JP2000199880A - 波長等化装置 - Google Patents

波長等化装置

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JP2000199880A JP11162032A JP16203299A JP2000199880A JP 2000199880 A JP2000199880 A JP 2000199880A JP 11162032 A JP11162032 A JP 11162032A JP 16203299 A JP16203299 A JP 16203299A JP 2000199880 A JP2000199880 A JP 2000199880A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 与えられた波長特性に対応する光等化フィル
タを効率よく設計することができ、さらに波長特性の変
化にも追従して常に平坦な波長特性を実現する。 【解決手段】 伝送帯域を含む所定の波長域を基本周期
とする波長特性の逆特性(逆波長特性)をフーリエ級数
展開した各項をそれぞれ近似する複数n個のフィルタモ
ジュールを直列に接続する。また、光増幅中継伝送路に
所定の間隔で配置される波長等化装置の入力または出力
の波長特性を測定する波長特性測定手段と、波長特性測
定手段で測定された波長特性に高速フーリエ変換を施
し、波長等化装置の透過率および中心波長を決定する解
析手段と、解析手段で得られたデータに従って波長等化
装置の各フィルタモジュールの波長特性を制御する制御
手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ伝送路
および光増幅中継器を接続した光増幅中継伝送路を介し
て波長多重光信号を伝送する波長多重光伝送システムに
おいて、光増幅中継器の利得特性等に起因する波長特性
の偏差を補償する波長等化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】波長多重光伝送システムには、光増幅中
継器の利得特性等に起因する波長特性の偏差がある。こ
の波長特性の偏差は、信号チャネル間のレベル差を生じ
させ、特定の信号チャネルでレベルの低下を引き起こ
す。
【0003】従来、この信号チャネル間のレベル差を補
償するために、光増幅中継器の利得特性を平坦にする方
法や、波長特性を補償する光等化フィルタ(例えばマッ
ハツェンダ型フィルタやファブリペロ型フィルタ)を適
当な間隔で光ファイバ伝送路に挿入する方法が検討され
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光増幅中継伝送路の波
長特性を補償する従来の光等化フィルタの特性は試行錯
誤的に決定され、効率的に設計する方法が確立していな
い。
【0005】また、試行錯誤により、ある波長特性に対
応する光等化フィルタを構成しても、光信号レベルや光
増幅器出力等の変化に応じて波長特性が変化した場合に
は、光等化フィルタの特性を追従させることができなか
った。
【0006】本発明は、与えられた波長特性に対応する
光等化フィルタを効率よく設計することができ、さらに
波長特性の変化にも追従して常に平坦な波長特性を実現
することができる波長等化装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の波長等
化装置は、図1に示す基本構成のように、伝送帯域を含
む所定の波長域を基本周期とする波長特性の逆特性(逆
波長特性)をフーリエ級数展開した各項をそれぞれ近似
する複数n個のフィルタモジュール1−1〜1−nを直
列に接続した構成である。
【0008】光増幅中継伝送路のある区間の波長特性G
(λ)〔dB〕が与えられたときに、その逆波長特性−
G(λ)は、フーリエ級数展開により、
【0009】
【数1】 と表される。ここで、Δλは等化帯域、nは正の整数で
ある。各フィルタモジュール1−1〜1−nには、(1)
式の各項を近似するフィルタ特性を設定する。
【0010】図2は、逆波長特性のフーリエ級数展開と
近似的構成を示す。波長特性G(λ)に対する逆波長特性
−G(λ)を第n次の項までフーリエ級数展開することに
より、−G(λ)は基本周期および基本周期の整数倍の分
周期をもつ余弦関数に分解できる。一般に、次数nを大
きくすることにより、任意の精度で−G(λ)を近似する
ことができる。
【0011】請求項2に記載の波長等化装置は、(1) 式
の第n項を近似するために、
【0012】
【数2】 と設定したマッハツェンダ型フィルタをN個直列(Nは
正の整数)に接続する。
【0013】請求項3に記載の波長等化装置は、(1) 式
の第n項を近似するために、
【0014】
【数3】 と設定したファブリペロ型フィルタをN個直列(Nは正
の整数)に接続する。
【0015】ここで、実際のマッハツェンダ型フィルタ
の特性M1(θ)およびファブリペロ型フィルタの特性F
1(θ) は、図3に示すように余弦関数から外れている
が、係数が十分に小さい場合には、余弦関数のよい近似
となる。したがって、フーリエ級数展開の各項を
【0016】
【数4】 のように構成すれば、図4に示すようにフィルタの個数
Nを増やすことにより近似の精度を高くすることができ
る。すなわち、波長等化装置通過後の波長等化特性を改
善することができる。
【0017】請求項4に記載の波長等化装置は、(1) 式
の第n項を近似するために、上記のマッハツェンダ型フ
ィルタとファブリペロ型フィルタを組み合わせ、その係
数を
【0018】
【数5】 と設定する。
【0019】ここで、フーリエ級数展開の各項を
【0020】
【数6】 のように構成すれば、1つのマッハツェンダ型フィルタ
と1つのファブリペロ型フィルタの組み合わせでも、図
5に示すようにさらに余弦関数に近い特性を得ることが
でき、より精度のよい波長等化装置を構成することがで
きる。
【0021】また、マッハツェンダ型フィルタやファブ
リペロ型フィルタに代えて、ファイバグレーティング等
の回折格子を用いても同様に波長等化装置を構成するこ
とができる(請求項5)。
【0022】ところで、請求項1〜5に記載の波長等化
装置を実際に構成する際に、現実のフィルタ特性と理想
的なフィルタ特性との間にわずかな誤差が生じる場合に
は、中継数を重ねるにつれて誤差の累積が問題となる。
そこで、現実のフィルタ特性の誤差を補正するフィルタ
の設定法について以下に説明する。
【0023】(1) 式に示した波長逆特性−G(λ)を変形
し、
【0024】
【数7】 とする。このとき、(7) 式の第i項に対応する誤差を含
むフィルタモジュールの特性Ei は、
【0025】
【数8】 と表される。ただし、ci は定数であり、x=α,βと
したときに、 xii=xi |xij|<<|xi| (i≠n) である。
【0026】ここで、各Ei の中で同じ周期の項をまと
めると、
【0027】
【数9】 が得られる。 (7)式の第i項と (9)式を比較することに
より、
【0028】
【数10】 が得られる。
【0029】この(10)式を満たすように各フィルタモジ
ュールのフィルタ特性を設定することにより、所定の特
性を有する高精度の波長等化装置を構成することができ
る。請求項6に記載の波長等化装置は、波長特性の変化
に追従して常に平坦な波長特性を実現するための構成で
ある。すなわち、光増幅中継伝送路に所定の間隔で配置
される波長等化装置の入力または出力の波長特性を測定
する波長特性測定手段と、波長特性測定手段で測定され
た波長特性に高速フーリエ変換を施し、波長等化装置の
透過率および中心波長を決定する解析手段と、解析手段
で得られたデータに従って波長等化装置の各フィルタモ
ジュールの波長特性を制御する制御手段とを備える。
【0030】さらに、1つの波長特性測定手段、解析手
段、制御手段により、入力または出力の波長特性を測定
した波長等化装置およびその前後に配置される所定数の
波長等化装置の各フィルタモジュールの波長特性を一括
制御する構成としてもよい(請求項7)。
【0031】請求項6,7に記載の波長等化装置におい
て、波長特性G(λ)に対してその逆特性−G(λ)のフー
リエ級数展開によって定義される波長特性Q(λ)をもつ
波長等化装置(1) による等化波長特性をG2(λ) とする
と、
【0032】
【数11】 と表される。この等化波長特性G2(λ) は、以上説明し
た本発明の波長等化装置により平坦な波長特性となる。
【0033】次に、G(λ)に変動が生じてG′(λ)とな
り、変動前の等化波長特性G2(λ)がG2′(λ) に変化
した場合には、その逆特性−G2′(λ) のフーリエ級数
展開によって定義される波長等化装置(2) を新たに追加
することにより、再び平坦な波長特性が得られる。ここ
で、波長等化装置(2) の波長特性をQ′(λ)、新たな等
化波長特性をG3(λ) とすると、
【0034】
【数12】 と表される。
【0035】通常、波長等化装置(1) ,(2) は、以下の
式で表される波長特性Q2(λ) をもつ1つの波長等化装
置に統合することができる。
【0036】
【数13】
【0037】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態:請求項1〜
5)図6は、本発明の波長等化装置の第1の実施形態を
示す。
【0038】波長多重光伝送システムは、図6(a) に示
すように、光ファイバ伝送路12と光増幅中継器13を
接続した光増幅中継伝送路を介して、送信装置11から
受信装置14へ波長多重光信号を伝送する構成である。
本発明の波長等化装置15は、この光増幅中継伝送路に
所定の間隔で配置され、図1に示したように、直列に接
続されたn個のフィルタモジュール1−1〜1−nで構
成される。
【0039】図6(b) に示す波長等化装置15は、各フ
ィルタモジュールが1つまたはN個のマッハツェンダ型
フィルタ(MZ)を直列に接続した構成である。図6
(c) に示す波長等化装置15は、各フィルタモジュール
が1つまたはN個のファブリペロ型フィルタ(FP)を
直列に接続した構成である。図6(d) に示す波長等化装
置15は、各フィルタモジュールが1つのマッハツェン
ダ型フィルタ(MZ)と1つのファブリペロ型フィルタ
(FP)を直列に接続した構成である。
【0040】各フィルタモジュールの透過率および中心
波長は、波長等化装置15に入力される波長多重光信号
の波長特性に高速フーリエ変換を施し、第n項までのフ
ーリエ級数展開の各項の係数を算出してそれぞれ設定さ
れる。
【0041】(第2の実施形態:請求項6)図7は、本
発明の波長等化装置の第2の実施形態を示す。本実施形
態の波長等化装置16は、波長特性の変化に応じてフィ
ルタ特性を可変させることを特徴とし、(a) はフィード
バック構成、(b) はフィードフォワード構成を示す。
【0042】図において、光分岐器21で伝送に影響な
い程度に分岐された光信号は、波長特性測定手段22に
入力される。波長特性測定手段22によって測定された
時間的な波長特性の情報は、解析手段23に送られる。
解析手段23は、波長特性に高速フーリエ変換を施し、
フーリエ級数展開の各項の係数から各フィルタモジュー
ルの深さおよび中心波長を求め、制御手段24へ送出す
る。制御手段24は、得られた情報を元に各フィルタモ
ジュール1−1〜1−nの波長特性(透過率および中心
波長)を制御する。
【0043】(第3の実施形態:請求項7)図8は、本
発明の波長等化装置の第3の実施形態を示す。本実施形
態の特徴は、第2の実施形態で示した波長等化装置16
で得られた各フィルタモジュールの制御情報により、そ
の前後に配置される波長等化装置17の各フィルタモジ
ュールの透過率および中心波長を制御するところにあ
る。波長等化装置17は、波長特性が可変のフィルタモ
ジュールを備えるだけで、波長特性の変化に対応する等
化処理を行うことができる。
【0044】ここで、波長特性が可変のフィルタモジュ
ールの具体例について、図9を参照して説明する。図9
(a) は、マッハツェンダ型フィルタ31の光路中に屈折
率が可変する屈折率変移媒質32−1,32−2を挿入
した例を示す(請求項8)。制御手段24の制御により
屈折率を可変させる屈折率変移媒質32としては、例え
ばリチウムナイオベイト(LiNbO3 )を用いることが
できる。
【0045】図9(b) は、ファブリペロ型フィルタの光
路中に利得を制御できる増幅媒体を挿入した例を示す
(請求項9)。制御手段24の制御により利得を制御で
きるファブリペロ型フィルタにおける増幅媒体として
は、例えば両端面に反射コーティング33−1,33−
2を施した半導体光増幅器34を用いることができる。
【0046】図9(c) は、利得を制御できる増幅機能を
備えた回折格子を用いた例を示す(請求項10)。ここ
では、エルビウム添加・ファイバグレーティング35と
励起光源36を用い、エルビウム添加・ファイバグレー
ティング35に入力する励起光パワーを制御手段24に
より制御する。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜5に記
載の波長等化装置は、光増幅中継伝送路のある点におけ
る波長特性が与えられた場合に、その特性を補償する逆
波長特性を効率的に設計することができる。特に、伝送
距離が長くなる場合、従来の経験的な波長等化器の設定
法では平坦な波長特性を長距離維持することが困難にな
るので、本発明のような明確な設計法がもたらす効果は
大きい。
【0048】また、請求項6,7に記載の波長等化装置
は、光増幅中継伝送路の波長特性に時間的変化が生じて
も、各フィルタモジュールの透過率および中心波長を適
当に設定することができ、常に平坦な波長特性を実現す
ることができる。
【0049】また、請求項8〜10に記載の波長等化装
置は、波長特性が可変のフィルタモジュールの具体例を
示すものであり、これにより周期的フィルタの深さおよ
び中心波長を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長等化装置の基本構成を示す図。
【図2】逆波長特性のフーリエ級数展開と近似的構成を
示す図。
【図3】マッハツェンダ型フィルタとファブリペロ型フ
ィルタの特性を示す図。
【図4】フィルタ特性と余弦関数との誤差とフィルタ数
の関係を示す図。
【図5】本発明装置による波長等化誤差とフーリエ級数
展開の次数の関係を示す図。
【図6】本発明の波長等化装置の第1の実施形態を示す
ブロック図。
【図7】本発明の波長等化装置の第2の実施形態を示す
ブロック図。
【図8】本発明の波長等化装置の第3の実施形態を示す
ブロック図。
【図9】波長特性が可変のフィルタモジュールの具体例
を示す図。
【符号の説明】
1−1〜1−n フィルタモジュール 11 送信装置 12 光ファイバ伝送路 13 光増幅中継器 14 受信装置 15,16,17 波長等化装置 21 光分岐器 22 波長特性測定手段 23 解析手段 24 制御手段 31 マッハツェンダ型フィルタ 32 屈折率変移媒質 33 反射コーティング 34 半導体光増幅器 35 エルビウムドープ・ファイバグレーティング 36 励起光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ伝送路と光増幅中継器を接続
    した光増幅中継伝送路を介して、波長多重光信号を送信
    装置から受信装置へ伝送する波長多重光伝送システムの
    波長特性の偏差を補償する波長等化装置において、 伝送帯域を含む所定の波長域を基本周期とする前記波長
    特性の逆特性をフーリエ級数展開した各項をそれぞれ近
    似する複数n個のフィルタモジュールを直列に接続した
    構成であることを特徴とする波長等化装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタモジュールは、1つのマッ
    ハツェンダ型フィルタ、または複数N個のマッハツェン
    ダ型フィルタを直列に接続した構成であることを特徴と
    する請求項1に記載の波長等化装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタモジュールは、1つのファ
    ブリペロ型フィルタ、または複数N個のファブリペロ型
    フィルタを直列に接続した構成であることを特徴とする
    請求項1に記載の波長等化装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタモジュールは、1つのマッ
    ハツェンダ型フィルタと1つのファブリペロ型フィルタ
    を直列に接続した構成であることを特徴とする請求項1
    に記載の波長等化装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタモジュールは、1つの回折
    格子、または複数N個の回折格子を直列に接続した構成
    であることを特徴とする請求項1に記載の波長等化装
    置。
  6. 【請求項6】 前記光増幅中継伝送路に所定の間隔で配
    置される前記波長等化装置の入力または出力の波長特性
    を測定する波長特性測定手段と、 前記波長特性測定手段で測定された波長特性に高速フー
    リエ変換を施し、前記波長等化装置の透過率および中心
    波長を決定する解析手段と、 前記解析手段で得られたデータに従って前記波長等化装
    置の各フィルタモジュールの波長特性を制御する制御手
    段とを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の波長等化装置。
  7. 【請求項7】 前記1つの波長特性測定手段、解析手
    段、制御手段により、 入力または出力の波長特性を測定した波長等化装置およ
    びその前後に配置される所定数の波長等化装置の各フィ
    ルタモジュールの波長特性を一括制御する構成であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の波長等化装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルタモジュールの波長特性の制
    御は、マッハツェンダ型フィルタの光路中に屈折率が可
    変する屈折率変移媒質を挿入し、前記制御手段の制御に
    より前記屈折率変移媒質の屈折率を可変させる構成であ
    ることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の波
    長等化装置。
  9. 【請求項9】 前記フィルタモジュールの波長特性の制
    御は、ファブリペロ型フィルタの光路中に利得を制御で
    きる増幅媒体を挿入し、前記制御手段の制御により前記
    増幅媒体の利得を可変させる構成であることを特徴とす
    る請求項6または請求項7に記載の波長等化装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルタモジュールの波長特性の
    制御は、利得を制御できる増幅機能を備えた回折格子を
    用い、前記制御手段の制御により前記増幅機能の利得を
    可変させる構成であることを特徴とする請求項6または
    請求項7に記載の波長等化装置。
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