JP2000192283A - メッキされたセラミックス/金属複合材料およびその製造方法 - Google Patents
メッキされたセラミックス/金属複合材料およびその製造方法Info
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Abstract
さでかつ密着性に優れるようにメッキ皮膜を形成する。 【解決手段】メッキ皮膜18が形成されたセラミックス
/金属複合材料10は、還元剤22を表面に吸着させる
センシタイズ工程と、前記還元剤22と触媒金属20と
を置換するアクチベイティング工程と、少なくとも前記
触媒金属20上に第1のメッキ皮膜18aを形成する電
気メッキ工程と、少なくともセラミックス12上に第2
のメッキ皮膜18bを形成する無電解メッキ工程と、全
体を酸化性ガスが存在しない雰囲気下で乾燥する乾燥熱
処理工程とを含む製造方法により製造される。触媒金属
20を直接吸着させてもよく、または、還元剤22の吸
着とともに該還元剤22と触媒金属20との置換を同時
に行ってもよい。
Description
ミックス/金属複合材料およびその製造方法に関する。
導度が高いことから、CuあるいはAl等が従来から使
用されている。しかしながら、これらの熱膨張率の値
は、半導体回路の基板であるSiあるいはGaAs等の
熱膨張率の値とは差があるため、回路が高温となった場
合には基板とヒートシンク材とが剥離することがある。
したがって、剥離が生じないようにするために、熱伝導
度が高く、かつ熱膨張率の値がSiあるいはGaAs等
のそれの値と近いものをヒートシンク材として使用する
ことが本来は望ましいが、セラミックス単体あるいは金
属単体でそのような条件を満足する材料は知られていな
い。
を含浸してなるSiC/Cu複合材料をヒートシンク材
として使用することが試みられている。SiC/Cu複
合材料は、高熱伝導度を有し、かつ、熱膨張率の値がS
iあるいはGaAs等のそれの値に近いからである。し
たがって、回路が高温となった場合においても、基板か
ら剥離することがないからである。
u複合材料をヒートシンク材として用いる際には、Si
C/Cu複合材料をはんだ付けあるいはろう付け等によ
って半導体回路および基板に固着する。しかしながらこ
の場合、SiC/Cu複合材料は、はんだ、ろうに対す
る濡れ性(はんだ付け性、ろう付け性)が良好ではない
という不具合がある。
めには、SiCおよびはんだあるいはろうに対して濡れ
性が良好な材料、例えばCuからなるメッキ皮膜をSi
C/Cu複合材料の表面に形成することが有効であると
考えられる。
して無電解メッキ処理を施すことによりメッキ皮膜を形
成した場合には、以下のような不都合が生じる。
SiC/Cu複合材料は、還元剤を含有する溶液やメッ
キ液等に浸漬されるが、この浸漬の際に、これらの溶液
がSiCとCuとの界面に生じている微小な間隙や、S
iCが有する気孔に含浸されてしまう。したがって、例
えば還元剤を含有する溶液が含浸された場合には、この
溶液は、後工程である還元剤と触媒金属とを置換する工
程や無電解メッキ処理を行う工程において徐々に滲み出
る。このように前記溶液が滲み出た状態で形成されたメ
ッキ皮膜は、厚さや密着性が均一でないという問題があ
る。
液あるいはメッキ液がSiC/Cu複合材料の内部に残
留した場合には、メッキ皮膜形成後にこれらの溶液が滲
み出る場合がある。その結果、形成されたメッキ皮膜が
変色するとともに、はんだ付けあるいはろう付けを行う
場合には、該メッキ皮膜のはんだ付け性、ろう付け性が
良好でなくなるという問題が引き起こされる。また、メ
ッキ皮膜形成後に残留液の一部が気化することにより、
メッキ皮膜の一部が膨張することがある。
れたメッキ皮膜は、SiC/Cu複合材料に対する密着
性があまり良好ではないという問題がある。
を形成することも考えられる。
ードとし、メッキ皮膜が形成される材料をカソードとし
て、この両電極間に電圧を印加して電流を流す電気メッ
キ処理においては、電気伝導度が低い材料、すなわち絶
縁体や半導体にはメッキ皮膜を形成することはできな
い。言い換えれば、SiC/Cu複合材料をカソードと
して電気メッキ処理を行った場合には、メッキ皮膜は、
導電体であるCuが露出した表面には形成されるが、S
iCが露出した表面には形成されない。したがって、電
気メッキ処理のみを行うことによってSiC/Cu複合
材料の表面全体にメッキ皮膜を形成することは事実上不
可能である。
複合材料においても同様に生じる。
に対して厚さや密着性が均一なメッキ皮膜を形成するこ
とは困難であり、その方法は未だに確立されていない。
なされたもので、セラミックス/金属複合材料の表面
に、はんだ付け性、ろう付け性が良好であり、かつ、厚
さや密着性が均一なメッキ皮膜が形成されてなる新規な
メッキされたセラミックス/金属複合材料およびその製
造方法を提供することを目的とする。
ために、本発明においては、セラミックス/金属複合材
料の表面上に触媒金属が析出され、少なくとも金属部分
上に析出された前記触媒金属上に電気メッキ処理によっ
て形成された第1のメッキ皮膜が形成され、かつ、前記
セラミックス/金属複合材料の少なくともセラミックス
部分の表面上に、無電解メッキ処理によって形成された
第2のメッキ皮膜が形成されていることを特徴とするメ
ッキされたセラミックス/金属複合材料が提供される。
は、SiC、AlN、Si3 N4 、BeO、Al2 O3
のいずれか1つがあげられ、複合材料を構成する金属の
好適例としては、前記各セラミックスに対する濡れ性が
良好なCu、Cu合金、Al、Al合金のいずれか1つ
があげられる。この場合、セラミックスに対する金属の
組成比は、10体積%以上であることが好ましい。ま
た、メッキ皮膜は、Ni、Ni合金、Cu、Cu合金の
いずれか1つからなることが好ましい。
金属複合材料の表面に還元剤を吸着させるセンシタイズ
工程と、前記還元剤と触媒金属とを置換することによ
り、該触媒金属を前記表面に析出させるアクチベート工
程と、表面に前記触媒金属が析出した前記セラミックス
/金属複合材料に対して電気メッキ処理を行い、少なく
とも前記セラミックス/金属複合材料の金属部分上に析
出している前記触媒金属上に第1のメッキ皮膜を形成す
る電気メッキ工程と、前記第1のメッキ皮膜が形成され
た前記セラミックス/金属複合材料に対して無電解メッ
キ処理を行い、少なくとも前記セラミックス/金属複合
材料のセラミックス部分の表面上に第2のメッキ皮膜を
形成する無電解メッキ工程と、前記第1および第2のメ
ッキ皮膜が形成された前記複合材料を酸化性ガスが存在
しない雰囲気下で乾燥する乾燥熱処理工程とを含むこと
を特徴とするメッキされたセラミックス/金属複合材料
の製造方法が提供される。
金属複合材料の表面に触媒金属または触媒金属イオンを
吸着させるキャタリスト工程と、表面に前記触媒金属ま
たは前記触媒金属イオンが析出した前記セラミックス/
金属複合材料に対して電気メッキ処理を行い、少なくと
も前記セラミックス/金属複合材料の金属部分上に析出
している前記触媒金属上に第1のメッキ皮膜を形成する
電気メッキ工程と、前記第1のメッキ皮膜が形成された
前記セラミックス/金属複合材料に対して無電解メッキ
処理を行い、少なくとも前記セラミックス/金属複合材
料のセラミックス部分の表面上に第2のメッキ皮膜を形
成する無電解メッキ工程と、前記第1および第2のメッ
キ皮膜が形成された前記複合材料を酸化性ガスが存在し
ない雰囲気下で乾燥する乾燥熱処理工程とを含むことを
特徴とするメッキされたセラミックス/金属複合材料の
製造方法が提供される。
/金属複合材料の表面への還元剤の吸着と、該還元剤と
触媒金属との置換とを同時に行うアクチベイティング工
程と、前記表面上に残留している前記還元剤を前記触媒
金属に置換するアクセラレイティング工程と、表面に前
記触媒金属が析出した前記セラミックス/金属複合材料
に対して電気メッキ処理を行い、少なくとも前記セラミ
ックス/金属複合材料の金属部分上に析出している前記
触媒金属上に第1のメッキ皮膜を形成する電気メッキ工
程と、前記第1のメッキ皮膜が形成された前記セラミッ
クス/金属複合材料に対して無電解メッキ処理を行い、
少なくとも前記セラミックス/金属複合材料のセラミッ
クス部分の表面上に第2のメッキ皮膜を形成する無電解
メッキ工程と、前記第1および第2のメッキ皮膜が形成
された前記複合材料を酸化性ガスが存在しない雰囲気下
で乾燥する乾燥熱処理工程とを含むことを特徴とするメ
ッキされたセラミックス/金属複合材料の製造方法が提
供される。
とにより、厚みが均一で密着性の良好なメッキ皮膜を形
成することができる。
セラミックス/金属複合材料の好適な実施の形態につい
て添付図面を参照して詳細に説明する。
セラミックス/金属複合材料10の概略断面図を示す。
このメッキされたセラミックス/金属複合材料10は、
多孔質焼結体であるセラミックス12の気孔に金属14
が含浸されてなるセラミックス/金属複合材料16の表
面全体に亘り、メッキ皮膜18が形成されてなるもので
ある。また、金属14上には、後述する触媒金属20が
析出している。
クス(多孔質焼結体ともいう)12の内部に3次元的に
連なって存在する気孔内に含浸されている。すなわち、
金属14は、セラミックス12の内部で3次元網目構造
をなして連なっている。
としては、特に限定されるものではないが、SiC、A
lN、Si3 N4 、BeO、あるいはAl2 O3 のいず
れか1つを好適例としてあげることができる。
金属も特に限定されるものではないが、メッキされたセ
ラミックス/金属複合材料10をヒートシンク材に適用
する場合には、熱伝導度が高い金属であることが好まし
い。具体的には、Cu、Cu合金、Al、あるいはAl
合金のいずれか1つが好適である。
金属の組成比が5%以下であるCu−Be合金、Cu−
Al合金、Cu−Si合金、Cu−Mg合金、Cu−T
i合金、Cu−Ni合金等を例示することができ、Al
合金としては、Al−Si合金、Al−Mg合金、Al
−Ti合金等を例示することができる。
記したものを用いてメッキ皮膜18を形成する場合に
は、セラミックス12に対する金属14の組成比は10
体積%以上に設定することが好ましい。前記各セラミッ
クスは電気伝導度が低いので、複合材料16における金
属14の組成比が10体積%よりも小さいと、複合材料
16全体の電気伝導度が低くなる。したがって、電気メ
ッキ処理を行った場合、充分な厚さのメッキ皮膜が形成
されない場合があるからである。
金属20上に電気メッキ処理によって形成された第1の
メッキ皮膜と、セラミックス/金属複合材料16の少な
くともセラミックス12の表面上に無電解メッキ処理に
よって形成された第2のメッキ皮膜とからなる。第1お
よび第2のメッキ皮膜の材料としては、はんだに対して
濡れ性が良好なものが選定される。具体的には、Cu、
Cu合金、Ni、Ni合金のいずれか1つが好適であ
る。
材料16に対して後述するセンシタイズ工程およびアク
チベート工程を行うことによって、該セラミックス/金
属複合材料16の表面に析出されたものである。
は、後述するように、電気メッキ処理が行われるが、こ
の際には導電体にのみメッキ皮膜が形成される。すなわ
ち、セラミックス/金属複合材料16においては、該セ
ラミックス/金属複合材料16の内部で3次元網目構造
をなして連なっている金属14のみが導電体であり、し
たがって第1のメッキ皮膜は、少なくとも金属14上に
析出している触媒金属20上に形成される。さらに、セ
ラミックス12上の金属触媒20も導体であるので、第
1のメッキ皮膜はこの金属触媒20上にも形成される。
ックス12の表面上に析出した触媒金属20を核として
第2のメッキ皮膜が形成される。なお、触媒金属20の
好適例としては、Pd、Ni、Fe等があげられる。
合材料10は、メッキ皮膜が形成されていない複合材料
と比較して、はんだ付け性、ろう付け性が良好となる。
さらには、耐食性、耐摩耗性が向上する。
合材料10の製造方法について説明する。
(以下、第1の製造方法という)について図2および図
3を参照して説明する。
図2に示し、この図2に示した各工程におけるセラミッ
クス/金属複合材料の表面状態を表す拡大概略図を図3
に示す。
ズ工程(S1)において、セラミックス12に対する金
属14の組成比が10体積%以上であるセラミックス/
金属複合材料16の表面全体に亘り、還元剤22が吸着
される。還元剤22としては、還元能力および吸着能力
が高いものが選定され、具体的には、Sn2+イオン等が
好適である。
元剤22を含有する溶液中にセラミックス/金属複合材
料16を浸漬する方法があげられる。例えば、セラミッ
クス/金属複合材料16をSnCl2 ・2H2 Oの酸性
溶液28に温度20〜30℃で2〜3分間浸漬した場合
には、該セラミックス/金属複合材料16の表面にSn
2+イオンが吸着する。また、セラミックス12と金属1
4との界面の微小な空隙24や、セラミックス12にお
いて金属14が含浸されていない気孔26には、前記溶
液28が含浸される。
て、還元剤22と触媒金属20とを置換し、前記表面に
触媒金属20を析出させる。
ックス/金属複合材料16を、触媒金属20のイオンを
含有する酸性溶液に温度20〜30℃で2〜3分間浸漬
し、前記還元剤22により前記触媒金属20のイオンを
還元して、前記触媒金属20を前記表面に析出させる。
例えば、還元剤22がSn2+、触媒金属20がPdであ
る場合、Pdは酸性溶液中でPd2+として存在してお
り、次の(1)式のように反応することによって固体と
して析出する。
程は、交互に複数回繰り返して行ってもよい。
クス/金属複合材料16に対して、電気メッキ工程(S
3)を行う。すなわち、この複合材料16をカソードと
し、メッキ皮膜の原料である金属、例えばCuまたはN
i等をアノードとして、これらをメッキ液中において両
電極間に電圧を印加することにより電気メッキ処理を行
う。
/金属複合材料16の表面において電気伝導度が高い箇
所、すなわち金属14上の触媒金属20上に第1のメッ
キ皮膜18aが形成される。この場合、第1のメッキ皮
膜18aは、触媒金属20上だけではなく、その周囲の
セラミックス12上にも形成されてもよい。
0.1〜15A/dm2 とすることが好ましい。0.1
A/dm2 よりも小さいと、第1のメッキ皮膜18aを
形成するのに長時間を要するので、低効率となる。ま
た、15A/dm2 よりも大きいと、均一な厚さの第1
のメッキ皮膜18aが得られない場合がある。より好ま
しい電流密度は、1〜5A/dm2 である。
膜18aが形成された複合材料16に対して無電解メッ
キ工程(S4)を行い、第2のメッキ皮膜18bを形成
する。
uで形成する場合、硫酸銅とホルマリンとが共存してい
る溶液中に、第1のメッキ皮膜18aが形成された複合
材料16を浸漬する。この浸漬によって、第2のメッキ
皮膜18bがセラミックス12上の触媒金属20と置換
して析出する(図3参照)。これがすなわち、無電解メ
ッキ処理である。なお、無電解メッキ処理を続行して、
第1のメッキ皮膜18a上にも第2のメッキ皮膜18b
を形成させてもよい。
膜18bは、同一材料から形成することが好ましい。は
んだ付け性や熱膨張率等の諸特性が均一となるからであ
る。
2のメッキ皮膜18bが形成された複合材料を乾燥熱処
理する(S5)。この乾燥熱処理工程により、含浸され
た前記溶液28が蒸発揮散されるので、内部からの溶液
28の滲み出しがないメッキされたセラミックス/金属
複合材料10が得られる。
気下で行う。酸化性ガスが存在する雰囲気下で乾燥を行
うと、メッキ皮膜18が酸化されるからである。具体的
には、窒素、アルゴン、あるいはこれらの混合ガス等の
不活性ガス雰囲気や水素等の還元性雰囲気とすればよ
い。または、真空ポンプ等によって乾燥装置内を減圧し
ながら乾燥を行ってもよい。
まで昇温することが好ましい。100℃よりも低いと前
記溶液28を蒸発揮散する効果に乏しくなる。また、5
00℃よりも高いとセラミックス12と金属14とが剥
離することがある。なお、昇温後に一定温度で保持する
ことは必ずしも必要ではない。
(以下、第2の製造方法という)について図4を参照し
て説明する。
程(S10)において、触媒金属20または触媒金属2
0のイオンがセラミックス/金属複合材料16の表面に
直接吸着される。
すればよい。すなわち、電気メッキ工程(S20)を行
って第1のメッキ皮膜18aを形成し、次いで無電解メ
ッキ工程(S30)を行って第2のメッキ皮膜18bを
形成し、最後に乾燥熱処理工程(S40)を行って複合
材料16内に含浸された溶液を蒸発揮散させればよい。
(以下、第3の製造方法という)について図5を参照し
て説明する。
ング工程(S110)において、還元剤22と触媒金属
20がコロイド状に混合された溶液中に、セラミックス
/金属複合材料16が浸漬される。この浸漬によって、
前記複合材料16の表面への還元剤22の吸着と、該還
元剤22と触媒金属20との置換が同時に営まれる。
属20に置換されず、前記表面上に残留する。そこで、
次にアクセラレイティング工程(S120)を行うこと
により、残留した還元剤22と触媒金属20とを置換す
る。例えば、還元剤22がSn2+イオンであり、触媒金
属20がPdである場合には、アクチベイティング工程
を経た複合材料16を、塩酸溶液、水酸化ナトリウム溶
液、あるいは水酸化アンモニウム溶液等に浸漬すれば、
上記(1)式に示した反応が起こり、金属Pdが前記表
面上に析出する。
ばよい。
より均一に分散して析出させることができる。したがっ
て、これと置換して形成される第2のメッキ皮膜18b
の厚さがより均一となるので好適である。
4としてAlあるいはAl合金が使用されている場合に
は、図2、図4、および図5にそれぞれかっこ書きで示
したように、AlあるいはAl合金の表面部分をZnで
置換する前処理工程を行う。
かっこ書きで示したように、乾燥熱処理工程(S5、S
40、S150)を行う前に予備乾燥工程を行ってもよ
い。予備乾燥を行うことにより、メッキ皮膜18を形成
した直後に乾燥熱処理工程を行わない場合であっても、
メッキ皮膜18の酸化を長期間に亘り防止することがで
きる。
複合材料16表面のメッキ液を蒸発揮散せしめる程度で
あればよく、具体的には、60〜90℃で5分間以上保
持する程度でよい。
には、セラミックス/金属複合材料16から剥離した箇
所が認められない。また、はんだ付け性や密着性に優れ
る。したがって、このメッキされたセラミックス/金属
複合材料10を半導体回路のヒートシンク材として使用
する場合、半導体回路への固着が容易であり、また、熱
膨張等によるメッキ皮膜18の剥離が発生しないため、
長期間に亘る使用が可能である。
ラミックス/金属複合材料としてセラミックスの多孔質
焼結体に金属を含浸したものを使用したが、セラミック
スの粉末と金属の粉末とがともに焼結されたものであっ
てもよい。
焼結体の気孔にCu(30体積%)が含浸されてなるS
iC/Cu複合材料を使用して、図2に示した第1の製
造方法により、NiがメッキされたSiC/Cu複合材
料を製造した。
ト工程は交互に2回ずつ行い、各々の工程における液へ
の浸漬時間はそれぞれ3分、2分、1分、1分とした。
還元剤としてはSn2+イオンを、触媒金属としてはPd
をそれぞれ使用した。また、第1のメッキ皮膜を形成す
る電気メッキ処理は5A/dm2 の電流密度で3分間行
い、第2のメッキ皮膜を形成する無電解メッキ処理はメ
ッキ液の温度を60℃として60分間行った。その後、
第1および第2のメッキ皮膜が形成されたSiC/Cu
複合材料を、一旦70℃で20分間乾燥し、次いで窒素
と水素とを3:1の体積比となるように流通させながら
300℃で1分間乾燥して、実施例1に係るメッキされ
たセラミックス/金属複合材料を得た。 [実施例2]図4に示した第2の製造方法により製造し
た以外は実施例1に準拠して、実施例2に係るメッキさ
れたセラミックス/金属複合材料を製造した。この場
合、キャタリスト工程は1回行い、浸漬時間は1分とし
た。 [比較例1]電気メッキ処理および乾燥熱処理を行わな
い以外は実施例1に準拠して、比較例1に係るメッキさ
れたセラミックス/金属複合材料を製造した。 [比較例2〕電気メッキ処理を行わない以外は実施例1
に準拠して、比較例2に係るメッキされたセラミックス
/金属複合材料を製造した。 [評価]これらを目視にて観察したところ、実施例1、
2ではメッキ皮膜が均一な厚さで形成されていた。ま
た、比較例1、2においてもメッキ皮膜の厚さはほぼ均
一であったが、メッキ皮膜が複合材料表面から剥離して
いる箇所があることが認められた。
の評価を行った。はんだ付け性は、AlNを実施例1、
2、比較例1、2のそれぞれとはんだ付けによって接合
し、未接合部分の割合がどの程度であるかを求めた。こ
の数字が大きいほど、未接合部分が多く、はんだ付け性
が良好でないことを表す。また、密着性は、JIS−H
8504に規定された方法に従うメッキ皮膜引き剥がし
試験によって評価した。以上の結果を、目視観察結果と
併せて表1に示す。
よび密着性にも優れていることが明らかである。
れたセラミックス/金属複合材料によれば、メッキ皮膜
とセラミックス/複合材料とが良好に密着し、はんだ付
け性にも優れている。
/金属複合材料の製造方法によれば、メッキ皮膜が複合
材料表面から剥離することなく、かつ、均一な厚さで形
成される。さらに、製造過程において複合材料の内部に
含浸された溶液は、最終的には蒸発揮散せしめられる。
したがって、メッキされたセラミックス/金属複合材料
をはんだ付けする際に溶液が滲み出ることがないので、
はんだに対する濡れ性が低下しない。
れたセラミックス/金属複合材料は、例えば、半導体回
路のヒートシンク材として好適である。
/金属複合材料の断面概略図である。
ス/金属複合材料の表面の状態を示す概念図である。
18b…メッキ皮膜 20…触媒金属 22…還元剤 24…空隙 26…気孔 28…溶液
Claims (12)
- 【請求項1】セラミックス/金属複合材料の表面上に触
媒金属が析出され、 少なくとも金属部分上に析出された前記触媒金属上に電
気メッキ処理によって形成された第1のメッキ皮膜が形
成され、かつ、 前記セラミックス/金属複合材料の少なくともセラミッ
クス部分の表面上に、無電解メッキ処理によって形成さ
れた第2のメッキ皮膜が形成されていることを特徴とす
るメッキされたセラミックス/金属複合材料。 - 【請求項2】請求項1記載のメッキされたセラミックス
/金属複合材料において、 セラミックスがSiC、AlN、Si3 N4 、BeO、
Al2 O3 のいずれか1つであり、金属がCu、Cu合
金、Al、Al合金のいずれかで1つであり、前記第1
および第2のメッキ皮膜がNi、Ni合金、Cu、Cu
合金のいずれか1つであることを特徴とするメッキされ
たセラミックス/金属複合材料。 - 【請求項3】請求項2記載のメッキされたセラミックス
/金属複合材料において、 前記セラミックスに対する前記金属の組成比が、10体
積%以上であることを特徴とするメッキされたセラミッ
クス/金属複合材料。 - 【請求項4】セラミックス/金属複合材料の表面に還元
剤を吸着させるセンシタイズ工程と、 前記還元剤と触媒金属とを置換することにより、該触媒
金属を前記表面に析出させるアクチベート工程と、 表面に前記触媒金属が析出した前記セラミックス/金属
複合材料に対して電気メッキ処理を行い、少なくとも前
記セラミックス/金属複合材料の金属部分上に析出して
いる前記触媒金属上に第1のメッキ皮膜を形成する電気
メッキ工程と、 前記第1のメッキ皮膜が形成された前記セラミックス/
金属複合材料に対して無電解メッキ処理を行い、少なく
とも前記セラミックス/金属複合材料のセラミックス部
分の表面上に第2のメッキ皮膜を形成する無電解メッキ
工程と、 前記第1および第2のメッキ皮膜が形成された前記複合
材料を酸化性ガスが存在しない雰囲気下で乾燥する乾燥
熱処理工程と、 を含むことを特徴とするメッキされたセラミックス/金
属複合材料の製造方法。 - 【請求項5】セラミックス/金属複合材料の表面に触媒
金属または触媒金属イオンを吸着させるキャタリスト工
程と、 表面に前記触媒金属または前記触媒金属イオンが析出し
た前記セラミックス/金属複合材料に対して電気メッキ
処理を行い、少なくとも前記セラミックス/金属複合材
料の金属部分上に析出している前記触媒金属上に第1の
メッキ皮膜を形成する電気メッキ工程と、 前記第1のメッキ皮膜が形成された前記セラミックス/
金属複合材料に対して無電解メッキ処理を行い、少なく
とも前記セラミックス/金属複合材料のセラミックス部
分の表面上に第2のメッキ皮膜を形成する無電解メッキ
工程と、 前記第1および第2のメッキ皮膜が形成された前記複合
材料を酸化性ガスが存在しない雰囲気下で乾燥する乾燥
熱処理工程と、 を含むことを特徴とするメッキされたセラミックス/金
属複合材料の製造方法。 - 【請求項6】セラミックス/金属複合材料の表面への還
元剤の吸着と、該還元剤と触媒金属との置換とを同時に
行うアクチベイティング工程と、 前記表面上に残留している前記還元剤を前記触媒金属に
置換するアクセラレイティング工程と、 表面に前記触媒金属が析出した前記セラミックス/金属
複合材料に対して電気メッキ処理を行い、少なくとも前
記セラミックス/金属複合材料の金属部分上に析出して
いる前記触媒金属上に第1のメッキ皮膜を形成する電気
メッキ工程と、 前記第1のメッキ皮膜が形成された前記セラミックス/
金属複合材料に対して無電解メッキ処理を行い、少なく
とも前記セラミックス/金属複合材料のセラミックス部
分の表面上に第2のメッキ皮膜を形成する無電解メッキ
工程と、 前記第1および第2のメッキ皮膜が形成された前記複合
材料を酸化性ガスが存在しない雰囲気下で乾燥する乾燥
熱処理工程と、 を含むことを特徴とするメッキされたセラミックス/金
属複合材料の製造方法。 - 【請求項7】請求項4〜6のいずれか1項に記載のメッ
キされたセラミックス/金属複合材料の製造方法におい
て、 前記センシタイズ工程、前記キャタリスト工程、あるい
は前記アクチベイティング工程のいずれかの工程の前
に、セラミックス/金属複合材料の金属部分の表面をZ
nに置換する前処理工程を行うことを特徴とするメッキ
されたセラミックス/金属複合材料の製造方法。 - 【請求項8】請求項4〜7のいずれか1項に記載のメッ
キされたセラミックス/金属複合材料の製造方法におい
て、 前記乾燥熱処理工程の前に、予備乾燥工程を備えること
を特徴とするメッキされたセラミックス/金属複合材料
の製造方法。 - 【請求項9】請求項4〜8のいずれか1項に記載のメッ
キされたセラミックス/金属複合材料の製造方法におい
て、 前記電気メッキ処理を、0.1〜15A/dm2 の電流
密度で行うことを特徴とするメッキされたセラミックス
/金属複合材料の製造方法。 - 【請求項10】請求項4〜9のいずれか1項に記載のメ
ッキされたセラミックス/金属複合材料の製造方法にお
いて、 前記乾燥熱処理工程における乾燥時の温度が、100〜
500℃であることを特徴とするメッキされたセラミッ
クス/金属複合材料の製造方法。 - 【請求項11】請求項4〜10のいずれか1項に記載の
メッキされたセラミックス/金属複合材料の製造方法に
おいて、 セラミックスをSiC、AlN、Si3 N4 、BeO、
Al2 O3 のいずれか1つとし、金属をCu、Cu合
金、Al、Al合金のいずれか1つとし、前記第1およ
び第2のメッキ皮膜をNi、Ni合金、Cu、Cu合金
のいずれか1つとすることを特徴とするメッキされたセ
ラミックス/金属複合材料の製造方法。 - 【請求項12】請求項11記載のメッキされたセラミッ
クス/金属複合材料の製造方法において、 前記セラミックスに対する前記金属の組成比が、10体
積%以上であることを特徴とするメッキされたセラミッ
クス/金属複合材料の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212758A (ja) * | 2001-01-22 | 2002-07-31 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 複合材料製耐熱部材 |
GB2382082A (en) * | 2001-11-16 | 2003-05-21 | Ngk Insulators Ltd | Composite Material and Method for Producing the Same |
JP2007098563A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-04-19 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | ナノ構造体およびその製造方法 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP37164398A patent/JP4090602B2/ja not_active Expired - Fee Related
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GB2382082A (en) * | 2001-11-16 | 2003-05-21 | Ngk Insulators Ltd | Composite Material and Method for Producing the Same |
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