JP2000201480A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

Info

Publication number
JP2000201480A
JP2000201480A JP11001267A JP126799A JP2000201480A JP 2000201480 A JP2000201480 A JP 2000201480A JP 11001267 A JP11001267 A JP 11001267A JP 126799 A JP126799 A JP 126799A JP 2000201480 A JP2000201480 A JP 2000201480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
power supply
capacitor
winding
converter transformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11001267A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11001267A priority Critical patent/JP2000201480A/ja
Publication of JP2000201480A publication Critical patent/JP2000201480A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる電圧でも共通に使用可能で信頼性の高
い装置を提供する。 【解決手段】 交流電源ACがダイオードブリッジ回路
Di を介して平滑用のコンデンサCi に接続される。E
E形フェライト磁芯の中足磁脚を2組の外足磁脚より短
くし、ギャップを形成して1次巻線と2次巻線間を疎結
合とした絶縁コンバータトランスPITが設けられ、こ
の1次巻線T1 の一方の端部からの巻き上げによってブ
ーストアップ巻線T3 が設けられる。さらにコンデンサ
Ci の正極側がコンデンサCB を介して巻線T3 の他方
の端部に接続されると共に、順方向のダイオードDB を
介して1次巻線T1 の一方の端部に接続される。さらに
1次巻線T1 の他方の端部が出力電圧安定化手段を含む
スイッチング用のトランジスタQ1 に接続される。そし
てダイオードDB に並列にスイッチSW が設けられ、こ
のスイッチSW がコンデンサCi の正極側の電圧に応じ
て制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば全世界対応
のテレビジョン受像機に使用して好適な電源装置に関す
る。詳しくは交流入力電圧が100Vと200Vの場合
で自動的に回路が切り換えられて常に等しい出力電圧が
得られるようにし、これらの交流入力電圧の異なる地域
で共通に使用できるようにした電源装置を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば映像機器において使用されるスイ
ッチング電源装置としては、電力変換効率や、ノイズレ
ベル、コスト等の面から、矩形波で動作されるいわゆる
ハードスイッチング電源より、正弦波で動作されるいわ
ゆるソフトスイッチング電源の方が有利とされている。
一方、全世界対応のテレビジョン受像機においては、例
えば交流入力電圧が100Vと200Vの地域で使用さ
れる可能性がある。そこでこれらの地域で共通に使用で
き、また例えば最大負荷電力が160W以上の電源装置
としては、例えば図6に示すような装置が用いられてい
る。
【0003】すなわち図6において、交流電源ACの両
端が電源投入時等の突入電流制限用の抵抗器Ri を介し
て両波整流を行うダイオードブリッジ回路Di の交流入
力端に接続される。このブリッジ回路Di の負極側の整
流出力端が接地される。またブリッジ回路Di の正極側
の整流出力端が、抵抗器RX1及びコンデンサCX1の並列
回路と、抵抗器RX2及びコンデンサCX2の並列回路とを
直列接続した平滑回路を介して接地されると共に、この
平滑回路の直列接続の接続中点にダイオードブリッジ回
路Di の交流入力端の一方がスイッチSWXを介して接続
される。
【0004】これにより、例えば交流電源ACが200
Vの地域では、スイッチSWXをオフにすることにより全
波整流が行われて、その実効電圧である約280Vの直
流電圧Ei がコンデンサCX1の正極側に取り出される。
また交流電源ACが100Vの地域では、スイッチSWX
をオンにすることにより倍圧整流が行われて、その実効
電圧の2倍の約280Vの直流電圧Ei がコンデンサC
X1の正極側に取り出される。こうして交流電源ACが1
00Vと200Vの地域でスイッチSWXを切り換えるこ
とにより、互いに等しい直流電圧Ei をコンデンサCX1
の正極側に取り出すことができる。
【0005】さらにこのコンデンサCX1の正極側が、例
えば以下に述べる自励式の発振回路の構成を有する、い
わゆる電圧共振形のスイッチングコンバータに接続され
る。すなわちこのコンデンサCX1の正極側が、スイッチ
ング用高耐圧のnpnバイポーラトランジスタ(BJ
T:接合型トランジスタ)QX1のコレクタ−エミッタ間
を介して直交形制御トランスPRT(Power Regulating
Transformer)の被制御巻線TXaの一端に接続される。
また、このトランジスタQX1のエミッタと被制御巻線T
Xaとの接続中点が、スイッチング用高耐圧のnpnバイ
ポーラトランジスタQX2のコレクタ−エミッタ間を介し
て接地される。
【0006】そしてこれらのトランジスタQX1、QX2の
スイッチングが、例えば以下に述べる自励式の構成によ
って交互に行われることによって、いわゆる電圧共振形
のスイッチングコンバータが形成される。すなわちトラ
ンジスタQX1のベース−コレクタ間には起動用の抵抗器
RX3が接続される。またこのトランジスタQX1のベース
−エミッタ間にダンパー用のダイオードDX1が接続され
ると共に、このトランジスタQX1のベース−エミッタ間
にダンピング抵抗器RX4、共振コンデンサCX3及び直交
形制御トランスPRTの被制御巻線TXbの共振回路が接
続される。
【0007】またトランジスタQX2についても同様にし
て、トランジスタQX2のベース−コレクタ間には起動用
の抵抗器RX5が接続される。このトランジスタQX2のベ
ース−エミッタ間にダンパー用のダイオードDX2が接続
されると共に、このトランジスタQX2のベース−エミッ
タ間にダンピング抵抗器RX6、共振コンデンサCX4及び
直交形制御トランスPRTの被制御巻線TXcの共振回路
が接続される。なお、上述の被制御巻線TXbと被制御巻
線TXcとは互いに逆相に設けられる。これによりトラン
ジスタQX1、QX2のスイッチングが、それぞれの共振回
路の共振信号によって交互に行われると共に、その導通
が後述する直交形制御トランスPRTの被制御巻線TX
a、TXb、TXcのインダクタンス値の変化によって制御
される。
【0008】さらに直交形制御トランスPRTの被制御
巻線TXaの他端が、共振コンデンサCX5を介して絶縁コ
ンバータトランスPIT(Power Isolation Transform
er)の巻線数NX1の1次巻線TX1の一端に接続され、こ
の1次巻線TX1の他端が接地される。これにより、上述
のトランジスタQX1及びQX2の導通期間に、共振コンデ
ンサCX5と直交形制御トランスPRTの1次巻線TXa及
び絶縁コンバータトランスPITの1次巻線TX1の漏洩
インダクタンスによる共振電流が、それぞれ逆相で絶縁
コンバータトランスPITの1次巻線TX1を流される。
【0009】すなわちトランジスタQX1の導通期間には
1次巻線TX1を図面で下向きの共振電流が流される。ま
たこのとき共振コンデンサCX5に蓄積された電荷が、ト
ランジスタQX2の導通期間には1次巻線TX1を図面で上
向きの共振電流として流される。このようにしてトラン
ジスタQX1及びQX2の導通期間に、それぞれ逆相の共振
電流が交互に絶縁コンバータトランスPITの1次巻線
TX1を流される。そしてこの1次巻線TX1を流される共
振電流に応じて2次巻線TX2に任意の電圧が誘起され
る。
【0010】さらに絶縁コンバータトランスPITの2
次巻線TX2の巻線数は2*NX2とされ、この巻線数を2
等分する位置にセンタータップが設けられ、このセンタ
ータップが2次側で接地される。そしてこの2次巻線T
X2の両端となるタップがそれぞれ順方向のダイオードD
X3、DX4を介して互いに接続され、この接続中点が平滑
用のコンデンサCX6を介して2次側で接地されると共
に、この接続中点から出力端子101が導出される。こ
れによって出力端子101には、2次巻線TX2の両端間
の出力が両波整流されて任意の直流出力電圧E0 が取り
出される。
【0011】また絶縁コンバータトランスPITの2次
巻線TX2の上述のセンタータップに対して対称となる2
つの任意の位置に中間タップが設けられる。これらの中
間タップがそれぞれ順方向のダイオードDX5、DX6を介
して互いに接続され、この接続中点が平滑用のコンデン
サCX7を介して2次側で接地されると共に、この接続中
点から出力端子102が導出される。これによって出力
端子102には、上述の2次巻線TX2の任意の中間タッ
プ間の出力が両波整流されて所望の直流出力電圧E0 ′
が取り出される。
【0012】さらにこれらの直流出力電圧E0 、E0 ′
が制御回路100に供給され、この制御回路100から
の制御信号が直交形制御トランスPRTの制御巻線TXd
に供給される。これによって直交形制御トランスPRT
の被制御巻線TXa、TXb、TXcのインダクタンス値が制
御回路100からの制御信号に応じて制御される。そし
て出力端子101、102の直流出力電圧E0 、E0 ′
が変化したときには、被制御巻線TXa、TXb、TXcのイ
ンダクタンス値の変化によって、トランジスタQX1、Q
X2の導通角及びスイッチングの周波数が、直流出力電圧
E0 、E0 ′の変化を打ち消す方向に制御が行われる。
【0013】このようにして安定化された所望の直流出
力電圧E0 、E0 ′が出力端子101、102に取り出
される。そしてこの場合に、交流電源ACが100Vと
200Vの地域でスイッチSWXを切り換えることによ
り、いずれの場合も等しい直流電圧Ei が形成され、常
に同等に安定化された所望の直流出力電圧E0 、E0 ′
が出力端子101、102に取り出されるものである。
またこの場合に、交流電源ACが100Vのときには倍
圧整流を行うことにより、例えば最大負荷電力が160
W以上の電源装置として用いることができるものであ
る。
【0014】そこでさらにこの装置において、上述のス
イッチSWXの切り換えを、例えば交流電源ACが100
Vと200Vの地域で自動的に行うには、上述の交流電
源ACの電圧VACが次のようにして判別される。すなわ
ち交流電源ACの一端が抵抗器RX7及び順方向のダイオ
ードDX7を介してコンデンサCX8に接続される。このコ
ンデンサCX8の正極側に分圧抵抗器RX8、RX9が接続さ
れ、この分圧点が逆方向のツェナーダイオードDX8を介
してコンデンサCX9と抵抗器RX10 の並列回路の一端に
接続される。そしてこの並列回路の他端が接地されると
共に、上述の並列回路の一端がpnpトランジスタQX3
のベースに接続される。
【0015】この回路で、交流電源ACの交流入力電圧
VACが所定値(例えば150V)以上のときに、ダイオ
ードDX7を介してコンデンサCX8の正極側に形成される
電圧を抵抗器RX8、RX9で分圧した電圧値が、ツェナー
ダイオードDX8の閾値以上となるように各素子の値が定
められる。これによりコンデンサCX9には、交流入力電
圧VACが所定値以上のときにこの電圧をダイオードDX7
で半波整流した電圧が充電される。また交流入力電圧V
ACが所定値以下になると、コンデンサCX9の充電電荷が
抵抗器RX10 を介して放電される。そしてこのコンデン
サCX9の正極側に形成される電圧によってトランジスタ
QX3の導通が制御される。
【0016】さらにこのトランジスタQX3のコレクタ−
エミッタ間に直列に上述のスイッチSWXを制御するため
のリレーRYXが設けられる。なおこのリレーRYXには並
列に逆起電力の短絡用のダイオードDX9が設けられる。
またこのリレーRYXには、絶縁コンバータトランスPI
Tの2次巻線TX3からの駆動電圧が、順方向のダイオー
ドDX10 、コンデンサCX10 を介して供給される。これ
によって、例えば交流電源ACの交流入力電圧VACが所
定値(例えば150V)以上でトランジスタQX3がオン
となったときに、リレーRYXが駆動されてスイッチSWX
がオフされ、通常の全波整流が行われるようにされる。
【0017】これに対して、交流電源ACの交流入力電
圧VACが所定値(例えば150V)以下のときには、ダ
イオードDX7を介してコンデンサCX8の正極側に形成さ
れる電圧を抵抗器RX8、RX9で分圧した電圧値がツェナ
ーダイオードDX8の閾値以下となる。これによりコンデ
ンサCX9の充電が停止され、コンデンサCX9の充電電荷
が抵抗器RX10 によって放電されてトランジスタQX3が
オフされる。そしてこのときリレーRYXが解除され、ス
イッチSWXはオンされてブリッジ回路Di からの電圧が
コンデンサCX1、CX2によって倍圧整流される。
【0018】すなわちこの装置では、交流電源ACの交
流入力電圧VACが所定値(例えば150V)以上と以下
とでスイッチSWXが自動的に切り換えられ、全波整流と
倍圧整流の切り換えが自動的に行われることによって、
いずれ電圧の地域でも等しい直流電圧Ei がコンデンサ
CX1の正極側に取り出されることになる。そしてこの直
流電圧Ei がトランジスタQX1、QX2でスイッチングさ
れて絶縁コンバータトランスPITに供給されると共
に、このトランジスタQX1、QX2の導通が制御されるこ
とによって、出力端子101、102に取り出される直
流出力電圧E0 、E0 ′が常に所定の値に安定化される
ものである。
【0019】さらにこの装置において、交流入力電圧V
ACと、コンデンサCX1の正極側の直流電圧Ei の関係は
例えば図7の波形図に示すようになる。この図7におい
て、交流入力電圧VACが例えば150V以下の範囲で
は、コンデンサCX1の正極側にはこの電圧が倍圧整流さ
れて取り出され、例えば交流入力電圧VACが80Vでは
約200V、120Vでは約300Vの直流電圧Ei が
取り出される。
【0020】これに対して、交流入力電圧VACが例えば
150V以上になると、コンデンサCX1の正極側にはこ
の電圧が全波整流されて取り出され、例えば交流入力電
圧VACが200Vでは約250V、240Vでは約30
0Vの直流電圧Ei が取り出されることになる。なお、
図中の破線は接続負荷が最小(Pomin)の場合、実線は
接続負荷が最大(Pomax)の場合を示す。
【0021】これによってトランジスタQX1以下のスイ
ッチングコンバータ回路には、例えば交流入力電圧VAC
が100Vと200Vのいずれの場合であっても、同等
の直流電圧Ei がコンデンサCX1の正極側から供給され
る。そしてこのスイッチングコンバータ回路において、
出力端子101、102に取り出される直流出力電圧E
0 、E0 ′を所定の電圧に安定化させることができ、例
えば交流入力電圧VACが100Vと200Vのいずれの
地域においても共通に使用可能な、全世界対応の電源装
置を形成することができるものである。
【0022】ところがこの装置において、交流入力電圧
VACの判別が交流電源ACの一端に回路を設けて直接に
行われている。このためこの装置は、例えば交流電源A
Cからの過大なサージ電圧の重畳や瞬間停電モード、外
乱ノイズや雷サージの侵入等によって、交流入力電圧V
ACの判別に誤動作が発生する恐れがある。そしてこのよ
うな誤動作が、例えば交流入力電圧VACが200Vのと
きに発生して倍圧整流になると、平滑回路を構成するコ
ンデンサCX1、CX2の焼損や、トランジスタQX1、QX2
の耐圧オーバーによる破損等の恐れがあり、これを防止
するためには、これらの回路の周囲に多大な安全装置等
を設ける必要が生じていた。
【0023】またこの装置においては、上述したダイオ
ードブリッジ回路Di とコンデンサCX1、CX2には、そ
れぞれ倍圧整流用の高耐圧ダイオード及びそれに対する
放熱板や、高耐圧の電解コンデンサ等が必要になる。こ
のためこれらの回路を設ける基板の面積が拡大して、装
置全体が大きなものになってしまうなどの問題点を生じ
ることになる。なお上述の装置では、コンデンサCX1の
正極側の直流電圧Eiは、交流入力電圧VACが100V
と200Vのときでほぼ等しくなっており、このコンデ
ンサCX1の正極側では交流入力電圧VACを判別できない
ものである。
【0024】これに対して例えば図8に示すように、交
流入力電圧VACが100Vと200Vの場合の切り換え
を、ダイオードブリッジ回路Di の後段に設けた4個の
スイッチング素子をフルブリッジとハーフブリッジに切
り換えて行うことによって、ダイオードブリッジ回路D
i の後段で交流入力電圧VACの判別を行うようにした装
置が提案されている。なお、以下の説明で上述の図6と
対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略
する。
【0025】すなわち図8において、ダイオードブリッ
ジ回路Di の負極側の整流出力端が接地されると共に、
このブリッジ回路Di の正極側の整流出力端が平滑用の
コンデンサCi を介して接地される。そしてこのコンデ
ンサCi の正極側が、スイッチング素子QY1及び逆方向
のダイオードDY1の並列回路とスイッチング素子QY2及
び逆方向のダイオードDY2の並列回路とを直列接続した
ハーフブリッジ回路と、スイッチング素子QY3及び逆方
向のダイオードDY3の並列回路とスイッチング素子QY4
及び逆方向のダイオードDY4の並列回路とを直列接続し
た2組のハーフブリッジ回路を介して接地される。
【0026】さらにこれらのスイッチング素子QY1、Q
Y2がドライブ回路201によって駆動され、またスイッ
チング素子QY3、QY4がドライブ回路202によって駆
動される。また、これらのスイッチング素子QY1、QY2
の接続中点が絶縁コンバータトランスPITの1次巻線
TX1の一端に接続され、スイッチング素子QY3、QY4の
接続中点が共振コンデンサCY1を介して1次巻線TX1の
他端に接続される。そしてこれらのドライブ回路20
1、202に発振回路200からの発振信号が供給され
る。
【0027】また、この発振回路200の発振周波数
が、上述の制御回路100の出力によって制御される。
さらにコンデンサCi の正極側が起動回路203に接続
されると共に、絶縁コンバータトランスPITの2次巻
線TX3からダイオードDX10 、コンデンサCX10 を介し
て得られる電圧が起動回路203に供給される。そして
この起動回路203からの起動信号が発振回路200に
供給される。
【0028】この装置において、例えば交流電源ACの
交流入力電圧VACが100Vの場合にはドライブ回路2
01、202が逆相で駆動される。これによってスイッ
チング素子QY1、QY2とスイッチング素子QY3、QY4と
はフルブリッジ構成となり、一の時点では例えばスイッ
チング素子QY1とQY4がオンされることで1次巻線TX1
は図示で下向きの電流が流され、他の時点ではスイッチ
ング素子QY2とQY3がオンされることで1次巻線TX1は
図示で上向きの電流が流され、1次巻線TX1には、実質
的にそれぞれの電流の波高値の2倍の電流が流される。
【0029】これに対して交流入力電圧VACが200V
の場合には、例えばドライブ回路202はスイッチング
素子QY3がオフ、スイッチング素子QY4がオンの状態で
停止され、スイッチング素子QY1、QY2のハーフブリッ
ジ回路のみがドライブ回路201によって駆動される。
これによって、一の時点では例えばスイッチング素子Q
Y1からの電流が1次巻線TX1を図示で下向きに流れてス
イッチング素子QY4を介して接地され、このときの電位
差が共振コンデンサCY1に蓄えられる。さらに他の時点
では共振コンデンサCY1に蓄えられた電荷が1次巻線T
X1を図示で上向きに流れてスイッチング素子QY2を介し
て接地される。
【0030】すなわちこの装置において、絶縁コンバー
タトランスPITの1次巻線TX1には、交流入力電圧V
ACが100Vのときに200Vのときの2倍の電流が流
される。これによって絶縁コンバータトランスPITの
2次巻線TX2には、交流入力電圧VACが100Vと20
0Vのときで同等の出力を得ることができる。またこれ
らの場合にドライブ回路201、202の駆動の周波数
は常に同等であって、直流出力電圧E0 、E0 ′の安定
化の制御を同等に行うことができ、交流入力電圧VACが
100Vと200Vのいずれの地域においても共通に使
用可能にして、全世界対応の電源装置を形成することが
できる。
【0031】一方、上述のコンデンサCi の正極側に
は、交流入力電圧VACが100Vのときと200Vのと
きとで2倍に変化する直流電圧が形成されている。そこ
でこのコンデンサCi の正極側の直流電圧を判別して、
例えば交流入力電圧VACが100Vと200Vとの切り
換えを行うことができる。すなわち図8においては、コ
ンデンサCi の正極側が抵抗器RY1、RY2の分圧回路を
介して接地され、この分圧点が逆方向のツェナーダイオ
ードDY5を介してコンデンサCY2と抵抗器RY3の並列回
路の一端に接続され、この並列回路の他端が接地され
る。そしてツェナーダイオードDY5の閾値が所定値とな
るように各素子の値が設定される。
【0032】これによって、上述の交流電源ACの交流
入力電圧VACが所定値(例えば150V)以上のとき
は、コンデンサCi の正極側の電圧を抵抗器RY1、RY2
で分圧した電圧値がツェナーダイオードDY5の閾値以上
となり、コンデンサCY2が充電される。また交流電源A
Cの交流入力電圧VACが所定値以下のときは、コンデン
サCi の正極側の電圧を抵抗器RY1、RY2で分圧した電
圧値がツェナーダイオードDY5の閾値以下となり、コン
デンサCY2は抵抗器RY3によって放電される。そしてこ
のコンデンサCY2の正極側の電圧が比較回路204で判
別され、この判別信号が例えばドライブ回路202に供
給されて駆動が制御される。
【0033】すなわちコンデンサCi の正極側の電圧
が、交流電源ACの交流入力電圧VACの所定値(例えば
150V)に対応する値以上になると、コンデンサCY2
の正極側の電圧が上昇して比較回路204でその値が判
別され、ドライブ回路202の駆動を停止する制御が行
われる。これに対してコンデンサCi の正極側の電圧が
所定値に対応する値以下になると、コンデンサCY2の正
極側の電圧が低下して比較回路204でその値が判別さ
れ、ドライブ回路202を発振回路200からの発振信
号に従って駆動する制御が行われる。
【0034】ところがこの装置では、4個のスイッチン
グ素子QY1、QY2、QY3、QY4が用いられ、これらの素
子は大型であると共にその発熱を除くための放熱板も必
要とされる。またこれらのスイッチング素子を駆動する
ためには2組のドライブ回路201、202や比較回路
204等が必要とされ、さらに1次側と2次側の絶縁を
保つためには、制御回路100と発振回路200との間
でフォトカプラ等の絶縁された信号伝達手段を設ける必
要がある。このため装置を構成する回路部品等の点数が
多くなり、これらの回路を設ける印刷配線基板等の面積
が拡大して、装置全体が大きなものになってしまうなど
の問題点を生じることになる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】この出願はこのような
点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問
題点は、交流入力電圧の異なる地域で共通に使用できる
ようにした電源装置において、従来の例えば自励発振形
の全波整流と倍圧整流を切り換える方式では、誤動作に
よってコンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐れ
があり、これらの回路の周囲に多大な安全装置等を設け
る必要が生じる。また例えば他励発振形のフルブリッジ
とハーフブリッジを切り換える方式では、誤動作の恐れ
は無いものの装置の部品点数が多くなり、これらの回路
を設ける印刷配線基板等の面積が拡大して装置全体が大
きなものになってしまうというものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】このため本発明において
は、コンバータトランスの1次巻線の一端から巻き上げ
て所定のブーストアップ回路を設けると共に、整流後の
平滑回路の電圧を判別してブーストアップを遮断する切
り換えを行い、コンバータトランスに印加される電圧が
必要に応じてブーストアップされるようにしたものであ
って、これによれば交流入力電圧が異なる地域において
も共通に使用可能な全世界対応の電源装置を形成するこ
とができると共に、整流後の平滑回路の電圧を判別する
ことで、コンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐
れを解消して安全性能や信頼性を向上させることがで
き、また部品点数を少なくして回路基板の面積を小さく
し装置全体を小型にすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】すなわち本発明の電源装置の第1
の実施形態は、EE形フェライト磁芯の中足磁脚を2組
の外足磁脚より短くしてギャップを形成すると共に、1
次巻線と2次巻線を分割ボビンにそれぞれ巻回して中足
磁脚に設けることにより1次巻線と2次巻線間を疎結合
としたコンバータトランスを有し、入力電圧平滑用コン
デンサの正極側を順方向のブーストアップ用のダイオー
ドを介してコンバータトランスの1次巻線の一端に接続
し、コンバータトランスの1次巻線の他端にスイッチン
グ素子を接続し、このスイッチング素子をコンバータト
ランスの2次巻線の出力電圧が所定の電圧値になるよう
にスイッチングする制御手段を設けると共に、コンバー
タトランスの1次巻線の一端から巻き上げて所定の巻線
数のブーストアップ巻線を設け、このブーストアップ巻
線の両端間にブーストアップ用のコンデンサを設け、入
力電圧平滑用コンデンサの正極側で入力電圧の電圧値を
判別してブーストアップを遮断する切り換え手段を設け
てなるものである。
【0038】これによれば、コンバータトランスに印加
される電圧が必要に応じてブーストアップされることに
よって、交流入力電圧が異なる地域においても共通に使
用可能な全世界対応の電源装置を形成することができる
と共に、整流後の平滑回路の電圧を判別することによっ
てコンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐れが解
消され、安全性能や信頼性を向上させることができ、ま
た部品点数を少なくして回路基板の面積を小さくし装置
全体を小型にすることができる。
【0039】また、本発明の第2の実施形態は、上述の
電源装置において、コンバータトランスの2次巻線と並
列に共振コンデンサを接続した電圧共振回路を構成して
コンバータトランスの2次巻線のセンタータップを用い
た両波整流により直流出力電圧を得るものであって、こ
れによれば電圧共振回路で両波整流により直流出力電圧
を得ると共に、コンバータトランスに印加される電圧が
必要に応じてブーストアップされることによって、交流
入力電圧が異なる地域においても共通に使用可能な全世
界対応の電源装置を形成することができ、さらに整流後
の平滑回路の電圧を判別することによってコンデンサの
焼損やトランジスタの破損等の恐れを解消して安全性能
や信頼性を向上させることができ、部品点数を少なく回
路基板の面積を小さくして装置全体を小型にすることが
できる。
【0040】さらに本発明の第3の実施形態は、上述の
電源装置において、コンバータトランスの2次巻線と直
列に共振コンデンサを接続した電流共振回路を構成して
倍圧整流方式により直流出力電圧を得るものであって、
これによれば電流共振回路で倍圧の直流出力電圧を得る
と共に、コンバータトランスに印加される電圧が必要に
応じてブーストアップされることによって、交流入力電
圧が異なる地域においても共通に使用可能な全世界対応
の電源装置を形成することができ、さらに整流後の平滑
回路の電圧を判別することによってコンデンサの焼損や
トランジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼
性を向上させることができ、部品点数を少なく回路基板
の面積を小さくして装置全体を小型にすることができ
る。
【0041】また、本発明の第4の実施形態は、上述の
電源装置において、コンバータトランスの2次巻線と並
列に共振コンデンサを接続した電圧共振回路を構成して
ブリッジ整流を用いた両波整流により直流出力電圧を得
るものであって、これによれば電圧共振回路でブリッジ
整流を用いた両波整流により直流出力電圧を得ると共
に、コンバータトランスに印加される電圧が必要に応じ
てブーストアップされることによって、交流入力電圧が
異なる地域においても共通に使用可能な全世界対応の電
源装置を形成することができ、さらに整流後の平滑回路
の電圧を判別することによってコンデンサの焼損やトラ
ンジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を
向上させることができ、部品点数を少なく回路基板の面
積を小さくして装置全体を小型にすることができる。
【0042】さらに本発明の第5の実施形態は、上述の
電源装置において、コンバータトランスの2次巻線と直
列に2組の共振コンデンサを接続した電流共振回路を構
成して4倍圧整流方式により直流出力電圧を得るもので
あって、これによれば電流共振回路で4倍圧の直流出力
電圧を得ると共に、コンバータトランスに印加される電
圧が必要に応じてブーストアップされることによって、
交流入力電圧が異なる地域においても共通に使用可能な
全世界対応の電源装置を形成することができ、さらに整
流後の平滑回路の電圧を判別することによってコンデン
サの焼損やトランジスタの破損等の恐れを解消して安全
性能や信頼性を向上させることができ、部品点数を少な
く回路基板の面積を小さくして装置全体を小型にするこ
とができる。
【0043】さらに本発明の第6の実施形態は、上述の
電源装置において、スイッチング素子をコンバータトラ
ンスの2次巻線の出力電圧が所定の電圧になるようにス
イッチングする制御手段には、2次巻線の出力電圧によ
り制御トランスのインダクタンスを可変にして発振周波
数を制御する自励発振形スイッチング周波数制御手段を
用いるものであって、これによれば自励発振によりスイ
ッチング周波数の制御を行うと共に、コンバータトラン
スに印加される電圧が必要に応じてブーストアップされ
ることによって、交流入力電圧が異なる地域においても
共通に使用可能な全世界対応の電源装置を形成すること
ができ、さらに整流後の平滑回路の電圧を判別すること
によってコンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐
れを解消して安全性能や信頼性を向上させることがで
き、部品点数を少なく回路基板の面積を小さくして装置
全体を小型にすることができる。
【0044】また、本発明の第7の実施形態は、上述の
電源装置において、スイッチング素子をコンバータトラ
ンスの2次巻線の出力電圧が所定の電圧になるようにス
イッチングする制御手段には、2次巻線の出力電圧を検
出してこの検出値により発振回路の発振周波数を制御す
る他励発振形スイッチング周波数制御手段を用いるもの
であって、これによれば他励発振によりスイッチング周
波数の制御を行うと共に、コンバータトランスに印加さ
れる電圧が必要に応じてブーストアップされることによ
って、交流入力電圧が異なる地域においても共通に使用
可能な全世界対応の電源装置を形成することができ、さ
らに整流後の平滑回路の電圧を判別することによってコ
ンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐れを解消し
て安全性能や信頼性を向上させることができ、部品点数
を少なく回路基板の面積を小さくして装置全体を小型に
することができる。
【0045】以下、図面を参照して本発明を説明する
に、図1は本発明による電源装置の一実施形態の構成を
示すブロック図である。
【0046】図1において、交流電源ACの両端が電源
投入時等の突入電流制限用の抵抗器Ri を介してダイオ
ードブリッジ回路Di の交流入力端に接続される。この
ブリッジ回路Di の負極側の整流出力端が接地され、こ
のブリッジ回路Di の正極側の整流出力端が平滑用のコ
ンデンサCi を介して接地される。これによって交流電
源ACがダイオードブリッジ回路Di で全波整流され、
この整流電圧がコンデンサCi で平滑される。そしてこ
のコンデンサCi の正極側には交流電源ACの交流入力
電圧VACに応じた直流電圧Ei が形成される。
【0047】また、1次側と2次側を直流的に絶縁して
電力の伝達を行う絶縁コンバータトランスPITが設け
られる。この絶縁コンバータトランスPITは、後述す
るようにEE形フェライト磁芯の中足磁脚を2組の外足
磁脚より短くしてギャップを形成すると共に、1次巻線
と2次巻線を分割ボビンにそれぞれ巻回して中足磁脚に
設け、1次巻線と2次巻線間を疎結合としたものであ
る。そしてこの絶縁コンバータトランスPITの1次巻
線T1 が例えば巻線数N1 とされると共に、さらにこの
1次巻線T1 の一方の端部からの巻き上げによって例え
ば巻線数N3 のブーストアップ巻線T3 が設けられる。
【0048】また、上述のコンデンサCi の正極側にブ
ーストアップ用のコンデンサCB の一端が接続され、こ
のコンデンサCB の他端が上述のブーストアップ巻線T
3 の他方の端部に接続される。さらにコンデンサCi の
正極側が直交形制御トランスPRTの被制御巻線Ta の
一方の端部に接続され、この被制御巻線Ta の他方の端
部がブーストアップ用の順方向のダイオードDB を介し
て絶縁コンバータトランスPITの1次巻線T1 の一方
の端部に接続される。なお、直交形制御トランスPRT
は、他に被制御巻線Tb と制御巻線Tc とを有し、後述
するように制御巻線Tc に供給される制御信号に従って
被制御巻線Ta 、Tb のインダクタンス値が変化される
ものである。
【0049】そして上述の絶縁コンバータトランスPI
Tの1次巻線T1 の他方の端部が、スイッチング用の高
耐圧のnpnバイポーラトランジスタ(BJT:接合型
トランジスタ)Q1 のコレクタ−エミッタ間を介して接
地され、このコレクタ−エミッタ間に並列に共振コンデ
ンサCR が設けられる。また、トランジスタQ1 のベー
ス−エミッタ間にダンパー用のダイオードD11が設けら
れ、このベースが起動用の抵抗器RS を介してコンデン
サCi の正極側に接続されると共に、このトランジスタ
Q1 のベースがダンピング抵抗器R11、共振コンデンサ
C11と、上述の直交形制御トランスPRTの被制御巻線
Tb を介して接地される。
【0050】以上の構成によってスイッチングコンバー
タ回路が形成される。そこでこの回路に交流電源ACが
印加されると、抵抗器RS からの起動信号によってトラ
ンジスタQ1 、抵抗器R11、共振コンデンサC11、直交
形制御トランスPRTの被制御巻線Tb による自励発振
回路が起動され、トランジスタQ1 のスイッチング駆動
が開始される。そしてこのトランジスタQ1 がオフとさ
れる期間に、直交形制御トランスPRTの被制御巻線T
a 及び絶縁コンバータトランスPITのブーストアップ
巻線T3 、1次巻線T1 の漏洩インダクタンス、共振コ
ンデンサCR 等による共振回路によって正弦波パルス状
の共振電流が形成される。
【0051】また、このとき上述のブーストアップ用の
コンデンサCB には、上述の巻線数N1 の1次巻線T1
と巻線数N3 のブーストアップ巻線T3 の巻線数の比に
応じた電圧が発生される。すなわちこのコンデンサCB
の他端の電位VB は、ダイオードDB の降下電圧をVF
、トランジスタQ1 のコレクタ−エミッタ間の降下電
圧をVCE(SAT) と置いて、接地端に対して、 VB =〔Ei −VF −VCE(SAT) 〕・〔(N1 +N3 )
/N1 〕≒Ei 〔1+(N3 /N1 )〕 となり、この電位VB に応じた共振電流が1次巻線T1
に供給される。
【0052】そしてこの絶縁コンバータトランスPIT
の1次巻線T1 を流れる共振電流に応じて2次巻線T2
に任意の電圧が誘起される。そこでさらにこの絶縁コン
バータトランスPITの2次巻線T2 の巻線数は2*N
2 とされ、この巻線数を2等分する位置にセンタータッ
プが設けられてこのセンタータップが2次側で接地され
る。またこの2次巻線T2 の両端間には共振用のコンデ
ンサC1 が設けられ、2次巻線T2 の漏洩インダクタン
スとコンデンサC1 とによる電圧共振回路が形成され
る。
【0053】さらにこの絶縁コンバータトランスPIT
の2次巻線T2 の両端となるタップがそれぞれ順方向の
ダイオードD1 、D2 を介して互いに接続され、この接
続中点が平滑用のコンデンサC2 を介して2次側で接地
されると共に、この接続中点から出力端子1が導出され
る。これによって出力端子1には、2次巻線T2 の両端
間の出力が両波整流されて任意の直流出力電圧E0 が取
り出される。
【0054】また絶縁コンバータトランスPITの2次
巻線T2 の上述のセンタータップに対して対称となる2
つの任意の位置に中間タップが設けられる。これらの中
間タップがそれぞれ順方向のダイオードD3 、D4 を介
して互いに接続され、この接続中点が平滑用のコンデン
サC3 を介して2次側で接地されると共に、この接続中
点から出力端子2が導出される。これによって出力端子
2には、上述の2次巻線T2 の任意の中間タップ間の出
力が両波整流されて所望の直流出力電圧E0 ′が取り出
される。
【0055】さらに上述の直流出力電圧E0 、E0 ′が
制御回路3に接続され、この制御回路3からの制御信号
が直交形制御トランスPRTの制御巻線Tc に供給され
る。これによって被制御巻線Ta 、Tb のインダクタン
ス値が制御回路3からの制御信号に応じて制御される。
そして出力端子1、2の直流出力電圧E0 、E0 ′が変
化したときには、被制御巻線Ta 、Tb のインダクタン
ス値が変化され、上述の自励発振回路の発振周波数とト
ランジスタQ1 の導通角が、その変化を打ち消す方向に
制御されて、出力端子1、2に取り出される直流出力電
圧E0 、E0 ′が安定化される。
【0056】そしてこの装置において、スイッチング用
のトランジスタQ1 に印加される電圧は、上述のように
1次巻線T1 の巻線数N1 とブーストアップ巻線T3 の
巻線数N3 の比に応じて任意に設定することができる。
そこで使用されるトランジスタQ1 を例えば1500V
耐圧の汎用品とするならば、ブーストアップ巻線T3の
巻線数N3 を0.5N1 ≦N3 ≦N1 に選定することに
よって、トランジスタQ1 に印加される電圧を常に15
00V以下に定めることができ、特性の優れた汎用品の
トランジスタの使用を可能にすることができる。
【0057】さらにこの装置において、交流電源ACの
交流入力電圧VACの上昇、あるいは負荷電力の低下が生
じると、直交形制御トランスPRTの作用によってトラ
ンジスタQ1 のスイッチングの周波数が高くなるように
制御が行われると共に、トランジスタQ1 の導通角が短
くなる制御が行われる。このためトランジスタQ1 とコ
ンデンサCR に印加される電圧共振パルス電圧VCPは、
最小交流電圧で最大負荷時の最小スイッチング周波数時
に最もピーク値が上昇することになる。
【0058】一方、電圧共振パルス電圧VCPは、トラン
ジスタQ1 のオン時間をTON、オフ時間をTOFF 、コン
デンサCB の正極側の電位をVB として、 VCP=VB 〔1+(π/2)・(TON/TOFF )〕 で与えられる。またオフ時間TOFF は、1次巻線T1 及
び被制御巻線Ta のインダクタンス値をL1 、La 、共
振コンデンサCR の容量値をCR とおいて、 TOFF =√〔(L1 +La )・CR 〕 で与えられる。
【0059】そこで絶縁コンバータトランスPITのブ
ーストアップ巻線T3 の巻線数N3と2次巻線T2 の巻
線数N2 をN3 =N2 とすると、例えば交流入力電圧V
AC=80Vのときに、ブーストアップ電圧VB =220
Vとなり、トランジスタQ1のオン時間TON=3・TOFF
となって、電圧共振パルス電圧VCP=1250Vとな
る。またVAC=120Vのときに、VB =330Vとな
り、TON=TOFF となって、VCP=860Vとなる。
【0060】すなわちこの装置において、ブーストアッ
プ回路を結合しない場合と比較して、見掛け上の交流入
力電圧が2倍に上昇しており、最大負荷電力の増加が図
られるため、例えば最大負荷電力が160W以上の場合
にも有効な装置とすることができる。また、この際にス
イッチング用のトランジスタQ1 の耐圧を1500V以
下にして汎用品の素子とすることができ、特性の優れた
素子を用いることで効率の良い電力変換を行うことがで
き、例えば交流入力電圧の変動に対して90%以上の効
率を保持することができる。
【0061】またこの装置において、スイッチング素子
として使用される回路部品はトランジスタQ1 のみであ
り、それを駆動する回路の構成も簡単なものであって、
これによる回路部品等の増加や印刷配線基板等の面積の
拡大の恐れもなく、装置全体を小型軽量化することがで
きる。さらに交流入力電圧の上昇あるいは負荷電力の低
下によってトランジスタQ1 のスイッチング周波数が高
く制御されたときには、同時にスイッチングの導通角が
短くなるPWM(Pulse Width Moduration)制御が行わ
れており、この周波数と導通角の複合制御が行われるこ
とによって極めて効率の良い変換が行われている。
【0062】さらにこの装置において、絶縁コンバータ
トランスPITの2次巻線T2 の回路で電圧共振により
直流出力電圧を得ている場合には、上述のように絶縁コ
ンバータトランスPITのEE形フェライト磁芯の中足
磁脚を2組の外足磁脚より短くしてギャップを形成し、
1次巻線と2次巻線間を疎結合(例えば結合係数k≒
0.85)とすることによって、この絶縁コンバータト
ランスPITでの飽和状態を起こり難くし、変換が安定
に行われるようにすることができる。
【0063】そしてこの装置において、上述のようにブ
ーストアップ回路を結合しない場合と比較して、見掛け
上の交流入力電圧が2倍に上昇している。そこで例えば
交流入力電圧VACが100Vのときはブーストアップ回
路を結合し、交流入力電圧VACが200Vのときはこれ
を遮断することによって、見掛け上の交流入力電圧を常
に一定にすることができる。すなわち上述の装置におい
て、ブーストアップ用のダイオードDB に並列にスイッ
チSW を設ける。これによって、このスイッチSW がオ
ンのときはダイオードDB が短絡されてブーストアップ
回路が遮断され、オフのときにこれを結合することがで
きる。
【0064】さらにこのスイッチSW の切り換えを、例
えば交流電源ACからの交流入力電圧VACが100Vと
200Vの地域で自動的に行うには、例えば以下のよう
にすることができる。すなわち図1において、上述のダ
イオードブリッジ回路Di の整流出力端側の平滑用コン
デンサCi の正極側には、交流入力電圧VACが100V
のときと200Vのときとで2倍に変化する直流電圧が
形成されており、このコンデンサCi の正極側の直流電
圧を判別してスイッチSW の自動切り換えを実現するこ
とができる。
【0065】そこでこのコンデンサCi の正極側が抵抗
器R1 、R2 の分圧回路を介して接地され、この分圧点
が逆方向のツェナーダイオードD5 を介してコンデンサ
C4と抵抗器R3 の並列回路の一端に接続され、この並
列回路の他端が接地される。ここでツェナーダイオード
D5 の閾値が、例えば交流入力電圧VACが100Vのと
きは導通、200Vのときは非導通となるように各素子
の値が設定される。そしてこのコンデンサC4 と抵抗器
R3 の並列回路の一端に得られる電圧信号がサイリスタ
Q2 の制御端子に供給される。
【0066】また、絶縁コンバータトランスPITの2
次巻線T4 からダイオードD6 、コンデンサC5 を介し
て得られる電圧が、上述のスイッチSW を駆動するため
のリレーRY の一端に供給され、このリレーRY の他端
がサイリスタQ2 を介して接地される。なおこのリレー
RY には並列に逆起電力の短絡用のダイオードD7 が設
けられる。
【0067】これにより交流電源ACの交流入力電圧V
ACが所定値(例えば150V)以上のときは、コンデン
サCi の正極側の電圧を抵抗器R1 、R2 で分圧した電
圧値がツェナーダイオードD5 の閾値以上となってコン
デンサC4 が充電され、所定値以下のときはコンデンサ
Ci の正極側の電圧を抵抗器R1 、R2 で分圧した電圧
値がツェナーダイオードD5 の閾値以下となってコンデ
ンサC4 は抵抗器R3によって放電される。こうしてこ
のコンデンサC4 の正極側には、交流入力電圧VACが所
定値以上か以下かを示す2値の信号が形成される。そし
てこのコンデンサC4 の正極側の電圧によってサイリス
タQ2 の導通が制御される。
【0068】さらにこのサイリスタQ2 の導通に応じて
リレーRY が駆動される。そして例えば交流入力電圧V
ACが200Vのときには、リレーRY の駆動によってス
イッチSW がオンされ、ダイオードDB が短絡されて上
述のブーストアップ回路が遮断される。これにより交流
入力電圧VACをそのまま整流平滑した電圧Ei が絶縁コ
ンバータトランスPITに印加される。これに対して交
流入力電圧VACが例えば100Vのときには、リレーR
Y の駆動によってスイッチSW がオフされる。これによ
り上述のブーストアップ回路が結合されて電圧Ei を略
2倍に昇圧した電圧VB が絶縁コンバータトランスPI
Tに印加される。
【0069】すなわちこの装置において、交流入力電圧
VACと絶縁コンバータトランスPITに印加される直流
電圧Ei 及びVB の関係は例えば図2の波形図に示すよ
うになる。この図2において、交流入力電圧VACが例え
ば150V以下の範囲では、ブーストアップによって2
倍に昇圧された電圧VB が取り出されて、例えば交流入
力電圧VACが80Vでは約200V、120Vでは約3
00Vの直流電圧VBが絶縁コンバータトランスPIT
に印加される。
【0070】これに対して交流入力電圧VACが例えば1
50V以上になると、ブーストアップ回路が遮断され
て、元の直流電圧Ei がそのまま取り出され、例えば交
流入力電圧VACが200Vでは約250V、240Vで
は約300Vの直流電圧Ei が絶縁コンバータトランス
PITに印加される。これにより絶縁コンバータトラン
スPITには、交流入力電圧VACが100Vのときと2
00Vのときとで同等の電圧が印加され、いずれのとき
にも同等の変換が行われることになる。なお、図中の破
線は接続負荷が最小(Pomin)の場合、実線は接続負荷
が最大(Pomax)の場合を示す。
【0071】そしてこの場合に、上述の装置によれば、
交流電源ACからの交流入力電圧VACの判別を、交流入
力電圧VACが100Vのときと200Vのときとで2倍
に変化するダイオードブリッジ回路Di の整流出力端側
の平滑用コンデンサCi の正極側の直流電圧を判別して
行うので、例えば交流電源ACからの過大なサージ電圧
の重畳や瞬間停電モード、外乱ノイズや雷サージの侵入
等による判別の誤動作の恐れがなく、コンデンサの焼損
やスイッチング用トランジスタの耐圧オーバーによる破
損等の恐れ解消することができる。
【0072】従ってこの装置においては、コンバータト
ランスの1次巻線の一端から巻き上げて所定のブースト
アップ回路を設けると共に、整流後の平滑回路の電圧を
判別してブーストアップを遮断する切り換えを行い、コ
ンバータトランスに印加される電圧が必要に応じてブー
ストアップされるようにしたことによって、交流入力電
圧が異なる地域においても共通に使用可能な全世界対応
の電源装置を形成することができると共に、整流後の平
滑回路の電圧を判別することで、コンデンサの焼損やト
ランジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性
を向上させることができ、また部品点数を少なくして回
路基板の面積を小さくし装置全体を小型にすることがで
きる。
【0073】これによって、従来の例えば自励発振形の
全波整流と倍圧整流を切り換える方式では誤動作によっ
てコンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐れがあ
り、これらの回路の周囲に多大な安全装置等を設ける必
要が生じ、また例えば他励発振形のフルブリッジとハー
フブリッジを切り換える方式では誤動作の恐れは無いも
のの装置の部品点数が多くなり、これらの回路を設ける
印刷配線基板等の面積が拡大して装置全体が大きなもの
になってしまうなどの問題点があったものを、本発明に
よればこれらの問題点を容易に解消することができるも
のである。
【0074】さらに図3には、本発明による電源装置の
他の実施形態として、上述のスイッチSW 及びリレーR
Y を電子回路化した装置を示す。この場合には、ブース
トアップ用のダイオードDB が順方向に直列接続された
ダイオードDB1、DB2と、逆方向に設けられるダイオー
ドDB3の並列回路によって形成され、これらに並列に順
方向にpnpトランジスタQ3 が設けられる。そしてこ
のトランジスタQ3 のエミッタ−ベース間に抵抗器R4
が設けられ、このトランジスタQ3 のベースが抵抗器R
5 を介してサイリスタQ2 に接続される。他の1次側の
構成は図1と同様にされる。
【0075】この装置において、例えば交流入力電圧V
ACが200VでサイリスタQ2 が導通されたときは、ト
ランジスタQ3 がオンされ、ダイオードDB1、DB2が短
絡されて上述のブーストアップ回路が遮断される。これ
により交流入力電圧VACをそのまま整流平滑した電圧E
i が絶縁コンバータトランスPITに印加される。これ
に対して交流入力電圧VACが例えば100Vのときに
は、サイリスタQ2 が非導通となってトランジスタQ3
がオンされる。これにより上述のブーストアップ回路が
結合されて電圧Ei を略2倍に昇圧した電圧VB が絶縁
コンバータトランスPITに印加される。
【0076】これによって絶縁コンバータトランスPI
Tには、交流入力電圧VACが100Vのときと200V
のときとで同等の電圧が印加され、同等の変換が行われ
ることになる。そしてこの場合にも、コンバータトラン
スに印加される電圧が必要に応じてブーストアップされ
るようにしたことによって、交流入力電圧が異なる地域
においても共通に使用可能な全世界対応の電源装置を形
成することができると共に、整流後の平滑回路の電圧を
判別することで、コンデンサの焼損やトランジスタの破
損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向上させるこ
とができ、また部品点数を少なくして回路基板の面積を
小さくし装置全体を小型にすることができる。
【0077】またこの図3においては、絶縁コンバータ
トランスPITの2次側において、直流出力電圧の取り
出しを、2次巻線と並列に共振コンデンサを接続した電
圧共振回路を構成してブリッジ整流を用いた両波整流に
より行う実施形態と、2次巻線の出力を両波整流により
行う実施形態が示されている。
【0078】すなわち、この図3の絶縁コンバータトラ
ンスPITの第1の2次巻線Tm2においては、その両端
間に共振コンデンサCm1が接続されると共に、ダイオー
ドブリッジ回路Dm1の交流入力端に接続される。そして
このブリッジ回路Dm1の負極側の整流出力端が2次側で
接地され、正極側の整流出力端が平滑用のコンデンサC
m2を介して2次側で接地されると共に出力端子21が導
出される。これによって2次巻線Tm2に電圧共振回路を
構成してブリッジ整流を用いた両波整流により所望の直
流出力電圧E0 を得ることができる。
【0079】また、絶縁コンバータトランスPITの第
2の2次巻線Tm3においては、そのセンタータップが2
次側で接地され、この2次巻線Tm3の両端タップがそれ
ぞれ順方向のダイオードDm2、Dm3を介して互いに接続
される。そしてこの接続中点が平滑用のコンデンサCm3
を介して2次側で接地されると共に、この接続中点から
出力端子22が導出される。これによって2次巻線Tm3
の両端タップ間の出力が両波整流されて任意の直流出力
電圧E0 ′が取り出される。
【0080】これによって2次巻線Tm2の電流共振回路
では倍圧の直流出力電圧を得ることができる。また2次
巻線Tm3の両端タップ間の出力が両波整流されて所望の
直流出力電圧が取り出される。なお2次巻線Tm2の回路
で倍圧の直流出力電圧を得ている場合には、上述のよう
に絶縁コンバータトランスPITのEE形フェライト磁
芯の中足磁脚を2組の外足磁脚より短くしてギャップを
形成し、1次巻線と2次巻線間を疎結合(例えば結合係
数k≒0.85)とすることによって、この絶縁コンバ
ータトランスPITでの飽和状態を起こり難くし、変換
が安定に行われるようにすることができる。
【0081】そしてこの場合にも、コンバータトランス
に印加される電圧が必要に応じてブーストアップされる
ようにしたことによって、交流入力電圧が異なる地域に
おいても共通に使用可能な全世界対応の電源装置を形成
することができると共に、整流後の平滑回路の電圧を判
別することで、コンデンサの焼損やトランジスタの破損
等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向上させること
ができ、また部品点数を少なくして回路基板の面積を小
さくし装置全体を小型にすることができる。
【0082】さらに図4には、本発明による電源装置の
他の実施形態の構成のブロック図を示す。この図4にお
いては、スイッチング素子として上述のトランジスタに
代えてダーリントン接続されたトランジスタQm1、Qm2
を使用しているものである。なお、以下の説明で上述の
図1と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明
を省略する。
【0083】この場合に、上述の絶縁コンバータトラン
スPITの1次巻線T1 の他方の端部がダーリントン接
続されたトランジスタQm2のコレクタ・エミッタ間を介
して接地され、このコレクタ・エミッタ間に並列にダン
パー用のダイオードDm4と共振コンデンサCR が設けら
れる。またトランジスタQm1のコレクタがトランジスタ
Qm2のコレクタに接続され、トランジスタQm1のエミッ
タがトランジスタQm2のベースに接続される。さらにト
ランジスタQm1、Qm2のベース・エミッタ間にそれぞれ
抵抗器Rm1、Rm2が接続され、トランジスタQm1のベー
スがダンパー用のダイオードDm5を介してトランジスタ
Qm2のエミッタに接続される。
【0084】そして制御回路3からの制御信号が発振ド
ライブ回路4に供給され、この発振ドライブ回路4から
の駆動信号がトランジスタQm1のベースに供給される。
なおこの場合に、制御回路3と発振ドライブ回路4との
間にはフォトカプラ等の絶縁された信号伝達手段が必要
である。また上述の平滑用コンデンサCi の正極側の電
圧が起動用の抵抗器RmSを介して発振ドライブ回路4に
供給される。これによって発振ドライブ回路4では、例
えば上述の制御回路3からの制御信号に応じて周波数及
びパルス幅の変調されたドライブ信号が形成され、この
ドライブ信号がダーリントン接続されたトランジスタQ
m1、Qm2のトランジスタQm1のベースに供給される。
【0085】この装置においても、入力平滑電圧の正極
をダイオードを介してコンバータトランスの1次巻線の
一端に印加すると共に、この一端から所定の巻線を巻き
上げ、この巻き上げられた巻線の両端間にコンデンサを
設けて、1次巻線に印加される電圧をブーストアップす
ることによって、ブーストアップ用の巻線の巻線数を調
整してスイッチング素子に印加される電圧を任意に設定
することができ、所望の耐圧のスイッチング素子を用い
て所望の出力を得ることができると共に、素子の特性を
向上させて効率の良い電力変換を行うことができる。
【0086】そしてこの装置において、ブーストアップ
用のダイオードDB に並列にスイッチSW を設けること
によって、このスイッチSW がオンのときはダイオード
DBが短絡されてブーストアップ回路が遮断され、オフ
のときにこれを結合することができる。なおこの装置に
おいて、スイッチSW の切り換えには、例えば上述のツ
ェナーダイオードD5 〜リレーRY による回路を用いる
ことができるが、図面ではこの回路をVAC検出回路5と
して示してある。またこれらのスイッチSW 及びVAC検
出回路5に代えて、図3に示した電子回路化した装置を
用いることもできる。
【0087】従ってこの装置においても、コンバータト
ランスに印加される電圧が必要に応じてブーストアップ
されるようにしたことによって、交流入力電圧が異なる
地域においても共通に使用可能な全世界対応の電源装置
を形成することができると共に、整流後の平滑回路の電
圧を判別することで、コンデンサの焼損やトランジスタ
の破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向上させ
ることができ、また部品点数を少なくして回路基板の面
積を小さくし装置全体を小型にすることができる。
【0088】さらに上述の図1、図3、図4の装置にお
いて、使用されるスイッチング素子としては、上述のス
イッチング用高耐圧のnpnバイポーラトランジスタ、
あるいはダーリントン接続されたトランジスタ(ダーリ
ントンBJT)の他に、MOS−FET(MOS型電界
効果トランジスタ;金属酸化膜半導体)や、IGBT
(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、SIT(静電
誘導サイリスタ)等を用いることもできる。
【0089】また図4においては、絶縁コンバータトラ
ンスPITからの直流出力電圧の取り出しを、2次巻線
と直列に共振コンデンサを接続した電流共振回路を構成
して倍圧整流方式により行う実施形態が示されている。
すなわちこの場合には、2次側の接地端から出力端子2
1に向かって順方向に直列接続されたダイオードD21、
D22が設けられる。そして絶縁コンバータトランスPI
Tの2次巻線Tm2の一端が2次側で接地され、2次巻線
Tm2の他端がこのダイオードD21、D22の接続中点にコ
ンデンサC21を介して接続される。さらにこのダイオー
ドD21、D22の直列回路に並列にコンデンサC22が接続
される。
【0090】また、2次巻線Tm3においてはそのセンタ
ータップが2次側で接地され、この2次巻線Tm3の両端
タップのがそれぞれ順方向のダイオードD23、D24を介
して互いに接続される。そしてこの接続中点が平滑用の
コンデンサC23を介して2次側で接地されると共に、こ
の接続中点から出力端子22が導出される。
【0091】これによって2次巻線Tm2の電流共振回路
では倍圧の直流出力電圧を得ることができる。また2次
巻線Tm3の任意の中間タップ間の出力が両波整流されて
所望の直流出力電圧が取り出される。そしてこの装置に
おいて、コンバータトランスに印加される電圧が必要に
応じてブーストアップされるようにしたことによって、
交流入力電圧が異なる地域においても共通に使用可能な
全世界対応の電源装置を形成することができると共に、
整流後の平滑回路の電圧を判別することで、コンデンサ
の焼損やトランジスタの破損等の恐れを解消して安全性
能や信頼性を向上させることができ、また部品点数を少
なくして回路基板の面積を小さくし装置全体を小型にす
ることができる。
【0092】さらに図5には、絶縁コンバータトランス
PITからの直流出力電圧の取り出しを、2次巻線と直
列に2組の共振コンデンサを接続した電流共振回路を構
成して4倍圧整流方式により行う実施形態が示されてい
る。
【0093】すなわちこの場合には、2次側の接地端か
ら出力端子21に向かって順方向に直列接続されたダイ
オードD31、D32、D33、D34が設けられる。また絶縁
コンバータトランスPITの2次巻線Tm5の一端がダイ
オードD32、D33の接続中点に接続され、2次巻線Tm5
の他端がダイオードD31、D32及びD33、D34の接続中
点に、それぞれコンデンサC31、C32を介して接続され
る。さらにダイオードD31、D32の直列回路に並列にコ
ンデンサC33が接続され、ダイオードD33、D34の直列
回路に並列にコンデンサC34が接続される。
【0094】これによって2次巻線Tm5の電流共振回路
では4倍圧の直流出力電圧を得ることができる。そして
この装置においても、コンバータトランスに印加される
電圧が必要に応じてブーストアップされるようにしたこ
とによって、交流入力電圧が異なる地域においても共通
に使用可能な全世界対応の電源装置を形成することがで
きると共に、整流後の平滑回路の電圧を判別すること
で、コンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐れを
解消して安全性能や信頼性を向上させることができ、ま
た部品点数を少なくして回路基板の面積を小さくし装置
全体を小型にすることができる。
【0095】こうして上述の電源装置によれば、EE形
フェライト磁芯の中足磁脚を2組の外足磁脚より短くし
てギャップを形成すると共に、1次巻線と2次巻線を分
割ボビンにそれぞれ巻回して中足磁脚に設けることによ
り1次巻線と2次巻線間を疎結合としたコンバータトラ
ンスを有し、入力電圧平滑用コンデンサの正極側を順方
向のブーストアップ用のダイオードを介してコンバータ
トランスの1次巻線の一端に接続し、コンバータトラン
スの1次巻線の他端にスイッチング素子を接続し、この
スイッチング素子をコンバータトランスの2次巻線の出
力電圧が所定の電圧値になるようにスイッチングする制
御手段を設けると共に、コンバータトランスの1次巻線
の一端から巻き上げて所定の巻線数のブーストアップ巻
線を設け、このブーストアップ巻線の両端間にブースト
アップ用のコンデンサを設け、入力電圧平滑用コンデン
サの正極側で入力電圧の電圧値を判別してブーストアッ
プを遮断する切り換え手段を設けることにより、交流入
力電圧が異なる地域においても共通に使用可能な全世界
対応の電源装置を形成することができると共に、整流後
の平滑回路の電圧を判別することで、コンデンサの焼損
やトランジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信
頼性を向上させることができ、また部品点数を少なくし
て回路基板の面積を小さくし装置全体を小型にすること
ができるものである。
【0096】なお本発明は、上述の説明した実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱するこ
となく種々の変形が可能とされるものである。
【0097】
【発明の効果】従って請求項1の発明によれば、コンバ
ータトランスに印加される電圧が必要に応じてブースト
アップされるようにしたことによって、交流入力電圧が
異なる地域においても共通に使用可能な全世界対応の電
源装置を形成することができると共に、整流後の平滑回
路の電圧を判別することによってコンデンサの焼損やト
ランジスタの破損等の恐れが解消され、安全性能や信頼
性を向上させることができ、また部品点数を少なくして
回路基板の面積を小さくし装置全体を小型にすることが
できる。
【0098】また、請求項2の発明によれば、電圧共振
回路で両波整流により直流出力電圧を得ると共に、コン
バータトランスに印加される電圧が必要に応じてブース
トアップされるようにしたことによって交流入力電圧が
異なる地域においても共通に使用可能な全世界対応の電
源装置を形成することができ、さらに整流後の平滑回路
の電圧を判別することによってコンデンサの焼損やトラ
ンジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を
向上させることができ、部品点数を少なく回路基板の面
積を小さくして装置全体を小型にすることができる。
【0099】さらに請求項3の発明によれば、電流共振
回路で倍圧の直流出力電圧を得ると共に、コンバータト
ランスに印加される電圧が必要に応じてブーストアップ
されるようにしたことによって交流入力電圧が異なる地
域においても共通に使用可能な全世界対応の電源装置を
形成することができ、さらに整流後の平滑回路の電圧を
判別することによってコンデンサの焼損やトランジスタ
の破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向上させ
ることができ、部品点数を少なく回路基板の面積を小さ
くして装置全体を小型にすることができる。
【0100】また、請求項4の発明によれば、電圧共振
回路でブリッジ整流を用いた両波整流により直流出力電
圧を得ると共に、コンバータトランスに印加される電圧
が必要に応じてブーストアップされるようにしたことに
よって交流入力電圧が異なる地域においても共通に使用
可能な全世界対応の電源装置を形成することができ、さ
らに整流後の平滑回路の電圧を判別することによってコ
ンデンサの焼損やトランジスタの破損等の恐れを解消し
て安全性能や信頼性を向上させることができ、部品点数
を少なく回路基板の面積を小さくして装置全体を小型に
することができる。
【0101】さらに請求項5の発明によれば、電流共振
回路で4倍圧の直流出力電圧を得ると共に、コンバータ
トランスに印加される電圧が必要に応じてブーストアッ
プされるようにしたことによって交流入力電圧が異なる
地域においても共通に使用可能な全世界対応の電源装置
を形成することができ、さらに整流後の平滑回路の電圧
を判別することによってコンデンサの焼損やトランジス
タの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向上さ
せることができ、部品点数を少なく回路基板の面積を小
さくして装置全体を小型にすることができる。
【0102】さらに請求項6の発明によれば、自励発振
によりスイッチング周波数の制御を行うと共に、コンバ
ータトランスに印加される電圧が必要に応じてブースト
アップされるようにしたことによって交流入力電圧が異
なる地域においても共通に使用可能な全世界対応の電源
装置を形成することができ、さらに整流後の平滑回路の
電圧を判別することによってコンデンサの焼損やトラン
ジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向
上させることができ、部品点数を少なく回路基板の面積
を小さくして装置全体を小型にすることができる。
【0103】また、請求項7の発明によれば、他励発振
によりスイッチング周波数の制御を行うと共に、コンバ
ータトランスに印加される電圧が必要に応じてブースト
アップされるようにしたことによって交流入力電圧が異
なる地域においても共通に使用可能な全世界対応の電源
装置を形成することができ、さらに整流後の平滑回路の
電圧を判別することによってコンデンサの焼損やトラン
ジスタの破損等の恐れを解消して安全性能や信頼性を向
上させることができ、部品点数を少なく回路基板の面積
を小さくして装置全体を小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電源装置の一実施形態の構成図で
ある。
【図2】その動作の説明のための図である。
【図3】本発明による電源装置の他の実施形態の構成図
である。
【図4】本発明による電源装置の他の実施形態の構成図
である。
【図5】さらに他の実施形態の構成図である。
【図6】従来の電源装置の構成図である。
【図7】その動作の説明のための図である。
【図8】従来の他の電源装置の構成図である。
【符号の説明】
AC…交流電源、Ri …突入電流制限用の抵抗器、Di
…ダイオードブリッジ回路、Ci …平滑用のコンデン
サ、CB …ブーストアップ用のコンデンサ、DB…ブー
ストアップ用のダイオード、SW …スイッチ、PIT…
絶縁コンバータトランス、T1 …その1次巻線、T2 ,
T3 …2次巻線、PRT…直交形制御トランス、Ta …
被制御巻線、Tb …被制御巻線、Tc …制御巻線、Q1
…スイッチング用高耐圧のnpnバイポーラトランジス
タ、CR …共振コンデンサ、D11…ダンパー用のダイオ
ード、RS …起動用の抵抗器、R11…ダンピング抵抗
器、C11…共振コンデンサ、C1 …共振用のコンデン
サ、D1 ,D2 ,D3 ,D4 …整流用のダイオード、C
2 ,C3 …平滑用のコンデンサ、1,2…出力端子、3
…制御回路、R1 ,R2 …抵抗器、D5 …ツェナーダイ
オード、C4 ,C5 …コンデンサ、D6 ,D7 …ダイオ
ード、Q2 …サイリスタ、RY …リレー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EE形フェライト磁芯の中足磁脚を2組
    の外足磁脚より短くしてギャップを形成すると共に、1
    次巻線と2次巻線を分割ボビンにそれぞれ巻回して前記
    中足磁脚に設けることにより前記1次巻線と2次巻線間
    を疎結合としたコンバータトランスを有し、 入力電圧平滑用コンデンサの正極側を順方向のブースト
    アップ用のダイオードを介して前記コンバータトランス
    の1次巻線の一端に接続し、 前記コンバータトランスの1次巻線の他端にスイッチン
    グ素子を接続し、 このスイッチング素子を前記コンバータトランスの2次
    巻線の出力電圧が所定の電圧値になるようにスイッチン
    グする制御手段を設けると共に、 前記コンバータトランスの1次巻線の一端から巻き上げ
    て所定の巻線数のブーストアップ巻線を設け、 このブーストアップ巻線の両端間にブーストアップ用の
    コンデンサを設け、 前記入力電圧平滑用コンデンサの正極側で前記入力電圧
    の電圧値を判別して前記ブーストアップを遮断する切り
    換え手段を設けることを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電源装置において、 前記コンバータトランスの2次巻線と並列に共振コンデ
    ンサを接続した電圧共振回路を構成して前記コンバータ
    トランスの2次巻線のセンタータップを用いた両波整流
    により直流出力電圧を得ることを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電源装置において、 前記コンバータトランスの2次巻線と直列に共振コンデ
    ンサを接続した電流共振回路を構成して倍圧整流方式に
    より直流出力電圧を得ることを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電源装置において、 前記コンバータトランスの2次巻線と並列に共振コンデ
    ンサを接続した電圧共振回路を構成してブリッジ整流を
    用いた両波整流により直流出力電圧を得ることを特徴と
    する電源装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電源装置において、 前記コンバータトランスの2次巻線と直列に2組の共振
    コンデンサを接続した電流共振回路を構成して4倍圧整
    流方式により直流出力電圧を得ることを特徴とする電源
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電源装置において、 前記スイッチング素子を前記コンバータトランスの2次
    巻線の出力電圧が所定の電圧になるようにスイッチング
    する制御手段には、 前記2次巻線の出力電圧により制御トランスのインダク
    タンスを可変にして発振を制御する自励発振形スイッチ
    ング制御手段を用いることを特徴とする電源装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電源装置において、 前記スイッチング素子を前記コンバータトランスの2次
    巻線の出力電圧が所定の電圧になるようにスイッチング
    する制御手段には、 前記2次巻線の出力電圧を検出してこの検出値により発
    振回路の発振を制御する他励発振形スイッチング制御手
    段を用いることを特徴とする電源装置。
JP11001267A 1999-01-06 1999-01-06 電源装置 Pending JP2000201480A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11001267A JP2000201480A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11001267A JP2000201480A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 電源装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000201480A true JP2000201480A (ja) 2000-07-18

Family

ID=11496693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11001267A Pending JP2000201480A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000201480A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6587358B1 (en) Switching power supply circuit
US5796598A (en) Voltage-converting circuit for the power supply of an electrical consumer of high output, particularly a bobbin winding machine
RU2672260C2 (ru) Резонансный dc-dc преобразователь мощности с управлением включением и выключением
US20080043506A1 (en) Dc-ac converter
US20070076443A1 (en) Switching power supply circuit
JPH02184267A (ja) 無損失スナッバ・リセット部品を有する直列共振インバータ
US20060250822A1 (en) Switching power supply apparatus
US11296607B2 (en) DC-DC converter
US7158389B2 (en) Switching power supply circuit
JPH07194122A (ja) 直流電圧発生回路装置
JP4359026B2 (ja) 交流電圧から低電力整流低電圧を発生させる電気回路装置
US11356029B2 (en) Rectifying circuit and switched-mode power supply incorporating rectifying circuit
US7791905B2 (en) Electrical DC-DC power converter with magnetically coupled switch control circuit
JP4820028B2 (ja) スイッチドモード電源
US6072709A (en) Multiple output voltage converter with improved cross-regulation
KR100439414B1 (ko) 절연형 디씨/디씨 전력변환기 및 이를 이용한 무정전전원공급 장치
WO2008042069A2 (en) Circuit for powering a high intensity discharge lamp
WO2019170781A1 (en) A resonant power converter
KR101937013B1 (ko) 역률 개선 컨버터
JP2000201480A (ja) 電源装置
JPH0993940A (ja) 電源回路及びスイッチング電源回路
JP2000209858A (ja) 電源装置
JP2000184708A (ja) 電源装置
WO2024157037A1 (ja) 電力変換装置
JP3163655B2 (ja) インバータ装置