターの有効量を、医薬上許容され得る
    担体とともに含む、癌治療用医薬組成物。
  14. 【請求項14】 癌が肺癌である請求項13に記載の医
    薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004515752A (ja) * 2000-09-15 2004-05-27 バイオジェネックス ラボラトリーズ insituハイブリダイゼーションの向上

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