JP2000194686A - シミュレ―ション方法及びその装置 - Google Patents
シミュレ―ション方法及びその装置Info
- Publication number
- JP2000194686A JP2000194686A JP37223498A JP37223498A JP2000194686A JP 2000194686 A JP2000194686 A JP 2000194686A JP 37223498 A JP37223498 A JP 37223498A JP 37223498 A JP37223498 A JP 37223498A JP 2000194686 A JP2000194686 A JP 2000194686A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aggregate
- state
- energy
- tensor
- simulation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 238000004088 simulation Methods 0.000 title claims abstract description 88
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 43
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 claims abstract description 19
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 claims abstract description 15
- 238000005381 potential energy Methods 0.000 claims description 31
- 230000006870 function Effects 0.000 description 21
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 17
- 238000000342 Monte Carlo simulation Methods 0.000 description 10
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 10
- 238000000329 molecular dynamics simulation Methods 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 238000000324 molecular mechanic Methods 0.000 description 3
- 238000004219 molecular orbital method Methods 0.000 description 2
- 239000013598 vector Substances 0.000 description 2
- 230000005428 wave function Effects 0.000 description 2
- 238000003775 Density Functional Theory Methods 0.000 description 1
- 230000003213 activating effect Effects 0.000 description 1
- 238000004422 calculation algorithm Methods 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000002068 genetic effect Effects 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 238000005457 optimization Methods 0.000 description 1
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 有限温度及び/又は有限圧力の下で原子等の
シミュレーション対象要素の集合からなる集合体の代表
的な1つの状態を出力するシミュレーション方法及びそ
の装置を提供する。 【解決手段】 集合体の状態、例えば集合体に含まれる
シミュレーション対象要素の位置及び周期的境界条件に
対応するセルを表す行列と、所定の温度とから該集合体
の力のテンソルσを求めS4、該力のテンソルσの任意
の対角成分と外部圧力との和が0で、該力のテンソルσ
の任意の非対角成分が0であるという拘束条件の下で、
前記集合体の状態から集合体のエネルギーを求めなが
ら、前記集合体の状態を変更することで該集合体のエネ
ルギーを極小化または最小化しS5、前記集合体のエネ
ルギーが極小化または最小化される集合体の状態を、該
集合体の代表的な状態とするS6,S7。
シミュレーション対象要素の集合からなる集合体の代表
的な1つの状態を出力するシミュレーション方法及びそ
の装置を提供する。 【解決手段】 集合体の状態、例えば集合体に含まれる
シミュレーション対象要素の位置及び周期的境界条件に
対応するセルを表す行列と、所定の温度とから該集合体
の力のテンソルσを求めS4、該力のテンソルσの任意
の対角成分と外部圧力との和が0で、該力のテンソルσ
の任意の非対角成分が0であるという拘束条件の下で、
前記集合体の状態から集合体のエネルギーを求めなが
ら、前記集合体の状態を変更することで該集合体のエネ
ルギーを極小化または最小化しS5、前記集合体のエネ
ルギーが極小化または最小化される集合体の状態を、該
集合体の代表的な状態とするS6,S7。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシミュレーション方
法及び装置に関し、例えば分子構造や構成元素などを制
御することによって材料の性質を最適化する分子設計の
分野、特に周期的境界条件を適用できる原子に比して十
分サイズが大きい結晶の、有限温度及び/又は有限圧下
での力の性質を予測するシミュレーション方法及び装置
に関するものである。
法及び装置に関し、例えば分子構造や構成元素などを制
御することによって材料の性質を最適化する分子設計の
分野、特に周期的境界条件を適用できる原子に比して十
分サイズが大きい結晶の、有限温度及び/又は有限圧下
での力の性質を予測するシミュレーション方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子設計の分野でのシミュレーション方
法は、以下に示す通りである。これらの方法は、共に原
子集合体の(単一または多数の)状態を出力し、その状
態を用いて当該原子集合体の性質を予測する目的に供せ
られる。
法は、以下に示す通りである。これらの方法は、共に原
子集合体の(単一または多数の)状態を出力し、その状
態を用いて当該原子集合体の性質を予測する目的に供せ
られる。
【0003】<分子軌道法(MO)及び密度汎関数法>
原子核がある配置にある場合の、電子の波動関数に基づ
くシュレディンガー方程式の近似数値解を求める。通
常、エネルギーの最小化または極小化を行なう。温度が
絶対零度の時の電子状態が分かる。
原子核がある配置にある場合の、電子の波動関数に基づ
くシュレディンガー方程式の近似数値解を求める。通
常、エネルギーの最小化または極小化を行なう。温度が
絶対零度の時の電子状態が分かる。
【0004】<分子力学(MM)>複数の原子の位置を
変数とする、予め与えられる位置エネルギーの関数を設
定し、位置エネルギーが最小または極小になる分子構造
(又は結晶構造)を求める。温度が絶対零度の時の原子
集合体の状態が分かる。
変数とする、予め与えられる位置エネルギーの関数を設
定し、位置エネルギーが最小または極小になる分子構造
(又は結晶構造)を求める。温度が絶対零度の時の原子
集合体の状態が分かる。
【0005】<モンテカルロ法(MC)>位相空間を適
当な方法でサンプリングして、ある熱力学的状態(温
度、圧力など)での平衡状態の相の静的性質(原子配置
に起因する性質)を求める。分子力学同様、複数の原子
の位置を変数とする、予め与えられる位置エネルギーの
関数を想定する(古典)モンテカルロ法と、電子の波動
関数を求めながら行なう量子モンテカルロ法がある。そ
の状態の確率密度に比例する確率で出現する一連の多数
の状態の組を出力する。なお、モンテカルロ法は、主に
積分を数値的に行なう際の乱数を使用する手法の一般名
称としても使われるため、これと区別するために発明者
の名から取ってメトロポリスの方法と呼ぶことがある。
当な方法でサンプリングして、ある熱力学的状態(温
度、圧力など)での平衡状態の相の静的性質(原子配置
に起因する性質)を求める。分子力学同様、複数の原子
の位置を変数とする、予め与えられる位置エネルギーの
関数を想定する(古典)モンテカルロ法と、電子の波動
関数を求めながら行なう量子モンテカルロ法がある。そ
の状態の確率密度に比例する確率で出現する一連の多数
の状態の組を出力する。なお、モンテカルロ法は、主に
積分を数値的に行なう際の乱数を使用する手法の一般名
称としても使われるため、これと区別するために発明者
の名から取ってメトロポリスの方法と呼ぶことがある。
【0006】<分子動力学(MD)>原子の古典的な運
動方程式を解くことで、ある熱力学的状態(温度、圧力
など)での原子集合体の状態の時間発展を追跡する。モ
ンテカルロ法と同様に、複数の原子の位置を変数とす
る、予め与えられる位置エネルギーの関数を想定する
(古典)分子動力学と、電子状態を求めて、それから力
を計算する第一原理分子動力学がある。
動方程式を解くことで、ある熱力学的状態(温度、圧力
など)での原子集合体の状態の時間発展を追跡する。モ
ンテカルロ法と同様に、複数の原子の位置を変数とす
る、予め与えられる位置エネルギーの関数を想定する
(古典)分子動力学と、電子状態を求めて、それから力
を計算する第一原理分子動力学がある。
【0007】これらの方法は、絶対零度での状態を1つ
出力する分子軌道法,密度汎関数法,分子力学等のグル
ープと、有限温度及び/叉は有限圧力の下での複数の状
態の組を出力するモンテカルロ法,分子動力学法等のグ
ループとに大別できる。
出力する分子軌道法,密度汎関数法,分子力学等のグル
ープと、有限温度及び/叉は有限圧力の下での複数の状
態の組を出力するモンテカルロ法,分子動力学法等のグ
ループとに大別できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この中で、上記有限温
度での状態を出力するグループでは、多数の状態の組を
出力するために、これら多数の状態の組を算出するのに
時間がかかるという問題があった。
度での状態を出力するグループでは、多数の状態の組を
出力するために、これら多数の状態の組を算出するのに
時間がかかるという問題があった。
【0009】また、モンテカルロ法と分子動力学法で
は、シミュレーションを開始するにあったって初期状態
を入力する必要があり、不適切な初期状態からシミュレ
ーションを開始するとシミュレーションに時間がかかる
ことになるが、初期状態を適切に設定する方法がないと
いう問題点があった。
は、シミュレーションを開始するにあったって初期状態
を入力する必要があり、不適切な初期状態からシミュレ
ーションを開始するとシミュレーションに時間がかかる
ことになるが、初期状態を適切に設定する方法がないと
いう問題点があった。
【0010】また、周期的境界条件のモンテカルロ法及
び分子動力学法では、周期的境界条件のセルを結晶の単
位格子の複数倍にする必要があるため、シミュレーショ
ンに時間がかかるという問題点があった。
び分子動力学法では、周期的境界条件のセルを結晶の単
位格子の複数倍にする必要があるため、シミュレーショ
ンに時間がかかるという問題点があった。
【0011】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、有限温度及び/又は有限圧力の下での1つ
の状態を出力するシミュレーション方法及びその装置を
提供する。すなわち、本発明のシミュレーション方法及
びその装置では、出力する状態の数が1つであるため、
シミュレーションに時間がかからない。更に、出力され
た状態は系を代表する状態であるので、モンテカルロ法
及び分子動力学法の初期状態として好適に使用できる。
ものであり、有限温度及び/又は有限圧力の下での1つ
の状態を出力するシミュレーション方法及びその装置を
提供する。すなわち、本発明のシミュレーション方法及
びその装置では、出力する状態の数が1つであるため、
シミュレーションに時間がかからない。更に、出力され
た状態は系を代表する状態であるので、モンテカルロ法
及び分子動力学法の初期状態として好適に使用できる。
【0012】また、本発明は、周期的境界条件のセルを
結晶の単位格子に一致させることでで、シミュレーショ
ンに時間がかからないシミュレーション方法及びその装
置を提供する。
結晶の単位格子に一致させることでで、シミュレーショ
ンに時間がかからないシミュレーション方法及びその装
置を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のシミュレーション方法は、周期的境界条件
下での所定の温度と所定の外部圧力の下において、原子
等のシミュレーション対象要素の集合からなる集合体の
代表的な状態をシミュレーションするシミュレーション
方法であって、集合体の状態と所定の温度とから該集合
体の力のテンソルσを求める工程と、該力のテンソルσ
の任意の対角成分と外部圧力との和が0で、該力のテン
ソルσの任意の非対角成分が0であるという拘束条件の
下で、前記集合体の状態から集合体のエネルギーを求め
ながら、前記集合体の状態を変更することで該集合体の
エネルギーを極小化または最小化する工程と、前記集合
体のエネルギーが極小化または最小化される集合体の状
態を、該集合体の代表的な状態とする工程とを備えるこ
とを特徴とする。ここで、前記集合体の状態が、集合体
に含まれるシミュレーション対象要素の位置と、周期的
境界条件に対応するセルを表す行列とで表され、前記集
合体のエネルギーが、集合体に含まれる全シミュレーシ
ョン対象要素の位置を変数として、予め与えられた位置
エネルギーの関数に基づいて求められたところの、集合
体に含まれる全シミュレーション対象要素の位置エネル
ギーの和であり、前記集合体の状態と所定の温度から集
合体の力のテンソルσを求める工程においては、前記集
合体に含まれる全シミュレーション対象要素の位置を変
数とする前記予め与えられた位置エネルギーの関数の、
あるシミュレーション対象要素の位置による偏微分導関
数と、集合体に含まれる全シミュレーション対象要素の
位置と、前記所定の温度と、ボルツマン定数とから力の
テンソルが求められる。
に、本発明のシミュレーション方法は、周期的境界条件
下での所定の温度と所定の外部圧力の下において、原子
等のシミュレーション対象要素の集合からなる集合体の
代表的な状態をシミュレーションするシミュレーション
方法であって、集合体の状態と所定の温度とから該集合
体の力のテンソルσを求める工程と、該力のテンソルσ
の任意の対角成分と外部圧力との和が0で、該力のテン
ソルσの任意の非対角成分が0であるという拘束条件の
下で、前記集合体の状態から集合体のエネルギーを求め
ながら、前記集合体の状態を変更することで該集合体の
エネルギーを極小化または最小化する工程と、前記集合
体のエネルギーが極小化または最小化される集合体の状
態を、該集合体の代表的な状態とする工程とを備えるこ
とを特徴とする。ここで、前記集合体の状態が、集合体
に含まれるシミュレーション対象要素の位置と、周期的
境界条件に対応するセルを表す行列とで表され、前記集
合体のエネルギーが、集合体に含まれる全シミュレーシ
ョン対象要素の位置を変数として、予め与えられた位置
エネルギーの関数に基づいて求められたところの、集合
体に含まれる全シミュレーション対象要素の位置エネル
ギーの和であり、前記集合体の状態と所定の温度から集
合体の力のテンソルσを求める工程においては、前記集
合体に含まれる全シミュレーション対象要素の位置を変
数とする前記予め与えられた位置エネルギーの関数の、
あるシミュレーション対象要素の位置による偏微分導関
数と、集合体に含まれる全シミュレーション対象要素の
位置と、前記所定の温度と、ボルツマン定数とから力の
テンソルが求められる。
【0014】叉、本発明のシミュレーション装置は、周
期的境界条件下の所定の温度と所定の外部圧力の下の原
子等のシミュレーション対象要素の集合からなる集合体
の代表的な状態を与えるシミュレーション装置であっ
て、集合体の状態から集合体のエネルギーを求める手段
と、集合体の状態と所定の温度から集合体の力のテンソ
ルσを求める手段と、力のテンソルσの任意の対角成分
と外部圧力との和が0で、力のテンソルσの任意の非対
角成分が0であるという拘束条件の下で、前記集合体の
エネルギーを集合体の状態を変更することで極小化また
は最小化する手段と、前記集合体のエネルギーが極小化
または最小化される集合体の状態を、該集合体の代表的
な状態として出力する手段とを備えるからなることを特
徴とする。ここで、前記集合体の状態が、集合体に含ま
れるシミュレーション対象要素の位置と、周期的境界条
件に対応するセルを表す行列とで表され、前記集合体の
エネルギーが、集合体に含まれる全シミュレーション対
象要素の位置を変数として、予め与えられた位置エネル
ギーの関数に基づいて求められたところの、集合体に含
まれる全シミュレーション対象要素の位置エネルギーの
和であり、前記集合体の状態と所定の温度から集合体の
力のテンソルσを求める手段は、前記集合体に含まれる
全シミュレーション対象要素の位置を変数とする前記予
め与えられた位置エネルギーの関数の、あるシミュレー
ション対象要素の位置による偏微分導関数と、集合体に
含まれる全シミュレーション対象要素の位置と、前記所
定の温度と、ボルツマン定数とから力のテンソルを求め
る。
期的境界条件下の所定の温度と所定の外部圧力の下の原
子等のシミュレーション対象要素の集合からなる集合体
の代表的な状態を与えるシミュレーション装置であっ
て、集合体の状態から集合体のエネルギーを求める手段
と、集合体の状態と所定の温度から集合体の力のテンソ
ルσを求める手段と、力のテンソルσの任意の対角成分
と外部圧力との和が0で、力のテンソルσの任意の非対
角成分が0であるという拘束条件の下で、前記集合体の
エネルギーを集合体の状態を変更することで極小化また
は最小化する手段と、前記集合体のエネルギーが極小化
または最小化される集合体の状態を、該集合体の代表的
な状態として出力する手段とを備えるからなることを特
徴とする。ここで、前記集合体の状態が、集合体に含ま
れるシミュレーション対象要素の位置と、周期的境界条
件に対応するセルを表す行列とで表され、前記集合体の
エネルギーが、集合体に含まれる全シミュレーション対
象要素の位置を変数として、予め与えられた位置エネル
ギーの関数に基づいて求められたところの、集合体に含
まれる全シミュレーション対象要素の位置エネルギーの
和であり、前記集合体の状態と所定の温度から集合体の
力のテンソルσを求める手段は、前記集合体に含まれる
全シミュレーション対象要素の位置を変数とする前記予
め与えられた位置エネルギーの関数の、あるシミュレー
ション対象要素の位置による偏微分導関数と、集合体に
含まれる全シミュレーション対象要素の位置と、前記所
定の温度と、ボルツマン定数とから力のテンソルを求め
る。
【0015】叉、本発明の記憶媒体は、周期的境界条件
下での所定の温度と所定の外部圧力の下において、原子
等のシミュレーション対象要素の集合からなる集合体の
代表的な状態をシミュレーションするプログラムをコン
ピュータ読み出し可能に格納する記憶媒体であって、前
記プログラムが、少なくとも、集合体の状態と所定の温
度とから該集合体の力のテンソルσを求めるモジュール
と、該力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との
和が0で、該力のテンソルσの任意の非対角成分が0で
あるという拘束条件の下で、前記集合体の状態から集合
体のエネルギーを求めながら、前記集合体の状態を変更
することで該集合体のエネルギーを極小化または最小化
するモジュールとを含むことを特徴とする。ここで、前
記集合体のエネルギーが極小化または最小化される集合
体の状態を、該集合体の代表的な状態として出力するモ
ジュールを更に含む。また、前記集合体の状態の初期値
としての、集合体に含まれるシミュレーション対象要素
の所定の位置と、周期的境界条件に対応するセルを表す
所定の行列と、集合体に含まれる全シミュレーション対
象要素の位置を変数として、集合体に含まれる全シミュ
レーション対象要素の位置エネルギーを求めるための、
位置エネルギーの関数とを、更に記憶する。
下での所定の温度と所定の外部圧力の下において、原子
等のシミュレーション対象要素の集合からなる集合体の
代表的な状態をシミュレーションするプログラムをコン
ピュータ読み出し可能に格納する記憶媒体であって、前
記プログラムが、少なくとも、集合体の状態と所定の温
度とから該集合体の力のテンソルσを求めるモジュール
と、該力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との
和が0で、該力のテンソルσの任意の非対角成分が0で
あるという拘束条件の下で、前記集合体の状態から集合
体のエネルギーを求めながら、前記集合体の状態を変更
することで該集合体のエネルギーを極小化または最小化
するモジュールとを含むことを特徴とする。ここで、前
記集合体のエネルギーが極小化または最小化される集合
体の状態を、該集合体の代表的な状態として出力するモ
ジュールを更に含む。また、前記集合体の状態の初期値
としての、集合体に含まれるシミュレーション対象要素
の所定の位置と、周期的境界条件に対応するセルを表す
所定の行列と、集合体に含まれる全シミュレーション対
象要素の位置を変数として、集合体に含まれる全シミュ
レーション対象要素の位置エネルギーを求めるための、
位置エネルギーの関数とを、更に記憶する。
【0016】
【発明の実施の形態】<本発明の概念>まず、本発明の
根幹となる考え方を説明する。
根幹となる考え方を説明する。
【0017】有限温度では、結晶中の原子が平衡位置の
まわりで微少振動していると考えられるが、原子の集合
体の性質を予測する場合には、結晶中の原子は平衡位置
にあると近似してもかまわない。すなわち、原子が平衡
位置にいるときの状態から予測した原子の集合体の性質
は、実際の原子の集合体の性質を良く近似していると思
われる。ところで、実際の系では、有限温度での原子集
合体の状態は、平衡状態であっても時間変化をしてい
る。そして、原子集合体の状態の現れる確率はある関数
で表される。この関数の値が最大である状態が原子が平
衡位置にいる状態であると考えられ、この状態を求める
方法を以下のようにして見付けた。
まわりで微少振動していると考えられるが、原子の集合
体の性質を予測する場合には、結晶中の原子は平衡位置
にあると近似してもかまわない。すなわち、原子が平衡
位置にいるときの状態から予測した原子の集合体の性質
は、実際の原子の集合体の性質を良く近似していると思
われる。ところで、実際の系では、有限温度での原子集
合体の状態は、平衡状態であっても時間変化をしてい
る。そして、原子集合体の状態の現れる確率はある関数
で表される。この関数の値が最大である状態が原子が平
衡位置にいる状態であると考えられ、この状態を求める
方法を以下のようにして見付けた。
【0018】ここでは、温度T、外部圧力Pexのもとで
のn個の原子からなる原子集合体を例に取る。但し、原
子に働く力は、位置エネルギーから導かれるものとす
る。
のn個の原子からなる原子集合体を例に取る。但し、原
子に働く力は、位置エネルギーから導かれるものとす
る。
【0019】まず、HamiltonianHを定義する。
【0020】原子集合体に含まれるi番目の原子の位置
をv(ri)、以下ベクトルを矢印で表すと共にv
(x)とも記載、とする。但し、原子集合体には周期的
境界条件が課されていて、その基本ベクトルをv
(a),v(b),v(c)とする(即ち、v(r)に
原子がいる時には、g,j,lを任意の整数としてv
(r)+gv(a)+jv(b)+lv(c)に必ず同
じ原子がいる)ものとする。この時、境界条件に対応す
るセル(基本セル)を表す行列をh=(v(a),v
(b),v(c))とする。そして、
をv(ri)、以下ベクトルを矢印で表すと共にv
(x)とも記載、とする。但し、原子集合体には周期的
境界条件が課されていて、その基本ベクトルをv
(a),v(b),v(c)とする(即ち、v(r)に
原子がいる時には、g,j,lを任意の整数としてv
(r)+gv(a)+jv(b)+lv(c)に必ず同
じ原子がいる)ものとする。この時、境界条件に対応す
るセル(基本セル)を表す行列をh=(v(a),v
(b),v(c))とする。そして、
【0021】
【数1】
【0022】となるような相対座標v(si)を導入す
る。この場合、この原子集合体の状態は、{h,dh/
dt,v(si),dv(si)/dt}の組で表され
る。
る。この場合、この原子集合体の状態は、{h,dh/
dt,v(si),dv(si)/dt}の組で表され
る。
【0023】原子集合体が状態{h,dh/dt,v
(si),dv(si)/dt}である確率は、
(si),dv(si)/dt}である確率は、
【0024】
【数2】
【0025】但し、kはボルツマン定数である。この確
率が極大化する状態の条件を求める。この確率をhの各
成分で微分すると、極大であるので0になるはずであ
る。
率が極大化する状態の条件を求める。この確率をhの各
成分で微分すると、極大であるので0になるはずであ
る。
【0026】
【数3】
【0027】従って、
【0028】
【数4】
【0029】HamiltonianHの定義から、Lagrangianを
Lとすれば、
Lとすれば、
【0030】
【数5】
【0031】ここで、以下LagrangianLの具体的な表式
を導く。原子集合体の運動エネルギーKpは、質量がmi
の場合に、
を導く。原子集合体の運動エネルギーKpは、質量がmi
の場合に、
【0032】
【数6】
【0033】である。一方、原子集合体の位置エネルギ
ーUpは、
ーUpは、
【0034】
【数7】
【0035】であるとし、セルの位置エネルギーUc
は、
は、
【0036】
【数8】
【0037】であるとする(なお、セルの運動エネルギ
ーを定義しても、結果に影響しないので、セルの運動エ
ネルギーは省略する)。ここで、Detは行列式を表
す。従って、LagrangianLは、
ーを定義しても、結果に影響しないので、セルの運動エ
ネルギーは省略する)。ここで、Detは行列式を表
す。従って、LagrangianLは、
【0038】
【数9】
【0039】となり、(9)式を(5)式に代入して計
算すると、
算すると、
【0040】
【数10】
【0041】但し、Iは3×3の単位行列、V=Det
(h)、
(h)、
【0042】
【数11】
【0043】
【数12】
【0044】
【数13】
【0045】ところで、統計力学に依れば、
【0046】
【数14】
【0047】但し、<a>はaの時間平均を表す。そこ
で、(11)式の右辺の
で、(11)式の右辺の
【0048】
【数15】
【0049】をkTIpqに置き換えたテンソルσを定義
する。即ち、
する。即ち、
【0050】
【数16】
【0051】このテンソルσは圧力の次元を持つので、
力のテンソルと名付ける。このテンソルσは従来応力の
テンソルとして知られてきたものである。そして、(1
0)式の上線付きσをσで置き換える。即ち、
力のテンソルと名付ける。このテンソルσは従来応力の
テンソルとして知られてきたものである。そして、(1
0)式の上線付きσをσで置き換える。即ち、
【0052】
【数17】
【0053】つまり、確率が最大となる状態を求める問
題は、(16)式で定義される力のテンソルσの対角項
と外部圧力との和が0で、非対角項が0であるという拘
束条件の下で、位置エネルギー(Up+Uc)が最小の
状態を求める問題に変換された。
題は、(16)式で定義される力のテンソルσの対角項
と外部圧力との和が0で、非対角項が0であるという拘
束条件の下で、位置エネルギー(Up+Uc)が最小の
状態を求める問題に変換された。
【0054】以下の実施の形態では、この力のテンソル
σの対角項と外部圧力との和が0で、非対角項が0であ
るという拘束条件の下で、位置エネルギーを最小にする
問題を解く方法及び装置の一例を説明する。
σの対角項と外部圧力との和が0で、非対角項が0であ
るという拘束条件の下で、位置エネルギーを最小にする
問題を解く方法及び装置の一例を説明する。
【0055】尚、本発明によって得られる状態は、最も
実現する確率の高い状態であるので、この状態をモンテ
カルロ法や分子動力学法の初期状態とすれば、最も確率
の高い状態から始めることができるため、シミュレーシ
ョンにかかる時間を短縮できる結果となる。
実現する確率の高い状態であるので、この状態をモンテ
カルロ法や分子動力学法の初期状態とすれば、最も確率
の高い状態から始めることができるため、シミュレーシ
ョンにかかる時間を短縮できる結果となる。
【0056】<本実施の形態のシミュレーション装置の
例>以下、図面を参照して本発明の一実施の形態に係る
シミュレーション装置について説明する。
例>以下、図面を参照して本発明の一実施の形態に係る
シミュレーション装置について説明する。
【0057】(本シミュレーション装置の構成例)図1
は、本発明の実施の形態のシミュレーション装置の構成
例を示すブロック図である。
は、本発明の実施の形態のシミュレーション装置の構成
例を示すブロック図である。
【0058】本装置は、本発明のシミュレーション方法
により、周期的境界条件での、温度T、外部圧力Pexの
もとでの原子の集合体の状態をシミュレーションするも
のであり、分子動力学シミュレーション処理は、図1に
示すように、計算条件パラメータ(DA)15と初期条
件パラメータ16(DB)とに基づいて、制御部11の
下に、エネルギー計算部(PA)12、力のテンソル計
算部(PB)13、エネルギー最小化部(PC)14を
通じて、解析結果データ(DC)17を求めることで実
施される。但し、原子に働く力は、位置エネルギーから
導かれるものとする。
により、周期的境界条件での、温度T、外部圧力Pexの
もとでの原子の集合体の状態をシミュレーションするも
のであり、分子動力学シミュレーション処理は、図1に
示すように、計算条件パラメータ(DA)15と初期条
件パラメータ16(DB)とに基づいて、制御部11の
下に、エネルギー計算部(PA)12、力のテンソル計
算部(PB)13、エネルギー最小化部(PC)14を
通じて、解析結果データ(DC)17を求めることで実
施される。但し、原子に働く力は、位置エネルギーから
導かれるものとする。
【0059】制御部11は、各計算部を制御する。エネ
ルギー計算部12は、原子の位置エネルギーの和を計算
する。力のテンソル計算部13は、(16)式によって
力のテンソルを計算する。エネルギー最小化部14は、
力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との和が0
で、力のテンソルσの任意の非対角成分が0であるとい
う拘束条件の下で、集合体のエネルギーを集合体の状態
を変更することで極小化または最小化する。本例の場合
は、全原子の位置が集合体の状態である。
ルギー計算部12は、原子の位置エネルギーの和を計算
する。力のテンソル計算部13は、(16)式によって
力のテンソルを計算する。エネルギー最小化部14は、
力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との和が0
で、力のテンソルσの任意の非対角成分が0であるとい
う拘束条件の下で、集合体のエネルギーを集合体の状態
を変更することで極小化または最小化する。本例の場合
は、全原子の位置が集合体の状態である。
【0060】図2は、本実施の形態のシミュレーション
方法を処理するためのシミュレーション装置のハードウ
エア構成例を示す図である。
方法を処理するためのシミュレーション装置のハードウ
エア構成例を示す図である。
【0061】本装置は、例えば汎用コンピュータにて構
成されてもよく、CPU22とRAM23から構成され
るコンピュータ本体21と、表示装置であるCRT2
4、入力装置であるキーボード25、マウス26、フロ
ッピーディスクやCD−ROMなどの外部記憶装置2
7、出力装置であるプリンタ28等のIOデバイスとが
バス29で接続されて、構成されている。
成されてもよく、CPU22とRAM23から構成され
るコンピュータ本体21と、表示装置であるCRT2
4、入力装置であるキーボード25、マウス26、フロ
ッピーディスクやCD−ROMなどの外部記憶装置2
7、出力装置であるプリンタ28等のIOデバイスとが
バス29で接続されて、構成されている。
【0062】CPU22は、本装置全体の制御を行うも
のであり、キーボード25及びマウス26の入力指示に
従ってRAM23をアクセスし、RAM23に格納され
た制御プログラムの起動でシミュレーション処理を実行
する。RAM23には、CPU22の処理中に使用され
る一時記憶部の外に、外部記憶装置27からインストー
ルされる各種制御プログラム(PA〜PC)を格納する
ためのプログラムロード領域231、同じく外部記憶装
置27からインストールされる各種パラメータ(DA,
DB)を格納するためのパラメータロード領域232、
解析結果(DC)を記憶するが解析結果記憶領域233
とが設けられている。尚、RAM23はハードディスク
を含んでもよく、また、本装置を専用機として構成する
場合には、RAM23の他に固定の制御プログラムやパ
ラメータを格納するROMを設けてもよい。
のであり、キーボード25及びマウス26の入力指示に
従ってRAM23をアクセスし、RAM23に格納され
た制御プログラムの起動でシミュレーション処理を実行
する。RAM23には、CPU22の処理中に使用され
る一時記憶部の外に、外部記憶装置27からインストー
ルされる各種制御プログラム(PA〜PC)を格納する
ためのプログラムロード領域231、同じく外部記憶装
置27からインストールされる各種パラメータ(DA,
DB)を格納するためのパラメータロード領域232、
解析結果(DC)を記憶するが解析結果記憶領域233
とが設けられている。尚、RAM23はハードディスク
を含んでもよく、また、本装置を専用機として構成する
場合には、RAM23の他に固定の制御プログラムやパ
ラメータを格納するROMを設けてもよい。
【0063】キーボード25及びマウス26はデータの
入力や指示を行うためのものである。CRT24はデー
タを表示するためのものであり、ここでは、シミュレー
ション結果を表示する際などに用いられる。プリンタ2
8はデータを印刷するためのものであり、ここではシミ
ュレーション結果を印刷出力する際に用いられる。
入力や指示を行うためのものである。CRT24はデー
タを表示するためのものであり、ここでは、シミュレー
ション結果を表示する際などに用いられる。プリンタ2
8はデータを印刷するためのものであり、ここではシミ
ュレーション結果を印刷出力する際に用いられる。
【0064】外部記憶装置27は本装置におけるシミュ
レーション処理に必要な各種データを保存しておく際に
用いられる。この場合の保存データとしては、各種制御
プログラム(エネルギー計算プログラムPA、力のテン
ソル計算プログラムPB、エネルギー最小化部PC)の
他、計算条件パラメータDA、初期条件パラメータD
B、さらに解析結果データDCがある。これらのデータ
はシミュレーション時に外部記憶装置27からRAM2
3にロードされる。
レーション処理に必要な各種データを保存しておく際に
用いられる。この場合の保存データとしては、各種制御
プログラム(エネルギー計算プログラムPA、力のテン
ソル計算プログラムPB、エネルギー最小化部PC)の
他、計算条件パラメータDA、初期条件パラメータD
B、さらに解析結果データDCがある。これらのデータ
はシミュレーション時に外部記憶装置27からRAM2
3にロードされる。
【0065】(本シミュレーション装置の動作例)次
に、本実施の形態のシミュレーション装置の動作例を説
明する。図3は本実施の形態のシミュレーション処理の
動作例を示すフローチャートである。
に、本実施の形態のシミュレーション装置の動作例を説
明する。図3は本実施の形態のシミュレーション処理の
動作例を示すフローチャートである。
【0066】原子集合体の状態をシミュレーションする
場合、まず、シミュレーションを行う外部圧力Pexや
温度Tや収束パラメータ、原子の位置エネルギーの関数
Up等の計算条件パラメータ(DA)を入力するととも
に(ステップS1)、原子の相対座標位置v(si)、
セルを表す行列h、等の初期条件パラメータ(DB)を
入力する(ステップS2)。なお、これらの条件パラメ
ータの入力は、図2に示すキーボード25及びマウス2
6を通じて行う方法と、予め外部記憶装置27にこれら
のパラメータを記憶させておき、その外部記憶装置27
から適宜読み出して入力する方法がある。
場合、まず、シミュレーションを行う外部圧力Pexや
温度Tや収束パラメータ、原子の位置エネルギーの関数
Up等の計算条件パラメータ(DA)を入力するととも
に(ステップS1)、原子の相対座標位置v(si)、
セルを表す行列h、等の初期条件パラメータ(DB)を
入力する(ステップS2)。なお、これらの条件パラメ
ータの入力は、図2に示すキーボード25及びマウス2
6を通じて行う方法と、予め外部記憶装置27にこれら
のパラメータを記憶させておき、その外部記憶装置27
から適宜読み出して入力する方法がある。
【0067】このようにして入力された条件パラメータ
はRAM23に記憶され、CPU22により使用され
る。CPU22は、RAM23にインストールされた各
種プログラム(PA〜PC)に従って、以下のようなシ
ミュレーション処理を実行する。なお、このシミュレー
ション処理の動作については、図1を参照して説明す
る。
はRAM23に記憶され、CPU22により使用され
る。CPU22は、RAM23にインストールされた各
種プログラム(PA〜PC)に従って、以下のようなシ
ミュレーション処理を実行する。なお、このシミュレー
ション処理の動作については、図1を参照して説明す
る。
【0068】制御部11は、各計算部(12〜14)を
通じてシミュレーション処理に必要な計算を順次行い、
その計算結果に基づいて、初期条件として与えられてい
る原子の相対座標v(si)、セルを表す行列hを更新
していく。
通じてシミュレーション処理に必要な計算を順次行い、
その計算結果に基づいて、初期条件として与えられてい
る原子の相対座標v(si)、セルを表す行列hを更新
していく。
【0069】この場合、制御部11は、まずエネルギー
計算部12によって、原子の位置v(ri)=hv(s
i)と原子の位置エネルギーUpの関数((7)式)か
ら、原子集合体の位置エネルギーを計算する(ステップ
S3)。次に、制御部11は、力のテンソル計算部13
によって力のテンソルを算出する(ステップS4)。本
実施の形態では、(16)式に従って力のテンソルσを
算出する。
計算部12によって、原子の位置v(ri)=hv(s
i)と原子の位置エネルギーUpの関数((7)式)か
ら、原子集合体の位置エネルギーを計算する(ステップ
S3)。次に、制御部11は、力のテンソル計算部13
によって力のテンソルを算出する(ステップS4)。本
実施の形態では、(16)式に従って力のテンソルσを
算出する。
【0070】次に、制御部11は、エネルギー最小化部
14によって、ジェネティックアルゴリズムや、Fletch
er-Powell法などの適切な最適化法を用いて、力のテン
ソルσの任意の対角成分と外部圧力Pexとの和が0
で、力のテンソルσの任意の非対角成分が0であるとい
う拘束条件の下で、原子の相対座標v(si)とセルを
表す行列hとを変更することで、集合体のエネルギーU
pを極小化または最小化する(ステップS5)。
14によって、ジェネティックアルゴリズムや、Fletch
er-Powell法などの適切な最適化法を用いて、力のテン
ソルσの任意の対角成分と外部圧力Pexとの和が0
で、力のテンソルσの任意の非対角成分が0であるとい
う拘束条件の下で、原子の相対座標v(si)とセルを
表す行列hとを変更することで、集合体のエネルギーU
pを極小化または最小化する(ステップS5)。
【0071】以後、上記同様の処理を終了条件を満足す
るまで、繰り返して行う(ステップS6)。上記終了条
件とは、例えばシミュレーションの回数あるいは拘束条
件及びエネルギーの収束条件などであり、予め計算条件
として与えられている。
るまで、繰り返して行う(ステップS6)。上記終了条
件とは、例えばシミュレーションの回数あるいは拘束条
件及びエネルギーの収束条件などであり、予め計算条件
として与えられている。
【0072】次に、制御部11は、上記各計算によって
得られた原子の相対位置v(si)とセルを表す行列h
などの出力処理を行う(ステップS7)。
得られた原子の相対位置v(si)とセルを表す行列h
などの出力処理を行う(ステップS7)。
【0073】このようにして、温度と圧力とが有限のも
とでの原子集合体の最も出現確率の高い状態がシミュレ
ーションされる。そのシミュレーション結果は、図2に
示すCRT24を通じて表示される。また、必要に応じ
て、そのシミュレーション結果をプリンタ28により印
刷したり、あるいは外部記憶装置27に保存することも
できる。シミュレーション結果を外部記憶装置27に保
存した場合、いつでも読み出して表示あるいは印刷する
ことができ、さらに、そのシミュレーション結果から引
き続きシミュレーション処理を継続して行うこともでき
る。
とでの原子集合体の最も出現確率の高い状態がシミュレ
ーションされる。そのシミュレーション結果は、図2に
示すCRT24を通じて表示される。また、必要に応じ
て、そのシミュレーション結果をプリンタ28により印
刷したり、あるいは外部記憶装置27に保存することも
できる。シミュレーション結果を外部記憶装置27に保
存した場合、いつでも読み出して表示あるいは印刷する
ことができ、さらに、そのシミュレーション結果から引
き続きシミュレーション処理を継続して行うこともでき
る。
【0074】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置に適用してもよい。
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置に適用してもよい。
【0075】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによって、達成される。この場合、
記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述し
た実施形態の機能を実現することになり、そのプログラ
ムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することに
なる。
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによって、達成される。この場合、
記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述し
た実施形態の機能を実現することになり、そのプログラ
ムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することに
なる。
【0076】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0077】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0078】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0079】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードを格納することになるが、簡単に説
明すると、図2のRAM23のプログラムロード領域2
31のメモリマップ例に示す各モジュールを、ディレク
トリに従って記憶媒体に格納することになる。すなわ
ち、少なくともエネルギー計算モジュール、力のテンソ
ル計算モジュール、およびエネルギー最小化モジュール
の各モジュールのプログラムコードを記憶媒体に格納す
ればよい。
の記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードを格納することになるが、簡単に説
明すると、図2のRAM23のプログラムロード領域2
31のメモリマップ例に示す各モジュールを、ディレク
トリに従って記憶媒体に格納することになる。すなわ
ち、少なくともエネルギー計算モジュール、力のテンソ
ル計算モジュール、およびエネルギー最小化モジュール
の各モジュールのプログラムコードを記憶媒体に格納す
ればよい。
【0080】
【発明の効果】本発明のシミュレーション方法及び装置
を採用すれば、有限温度及び/又は有限圧力下の結晶に
おける原子の平衡位置を知ることができる。従来のシミ
ュレーション方法では、有限温度、有限圧力の結晶の状
態を複数算出するが、本発明では単一の状態を算出する
ので、従来のシミュレーション方法に比して精度を落す
ことなく、計算時間を短縮することができる。また、従
来のシミュレーション方法ではシミュレーションを行う
セルを、結晶の基本格子の複数倍にする必要があるが、
本発明のシミュレーション方法及び装置ではセルを結晶
の基本格子に一致させても精度が落ちないので、従来の
シミュレーション方法に比して精度を落すことなく計算
時間を短縮することができる。
を採用すれば、有限温度及び/又は有限圧力下の結晶に
おける原子の平衡位置を知ることができる。従来のシミ
ュレーション方法では、有限温度、有限圧力の結晶の状
態を複数算出するが、本発明では単一の状態を算出する
ので、従来のシミュレーション方法に比して精度を落す
ことなく、計算時間を短縮することができる。また、従
来のシミュレーション方法ではシミュレーションを行う
セルを、結晶の基本格子の複数倍にする必要があるが、
本発明のシミュレーション方法及び装置ではセルを結晶
の基本格子に一致させても精度が落ちないので、従来の
シミュレーション方法に比して精度を落すことなく計算
時間を短縮することができる。
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係るシミュレーション装
置の構成例を示す図である。
置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシミュレーション装
置のハードウエア構成例を示す図である。
置のハードウエア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシミュレーション処
理の動作例を示すフローチャートである。
理の動作例を示すフローチャートである。
Claims (7)
- 【請求項1】 周期的境界条件下での所定の温度と所定
の外部圧力の下において、原子等のシミュレーション対
象要素の集合からなる集合体の代表的な状態をシミュレ
ーションするシミュレーション方法であって、 集合体の状態と所定の温度とから該集合体の力のテンソ
ルσを求める工程と、 該力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との和が
0で、該力のテンソルσの任意の非対角成分が0である
という拘束条件の下で、前記集合体の状態から集合体の
エネルギーを求めながら、前記集合体の状態を変更する
ことで該集合体のエネルギーを極小化または最小化する
工程と、 前記集合体のエネルギーが極小化または最小化される集
合体の状態を、該集合体の代表的な状態とする工程とを
備えることを特徴とするシミュレーション方法。 - 【請求項2】 前記集合体の状態が、集合体に含まれる
シミュレーション対象要素の位置と、周期的境界条件に
対応するセルを表す行列とで表され、 前記集合体のエネルギーが、集合体に含まれる全シミュ
レーション対象要素の位置を変数として、予め与えられ
た位置エネルギーの関数に基づいて求められたところ
の、集合体に含まれる全シミュレーション対象要素の位
置エネルギーの和であり、 前記集合体の状態と所定の温度から集合体の力のテンソ
ルσを求める工程においては、前記集合体に含まれる全
シミュレーション対象要素の位置を変数とする前記予め
与えられた位置エネルギーの関数の、あるシミュレーシ
ョン対象要素の位置による偏微分導関数と、集合体に含
まれる全シミュレーション対象要素の位置と、前記所定
の温度と、ボルツマン定数とから力のテンソルが求めら
れることを特徴とする請求項1記載のシミュレーション
方法。 - 【請求項3】 周期的境界条件下の所定の温度と所定の
外部圧力の下の原子等のシミュレーション対象要素の集
合からなる集合体の代表的な状態を与えるシミュレーシ
ョン装置であって、 集合体の状態から集合体のエネルギーを求める手段と、 集合体の状態と所定の温度から集合体の力のテンソルσ
を求める手段と、 力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との和が0
で、力のテンソルσの任意の非対角成分が0であるとい
う拘束条件の下で、前記集合体のエネルギーを集合体の
状態を変更することで極小化または最小化する手段と、 前記集合体のエネルギーが極小化または最小化される集
合体の状態を、該集合体の代表的な状態として出力する
手段とを備えるからなることを特徴とするシミュレーシ
ョン装置。 - 【請求項4】 前記集合体の状態が、集合体に含まれる
シミュレーション対象要素の位置と、周期的境界条件に
対応するセルを表す行列とで表され、 前記集合体のエネルギーが、集合体に含まれる全シミュ
レーション対象要素の位置を変数として、予め与えられ
た位置エネルギーの関数に基づいて求められたところ
の、集合体に含まれる全シミュレーション対象要素の位
置エネルギーの和であり、 前記集合体の状態と所定の温度から集合体の力のテンソ
ルσを求める手段は、前記集合体に含まれる全シミュレ
ーション対象要素の位置を変数とする前記予め与えられ
た位置エネルギーの関数の、あるシミュレーション対象
要素の位置による偏微分導関数と、集合体に含まれる全
シミュレーション対象要素の位置と、前記所定の温度
と、ボルツマン定数とから力のテンソルを求めることを
特徴とする請求項3記載のシミュレーション装置。 - 【請求項5】 周期的境界条件下での所定の温度と所定
の外部圧力の下において、原子等のシミュレーション対
象要素の集合からなる集合体の代表的な状態をシミュレ
ーションするプログラムをコンピュータ読み出し可能に
格納する記憶媒体であって、 前記プログラムが、少なくとも、 集合体の状態と所定の温度とから該集合体の力のテンソ
ルσを求めるモジュールと、 該力のテンソルσの任意の対角成分と外部圧力との和が
0で、該力のテンソルσの任意の非対角成分が0である
という拘束条件の下で、前記集合体の状態から集合体の
エネルギーを求めながら、前記集合体の状態を変更する
ことで該集合体のエネルギーを極小化または最小化する
モジュールとを含むことを特徴とする記憶媒体。 - 【請求項6】 前記集合体のエネルギーが極小化または
最小化される集合体の状態を、該集合体の代表的な状態
として出力するモジュールを更に含むことを特徴とする
請求項5記載の記憶媒体。 - 【請求項7】 前記集合体の状態の初期値としての、集
合体に含まれるシミュレーション対象要素の所定の位置
と、周期的境界条件に対応するセルを表す所定の行列
と、 集合体に含まれる全シミュレーション対象要素の位置を
変数として、集合体に含まれる全シミュレーション対象
要素の位置エネルギーを求めるための、位置エネルギー
の関数とを、更に記憶することを特徴とする請求項5記
載の記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37223498A JP2000194686A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | シミュレ―ション方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37223498A JP2000194686A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | シミュレ―ション方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000194686A true JP2000194686A (ja) | 2000-07-14 |
Family
ID=18500093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37223498A Withdrawn JP2000194686A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | シミュレ―ション方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000194686A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005529158A (ja) * | 2002-05-28 | 2005-09-29 | ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルベニア | 両親媒性ポリマーのコンピュータ分析および設計のための方法、システムおよびコンピュータプログラム製品 |
-
1998
- 1998-12-28 JP JP37223498A patent/JP2000194686A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005529158A (ja) * | 2002-05-28 | 2005-09-29 | ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルベニア | 両親媒性ポリマーのコンピュータ分析および設計のための方法、システムおよびコンピュータプログラム製品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101959376B1 (ko) | 멀티 코어 최적화된 순환 신경망을 위한 시스템 및 방법 | |
KR100974992B1 (ko) | 컴퓨터 변형 분석기 | |
Yudanov et al. | GPU-based simulation of spiking neural networks with real-time performance & high accuracy | |
JP7295431B2 (ja) | 学習プログラム、学習方法および学習装置 | |
JP7267966B2 (ja) | 情報処理装置及び情報処理方法 | |
WO2019199307A1 (en) | Second-order optimization methods for avoiding saddle points during the training of deep neural networks | |
US7444312B2 (en) | Method and arrangement for designing a technical system | |
EP3137993B1 (en) | Combining compute tasks for a graphics processing unit | |
Omelchenko et al. | Self-adaptive time integration of flux-conservative equations with sources | |
Khan et al. | Subdomain generation for parallel finite element analysis | |
Tao et al. | A fast numerical solver for local barycentric coordinates | |
Jooya et al. | Multiobjective GPU design space exploration optimization | |
JP2013235512A (ja) | 数理計画問題を解くための装置、プログラムおよび方法 | |
JP2000194686A (ja) | シミュレ―ション方法及びその装置 | |
KR102561799B1 (ko) | 디바이스에서 딥러닝 모델의 레이턴시를 예측하는 방법 및 시스템 | |
US7065477B2 (en) | Device and method for generating an arrangement of a set of particles | |
JP2002149717A (ja) | 構造最適化方法および構造最適化プログラム記録媒体 | |
Amir et al. | Free form shape optimization of three dimensional beams using cross section analysis | |
JP4311741B2 (ja) | 情報処理装置、情報処理方法 | |
JP2023003177A (ja) | 推論プログラム、推論方法および情報処理装置 | |
Hong et al. | Outsmarting the atmospheric turbulence for ground-based telescopes using the stochastic levenberg-marquardt method | |
JP2021135683A (ja) | 学習装置、推論装置、学習方法及び推論方法 | |
WO2020149919A1 (en) | Inertial damping for enhanced simulation of elastic bodies | |
JPH11203330A (ja) | 形状変形モード生成システムと形状最適化解析システムおよびそれに用いるプログラムを記録した記録媒体 | |
Rauber et al. | On the energy consumption and accuracy of multithreaded embedded Runge-Kutta methods |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |