JP2000193001A - コンクリ―ト製皿ばね及びこれを用いた免振支承構造 - Google Patents
コンクリ―ト製皿ばね及びこれを用いた免振支承構造Info
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- JP2000193001A JP2000193001A JP10370998A JP37099898A JP2000193001A JP 2000193001 A JP2000193001 A JP 2000193001A JP 10370998 A JP10370998 A JP 10370998A JP 37099898 A JP37099898 A JP 37099898A JP 2000193001 A JP2000193001 A JP 2000193001A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造物の上下方向免振支承に用いて好適な皿
ばねであって、多数を並列・直列重ねして使用すること
なく、大荷重を支持でき、かつ大振動変位も吸収可能
な、廉価に製作できるコンクリート製皿ばねと、これを
用いた免振支承構造を提供する。 【解決手段】 裁頭円錐状の筒体2をなす皿ばね1の本
体部をコンクリートで形成し、荷重負担時の圧縮荷重に
よって該皿ばねが拡径変形して周方向に引張応力が作用
する部位には、該引張応力を相殺させるための圧縮応力
を予め付与しておく締付部材3aを周方向に沿って一体
化して設けたコンクリート製皿ばね、及び上部構造物1
1と下部構造物13の間に前記コンクリート製皿ばねを
支承体として介装した上下方向免振支承構造。
ばねであって、多数を並列・直列重ねして使用すること
なく、大荷重を支持でき、かつ大振動変位も吸収可能
な、廉価に製作できるコンクリート製皿ばねと、これを
用いた免振支承構造を提供する。 【解決手段】 裁頭円錐状の筒体2をなす皿ばね1の本
体部をコンクリートで形成し、荷重負担時の圧縮荷重に
よって該皿ばねが拡径変形して周方向に引張応力が作用
する部位には、該引張応力を相殺させるための圧縮応力
を予め付与しておく締付部材3aを周方向に沿って一体
化して設けたコンクリート製皿ばね、及び上部構造物1
1と下部構造物13の間に前記コンクリート製皿ばねを
支承体として介装した上下方向免振支承構造。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力格納容器等
の大型構造物の免振支承構造に用いて好適なコンクリー
ト製皿ばね及びその免振支承構造に関する。
の大型構造物の免振支承構造に用いて好適なコンクリー
ト製皿ばね及びその免振支承構造に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の3次元免振装置として、本出願
人は既に次のようなものを出願している(特願平9−1
88448号)。即ち、免振対象物である上部構造物と
その下方の下部構造物との間に皿ばねを介在させる。こ
の皿ばねは、ばね変形量に対して弾発力の変動が小さく
なる非線形ばね特性領域で免振対象物を下部構造物上に
上下方向に相対変位可能に弾性支持するように設定す
る。また、この皿ばねと上記下部構造物若しくは上記免
振対象物の少なくともいずれか一方との間に、これら免
振対象物と下部構造物との水平方向への相対移動を許容
する移動機構を設けるとともにこの移動機構により許容
した水平方向変位を弾発力によって基準位置に復帰させ
るように拘束する弾性部材を設ける。この3次元免振装
置によれば、皿ばねの弾性変形量に対する弾発力変動幅
が小さい非線形ばね特性領域で免振対象の上部構造物を
下部構造物上に弾性支持するようにしているので、特に
上下振動周期の可及的な長周期化が図れ、地震の上下振
動に対して構造物を効果的に免振することができる。
人は既に次のようなものを出願している(特願平9−1
88448号)。即ち、免振対象物である上部構造物と
その下方の下部構造物との間に皿ばねを介在させる。こ
の皿ばねは、ばね変形量に対して弾発力の変動が小さく
なる非線形ばね特性領域で免振対象物を下部構造物上に
上下方向に相対変位可能に弾性支持するように設定す
る。また、この皿ばねと上記下部構造物若しくは上記免
振対象物の少なくともいずれか一方との間に、これら免
振対象物と下部構造物との水平方向への相対移動を許容
する移動機構を設けるとともにこの移動機構により許容
した水平方向変位を弾発力によって基準位置に復帰させ
るように拘束する弾性部材を設ける。この3次元免振装
置によれば、皿ばねの弾性変形量に対する弾発力変動幅
が小さい非線形ばね特性領域で免振対象の上部構造物を
下部構造物上に弾性支持するようにしているので、特に
上下振動周期の可及的な長周期化が図れ、地震の上下振
動に対して構造物を効果的に免振することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、原子力格納
容器等のような大型構造物に前記3次元免振装置を採用
するには、大荷重を支持可能で、かつ大きな振動変位を
吸収し得る皿ばねが必要となるが、従来の鋼製皿ばねで
は、その製造上の制約やコスト等の面から、製作できる
単体の皿ばねとしてはその大きさに限界がある。
容器等のような大型構造物に前記3次元免振装置を採用
するには、大荷重を支持可能で、かつ大きな振動変位を
吸収し得る皿ばねが必要となるが、従来の鋼製皿ばねで
は、その製造上の制約やコスト等の面から、製作できる
単体の皿ばねとしてはその大きさに限界がある。
【0004】このため、多数の小さい皿ばねを組み合わ
せてその大荷重を支え、かつ大きな振動変位を吸収せざ
るを得なくなる。即ち、皿ばねを同じ向きに重ねて並列
重ねすることで大荷重を支持可能にし、また所要枚数を
並列重ねした皿ばね組同士を更に逆向きに直列重ねして
振動変位を大きく吸収可能にする必要が生じる。
せてその大荷重を支え、かつ大きな振動変位を吸収せざ
るを得なくなる。即ち、皿ばねを同じ向きに重ねて並列
重ねすることで大荷重を支持可能にし、また所要枚数を
並列重ねした皿ばね組同士を更に逆向きに直列重ねして
振動変位を大きく吸収可能にする必要が生じる。
【0005】しかしながら、このように小さな皿ばねを
組み合わせるようにすると、免振構造物全体としてはそ
の個数が膨大なものとなる。その結果、莫大な建造費用
がかかるとともに、防錆対策等に代表されるメンテナン
スの手間や費用もかかってしまうという問題がある。
組み合わせるようにすると、免振構造物全体としてはそ
の個数が膨大なものとなる。その結果、莫大な建造費用
がかかるとともに、防錆対策等に代表されるメンテナン
スの手間や費用もかかってしまうという問題がある。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、多数の皿ばねを並列・直列重ねすることなく、単体
でも大荷重を支持可能で、かつ大きな振動変位も吸収可
能な、大型の皿ばねを廉価に製作できるコンクリート製
皿ばね及びその皿ばねを用いた免振支承構造の提供を目
的としている。
で、多数の皿ばねを並列・直列重ねすることなく、単体
でも大荷重を支持可能で、かつ大きな振動変位も吸収可
能な、大型の皿ばねを廉価に製作できるコンクリート製
皿ばね及びその皿ばねを用いた免振支承構造の提供を目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、本発明のうち、請求項1記載のコンク
リート製皿ばねの発明は、コンクリートを裁頭円錐状の
筒体に形成してなる皿ばねであって、圧縮荷重によって
該皿ばねが拡径変形して周方向に引張応力が作用する部
位に、該引張応力を相殺させるための圧縮応力を予め付
与しておく締付部材が周方向に沿って一体化されて設け
られていることを特徴とする。
めの手段として、本発明のうち、請求項1記載のコンク
リート製皿ばねの発明は、コンクリートを裁頭円錐状の
筒体に形成してなる皿ばねであって、圧縮荷重によって
該皿ばねが拡径変形して周方向に引張応力が作用する部
位に、該引張応力を相殺させるための圧縮応力を予め付
与しておく締付部材が周方向に沿って一体化されて設け
られていることを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、皿ばね本体の材料とし
てコンクリートを使用するため成形性に富み、裁頭円錐
状の筒体をなす大型の皿ばねを容易に成形することが可
能となる。また、大荷重を支持した際に、拡径変形して
周方向に引張応力が作用する部位に、圧縮応力を残存さ
せて付与しておく締付部材を周方向に沿って一体化して
設けているので、拡径変形時の引張応力は当該締付部材
による圧縮応力で相殺されることになり、当該部位に破
損を来すのを防止して耐力を向上させることができる。
また、縮径変形して圧縮応力が作用する部位は、コンク
リートが本来有する優れた耐圧縮性により十分に強度を
保ち得、破損を招くことなく大荷重を支持し得る。更
に、皿ばねの大型化により皿ばね高さhを大きくでき、
かつコンクリート自体の弾性係数が小さいことから、大
撓み変形が可能となる。製造にあたっても、通常のコン
クリート製品と同じ製作方法、即ち型枠組によるコンク
リート打設の方法、またはスリップフォーム工法で容易
に製作可能であるため、非常に廉価に提供できる。
てコンクリートを使用するため成形性に富み、裁頭円錐
状の筒体をなす大型の皿ばねを容易に成形することが可
能となる。また、大荷重を支持した際に、拡径変形して
周方向に引張応力が作用する部位に、圧縮応力を残存さ
せて付与しておく締付部材を周方向に沿って一体化して
設けているので、拡径変形時の引張応力は当該締付部材
による圧縮応力で相殺されることになり、当該部位に破
損を来すのを防止して耐力を向上させることができる。
また、縮径変形して圧縮応力が作用する部位は、コンク
リートが本来有する優れた耐圧縮性により十分に強度を
保ち得、破損を招くことなく大荷重を支持し得る。更
に、皿ばねの大型化により皿ばね高さhを大きくでき、
かつコンクリート自体の弾性係数が小さいことから、大
撓み変形が可能となる。製造にあたっても、通常のコン
クリート製品と同じ製作方法、即ち型枠組によるコンク
リート打設の方法、またはスリップフォーム工法で容易
に製作可能であるため、非常に廉価に提供できる。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記締付部材が
前記コンクリート中に配設された鉄筋であることを特徴
とする。
前記コンクリート中に配設された鉄筋であることを特徴
とする。
【0010】上記構成によれば、締付部材が鉄筋である
というハンドリング性の良さから、荷重負担時に拡径変
形して周方向に引張応力が作用する部位に、局所的・選
択的に容易に締付部材を配設でき、コンクリート製皿ば
ねの耐引張荷重特性を効率良く向上できる。
というハンドリング性の良さから、荷重負担時に拡径変
形して周方向に引張応力が作用する部位に、局所的・選
択的に容易に締付部材を配設でき、コンクリート製皿ば
ねの耐引張荷重特性を効率良く向上できる。
【0011】請求項3に記載の発明は、前記締付部材が
前記コンクリートの外周面に一体的に嵌合装着される裁
頭円錐状の鋼管であることを特徴とする。
前記コンクリートの外周面に一体的に嵌合装着される裁
頭円錐状の鋼管であることを特徴とする。
【0012】上記構成によれば、鋼管接触面全面に均一
にプレストレスを与えられるので、荷重負担時に拡径変
形して周方向に引張応力が作用する部位を、全般的に均
等に補強することができ、局所破損が生じるのを可及的
に防止できる。
にプレストレスを与えられるので、荷重負担時に拡径変
形して周方向に引張応力が作用する部位を、全般的に均
等に補強することができ、局所破損が生じるのを可及的
に防止できる。
【0013】請求項4記載の発明は、前記締付部材が前
記コンクリート中に配設された鉄筋と前記コンクリート
の外周面に一体的に嵌合装着される裁頭円錐状の鋼管と
からなることを特徴とする。
記コンクリート中に配設された鉄筋と前記コンクリート
の外周面に一体的に嵌合装着される裁頭円錐状の鋼管と
からなることを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、締付部材に前記鉄筋と
前記鋼管との双方を併用するため、一方のみを用いる場
合よりも大きな圧縮応力を付与することが可能となり、
コンクリート皿ばねの耐引張荷重特性を著く向上でき
る。
前記鋼管との双方を併用するため、一方のみを用いる場
合よりも大きな圧縮応力を付与することが可能となり、
コンクリート皿ばねの耐引張荷重特性を著く向上でき
る。
【0015】請求項5記載の発明は、上部構造物と下部
構造物との間に該両構造物の上下方向の相対変位を吸収
して下部構造物上に上部構造物を弾性支持する支承体を
介在させた免振支承構造において、前記支承体に前記請
求項1〜4のいずれかに記載のコンクリート製皿ばねを
用いたことを特徴とする。
構造物との間に該両構造物の上下方向の相対変位を吸収
して下部構造物上に上部構造物を弾性支持する支承体を
介在させた免振支承構造において、前記支承体に前記請
求項1〜4のいずれかに記載のコンクリート製皿ばねを
用いたことを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、前記支承体にコンクリ
ート製皿ばねを用いたので、防錆対策および耐火被覆の
必要がなく、メンテナンスフリー化でき保全負担を大幅
に軽減できる。また皿ばねを容易に大型に成形可能であ
り、支承用の皿ばね数を大幅に削減でき、更にコンクリ
ート製で廉価なため建造コストを著く低く抑えることも
できる。
ート製皿ばねを用いたので、防錆対策および耐火被覆の
必要がなく、メンテナンスフリー化でき保全負担を大幅
に軽減できる。また皿ばねを容易に大型に成形可能であ
り、支承用の皿ばね数を大幅に削減でき、更にコンクリ
ート製で廉価なため建造コストを著く低く抑えることも
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】図1は第1実施形態に係るコンクリート製
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
に皿ばね1はコンクリート製の裁頭円錐状の筒体2を本
体とし、その内部に鉄筋3aが円周方向に配設されてい
る。前記鉄筋3aには、皿ばねに荷重が作用する際に拡
径変形して周方向に引張応力が作用するコンクリート部
位に、その引張応力を相殺させるための圧縮応力を予め
付与しておくために引張のプレストレスを付与してい
る。
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
に皿ばね1はコンクリート製の裁頭円錐状の筒体2を本
体とし、その内部に鉄筋3aが円周方向に配設されてい
る。前記鉄筋3aには、皿ばねに荷重が作用する際に拡
径変形して周方向に引張応力が作用するコンクリート部
位に、その引張応力を相殺させるための圧縮応力を予め
付与しておくために引張のプレストレスを付与してい
る。
【0019】ここで、プレストレスを付与するに際し、
コンクリートの各部位に作用する応力場を認識する必要
があるため、図2(a)に示す鋼製皿ばねに歪みケージ
を貼り、軸方向に変形させた即ち圧縮荷重を与えた時に
生起する各部位での円周方向歪みを計測した。この計測
結果を図2(b)に示すが正の歪みは引張応力が、負の
歪みは圧縮応力がそれぞれ作用していることを示す。外
周面・内周面とも裁頭側は圧縮応力場、底辺側は引張応
力場であるが、これは圧縮荷重作用時に裁頭側が縮径変
形し、底辺側が拡径変形しているためである。またコン
クリートは耐圧縮性に優れることから、本第1実施形態
は図1に示すように底辺側にのみ引張のプレストレスを
付与した鉄筋3aを配設している。尚、圧縮応力が過大
となる場合には、圧縮応力場の領域、即ち裁頭側に圧縮
のプレストレスを付与した鉄筋を配設することで対応で
きる。また、本計測結果より同じ裁頭側でも内周面側に
近接させて選択的にプレストレス鉄筋を配設すればより
効果的であることが判る。
コンクリートの各部位に作用する応力場を認識する必要
があるため、図2(a)に示す鋼製皿ばねに歪みケージ
を貼り、軸方向に変形させた即ち圧縮荷重を与えた時に
生起する各部位での円周方向歪みを計測した。この計測
結果を図2(b)に示すが正の歪みは引張応力が、負の
歪みは圧縮応力がそれぞれ作用していることを示す。外
周面・内周面とも裁頭側は圧縮応力場、底辺側は引張応
力場であるが、これは圧縮荷重作用時に裁頭側が縮径変
形し、底辺側が拡径変形しているためである。またコン
クリートは耐圧縮性に優れることから、本第1実施形態
は図1に示すように底辺側にのみ引張のプレストレスを
付与した鉄筋3aを配設している。尚、圧縮応力が過大
となる場合には、圧縮応力場の領域、即ち裁頭側に圧縮
のプレストレスを付与した鉄筋を配設することで対応で
きる。また、本計測結果より同じ裁頭側でも内周面側に
近接させて選択的にプレストレス鉄筋を配設すればより
効果的であることが判る。
【0020】図3は第2実施形態に係るコンクリート製
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
に皿ばね1はコンクリート製の裁頭円錐状の筒体2を本
体とし、その外周面に裁頭円錐状の鋼管5が嵌合装着さ
れている。前述と同様に、皿ばねに荷重が作用する際
に、拡径変形して周方向に引張応力が作用するコンクリ
ート底辺部側に、鋼管5を嵌合装着することにより、圧
縮応力を付与している。尚、この図示例の第2実施形態
では、コンクリート底辺部側に圧縮のプレストレスを付
与するためにコンクリート外周面に鋼管5を嵌合装着し
たが、内周面に装着することによっても同様の効果を奏
する。
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
に皿ばね1はコンクリート製の裁頭円錐状の筒体2を本
体とし、その外周面に裁頭円錐状の鋼管5が嵌合装着さ
れている。前述と同様に、皿ばねに荷重が作用する際
に、拡径変形して周方向に引張応力が作用するコンクリ
ート底辺部側に、鋼管5を嵌合装着することにより、圧
縮応力を付与している。尚、この図示例の第2実施形態
では、コンクリート底辺部側に圧縮のプレストレスを付
与するためにコンクリート外周面に鋼管5を嵌合装着し
たが、内周面に装着することによっても同様の効果を奏
する。
【0021】前記した鋼管5は容易に入手可能な鉄系素
材である、高張力鋼・高炭素鋼等の高降伏応力・高引張
強度鋼材が望ましいが、コンクリートとの付着性が良
く、プレストレスを付与でき、アルカリ性環境下で使用
可能な材料であればこれに限るものではなく、銅管等の
非鉄金属若しくはガラス繊維強化プラスチック(以下F
RPと略記)やカーボンファイバー等に代表される複合
材や樹脂、繊維でも良い。
材である、高張力鋼・高炭素鋼等の高降伏応力・高引張
強度鋼材が望ましいが、コンクリートとの付着性が良
く、プレストレスを付与でき、アルカリ性環境下で使用
可能な材料であればこれに限るものではなく、銅管等の
非鉄金属若しくはガラス繊維強化プラスチック(以下F
RPと略記)やカーボンファイバー等に代表される複合
材や樹脂、繊維でも良い。
【0022】図4は第3実施形態に係るコンクリート製
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
に皿ばね1はコンクリート製の裁頭円錐状の筒体2を本
体とし、その内部に引張のプレストレスを付与した鉄筋
3aが円周方向に配設されているとともに、外周面に裁
頭円錐状の鋼管5が嵌合装着されている。即ち、この第
3実施形態は前記した第1実施形態と第2実施形態とを
複合したものであり、その構成は前記両実施形態と全く
同様であるので同一部材には同一の符号を付してその説
明を省略する。この場合にあっては、締付部材に鉄筋3
aと鋼管5との双方を併用するから、その一方のみを使
用した前記第1実施形態及び第2実施形態よりも大きな
圧縮応力を付与することが可能で、コンクリート製皿ば
ねの耐引張荷重特性の著しい向上が図れる。
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
に皿ばね1はコンクリート製の裁頭円錐状の筒体2を本
体とし、その内部に引張のプレストレスを付与した鉄筋
3aが円周方向に配設されているとともに、外周面に裁
頭円錐状の鋼管5が嵌合装着されている。即ち、この第
3実施形態は前記した第1実施形態と第2実施形態とを
複合したものであり、その構成は前記両実施形態と全く
同様であるので同一部材には同一の符号を付してその説
明を省略する。この場合にあっては、締付部材に鉄筋3
aと鋼管5との双方を併用するから、その一方のみを使
用した前記第1実施形態及び第2実施形態よりも大きな
圧縮応力を付与することが可能で、コンクリート製皿ば
ねの耐引張荷重特性の著しい向上が図れる。
【0023】図5は第4実施形態に係るコンクリート製
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
にこの第4実施形態の皿ばね1は、前記第3実施形態の
ものに対し、更に半径方向放射線状に鉄筋3bを追加配
設したものである。当該鉄筋3bは、コンクリート筒体
2に作用する剪断応力に対する補強であるため、特にプ
レストレスを付与する必要はない。その他の点において
は、第3実施形態と全く同様の構成、作用であり、同一
部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
皿ばねの概略構成を示す側断面図である。図示するよう
にこの第4実施形態の皿ばね1は、前記第3実施形態の
ものに対し、更に半径方向放射線状に鉄筋3bを追加配
設したものである。当該鉄筋3bは、コンクリート筒体
2に作用する剪断応力に対する補強であるため、特にプ
レストレスを付与する必要はない。その他の点において
は、第3実施形態と全く同様の構成、作用であり、同一
部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0024】以上、本発明に係るコンクリート製皿ばね
の各種実施形態について説明してきたが、前記コンクリ
ートとしては、普通コンクリートよりも高強度コンクリ
ートを採用することが望ましく、さらにはコンクリート
中に短繊維を一様分散することによりその靱性・引張強
度・曲げ強度・剪断強度が著く向上した繊維補強コンク
リート(以下FRCと略記)を採用することがより望ま
しい。ここで、この繊維補強コンクリートとしては、前
記短繊維に鋼繊維を使用した鋼繊維補強コンクリート
(以下SFRCと略記)、ガラス繊維を使用したガラス
繊維補強コンクリート、ポリエチレン繊維を利用したポ
リエチレン繊維コンクリート等が使用可能である。
の各種実施形態について説明してきたが、前記コンクリ
ートとしては、普通コンクリートよりも高強度コンクリ
ートを採用することが望ましく、さらにはコンクリート
中に短繊維を一様分散することによりその靱性・引張強
度・曲げ強度・剪断強度が著く向上した繊維補強コンク
リート(以下FRCと略記)を採用することがより望ま
しい。ここで、この繊維補強コンクリートとしては、前
記短繊維に鋼繊維を使用した鋼繊維補強コンクリート
(以下SFRCと略記)、ガラス繊維を使用したガラス
繊維補強コンクリート、ポリエチレン繊維を利用したポ
リエチレン繊維コンクリート等が使用可能である。
【0025】また、前記鉄筋はPC鋼線・PC撚り鋼線
・PC鋼棒等に代表されるPC鋼材が望ましいが、プレ
ストレスを付与でき、アルカリ性環境下で使用可能な材
料であればこれに限るものではなく、銅棒・銅線等の非
鉄金属若しくはFRPやカーボンファイバー等に代表さ
れる複合材または繊維でも良い。
・PC鋼棒等に代表されるPC鋼材が望ましいが、プレ
ストレスを付与でき、アルカリ性環境下で使用可能な材
料であればこれに限るものではなく、銅棒・銅線等の非
鉄金属若しくはFRPやカーボンファイバー等に代表さ
れる複合材または繊維でも良い。
【0026】尚、プレストレス付与方法は、PC鋼材と
コンクリートとの間の付着力によって定着されるプレテ
ンション方式が望ましいが、ポストテンション方式であ
っても勿論かまわない。
コンクリートとの間の付着力によって定着されるプレテ
ンション方式が望ましいが、ポストテンション方式であ
っても勿論かまわない。
【0027】また、プレテンション方式の場合は、コン
クリートとの付着性向上のため、前記した締付部材であ
る鉄筋3aと補強用鉄筋3bおよび鋼管5は、その表面
に凹凸の突起を付設する、または表面粗度を荒くする、
あるいはスタッドボルトを付設することが望ましい。
クリートとの付着性向上のため、前記した締付部材であ
る鉄筋3aと補強用鉄筋3bおよび鋼管5は、その表面
に凹凸の突起を付設する、または表面粗度を荒くする、
あるいはスタッドボルトを付設することが望ましい。
【0028】次に、前記本発明に係るコンクリート製皿
ばねを構造物の3次元免振支承構造に適用した例につい
て図6を用いて説明する。図6は、免振対象の上部構造
物11を、基礎側の下部構造物13上に3次元免振装置
を介して免振支承した状態を示す概念図であり、この3
次元免振装置は3次元免振支承構造17と積層ゴムアイ
ソレータ15とからなり、通常はこれら3次元免振支承
構造17と積層ゴムアイソレータ15とは1セットに組
まれて、上部構造物11と下部構造物13との間に複数
セットで配置される。
ばねを構造物の3次元免振支承構造に適用した例につい
て図6を用いて説明する。図6は、免振対象の上部構造
物11を、基礎側の下部構造物13上に3次元免振装置
を介して免振支承した状態を示す概念図であり、この3
次元免振装置は3次元免振支承構造17と積層ゴムアイ
ソレータ15とからなり、通常はこれら3次元免振支承
構造17と積層ゴムアイソレータ15とは1セットに組
まれて、上部構造物11と下部構造物13との間に複数
セットで配置される。
【0029】前記積層ゴムアイソレータ15は、上部構
造物11と下部構造物13との上下方向隙間間に、上部
構造物11の荷重を負担しない状態で介在されてその両
端が固設されていて、上部構造物11と下部構造物13
との間に生じる水平方向の相対変位を弾性力をもって拘
束し、それらの水平方向相対位置を初期の基準位置に自
然復帰させて保持する役目を担い、詳細には図示してい
ないが、薄いゴムシートと鋼板とを交互に積み重ねて積
層形成したもので、水平方向への弾性変形性能に富み、
上部構造物を基準位置へ復帰させるに十分な弾性復元力
を有する。
造物11と下部構造物13との上下方向隙間間に、上部
構造物11の荷重を負担しない状態で介在されてその両
端が固設されていて、上部構造物11と下部構造物13
との間に生じる水平方向の相対変位を弾性力をもって拘
束し、それらの水平方向相対位置を初期の基準位置に自
然復帰させて保持する役目を担い、詳細には図示してい
ないが、薄いゴムシートと鋼板とを交互に積み重ねて積
層形成したもので、水平方向への弾性変形性能に富み、
上部構造物を基準位置へ復帰させるに十分な弾性復元力
を有する。
【0030】前記3次元免振支承構造17は、免振対象
の上部構造物11の荷重を下部構造物13上でそれらの
上下方向の相対変位を吸収可能に弾性支持するととも
に、下部構造物13側の水平方向振動が上部構造物11
に伝わらないように遮断するものであり、上部構造物1
1と下部構造物13との間の上下方向隙間に介在されて
上部構造物11の荷重を負担する皿ばね1と、この皿ば
ね1と上部構造物11との間および皿ばね1と下部構造
物13との間にそれぞれ介在されて、これら上部構造物
11と下部構造物13との水平方向の相対移動を許容す
る上側滑り支承体21と下側滑り支承体18とからな
る。
の上部構造物11の荷重を下部構造物13上でそれらの
上下方向の相対変位を吸収可能に弾性支持するととも
に、下部構造物13側の水平方向振動が上部構造物11
に伝わらないように遮断するものであり、上部構造物1
1と下部構造物13との間の上下方向隙間に介在されて
上部構造物11の荷重を負担する皿ばね1と、この皿ば
ね1と上部構造物11との間および皿ばね1と下部構造
物13との間にそれぞれ介在されて、これら上部構造物
11と下部構造物13との水平方向の相対移動を許容す
る上側滑り支承体21と下側滑り支承体18とからな
る。
【0031】上記皿ばね1は上部構造物11の上下振動
を吸収して下部構造物13上に弾性支持するもので、前
述した本願発明に係るコンクリート製皿ばね1が用いら
れており、上部構造物11の上下振動周期の長周期化が
図れるように、上部構造物11の荷重を支えて沈み込ん
だ静状態の撓み位置にて、そのばね剛性が小さくなるよ
うに、即ちばね変形量に対して弾発力変動が小さくなる
非線形領域となるような非線形ばね特性が与えられてい
る。
を吸収して下部構造物13上に弾性支持するもので、前
述した本願発明に係るコンクリート製皿ばね1が用いら
れており、上部構造物11の上下振動周期の長周期化が
図れるように、上部構造物11の荷重を支えて沈み込ん
だ静状態の撓み位置にて、そのばね剛性が小さくなるよ
うに、即ちばね変形量に対して弾発力変動が小さくなる
非線形領域となるような非線形ばね特性が与えられてい
る。
【0032】そして、この皿ばね1の上下両端部に上記
上側滑り支承体21および下側滑り支承体18がそれぞ
れ設けられていて、これらの滑り支承体21,18によ
り下部構造物13の水平方向振動が上部構造11に伝達
しないように遮断している。
上側滑り支承体21および下側滑り支承体18がそれぞ
れ設けられていて、これらの滑り支承体21,18によ
り下部構造物13の水平方向振動が上部構造11に伝達
しないように遮断している。
【0033】上側滑り支承体21と下側滑り支承体18
とは同一の構成でなり、これらは上部および下部構造物
11,13にそれぞれ表面が露出されて一体的に埋設固
定されている円形のステンレス等からなる滑動板21
a,18aと、この滑動板21a,18aに面接触して
水平方向に摺動自在に当接するスライダー21b,18
bと、このスライダー21b,18bを一体的に保持し
て皿ばね1の上端部および下端部に係合する保持器21
c,18cとからなる。
とは同一の構成でなり、これらは上部および下部構造物
11,13にそれぞれ表面が露出されて一体的に埋設固
定されている円形のステンレス等からなる滑動板21
a,18aと、この滑動板21a,18aに面接触して
水平方向に摺動自在に当接するスライダー21b,18
bと、このスライダー21b,18bを一体的に保持し
て皿ばね1の上端部および下端部に係合する保持器21
c,18cとからなる。
【0034】スライダー21b,18bは滑動板21
a,18aとの接触面が低摩擦係数に形成された円板状
のもので、青銅−グラファイト複合材等の低摩擦係数素
材で形成するか、あるいは鋼板等表面に四フッ化エチレ
ン(商品名:テフロン)等の低摩擦係数板状部材を取り
付けるなどして形成し、保持器21c,18cに固定し
てこれに一体化させる。
a,18aとの接触面が低摩擦係数に形成された円板状
のもので、青銅−グラファイト複合材等の低摩擦係数素
材で形成するか、あるいは鋼板等表面に四フッ化エチレ
ン(商品名:テフロン)等の低摩擦係数板状部材を取り
付けるなどして形成し、保持器21c,18cに固定し
てこれに一体化させる。
【0035】保持器21c,18cは外周縁の全周に亘
って上下方向に突出するリブ21d,18dを有する円
板状のもので、鋼板等で形成される。ここで、上側滑り
支承体21の保持器21cは、下方に突出するリブ21
dの内径寸法が皿ばね1上端部の外径寸法よりやや大径
に形成され、その外周縁の下方に突出するリブ21dで
当該皿ばね1の上端部の外周囲を取り囲むようにしてそ
の上端部に載置され、これにより当該皿ばね1上端部の
径方向の拡縮変形を許容しつつ、上記リブ21dを脱落
防止用の係合片にして皿ばね1との離脱を防止するよう
になっている。また、下側滑り支承体18の保持器18
cも同様に上方に突出するリブ18dの内径寸法が皿ば
ね1の下端部の外径寸法よりも大径に形成され、その上
方に突出するリブ18dで皿ばね1の外周囲を取り囲む
ように皿ばね1の下端部に敷設され、当該皿ばね下端部
の径方向への拡縮変形を許容しつつ、上記リブ18dを
脱落防止用の係合片にして皿ばね1との離脱を防止する
ようになっている。
って上下方向に突出するリブ21d,18dを有する円
板状のもので、鋼板等で形成される。ここで、上側滑り
支承体21の保持器21cは、下方に突出するリブ21
dの内径寸法が皿ばね1上端部の外径寸法よりやや大径
に形成され、その外周縁の下方に突出するリブ21dで
当該皿ばね1の上端部の外周囲を取り囲むようにしてそ
の上端部に載置され、これにより当該皿ばね1上端部の
径方向の拡縮変形を許容しつつ、上記リブ21dを脱落
防止用の係合片にして皿ばね1との離脱を防止するよう
になっている。また、下側滑り支承体18の保持器18
cも同様に上方に突出するリブ18dの内径寸法が皿ば
ね1の下端部の外径寸法よりも大径に形成され、その上
方に突出するリブ18dで皿ばね1の外周囲を取り囲む
ように皿ばね1の下端部に敷設され、当該皿ばね下端部
の径方向への拡縮変形を許容しつつ、上記リブ18dを
脱落防止用の係合片にして皿ばね1との離脱を防止する
ようになっている。
【0036】また、下側滑り支承体18の保持器18c
上の中央部には、皿ばね1の過度の撓み変形による破損
を未然に防ぐためのフェールセーフ構造として支柱23
が立設固定されている。この支柱23は、皿ばね1の撓
み量が設定された許容最大値を超えて上部構造物11が
大きく下方に相対変位したときに、当該支柱23の上端
部が上側滑り支承体21の保持器21cに当接して上部
構造物11の荷重を支持するもので、当該支柱23の高
さは皿ばね1が最大許容値まで撓んだ時の高さに等しく
設定されている。
上の中央部には、皿ばね1の過度の撓み変形による破損
を未然に防ぐためのフェールセーフ構造として支柱23
が立設固定されている。この支柱23は、皿ばね1の撓
み量が設定された許容最大値を超えて上部構造物11が
大きく下方に相対変位したときに、当該支柱23の上端
部が上側滑り支承体21の保持器21cに当接して上部
構造物11の荷重を支持するもので、当該支柱23の高
さは皿ばね1が最大許容値まで撓んだ時の高さに等しく
設定されている。
【0037】即ち、支柱23は皿ばね1の撓み量が最大
許容値を超えると上部構造物11の荷重を前述した積層
アイソレータ15とともに支持してフェールセーフ機能
を発揮する。よって、支柱23には上部構造物11の荷
重を支持し得る強度を有する素材であれば如何なるもの
でも適用可能であるが、上部構造物11の支柱23への
乗り移り時の衝撃低減を勘案すると、ゴム等の弾性を有
する素材若しくは鉛等の展延性に富む素材を採用するこ
とが望ましい。
許容値を超えると上部構造物11の荷重を前述した積層
アイソレータ15とともに支持してフェールセーフ機能
を発揮する。よって、支柱23には上部構造物11の荷
重を支持し得る強度を有する素材であれば如何なるもの
でも適用可能であるが、上部構造物11の支柱23への
乗り移り時の衝撃低減を勘案すると、ゴム等の弾性を有
する素材若しくは鉛等の展延性に富む素材を採用するこ
とが望ましい。
【0038】以上の構成からなる3次元免振装置の作用
を以下に説明する。上部構造物11を下部構造物13上
で上下振動を吸収可能に弾性支持する皿ばね1は、その
ばね変形量に対する弾発力変動が小さい非線形ばね領
域、即ちばね剛性が小さい領域で使用しているので、上
部構造物11の上下振動の固有周期が可及的に長周期化
され、これ故下部構造物に入力される上下振動は上部構
造物11に伝達され難くなって上部構造物11の上下免
振が達成される。
を以下に説明する。上部構造物11を下部構造物13上
で上下振動を吸収可能に弾性支持する皿ばね1は、その
ばね変形量に対する弾発力変動が小さい非線形ばね領
域、即ちばね剛性が小さい領域で使用しているので、上
部構造物11の上下振動の固有周期が可及的に長周期化
され、これ故下部構造物に入力される上下振動は上部構
造物11に伝達され難くなって上部構造物11の上下免
振が達成される。
【0039】また、皿ばね1と上部構造物11との間、
および前記皿ばね1と下部構造物13との間に設けられ
た上側滑り支承体21および下側滑り支承体18とによ
り、下部構造物13の水平方向振動は上部構造物11に
伝達し難くなっている。即ち、地震などにより下部構造
物が水平方向に振動すると、滑り支承体18,21のス
ライダーと滑動板とが滑動して相対変位し、下部構造物
の水平方向振動が上部構造物側に伝達されるのが防止さ
れ、これにより上部構造物11の水平方向免振が達成さ
れる。尚、上部構造物11と下部構造物13との間に生
じた水平方向の相対変位は、当該相対変位に伴う積層ゴ
ムアイソレータ15の変形による弾性力により引き戻さ
れて、上部および下部構造物11,13は初期の基準位
置に自然復帰させられる。
および前記皿ばね1と下部構造物13との間に設けられ
た上側滑り支承体21および下側滑り支承体18とによ
り、下部構造物13の水平方向振動は上部構造物11に
伝達し難くなっている。即ち、地震などにより下部構造
物が水平方向に振動すると、滑り支承体18,21のス
ライダーと滑動板とが滑動して相対変位し、下部構造物
の水平方向振動が上部構造物側に伝達されるのが防止さ
れ、これにより上部構造物11の水平方向免振が達成さ
れる。尚、上部構造物11と下部構造物13との間に生
じた水平方向の相対変位は、当該相対変位に伴う積層ゴ
ムアイソレータ15の変形による弾性力により引き戻さ
れて、上部および下部構造物11,13は初期の基準位
置に自然復帰させられる。
【0040】従って、上部構造物11の剪断変形が大幅
に低減され、下部構造物13が基礎スラブの場合等は、
基礎の大幅なコストダウンを図ることができる。
に低減され、下部構造物13が基礎スラブの場合等は、
基礎の大幅なコストダウンを図ることができる。
【0041】また、上記3次元免振装置の皿ばね1には
コンクリート製皿ばねを用いているので、防錆対策およ
び耐火被覆の必要がなく、メンテナンスフリー化でき保
全負担を大幅に軽減できる。更にこのコンクリート製皿
ばねは、容易に大型に成形可能なため、支持荷重を大き
くできるとともに、皿ばね高さhを大きくし、またコン
クリート自体の弾性係数が小さいことから大撓み変形を
して大振動変位を吸収できる。このため、多数の皿ばね
を並列重ねおよび直列重ねして組み合わせる必要がな
く、皿ばね数を大幅に削減できる。更には、材質がコン
クリートであり廉価なため建造コストを著く抑えること
ができる。
コンクリート製皿ばねを用いているので、防錆対策およ
び耐火被覆の必要がなく、メンテナンスフリー化でき保
全負担を大幅に軽減できる。更にこのコンクリート製皿
ばねは、容易に大型に成形可能なため、支持荷重を大き
くできるとともに、皿ばね高さhを大きくし、またコン
クリート自体の弾性係数が小さいことから大撓み変形を
して大振動変位を吸収できる。このため、多数の皿ばね
を並列重ねおよび直列重ねして組み合わせる必要がな
く、皿ばね数を大幅に削減できる。更には、材質がコン
クリートであり廉価なため建造コストを著く抑えること
ができる。
【0042】皿ばね表面に歪みゲージや垂直方向変位計
を設置すれば、皿ばね異常診断を自動で実施でき、人員
削減等により更なるランニングコストの削減が期待でき
る。
を設置すれば、皿ばね異常診断を自動で実施でき、人員
削減等により更なるランニングコストの削減が期待でき
る。
【0043】尚、本実施形態例では、下部構造物13の
振動を極力上部構造物11に伝達させないようにするた
め水平方向の高い滑動性を与えるべく、滑り支承体を皿
ばね1の上下に設置したが、通常は片側のみに設置すれ
ば足りる。即ち、皿ばね1の上下の端部のどちらか一方
にのみ滑り支承体を介在させ、他端部はその径方向の拡
縮を許容させて保持器等を介して構造物側にボルト等の
緊結具で固定するようにしても良い。
振動を極力上部構造物11に伝達させないようにするた
め水平方向の高い滑動性を与えるべく、滑り支承体を皿
ばね1の上下に設置したが、通常は片側のみに設置すれ
ば足りる。即ち、皿ばね1の上下の端部のどちらか一方
にのみ滑り支承体を介在させ、他端部はその径方向の拡
縮を許容させて保持器等を介して構造物側にボルト等の
緊結具で固定するようにしても良い。
【0044】また、本実施形態例では、皿ばねと構造物
とを円滑に相対水平移動できるようにするために、滑動
板とスライダーおよび保持器とからなる滑動構造の構成
例を開示したが、構造物の重量を支持可能でかつ水平方
向に自在に移動可能であればこれに限ることはなく、ボ
ールベアリング等による転動構造も適用可能である。
とを円滑に相対水平移動できるようにするために、滑動
板とスライダーおよび保持器とからなる滑動構造の構成
例を開示したが、構造物の重量を支持可能でかつ水平方
向に自在に移動可能であればこれに限ることはなく、ボ
ールベアリング等による転動構造も適用可能である。
【0045】尚、本実施形態例では、図6に示すように
コンクリート皿ばねの大きさを調整することにより、直
列・並列重ねせずに、3次元免振支承1セット当たり1
枚皿ばねを設置しているが、支持荷重若しくは吸収振動
変位が非常に大きい場合等には、必要に応じて直列・並
列重ねで対処するようにしても良い。
コンクリート皿ばねの大きさを調整することにより、直
列・並列重ねせずに、3次元免振支承1セット当たり1
枚皿ばねを設置しているが、支持荷重若しくは吸収振動
変位が非常に大きい場合等には、必要に応じて直列・並
列重ねで対処するようにしても良い。
【0046】
【発明の効果】以上に詳細に説明してきたように、この
出願の発明によれば、次のような優れた効果を得ること
ができる。
出願の発明によれば、次のような優れた効果を得ること
ができる。
【0047】請求項1に係るコンクリート製皿ばねの発
明では、コンクリートを裁頭円錐状の筒体に形成して皿
ばね本体となし、圧縮荷重によってこの本体が拡径変形
して周方向に引張応力が作用する部位に、その引張応力
を相殺させる圧縮応力を予め付与しておく締付部材を周
方向に沿って一体化させて設ける構成としたので、皿ば
ね本体を成形自在なコンクリートにより容易に大型に成
形して、皿ばね高さhを大きくでき、かつその内部およ
び外周にプレストレスを付与した部材で補強して大荷重
を支持可能にすることができる。しかも、コンクリート
自体の弾性係数が小さいことから、大撓み変形が可能と
なる。更に、通常のコンクリート製品と同じ製作方法、
即ち型枠組によるコンクリート打設の方法、またはスリ
ップフォーム工法等で容易に製作可能であるため、非常
に廉価に提供できる。
明では、コンクリートを裁頭円錐状の筒体に形成して皿
ばね本体となし、圧縮荷重によってこの本体が拡径変形
して周方向に引張応力が作用する部位に、その引張応力
を相殺させる圧縮応力を予め付与しておく締付部材を周
方向に沿って一体化させて設ける構成としたので、皿ば
ね本体を成形自在なコンクリートにより容易に大型に成
形して、皿ばね高さhを大きくでき、かつその内部およ
び外周にプレストレスを付与した部材で補強して大荷重
を支持可能にすることができる。しかも、コンクリート
自体の弾性係数が小さいことから、大撓み変形が可能と
なる。更に、通常のコンクリート製品と同じ製作方法、
即ち型枠組によるコンクリート打設の方法、またはスリ
ップフォーム工法等で容易に製作可能であるため、非常
に廉価に提供できる。
【0048】請求項2に係るコンクリート製皿ばねの発
明では、前記請求項1記載の締付部材にコンクリート中
に配設される鉄筋を用いるので、締付部材が鉄筋である
というハンドリング性の良さから、荷重負担時に拡径変
形して周方向に引張応力が作用する部位に、局所的・選
択的に容易に締付部材を配設でき、コンクリート製皿ば
ねの耐引張荷重特性を効率良く向上させることが可能と
なる。
明では、前記請求項1記載の締付部材にコンクリート中
に配設される鉄筋を用いるので、締付部材が鉄筋である
というハンドリング性の良さから、荷重負担時に拡径変
形して周方向に引張応力が作用する部位に、局所的・選
択的に容易に締付部材を配設でき、コンクリート製皿ば
ねの耐引張荷重特性を効率良く向上させることが可能と
なる。
【0049】請求項3に係るコンクリート製皿ばねの発
明では、前記請求項1記載の締付部材にコンクリートの
外周面に一体的に嵌合装着される裁頭円錐状の鋼管を用
いるので、鋼管接触面全面に均一にプレストレスを与え
ることができ、荷重負担時に拡径変形して周方向に引張
応力が作用する部位を、全般的に均等に補強することが
でき、局所破損が生じるのを可及的に防止できる。
明では、前記請求項1記載の締付部材にコンクリートの
外周面に一体的に嵌合装着される裁頭円錐状の鋼管を用
いるので、鋼管接触面全面に均一にプレストレスを与え
ることができ、荷重負担時に拡径変形して周方向に引張
応力が作用する部位を、全般的に均等に補強することが
でき、局所破損が生じるのを可及的に防止できる。
【0050】請求項4に係るコンクリート製皿ばねの発
明では、請求項1記載の締付部材にコンクリート中に配
設された鉄筋とコンクリートの外周面に一体的に嵌合装
着される裁頭円錐状の鋼管との双方を用いるので、前記
鉄筋あるいは前記鋼管のいずれか一方のみを用いる場合
よりも大きな圧縮応力を付与することが可能となり、コ
ンクリート製皿ばねの耐引張荷重特性を著く向上でき
る。
明では、請求項1記載の締付部材にコンクリート中に配
設された鉄筋とコンクリートの外周面に一体的に嵌合装
着される裁頭円錐状の鋼管との双方を用いるので、前記
鉄筋あるいは前記鋼管のいずれか一方のみを用いる場合
よりも大きな圧縮応力を付与することが可能となり、コ
ンクリート製皿ばねの耐引張荷重特性を著く向上でき
る。
【0051】請求項5にかかる免振支承構造の発明で
は、上部構造物と下部構造物との間に該両構造物の上下
方向の相対変位を吸収して下部構造物上に上部構造物を
弾性支持する支承体に請求項1〜4のいずれかに記載の
コンクリート製皿ばねを用いたので、防錆対策および耐
火被覆の必要がなくメンテナンスフリー化でき保全負担
が大幅に軽減される。また、コンクリート皿ばねは容易
に大型に成形可能であり、支承用の皿ばね数を大幅に削
減でき、更に廉価なため建造コストを著く抑えることが
できる。
は、上部構造物と下部構造物との間に該両構造物の上下
方向の相対変位を吸収して下部構造物上に上部構造物を
弾性支持する支承体に請求項1〜4のいずれかに記載の
コンクリート製皿ばねを用いたので、防錆対策および耐
火被覆の必要がなくメンテナンスフリー化でき保全負担
が大幅に軽減される。また、コンクリート皿ばねは容易
に大型に成形可能であり、支承用の皿ばね数を大幅に削
減でき、更に廉価なため建造コストを著く抑えることが
できる。
【図1】本発明に係るコンクリート製皿ばねの第1実施
形態を示す側断面図である。
形態を示す側断面図である。
【図2】皿ばねを中心軸方向に変形させた時に生起する
円周方向応力を説明するための図であり、(a)はその
鋼製皿ばねの概略断面図で、(b)は皿ばねを中心軸方
向に撓み変形させた時に生起する円周方向歪みの計測結
果を示すグラフである。
円周方向応力を説明するための図であり、(a)はその
鋼製皿ばねの概略断面図で、(b)は皿ばねを中心軸方
向に撓み変形させた時に生起する円周方向歪みの計測結
果を示すグラフである。
【図3】本発明に係るコンクリート製皿ばねの第2実施
形態を示す側断面図である。
形態を示す側断面図である。
【図4】本発明に係るコンクリート製皿ばねの第3実施
形態を示す側断面図である。
形態を示す側断面図である。
【図5】本発明に係るコンクリート製皿ばねの第4実施
形態を示す側断面図である。
形態を示す側断面図である。
【図6】本発明に係る免振支承構造が適用された3次元
免振装置の一例の概略構成を示す鉛直断面図である。
免振装置の一例の概略構成を示す鉛直断面図である。
1 コンクリート製皿ばね(支承体) 2 裁頭円錐状コンクリート筒体 3a 鉄筋(締付部材) 5 裁頭円錐状の鋼管(締付部材) 11 上部構造物 13 下部構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J048 AA01 BA08 BD04 CB30 DA03 EA38 3J059 AD05 BA23 BA43 BB08 BC20 DA18 EA03 GA42
Claims (5)
- 【請求項1】 コンクリートを裁頭円錐状の筒体に形成
してなる皿ばねであって、圧縮荷重によって該皿ばねが
拡径変形して周方向に引張応力が作用する部位に、該引
張応力を相殺させるための圧縮応力を予め付与しておく
締付部材が周方向に沿って一体化されて設けられている
ことを特徴とするコンクリート製皿ばね。 - 【請求項2】 前記締付部材が、前記コンクリート中に
配設された鉄筋であることを特徴とする請求項1記載の
コンクリート製皿ばね。 - 【請求項3】 前記締付部材が、前記コンクリートの外
周面に一体的に嵌合装着される裁頭円錐状の鋼管である
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製皿ば
ね。 - 【請求項4】 前記締付部材が、前記コンクリート中に
配設された鉄筋と、前記コンクリートの外周面に一体的
に嵌合装着される裁頭円錐状の鋼管とからなることを特
徴とする請求項1記載のコンクリート製皿ばね。 - 【請求項5】 上部構造物と下部構造物との間に該両構
造物の上下方向の相対変位を吸収して下部構造物上に上
部構造物を弾性支持する支承体を介在させた免振支承構
造において、前記支承体に前記請求項1〜4のいずれか
に記載のコンクリート製皿ばねを用いたことを特徴とす
る免振支承構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10370998A JP2000193001A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | コンクリ―ト製皿ばね及びこれを用いた免振支承構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10370998A JP2000193001A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | コンクリ―ト製皿ばね及びこれを用いた免振支承構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000193001A true JP2000193001A (ja) | 2000-07-14 |
Family
ID=18497963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10370998A Pending JP2000193001A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | コンクリ―ト製皿ばね及びこれを用いた免振支承構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000193001A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010281395A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Ohbayashi Corp | 免震システム及び免震方法 |
CN104204600A (zh) * | 2012-03-23 | 2014-12-10 | 日本发条株式会社 | 盘簧 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP10370998A patent/JP2000193001A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010281395A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Ohbayashi Corp | 免震システム及び免震方法 |
CN104204600A (zh) * | 2012-03-23 | 2014-12-10 | 日本发条株式会社 | 盘簧 |
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