JP2000187055A - ガス絶縁機器における部分放電検出装置 - Google Patents

ガス絶縁機器における部分放電検出装置

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JP2000187055A
JP2000187055A JP10366822A JP36682298A JP2000187055A JP 2000187055 A JP2000187055 A JP 2000187055A JP 10366822 A JP10366822 A JP 10366822A JP 36682298 A JP36682298 A JP 36682298A JP 2000187055 A JP2000187055 A JP 2000187055A
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signal
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Takashi Ito
隆史 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分放電の発生位置が移動しているか否かを
判断することができるガス絶縁機器における部分放電検
出装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 絶縁ガスが充填された筒状の金属容器1
8と、金属容器18に収容された導体19とにて成るガ
ス絶縁機器に発生する部分放電を検出する部分放電検出
装置において、部分放電にともない金属容器18を伝播
する機械的振動信号22a、22bを受信する振動検出
器23a、23bを金属容器18の異なる位置に備え、
各振動検出器23a、23bにて部分放電毎に対する機
械的振動信号のそれぞれの検出時刻の時間差を時間差演
算器26にて求め、この各時間差が異なる場合は、部分
放電の発生位置が移動していると、また、各時間差が同
一の場合は、部分放電の発生位置が固定していると判断
する判断部27とを備えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、部分放電の発生
位置が固定しているような場合と、部分放電の発生位置
が移動するような場合とのいずれの場合であるかを判断
することができるガス絶縁機器における部分放電検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガス絶縁機器における部分放電検
出装置の部分放電を検出するには様々なものが用いられ
ていた。そして、その中には部分放電の発生位置を検出
するものなどがある。
【0003】図8は例えば特開昭62−194473号
公報に示された従来のガス絶縁機器における部分放電検
出装置の構成を示す図である。図において、1は絶縁性
ガスが充填された金属容器、2は金属容器1内に収めら
れ、高電圧が印加され大電流が流れる金属の導体、3
a、3b、3cは導体2を支持し、かつ、金属容器1を
機械的に連結するために用いられる絶縁物スペーサ、4
はガス絶縁機器内部で発生する部分放電、5a、5bは
部分放電4の発生にともない金属容器1に伝播される信
号としての機械的振動信号を検出するための振動検出器
である。
【0004】6は導体2に印加されている商用周波数の
電圧波形と部分放電によって生じる電磁波信号とを検出
するための電気式センサ、7a、7bは各振動検出器5
a、5bに接続され、これらの各信号を増幅するための
信号増幅器、8a、8bはこれら信号増幅器7a、7b
に接続され、これらの各信号を課電電圧周波数の複数の
周期にわたって平均化するための演算器である。
【0005】9は電気式センサ6および各演算器8a、
8bにそれぞれ接続され、各演算器8a、8bの平均化
演算のための同期信号となる課電電圧波形を電気式セン
サ6から抽出するための分波器、10は各演算器8a、
8bに接続され、これらの各信号を順に追って出力する
ための切換器、11は分波器9に接続され、これからの
高周波電気信号を複数の周期にわたって平均化するため
の演算器、12は切換器10および演算器11に接続さ
れ、各振動検出器5a、5bからの信号と電気式センサ
6からの信号とを比較するための比較器、13は比較器
12に接続され、この比較により部分放電発生位置を判
定する判定器である。
【0006】次いで、上記のように構成された従来のガ
ス絶縁機器における部分放電検出装置の動作について説
明する。まず、各演算器8a、8bにて行われている平
均化処理について図9を用いて説明する。図において、
14は電気式センサ6により検出される課電電圧波形、
15、16は各振動検出器5a、5bによって検出され
る部分放電による振動波形で、15は課電電圧の1周期
目に検出された振動波形、16は課電電圧の2周期目に
検出された振動波形を示している。
【0007】17は課電電圧周期の複数周期にわたって
振動波形15、16を積算して得られた平均化波形であ
る。この平均化波形17が、振動波形15、16のよう
な細かい振動を含んでいないのは、多数回の累積演算に
よって波形が平均化されたためである。
【0008】このように平均化演算を行うので、部分放
電のような課電電圧周波数に同期するような信号は強調
され、課電電圧周波数に同期しないノイズ信号のレベル
は相対的に小さくなる。そして、電気式センサ6の出力
に含まれる部分放電による高周波電気信号は、分波器9
によって抽出され、演算器11に送られる。そして演算
器11では、上記振動波形に対して行われたような平均
化処理が、電気式センサ6が検出する高周波電気信号に
対して行われ、振動波形と同様に平均化によるノイズの
低減化効果が得られる。
【0009】そして、電気式センサ6により検出された
高周波電気信号は、比較器12に送られ、振動検出器5
a、5bによって検出された振動波形と比較される。こ
の電気式センサ6にて検出された高周波電気信号は、部
分放電の発生源から光速に近い速度でガス絶縁開閉機器
の金属容器1の内部を伝播して電気式センサ6に到達す
るのに対して、振動波は光速より5桁程度も遅い速度で
各振動検出器5a、5bに到達する。
【0010】このことに着目すると、部分放電による高
周波電気信号が、電気式センサ6へ到達する時間は、部
分放電による振動波が各振動検出器5a、5bに到達す
る時間に比べて、無視できるほどの短い時間と考えるこ
とができる。よって、判定器13では、電気式センサ6
により検出された高周波電気信号の発生点を時間的な基
準として、それぞれの振動検出器5a、5bで検出した
振動波の時間遅れと振動波の信号レベルを演算して、部
分放電発生源の各振動検出器5a、5bからの距離を同
定し、部分放電の発生位置の標定が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のガス絶縁機器に
おける部分放電検出装置では、課電電圧周波数を同期信
号として、各振動検出器5a、5bの出力信号を平均化
することで、ノイズによる影響を低減して、部分放電の
検出感度の向上を図っている。この方法は例えば、ガス
絶縁機器の導体2の金属突起物など、位置が移動しない
ような場合における部分放電のように、課電電圧に同期
して発生するものに対しては有効である。
【0012】しかしながら、この方法は、例えばガス絶
縁機器の金属容器1内を移動するような金属異物による
部分放電のように、課電電圧に同期しない部分放電の検
出に使用することができない欠点がある。その理由とし
ては、ガス絶縁機器の内部の高電圧の導体2のつくる電
磁力の影響を受けて、金属異物がガス絶縁機器の金属容
器1の内部を跳ね回るような機械的な挙動を行う場合、
金属異物が金属容器1と接触する際に部分放電が生じる
ものであり、部分放電の発生タイミングが、この金属異
物の挙動に左右されるため、課電電圧の周期と同期しな
いからである。
【0013】このような場合、課電電圧周波数を同期信
号として、各振動検出器5a、5bの出力信号を平均化
しても、図9の平均化波形17に示すような波形を得る
ことはできず、部分放電の検出感度が低下する。また、
他の様々な従来のガス絶縁機器における部分放電検出装
置においても、部分放電の発生位置が固定されている場
合と、部分放電位置の発生位置が移動するような場合と
の区別ができないまま判定を行い検出感度が低下すると
いう問題点があった。
【0014】この発明は上記のような問題点を解消する
ためなされたもので、ガス絶縁機器に発生する部分放電
の発生位置が移動するような場合と、部分放電の発生位
置が固定されているような場合との区別をすることがで
きるガス絶縁機器における部分放電検出装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
のガス絶縁機器における部分放電検出装置は、絶縁ガス
が充填された筒状の容器と、容器内部に収容された導体
とにて成るガス絶縁機器に発生する部分放電を検出する
部分放電検出装置において、部分放電にともない容器を
伝播する信号を受信する検出部を容器の異なる位置に複
数個備え、各検出部にて部分放電毎に対する信号のそれ
ぞれの検出時刻の時間差をそれぞれ求め、この各時間差
が異なる場合は、部分放電の発生位置が移動している
と、また、各時間差が同一の場合は、部分放電の発生位
置が固定していると判断する判断部とを備えたものであ
る。
【0016】また、この発明に係る請求項2のガス絶縁
機器における部分放電検出装置は、絶縁ガスが充填され
た筒状の容器と、容器内部に収容された導体とにて成る
ガス絶縁機器に発生する部分放電を検出する部分放電検
出装置において、部分放電にともない容器を伝播する信
号を受信する検出部を容器に異なる位置に複数個備え、
各検出部にて部分放電毎に対する信号のそれぞれの信号
レベルの比率をそれぞれ求め、この各比率が異なる場合
は、部分放電の発生位置が移動していると、また、各比
率が同一の場合は、部分放電の発生位置が固定している
と判断する判断部とを備えたものである。
【0017】また、この発明に係る請求項3のガス絶縁
機器における部分放電検出装置は、請求項1または請求
項2において、検出部が、部分放電にともない容器を伝
播する機械的振動信号を受信する振動検出部にて成るも
のである。
【0018】また、この発明に係る請求項4のガス絶縁
機器における部分放電検出装置は、請求項1または請求
項2において、検出部が、部分放電にともない容器を伝
播する電磁波信号を受信する電気式センサ部にて成るも
のである。
【0019】また、この発明に係る請求項5のガス絶縁
機器における部分放電検出装置は、請求項1において、
検出部を、部分放電にともない容器を伝播する電磁波信
号を受信する電気式センサ部と、部分放電にともない容
器を伝播する機械的振動信号を受信する振動検出部とに
て構成し、判断部では、電気式センサ部にて検出した電
磁波信号を部分放電の発生時刻として、振動検出部にて
検出する機械的振動信号までの時刻との差を時間差とし
て判断するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の
形態1のガス絶縁機器における部分放電検出装置を示す
図である。図において、18は絶縁性ガスが充填された
金属容器、19は金属容器18内に収められ、高電圧が
印加され大電流が流れる金属の導体、20a、20bは
導体19を支持し、かつ、金属容器18を機械的に連結
するために用いられる絶縁物スペーサである。
【0021】21はガス絶縁機器内部で発生する部分放
電の発生箇所となる金属異物で、金属容器18内を移動
しながら部分放電を発生するものである。22a、22
bは金属異物21による部分放電の発生にともない金属
容器18に伝播される信号としての機械的振動信号、2
3a、23bは金属容器18の異なる位置に配設され、
各機械的振動信号22a、22bをそれぞれ検出するた
めの振動検出器、24a、24bは各振動検出器22
a、22bに接続され、これらからの各信号を増幅する
ための信号増幅器である。
【0022】25a、25bは各振動検出器22a、2
2bの出力信号を各信号増幅器24a、24bに伝送す
るためのケーブルで、各ケーブル25a、25bの長さ
は等しくなるように作成されている(尚、各ケーブル2
5a、25bの長さが異なる場合には、そのことを考慮
にいれ後述する時間差演算器にて演算すればよい)。2
6は各信号増幅器24a、24bに接続され、各振動検
出器23a、23bで検出された振動波形の時間差を演
算するための時間差演算器である。
【0023】27はこの時間差演算器26に接続された
判断部で、部分放電毎の各振動検出器23a、23bの
各時間差を比較し、部分放電毎に時間差が異なる場合
は、部分放電の発生位置が移動していると、また、部分
放電毎に時間差が同一の場合は、部分放電の発生位置が
固定していると判断する。
【0024】次に上記のように構成された実施の形態1
のガス絶縁機器における部分放電検出装置の動作につい
て説明する。まず、金属異物21により部分放電が発生
したとする。すると、この部分放電にともない機械的振
動信号22a、22bが金属容器18を伝播する。そし
て、この機械的振動信号22a、22bは振動検出器2
3a、23bにてそれぞれ検出される。
【0025】部分放電の発生位置から各振動検出器23
a、23bに機械的振動信号22a、22bがそれぞれ
到達する時間は、部分放電の発生位置と振動検出器23
a、23bの配設位置との距離と、機械的振動信号22
a、22bの伝播速度とで決定される。この際の、機械
的振動信号22a、22bの伝播速度は金属容器18に
おいて一様である。
【0026】次に、これらの信号を信号増幅器24a、
24bにて増幅して、例えば図2に示すような振動波形
28、29が得られる。そして、部分放電検出時刻の時
間差Δtを時間差演算器26にて求める。このようにし
て時間差Δtを部分放電毎に求め、判断部27に入力す
る。次に判断部27では各時間差Δtが異なる場合に
は、部分放電の発生位置が移動していると判断し、金属
異物21などの原因による部分放電と判断する。また、
各時間差Δtが同一の場合には、部分放電の発生位置が
固定していると判断し、金属異物21でなく、例えば、
導体19の金属突起物などの原因による部分放電と判断
する。
【0027】以上のように判断して、部分放電の発生位
置が固定していると判断された場合には、従来のように
部分放電の発生位置の検出を行うようにすればよく、部
分放電の発生位置を正確に検出することができる。
【0028】上記のように構成された実施の形態1のガ
ス絶縁機器における部分放電検出装置は、部分放電の発
生位置が移動している場合か、固定している場合かを判
断することができるため、移動していると判断された場
合には、金属異物21による部分放電あると判断でき
る。また、固定していると判断された場合、従来と同様
に部分放電の発生位置の検出を行えば、部分放電の発生
位置を精度よく検出することができる。
【0029】実施の形態2.上記実施の形態1では部分
放電にともない容器を伝播する信号として、機械的振動
信号を受信して検出するものを示したが、これに限られ
ることはなく、例えば、部分放電にともない容器を伝播
する信号として、電磁波信号を受信して検出するように
してもよく、その場合について図3を用いて以下に説明
する。
【0030】図3はこの発明の実施の形態2におけるガ
ス絶縁機器における部分放電検出装置の構成を示した図
である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は
同一符号を付して説明を省略する。20cは導体19を
支持し、かつ金属容器18を機械的に連結するために用
いられる絶縁物スペーサ、30a、30bは金属異物2
1による部分放電の発生にともない金属容器18に伝播
される信号としての電磁波信号である。
【0031】31a、31bは金属容器18の異なる位
置に配設され、各電磁波信号30a、30bをそれぞれ
検出するための電気式センサ部で、金属容器18内部に
設置されている内部電極にて検出するものである。32
a、32bは各電気式センサ部31a、31bに接続さ
れ、これらからの各信号を増幅するための信号増幅器、
33a、33bは各電気式センサ部31a、31bの出
力信号を各信号増幅器32a、32bに伝送するための
ケーブル、34は各信号増幅器32a、32bに接続さ
れ、各電気式センサ部31a、31bので検出された電
磁波信号の時間差を演算するための時間差演算器であ
る。
【0032】次に上記のように構成された実施の形態2
のガス絶縁機器における部分放電検出装置の動作につい
て説明する。部分放電の発生にともなう電磁波信号30
a、3bを検出し、これらの各時間差を部分放電毎に求
め、判断部27により上記実施の形態1と同様の判断を
行うものである。
【0033】この実施の形態2においては、部分放電に
ともない容器を伝播する信号として、電磁波信号を用い
るようにしているため、機械的振動信号と比較して、伝
播距離による減衰の程度が低くなる。よって、金属容器
18に配設する電気式センサ部31a、31bの間隔が
広くとも、部分放電の発生位置に左右されることなく確
実に検出することができるため、機械的振動信号を検出
する場合と比較して、電気式センサ部31a、31bの
数を低減することができる。
【0034】上記実施の形態2において、電磁波検出部
31a、31bとして、金属容器18内部に設置されて
いる内部電極にて検出するものにて説明したが、これに
限られることはなく、電磁波信号を検出することができ
るものであればどのような検出器でもよく、例えば、図
4に示したように、絶縁物スペーサ20a、20cの近
傍にて、電磁波信号を検出するアンテナにて成る電気式
センサ部31c、31dを配設するようにしてもよく、
上記実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
【0035】実施の形態3.上記各実施の形態は部分放
電にともない容器を伝播する信号として同一の信号を用
いて時間差を求める例を示したが、これに限られること
はなく、例えば、部分放電にともない容器を伝播する信
号として、機械的振動信号と電磁波信号とを組み合わせ
て行うことができる。この場合について図5を用いて以
下に説明する。
【0036】図5はこの発明の実施の形態3におけるガ
ス絶縁機器における部分放電検出装置の構成を示した図
である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は
同一符号を付して説明を省略する。22は金属異物21
による部分放電の発生にともない金属容器18に伝播さ
れる信号としての機械的振動信号、30は金属異物21
による部分放電の発生にともない金属容器18に伝播さ
れる信号としての電磁波信号である。
【0037】23、31は金属容器18の異なる位置に
配設され、機械的振動信号23または電磁波信号30を
それぞれ検出するための振動検出器および電気式センサ
部、24は振動検出器23に接続され、これからの信号
を増幅するための信号増幅器、35は電気式センサ部3
1の出力信号により部分放電の発生時刻を検出するため
の例えばトリガ回路にて成る発生時刻検出器、36は信
号増幅器24および発生時刻検出部35に接続され、電
気式センサ部31で検出された部分放電の発生時刻から
の振動検出器23で機械的振動信号が検出されるまでの
時間差を演算するための例えばタイマにて成る時間差演
算器である。
【0038】次に上記のように構成された実施の形態3
のガス絶縁機器における部分放電検出装置の動作につい
て説明する。まず、部分放電の発生にともなう電磁波信
号30の伝播速度は、機械的振動信号22の伝播速度に
比べると、5桁以上速い。よってここでは、電気式セン
サ部31にて検出される部分放電にともなう電磁波信号
30の時刻を、部分放電の発生時刻として、振動検出器
23にて検出される部分放電にともなう機械的振動信号
22の時刻までの時間差を求める。
【0039】次に、この時間差を部分放電毎に求め、判
断部27により上記各実施の形態と同様に判断を行うも
のである。また、このようにして求められた時間差と、
金属容器18にともなう機械的振動信号22の伝播速度
との積をとれば、振動検出器23から部分放電の発生位
置までの距離を標定することができる。
【0040】実施の形態4.上記各実施の形態において
は部分放電にともない容器を伝播する信号の各検出部に
おける時間差により、部分放電の発生位置が移動してい
るか、固定しているかの判断をするようにしていたが、
これに限られることはなく、各検出部にて部分放電毎に
対する信号のそれぞれの信号レベルの比率をそれぞれ求
め、この各比率が異なる場合は、部分放電の発生位置が
移動していると、また、各比率が同一の場合は、部分放
電の発生位置が固定していると判断するようにしてもよ
い。
【0041】図6は実施の形態4におけるガス絶縁機器
における部分放電検出装置の構成を示す図である。図に
おいて、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付
して説明を省略する。37は各信号増幅器32a、32
bに接続され、各電気式センサ部23a、23bにて検
出された信号レベルの比率を求める信号レベル比較器、
38はこの信号レベル比較器37に接続され、部分放電
毎の各比率が異なる場合は、部分放電の発生位置が移動
していると、また、各比率が同一の場合は、部分放電の
発生位置が固定していると判断する判断部である。
【0042】次に上記のように構成された実施の形態4
のガス絶縁機器における部分放電検出装置の動作につい
て説明する。まず、上記実施の形態2と同様に、部分放
電にともなう電磁波信号30a、30bを各電気式セン
サ部23a、23bにて検出する。そして、各信号増幅
器32a、32bにて増幅して、信号レベル比較器37
にて信号レベルの比率を求める。
【0043】ここでは、電気式センサ部23bにて検出
された信号レベルを、電気式センサ部23aにて検出さ
れた信号レベルで除した値とする。そして、部分放電毎
の各比率を判断部38に入力する。そして、各比率が異
なる場合は、部分放電の発生位置が移動していると、ま
た、各比率が同一の場合には、部分放電の発生位置が固
定していると判断部38にて判断する。
【0044】信号レベルの比率は、図7に示すように、
最初の部分放電の際の値をrとすると、金属異物21が
電気式センサ部23a側に移動すると大きくなり、金属
異物21が電気式センサ部23b側に移動すると小さく
なる。これは例えば、金属異物21が電磁波検出部23
aの方向に移動し、部分放電の発生位置が電磁波検出部
23aの方向に移動した場合、電磁波検出部23aにて
検出される信号レベルは上がり、逆に、電磁波検出部2
3bにて検出される信号レベルは下がる。
【0045】これは、部分放電の発生位置と電磁波検出
部23aの距離が短くなることで、部分放電により生じ
る電磁波信号の距離による伝播減衰が小さくなり、逆
に、電磁波検出部23bでは部分放電の発生位置から遠
ざかることから、伝播減衰が大きくなるためである。
【0046】各電気式センサ部23a、23bの信号レ
ベルの比率を用いる理由としては、部分放電毎の放電レ
ベルが一定でないため、単に1つの電気式センサ部23
aの増減を比較しても正確な結果を得ることができない
ためである。そこで、各電気式センサ部23a、23b
の信号レベルの比率をとり、これらの増減により評価す
るようにした。
【0047】上記実施の形態4のガス絶縁機器における
部分放電検出装置は信号レベル比率にて、部分放電の発
生位置が移動している場合か、固定している場合かを判
断することができるため、移動していると判断した場合
には、金属異物21による部分放電であると判断でき
る。また、固定していると判断された場合、従来のよう
な部分放電の発生位置の検出を行えば、部分放電の発生
位置を精度よく検出することができる。
【0048】尚、上記実施の形態4では、部分放電にと
もない容器を伝播する信号として電磁波信号を用いて信
号レベルの比率を検出する例を示したが、これに限られ
ることはなく、例えば、部分放電にともない容器を伝播
する信号として機械的振動信号を用いて信号レベルの比
率を検出するようにし、同様の判断を行うようにしても
同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0049】また、上記各実施の形態では、信号の時間
差にて判断するものと、信号レベルの比率にて判断する
ものとについて説明したが、両方の判断を組み合わせて
行うようにすれば、さらに高精度な判断を行うことがで
きる。
【0050】また、上記各実施の形態においては、部分
放電にともない容器を伝播する信号として、機械的振動
信号および電磁波信号を用いる例を示したが、これに限
られることはなく、これら各信号と同様に、時間差また
は信号レベルの比率などを得ることができるものであれ
ば、どのような信号でも上記各実施の形態と同様に行う
ことができることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、絶縁ガスが充填された筒状の容器と、容器内部に
収容された導体とにて成るガス絶縁機器に発生する部分
放電を検出する部分放電検出装置において、部分放電に
ともない容器を伝播する信号を受信する検出部を容器の
異なる位置に複数個備え、各検出部にて部分放電毎に対
する信号のそれぞれの検出時刻の時間差をそれぞれ求
め、この各時間差が異なる場合は、部分放電の発生位置
が移動していると、また、各時間差が同一の場合は、部
分放電の発生位置が固定していると判断する判断部とを
備えたので、部分放電の発生位置が移動している場合
か、固定している場合かを判断することができるガス絶
縁機器における部分放電検出装置を提供することが可能
となる。
【0052】また、この発明の請求項2によれば、絶縁
ガスが充填された筒状の容器と、容器内部に収容された
導体とにて成るガス絶縁機器に発生する部分放電を検出
する部分放電検出装置において、部分放電にともない容
器を伝播する信号を受信する検出部を容器に異なる位置
に複数個備え、各検出部にて部分放電毎に対する信号の
それぞれの信号レベルの比率をそれぞれ求め、この各比
率が異なる場合は、部分放電の発生位置が移動している
と、また、各比率が同一の場合は、部分放電の発生位置
が固定していると判断する判断部とを備えたので、部分
放電の発生位置が移動している場合か、固定している場
合かを判断することができるガス絶縁機器における部分
放電検出装置を提供することが可能となる。
【0053】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1または請求項2において、検出部が、部分放電にと
もない容器を伝播する機械的振動信号を受信する振動検
出部にて成るので、部分放電の発生位置が移動している
場合か、固定している場合かを容易に判断することがで
きるガス絶縁機器における部分放電検出装置を提供する
ことが可能となる。
【0054】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1または請求項2において、検出部が、部分放電にと
もない容器を伝播する電磁波信号を受信する電気式セン
サ部にて成るので、部分放電の発生位置が移動している
場合か、固定している場合かを、少ない電気式センサ部
にて判断することができるガス絶縁機器における部分放
電検出装置を提供することが可能となる。
【0055】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1において、検出部を、部分放電にともない容器を伝
播する電磁波信号を受信する電気式センサ部と、部分放
電にともない容器を伝播する機械的振動信号を受信する
振動検出部とにて構成し、判断部では、電気式センサ部
にて検出した電磁波信号を部分放電の発生時刻として、
振動検出部にて検出する機械的振動信号までの時刻との
差を時間差として判断するので、部分放電の発生位置が
移動している場合か、固定している場合かを、精度よく
判断することができるガス絶縁機器における部分放電検
出装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるガス絶縁機器
における部分放電検出装置の構成を示す図である。
【図2】 図1に示したガス絶縁機器における部分放電
検出装置の各振動検出器にて検出された振動波形を示す
図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるガス絶縁機器
における部分放電検出装置の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2によるガス絶縁機器
における部分放電検出装置の構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3によるガス絶縁機器
における部分放電検出装置の構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3によるガス絶縁機器
における部分放電検出装置の構成を示す図である。
【図7】 図6に示したガス絶縁機器における部分放電
検出装置のか口伝岸器センサ部の信号レベル比率の変化
を示した図である。
【図8】 従来のガス絶縁機器における部分放電検出装
置の構成を示す図である。
【図9】 図8に示したガス絶縁機器における部分放電
検出装置の各検出器における検出波形を示した図であ
る。
【符号の説明】
18 金属容器、19 導体、21 金属異物、22
a,22b,22 機械的振動信号、23a,23b,
23 振動検出器、26,34,36 時間差演算器、
27,38 判断部、28,29 振動波形、30a,
30b,30 電磁波信号、31a,31b,31c,
31d,31 電気式センサ部、35 発生時刻検出
器、37 信号レベル比較器。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ガスが充填された筒状の容器と、上
    記容器内部に収容された導体とにて成るガス絶縁機器に
    発生する部分放電を検出する部分放電検出装置におい
    て、上記部分放電にともない上記容器を伝播する信号を
    受信する検出部を上記容器の異なる位置に複数個備え、
    上記各検出部にて上記部分放電毎に対する信号のそれぞ
    れの検出時刻の時間差をそれぞれ求め、この各時間差が
    異なる場合は、上記部分放電の発生位置が移動している
    と、また、上記各時間差が同一の場合は、上記部分放電
    の発生位置が固定していると判断する判断部とを備えた
    ことを特徴とするガス絶縁機器における部分放電検出装
    置。
  2. 【請求項2】 絶縁ガスが充填された筒状の容器と、上
    記容器内部に収容された導体とにて成るガス絶縁機器に
    発生する部分放電を検出する部分放電検出装置におい
    て、上記部分放電にともない上記容器を伝播する信号を
    受信する検出部を上記容器に異なる位置に複数個備え、
    上記各検出部にて上記部分放電毎に対する信号のそれぞ
    れの信号レベルの比率をそれぞれ求め、この各比率が異
    なる場合は、上記部分放電の発生位置が移動している
    と、また、上記各比率が同一の場合は、上記部分放電の
    発生位置が固定していると判断する判断部とを備えたこ
    とを特徴とするガス絶縁機器における部分放電検出装
    置。
  3. 【請求項3】 検出部が、部分放電にともない容器を伝
    播する機械的振動信号を受信する振動検出部にて成るこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス絶
    縁機器における部分放電検出装置。
  4. 【請求項4】 検出部が、部分放電にともない容器を伝
    播する電磁波信号を受信する電気式センサ部にて成るこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス絶
    縁機器における部分放電検出装置。
  5. 【請求項5】 検出部を、部分放電にともない容器を伝
    播する電磁波信号を受信する電気式センサ部と、部分放
    電にともない容器を伝播する機械的振動信号を受信する
    振動検出部とにて構成し、判断部では、上記電気式セン
    サ部にて検出した電磁波信号を上記部分放電の発生時刻
    として、上記振動検出部にて検出する機械的振動信号ま
    での時刻との差を時間差として判断することを特徴とす
    る請求項1に記載のガス絶縁機器における部分放電検出
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014106414A1 (zh) * 2013-01-07 2014-07-10 国家电网公司 局部放电源的定位方法和局部放电源的定位系统
CN113092958A (zh) * 2021-03-18 2021-07-09 武汉大学 一种气体放电综合实验平台

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