JP2000186579A - 排気ブレーキ装置とその製造方法 - Google Patents
排気ブレーキ装置とその製造方法Info
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- JP2000186579A JP2000186579A JP10363892A JP36389298A JP2000186579A JP 2000186579 A JP2000186579 A JP 2000186579A JP 10363892 A JP10363892 A JP 10363892A JP 36389298 A JP36389298 A JP 36389298A JP 2000186579 A JP2000186579 A JP 2000186579A
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- valve
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D9/00—Controlling engines by throttling air or fuel-and-air induction conduits or exhaust conduits
- F02D9/08—Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits
- F02D9/10—Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits having pivotally-mounted flaps
- F02D9/107—Manufacturing or mounting details
Landscapes
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 排気ブレーキ装置の弁軸と、軸受との耐食性
と耐摩耗性の向上を図るとともに、該弁軸と軸受との間
の摩擦を低減させる。 【解決手段】 エンジンの排気管中に設けられ、その排
気ガス通路2の一部を形成するバルブ本体3と、該バル
ブ本体3の内部に配設され、前記排気ガス通路2を開閉
する弁体4を取り付けた弁軸5と、該弁軸5を回動自在
に支持するため、前記バルブ本体3に設けられた軸受
6,7とを備える排気ブレーキ装置1であり、前記弁軸
5の表面全体と、前記軸受6,7の軸受け穴の内面を含
む表面全体とに、高温塩浴拡散処理法による、Cr,
B,V,Nbなどの元素を拡散浸透させ、それらの炭化
物、ほう化物、酸化物などの無機質からなる硬化層を形
成させる。
と耐摩耗性の向上を図るとともに、該弁軸と軸受との間
の摩擦を低減させる。 【解決手段】 エンジンの排気管中に設けられ、その排
気ガス通路2の一部を形成するバルブ本体3と、該バル
ブ本体3の内部に配設され、前記排気ガス通路2を開閉
する弁体4を取り付けた弁軸5と、該弁軸5を回動自在
に支持するため、前記バルブ本体3に設けられた軸受
6,7とを備える排気ブレーキ装置1であり、前記弁軸
5の表面全体と、前記軸受6,7の軸受け穴の内面を含
む表面全体とに、高温塩浴拡散処理法による、Cr,
B,V,Nbなどの元素を拡散浸透させ、それらの炭化
物、ほう化物、酸化物などの無機質からなる硬化層を形
成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車を含む車両
などのエンジンから排出される排気ガスの排気流路中に
配置される排気ブレーキ装置とその製造方法に関し、特
に、その弁軸および軸受の耐摩耗性、耐食性、耐熱性を
向上させる装置とその製造方法に関する。
などのエンジンから排出される排気ガスの排気流路中に
配置される排気ブレーキ装置とその製造方法に関し、特
に、その弁軸および軸受の耐摩耗性、耐食性、耐熱性を
向上させる装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】排気ブレーキ装置は主としてトラックや
バスなどに装備され、エンジンの排気管の途中に配設さ
れた排気バルブを閉弁して排気ガス圧を上昇させ、長い
降坂路などにおいて、車両に効果的な制動を行うように
したものである。
バスなどに装備され、エンジンの排気管の途中に配設さ
れた排気バルブを閉弁して排気ガス圧を上昇させ、長い
降坂路などにおいて、車両に効果的な制動を行うように
したものである。
【0003】従来、この種の排気ブレーキ装置は、前記
エンジンの排気管中に設けられ、その排気ガス通路の一
部を形成するバルブ本体と、該バルブ本体の内部に配設
され、前記排気ガス通路を開閉する弁体を取り付けた弁
軸と、該弁軸を回動自在に支持するため、前記バルブ本
体に設けられた軸受とを備え、該弁軸の一方の端に固着
されたレバーを回動して、前記弁体を開閉させるもので
ある。
エンジンの排気管中に設けられ、その排気ガス通路の一
部を形成するバルブ本体と、該バルブ本体の内部に配設
され、前記排気ガス通路を開閉する弁体を取り付けた弁
軸と、該弁軸を回動自在に支持するため、前記バルブ本
体に設けられた軸受とを備え、該弁軸の一方の端に固着
されたレバーを回動して、前記弁体を開閉させるもので
ある。
【0004】なお、前記排気ブレーキ装置は、排気ブレ
ーキ作動時、すなわち前記弁体の閉弁時、該弁体にて前
記排気ガス通路を完全に閉塞してしまうと、排気ガス圧
が過大な負荷としてエンジンに作用して、エンジンスト
ップを招来する。従って、該排気ガス通路を完全に閉塞
状態にすることなく、前記弁体と排気ガス通路の周面と
の間に僅かな隙間を設けたり、または該弁体に穴をあけ
たりしている。
ーキ作動時、すなわち前記弁体の閉弁時、該弁体にて前
記排気ガス通路を完全に閉塞してしまうと、排気ガス圧
が過大な負荷としてエンジンに作用して、エンジンスト
ップを招来する。従って、該排気ガス通路を完全に閉塞
状態にすることなく、前記弁体と排気ガス通路の周面と
の間に僅かな隙間を設けたり、または該弁体に穴をあけ
たりしている。
【0005】ところで、排気ブレーキ装置は、前記排気
ガス通路を高温の排気ガスが通過するため、前記弁体、
弁軸、軸受が高温(通常で約650℃、最高温度約81
0℃)に曝される。そのため、該弁体および弁軸には、
耐熱性材料、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(SU
S304)などが用いられる。また、前記軸受には、アルミ
青銅系合金材が用いられていたが、この材料は高温下で
の硬さの低下が顕著であり、耐摩耗性に問題があるなど
の点から、最近では、例えば耐熱鋼のマルテンサイト系
ステンレス鋼(SUH3)などが用いられている。
ガス通路を高温の排気ガスが通過するため、前記弁体、
弁軸、軸受が高温(通常で約650℃、最高温度約81
0℃)に曝される。そのため、該弁体および弁軸には、
耐熱性材料、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(SU
S304)などが用いられる。また、前記軸受には、アルミ
青銅系合金材が用いられていたが、この材料は高温下で
の硬さの低下が顕著であり、耐摩耗性に問題があるなど
の点から、最近では、例えば耐熱鋼のマルテンサイト系
ステンレス鋼(SUH3)などが用いられている。
【0006】これは、また、エンジンの停止期間中に生
じる結露などにより、前記弁軸および軸受の表面に赤錆
が生じ、腐食が進行して、該弁軸と軸受との隙間に赤錆
が詰まり、前記弁体が円滑に回動され難くなるという問
題点があったため、前記耐食性の高い各種のステンレス
鋼が採用されていた。しかし、前記弁軸と軸受とを同系
のステンレス鋼にすると、それらが互いに摺動する際、
その摺動面の微小突起および金属摩耗粉による金属凝着
が発生し、両者の間において凝着摩擦が発生することが
多かった。
じる結露などにより、前記弁軸および軸受の表面に赤錆
が生じ、腐食が進行して、該弁軸と軸受との隙間に赤錆
が詰まり、前記弁体が円滑に回動され難くなるという問
題点があったため、前記耐食性の高い各種のステンレス
鋼が採用されていた。しかし、前記弁軸と軸受とを同系
のステンレス鋼にすると、それらが互いに摺動する際、
その摺動面の微小突起および金属摩耗粉による金属凝着
が発生し、両者の間において凝着摩擦が発生することが
多かった。
【0007】そのひとつの対策として、実開平6ー40327
号公報に開示されているように、弁軸の外周面に塩浴窒
化処理による硬化層を形成することにより、弁軸、軸受
間の凝着摩耗の発生を防止するようしていた。しかし、
この技術は、処理浴に、シアン系の浴材が使用されるた
め、安全面から取扱いに慎重を要した。本出願人は、さ
らに対策として特願平9ー306687号を提供した。この技術
は、前記弁軸と軸受のいずれか一方、若しくはその両者
の表面全体に、ガス軟窒化処理により硬化層を形成する
ことにより、前記凝着摩耗の発生を防止してきた。
号公報に開示されているように、弁軸の外周面に塩浴窒
化処理による硬化層を形成することにより、弁軸、軸受
間の凝着摩耗の発生を防止するようしていた。しかし、
この技術は、処理浴に、シアン系の浴材が使用されるた
め、安全面から取扱いに慎重を要した。本出願人は、さ
らに対策として特願平9ー306687号を提供した。この技術
は、前記弁軸と軸受のいずれか一方、若しくはその両者
の表面全体に、ガス軟窒化処理により硬化層を形成する
ことにより、前記凝着摩耗の発生を防止してきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面に
ガス軟窒化処理により形成された硬化層で、被覆された
前記弁軸および軸受は、その処理前に比べて耐食性が著
しく低下し、塩水噴霧試験(日本工業規格JIS Z 2371に
よる試験方法)にて、30時間以下で赤錆が顕著に発生
してしまうという問題点があった。これに対し、処理前
のものは、約200時間においても、赤錆の発生は認め
られなかった。
ガス軟窒化処理により形成された硬化層で、被覆された
前記弁軸および軸受は、その処理前に比べて耐食性が著
しく低下し、塩水噴霧試験(日本工業規格JIS Z 2371に
よる試験方法)にて、30時間以下で赤錆が顕著に発生
してしまうという問題点があった。これに対し、処理前
のものは、約200時間においても、赤錆の発生は認め
られなかった。
【0009】同時に、前記ガス軟窒化処理により形成さ
れる硬化層は、高温域(例えば500℃以上)で酸化劣
化が著しく、その硬さが、数時間で基材と同程度の硬さ
まで低下するという問題点があった。そのため、その状
態で前記弁軸と軸受とが互いに摺動すると、摺動面の微
小突起および金属摩耗粉による金属凝着が発生し、両者
の間において凝着摩擦が発生する。このような状態で
は、前記弁軸と軸受との摺動面に焼き付けが生じたり、
かじりなどが発生し、前記弁体が円滑に回動し難くなる
のはもとより、回動不能に陥る場合もあり得た。
れる硬化層は、高温域(例えば500℃以上)で酸化劣
化が著しく、その硬さが、数時間で基材と同程度の硬さ
まで低下するという問題点があった。そのため、その状
態で前記弁軸と軸受とが互いに摺動すると、摺動面の微
小突起および金属摩耗粉による金属凝着が発生し、両者
の間において凝着摩擦が発生する。このような状態で
は、前記弁軸と軸受との摺動面に焼き付けが生じたり、
かじりなどが発生し、前記弁体が円滑に回動し難くなる
のはもとより、回動不能に陥る場合もあり得た。
【0010】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、前記弁軸と、前記軸受
の耐食性と耐摩耗性の向上を図るとともに、該弁軸と該
軸受との間の摩擦を低減させる排気ブレーキ装置を提供
することにある。
その目的は前記問題点を解消し、前記弁軸と、前記軸受
の耐食性と耐摩耗性の向上を図るとともに、該弁軸と該
軸受との間の摩擦を低減させる排気ブレーキ装置を提供
することにある。
【0011】本発明の他の目的は、前記弁軸と前記軸受
を、従来のステンレス鋼に代わる、より安価な材料によ
り形成し、コスト的に優れる排気ブレーキ装置を提供す
ることにある。
を、従来のステンレス鋼に代わる、より安価な材料によ
り形成し、コスト的に優れる排気ブレーキ装置を提供す
ることにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、前記弁軸と前
記軸受との耐食性と耐摩耗性の向上を図るとともに、該
弁軸と該軸受との間の摩擦を低減させる排気ブレーキ装
置の製造方法を提案することにある。
記軸受との耐食性と耐摩耗性の向上を図るとともに、該
弁軸と該軸受との間の摩擦を低減させる排気ブレーキ装
置の製造方法を提案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、エンジンの排気管中に設けられ、そ
の排気ガス通路の一部を形成するバルブ本体と、該バル
ブ本体の内部に配設され、前記排気ガス通路を開閉する
弁体を取り付けた弁軸と、該弁軸を回動自在に支持する
ため、前記バルブ本体に設けられた軸受とを備える排気
ブレーキ装置において、次の通りである。
の本発明の構成は、エンジンの排気管中に設けられ、そ
の排気ガス通路の一部を形成するバルブ本体と、該バル
ブ本体の内部に配設され、前記排気ガス通路を開閉する
弁体を取り付けた弁軸と、該弁軸を回動自在に支持する
ため、前記バルブ本体に設けられた軸受とを備える排気
ブレーキ装置において、次の通りである。
【0014】前記弁軸の表面全体と、前記軸受の軸受け
穴の内面を含む表面全体とに、無機質からなる硬化層を
形成させるものである。
穴の内面を含む表面全体とに、無機質からなる硬化層を
形成させるものである。
【0015】前記無機質からなる硬化層は、5〜40μ
mの厚さを有し、その硬さが、Hv1000(ビッカー
ス硬さ1000)以上であるものである。
mの厚さを有し、その硬さが、Hv1000(ビッカー
ス硬さ1000)以上であるものである。
【0016】さらに、前記無機質からなる硬化層には、
クロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニ
オブ(Nb)のうち、一種以上の元素が含まれるもので
ある。
クロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニ
オブ(Nb)のうち、一種以上の元素が含まれるもので
ある。
【0017】また、エンジンの排気管中に設けられ、そ
の排気ガス通路の一部を形成するバルブ本体の内部に配
設され、該排気ガス通路を開閉する弁体を取り付けた弁
軸と、該弁軸を回動自在に支持するため、前記バルブ本
体に設けられた軸受とを備える排気ブレーキ装置の製造
方法において、前記弁軸と前記軸受とを、硼砂を主成分
とし、クロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム
(V)、ニオブ(Nb)のそれぞれの元素を含む高温塩
浴中に浸漬し、前記各元素を、前記弁軸の表面と、前記
軸受の軸受け穴の内面を含む表面とに拡散浸透させ、前
記それぞれの元素を含む無機質硬化層を形成させてい
る。
の排気ガス通路の一部を形成するバルブ本体の内部に配
設され、該排気ガス通路を開閉する弁体を取り付けた弁
軸と、該弁軸を回動自在に支持するため、前記バルブ本
体に設けられた軸受とを備える排気ブレーキ装置の製造
方法において、前記弁軸と前記軸受とを、硼砂を主成分
とし、クロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム
(V)、ニオブ(Nb)のそれぞれの元素を含む高温塩
浴中に浸漬し、前記各元素を、前記弁軸の表面と、前記
軸受の軸受け穴の内面を含む表面とに拡散浸透させ、前
記それぞれの元素を含む無機質硬化層を形成させてい
る。
【0018】本発明は以上のように構成されているの
で、前記弁軸および軸受の軸受け穴の内面を含むそれぞ
れの表面全体に、耐高温酸化性に優れる無機質からなる
硬化層を形成させることにより、両者が互いに摺動する
際、高温時にその硬さの低下が起きず、その摺動面の微
小突起および金属摩耗粉などにより金属凝着が発生し
て、両者の間において凝着摩擦の発生が防止される。そ
の結果、該摺動面の耐焼き付け性、耐摩耗性が向上す
る。
で、前記弁軸および軸受の軸受け穴の内面を含むそれぞ
れの表面全体に、耐高温酸化性に優れる無機質からなる
硬化層を形成させることにより、両者が互いに摺動する
際、高温時にその硬さの低下が起きず、その摺動面の微
小突起および金属摩耗粉などにより金属凝着が発生し
て、両者の間において凝着摩擦の発生が防止される。そ
の結果、該摺動面の耐焼き付け性、耐摩耗性が向上す
る。
【0019】すなわち、前記弁軸および軸受の軸受け穴
の内面を含むそれぞれの表面全体に、高温塩浴拡散処理
法による、Cr,B,V,Nbなどの元素を拡散浸透さ
せ、それらの炭化物、ほう化物、酸化物などの無機質か
らなる硬化層を形成させて、耐摩耗性、耐熱性、耐食性
を向上させている。
の内面を含むそれぞれの表面全体に、高温塩浴拡散処理
法による、Cr,B,V,Nbなどの元素を拡散浸透さ
せ、それらの炭化物、ほう化物、酸化物などの無機質か
らなる硬化層を形成させて、耐摩耗性、耐熱性、耐食性
を向上させている。
【0020】また、前記弁軸および軸受の軸受け穴の内
面を含むそれぞれの表面全体に、無機質からなる硬化層
を形成させることにより、該弁軸と該軸受間や、表面に
赤錆が生じないため、前記弁体が円滑に回動する。
面を含むそれぞれの表面全体に、無機質からなる硬化層
を形成させることにより、該弁軸と該軸受間や、表面に
赤錆が生じないため、前記弁体が円滑に回動する。
【0021】本方法の発明は、ステンレス鋼に限らず、
各種炭素鋼(S-C材)に処理が可能なため、ステンレス
鋼よりも安価な炭素鋼、例えばS48C材などへの転換が可
能となり、前記弁軸および軸受を、鍛造工程にて形成す
ることができるので、製造コストの低減につながる。
各種炭素鋼(S-C材)に処理が可能なため、ステンレス
鋼よりも安価な炭素鋼、例えばS48C材などへの転換が可
能となり、前記弁軸および軸受を、鍛造工程にて形成す
ることができるので、製造コストの低減につながる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な実施の形態を詳しく説明する。図1〜図4は、本発
明の排気ブレーキ装置の一実施の形態を示すもので、図
1は、その一部断面図、図2はその弁軸を示す側面図、
図3および図4は、該弁軸を支持する一方および他方の
軸受部材のそれぞれの側断面図である。
適な実施の形態を詳しく説明する。図1〜図4は、本発
明の排気ブレーキ装置の一実施の形態を示すもので、図
1は、その一部断面図、図2はその弁軸を示す側面図、
図3および図4は、該弁軸を支持する一方および他方の
軸受部材のそれぞれの側断面図である。
【0023】(第1実施例) 図1において、排気ブレ
ーキ装置1は、車両のエンジンの排気ガス通路2の一部
を形成するほぼ円筒形状のバルブ本体3と、このバルブ
本体3のほぼ円形状の内部通路3aを開閉する円板状の
弁体4を取り付けた弁軸5と、該弁軸5を回動自在に支
持するため、前記バルブ本体3に設けられた筒状の軸受
部材6,7とを備えている。前記バルブ本体3には、そ
の内部通路3aに連通、かつ該内部通路3aを横断する
ように両側に同心軸状に形成された一対の貫通穴3b,
3cが形成され、これら貫通穴3b,3cの内部には、
外周面に単数または複数(本実施例では1箇所)の段部
を有する前記軸受部材6,7が、締まりばめにより、圧
入嵌合されている。
ーキ装置1は、車両のエンジンの排気ガス通路2の一部
を形成するほぼ円筒形状のバルブ本体3と、このバルブ
本体3のほぼ円形状の内部通路3aを開閉する円板状の
弁体4を取り付けた弁軸5と、該弁軸5を回動自在に支
持するため、前記バルブ本体3に設けられた筒状の軸受
部材6,7とを備えている。前記バルブ本体3には、そ
の内部通路3aに連通、かつ該内部通路3aを横断する
ように両側に同心軸状に形成された一対の貫通穴3b,
3cが形成され、これら貫通穴3b,3cの内部には、
外周面に単数または複数(本実施例では1箇所)の段部
を有する前記軸受部材6,7が、締まりばめにより、圧
入嵌合されている。
【0024】前記弁体4をねじ部材により支持、固着し
た前記弁軸5は、前記軸受部材6,7と、その一部にパ
ッキング(シールリングまたはラビリンスシール)8と
を介して、前記バルブ本体3に回動自在に取り付けられ
ている。また、前記一方の貫通穴3bを塞ぐように前記
バルブ本体3の外側に、前記弁軸5の一方の端部5aが
貫通された取付板10aが固着されるとともに、前記他
方の貫通穴3cを塞ぐように前記バルブ本体3の外側に
端板10bが固着される。そして、アクチュエータ11
の駆動軸の軸心位置で、該弁軸5の一方の端部5aに固
着されたレバー9に、前記アクチュエータ11から回転
駆動力が伝達されて、前記弁軸5が回動され、前記排気
ガス通路2を前記弁体4により開閉するようになってい
る。なお、図1は開弁状態を示す。
た前記弁軸5は、前記軸受部材6,7と、その一部にパ
ッキング(シールリングまたはラビリンスシール)8と
を介して、前記バルブ本体3に回動自在に取り付けられ
ている。また、前記一方の貫通穴3bを塞ぐように前記
バルブ本体3の外側に、前記弁軸5の一方の端部5aが
貫通された取付板10aが固着されるとともに、前記他
方の貫通穴3cを塞ぐように前記バルブ本体3の外側に
端板10bが固着される。そして、アクチュエータ11
の駆動軸の軸心位置で、該弁軸5の一方の端部5aに固
着されたレバー9に、前記アクチュエータ11から回転
駆動力が伝達されて、前記弁軸5が回動され、前記排気
ガス通路2を前記弁体4により開閉するようになってい
る。なお、図1は開弁状態を示す。
【0025】図2に示す前記弁軸5は、その材質がオー
ステナイト系ステンレス鋼(SUS304)からなり、前記軸
受部材6,7と接する部分5bを含め、表面全体(二点
鎖線にて示す)に無機質からなる硬化層が形成されてい
る。また、図3および図4に示す前記軸受部材6,7
は、その材質がマルテンサイト系ステンレス鋼(SUH3)
からなり、前記弁軸5と接する部分6a,7aを含め、
表面全体(二点鎖線にて示す)に無機質からなる硬化層
が形成されている。
ステナイト系ステンレス鋼(SUS304)からなり、前記軸
受部材6,7と接する部分5bを含め、表面全体(二点
鎖線にて示す)に無機質からなる硬化層が形成されてい
る。また、図3および図4に示す前記軸受部材6,7
は、その材質がマルテンサイト系ステンレス鋼(SUH3)
からなり、前記弁軸5と接する部分6a,7aを含め、
表面全体(二点鎖線にて示す)に無機質からなる硬化層
が形成されている。
【0026】前記それぞれの硬化層は、その厚さが5μ
m未満であると、前記弁軸5と軸受部材6,7との摺動
による摩耗から、該硬化層が摩滅する。また、その厚さ
が40μmを超えると、前記弁軸5と軸受部材6,7と
のステンレス鋼の熱膨張係数の差から、該硬化層の剥
離、割れが発生する。さらに、前記固化層を、その厚さ
が40μmを超えて形成させることは、処理時間などを
長くする必要があり、処理コストの高騰につながる。そ
のため、前記硬化層の厚さは、5〜40μmであり、特
に、10〜20μmが最適である。
m未満であると、前記弁軸5と軸受部材6,7との摺動
による摩耗から、該硬化層が摩滅する。また、その厚さ
が40μmを超えると、前記弁軸5と軸受部材6,7と
のステンレス鋼の熱膨張係数の差から、該硬化層の剥
離、割れが発生する。さらに、前記固化層を、その厚さ
が40μmを超えて形成させることは、処理時間などを
長くする必要があり、処理コストの高騰につながる。そ
のため、前記硬化層の厚さは、5〜40μmであり、特
に、10〜20μmが最適である。
【0027】前記硬化層の成分は、耐熱性(耐高温酸化
性)、耐摩耗性および耐食性に優れる無機物として、ク
ロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニオ
ブ(Nb)の元素で、その一種以上を含む、例えばCr
C,VCなどの炭化物、或いはFeBなどのほう化物、
Cr2O3などの酸化物で形成されている。該硬化層の硬
さは、ビッカース硬さが1000未満だと、摩耗により
硬化層が摩滅するため、耐摩耗性を考慮して、ビッカー
ス硬さが1000以上でなければならない。
性)、耐摩耗性および耐食性に優れる無機物として、ク
ロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニオ
ブ(Nb)の元素で、その一種以上を含む、例えばCr
C,VCなどの炭化物、或いはFeBなどのほう化物、
Cr2O3などの酸化物で形成されている。該硬化層の硬
さは、ビッカース硬さが1000未満だと、摩耗により
硬化層が摩滅するため、耐摩耗性を考慮して、ビッカー
ス硬さが1000以上でなければならない。
【0028】前記弁軸5と前記軸受部材6,7からなる
被処理品を、硼砂を主成分とし、Cr、B、V、Nbの
それぞれの元素を含む高温塩浴中に浸漬し、前記各元素
を、前記弁軸5と、前記軸受部材6,7の表面とに拡散
浸透させ、前記それぞれの無機質硬化層を形成させてい
る。
被処理品を、硼砂を主成分とし、Cr、B、V、Nbの
それぞれの元素を含む高温塩浴中に浸漬し、前記各元素
を、前記弁軸5と、前記軸受部材6,7の表面とに拡散
浸透させ、前記それぞれの無機質硬化層を形成させてい
る。
【0029】(第2実施例) 硼砂を主成分とし、Cr
2O3を含んだ約900℃塩浴中に、材質が炭素鋼(S48C)
からなる前記弁軸5と、材質がマルテンサイト系耐熱ス
テンレス鋼(SUH3)からなる前記軸受部材6,7との被
処理品を、数時間浸漬することにより、Crを表面に拡
散させ、厚さ10μmのCrC系の固化層を形成させ
る。焼き入れ、焼き戻しにより基材の組織および硬さ調
整を行い、最後にラップ仕上げを行った。この方法によ
り、前記弁軸5と前記軸受部材6,7は、図2〜図4の
二点鎖線に示す表面全体が、前記硬化層にて被覆されて
いる。
2O3を含んだ約900℃塩浴中に、材質が炭素鋼(S48C)
からなる前記弁軸5と、材質がマルテンサイト系耐熱ス
テンレス鋼(SUH3)からなる前記軸受部材6,7との被
処理品を、数時間浸漬することにより、Crを表面に拡
散させ、厚さ10μmのCrC系の固化層を形成させ
る。焼き入れ、焼き戻しにより基材の組織および硬さ調
整を行い、最後にラップ仕上げを行った。この方法によ
り、前記弁軸5と前記軸受部材6,7は、図2〜図4の
二点鎖線に示す表面全体が、前記硬化層にて被覆されて
いる。
【0030】図5は、本実施例に示す処理を施したもの
と、従来のガス軟窒化処理を施したものとを、それぞれ
ピン・オン・ディスク摩耗試験を行った結果を示すもの
で、ピン側の摩耗量を表している。図6は、同様にその
摩擦係数を表している。なお、試験条件は、試験環境温
度:600℃、ピンとディスクの押しつけ荷重(面
圧):90kgf(107kgf/cm2)、ピンとディスクの
相対回転速度:3.7m/min、摩擦半径:3.5c
m、試験時間:180分に設定した。また、試験サンプ
ルと、ピンとディスクとの組み合わせは、表1に示すと
おりである。
と、従来のガス軟窒化処理を施したものとを、それぞれ
ピン・オン・ディスク摩耗試験を行った結果を示すもの
で、ピン側の摩耗量を表している。図6は、同様にその
摩擦係数を表している。なお、試験条件は、試験環境温
度:600℃、ピンとディスクの押しつけ荷重(面
圧):90kgf(107kgf/cm2)、ピンとディスクの
相対回転速度:3.7m/min、摩擦半径:3.5c
m、試験時間:180分に設定した。また、試験サンプ
ルと、ピンとディスクとの組み合わせは、表1に示すと
おりである。
【0031】
【表1】
【0032】図5および図6に示すように、CrC系硬
化層を施した本実施例によるものは、従来の処理を施し
たものと比較して、摩耗量が少なく、摩擦係数も、約
0.7から約0.4まで低下していることから、なじみ
性が向上し、凝着摩耗が抑制されていることが分かる。
また、ほう素(B)を拡散させたものは、特に、摩擦係
数の低下が顕著であった(摩擦係数が約0.2まで低
下)。
化層を施した本実施例によるものは、従来の処理を施し
たものと比較して、摩耗量が少なく、摩擦係数も、約
0.7から約0.4まで低下していることから、なじみ
性が向上し、凝着摩耗が抑制されていることが分かる。
また、ほう素(B)を拡散させたものは、特に、摩擦係
数の低下が顕著であった(摩擦係数が約0.2まで低
下)。
【0033】図7は、本実施例に示す処理を施した前記
弁軸5および前記軸受部材6,7と、従来のガス軟窒化
処理を施した弁軸5および軸受部材6,7とについて、
回動試験を行った結果を示すもので、弁軸5については
外径変化量、軸受部材6,7については内径変化量を示
している。なお、時化条件(試験条件)は、試験環境温
度:600℃、弁軸と軸受部材との押しつけ荷重:50
kgf、弁軸と軸受部材との相対回転速度:3.0m/mi
n、試験時間:50時間に設定した。
弁軸5および前記軸受部材6,7と、従来のガス軟窒化
処理を施した弁軸5および軸受部材6,7とについて、
回動試験を行った結果を示すもので、弁軸5については
外径変化量、軸受部材6,7については内径変化量を示
している。なお、時化条件(試験条件)は、試験環境温
度:600℃、弁軸と軸受部材との押しつけ荷重:50
kgf、弁軸と軸受部材との相対回転速度:3.0m/mi
n、試験時間:50時間に設定した。
【0034】図7に示すように、CrC系硬化層を施し
た本実施例によるものは、従来の処理を施したものと比
較して、弁軸5および軸受部材6,7の寸法変化量が小
さく、摩耗量が小さくなっていることから、ピン・オン
・ディスク摩耗試験の結果と同様、なじみ性が向上し、
凝着摩耗が抑制されていることが分かる。
た本実施例によるものは、従来の処理を施したものと比
較して、弁軸5および軸受部材6,7の寸法変化量が小
さく、摩耗量が小さくなっていることから、ピン・オン
・ディスク摩耗試験の結果と同様、なじみ性が向上し、
凝着摩耗が抑制されていることが分かる。
【0035】図8は、本実施例に示す処理を施したもの
と、従来のガス軟窒化処理を施したものとについて、塩
水噴霧試験(日本工業規格JIS Z 2371による試験方法)
を実施し、1000時間経過後の錆の厚さを示す。な
お、錆の厚さは、その断面をみるため切断し、その表面
を研磨して金属顕微鏡で観察後、測定した。試験サンプ
ルは表2に示す。
と、従来のガス軟窒化処理を施したものとについて、塩
水噴霧試験(日本工業規格JIS Z 2371による試験方法)
を実施し、1000時間経過後の錆の厚さを示す。な
お、錆の厚さは、その断面をみるため切断し、その表面
を研磨して金属顕微鏡で観察後、測定した。試験サンプ
ルは表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】図8に示すように、CrC系硬化層を施し
た本実施例によるものは、従来のガス軟窒化処理を施し
たものと比較して、錆の発生厚さが小さく、従来の処理
による硬化層よりも、数倍、耐食性が向上していること
が分かる。
た本実施例によるものは、従来のガス軟窒化処理を施し
たものと比較して、錆の発生厚さが小さく、従来の処理
による硬化層よりも、数倍、耐食性が向上していること
が分かる。
【0038】図9は、本実施例に示す処理を施したもの
と、従来のガス軟窒化処理を施したものとについて、大
気中600℃環境下に、600時間放置後の表面層の硬
さを示す。なお、試験サンプルは表3に示す。
と、従来のガス軟窒化処理を施したものとについて、大
気中600℃環境下に、600時間放置後の表面層の硬
さを示す。なお、試験サンプルは表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】図9に示すように、CrC系硬化層を施し
た本実施例によるものは、従来のガス軟窒化処理を施し
たものと比較して、硬さの低下幅が小さく、従来の処理
による硬化層よりも、耐熱性が向上していることが分か
る。
た本実施例によるものは、従来のガス軟窒化処理を施し
たものと比較して、硬さの低下幅が小さく、従来の処理
による硬化層よりも、耐熱性が向上していることが分か
る。
【0041】前記第1、第2実施例の排気ブレーキ装置
によれば、前述のほか、下記の効果があった。 (1) 500℃以上の環境下においても、弁軸5に取
り付けられた弁体4の開閉障害が防止され、円滑に動作
させることができる。 (2) 車両(自動車)の3年で、6万kmの走行相当
においても、錆の発生はなく、バルブまわりの部品交換
を必要としなくなる。 (3) 摩擦係数が小さくなったことにより、小型のア
クチュエータを用いることができる。 (4) この製造方法(処理方法)により、現行材より
も安価な材質の基材に改良できる。同時に、本実施例の
ものは、硬化層形成に炭化物などを採用しているため、
安全管理面で有利である。
によれば、前述のほか、下記の効果があった。 (1) 500℃以上の環境下においても、弁軸5に取
り付けられた弁体4の開閉障害が防止され、円滑に動作
させることができる。 (2) 車両(自動車)の3年で、6万kmの走行相当
においても、錆の発生はなく、バルブまわりの部品交換
を必要としなくなる。 (3) 摩擦係数が小さくなったことにより、小型のア
クチュエータを用いることができる。 (4) この製造方法(処理方法)により、現行材より
も安価な材質の基材に改良できる。同時に、本実施例の
ものは、硬化層形成に炭化物などを採用しているため、
安全管理面で有利である。
【0042】なお、本発明の技術は前記実施の形態にお
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は
前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能であ
る。
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は
前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
排気ブレーキ装置によれば、その弁軸の表面全体と、そ
の軸受の軸受け穴の内面を含む表面全体とに、炭化物な
どの無機質からなる硬化層を形成させるので、高温下で
も該硬化層の硬さが低下せずに、前記弁軸と前記軸受と
が互いに摺動するときも、凝着摩耗が抑制され、その結
果、前記両者間の摺動面の耐焼き付け性、耐摩耗性が向
上する効果を奏する。また、従来のガス軟窒化処理によ
り形成された硬化層に比べて、耐食性が向上し、前記弁
軸および前記ブッシュの表面に赤錆が生じないため、弁
体が円滑に回動し、常時、低い摩擦が得られることによ
り、前記弁軸を回動させる駆動装置の小型化が図られ
る。
排気ブレーキ装置によれば、その弁軸の表面全体と、そ
の軸受の軸受け穴の内面を含む表面全体とに、炭化物な
どの無機質からなる硬化層を形成させるので、高温下で
も該硬化層の硬さが低下せずに、前記弁軸と前記軸受と
が互いに摺動するときも、凝着摩耗が抑制され、その結
果、前記両者間の摺動面の耐焼き付け性、耐摩耗性が向
上する効果を奏する。また、従来のガス軟窒化処理によ
り形成された硬化層に比べて、耐食性が向上し、前記弁
軸および前記ブッシュの表面に赤錆が生じないため、弁
体が円滑に回動し、常時、低い摩擦が得られることによ
り、前記弁軸を回動させる駆動装置の小型化が図られ
る。
【0044】また、本発明の排気ブレーキ装置の製造方
法によれば、弁軸とその軸受とを、硼砂を主成分とし、
クロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニ
オブ(Nb)のそれぞれを含む高温塩浴中に浸漬し、前
記各元素を、前記弁軸と、前記軸受の表面とに拡散浸透
させ、前記それぞれの無機質硬化層を形成させるので、
前記排気ブレーキ装置と同様な、優れた効果を奏する。
法によれば、弁軸とその軸受とを、硼砂を主成分とし、
クロム(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニ
オブ(Nb)のそれぞれを含む高温塩浴中に浸漬し、前
記各元素を、前記弁軸と、前記軸受の表面とに拡散浸透
させ、前記それぞれの無機質硬化層を形成させるので、
前記排気ブレーキ装置と同様な、優れた効果を奏する。
【0045】さらに、前記弁軸の材質を、オーステナイ
ト系ステンレス鋼(SUS304)から、材料費および加工費
がともに安価な炭素鋼(S48C)に変更が可能なため、製
造コストを低減させ、その生産性を改良させる効果を奏
する。
ト系ステンレス鋼(SUS304)から、材料費および加工費
がともに安価な炭素鋼(S48C)に変更が可能なため、製
造コストを低減させ、その生産性を改良させる効果を奏
する。
【図1】本発明の排気ブレーキ装置の一実施の形態を示
す一部断面図である。
す一部断面図である。
【図2】図1のなかの弁軸を示す側面図である。
【図3】図1のなかの一方の軸受部材を示す側断面図で
ある。
ある。
【図4】図1のなかの他方の軸受部材を示す側断面図で
ある。
ある。
【図5】本実施例に示す処理を施したものと、従来のガ
ス軟窒化処理を施したものとのピン・オン・ディスク摩
耗試験結果を示す図で、ピン側の摩耗量を表す。
ス軟窒化処理を施したものとのピン・オン・ディスク摩
耗試験結果を示す図で、ピン側の摩耗量を表す。
【図6】図5と同様な、ピン・オン・ディスク摩耗試験
結果を示す図で、ピン側の摩擦係数を表す。
結果を示す図で、ピン側の摩擦係数を表す。
【図7】本実施例に示す処理を施した弁軸および軸受部
材と、従来のガス軟窒化処理を施した弁軸および軸受部
材との回動試験結果を示す図である。
材と、従来のガス軟窒化処理を施した弁軸および軸受部
材との回動試験結果を示す図である。
【図8】本実施例に示す処理を施したものと、従来のガ
ス軟窒化処理を施したものとの塩水噴霧試験の1000
時間経過後の発生した錆の厚さを示す図である。
ス軟窒化処理を施したものとの塩水噴霧試験の1000
時間経過後の発生した錆の厚さを示す図である。
【図9】本実施例に示す処理を施したものと、従来のガ
ス軟窒化処理を施したものとの大気中600℃環境下に
おける、600時間放置後の表面層の硬さを示す図であ
る。
ス軟窒化処理を施したものとの大気中600℃環境下に
おける、600時間放置後の表面層の硬さを示す図であ
る。
【符号の説明】 1 排気ブレーキ装置 2 排気ガス通路 3 バルブ本体 3a 内部通路 4 弁体 5 弁軸 5a,6a,7a 摺動部分 6,7 軸受部材 10a 取付板 11 アクチュエータ
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンの排気管中に設けられ、その排
気ガス通路の一部を形成するバルブ本体と、該バルブ本
体の内部に配設され、前記排気ガス通路を開閉する弁体
を取り付けた弁軸と、該弁軸を回動自在に支持するた
め、前記バルブ本体に設けられた軸受とを備える排気ブ
レーキ装置において、 前記弁軸の表面全体と、前記軸受の軸受け穴の内面を含
む表面全体とに、無機質からなる硬化層を形成させるこ
とを特徴とする排気ブレーキ装置。 - 【請求項2】 前記無機質からなる硬化層は、5〜40
μmの厚さを有し、その硬さが、Hv1000(ビッカ
ース硬さ1000)以上であることを特徴とする請求項
1に記載の排気ブレーキ装置。 - 【請求項3】 前記無機質からなる硬化層には、クロム
(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニオブ
(Nb)のうち、一種以上の元素が含まれることを特徴
とする請求項1または2に記載の排気ブレーキ装置。 - 【請求項4】 エンジンの排気管中に設けられ、その排
気ガス通路の一部を形成するバルブ本体の内部に配設さ
れ、該排気ガス通路を開閉する弁体を取り付けた弁軸
と、該弁軸を回動自在に支持するため、前記バルブ本体
に設けられた軸受とを備える排気ブレーキ装置の製造方
法において、 前記弁軸と前記軸受とを、硼砂を主成分とし、クロム
(Cr)、ほう素(B)、バナジウム(V)、ニオブ
(Nb)のそれぞれの元素を含む高温塩浴中に浸漬し、
前記各元素を、前記弁軸の表面と、前記軸受の軸受け穴
の内面を含む表面とに拡散浸透させ、前記それぞれの元
素を含む無機質硬化層を形成させることを特徴とする排
気ブレーキ装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10363892A JP2000186579A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 排気ブレーキ装置とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10363892A JP2000186579A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 排気ブレーキ装置とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000186579A true JP2000186579A (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=18480451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10363892A Pending JP2000186579A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 排気ブレーキ装置とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000186579A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102251861A (zh) * | 2011-06-10 | 2011-11-23 | 天津大学 | 发动机用可控排气背压阀 |
-
1998
- 1998-12-22 JP JP10363892A patent/JP2000186579A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102251861A (zh) * | 2011-06-10 | 2011-11-23 | 天津大学 | 发动机用可控排气背压阀 |
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