JP2000187336A - 現像液及びこれを用いた現像方法 - Google Patents

現像液及びこれを用いた現像方法

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JP2000187336A
JP2000187336A JP36543198A JP36543198A JP2000187336A JP 2000187336 A JP2000187336 A JP 2000187336A JP 36543198 A JP36543198 A JP 36543198A JP 36543198 A JP36543198 A JP 36543198A JP 2000187336 A JP2000187336 A JP 2000187336A
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excimer laser
photoresist
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developer
fatty acid
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English (en)
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Tadahiro Omi
忠弘 大見
Yukio Tamai
幸夫 玉井
Satoshi Kawada
聡志 川田
Yoshihiro Shiode
吉宏 塩出
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Canon Inc
Tokuyama Corp
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Canon Inc
Tokuyama Corp
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジストに対する濡れ性に優れ、フォ
トレジスト表面に現像液が均一に広がるのみならず、フ
ォトレジストの低露光部(低溶解部)における溶解速度
をより一層抑制でき、微細なパターンを再現性良く形成
することを可能とする。 【解決手段】 パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジ
ン酸、ベヘニン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、アラキドン酸等の脂肪酸を添加した現像液を用
いてレジストパターン12の現像を行い、コンタクトホ
ールパターン13を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトリソグラフ
ィーで用いられるフォトレジストの現像液及び現像方法
に関し、更に詳しくは超LSI製造プロセスで微細パタ
ーン形成に用いられるエキシマレーザ用フォトレジスト
の現像に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの製造において、
半導体集積回路の高密度化及び微細化が進められてい
る。それに伴って、パターン形成を行うリソグラフィー
工程では、露光装置の光源として従来の水銀ランプを使
用したi線(365nm)から、より短波長であるKr
Fエキシマレーザ(248nm)やArFエキシマレー
ザ(193nm)へと移行しつつある。
【0003】このような使用光源の移行に伴い、i線の
場合では、フォトレジスト用組成物として、現像液に可
溶であるノボラック樹脂に光分解剤であるナフトキノン
ジアジド化合物を組み合わせた組成物を用いていたが、
エキシマレーザの場合では、フォトレジスト用組成物と
して、現像液に可溶であるベース樹脂中の官能基を保護
基でマスクして現像液に対する溶解度を抑制させた樹脂
と、受光(露光)により酸を発生する光酸発生剤とを主
成分とする組成物が用いられるようになった。このよう
なフォトレジストは化学増幅型フォトレジストと称され
ている。
【0004】エキシマレーザ用のフォトレジスト、特に
化学増幅型フォトレジストでは、シリコンウエハ等の基
板上に塗布されたフォトレジストをエキシマレーザ光に
より露光することにより、光酸発生剤から酸が発生し、
露光後のベークにより酸が保護基を切断する反応が生じ
る。その結果、フォトレジストのベース樹脂が現像液に
対して可溶となり、フォトレジストの現像がなされる。
【0005】このようなフォトレジストの現像液として
は、一般にアルカリ性化合物の水溶液が用いられてい
る。半導体デバイスの製造においては、金属イオンを含
有するアルカリ化合物を用いるとそのデバイス特性に悪
影響を及ぼすおそれがあるので、通常、金属イオンを含
まない非金属アルカリ化合物、例えば、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド(以下、TMAHと略称す
る。)やトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニ
ウムヒドロキシド(コリン)等の水溶液が用いられる。
【0006】フォトレジストの現像液に求められる性質
として、高い解像力が要求される。即ち、フォトレジス
トの露光部と非露光部との現像速度の比、即ちそのフォ
トレジストの現像液に対する選択比が高いことが要求さ
れ、これが微細なフォトレジストのパターンを得る上で
重要である。
【0007】上述したように、現像液は水溶液であるか
ら、疎水性であるレジスト表面に対して濡れ性が十分で
ない。従って現像液が基板上のフォトレジスト表面全面
に均一に広がらず、その結果、パターン形状が基板表面
上の位置によって相違し、微細なパターンの基部まで十
分に浸透されないため、現像不良の原因となる場合があ
った。
【0008】半導体集積回路の製造工程における現像法
としては、パドル現像法が頻繁に用いられており、この
手法では現像液の濡れ性が特に重要である。加えて、半
導体デバイスの製造に用いられるシリコンウエハは大口
径化が進んできており、ますます濡れ性に優れた現像液
が渇望されていた。
【0009】上記のような諸問題を解決する方法とし
て、界面活性剤を現像液に添加して、濡れ性を向上させ
る技術が特開平5−303208号公報等に記載されて
いる。更に特開平5−303209号公報等では、界面
活性剤が添加された現像液による現像と、いわゆるQU
EST(QUadrupole Efect for Stepper Technology )
とを組み合わせてKrFエキシマレーザを用いて0.2
μmのパターンを形成する方法が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の方法では、0.2μmより小さい良好な
フォトレジストのパターンを再現性良く得ることは極め
て困難であるという問題があった。例えばポジ型フォト
レジストを用いた場合、実質的に露光されていない部
分、即ち低露光部におけるレジストの溶解速度が、界面
活性剤の作用によって速くなり、その結果、実質的に露
光されている高露光部と低露光部の選択比(解像力)が
低下して、所望の形状をもつ微細なフォトレジストパタ
ーンの形成を妨げることになる。
【0011】そこで本発明は、フォトレジストに対する
濡れ性に優れ、フォトレジスト表面に現像液が均一に広
がるのみならず、フォトレジストの低露光部(低溶解
部)における溶解速度をより一層抑制でき、微細なパタ
ーンを再現性良く形成することが可能な現像液及び現像
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の現像方法は、脂
肪酸を1重量ppm〜5000重量ppmの範囲内の濃
度で含む現像液を用い、エキシマレーザ光で露光された
フォトレジストを現像する。
【0013】本発明の現像方法の一態様において、前記
エキシマレーザ光の光源は、KrFエキシマレーザ、A
rFエキシマレーザ及びF2 エキシマレーザより選ばれ
た少なくとも1種である。
【0014】本発明の現像方法の一態様において、前記
現像液は、非金属アルカリ化合物を含む水溶液である。
【0015】本発明の現像方法の一態様において、前記
フォトレジストは、化学増幅型フォトレジストである。
【0016】本発明の現像方法の一態様において、現像
速度が0.050nm/秒〜0.100nm/秒であ
る。
【0017】本発明の現像方法の一態様は、前記光源と
してKrFエキシマレーザを用い、前記フォトレジスト
に一辺又は直径が0.14μm以下の四角形又は円形の
ホールを形成する。
【0018】本発明の現像方法は、脂肪酸を1重量pp
m〜5000重量ppmの範囲内の濃度で含む現像液を
用い、エキシマレーザ光で露光された化学増幅型フォト
レジストを現像する。
【0019】本発明の現像方法の一態様において、前記
エキシマレーザ光の光源は、KrFエキシマレーザ、A
rFエキシマレーザ及びF2 エキシマレーザより選ばれ
た少なくとも1種である。
【0020】本発明の現像方法の一態様において、前記
現像液は、非金属アルカリ化合物を含む水溶液である。
【0021】本発明の現像方法の一態様において、現像
速度が0.050nm/秒〜0.100nm/秒であ
る。
【0022】本発明の現像方法の形成方法の一態様は、
前記光源としてKrFエキシマレーザを用い、前記化学
増幅型フォトレジストに一辺又は直径が0.14μm以
下の四角形又は円形のホールを形成する。
【0023】本発明の現像液は、エキシマレーザ光で露
光されたフォトレジストの現像に用いる現像液であっ
て、脂肪酸を1重量ppm〜5000重量ppmの範囲
内の濃度で含む。
【0024】本発明の現像液は、エキシマレーザ光で露
光された化学増幅型フォトレジストの現像に用いる現像
液であって、脂肪酸を1重量ppm〜5000重量pp
mの範囲内の濃度で含む。
【0025】
【作用】本発明の現像方法においては、エキシマレーザ
光を用いた露光に続いて、脂肪酸を所定濃度で含有する
現像液を用いた現像を行なう。エキシマレーザは紫外域
や真空紫外域で強力な発振線を有しており、フォトレジ
ストの極微細構造、例えば0.1nm前後の露光を可能
とするものであり、前記所定濃度の脂肪酸を含む現像液
はこのような極微細構造の細部にわたる顕在化を可能と
するものである。即ち、短波長のエキシマレーザ光によ
り極微細構造の潜像パターンを露光した場合でも、前記
現像液により当該潜像パターンに対応した精緻な顕像パ
ターンを形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態によるフ
ォトレジストの現像液を用いた好適な現像方法につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実
施形態によるフォトレジストの現像方法を工程順に示す
フローチャートである。
【0027】先ず、工程S1において、シリコンウエハ
等である基板の表面にフォトレジストを塗布する。塗布
の手法としては、スピンコーターによる方法やロールコ
ーターによる方法などが好適に用いられる、また、必要
に応じてヘキサメチルジシラザン(以下、HMDSと略
称する。)に代表される処理剤を塗布した後、フォトレ
ジストを塗布してもよい。
【0028】工程S2では、必要に応じて基板上に塗布
されたフォトレジストに対して第1のベーク(露光前の
プリベーク)を行う。例えば、第1のベークの温度とし
ては80℃〜150℃であり、時間は90秒〜120秒
程度である。
【0029】工程S3では、フォトレジストの層が形成
された基板を露光装置内に設置し、KrFエキシマレー
ザ、ArFエキシマレーザ、F2 エキシマレーザ等によ
りフォトレジストの層を露光する。通常の露光装置とし
てステッパー装置やスキャナー装置を用いた場合には、
レチクルに応じた像がフォトレジスト層に潜像として焼
き付けられる。
【0030】工程S4では、必要に応じて第2のベーク
(露光後のプリベーク)を行う。例えば、第2のベーク
の温度としては100℃〜150℃であり、時間は90
〜120秒程度である。
【0031】工程S5では、潜像が形成されたフォトレ
ジストを、後述する現像液を用いて現像する。フォトレ
ジストとしてポジ型のものを用いた場合には、露光され
た部分が現像液と反応して現像液中に溶出する。ネガ型
のものを用いた場合には、露光されなかった非露光部分
が現像液と反応して現像液中に溶出する。なお、非露光
部分とはいえ、全く光に晒されないわけではなく、露光
部における照度より現像できる程度に低照度の光が照射
されてもよい。従って、いわゆる非露光部分を全く光に
晒されない場合も含めて低露光部分と称する。このよう
して、フォトレジスト層は所定のパターン形状を呈する
ようになる。
【0032】しかる後、必要に応じて、洗浄やポストベ
ークを行う。こうしてフォトレジストのパターンが形成
された後には、このフォトレジストパターンを利用して
電極や配線のパターニング、コンタクトホールやスルー
ホールのパターニング、またダマシン法、デュアルダマ
シン法を行なうために溝を形成する場合には、フォトレ
ジストパターンをエッチングマスクに利用して、エッチ
ングを行う。或いは、拡散層の形成やドーピングの場合
には、フォトレジストパターンをイオン遮断マスクに利
用して、フォトレジストパターンから露出した所望の領
域にイオン打ち込みを行う。このようにして、基板に各
種加工が施される。
【0033】本実施形態に用いることのできる現像液に
は、一成分としてアルカリ性水溶液が用いられる。この
アルカリ性水溶液は、重量比でみると、現像液の主成分
となるものであり、公知のものが何ら制限されることな
く使用できる。具体的には、第一級、第二級、第三級ア
ミン類、例えばプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、トリエチルアミン等のアミン類の水溶液や、
炭素、窒素、酸素、硫黄原子の中から選ばれた少なくと
も1種を含む環状塩基、例えば、ピロール、ピロリジ
ン、ピロリドン、ピリジン、モルホリン、ピラジン、ピ
ペリジン、オキサゾール、チアゾールなどがある。
【0034】また、第四級アンモニウム塩基なども使用
できる。具体的には、TMAH、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロ
キシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、
トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒド
ロキシド、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウムヒドロキシド、トリプロピル(2−ヒドロキシエ
チル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチル(1−ヒ
ドロキシプロピル)アンモニウムヒドロキシドなどが挙
げられるが、これらの中ではTMAH、トリメチル(2
−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドが特に
好適に使用できる。また前記現像液を2種類以上組み合
わせても良い。
【0035】アルカリの濃度としては、使用するアルカ
リによって適切な濃度が選ばれるが、一般的に0.1重
量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜5重量%の範
囲で用いられる。濃度がこの範囲の下限より低いと溶出
すべき部分(ポジ型の場合は露光部)が現像液中に充分
に溶出せず、パターン(顕像)が形成されない。また、
この範囲の上限を超えると、溶出すると不都合な部分
(ポジ型の場合は低露光部)まで現像液に溶け出して、
良好なパターンの形成が困難となる。従って、前記範囲
内の濃度とすることにより所望のパターンを良好に形成
することが可能となる。
【0036】そして、本実施形態では特に、上記のよう
なアルカリ性水溶液中に、脂肪酸を添加する。脂肪酸と
は、鎖式モノカルボン酸であり、カルボキシル基を1個
有する鎖式化合物である。
【0037】前記脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽
和脂肪酸が含まれる。具体的には、酪酸、カプロン酸、
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
リグノセリン酸、セロチン酸等の飽和脂肪酸や、トウハ
ク酸、カプロオレイン酸、リンデル酸、ラウロレイン
酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リ
ノレン酸、エレオステアリン酸等の不飽和脂肪酸が挙げ
られる。好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、ア
ラキジン酸、ベヘニン酸、ペトロセリン酸、オレイン
酸、リノール酸、アラキドン酸等が挙げられる。なお、
これらの脂肪酸をそれぞれ単独又は2種以上組み合わせ
て使用しても良い。
【0038】上述したように、本実施形態において、前
記脂肪酸の濃度は、現像液に対して1重量ppm〜50
00重量ppmであるが、好ましくは5重量ppm〜1
000重量ppmである。前記脂肪酸の濃度が1重量p
pmより低い場合には、フォトレジストに対する濡れ性
が不十分となる。一方、5000重量ppmより高い場
合には、泡立ちが大きくなって、この気泡がフォトレジ
スト表面に付着して現像不良を引き起こし易くなる。
【0039】本実施形態に用いられるフォトレジストと
しては、i線、KrF、ArF、F 2 エキシマレーザ
光、又はこれらの波長を含む350nm以下の紫外或い
は真空紫外域の光に対して感度をもつものであれば、ポ
ジ型、ネガ型に関わらず何れにも使用できる。とりわ
け、現像液に可溶な樹脂に保護基を導入した樹脂と光酸
発生剤を含む化学増幅型のポジ型フォトレジストに適用
されると効果が顕著になる。当該現像液に可溶な樹脂と
しては、KrFエキシマレーザでは、ポリヒドロキシス
チレン若しくはその誘導体、スチレン−マレイミド共重
合体若しくはその誘導体、ヒドロキシスチレン−スルフ
ォンの共重合体若しくはその誘導体、ビニルフェノール
−メチルビニルフェノールの共重合体若しくはその誘導
体等が挙げられる。
【0040】ArFエキシマレーザでは、アダマンチル
(メタクリレート)系やイソボルニルメタクリレート系
共重合体若しくはその誘導体、t−ブチルメタクリレー
ト−メタクリル酸−メタクリル酸メチルエステル−ナフ
チルメタクリレートの4元重合体若しくはその誘導体等
が挙げられる。
【0041】また、前記保護基としては、t−ブチルオ
キシカルボニル、t−ブトキシ基、テトラヒドロピラニ
ルエーテル基、トリメチルシリルエーテル基やイソプロ
ピルオキシ基などが挙げられる。
【0042】また、前記光酸発生剤としては、トリフェ
ニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、ハ
ロゲン化イソシアヌレート、ハロゲン化トリアジン、ニ
トロベンジルスルフォン酸エステル、ジアゾナフトキノ
ン−4−スルフォン酸エステル、アルキルスルフォン酸
エステル、ビスアリールスルフォニルジアゾメタン、β
−オキソシクロヘキシルメチル(2−ノルボルニル)ス
ルフォニウムトリフルオロメタンスルフォン酸、シクロ
ヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルフォ
ニウムトリフルオロメタンスルフォン酸等が挙げられ
る。
【0043】また、本実施形態に用いられる現像液を用
いて、i線用の非化学増幅型のポジ型フォトレジストを
現像する場合には、非露光部が溶出するという現象がほ
とんど見られない。そのために、上述した脂肪酸を用い
たとしても、その結果得られたフォトレジストパターン
は、界面活性剤を含む現像液により現像されたフォトレ
ジストパターンと比較しても、明確な差異はみられな
い。
【0044】なお、本発明に用いられる現像液は、本発
明の目的が損なわれない範囲で従来の現像液に使用され
ている公知の添加剤を適宜含有させることができる。例
えば、界面活性剤、湿潤剤、安定剤及び溶解助剤などで
ある。これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合
わせて添加される。
【0045】なお、現像液中に上述した化合物が含まれ
ていることは、液体クロマトグラフィーを用いて化合物
を分離し、質量分析又は赤外吸収スペクトルの測定等に
より、検出することができる。
【0046】現像液とフォトレジストとを接触させ反応
を生ぜしめる方法としては、フォトレジスト層が形成さ
れたシリコンウエハ等の基板を、一定時間当該現像液に
浸漬させた後、純水に浸して乾燥させる浸漬現像法や、
フォトレジスト面上に当該現像液を滴下して、一定時間
静置した後、純水で洗浄して乾燥させるパドル現像法、
フォトレジスト面上に当該現像液をスプレーした後に、
純水で洗浄して乾燥させるスプレー現像法等のなかから
適宜選択して用いられる。
【0047】このように、本実施形態の現像液を用いて
フォトレジストの現像を行なうことにより、KrFエキ
シマレーザであれば、線幅0.14μm程度のゲート電
極の形成や、直径又は一辺が0.14μm程度のホール
の形成を良好に行うことができる。また、ArFエキシ
マレーザであれば、線幅0.11μm程度のゲート電極
の形成や、直径又は一辺が0.11μm程度のホールの
形成を良好に行うことができる。更にF2 エキシマレー
ザを用いれば、線幅0.09μm程度のゲート電極の形
成や、直径又は一辺が0.09μm程度のホールの形成
を良好に行うことができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため
に、いくつかの実施例及び比較例を挙げて説明する。な
お、当然のことながら、本発明はこれらの実施例に何ら
限定されるものではない。
【0049】(実施例1)現像液として、2.38重量
%のTMAH水溶液(株式会社トクヤマ製 商品名SD
−1)に、図2に示すような脂肪酸を添加したものを調
整した。
【0050】最初に、硫酸−過酸化水素(体積比4:
1)で表面を洗浄処理したシリコンウエハを用意し、ホ
ットプレート上にて、200℃で60秒間ベークした。
ベーク後、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を塗布
してウエハ面上を疎水化処理した。そして、このシリコ
ンウエハにKrFエキシマレーザ用の化学増幅型のポジ
型フォトレジスト(東京応化工業株式会社製 商品名D
P−052AC)をスピンナコーターにより塗布した
後、80℃で90秒間プリベークした。プリベーク後の
フォトレジスト膜の膜厚は700nm程度であった。
【0051】露光にはKrFエキシマレーザ縮小投影型
露光装置(キヤノン株式会社製 商品名FPA−300
0EX4)を用いた。断面観察用に、直径0.14μm
程度のホール形成用のコンタクトホールパターンを有す
るレチクルを用いて多数のホールパターンをフォトレジ
スト膜に露光量1000〜1200J/m2 で焼き付け
た。
【0052】同様にして、前記フォトレジスト膜を形成
したシリコンウエハを用意し、接触角測定用パターンと
して、レチクルなしで10mm×10mmの正方形パタ
ーンを露光量100J/m2 にて焼き付けた。露光処理
後、直ちに115℃で90秒間の露光後べ一クを行っ
た。
【0053】このようなコンタクトホールパターンを焼
き付けた試料を5×2種作成して、上述したように、図
2に示す試料1〜5の化合物を添加した5種類の現像液
中にて、液温23℃で1分問浸漬法による現像を行っ
た。その後、純水中でリンス処理し、ウエハを得られた
フォトレジストパターンとともに乾燥した。
【0054】得られたフォトレジストのコンタクトホー
ルパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)写真で観察
し、コンタクトホールパターン形状を評価した。評価基
準は以下の通りである。即ち、図2中で○印は、0.1
4μm径のレジストパターンが形状良好に得られたこと
を示す。即ち図3に示すように、シリコンウェハ11上
のレジストパターン12の上部が比較的平らとなり、全
体的にほぼ一定の孔径をもつ形状のコンタクトホールパ
ターン13が得られた。
【0055】化学増幅型レジストの現像の様子を図4を
用いて模式的に示す。即ち、この場合、使用するフォト
レジストにおいて、現像液に難溶な保護基が光照射処理
及び熱処理によって切断され、水酸基を有する現像液に
易溶な樹脂とされる。
【0056】また、図2に示す各試料においては、液温
23℃で、非露光部の一定時間ごとの膜厚を測定して現
像速度を算出した。
【0057】(実施例2)化学増幅型レジストとして、
東京応化工業株式会社製 商品名TDUR−015を用
い、現像液の添加化合物として図5の試料6,7の化合
物を用いた以外は、実施例1と同様の工程により現像を
行った。その結果、図3に示したものと同様に良好な形
状にコンタクトホールパターンが形成された。
【0058】(比較例)ここで、本発明に係る実施例の
比較例について説明する。現像液として図6に示すよう
な、添加剤なしのTMAH水溶液からなる現像液(試料
1に対応)と、3種の現像液(試料2〜4に対応)を調
整し用意した。それ以外は、全て実施例1と同様にし
て、フォトレジストパターンを形成した。
【0059】その結果、試料1の脂肪酸を添加しなかっ
た現像液で現像されたフォトレジストは図3のように良
好なパターンとなったが、部分的に図7に示すような不
良パターンもみられた。そして、現像速度即ち露光部が
現像液に溶け出す速度は1桁ほど低かった。本発明以外
の界面活性剤を添加した現像液で現像されたレジストパ
ターン14は、図7に示すように、その上部が丸みを帯
びており、従って孔径が一定しないと見做されるコンタ
クトホールパターン15が形成された。図6中でこれに
対応するものに×印を示す。
【0060】以上説明したように、本発明の実施例によ
れば、特に現像速度が0.050nm/秒〜0.100
nm/秒のものについて、良好なレジストパターンが得
られた。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、フォトレジストに対す
る濡れ性に優れ、フォトレジスト表面に現像液が均一に
広がるのみならず、フォトレジストの低露光部(低溶解
部)における溶解速度をより一層抑制でき、微細なパタ
ーンを再現性良く形成することが可能となり、例えば孔
径や幅が0.2μmより小さい良好なフォトレジストの
パターンを再現性よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエキシマレーザ用フ
ォトレジストの現像方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例(実施例1)による評価結果
を示す図である。
【図3】本発明の一実施例により得られたフォトレジス
トのパターンを示す概略断面図である。
【図4】本発明の一実施例によるフォトレジストの現像
の様子を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施例(実施例2)による評価結
果を示す図である。
【図6】本発明に対する比較例による評価結果を示す図
である。
【図7】比較例により得られたフォトレジストのパター
ンを示す概略断面図である。
【符号の説明】
11 シリコンウエハ 12,14 レジストパターン 13,15 コンタクトホールパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ヶ袋2の1の17の 301 (72)発明者 玉井 幸夫 宮城県仙台市太白区松が丘12番12号松が丘 ハイツ26号室 (72)発明者 川田 聡志 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 (72)発明者 塩出 吉宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA25 BA06 BA11 CA14 DA01 EA05 FA01 GA09 GA10 GA13 5F046 LA12 LA14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸を1重量ppm〜5000重量p
    pmの範囲内の濃度で含む現像液を用い、エキシマレー
    ザ光で露光されたフォトレジストを現像することを特徴
    とする現像方法。
  2. 【請求項2】 前記エキシマレーザ光の光源は、KrF
    エキシマレーザ、ArFエキシマレーザ及びF2 エキシ
    マレーザより選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1に記載の現像方法。
  3. 【請求項3】 前記現像液は、非金属アルカリ化合物を
    含む水溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の現像方法。
  4. 【請求項4】 前記フォトレジストは、化学増幅型フォ
    トレジストであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の現像方法。
  5. 【請求項5】 現像速度が0.050nm/秒〜0.1
    00nm/秒であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の現像方法。
  6. 【請求項6】 前記光源としてKrFエキシマレーザを
    用い、前記フォトレジストに一辺又は直径が0.14μ
    m以下の四角形又は円形のホールを形成することを特徴
    とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の現像方法。
  7. 【請求項7】 脂肪酸を1重量ppm〜5000重量p
    pmの範囲内の濃度で含む現像液を用い、エキシマレー
    ザ光で露光された化学増幅型フォトレジストを現像する
    ことを特徴とする現像方法。
  8. 【請求項8】 前記エキシマレーザ光の光源は、KrF
    エキシマレーザ、ArFエキシマレーザ及びF2 エキシ
    マレーザより選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項7に記載の現像方法。
  9. 【請求項9】 前記現像液は、非金属アルカリ化合物を
    含む水溶液であることを特徴とする請求項7又は8に記
    載の現像方法。
  10. 【請求項10】 現像速度が0.050nm/秒〜0.
    100nm/秒であることを特徴とする請求項7〜9の
    いずれか1項に記載の現像方法。
  11. 【請求項11】 前記光源としてKrFエキシマレーザ
    を用い、前記化学増幅型フォトレジストに一辺又は直径
    が0.14μm以下の四角形又は円形のホールを形成す
    ることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記
    載の現像方法。
  12. 【請求項12】 エキシマレーザ光で露光されたフォト
    レジストの現像に用いる現像液であって、 脂肪酸を1重量ppm〜5000重量ppmの範囲内の
    濃度で含むことを特徴とする現像液。
  13. 【請求項13】 エキシマレーザ光で露光された化学増
    幅型フォトレジストの現像に用いる現像液であって、 脂肪酸を1重量ppm〜5000重量ppmの範囲内の
    濃度で含むことを特徴とする現像液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7407739B2 (en) 2002-04-26 2008-08-05 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Resist developer and resist pattern formation method using same

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