JP2000199802A - 反射防止膜及びそれを施した光学系 - Google Patents

反射防止膜及びそれを施した光学系

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JP2000199802A
JP2000199802A JP11002228A JP222899A JP2000199802A JP 2000199802 A JP2000199802 A JP 2000199802A JP 11002228 A JP11002228 A JP 11002228A JP 222899 A JP222899 A JP 222899A JP 2000199802 A JP2000199802 A JP 2000199802A
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Kenji Ando
謙二 安藤
Minoru Otani
実 大谷
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Ryuji Hiroo
竜二 批榔
Hidehiro Kanazawa
秀宏 金沢
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長300nm以下で広帯域の紫外光の波長
領域に対して耐環境性が良く、良好な反射防止特性を有
した反射防止膜及びそれを施した光学系を得ること。 【解決手段】 基板上にAl23 を含む高屈折率層と
AlF3 を含む低屈折率層とを複数層設け、波長160
nmから波長300nmまでの間の光に設計中心波長λ
0があり、空気に接する最終の層はCaF2 より成るオ
ーバーコート膜であり、該オーバーコート膜の光学膜厚
DCは、 【数1】 を満足すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止膜及びそ
れを施した光学系に関し、特に蛍石や石英等の光学素子
基板の表面に所定の屈折率層(薄膜)を複数積層し、波
長300nm以下での紫外光領域での反射防止を行っ
た、例えば半導体デバイス製造用の各種の光学系に適用
したときに有効なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より紫外光用の反射防止膜としての
Al23 膜を含む高屈折率層とSiO2 を含む低屈折
率層を透明基板面に交互の複数積層した反射防止膜が、
例えば特開平7-218701号公報で提案されている。
【0003】又、フッ素化物膜を用いた反射防止膜が、
例えば特開昭61-77001号公報や特公平5-8801号公報や、
特開平7-244205号公報や特開平7-244217号公報等で提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より紫外光用の反
射防止膜において、波長300nm以下の紫外域におい
て、耐環境性(高温度,高湿度の環境下での特性の安定
性能)に良好でしかも良好なる反射防止する膜構成を得
るのは難しかった。
【0005】例えば前述したフッ化物膜を用いた特開平
7-244205号公報、特開平7-244217号公報で提案されてい
る反射防止膜はフッ化物の高屈折率膜(NdF3 ,La
3等)が耐環境性において酸化物(Al23 膜)に
比べると劣るという問題点があった。従って、半導体デ
バイスの製造用のステッパー用の屈折型の投影光学系の
ように多数枚のレンズを用いる光学系の場合、経時変化
により1面の反射防止特性が微小変化しても投影系全体
では大きな特性シフトになってしまうという問題点があ
った。更に真空紫外及び紫外領域波長のレーザーを長期
間照射を行うと、反射防止膜の空気側最終層表面に膜が
形成されるという問題点があった。
【0006】本発明は、所定の屈折率を有する基板上に
高屈折率層と低屈折率層、そしてオーバーコート層とを
適切な光学的膜厚で積層することによって、波長300
nm以下の紫外領域において良好なる反射防止を行った
反射防止膜及びそれを施した光学系の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の反射防
止膜は、基板上にAl23 を含む高屈折率層とAlF
3 を含む低屈折率層とを複数層設け、波長160nmか
ら波長300nmまでの間の光に設計中心波長λ0があ
り、空気に接する最終の層はCaF2 より成るオーバー
コート膜であり、該オーバーコート膜の光学膜厚DC
は、
【0008】
【数2】
【0009】を満足することを特徴としている。
【0010】請求項2の発明の反射防止膜は、基板上に
該基板側から空気側へ順に第1層,第2層,第3層,第
4層,第5層の5つの薄膜を施した反射防止膜であっ
て、波長160nmから波長300nmまでの間の光に
設計中心波長λ0があり、各層の光学的膜厚(屈折率×
幾何学的膜厚)を第1層から第5層まで順にd1,d
2,d3,d4,d5と表すとき、第1層と第3層がA
23 層であり、第2層と第4層がAlF3 層で第5
層がCaF2 層であって、 0.40×λ0≦d1≦0.45×λ0 0.36×λ0≦d2≦0.42×λ0 0.19×λ0≦d3≦0.24×λ0 0.09×λ0≦d4≦0.14×λ0 0.09×λ0≦d5≦0.11×λ0 を満たすことを特徴としている。
【0011】請求項3の発明の反射防止膜は、基板上に
該基板側から空気側へ順に第1層,第2層,第3層,第
4層,第5層,第6層の6つの薄膜を施した反射防止膜
であって、波長160nmから波長300nmまでの間
の光に設計中心波長λ0があり、各層の光学的膜厚(屈
折率×幾何学的膜厚)を第1層から第6層まで順にd
1,d2,d3,d4,d5,d6と表すとき、第1層
と第3層と第5層がAlF3 層であり、第2層と第4層
がAl23 層で第6層がCaF2 層であって、 0.36×λ0≦d1≦0.41×λ0 0.37×λ0≦d2≦0.42×λ0 0.32×λ0≦d3≦0.37×λ0 0.18×λ0≦d4≦0.23×λ0 0.09×λ0≦d5≦0.14×λ0 0.09×λ0≦d6≦0.11×λ0 を満たすことを特徴としている。
【0012】請求項4の発明の反射防止膜は、基板上に
該基板側から空気側へ順に第1層,第2層,第3層,第
4層,第5層,第6層,第7層の7つの薄膜を施した反
射防止膜であって、波長160nmから波長300nm
までの間の光に設計中心波長λ0があり、各層の光学的
膜厚(屈折率×幾何学的膜厚)を第1層から第7層まで
順にd1,d2,d3,d4,d5,d6,d7と表す
とき、第1層と第3層と第5層がAl23 層であり、
第2層と第4層と第6層がAlF3 層で第7層がCaF
2 層であって、 0.41×λ0≦d1≦0.46×λ0 0.31×λ0≦d2≦0.39×λ0 0.44×λ0≦d3≦0.50×λ0 0.09×λ0≦d4≦0.20×λ0 0.23×λ0≦d5≦0.28×λ0 0.10×λ0≦d6≦0.15×λ0 0.09×λ0≦d7≦0.11×λ0 を満たすことを特徴としている。
【0013】請求項5の発明は請求項1の発明から請求
項4の発明のいずれか1つにおいて、前記基板は石英又
は蛍石を含んでいることを特徴としている。
【0014】請求項6の発明の反射防止膜の製造方法
は、請求項1から5のいずれか1項の反射防止膜を構成
する前記Al23 層と前記AlF3 層、そして前記C
aF2 層を真空蒸着法で製造することを特徴としてい
る。
【0015】請求項7の発明の反射防止膜の製造方法
は、請求項1から5のいずれか1項の反射防止膜をアル
ミニウムターゲットを用い、ガス種をAr,He,Xe
等の不活性ガスと酸素ガスとフッ素系ガスとを切り替
え、スパッタリング法によりAl23 とAlF3 の膜
を製造し、CaF2 膜はCaF2 ターゲットとを用い、
不活性ガスとフッ素系ガスを主成分とするスパッタリン
グ法により製造することを特徴としている。
【0016】請求項8の発明の光学系は請求項1の発明
から請求項5の発明のいずれか1つの、反射防止膜を施
したレンズを備えることを特徴としている。
【0017】請求項9の発明の照明装置は請求項8の発
明の、光学系を用いて光源手段からの光束で所定面を照
明していることを特徴としている。
【0018】請求項10の発明の露光装置は請求項8の
発明の、光学系により原版のパターンを基板上に結像す
ることを特徴としている。
【0019】請求項11の発明の露光装置は請求項8の
発明の、光学系により原版を照明し、かつ該原版のパタ
ーンを基板上に投影することを特徴としている。
【0020】請求項12の発明のデバイス製造方法は請
求項10の発明又は請求項11の発明の、露光装置を用
いて原版のパターンを基板上に転写する工程を有するこ
とを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】本実施形態の反射防止膜は、4〜
6層程度の多層構成とオーバーコート膜より成り、高屈
折率材料としてAl23 を用い低屈折率材料としてA
lF3 を用い、そしてオーバーコート膜としてCaF2
を用いている。
【0022】Al23 膜は紫外波長域で利用可能な他
の高屈折率膜材料の中で最も緻密な膜が製造可能であ
る。そこで本発明では反射防止膜の耐環境性能(光学特
性の経時的安定性)を向上させる為に、高屈折率膜とし
てAl23 を用いて特性の安定化を図っている。Al
3 は紫外域用の低屈折率材料として好ましいが吸湿性
がある。特に、最終層にAlF3 を用いた反射防止膜を
湿度の高い環境で使用すると、経時的に変化してくる場
合がある。
【0023】又、真空紫外及び紫外領域の波長を長期間
照射すると反射防止膜表面に膜が形成されてくる場合が
ある。そこで、本実施形態では、反射防止膜の最終層に
湿気を防ぐ層と付着膜形成防止層として疎水性を有する
CaF2 を薄くオーバーコートしている。これにより光
学特性をさほど劣化させず防湿効果及び膜形成防止効果
を得ている。CaF2 層構成の光学膜厚DC(屈折率×
幾何学的膜厚)としては、設計中心波長λ0の1/20
〜1/5程度としている。特に好ましくは、 0.09×λ0<DC<0.11×λ0 とするのが良い。
【0024】本実施形態における膜形成方法は、真空蒸
着法でも良い結果を得られたが、スパッタ法により緻密
な膜形成が可能となり、この結果、耐環境性能(経時的
光学特性安定性能)及び長期レーザー照射性能はより向
上した。
【0025】次に本実施形態の具体的な膜構成について
説明する。
【0026】図1は本発明の反射防止膜の実施形態1,
4の要部断面概略図である。本実施形態の反射防止膜は
透明な基板(合成石英)G面上に、第1層,第3層は高
屈折率材料のAl23 、第2層,第4層は低屈折率材
料のAlF3 、そして第5層にオーバーコート膜として
CaF2 を用いている。
【0027】5層構成の反射防止膜では、各層の光学的
膜厚(屈折率×幾何学的膜厚)を基板側から数えて第1
層から第5層まで順にd1,d2,d3,d4,d5と
表すとき、 0.40×λ0≦d1≦0.45×λ0 0.36×λ0≦d2≦0.42×λ0 0.19×λ0≦d3≦0.24×λ0 0.09×λ0≦d4≦0.14×λ0 0.09×λ0≦d5≦0.11×λ0 を満足するようにしている。
【0028】これにより、耐環境性(耐湿気)が良く、
かつ波長300nm以下で広帯域の紫外光に対して反射
防止効果のある反射防止膜を達成している。
【0029】図2は本発明の反射防止膜の実施形態2,
5の要部断面概略図である。本実施形態の反射防止膜は
透明な基板(合成石英)G面上に、第1層,第3層,第
5層に低屈折率材料のAlF3 、第2層,第4層に高屈
折率材料のAl23 、そして第6層にオーバーコート
膜としてのCaF2 を用いている。
【0030】6層構成の場合は、各層の光学的膜厚(屈
折率×幾何学的膜厚)を基板側から数えて第1層から第
6層まで順にd1,d2,d3,d4,d5,d6と表
すとき、 0.36×λ0≦d1≦0.41×λ0 0.37×λ0≦d2≦0.42×λ0 0.32×λ0≦d3≦0.37×λ0 0.18×λ0≦d4≦0.23×λ0 0.09×λ0≦d5≦0.14×λ0 0.09×λ0≦d6≦0.11×λ0 を満たすようにしている。
【0031】これにより、耐環境性が良く、かつ波長3
00nm以下で広帯域の紫外光に対して反射防止効果の
ある反射防止膜を達成している。
【0032】図3は本発明の反射防止膜の実施形態3,
6の要部断面概略図である。本実施形態の反射防止膜は
透明な基板(合成石英)G面上に、第1層,第3層,第
5層は高屈折率材料のAl23 、第2層,第4層,第
6層は低屈折率材料のAlF 3 、そして第7層にオーバ
ーコート膜としてのCaF2 を用いている。
【0033】7層構成では、各層の光学的膜厚(屈折率
×幾何学的膜厚)を基板側から数えて第1層から第7層
まで順にd1,d2,d3,d4,d5,d6,d7と
表すとき、 0.41×λ0≦d1≦0.46×λ0 0.31×λ0≦d2≦0.39×λ0 0.44×λ0≦d3≦0.50×λ0 0.09×λ0≦d4≦0.20×λ0 0.23×λ0≦d5≦0.28×λ0 0.10×λ0≦d6≦0.15×λ0 0.09×λ0≦d7≦0.11×λ0 を満たすようにしている。
【0034】これにより、耐環境性が良く、かつ波長3
00nm以下で広帯域の紫外光に対して反射防止効果の
ある反射防止膜を達成している。
【0035】次に本発明の反射防止膜の各実施形態の具
体的な数値例について説明する。
【0036】実施例1 高屈折率膜Al23 と低屈折率膜AlF3 ,CaF2
を用い、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対す
る5層の反射防止膜の構成を表1に示す。合成石英基板
を用い、表1の膜厚で反射防止膜を製作した。製作した
反射特性を測定した結果を図4に示す。反射率0.5%
以下の波長帯域幅が約38nmと広いことが確認され
た。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する6層構
成の反射防止膜構成を表2に示す。合成石英基板を用
い、表2の膜厚で反射防止膜を製作した。製作した反射
防止膜の反射特性を測定した結果を図5に示す。波長2
00nm以下の真空紫外波長域でも、反射率0.5%以
下の波長帯域幅が約39nmと広い膜構成が可能である
ことをが確認された。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する7層構
成の反射防止膜構成を表3に示す。合成石英基板を用
い、表3の膜厚で反射防止膜を製作し、その反射特性を
測定した。図6に反射率光学特性測定結果を示す。波長
200nm以下の真空紫外波長域でも、反射率0.5%
以下の波長帯域幅が44nmと広い膜構成が可能である
ことを確認された。
【0041】
【表3】
【0042】実施例4 高屈折率膜Al23 と低屈折率膜AlF3 ,CaF2
を用い、設計中心波長λ0=248nmの紫外光に対す
る5層の反射防止膜の構成を表4に示す。合成石英基板
を用い、表4の膜厚で反射防止膜を製作し、その反射特
性を測定した。図7に反射率光学特性測定結果を示す。
反射率0.5%以下の波長帯域幅が約50nmと広いこ
とが確認された。
【0043】
【表4】
【0044】実施例5 設計中心波長λ0=248nmの紫外光に対する6層構
成の反射防止膜構成を表5に示す。合成石英基板を用
い、表5の膜厚で反射防止膜を製作し、その反射特性を
測定した。図8に反射率光学特性測定結果を示す。波長
200nmから300nmの紫外波長域でも、反射率
0.5%以下の波長帯域幅が約60nmと広い膜構成が
可能であることが確認された。
【0045】
【表5】
【0046】実施例6 設計中心波長λ0=248nmの紫外光に対する7層構
成の反射防止膜構成を表6に示す。合成石英基板を用
い、表6の膜厚で反射防止膜を製作し、その反射特性を
測定した。図9に反射率光学特性測定結果を示す。波長
200nmから300nmの紫外波長域でも、反射率
0.5%以下の波長帯域幅が約67nmと広い膜構成が
可能であることが確認された。
【0047】
【表6】
【0048】実施例7 実施例1から6の反射防止膜は、真空蒸着法及びスパッ
タリング法で製作した。
【0049】真空蒸着は、真空度を10-5Pa以下まで
排気後、Al23 は酸素ガスを約20SCCM導入し電子
銃で蒸着し、AlF3 及びCaF2 は高真空状態で抵抗
加熱で蒸着した。基板温度は200℃以上加熱した。
【0050】スパッタリングは99.999%のアルミ
ニウムターゲットを用い、Al2 3 を成膜するときは
酸素ガスを主成分とするプロセスガスを用い、AlF3
を成膜するときはXeガス及びNF3 混合ガスを用い
た。AlF3 成膜時はAr,He等の他の不活性ガス及
び不活性ガス希釈のF2 ガスやCF4 等のフッ素系ガス
でも可能である。
【0051】又、CaF2 は、単結晶CaF2 ターゲッ
トを用いAlF3 と同様なプロセスで成膜を行った。従
って、Al23 ターゲットでガスのみを切り替えAl
2 3 とAlF3 は成膜し、CaF2 膜はCaF2 ター
ゲットを用いて成膜した。
【0052】(比較例)表1〜6の反射防止膜(A群)
と最終層にオーバーコート膜のCaF2 がない膜構成の
反射防止膜(B群)の耐環境性を比較する為、60℃−
相対湿度90%の環境下に1000時間放置し、外観、
密着性の比較を行った。
【0053】60℃−相対湿度90%の環境下に100
0時間放置した結果は、共に有意差はなかったが、20
00時間放置ではB群反射防止膜は、外観に曇りが生じ
はじめているものが見られた。
【0054】(比較例)表1〜6の反射防止膜(A群)
と最終層にオーバーコート膜のCaF2 がない膜構成の
反射防止膜(B群)に設計中心波長と同じ波長のレーザ
ーを照射して外観及び特性を比較した。
【0055】193nmのArFレーザー照射強度は、
5mj/cm2 で1×1010パルス回照射した。又、2
48nmのKrFレーザー照射強度は20mj/cm2
で1×1010パルス回照射した。
【0056】結果は、A群,B群共にKrFレーザー照
射では有意差はなかったが、ArFレーザー照射のB群
反射防止膜のみ、外観に曇りが観測され膜付着が観測さ
れた。
【0057】本発明では前述した構成の反射防止膜を各
レンズ面やミラー面等に適用した光学系を紫外光領域を
対象とした各種の装置に用いている。例えば、前述した
構成の反射防止膜を施した光学系を半導体デバイスを製
造するときに回路パターンが形成されているレチクル面
を照明するときの照明装置やレチクル面上のパターンを
ウエハ面上に投影露光するときの露光装置等に用いてい
る。又、このときの露光装置によって得られたウエハを
現像処理工程を介してデバイスを製造するようにしてい
る。
【0058】図10は本発明の反射防止膜を備える光学
系を用いた半導体デバイス製造用の露光装置の要部概略
図である。
【0059】図中、1はエキシマレーザ等の紫外光を放
射する光源である。2は照明装置であり、光源1からの
光束でレチクル4を照明している。3はミラー面であ
る。5は投影光学系であり、レチクル4面上のパターン
をウエハ6に投影している。
【0060】本実施形態ではミラー3、そして照明装置
2や投影光学系5に使われているレンズ等の光学要素に
は本発明の反射防止膜が施されている。これによって光
束の各面での反射防止を図り、フレアーやゴーストの発
生を防止して良好なる投影パターン像を得ている。
【0061】次に上記説明した露光装置を利用した半導
体デバイスの製造方法の実施例を説明する。
【0062】図11は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、或は液晶パネルやCCD等)の製造の
フローチャートである。
【0063】本実施例において、ステップ1(回路設
計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2
(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマ
スクを製作する。
【0064】一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4
(ウエハプロセス)は前行程と呼ばれ、前記用意したマ
スクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ
上に実際の回路を形成する。
【0065】次のステップ5(組立)は後行程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する行程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。
【0066】ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0067】図12は上記ステップ4のウエハプロセス
の詳細なフローチャートである。まずステップ11(酸
化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(C
VD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。
【0068】ステップ13(電極形成)ではウエハ上に
電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打
込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0069】ステップ17(現像)では露光したウエハ
を現像する。ステップ18(エッチング)では現像した
レジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジス
ト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジスト
を取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことに
よってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0070】尚、本実施形態の製造方法を用いれば、高
集積度の半導体デバイスを容易に製造することができ
る。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、所定の屈
折率を有する透明基板上に高屈折率層、低屈折率層、そ
してオーバーコート膜とを適切な光学的膜厚で積層する
ことによって、耐環境性が良く、膜厚が小さく生産性が
良く、かつ波長300nm以下で広帯域の紫外領域にお
いて良好なる反射防止を行った反射防止膜及びそれを施
した光学系を達成することができる。
【0072】この他本発明によれば、設計中心波長の約
1/10の光学膜厚でCaF2 層が最終層となる膜構成
にすることにより、耐環境性の優れた紫外用の反射防止
膜を提供することができる。又、膜構成を最適化するこ
とにより5,6,7層構造で広帯域幅の紫外用の反射防
止膜及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止膜の実施形態1,4の要部
断面概略図
【図2】 本発明の反射防止膜の実施形態2,5の要部
断面概略図
【図3】 本発明の反射防止膜の実施形態3,6の要部
断面概略図
【図4】 本発明の反射防止膜の実施形態1の反射特性
【図5】 本発明の反射防止膜の実施形態2の反射特性
【図6】 本発明の反射防止膜の実施形態3の反射特性
【図7】 本発明の反射防止膜の実施形態4の反射特性
【図8】 本発明の反射防止膜の実施形態5の反射特性
【図9】 本発明の反射防止膜の実施形態6の反射特性
【図10】 本発明の露光装置の要部概略図
【図11】 本発明のデバイスの製造方法のフローチャ
ート
【図12】 本発明のデバイスの製造方法のフローチャ
ート
【符号の説明】 G 基板 1 光源 2 照明装置 3 ミラー 4,R レチクル 5 投影光学系 6,W ウエハ
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 批榔 竜二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金沢 秀宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA08 BB02 BB04 CC01 CC03 CC06 DD04 DD05 EE00 EE02 4G059 AA20 AC04 EA01 EA09 EB04 GA02 GA04 GA12 5F046 BA03 CA08 CB01 CB12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にAl23 を含む高屈折率層と
    AlF3 を含む低屈折率層とを複数層設け、波長160
    nmから波長300nmまでの間の光に設計中心波長λ
    0があり、空気に接する最終の層はCaF2 より成るオ
    ーバーコート膜であり、該オーバーコート膜の光学膜厚
    DCは、 【数1】 を満足することを特徴とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 基板上に該基板側から空気側へ順に第1
    層,第2層,第3層,第4層,第5層の5つの薄膜を施
    した反射防止膜であって、波長160nmから波長30
    0nmまでの間の光に設計中心波長λ0があり、各層の
    光学的膜厚(屈折率×幾何学的膜厚)を第1層から第5
    層まで順にd1,d2,d3,d4,d5と表すとき、
    第1層と第3層がAl23 層であり、第2層と第4層
    がAlF3 層で第5層がCaF2 層であって、 0.40×λ0≦d1≦0.45×λ0 0.36×λ0≦d2≦0.42×λ0 0.19×λ0≦d3≦0.24×λ0 0.09×λ0≦d4≦0.14×λ0 0.09×λ0≦d5≦0.11×λ0 を満たすことを特徴とする反射防止膜。
  3. 【請求項3】 基板上に該基板側から空気側へ順に第1
    層,第2層,第3層,第4層,第5層,第6層の6つの
    薄膜を施した反射防止膜であって、波長160nmから
    波長300nmまでの間の光に設計中心波長λ0があ
    り、各層の光学的膜厚(屈折率×幾何学的膜厚)を第1
    層から第6層まで順にd1,d2,d3,d4,d5,
    d6と表すとき、第1層と第3層と第5層がAlF3
    であり、第2層と第4層がAl23 層で第6層がCa
    2 層であって、 0.36×λ0≦d1≦0.41×λ0 0.37×λ0≦d2≦0.42×λ0 0.32×λ0≦d3≦0.37×λ0 0.18×λ0≦d4≦0.23×λ0 0.09×λ0≦d5≦0.14×λ0 0.09×λ0≦d6≦0.11×λ0 を満たすことを特徴とする反射防止膜。
  4. 【請求項4】 基板上に該基板側から空気側へ順に第1
    層,第2層,第3層,第4層,第5層,第6層,第7層
    の7つの薄膜を施した反射防止膜であって、波長160
    nmから波長300nmまでの間の光に設計中心波長λ
    0があり、各層の光学的膜厚(屈折率×幾何学的膜厚)
    を第1層から第7層まで順にd1,d2,d3,d4,
    d5,d6,d7と表すとき、第1層と第3層と第5層
    がAl 23 層であり、第2層と第4層と第6層がAl
    3 層で第7層がCaF2 層であって、 0.41×λ0≦d1≦0.46×λ0 0.31×λ0≦d2≦0.39×λ0 0.44×λ0≦d3≦0.50×λ0 0.09×λ0≦d4≦0.20×λ0 0.23×λ0≦d5≦0.28×λ0 0.10×λ0≦d6≦0.15×λ0 0.09×λ0≦d7≦0.11×λ0 を満たすことを特徴とする反射防止膜。
  5. 【請求項5】 前記基板は石英又は蛍石を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の反射防
    止膜。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項の反射防
    止膜を構成する前記Al23 層と前記AlF3 層、そ
    して前記CaF2 層を真空蒸着法で製造することを特徴
    とする反射防止膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれか1項の反射防
    止膜をアルミニウムターゲットを用い、ガス種をAr,
    He,Xe等の不活性ガスと酸素ガスとフッ素系ガスと
    を切り替え、スパッタリング法によりAl23 とAl
    3 の膜を製造し、CaF2 膜はCaF2 ターゲットと
    を用い、不活性ガスとフッ素系ガスを主成分とするスパ
    ッタリング法により製造することを特徴とする反射防止
    膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から5のいずれか1項記載の反
    射防止膜を施したレンズを備えることを特徴とする光学
    系。
  9. 【請求項9】 請求項8の光学系を用いて光源手段から
    の光束で所定面を照明していることを特徴とする照明装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8の光学系により原版のパター
    ンを基板上に結像することを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 請求項8の光学系により原版を照明
    し、かつ該原版のパターンを基板上に投影することを特
    徴とする露光装置。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11の露光装置を用い
    て原版のパターンを基板上に転写する工程を有すること
    を特徴とするデバイス製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007126091A1 (ja) * 2006-05-01 2007-11-08 Mitsubishi Chemical Corporation エッチング方法、エッチングマスクおよびそれを用いた半導体装置の製造方法
CN103018798A (zh) * 2012-12-11 2013-04-03 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 低损耗深紫外多层膜的制备方法

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