JP2000195667A - 表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

表示パネル及びその製造方法

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JP2000195667A
JP2000195667A JP10374240A JP37424098A JP2000195667A JP 2000195667 A JP2000195667 A JP 2000195667A JP 10374240 A JP10374240 A JP 10374240A JP 37424098 A JP37424098 A JP 37424098A JP 2000195667 A JP2000195667 A JP 2000195667A
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light emitting
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JP10374240A
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English (en)
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Kyosuke Ohashi
恭介 大橋
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮明な画像を表示できる表示パネルを容易に
歩留まり良く製造する。 【解決手段】 一表面に線条溝10など複数の線条溝が
並列され、線条溝10は、視認方向に対して略直交する
底面16と、底面16の両側から立ち上がる側面12、
14とからなり、側面12、14が底面16に対して傾
斜した傾斜側面を構成する基体を用意し、その底面16
と傾斜側面12、14とに発光素子を形成する。また、
その発光素子を蒸着法によりその傾斜側面12、14
に、底面16が影となる方向から、気相原料物質を蒸着
させて形成する。こうしてマスクを用いずに微細な発光
素子を形成でき、鮮明な画像を表示させることが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の画素を発光
させる手段として発光素子を用いて、画像を表示する表
示パネルに関する。特に、EL(エレクトロルミネセン
ス)素子を用いた表示パネル及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、EL素子やLED、VFD及
びFEDなどの発光素子が画素の発光手段として用いら
れた表示パネルがある。例えば、EL素子は、基体の表
面上に形成された第1電極層と、その第1電極層上に形
成された発光層と、その発光層上に形成された第2電極
層とからなり、該第1電極層および該第2電極層の少な
くとも一方が透明である発光素子である。EL素子で
は、第1電極層と第2電極層とにより発光層に電流を流
して発光させることができ、その発光した光を透明な電
極層を透過させて放光することができる。
【0003】多くのEL表示パネルでは、基体として透
明基板が用いられるとともに、第1電極層としてITO
などにより透明な電極層が形成されており、発光層で発
光した光を第1電極層及び透明基板を透過させることに
より光表示させている。また、EL素子には、有機材料
からなる発光層を有する、いわゆる有機EL素子が多く
採用されている。
【0004】ところで、EL素子には、赤色、青色及び
緑色の光をそれぞれ発光することができるものがある。
これらのEL素子を表示面に対して適切な部位にそれぞ
れ形成して発光させることにより、画像をフルカラーで
表示することが可能となり、文字や、数字、記号、模様
など、様々な画像を色彩豊かに表示させることができる
ようになる。
【0005】このように画像をフルカラーで表示できる
EL表示パネルは、例えば特開平8−227276号公
報に開示されているように、次の製造方法によって製造
することができる。先ず、平坦な表面を有する透明基板
を用意して、その表面に第1電極層を一様に形成する。
次いで、図21に示すように、所定の間隔で貫通孔が設
けられたマスクを用意し、マスクの遮蔽位置を変えなが
ら各発光層の気相原料物質を蒸着させることにより、各
画素の発光層を形成する。その発光層上に第2電極層を
表示面全体にわたって一様に形成する。
【0006】このようにマスクを用いてEL素子を形成
するEL表示パネルでは、マスクの穴の形状及び大きさ
を選択することにより、任意の形状及び大きさの画素を
形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】画像を均質な輝度で表
示したい場合には、平坦な表面を有する基板を用い、そ
の表面上に同じ発光輝度の発光素子を複数形成すれば、
各画素の輝度を同じにして画像を表示することができ
る。しかし、画像によっては、各画素の輝度を同じにし
て画像を表示するよりも、各画素の輝度を変えて表示し
た方が鮮明に画像を表示できる場合がある。
【0008】このような場合、従来では、発光輝度の異
なる複数種の発光素子を用いて、各画素の輝度を変えて
いた。しかし、発光輝度の異なる複数種の発光素子をそ
れぞれ形成することは、同じ発光輝度の発光素子を複数
形成する場合に比べて製造コストが大きくなる問題があ
る。また、各画素の発光素子として、例えばEL素子を
用いるのであれば、各画素に流す電流の量を制御するこ
とのできる電流制御手段を用い、各画素に流す電流の量
を適切に調節することにより、各画素のEL素子をそれ
ぞれ異なった発光輝度で発光させて、各画素の輝度を変
えることができる。
【0009】しかし、ドット表示による表示パネルのよ
うに、画素の数量が多い場合には、各画素に流す電流の
制御が難しく、電流制御手段に高性能なものが要求され
る。電流制御手段が高性能になるにつれて、その重量
や、体積、形成コストなどが増大することは必至であ
る。従って、高性能な電流制御手段を用いることによ
り、表示パネルの重量や、体格、製造コストなどが大き
くなってしまう恐れがでてくる。
【0010】他方、複数種の発光素子を用いて画素を発
光させるときに、発光素子の種類により輝度に違いがあ
ると、小さな輝度の画素が、大きな輝度の画素によって
視認されにくくなることがある。特に、赤色、青色及び
緑色の光をそれぞれ発色する3種類の画素によって画像
を表示する場合、それらの各画素の光の輝度にばらつき
があると、視認者はその画像を鮮明に視認することがで
きなくなる恐れがある。
【0011】ここで、各画素の発光素子として、例えば
EL素子を用いるのであれば、各画素に流す電流の量を
適切に制御することのできる電流制御手段を用い、各画
素に流す電流の量を調節して、各画素のEL素子を同じ
発光輝度で発光させて、各画素の光の輝度のばらつきを
防ぐことが考えられる。しかし、ドット表示による表示
パネルのように、画素の数量が多い場合には、先と同
様、各画素に流す電流の制御が難しく、電流制御手段に
高性能なものが要求される。
【0012】さらに、フルカラーでドット表示する場
合、画素の数量が多い上に画素の種類も3種類となるた
め、各画素に流す電流の制御が極めて難しく、電流制御
手段に極めて高性能なものが要求される。その結果、表
示パネルの重量や、体格、製造コストなどが大きくなっ
てしまう恐れがでてくる。また、従来の表示パネルでの
画像の鮮明さは必ずしも完全とは言えず、さらに鮮明な
画像を表示できる表示パネルが求められている。
【0013】画像を鮮明に表示するには、各画素の発光
素子を微細に形成することが考えられる。先に例示した
EL素子を用いた表示パネルの製造方法においても、微
小な線条貫通孔が形成されたマスクを用いるとともに、
そのマスクを正確に位置合わせすることにより、EL素
子を微細化して形成する試みがなされている。しかし、
マスクの貫通孔を微細に精度良く形成することは極めて
困難である。また、マスクの使用中にわずかであっても
温度変化が生じると、その温度変化により貫通孔の寸法
の精度に大きく影響を与えてしまうことがある。さら
に、マスクの貫通孔を微細に形成したとしても、そのマ
スクを精度良く位置合わせすることも極めて困難であ
る。それゆえ、マスクの貫通孔を微細化してEL素子を
微細に形成する方法では、表示パネルを歩留まり良く製
造することが困難であった。
【0014】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、容易に画像を鮮明に表示することができる表示パ
ネルを提供することを課題とする。また、画像が鮮明に
表示される表示パネルを容易に歩留まり良く製造するこ
とができる表示パネルの製造方法を提供することも課題
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1に記載の表示パネルは、透明な基体の表面
上に形成された発光素子により画像を表示する表示パネ
ルにおいて、前記基体は、一表面に複数の線条溝が並列
された発光表面をもち、該線条溝は、表示パネルの視認
方向に対して略直交する底面と、該底面の両側から立ち
上がる一対の側面とからなり、少なくとも一方の該側面
が該底面に対して傾斜した断面略逆台形状の傾斜側面を
構成し、該底面と該傾斜側面とにそれぞれ発光素子が形
成されていることを特徴とする。
【0016】また、上記課題を解決する本発明の請求項
2に記載の表示パネルは、請求項1に記載の表示パネル
において、前記発光素子は、発光輝度の異なる複数種の
発光素子よりなり、発光輝度の小さい発光素子が前記底
面に設けられ、発光輝度の大きい発光素子が前記傾斜側
面に設けられていることを特徴とする。さらに、上記課
題を解決する本発明の請求項3に記載の表示パネルは、
請求項1及び請求項2のいずれかに記載の表示パネルに
おいて、前記線条溝の一対の側面がともに前記傾斜側面
とされ、該傾斜側面の両方及び底面に、赤色光を発光す
る赤色EL素子と、青色光を発光する青色EL素子と、
緑色光を発光する緑色EL素子とがそれぞれ規則的に形
成されていることを特徴とする。
【0017】一方、上記課題を解決する本発明の請求項
4に記載の表示パネルの製造方法は、基体の表面上に形
成された第1電極層と、該第1電極層上に形成された発
光層と、該発光層上に形成された第2電極層とから構成
され、該第1電極層および該第2電極層の少なくとも一
方が透明である複数のEL素子により画像を表示する表
示パネルの製造方法であって、前記基体として、一表面
に複数の線条溝が隣接して並列された発光表面をもち、
該線条溝は、表示パネルの視認方向に対して略直交する
底面と、該底面の両側から立ち上がる一対の側面とから
なり、少なくとも一方の該側面が該底面に対して傾斜し
た断面略逆台形状の傾斜側面を構成し、かつ該傾斜側面
と該底面とが規則的に配列された基体を用い、前記第1
電極層、前記発光層及び前記第2電極層の少なくとも一
層を、蒸着法により、該傾斜側面に、該傾斜側面に対向
し、かつ該底面が該線条溝の隣接する前記線条溝の前記
傾斜側面の影となる方向から、気相原料物質を蒸着させ
ることにより形成して、前記EL素子を形成することを
特徴とする。
【0018】また、上記課題を解決する本発明の請求項
5に記載の表示パネルの製造方法は、基体の表面上に形
成された第1電極層と、該第1電極層上に形成された発
光層と、該発光層上に形成された第2電極層とから構成
されるとともに、該第1電極層および該第2電極層の少
なくとも一方が透明であり、かつ赤色光を発光する赤色
EL素子と、青色光を発光する青色EL素子と、緑色光
を発光する緑色EL素子とにより画像を表示する表示パ
ネルの製造方法であって、前記基体として、一表面に複
数の線条溝が隣接して並列された発光表面をもち、該線
条溝は、表示パネルの視認方向に対して略直交する底面
と、該底面の両側から立ち上がる一対の側面とからな
り、両方の該側面が該底面に対して傾斜した断面略逆台
形状の傾斜側面を構成し、かつ該傾斜側面と該底面とが
規則的に配列された基体を用意し、該傾斜側面及び該底
面に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、前記
赤色EL素子の発光層を、蒸着法により、前記線条溝の
一方の側の前記傾斜側面に、該傾斜側面に対向し、かつ
該線条溝の他方の側の前記傾斜側面及び前記底面が、該
線条溝の隣接する前記線条溝の一方の側の前記傾斜側面
の影となる方向から気相原料物質を蒸着させて形成する
とともに、前記青色EL素子の発光層を、蒸着法によ
り、前記線条溝の他方の側の前記傾斜側面に、該傾斜側
面に対向し、かつ該線条溝の一方の側の前記傾斜側面及
び前記底面が、該線条溝の隣接する前記線条溝の他方の
側の前記傾斜側面の影となる方向から気相原料物質を蒸
着させて形成する第1発光層形成工程と、緑色EL素子
の発光層を前記底面に形成すると同時に、該緑色EL素
子の発光層と同じ成分をもち、かつ前記赤色EL素子及
び前記青色EL素子の電子輸送層となることが可能な層
を、該赤色EL素子及び該青色EL素子の各発光層上に
形成する第2発光層形成工程と、前記赤色EL素子、青
色EL素子及び緑色EL素子の第2電極層を形成する第
2電極層形成工程と、からなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】(請求項1に記載の表示パネル)
発光素子で発光した光が透明な基体を透過する際、その
光の一部は基体に吸収される。このときの基体に吸収さ
れる光の量は大きな量ではないにせよ、その吸収によ
り、基体を透過したときの光の輝度(すなわち画素の輝
度)は、発光素子が発光したときの輝度に比べると弱い
ものとなる。このときの光吸収量は、基体の材質によっ
ても異なってくるが、基体における透過距離によって変
わってくる。すなわち、基体における光の透過距離が大
きくなるほど、その光の吸収量は多くなる。
【0020】本発明の表示パネルでは、発光表面の線条
溝の傾斜側面及び底面に、それぞれ発光素子が形成され
ているため、図2に例示されるように、各発光素子の基
体を透過して視認される光において、その底面に形成さ
れた発光素子の光は、傾斜側面に形成された発光素子の
光よりも基体の透過距離が小さくなる。その結果、線条
溝の底面に形成された発光素子の光の基体による光吸収
量は、その傾斜側面に形成された発光素子の光よりも少
なくなる。
【0021】そこで、基体の材質を適切に選択するとと
もに、線条溝の底面の深さを適切に選択して、線条溝の
底面に形成された発光素子の光の基体における透過距離
を十分に小さくすれば、その発光素子の光の基体による
光吸収量を、その傾斜側面に形成された発光素子の光よ
りも十分に少なくすることができる。このように、線条
溝の底面及び傾斜側面にそれぞれ同じ発光輝度の発光素
子を形成しても、その底面に設けられた発光素子の光の
基体による光吸収量を、その傾斜側面に形成された発光
素子の光よりも十分に少なくすれば、その底面に形成さ
れた発光素子と、その傾斜側面に設けられた発光素子と
でそれぞれ視認される光の輝度の差を十分に大きくする
ことができる。すなわち、各画素の輝度の違いを十分に
大きくすることができる。
【0022】他方、線条溝の底面に形成されている発光
素子は、その略法線方向から視認されるのに対し、その
傾斜側面に形成された発光素子は、その略法線方向に対
して斜め方向から視認される。平面状の発光素子をその
法線方向に対して斜め方向から視認したときの光の輝度
は、その発光素子を法線方向から視認したときの光の輝
度に比べると小さく視認される。従って、傾斜側面に設
けられた発光素子の光の輝度は、その発光素子の略法線
方向で視認される発光輝度よりも小さく視認される。そ
れゆえ、傾斜側面に形成された発光素子の発光輝度が、
その底面に形成された発光素子のものと同じであって
も、その前者の発光素子の方が後者の発光素子よりも大
きな輝度で視認される。
【0023】このとき、線条溝の傾斜側面の傾き(図2
においてθで表した角度)が大きくなるにつれて、その
傾斜側面に形成された発光素子の光の輝度は、その発光
素子の略法線方向で視認される光の輝度に対して、小さ
く視認される。そこで、線条溝の傾斜側面の傾きを十分
に大きくすれば、線条溝の底面に設けられた発光素子
と、線条溝の傾斜側面に形成された発光素子とのそれぞ
れ視認される光の輝度の差を十分に大きくすることがで
きる。すなわち、各画素の輝度の違いを十分に大きくす
ることができる。
【0024】以上のように、本発明の表示パネルによれ
ば、線条溝の底面と傾斜側面とに同じ発光輝度の発光素
子を形成しても、視認される各発光素子の光の輝度は異
なったものとなってくる。それゆえ、各画素の輝度を同
じにして画像を表示するよりも、各画素の輝度を変えて
表示した方が鮮明に画像を表示できる場合には、本発明
の表示パネルにより、容易に鮮明な画像を表示できるよ
うになる。
【0025】次に、本発明の表示パネルの実施形態を以
下に説明する。なお、本発明の表示パネルは、ドット表
示によるものであってもよいし、セグメント表示による
もののいずれであってもよいが、ドット表示によるもの
の方が、以上に説明した本発明の効果を得やすい。基体
の材質は特に限定されるものではなく、透明ガラスや透
明樹脂など、公知の透明基板を用いることができる。ま
た、視認側の面形状は、必ずしも平坦であることに限定
されるものではないが、平坦であれば画像を視認しやす
くなるため、従来どおり平坦であることが好ましい。な
お、図1(c)では、線条溝の一方の側の傾斜側面の角
度と他方の側の傾斜側面の角度が同じであるものを例示
したが、それらの角度は必ずしも同じである必要はな
い。
【0026】基体の形成方法は特に限定されるものでは
ないが、例えば次の2方法が挙げられる。一つは、スロ
ットダウンドロー法と呼ばれる方法で、線条溝と同じ形
状の突出部を複数有した開口端部を有するオリフィスか
ら、溶融した基体材料を押し出して固化させることによ
り、本発明で用いる基体を形成することができる。
【0027】もう一つの方法は、先ず発光表面側が平坦
になっている基体を用意し、図3に示すように、線条溝
の側面の上方をマスクで遮蔽してフッ酸などでエッチン
グ加工することにより、本発明で用いることができる基
体を形成することができる。発光素子の種類は特に限定
されるものではないが、線条溝の底面及び傾斜側面に形
成されるものであるため、平面状の発光素子を用いるこ
とが好ましい。こうした発光素子として、先述したよう
に、EL素子やLED、VFD及びFEDなどを挙げる
ことができる。ここに挙げた各発光素子は、形成方法で
特に限定されるものではなく、公知の形成方法により形
成することができる。中でもEL素子が最も平面状に形
成しやすいため、本発明の表示パネルでは、EL素子を
画素の発光手段として用いることが好ましい。
【0028】EL素子を画素の発光手段として用いる場
合、第1電極層は透明な導電材料から形成する必要があ
る。この場合、第1電極層を陽極にして第2電極層を陰
極にしてもよいし、第1電極層を陰極にして第2電極層
を陽極にしてもよい。ただし、先述したように、EL素
子を用いたほとんどの表示パネルでは、仕事関数の理由
により、第1電極層を陽極にし、第2電極層を陰極にし
ており、本表示パネルでもこのような電極層の組み合わ
せを採用することが好ましい。
【0029】EL素子は、その形成方法で特に限定され
るものではなく、公知の形成方法により形成することが
できる。例えば、次のようにして形成することができ
る。第1電極層は、ITO、AZO(Al添加Zn
O)、SnO2などの透明な導電材料から形成すること
ができる。ここに挙げたいずれの材料からなる電極層
も、スパッタリング法などの蒸着法によって形成するこ
とができる。
【0030】一方、第2電極層は透明な導電材料で形成
してもよいし、不透明な導電材料で形成してもよい。不
透明な導電材料で形成する場合には、その材料としてM
g−AgやAlなどの導電性金属を挙げることができ
る。これらいずれの導電性金属からなる電極層も、スパ
ッタリング法などの蒸着法によって形成することができ
る。
【0031】発光層は無機材料から形成してもよいし、
有機材料から形成してもよい(有機EL素子)。発光層
を有機材料から形成する場合には、陽極となる電極層と
発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層を介装するとと
もに、陰極となる電極層と発光層との間に電子注入層や
電子輸送層などを介装することが好ましい。いずれの層
も公知の材料から形成することができる。
【0032】例えば、有機材料からなる発光層は、トリ
スキノリノアルミニム錯体や、TPD、ルブレン等のド
ーパント含有物などから形成することができる。正孔注
入層は、銅フタロシアニン(CuPc)や、VOX、M
X、RuOXなどから形成することができる。正孔輸送
層は、トリフェニルジアミン誘導体などの第3級アミン
誘導体や、MTDATA、ヒドラゾンなどから形成する
ことができる。電子輸送層は、ポリシランやBeb
2、オキサジアゾール誘導体などから形成することが
できる。電子注入層はLiFなどから形成することがで
きる。
【0033】これら各層は、真空蒸着法やラングミュア
ブロジェット蒸着法、ディップコーティング法、スピン
コーティング法、有機分子線エピタキシ法など、公知の
成膜方法を用いて形成することができる。また、各層の
厚さについても特に限定されるものではなく、所望の発
光特性が得られるように適切に選択する。なお、各画素
の第1電極層、発光層及び第2電極層を形成する際、そ
れらの少なくとも1層を画素と同じ形状で形成すること
により、各画素を所望の形状でそれぞれ発光させること
ができる。
【0034】本発明の表示パネルでは、複数種の発光素
子として、赤色光を発光する赤色EL素子と、青色光を
発光する青色EL素子と、緑色光を発光する緑色EL素
子とを用いれば、フルカラー表示が可能となる。その結
果、画像を色彩豊かに光表示させることができるように
なる。この場合、赤色EL素子の発光層の材料には、D
CM1がドープされたAlq 3や、ペリレン誘導体(t
Bu−PTC)などが挙げられる。また、青色EL素子
の発光層の材料には、DSAがドープされたジスチリル
アリーレン誘導体(DPVBi)やピラゾキノリン誘導
体(PZ10)などが挙げられる。緑色EL素子の発光
層の材料には、トリスキノリノアルミニム錯体(Alq
3)や、メチルキナクリドンがドープされたAlq3、ベ
ンゾキノリノールBe錯体(Bebq2)などが挙げら
れる。 (請求項2に記載の表示パネル)本発明の表示パネルで
は、複数種の発光素子のうち発光輝度の小さい発光素子
が線条溝の底面に形成され、発光輝度の大きい発光素子
が傾斜側面に設けられている。なお、ここでいう発光輝
度とは、平面状の発光素子をその略法線方向において視
認される発光輝度のことである。それゆえ、発光表面の
反対側で視認される各発光素子の光において、発光輝度
の小さい発光素子で発光した光は、発光輝度の大きい発
光素子で発光した光よりも基体の透過距離が小さくな
る。
【0035】その結果、発光輝度の小さい発光素子で発
光した光の透明基板による光吸収量は、発光輝度の大き
い発光素子で発光した光よりも少なくなる。そこで、基
体の材質を適切に選択するとともに、線条溝の深さを適
切に選択して、発光輝度の小さい発光素子の光の基体に
おける透過距離を十分に小さくすれば、その発光素子の
光の基体による光吸収量を、発光輝度の大きい発光素子
の光よりも十分に少なくすることができる。
【0036】このように、発光輝度の小さい発光素子の
光の基体による光吸収量を、発光輝度の大きい発光素子
の光よりも十分に少なくすれば、それらの発光素子の視
認される光の輝度の差を十分に少なくすることができ
る。すなわち、各画素の輝度のばらつきを十分に小さく
することができる。他方、線条溝の底面に形成されてい
る発光輝度の小さい発光素子は、その略法線方向から視
認されるのに対し、その傾斜側面に形成された発光輝度
の大きい発光素子は、その略法線方向に対して斜め方向
から視認される。それゆえ、発光輝度の小さい発光素子
と、発光輝度の大きい発光素子との視認される光の輝度
の違いは小さいものとなる。
【0037】このとき、線条溝の傾斜側面の傾きを十分
に大きくすれば、線条溝の底面に形成された発光素子
と、線条溝の傾斜側面に設けられた発光素子との視認さ
れる光の輝度の違いを十分に少なくすることができる。
すなわち、各画素の輝度の違いを十分に小さくすること
ができる。以上のように、本発明の表示パネルによれ
ば、発光輝度の異なる複数種の発光素子を用いても、容
易に各画素の輝度のばらつきを十分に防ぐことができる
ため、容易に鮮明な画像を表示することができる。
【0038】本発明の表示パネルでは、発光輝度の異な
る複数種の発光素子を用い、発光輝度の小さい発光素子
を、線条溝の底面に形成し、発光輝度の大きい発光素子
をその傾斜側面に形成する他は、請求項1に記載の表示
パネルと同様の形態とすることができる。本発明の表示
パネルでも、複数種の発光素子として、赤色光を発光す
る赤色EL素子と、青色光を発光する青色EL素子と、
緑色光を発光する緑色EL素子とを用いれば、フルカラ
ー表示が可能となる。この場合、これら3種類のEL素
子のうち、発光輝度の小さいものを線条溝の底面に設け
るとともに、発光輝度の大きい残り2種類のEL素子を
その傾斜側面にそれぞれ設ければよい。
【0039】このとき、緑色EL素子の発光層の材料と
してAlq3を用いれば、安価に緑色EL素子を形成で
きる。その上、Alq3よりなる層は、上述に挙げた発
光層を有する赤色EL素子及び青色EL素子の電子輸送
層としても機能できる。それゆえ、Alq3より、緑色
EL素子の発光層と、赤色EL素子及び青色EL素子の
電子輸送層とを同じ形成方法により同時に形成すれば、
表示パネルを安価に製造できるようになるとともに、そ
の製造時間を短縮することができる。
【0040】しかしながら、その緑色EL素子では、大
きな発光輝度を得にくいという欠点がある。本発明の表
示パネルにより、このようなEL素子を線条溝の底面に
形成すれば、上述のように画像を確実に鮮明に視認させ
ることができるようになる上、安価にかつ生産性良く表
示パネルを製造することができるようになる。 (請求項3に記載の表示パネル)本発明の表示パネルで
は、請求項1及び請求項2のいずれかに記載の表示パネ
ルにおいて、赤色EL素子、青色EL素子及び緑色EL
素子を用いるため、フルカラー表示が可能になることは
言うまでもないが、それらの3種類の発光素子が各線条
溝にそれぞれ形成され、かつそれらが規則的に配列され
て形成されているため、3色の各EL素子をそれぞれ緻
密にかつ均等な分布で配設させることができる。それゆ
え、各EL素子の発光を適切に制御してそれぞれ発光さ
せることにより、容易に多彩な色の画像を鮮明に表示さ
せることができる。
【0041】従って、本発明の表示パネルによれば、鮮
明なカラー画像を容易に表示することができるようにな
る。本発明の表示パネルでは、基体として、線条溝の一
対の側面がともに傾斜側面とされているものを用い、傾
斜側面の両方及び底面に、赤色EL素子、青色EL素子
及び緑色EL素子をそれぞれ規則的に形成する他は、請
求項1及び請求項2のいずれかに記載の表示パネルと同
様の形態とすることができる。 (請求項4に記載の表示パネルの製造方法)本発明で用
いる基体においては、発光表面の線条溝の傾斜側面に対
向する方向に、その底面が、その線条溝の隣接する線条
溝の傾斜側面の影となる方向がある。
【0042】本発明では、図1に列挙した基体を用いる
ことができるが、例えば図1(a)に示した基体を用い
る場合、図4に示すように、例えば線条溝1の側面1a
を矢印の方向から見れば、線条溝1の底面1bが、線条
溝1の隣接する線条溝2の側面2aの影となる。ところ
で、蒸着法によれば、気相原料物質は直進してその進行
方向にある面に蒸着する。本発明では、このことを利用
して、線条溝の線条溝の傾斜側面に、該傾斜側面に対向
し、かつ該線条溝の底面が、該線条溝の隣接する線条溝
の傾斜側面の影となる方向から気相原料物質を蒸着させ
る。ここで、蒸着法としては、真空蒸着法やスパッタリ
ング法などの方法が挙げられる。
【0043】例えば、図4に示したように、線条溝1の
側面1aに第1電極層5aを形成する場合には、側面1
aに対向し、かつ線条溝1の底面1bが、線条溝1の隣
接する線条溝2の傾斜側面2aの影となる矢印Cの方向
から、第1電極層の気相原料物質を蒸着させる。このと
き、線条溝1の底面1bにはその気相蒸発物質が蒸着す
ることなく、線条溝1の傾斜側面1bに第1電極層5a
が形成される。この第1電極層5aの形成と同時に、矢
印Cの方向から、第1電極層5aと同じ気相原料物質を
線条溝2、3の傾斜側面2a、3aに蒸着させれば、第
1電極層6a、7aがそれぞれ形成される。
【0044】次いで、発光表面の全体に発光層を形成
し、最後に、図5及び図6に示すように、第2電極層の
気相原料物質を、ストライプ状の貫通孔を有するマスク
を各線条溝1、2、3に直交するように設置し、矢印D
の方向から蒸着させれば、ストライプ状の第2電極層が
第1電極層に視認方向の投影面で見て直交するように形
成される。こうして、ドット状のEL素子が発光表面に
マトリックス状に配列された表示パネルを製造すること
ができる。
【0045】ここで、線条溝の底面の深さを十分に小さ
くするとともに、線条溝の傾斜側面の傾きを十分に大き
くすれば、視認方向に対する第1電極層の投影面積が小
さくなる。また、線条溝の底面の幅を小さくすれば、各
第1電極層の間隔が小さくなる。その結果、各EL素子
が微細に配列された表示パネルが製造される。もう一例
として、図7に示すように、発光表面の線条溝の一対の
側面がともに前記傾斜側面とされている基体を用い、各
線条溝の両方の傾斜側面に第1電極層を形成するとす
る。線条溝10の一方の傾斜側面12を矢印Aの方向か
ら見れば、線条溝10の他方の傾斜側面14及び底面1
6が、線条溝10の隣接する線条溝20の側面22の影
となる。
【0046】この矢印Aの方向から、第1電極層50の
気相原料物質を蒸着させれば、線条溝10の他方の側面
14及び底面16にはその気相蒸発物質が蒸着すること
なく、線条溝10の傾斜側面12に第1電極層50aが
形成される。このとき、同時に矢印Aの方向から第1電
極層50aと同じ気相原料物質を線条溝20、30の傾
斜側面22、32に蒸着させれば、図8に示すように第
1電極層60a、70aが第1電極層50aと同時にそ
れぞれ形成される。
【0047】続いて、傾斜側面14に対向し、かつ線条
溝10の傾斜側面12及び底面16が、線条溝10の隣
接する線条溝30の傾斜側面34の影となる矢印Bの方
向から、第1電極層52aの気相原料物質を蒸着させれ
ば、線条溝10の傾斜側面14に第1電極層52aが形
成される。このとき、同時に矢印Bの方向から第1電極
層52aと同じ気相原料物質を線条溝20、30の傾斜
側面24、34に蒸着させれば、図9に示すように第1
電極層62a、72aが第1電極層52aと同時にそれ
ぞれ形成される。
【0048】このとき、第1電極層50aと第1電極層
52aとは、線条溝10の底面14で隔離されてそれぞ
れ形成される。第1電極層50a及び第1電極層52a
が、それぞれ第1電極層60a及び第1電極層72aと
結合せずに形成されれば、第1電極層50a、52a、
60a、72aはそれぞれ隔離されて形成されることに
なる。すなわち、各線条溝の傾斜側面に、線条の第1電
極層がそれぞれ隔離されて形成される。
【0049】次いで、発光表面の全面に発光層を形成
し、最後に、第2電極層の気相原料物質を、ストライプ
状の貫通孔を有するマスクを各線条溝10、20、30
に直交するように設置して発光表面の上方より蒸着させ
れば、ストライプ状の第2電極層が第1電極層に視認方
向の投影面で見て直交するように形成される。こうし
て、ドット状のEL素子が発光表面にマトリックス状に
配列された表示パネルを製造することができる。
【0050】ところで、第1電極層50aと第1電極層
72aとで、また第1電極層52aと第1電極層60a
とで結合することがある。これらの結合した線条の結合
型第1電極層は、その間の線条溝の底面でそれぞれ隔離
されているため、結合型第1電極層群がストライプ状に
発光表面に形成されることになる。ここで結合型第1電
極層の結合部を適切な手段で切断すれば、前述と同様に
各傾斜側面の第1電極層がそれぞれ隔離され、さらに微
細なものとなる。
【0051】以上の例では、第1電極層をストライプ状
に形成する例について説明したが、発光層及び第2電極
層についても同様にしてストライプ状のものを微細に形
成することができる。従って、本発明の表示パネルの製
造方法では、線条溝の深さ、その側面の傾き及びその底
面の幅が小さな基体を用いることにより、第1電極層、
発光層及び第2電極層の少なくとも一層を、マスクを用
いることなく容易に微細に形成することができる。線条
溝の深さ、その側面の傾き及びその底面の幅が小さな基
体を形成することは、マスクの貫通孔の精度及びそのマ
スクの位置合わせの精度を向上させるよりもはるかに容
易である。それゆえ、本発明の表示パネルの製造方法に
よれば、鮮明な画像が表示される表示パネルを容易に歩
留まり良く製造することができるようになる。
【0052】また、第1電極層、発光層及び第2電極層
の少なくとも一層をマスクを用いて形成する際に発生す
る不良品は、第1電極層、発光層及び第2電極層の少な
くとも一層が基体に密着しているため、不良品の再利用
が難しいという問題もある。それに対し、本発明の表示
パネルの製造方法では、基体を製造する際に不良品が発
生したとしても、その不良品を容易に再利用することが
できるという利点もある。
【0053】本発明の表示パネルの製造方法では、ドッ
ト表示による表示パネル及びセグメント表示による表示
パネルのいずれも製造することができるが、ドット表示
によるものの方が、以上に説明した本発明の効果を得や
すい。本発明の表示パネルの製造方法では、基体及び第
1電極層を透明な導電材料から形成して、発光層で発光
した光を基体及び第1電極層を透過させることにより画
像を表示させる表示パネル、並びに、第2電極層を透明
な導電材料から形成して、発光層で発光した光を第2電
極層を透過させることにより画像を表示させる表示パネ
ルのいずれも製造することができる。ただし、前者の表
示パネルの方が多く用いられているため、以下では、前
者の表示パネルの製造方法について説明することにす
る。
【0054】基体としては、図1に示した基体を用いる
ことができることは先に述べた。なお、図1では、線条
溝の一方の側の傾斜側面の傾きと他方の側の傾斜側面の
傾きとが同じであるものを例示したが、それらの傾きは
必ずしも同じである必要はない。また、図1では、発光
表面の反対側の面形状が平坦である(底面に対して平行
になっている)基体を示したが、その面形状は必ずしも
平坦に限定されるものではない。
【0055】また、EL素子としては、請求項1に記載
の表示パネルで説明したEL素子と同様のものを形成す
ることができる。また、複数のEL素子は、同じ種類の
EL素子が複数形成されたものであってもよいし、異な
る種類のEL素子であってもよい。本発明の表示パネル
の製造方法では、第1電極層、発光層及び第2電極層の
少なくとも一層を、蒸着法により、前記線条溝の傾斜側
面に、該傾斜側面に対向し、かつ該線条溝の底面が、該
線条溝の隣接する前記線条溝の傾斜側面の影となる方向
から、気相原料物質を蒸着させて形成するが、この形成
方法の他の形成方法で形成する層については、公知の形
成方法で形成することができる。
【0056】上記の例では、線条溝の底面にEL素子を
形成しないようにして、傾斜側面に形成されるEL素子
を隔離したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、線条溝の底面にも、EL素子を形成してもよい。こ
のように底面に形成されるEL素子は、傾斜側面に形成
されるEL素子と重ならないように形成することが好ま
しい。そのEL素子の形成方法は特に限定されるもので
はないが、例えば蒸着法により、適切なマスクを用いて
形成することができる。
【0057】従って、発光輝度の大きいEL素子を以上
で述べてきた形成方法で線条溝の傾斜側面に形成すると
ともに、EL素子のうち発光輝度の小さいEL素子を線
条溝の底面に形成すれば、請求項2に記載の表示パネル
においてEL素子を画素の発光手段として用いた表示パ
ネルを製造することができる。また、線条溝の側面及び
底面に、赤色光を発光する赤色EL素子と、青色光を発
光する青色EL素子と、緑色光を発光する緑色EL素子
とを適切に配置して形成すれば、フルカラー表示が可能
となる。その結果、画像を色彩豊かに光表示させること
ができるようになる。 (請求項5に記載の表示パネルの製造方法)本発明の表
示パネルの製造方法では、赤色EL素子、青色EL素子
及び緑色EL素子を、マスクを用いることなく、各線条
溝にそれぞれ形成できるとともに、それらを規則的に配
列させて容易に形成することができる。特に、線条溝の
深さ、その傾斜側面の傾き及びその底面の幅が小さな基
体を用いることにより、各EL素子の発光層を容易に微
細に形成することができる。
【0058】従って、本発明によれば、3色の各EL素
子がそれぞれ緻密にかつ均等な分布で配設された表示パ
ネルを容易に製造することができる。こうして製造され
た表示パネルでは、各EL素子の発光を適切に制御して
それぞれ発光させることにより、容易に多彩な色の画像
を鮮明に表示させることができる。他方、第1発光層形
成工程では、赤色EL素子及び青色EL素子の各発光層
を線条溝の底面上に形成しないようにその線条溝の各側
面にそれぞれ形成することができる。一方、Alq3
らなる層のように、緑色EL素子の発光層と、赤色EL
素子及び青色EL素子の電子輸送層との両方の機能を発
揮することができる層があることは、先の請求項1に記
載の表示パネルの説明において述べた。第2発光層形成
工程においては、これらのことを利用して、緑色EL素
子と、赤色EL素子及び青色EL素子の電子輸送層とを
同じ形成方法でかつ同時に形成することができる。それ
ゆえ、表示パネルを安価に製造できるようになるととも
に、製造時間を短縮することができるようになる。
【0059】従って、本発明の表示パネルの製造方法に
よれば、フルカラー表示が可能であり、かつ鮮明な画像
が表示される表示パネルを容易に歩留まり良く製造する
ことができるようになる。各工程の進め方については、
下記の実施例で具体的に説明することにする。 (実施例1)本実施例では、画素の発光手段として、赤
色EL素子、青色EL素子及び緑色EL素子が用いら
れ、かつドット状の各EL素子が基体の発光表面にマト
リックス状に配列された表示パネルを以下のようにして
製造した。
【0060】先ず、透明ガラスよりなり、かつ発光表面
及びその反対側の表面が平坦になっている板状の基体を
用意した。続いて、図3に示したように、発光表面にお
いて、線条溝の側面の上方をマスクで遮蔽してフッ酸で
エッチング加工することにより、図10に示す基体(図
1(c)で示したものと同様である)を形成した。 [第1電極層形成工程]図11に示すように、線条溝の
両傾斜側面及び底面に、それぞれ互いに隔離された線条
の第1電極層を次のようにして形成した。
【0061】先ず、スパッタリング法により、透明基板
の発光表面の全面にITO膜を一様に形成した。ITO
膜の表面上にレジスト材(ノボラック樹脂)を一様に塗
布してレジスト層を形成した。第1電極層となるITO
膜の部分をマスクを遮蔽して、レジスト層に露光した
後、現像処理を行って露光したレジスト層の部分を除い
た。
【0062】続いて、ITOを溶解することのできるエ
ッチング処理液を用い、除かれたレジスト層の部分を通
じてITO膜の表出した部分にエッチング処理を施し
た。このエッチング処理の後、適切な処理液でレジスト
層を溶解して除いた。こうして、図11に示したよう
に、各線条溝の底面及び傾斜側面に第1電極層が形成さ
れた。なお、ITO膜のエッチング処理液としては、H
Cl及びH2Oが1:1の割合で混合された混合液にH
NO3が少量添加された処理液や、FeCl3及びHCl
が2:1の割合で混合された処理液などを用いることが
できる。
【0063】次いで、第1電極層及び基体の表出面上に
レジスト材を一様に塗布し、適切なマスクを用いて露光
及び現像処理を行い、図12及び図13に示すように絶
縁層を形成した。 [第1発光層形成工程]発光表面の全面に、VOXより
なる正孔注入層と、トリフェニルジアミン誘導体よりな
る正孔輸送層を順に形成した。
【0064】続いて、図14に示す真空蒸着装置を用い
て、正孔輸送層上に各EL素子の発光層をそれぞれ形成
した。この真空蒸着装置は、任意の真空度が得られ、か
つ高真空を保持することのできる真空チャンバーを備
え、そのチャンバーの底面に、赤色EL素子の発光層の
気相原料物質としてDCM1がドープされたAlq3
蒸発することができる蒸発源Rと、青色EL素子の発光
層の気相原料物質としてDSAがドープされたDPVB
iを蒸発することができる蒸発源Bと、緑色EL素子の
発光層の気相原料物質としてAlq3を蒸発することが
できる蒸発源Gとを備える装置である。これら蒸発源
R、蒸発源B及び蒸発源Gは、それぞれ配設位置を任意
に変えることができる。
【0065】図14に示したように、この真空蒸着装置
のチャンバー内の天井の中央の位置に基体を設置した。
また、図14に示したように、基体の線条溝の一方の側
の傾斜側面に対向し、かつ線条溝の他方の側の傾斜側面
及び底面が、各線条溝のそれぞれ隣接する線条溝の一方
の側の傾斜側面の影となる方向(矢印A1)に位置する
ように、蒸発源Rを配設した。また、基体の線条溝の他
方の側の傾斜側面に対向し、かつ線条溝の一方の側の傾
斜側面及び底面が、各線条溝のそれぞれ隣接する線条溝
の一方の側の傾斜側面の影となる方向(矢印B1)に位
置するように、蒸発源Bを配設した。
【0066】先ず、図15に示すように、蒸発源Rの気
相原料物質を蒸着させて赤色EL素子の発光層を形成し
た。次いで、図16に示すように、蒸発源Bの気相原料
物質を蒸着させて青色EL素子の発光層を形成した。な
お、本工程では、赤色EL素子の発色層を青色EL素子
の発光層よりも先に形成したが、この順序に限定される
ものではなく、青色EL素子の発光層を先に形成しても
よい。 [緑発色層形成工程]蒸着源Gの気相原料物質を表示面
の全体に蒸着させて、図17に示すように、各線条溝の
底面に緑色EL素子の発光層と、赤色EL素子及び青色
EL素子の電子輸送層とを同時に形成した。 [第2電極層形成工程]ストライプ状の貫通孔を有する
マスクを各線条溝に直交するように所定の位置に設置
し、Mg−Agを共蒸着させて、図18及び図19に示
すように、視認方向の投影面で見て各第1電極層に直交
するストライプ状の第2電極層を形成した。
【0067】以上の工程を経て、図20に示すように、
ドット状の各EL素子が発光表面にマトリックス状に配
列された表示パネルを完成した。なお、本実施例の表示
パネルの製造方法では、各EL素子の発光層が互いに結
合して形成される。しかし、それらの発光層の第1電極
層がそれぞれ隔離して形成されているため、各発光層に
別々に電流を流すことができる。従って、それらの発光
層を別々に発光させることができる。
【0068】本実施例の表示パネルの製造方法では、透
明基板の線条溝の深さ、その傾斜側面の傾き及びその底
面の幅が小さな基体を用いれば、赤色EL素子、青色E
L素子及び緑色EL素子をそれぞれ微細に形成すること
ができる。こうして、鮮明な画像が表示される表示パネ
ルを容易に歩留まり良く製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示パネルで用いることのできる各
基体をそれぞれ概略的に示す断面図である。
【図2】 本発明の表示パネルの一例を概略的に示す断
面図である。
【図3】 本発明の表示パネルで用いることのできる基
体を形成する方法を模式的に示した断面図である。
【図4】 本発明の表示パネルの製造方法により、表示
パネルを製造している一過程を模式的に示す断面図であ
る。
【図5】 本発明の表示パネルの製造方法により、表示
パネルを製造している一過程を模式的に示す斜視図であ
る。
【図6】 本発明の表示パネルの製造方法により、表示
パネルを製造している一過程を模式的に示す断面図であ
る。
【図7】 本発明の表示パネルの製造方法で用いる基体
を概略的に示す断面図である。
【図8】 本発明の表示パネルの製造方法により、表示
パネルを製造している一過程を模式的に示す断面図であ
る。
【図9】 本発明の表示パネルの製造方法により、表示
パネルを製造している一過程を模式的に示す断面図であ
る。
【図10】 実施例1で用いる基体を概略的に示す斜視
図である。
【図11】 実施例1において、表示パネルを製造して
いる一過程を模式的に示す斜視図である。
【図12】 実施例1において、表示パネルを製造して
いる一過程を模式的に示す斜視図である。
【図13】 実施例1において、表示パネルを製造して
いる一過程を模式的に示す断面図である。
【図14】 実施例1において表示パネルを製造するの
に使用した装置を概略的に示す断面図である。
【図15】 実施例1において、表示パネルを製造して
いる一過程を模式的に示す断面図である。
【図16】 実施例1において、表示パネルを製造して
いる一過程を模式的に示す断面図である。
【図17】 実施例1において、表示パネルを製造して
いる一過程を模式的に示す断面図である。
【図18】 実施例1において製造された表示パネルを
概略的に示す断面図である。
【図19】 図18のA−A’における断面図である。
【図20】 実施例1において製造された表示パネルを
模式的に示す断面図である。
【図21】 従来の表示パネルの製造方法により、表示
パネルを製造している様子を示す平面図である。
【符号の説明】
10、20、30:線条溝 12、22、32:線条溝の一方の側の傾斜側面 14:線条溝の他方の側の傾斜側面 16:線条溝の底
面 50a、60a、70a:第1電極層
フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB17 AB18 BA06 CA00 CA01 CC04 DA01 DB03 EB00 FA01 FA02 5C094 AA05 AA08 AA42 AA43 AA48 BA27 CA19 CA20 DA13 DB04 EA04 EA05 EB02 FA01 FA02 FA04 FB01 GB10 5F041 DB08 FF06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基体の表面上に形成された発光素
    子により画像を表示する表示パネルにおいて、 前記基体は、一表面に複数の線条溝が並列された発光表
    面をもち、該線条溝は、表示パネルの視認方向に対して
    略直交する底面と、該底面の両側から立ち上がる一対の
    側面とからなり、少なくとも一方の該側面が該底面に対
    して傾斜した断面略逆台形状の傾斜側面を構成し、該底
    面と該傾斜側面とにそれぞれ発光素子が形成されている
    ことを特徴とする表示パネル。
  2. 【請求項2】 前記発光素子は、発光輝度の異なる複数
    種の発光素子よりなり、発光輝度の小さい発光素子が前
    記底面に設けられ、発光輝度の大きい発光素子が前記傾
    斜側面に設けられている請求項1に記載の表示パネル。
  3. 【請求項3】 前記線条溝の一対の側面がともに前記傾
    斜側面とされ、該傾斜側面の両方及び底面に、赤色光を
    発光する赤色EL素子と、青色光を発光する青色EL素
    子と、緑色光を発光する緑色EL素子とがそれぞれ規則
    的に形成されている請求項1及び請求項2のいずれかに
    記載の表示パネル。
  4. 【請求項4】 基体の表面上に形成された第1電極層
    と、該第1電極層上に形成された発光層と、該発光層上
    に形成された第2電極層とから構成され、該第1電極層
    および該第2電極層の少なくとも一方が透明である複数
    のEL素子により画像を表示する表示パネルの製造方法
    であって、 前記基体として、一表面に複数の線条溝が隣接して並列
    された発光表面をもち、該線条溝は、表示パネルの視認
    方向に対して略直交する底面と、該底面の両側から立ち
    上がる一対の側面とからなり、少なくとも一方の該側面
    が該底面に対して傾斜した断面略逆台形状の傾斜側面を
    構成し、かつ該傾斜側面と該底面とが規則的に配列され
    た基体を用い、前記第1電極層、前記発光層及び前記第
    2電極層の少なくとも一層を、蒸着法により、該傾斜側
    面に、該傾斜側面に対向し、かつ該底面が該線条溝の隣
    接する前記線条溝の前記傾斜側面の影となる方向から、
    気相原料物質を蒸着させることにより形成して、前記E
    L素子を形成することを特徴とする表示パネルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基体の表面上に形成された第1電極層
    と、該第1電極層上に形成された発光層と、該発光層上
    に形成された第2電極層とから構成されるとともに、該
    第1電極層および該第2電極層の少なくとも一方が透明
    であり、かつ赤色光を発光する赤色EL素子と、青色光
    を発光する青色EL素子と、緑色光を発光する緑色EL
    素子とにより画像を表示する表示パネルの製造方法であ
    って、 前記基体として、一表面に複数の線条溝が隣接して並列
    された発光表面をもち、該線条溝は、表示パネルの視認
    方向に対して略直交する底面と、該底面の両側から立ち
    上がる一対の側面とからなり、両方の該側面が該底面に
    対して傾斜した断面略逆台形状の傾斜側面を構成し、か
    つ該傾斜側面と該底面とが規則的に配列された基体を用
    意し、該傾斜側面及び該底面に第1電極層を形成する第
    1電極層形成工程と、 前記赤色EL素子の発光層を、蒸着法により、前記線条
    溝の一方の側の前記傾斜側面に、該傾斜側面に対向し、
    かつ該線条溝の他方の側の前記傾斜側面及び前記底面
    が、該線条溝の隣接する前記線条溝の一方の側の前記傾
    斜側面の影となる方向から気相原料物質を蒸着させて形
    成するとともに、前記青色EL素子の発光層を、蒸着法
    により、前記線条溝の他方の側の前記傾斜側面に、該傾
    斜側面に対向し、かつ該線条溝の一方の側の前記傾斜側
    面及び前記底面が、該線条溝の隣接する前記線条溝の他
    方の側の前記傾斜側面の影となる方向から気相原料物質
    を蒸着させて形成する第1発光層形成工程と、 緑色EL素子の発光層を前記底面に形成すると同時に、
    該緑色EL素子の発光層と同じ成分をもち、かつ前記赤
    色EL素子及び前記青色EL素子の電子輸送層となるこ
    とが可能な層を、該赤色EL素子及び該青色EL素子の
    各発光層上に形成する第2発光層形成工程と、 前記赤色EL素子、青色EL素子及び緑色EL素子の第
    2電極層を形成する第2電極層形成工程と、 からなることを特徴とする表示パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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