JP2000186100A - レニン活性物質 - Google Patents
レニン活性物質Info
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- JP2000186100A JP2000186100A JP11291247A JP29124799A JP2000186100A JP 2000186100 A JP2000186100 A JP 2000186100A JP 11291247 A JP11291247 A JP 11291247A JP 29124799 A JP29124799 A JP 29124799A JP 2000186100 A JP2000186100 A JP 2000186100A
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Abstract
Fと称す)中の特定のアミノ酸配列を認識しうる抗ペプ
チド抗体を利用した新規レニン活性物質の提供。 【解決手段】 43個のアミノ酸配列をもつHPF中の
第11番目のIleから第43番目のArgまでの33
個のアミノ酸配列中の任意の位置にある15個以上のア
ミノ酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体の少なく
とも1種とヒトプロレニンの結合体、又は43個のアミ
ノ酸配列をもつHPF中の第11番目のIleから第4
3番目のArgまでの33個のアミノ酸配列中の任意の
位置にある15個以上のアミノ酸配列を特異的に認識す
る抗ペプチド抗体の少なくとも1種と、上記HPF中の
第1番目のLeuから第11番目のIleまでの11個
のアミノ酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体との
混合抗体とヒトプロレニンの結合体からなるレニン活性
物質とする。
Description
ロフラグメントペプチドと結合して結合体を形成しうる
ペプチド特異的抗体とヒトプロレニンとが結合して酵素
活性すなわちレニン活性を発現した新規レニン活性物質
に関するものである。
完熟型レニンの前駆体すなわち完熟型レニンのN端部に
43個のアミノ酸配列をもつプロフラグメントが結合し
たものとして産生され、血液中に放出される。このプロ
レニンは、血液中に完熟型レニンの約10倍量存在する
が、それ自体は酵素活性を示さないので、プロフラグメ
ント部をタンパク質分解酵素例えばトリプシンやペプシ
ンなどで切り離して酵素活性をもつ完熟型レニンに変換
することが古くから行われている。また、比較的新らし
い方法として酵素を用いない方法も提案されており、例
えば酸性及び低温状態において一次構造を変えることな
く活性化させる方法[「ネイチャー(Natur
e)」,第288巻,第702〜705ページ(198
0)、「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)」,第262巻,第
2472〜2477ページ(1987)、「クリニカル
・ケミストリー(Clin.Chem.),第37巻,
第1811〜1819ページ(1991)」、「ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bi
ol.Chem.)」,第267巻,第11753〜1
1759ページ(1992)]、低分子のレニン阻害剤
をプロレニンの三次元構造の深い溝に隠れている酵素活
性部位に結合させて開放型とし、完熟型レニンの活性部
位近傍を認識する抗体を結合可能にする方法[「ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bi
ol.Chem.)」,第267巻,第22837〜2
2842ページ(1992)]などが知られている。そ
のほか、プロレニンプロフラグメントの中間部及びC端
部抗ペプチド抗体が、プロレニンと結合して結合体を形
成することについては、これまで多くの報告があるが、
このものが酵素活性を有することは知られていなかっ
た。
ニンプロフラグメント中の特定のアミノ酸配列を認識し
うる抗ペプチド抗体を利用した新規なレニン活性物質を
提供することを目的としてなされたものである。
プロレニンプロフラグメントのN端部、すなわち第1番
目のロイシンから第15番目のアルギニンまでのアミノ
酸で構成されたアミノ酸配列をもつペプチドを抗原とし
て特異的に認識する抗体とヒトプロレニンとの結合体か
らなるレニン活性物質を提供したが(特開平10−27
9600号公報)、さらに研究を重ねた結果、ヒトプロ
レニンプロフラグメント中の第11番目のイソロイシン
から第43番目のアルギニンまでの33個のアミノ酸で
構成されたアミノ酸配列の中の任意のアミノ酸配列をも
つペプチドを特異的に認識する抗体もヒトプロレニンと
結合してレニン活性を示す物質になること、及び上記の
抗体に上記ヒトプロレニンプロフラグメント中の第1番
目のロイシンから第11番目のイソロイシンまでの11
個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に認識
する抗ペプチド抗体を加えた等モル混合抗体とヒトプロ
レニンとの結合体は、各抗ペプチド抗体単独とヒトプロ
レニンとの結合体に比べ、レニン活性が向上することを
見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
構成されたアミノ酸配列をもつヒトプロレニンプロフラ
グメント中の第11番目のイソロイシンから第43番目
のアルギニンまでの33個のアミノ酸で構成されたアミ
ノ酸配列の中の任意の位置にある15個以上のアミノ酸
で構成されたアミノ酸配列を特異的に認識する抗ペプチ
ド抗体の少なくとも1種とヒトプロレニンの結合体、又
は43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列をもつヒ
トプロレニンプロフラグメント中の第11番目のイソロ
イシンから第43番目のアルギニンまでの33個のアミ
ノ酸で構成されたアミノ酸配列の中の任意の位置にある
15個以上のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異
的に認識する抗ペプチド抗体の少なくとも1種と、上記
ヒトプロレニンプロフラグメント中の第1番目のロイシ
ンから第11番目のイソロイシンまでの11個のアミノ
酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に認識する抗ペプ
チド抗体との混合抗体とヒトプロレニンの結合体からな
るレニン活性物質を提供するものである。
プロレニンの結合体からなるレニン活性物質であって、
この抗ペプチド抗体がヒトプロレニンプロフラグメント
中の第11番目のイソロイシンから第43番目のアルギ
ニンまでの33個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列
の中の任意の位置にある15個以上のアミノ酸で構成さ
れたアミノ酸配列をもつペプチドを特異的に認識するも
のである点に特徴がある。そして、上記の抗ペプチド抗
体と、上記ヒトプロレニンプロフラグメント中の第1番
目のロイシンから第11番目のイソロイシンまでの11
個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に認識
する抗ペプチド抗体との等モル混合抗体を用いるとレニ
ン活性は著しく増大する。このヒトプロレニンプロフラ
グメントは、配列表配列番号1で示されるアミノ酸配列
を有する物質である。
ンプロフラグメントの中間部、すなわち第11番目のイ
ソロイシンから第26番目のアルギニンまでの16個の
アミノ酸からなるペプチド(以下Mペプチドという)と
C端部すなわち第27番目のグリシンから第41番目の
メチオニンまでの15個のアミノ酸からなるペプチド
(以下Cペプチドという)のそれぞれのペプチドのC末
端にシステイン残基を付加したペプチドを合成し、これ
らを用いて例えば以下の方法により調製することができ
る。これらのペプチドをそれぞれマレイミド化合物のよ
うな架橋剤を用いてキャリアタンパク例えばウシ血清ア
ルブミン、卵白アルブミン、キーホールリンペット・ヘ
モシアニンなどに結合させて免疫抗原を調製し、次いで
それぞれの免疫抗原をフロイントの完全アジュバントと
混合して成熟家兎の皮下に2週間間隔で投与して免疫操
作を行い、5回目以降に耳周縁静脈より少量採血し、そ
の抗体価を調べ、十分に抗体価が上昇した時点で全採血
を行い、抗血清を得る。次にこの抗血清を塩析し、それ
ぞれ所定の合成ペプチドを結合したアフィニティゲルを
用いたアフィニティクロマトグラフィ処理により精製す
る。
ィ精製までは、公知方法(例えば平成6年9月10日秀
潤社発行,大海忍、辻村邦男、稲垣晶樹著,「抗ペプチ
ド抗体実験プロトコール」,第48ページ)に従って実
施することができる。
した抗ペプチド抗体をウシ血清を含む生理食塩水で希釈
したヒトプロレニン液に加え、4℃の温度において16
〜24時間反応させることにより結合体を調製すること
ができる。次いでこの反応液に、ヒトレニン基質として
羊アンジオテンシノーゲン液を加え37℃において60
分間反応させたのち、氷冷して反応を停止させると、反
応液中にアンジオテンシンIが産生される。したがっ
て、この結合体は、酵素活性すなわちレニン活性を発現
する物質である。
て、ウエスタンブロット法及び表面プラズモン共鳴を利
用したタンパク−タンパク相互作用測定を行って、精製
抗体がヒトプロレニンと特異的に結合していることを確
認した。次に、それぞれの結合体にレニン基質として羊
アンジオテンシノーゲンと反応させ、ポジティブコント
ロールとしてプロレニンのトリプシン処理物を、またネ
ガティブコントロールとして抗体の代りに正常家兎血清
を用いてレニン活性を比較した。その結果、抗体結合体
は、ポジティブコントロールと同等のレニン活性を示し
たのに対し、ネガティブコントロールはほとんどレニン
活性を示さなかったことから、このものが既に知られて
いる酸性及び低温活性化物質及び低分子レニン阻害剤に
よる開放型物質とは全く異なるレニン活性物質であるこ
とが分った。
トリプシン処理した完熟型レニンを標品としてウエスタ
ンブロット分析した結果を示したものである。これから
分るように、プロレニン(レーン1及び3)については
移動の位置にそれぞれの抗体が結合したスポットが認め
られるのに対し、完熟型レニン(レーン2及び4)につ
いてはスポットは認められない。また、図2及び図3
は、タンパク−タンパク相互作用測定装置(ファルマシ
ア・バイオテク社製,ビアコア100型)を用いてアフ
ィニティクロマトグラフィ精製した抗体を化学結合させ
たフローセル中にヒトプロレニンを一定流速で通過さ
せ、表面プラズモン共鳴の変化量を測定することによ
り、抗ペプチド抗体とプロレニンの結合能を調べた結果
を横軸を反応時間、縦軸をRU(Resonance
Units)として示したグラフである。図2はプロフ
ラグメントの第11番目のイソロイシンから第26番目
のアルギニンまでの16個のアミノ酸で構成されたアミ
ノ酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体(以下抗M
ペプチド抗体という)についての場合、図3はプロフラ
グメントの第27番目のグリシンから第41番目のメチ
オニンまでの15個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配
列を特異的に認識する抗ペプチド抗体(以下抗Cペプチ
ド抗体という)の場合を示し、各図中実線はプロレニ
ン、鎖線はコントロール緩衝液に対するものである。こ
れらの図から分るように、それぞれの抗ペプチド抗体に
ついてはプロレニンとの結合が認められるのに対し、コ
ントロール緩衝液では結合は認められない。
ィ精製した抗ペプチド抗体とヒトプロレニンとを反応さ
せて得た結合体に、レニン基質として羊アンジオテンシ
ノーゲンを加えて反応させ、酵素すなわちレニン活性物
質により産生されるアンジオテンシンI量を酵素免疫学
的測定により定量し、レニン活性を求めた結果を示すグ
ラフであって、この図からポジティブコントロールとし
てプロレニンをトリプシン処理した完熟型レニンのレニ
ン活性と抗Mペプチド抗体又は抗Cペプチド抗体とヒト
プロレニンとの結合体のレニン活性がほぼ同等の活性能
を示すのに対し、ネガティブコントロールとして抗ペプ
チド抗体の代りに正常家兎血清を用いた系はほとんどレ
ニン活性を示さないことが分かる。
の中間部すなわち第11番目から第26番目のアミノ酸
配列をもつ抗Mペプチド抗体及びC端部すなわち第27
番目から第41番目のアミノ酸配列をもつ抗Cペプチド
抗体は、特異的にヒトプロレニンと結合し、形成された
結合体はレニン活性を発現することから、これまで知ら
れている活性化物とは全く異なったレニン活性物質に変
換していることが分かる。
プチド抗体と、ヒトプロレニンプロフラグメント中、第
1番目のロイシンから第11番目のイソロイシンまでの
11個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に
認識する抗ペプチド抗体(以下抗Nペプチド抗体とい
う)とを等モルずつ混合して得た混合抗体をヒトプロレ
ニンと結合させて形成した結合体及び各抗ペプチド抗体
を単独でヒトプロレニンと結合させた結合体についての
レニン活性を、使用したプロレニンのトリプシン活性化
レベルを100%として対比したグラフである。この図
より、レニン活性は、抗Mペプチド抗体と抗Nペプチド
抗体との混合物では、抗Mペプチド抗体単独に比べて
1.22倍、抗Cペプチド抗体と抗Nペプチド抗体との
混合物では抗Cペプチド抗体単独に比べて1.52倍と
いずれも向上していることが分かる。特に、抗Cペプチ
ド抗体と抗Nペプチド抗体との組合せは128%を示
し、従来知られているプロレニンのトリプシン活性化の
場合を大きく上回っている。
する。
調製 ペプチド合成に慣用されている固相法に従って、配列表
配列番号2のアミノ酸配列をもつペプチドのC端側にシ
ステイン残基を付加した17個のアミノ酸残基をもつペ
プチドを合成し、高速液体クロマトグラフィにより分
離、精製した。一方、キャリアータンパクとしてのヘモ
シアニン16mgを0.1M−リン酸緩衝液(pH7.
2)1mlに溶解し、得られた溶液にN‐(γ‐マレイ
ミドブチロキシ)サクシイミドのジメチルホルムアミド
溶液(15mg/ml)100μlを加え、室温で3時
間反応させた。この反応混合物を、セファデックスG−
25カラム(ファルマシアバイオ社製,15mmφ×3
00mm)に通し、ゲルろ過して未反応のN‐(γ‐マ
レイミドブチロキシ)サクシイミドを除去したのち、
0.1M−リン酸緩衝液(pH6.0)を用いて反応生
成物を溶出した。次いで、この溶出液に、前記した精製
ペプチド10mgを加え室温で3時間反応させてペプチ
ドヘモシアニン結合体すなわち免疫抗原を得た。このよ
うにして得たプロフラグメント中間部ペプチド免疫抗原
は使用時まで−80℃で保存される。
を生理食塩水でタンパク濃度1mg/mlに調整したの
ち、等量のフロイントの完全アジュバントとよく混和
し、ニュージーランドホワイト種のウサギ(体重約2.
5kg)の皮下に数か所に分けて注射した。それ以後、
初回の半量の免疫抗原を2週間間隔で皮下注射し、十分
な抗体価の上昇が確認されるまでこれを繰り返したの
ち、常法により全採血して抗血清を得た。
抗体の調製 前記(1)で得た精製ペプチド1mgをアミン結合ゲル
(バイオラッド社製,商品名アフィゲル102)3ml
に、N‐(γ‐マレイミドブチロキシ)サクシイミドを
用いて化学結合させ、アフィニティクロマトグラフィカ
ラム3mlを調製した。次いで、(2)で得た抗血清1
0mlと0.1M−リン酸緩衝液(pH7.0)とを混
合し、50%硫酸アンモニウムを用いて分別沈殿させ、
IgG画分を捕集したのち、これを0.1M−リン酸緩
衝液10mlを加えて可溶化し、さらに同じ0.1M−
リン酸緩衝液2000mlを用い、4℃において15時
間透析した。次に、透析したIgG溶液全量を上記のア
フィニティカラム2mlに通して非吸着画分を完全に除
去し、0.1M−グリシン塩酸溶液(pH2.5)によ
り抗体を溶出させ、直ちに1M−トリス緩衝液を加えて
中和した。このようにして得た精製抗Mペプチド抗体
は、使用時まで凍結保存される。
(J.Hypertens.」,第4巻,第388〜3
90ページ(1986)]に従って、ヒト腎由来のプロ
レニンのcDNAを発現ベクターに導入し、チャイニー
ズハムスター卵巣細胞(以下CHO細胞と略記する)に
組み込んだものを、牛胎児血清10%を含有するダルベ
ッコ変法イーグル培地で培養し、CHO細胞が十分に生
育した時点で無血清培地と交換することにより組換え型
ヒトプロレニンを含む培養上清を得た。このようにして
得たCHO培養上清を5mM−EDTAを含むリン酸緩
衝液生理食塩水で透析し、精製することによりヒトプロ
レニンを調製した。
に従って、SDS−ポリアクリルアミドゲル(ゲル濃度
7.5%)上で電気泳動させたのち、これをニトロセル
ロース膜上に転写し、前記(3)で得たプロフラグメン
ト中間部ペプチドアフィニティ精製抗体と反応させ結合
させた。この反応物をABCキット(ベクターラボラト
リー社製)を用いて発色させ、分析することにより抗体
がヒトプロレニンの移動位置で結合したことが確認され
た。また、(3)で得たアフィニティクロマトグラフィ
精製抗体をアミンカップリングさせたフローセル(ファ
ルマシアバイオテク社製)中に、ヒトプロレニン8nM
溶液を溶かしたリン酸緩衝液を流速10μl/分で流
し、タンパク−タンパク相互作用測定装置を用いて表面
プラズモン共鳴の変化量を観察することにより、ヒトプ
ロレニンとアフィニティクロマトグラフィ精製抗体との
結合状態を調べたところ、両者が結合体を形成している
ことが確認された。
配列番号3のアミノ酸配列のペプチドのC端側にシステ
イン残基を付加した16個のアミノ酸残基をもつペプチ
ドを合成し、実施例1と同様にしてペプチドヘモシアニ
ン結合体を調製し、免疫抗原とした。次いで、この免疫
抗原から実施例1と同様にして抗血清を調製したのち、
精製ペプチドを用いて調製したアフィニティクロマトグ
ラフィカラムで処理し、精製抗Cペプチド抗体を得た。
次に、実施例1と同様にして得たヒトプロレニンと上記
の精製抗体とを反応させることにより、レニン活性物質
を製造した。
配列番号4のアミノ酸配列のNペプチドのC端側にシス
テイン残基を付加した12個のアミノ酸残基をもつペプ
チドを合成し、実施例1と同様にしてペプチドヘモシア
ニン結合体を調製し、免疫抗原とした。次いで、この免
疫抗原から実施例1と同様にして抗血清を調製したの
ち、精製ペプチドを用いて調製したアフィニティクロマ
トグラフィカラムで処理し、精製抗Nペプチド抗体を得
た。次に、0.6μMヒトプロレニン液50μlに、実
施例1で得た精製抗Mペプチド抗体又は実施例2で得た
精製抗Cペプチド抗体の0.6μM抗体液50μl及び
上記のようにして得た精製抗Nペプチド抗体の0.6μ
M抗体液50μlを加え、4℃で20時間反応させるこ
とにより、それぞれの混合抗体とヒトプロレニンとを反
応させることにより、レニン活性物質を製造した。
社製)5mgを0.2M−リン酸緩衝液に溶解し、得た
溶液に2.5%グルタルアルデヒド水溶液1mlを加え
て反応させたのち、ゲルろ過により未反応のグルタルア
ルデヒドを除去した。次いで、この溶液に合成アンジオ
テンシンI(ペプチド研製)1mgを精製水1mlに溶
解して調製した溶液130μlを加えて反応させたの
ち、0.2M−リジン水溶液を加えて反応を停止させ
た。再びゲルろ過して未反応のアンジオテンシンIを除
去することにより、酵素標識アンジオテンシンI液1.
5mlを得た。
酸緩衝液に溶解し、N‐(γ‐マレイミドブチロキシ)
サクシイミド3.6mgをテトラヒドロフランに溶解し
た溶液を滴下し、30℃において30分間反応させたの
ち、エチルアルコール及びジエチルエーテルを加えて、
−80℃において10分間放置して結晶を析出させた。
この結晶をジエチルエーテルで2回洗浄することによ
り、アンジオテンシンIとN‐(γ‐マレイミドブチロ
キシ)サクシイミドとの複合物を得た。別に牛血清アル
ブミン10mgを8M尿素を含む0.2M−トリス塩酸
緩衝液(pH8.6)2mlに溶解し、ジチオスレイト
ール(シグマ社製)15μmolを加えて37℃で1時
間反応させたのち、10%トリクロロ酢酸3mlを加え
て沈殿させ、この沈殿物を蒸留水で3回洗浄して還元型
牛血清アルブミンを得た。次いで、アンジオテンシンI
とN‐(γ‐マレイミドブチロキシ)サクシイミドとの
複合物と還元型牛血清アルブミンを尿素6Mを含む0.
2M−エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム水溶液
1.5mlに溶解し、25℃で2時間反応させた。反応
後透析し、アンジオテンシンI−牛血清アルブミン結合
物(免疫抗原)を得た。この溶液は、動物に免疫するま
で−80℃で保存する。
原)を実施例2と同様に処理して抗血清を得た。
トリウム液(pH9.6)で5000倍に希釈した液1
00μlを96穴マイクロプレート(グライナー社製)
の各穴に入れて、4℃で16時間静置し、マイクロプレ
ートに固定化した。このアンジオテンシンI抗体固定化
プレートにさらに1%牛血清アルブミンを含むリン酸緩
衝液200μlを加え、4℃で16時間静置した。
抗ペプチド抗体液50μlを加え、4℃で20時間反応
させることにより、結合体を形成させた。この反応液に
アンジオテンシノーゲン試薬100μlを加え、37℃
で60分反応させ、氷浴に移して反応を停止させた。次
に、前記酵素標識アンジオテンシンI液100μlを加
えて混合し、この混合液100μlを前記アンジオテン
シンI抗体プレートに移し、25℃で2時間ゆるく振り
まぜた。さらに、発色試薬200μlを加え、25℃で
15分間反応させて発色させ、1N−リン酸100μl
を加えて反応を停止させ、比色計を用いて450nmの
吸光度を測定した。ポジティブコントロールとして完熟
型レニン100μlを用いて同様に操作した。また、ネ
ガティブコントロールとしてヒトプロレニン液に抗M又
はCペプチド抗体の代わりに、同量の正常家兎血清を加
えて同様の操作をした。その結果、ヒトプロレニンは抗
Mペプチド抗体又は抗Cペプチド抗体と結合体を形成す
るとレニン活性を発現し、ポジティブコントロールとし
ての完熟型レニンとほぼ同等のレニン活性を示したのに
対し、ネガティブコントロールとしてのヒトプロレニン
ではほとんどレニン活性を示さなかった。以上から、ヒ
トプロレニンは抗Mペプチド抗体又は抗Cペプチド抗体
と結合すると、レニン活性を発現する結合体に変換され
たことが分かる。
その抗プロフラグメントペプチド抗体との結合体は、レ
ニン活性を発現した新規レニン活性物質であることか
ら、市販の活性レニン免疫測定試薬又はレニン活性免疫
測定試薬を用いて、体液中プロレニン測定法として実用
化が容易である。
ンブロット分析の結果を示すパターン。
との結合能を示すグラフ。
との結合能を示すグラフ。
のレニン活性を示すグラフ。
ド抗体とヒトプロレニンとの結合体の相対レニン活性を
示すグラフ。
17)
Claims (6)
- 【請求項1】 43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列をもつヒトプロレニンプロフラグメント中の第11
番目のイソロイシンから第43番目のアルギニンまでの
33個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列の中の任意
の位置にある15個以上のアミノ酸で構成されたアミノ
酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体の少なくとも
1種とヒトプロレニンの結合体からなるレニン活性物
質。 - 【請求項2】 43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列をもつヒトプロレニンプロフラグメント中の第11
番目のイソロイシンから第43番目のアルギニンまでの
33個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列の中の任意
の位置にある15個以上のアミノ酸で構成されたアミノ
酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体の少なくとも
1種と、上記ヒトプロレニンプロフラグメント中の第1
番目のロイシンから第11番目のイソロイシンまでの1
1個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に認
識する抗ペプチド抗体との混合抗体とヒトプロレニンの
結合体からなるレニン活性物質。 - 【請求項3】 43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列をもつヒトプロレニンプロフラグメント中の第11
番目のイソロイシンから第26番目のアルギニンまでの
16個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に
認識する抗ペプチド抗体とヒトプロレニンの結合体から
なるレニン活性物質。 - 【請求項4】 43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列をもつヒトプロレニンプロフラグメント中の第27
番目のグリシンから第41番目のメチオニンまでの15
個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に認識
する抗ペプチド抗体とヒトプロレニンの結合体からなる
レニン活性物質。 - 【請求項5】 43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列をもつヒトプロレニンプロフラグメント中の第11
番目のイソロイシンから第26番目のアルギニンまでの
16個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に
認識する抗ペプチド抗体と上記ヒトプロレニンプロフラ
グメント中の第1番目のロイシンから第11番目のイソ
ロイシンまでの11個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体との混合抗体と
ヒトプロレニンの結合体からなるレニン活性物質。 - 【請求項6】 43個のアミノ酸で構成されたアミノ酸
配列をもつヒトプロレニンプロフラグメント中の第27
番目のグリシンから第41番目のメチオニンまでの15
個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列を特異的に認識
する抗ペプチド抗体と上記ヒトプロレニンプロフラグメ
ント中の第1番目のロイシンから第11番目のイソロイ
シンまでの11個のアミノ酸で構成されたアミノ酸配列
を特異的に認識する抗ペプチド抗体との混合抗体とヒト
プロレニンの結合体からなるレニン活性物質。
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