JP2000199382A - 室内を望見し難い照明・窓装置及び建築物 - Google Patents

室内を望見し難い照明・窓装置及び建築物

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JP2000199382A
JP2000199382A JP10346964A JP34696498A JP2000199382A JP 2000199382 A JP2000199382 A JP 2000199382A JP 10346964 A JP10346964 A JP 10346964A JP 34696498 A JP34696498 A JP 34696498A JP 2000199382 A JP2000199382 A JP 2000199382A
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義和 市山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に夜間に透明な窓ガラスを用いて室外の風景
を楽しみながらもプライバシー確保できるよう外部から
室内を望見し難くする窓及び建築物を提供する。 【解決手段】 高速で断続出来る室内照明と,電気的に
光透過率を制御できる液晶或いはエレクトロクロミック
材等によって構成される調光ガラスとを採用し,室内照
明は視認し難いほどの高速でオン,オフを繰り返させ,
その室内照明に同期して調光ガラスが光を非透過,透過
となるよう制御し,室内物体からの反射光を室外の漏ら
さずに室内望見を妨げながら,室外からの光は遮る事無
く室外望見を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は室内照明・窓装置及び建
築物に係わり,特に夜間に室外の風景等を展望しながら
も室外から室内を望見し難くする事を特徴とする照明・
窓装置及び建築物に係わる。
【0002】
【従来の技術】プライバシーを確保する為に建築物等の
窓には不透明な窓ガラスを用い,また透明な窓ガラスを
用いた場合でもカーテン或いはブラインド等を用いて室
内を望見し難い構造とする事は広く行われている。しか
しながら,透明な窓ガラスを用いて室外の風景,特に夜
景を楽しみたいとする希望にはプライバシーの確保との
矛盾が常に存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって,本発明の
目的とする処は,特に夜間に於いて,透明な窓ガラスを
用いて室外の風景を楽しみながらも外部から室内を望見
し難くする照明・窓装置及び建築物を提供する事であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では,高速で点滅
出来る室内照明と,電気的に光透過率を制御できる液晶
或いはエレクトロクロミック材等によって構成される調
光ガラスとを採用して室内を望見し難い照明・窓装置及
び建築物を提案する。すなわち,放電或いは発光ダイオ
ード等のように電圧,電源を加えた時のみ発光するよう
な光源を室内照明に用いて視認し難いほどの高速でオ
ン,オフを繰り返させ,その室内照明に同期して室内照
明がオンの時に調光ガラスの光透過率を低にして光が室
内から室外に漏れないよう制御し,室内照明がオフの時
に調光ガラスの光透過率を高に制御して室外から光が室
内に透過できるようにする。室内照明による室内物体か
らの反射光はこのようにして室外に通過する事が避けら
れるので室内は望見されず,また室内照明がオフの時に
は調光ガラスの光透過率は高となるので室外からの光の
入射は妨げられる事無く室外の展望は可能となる。した
がって,本発明によれば夜間にプライバシーを確保しな
がら夜景を楽しむ事が可能で,特に高層建築物での応用
に適している。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は,本発明の第一の実施例を
示す。同図に於いて,本実施例の室内を望見し難い照明
・窓装置及び建築物は,高速で点滅可能な室内照明1
1,12と,電気的に光透過率を制御できる液晶による
調光ガラス13と,それら両者を統括して制御する統括
制御部14と等より構成される。統括制御部14は視認
し難いほどの高速例えば1秒間に数十回以上の速度で室
内照明11,12を同時に点滅制御し,それに同期して
調光ガラス13が光を非透過,透過となるよう電気的に
制御する。
【0006】ここで室内照明11,12と同期しての調
光ガラス13の光透過率低,高の制御は光の遮断,透過
の二値的な制御が目的であるので調光ガラス13の許す
限りの最低の光透過率,最高の光透過率とする。
【0007】人間の目には残像効果があるので1秒間に
数十回以上の繰り替えし速度で有れば,光の明滅を認識
し難い。この点を利用して室内照明11,12は1秒間
に数十サイクル以上の高速でオン,オフ可能な蛍光灯そ
の他の放電によるもの,或いは発光ダイオード等のよう
な半導体技術によるもの等を用いる。
【0008】調光ガラス13は液晶,エレクトロクロミ
ック材等を封入して構成され,液晶系は電界の強さによ
り,エレクトロクロミック系は加える電圧の極性により
酸化還元反応を制御して光透過率を制御できる。本実施
例では光透過率を高速でスイッチできる液晶系の調光ガ
ラスを用いたが,エレクトロクロミック系の調光ガラス
は光透過率を小として光の透過を遮断した時に室内の光
18,19,21を反射し難く,多様な色調を選択でき
る事で本発明には適している。これらは周知の技術であ
るので本文での詳細説明は省略する。
【0009】以上の第一の実施例の構成,動作により本
発明の目的は効果的に実現できる。即ち,室内の照明に
は複数個あっても統括制御部14が同時に点灯,消灯を
繰り返すよう室内照明11,12をそれぞれ出力線1
5,16を介して制御し,調光ガラス13は室内照明1
1,12が点灯する時は光透過率を低に,室内照明1
1,12が消灯する時には光透過率が高となるよう出力
線17を介して制御される。室内を外部から望見される
のは室内照明11,12の光18,19を受けて室内の
物体20から光21が反射され,それが室外に漏れて受
光され,視認されるからである。上の説明にあるように
統括制御部14は室内照明11,12をオンにすると同
時に調光ガラス13の光透過率を低として光21が非透
過となるように制御するので室内物体20からの反射光
21は室外に漏れず室内を望見される事は無い。また室
内照明11,12をオフにする時には同時に調光ガラス
13の光透過率を高として光22が透過できるよう制御
するので室外から光22が調光ガラス13を透過してく
るのに支障は無い。したがって本実施例に依れば,夜間
に室外を展望しながらも室内を望見される事は無い照明
・窓装置及び建築物10を実現提供できる。
【0010】図2は統括制御部14が室内照明11,1
2と調光ガラス13を同期して制御する電圧波形の例を
示す。同図及び図1に於いて,番号201は統括制御部
14が室内照明11,12に加える電圧波形を示すが,
室内照明11,12は電圧が高い時のみ発光するとし
て,番号202の時に発光し,番号203の時には発光
せずに瞬間的に室内は暗闇となる区間を示す。調光ガラ
ス13は液晶系を用い,調光ガラス13の電極間に加え
る電圧振幅が小の時に光が非透過になるとして番号20
4で示す電圧を供給する。このようにして室内照明1
1,12がオンの時には調光ガラス13に加える電圧を
番号205のように小として光を非透過として室内から
光21を漏らさず,室内照明11,12がオフとなる時
には調光ガラス13に加える電圧を番号206のように
大として光を透過として室外からの光22を取り入れる
事が出来るようになる。
【0011】このように,高速で点滅できる室内照明が
複数であっても統括制御部14により室内照明11,1
2を同時に点滅制御して室内に明暗を作り出し,また調
光ガラス13を統括して同期的に制御することにより,
夜間夜景を楽しみたい時に室内照明の光量を落としても
正確に同期制御できるのでプライバシーの確保は確実に
出来る。室内照明の明るさの制御は,統括制御部が室内
照明の明るさのピーク値及びオン時の占有時間等を制御
する事によって行うが,ピーク値を小さくする場合には
オン,オフの繰り返し速度を大にする方が人間の目には
違和感が少ない。本実施例に於いて,夜景を楽しむ場合
に室内照明を前記の如くやや暗く設定しても本実施例で
は統括制御部が室内照明及び調光ガラスを同期して制御
するので誤制御の恐れ無く,室内が望見される可能性は
無く,また室外展望が妨げられる可能性は少ない。
【0012】図3は,本発明の第二の実施例を示し,特
に昼間では室内の明暗に対応して調光ガラスの光透過率
を制御し,夜間は高速で点滅する室内照明の明暗を検出
して調光ガラスの光透過率を同期制御する例を説明す
る。
【0013】図3は同一の交流電源に接続されて同期し
て点滅する室内照明11,12,光透過率を電気的に変
化できる液晶系の調光ガラス13よりなる窓,及び室内
の明るさを検知する光センサー31を有する制御部32
とより構成される。
【0014】昼間の室内照明をつけない状況では光セン
サー31は室内の明るさを検知して明るさに比例する出
力を制御部32に送るが,制御部32は予め決められた
以上の速度で周期的に変動する出力でない場合は昼間モ
ードであると判断し,予め定められた関係により光セン
サー31出力が大である時は調光ガラス13の光透過率
を低に,光センサー出力31出力が小の時は調光ガラス
13の光透過率を高に設定する。つまり外界が明るさに
応じて室内への光透過量を制御して室外を見やすく,室
内を見難くする。
【0015】光センサー31出力が所定以上の速度で周
期的に変化している場合は制御部32が夜間モードと判
断し,室内照明11,12点滅に同期して室内照明1
1,12が点灯している時は調光ガラス31の光透過率
を低に,点灯していない時は高に制御する。これらの関
係は更に図4を参照して説明する。番号41は室内照明
の明るさを,番号42は光センサー31の出力を,番号
43は調光ガラスの光透過率を,横軸は時間としてそれ
ぞれ示す。番号44は室内照明11,12が点灯してい
ない昼間モードを示すが,夜間モードでは室内照明1
1,12が点滅して番号49,410で示すように明る
さが変動する。光センサー31の出力42は昼間モード
では外界の状況により番号45,46に示すようにゆっ
くりと変動するが,室内照明11,12が点滅する夜間
モードでは室内照明の明るさ変動49,410に対応し
て番号411,412に示すよう変動を示す。
【0016】制御部32は所定の速度以上で周期的に変
動するか否かで昼間モード及び夜間モードを識別し,昼
間モードでは光センサー31の出力が大となる番号45
の出力に対しては番号47で示す光透過率に,番号46
で示す光センサー31の出力に対しては番号48で示す
ような光透過率になるよう制御される。すなわち,周囲
が明るい時は光透過率を低に,明るさがやや低い時は光
透過率を高に制御している。
【0017】夜間モードでは光センサー31出力が番号
411で示す低の時は光透過率を番号413で示すよう
に高に,光センサー31出力が番号412で示す高の時
は番号414で示すよう低に制御する。
【0018】昼間モード及び夜間モード共に室内が明る
い時は調光ガラスの光透過率を低に,室内が暗い時は調
光ガラスの光透過率を高に制御するが,昼間モードでの
光透過率制御は光の透過光量を若干制御するのみである
が,夜間モードでは光の透過,遮断のように二値的に制
御する。即ち番号413及び414は調光ガラスの取り
得る最高及び最低の光透過率である。つまり,光センサ
ー31出力の大小に対する調光ガラス13の光透過率の
関係は少なくとも2以上有する。
【0019】以上,実施例を用いて本発明の動作原理を
説明したが,具体化するに当たっては本発明の趣旨に沿
って構造,材料等に修正を施す事によって更に効果を上
げることが出来る。夜間に於いて,透明な窓ガラスを用
いても室外望見が困難になるのは室内からの光が窓ガラ
スに反射して室外の光より強度が大となるからである。
室内照明がオフの時には調光ガラスの光透過を可能なよ
うに制御するが,それでも室内照明がオンの時に調光ガ
ラスに室内照明或いは室内物体からの反射光等が反射
し,その残像が人間の目に残る事で室内照明がオフの時
に室外から光が入ってきてもよく認識できない恐れがあ
る。この点を考慮して室内照明のオン時に調光ガラスは
白色或いは光を室内に反射させやすい色調とする事を避
け,黒色或いは夜間の風景と違和感無く,光を室内に反
射し難い暗色系統の色調となるエレクトロクロミック材
より構成される調光ガラスを採用すれば更に効果が上が
る。更に望ましくは調光ガラスの表面を光の反射を少な
くするよう無反射コーティングを施せば更に夜景を良好
な条件で楽しむ事が出来る。
【0020】
【発明の効果】本発明は実施例を用いて説明したように
室内照明を高速で断続させ,それに同期して調光ガラス
よりなる窓ガラスを光が透過,非透過となるよう制御す
る事で夜間に於いて室外を望見しながらも室内を望見し
難い照明・窓装置及び建築物を実現できる。本発明はま
た建築物の扉の覗き窓にも応用できるなど,その趣旨を
変えない範囲で種々の変形応用は可能であり,上記の実
施例についての記述が本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例を示す。
【図2】 室内照明と調光ガラス制御の電圧波形を示
す。
【図3】 本発明の第二の実施例を示す。 光センサ
【図4】 光センサー出力と光透過率の関係を波形で示
す。
【符号の説明】
10・・・建築物, 11・・・室内照
明,12・・・室内照明, 13・・・調光
ガラス,14・・・統括制御部,15,16,17・・
・統括制御部14の出力線,18・・・室内照明11の
光, 19・・・室内照明12の光,20・・・室内
物体, 21・・・室内の物体20からの反
射光,22・・・室外からの光 201・・統括制御部14が室内照明11,12に加え
る電圧波形 202・・電圧波形201の室内照明が発光する区間を
示す 203・・電圧波形201の室内照明が発光しない区間
を示す 204・・調光ガラス13の電極間に供給する電圧波形 205・・調光ガラス13の光透過率を低とする区間を
示す 206・・調光ガラス13の光透過率を高とする区間を
示す 31・・・光センサー, 32・・・制御部 41・・・室内照明の明るさ, 42・・・光センサ
ー31の出力,43・・・調光ガラスの光透過率,44
・・・昼間モードでの室内照明の明るさ,45,46・
・昼間モードでの光センサー出力,47,48・・昼間
モードでの調光ガラスの光透過率,49,410・・夜
間モードで照明が点滅した時の明るさ 411,412・・夜間モードでの光センサー出力,4
13,414・・夜間モードでの調光ガラスの光透過率

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高速で点滅を繰り返す事の出来る一或いは
    複数の室内照明と,光透過率を電気的に制御できる調光
    ガラスより成る窓とより構成され,視認し難いほどの高
    速繰り返し速度で同期して点滅する室内照明に同期して
    室内照明が点灯する時には前記調光ガラスの光透過率が
    低,室内照明が消灯する時には前記調光ガラスの光透過
    率が高となるよう制御する事を特徴とする室内を望見し
    難い照明・窓装置及び建築物
  2. 【請求項2】 請求項1記載の室内を望見し難い照明・
    窓装置及び建築物に於いて,一又は複数の室内照明は電
    源電圧に同期して高速で点滅するものとし,電源電圧の
    変動を検知して室内照明の点滅に同期して調光ガラスの
    光透過率を制御する事を特徴とする室内を望見し難い照
    明・窓装置及び建築物
  3. 【請求項3】 請求項1記載の室内を望見し難い照明・
    窓装置及び建築物に於いて,一又は複数の同期して高速
    で点滅する室内照明の点滅を光センサーにより検知して
    室内照明の点滅に同期するよう調光ガラスの光透過率を
    制御する事を特徴とする室内を望見し難い照明・窓装置
    及び建築物
  4. 【請求項4】 請求項3記載の室内を望見し難い照明・
    窓装置及び建築物に於いて,光センサーの検知する室内
    の明るさが高の時は光透過率を低に,明るさが低の時は
    光透過率を高に制御するとして,室内照明が所定以上の
    速度で周期的に点滅する時とそれ以外の場合とで光セン
    サー出力対調光ガラス光透過率の関係を少なくとも2以
    上有する事を特徴とする室内を望見し難い照明・窓装置
    及び建築物
  5. 【請求項5】 請求項1記載の室内を望見し難い照明・
    窓装置及び建築物に於いて,室内照明と,調光ガラスと
    を制御する統括制御部を有し,統括制御部は視認し難い
    ほどの高速繰り返し速度で一或いは複数の室内照明を同
    期して点滅させると共に光透過率がそれぞれ低,高とな
    るよう前記調光ガラスを同期して制御する事を特徴とす
    る室内を望見し難い照明・窓装置及び建築物
  6. 【請求項6】 請求項1記載の室内を望見し難い照明・
    窓装置及び建築物に於いて,調光ガラスの光透過率が低
    となる場合に室内側に光を反射し難い色調となる調光ガ
    ラスを用いる事を特徴とする室内を望見し難い照明・窓
    装置及び建築物
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