JP2000185963A - セラミックキャピラリリブを形成するためのセラミックペースト - Google Patents

セラミックキャピラリリブを形成するためのセラミックペースト

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JP2000185963A
JP2000185963A JP10363186A JP36318698A JP2000185963A JP 2000185963 A JP2000185963 A JP 2000185963A JP 10363186 A JP10363186 A JP 10363186A JP 36318698 A JP36318698 A JP 36318698A JP 2000185963 A JP2000185963 A JP 2000185963A
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ceramic
rib
paste
capillary
blade
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Seiji Toyoda
誠司 豊田
Makoto Chokai
誠 鳥海
Yoshio Kanda
義雄 神田
Yoshio Kuromitsu
祥郎 黒光
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない工程で材料の無駄なく、簡便にかつ精度
良くセラミックキャピラリリブを形成し、キャピラリリ
ブの形状を保ってセラミックリブを形成する。 【解決手段】塑性変形によってセラミックキャピラリリ
ブを形成可能なセラミックペーストである。このペース
トはガラス粉末又はガラス・セラミック混合粉末が30
〜95重量%と、樹脂が0.3〜15重量%と、溶媒が
3〜70重量%とを含む。溶媒が複数種類の溶剤と可塑
剤と分散剤の混合物であり、これらの溶剤の各沸点が3
0℃以上異なる。ペーストの塗布してペースト膜11に
した後、この状態でペースト膜11にブレード12をつ
き刺し、このブレードをペースト膜11に対して相対的
に一定方向に移動することにより、ペースト膜11を塑
性変形してセラミックキャピラリリブ13が形成され
る。キャピラリリブの乾燥時に複数種類の溶剤が順次揮
発し、キャピラリリブの形状を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDP(plasma d
isplay panel: プラズマディスプレイパネル)、PAL
C(plasma addressed liquid crystal display)等の
FPD(flat panel display)の製造工程におけるセラ
ミックキャピラリリブ(ceramic capillaryrib)を形成
するためのセラミックペースト及びこのキャピラリリブ
から作られたセラミックリブ並びにこのセラミックリブ
を有するFPDに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックリブは、図7に示すよ
うにガラス基板1の上にガラス粉末を含むリブ形成用ペ
ースト2を厚膜印刷法により所定のパターンで位置合わ
せをして多数回重ね塗りし、乾燥した後に焼成し、基板
1上に所定の間隔をあけて作られている。このリブ8の
高さHは通常100〜300μm、リブの幅Wは通常5
0〜100μm程度であって、リブとリブで挟まれるセ
ル9の広さSは通常100〜300μm程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の厚
膜印刷法によるセラミックリブの形成方法では、リブの
幅Wが50〜100μm程度と比較的狭くかつ印刷後に
ペーストがだれ易いため、厚膜の一回塗りの厚さは焼成
上がりで10〜20μm程度に小さく抑えなければなら
ない。この結果、この方法では高さHが100〜300
μmのリブを作るために、厚膜を10〜20回もの多く
の回数重ね塗りする必要があり、その上重ね塗りした後
のリブの高さHをリブの幅Wで除したH/Wが1.5〜
4程度と大きいために、厚膜印刷時に十分に位置合わせ
をしても精度良くリブを形成しにくい欠点があった。本
発明の目的は、少ない工程で材料の無駄なく、簡便にか
つ精度良くセラミックキャピラリリブを形成でき、キャ
ピラリリブの形状を保ってセラミックリブを形成し得る
セラミックペーストを提供することにある。本発明の別
の目的は、このキャピラリリブから作られたセラミック
リブ並びにこのセラミックリブを有するFPDを提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
塑性変形によってセラミックキャピラリリブを形成可能
なセラミックペーストであって、ガラス粉末又はガラス
・セラミック混合粉末が30〜95重量%と、樹脂が
0.3〜15重量%と、溶媒が3〜70重量%とを含
み、溶媒が複数種類の溶剤と可塑剤と分散剤の混合物で
あり、これらの溶剤の各沸点が30℃以上異なることを
特徴とするセラミックペーストである。この請求項1に
記載されたセラミックペーストでは、上記のようにペー
ストを配合することにより粘度が1000〜500,0
00cpsのペーストを得ることができ、基板上に形成
されたセラミックキャピラリリブのだれを抑制してセラ
ミックキャピラリリブを精度良く形成する。なお、ペー
ストの粘度は5,000〜500,000cpsが好ま
しく、10,000〜300,000cpsが更に好ま
しい。この所定の粘度を有するペーストに所定の外力を
加えると、ペーストが所望の形状のセラミックキャピラ
リリブに変形し、上記外力を取り去ってもセラミックペ
ーストは元に戻らずに、上記セラミックキャピラリリブ
は変形した後の形状に保たれる。各沸点が30℃以上異
なる複数種類の溶剤を含ませることにより、キャピラリ
リブの乾燥時に複数種類の溶剤が順次揮発するため、キ
ャピラリリブの形状が歪むことなくその形状を保ったま
まセラミックリブを作製することができる。
【0005】請求項2に係る発明は、図1に示すよう
に、請求項1に係る発明であって、塑性変形がセラミッ
クペースト膜11に所定のくし歯12bを有するブレー
ド12をつき刺し、ブレード12をペースト膜11に対
して相対的に一定方向に移動することにより行われるペ
ーストである。この請求項2に記載されたセラミックペ
ーストでは、塑性変形がくし歯12bをペースト膜11
につき刺した状態でブレード12をペースト膜11に対
して相対的に一定方向に移動することにより行われる。
即ち、ペースト膜11のうちブレード12のくし歯12
bに対応する箇所のペーストがくし歯12bの隙間に移
動するか若しくは掃き取られるので、ペースト膜11が
くし歯12bの隙間の形状に変形し、かつくし歯12b
の隙間の形状に保たれる。この結果、基板10表面にセ
ラミックキャピラリリブ13が形成される。
【0006】なお、本明細書で「セラミックキャピラ
リ」とは、本発明のガラス粉末又はガラス・セラミック
混合粉末と有機バインダと溶剤と可塑剤と分散剤を含む
セラミックペーストを塗布した後の大部分の有機バイン
ダと溶剤と可塑剤と分散剤が残存している状態をいう。
また「セラミックグリーン」とは、ガラス粉末又はガラ
ス・セラミック混合粉末と樹脂と可塑剤と分散剤が残存
している状態で、溶剤の大部分が残存していない状態を
いう。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1に示すように、セラミッ
クキャピラリリブ13は基板10の表面にセラミックペ
ーストを塗布して形成されたセラミックペースト膜11
に、ブレード12に形成されたくし歯12bをつき刺
し、ブレード12のエッジ12aを基板10表面に接触
させた状態でブレード12又は基板10を一定方向に移
動することにより基板10表面に形成される。セラミッ
クペーストは、ガラス粉末又はガラス・セラミック混合
粉末と樹脂と溶媒(複数種類の溶剤と可塑剤と分散剤)
とを含むペーストであり、ガラス粉末はSiO2、Zn
O、PbO等を主成分として、その軟化点が300℃〜
600℃であることが必要である。
【0008】ガラス・セラミック混合粉末とはSi
2、ZnO、PbO等を主成分とするガラス粉末と、
フィラーの役割を果すアルミナ、コージェライト、ムラ
イト、フォルステライト等のセラミック粉末とを含むも
のであり、このセラミック粉末は形成されるリブ13の
熱膨張係数をガラス基板10の熱膨張係数と均等にする
ため、及び焼成後のセラミックリブの強度を向上させる
ために混合される。セラミック粉末は60容積%以下が
好ましい。セラミック粉末が60容積%以上になるとリ
ブが多孔質になり好ましくない。なお、ガラス粉末及び
セラミック粉末の粒径はそれぞれ0.1〜30μmであ
ることが好ましい。ガラス粉末及びセラミック粉末の粒
径が0.1μm未満であると凝集し易くその取扱いが煩
わしくなる。また、30μmを越えると後述するブレー
ド12の移動時に所望のリブ13が形成できなくなる不
具合がある。
【0009】セラミックペーストは、ガラス粉末又はガ
ラス・セラミック混合粉末を30〜95重量%、樹脂を
0.3〜15重量%、溶媒(複数種類の溶剤と可塑剤と
分散剤)を3〜70重量%それぞれ配合する。また、ガ
ラス粉末又はガラス・セラミック混合粉末を70〜90
重量%、樹脂を0.5〜3.5重量%、溶媒(複数種類
の溶剤と可塑剤と分散剤)を7〜20重量%それぞれ配
合することが好ましい。ガラス粉末又はガラス・セラミ
ック混合粉末を30〜95重量%の範囲に限定したの
は、30重量%未満ではブレードを用いて所定の形状の
セラミックキャピラリリブを得るのが困難になり、95
重量%を越えると基板表面にペーストを均一に塗布する
ことが困難になるからである。また樹脂を0.3〜15
重量%の範囲に限定したのは、0.3重量%未満ではブ
レードを用いて所定の形状のセラミックキャピラリリブ
を得るのが困難になり、15重量%を越えると基板表面
にペーストを均一に塗布することが困難になり、かつ焼
成後のセラミックリブ内に有機物が残存するという不具
合があるからである。更に溶媒を3〜70重量%の範囲
に限定したのは、3重量%未満では基板表面にペースト
を均一に塗布することが困難になるからであり、70重
量%を越えるとブレードを用いて所定の形状のセラミッ
クキャピラリリブを得るのが困難になるからである。セ
ラミックペーストを上記のように配合することにより粘
度が1000〜500,000cpsのペーストを得る
ことができ、基板上に形成されたセラミックキャピラリ
リブ13のだれを抑制してセラミックキャピラリリブ1
3を精度良く形成することができる。
【0010】樹脂はバインダとしての機能を有し、熱分
解しやすく、溶剤に溶けて高粘度を有するポリマーであ
って、エチルセルロース、アクリル又はポリビニルブチ
ラールなどが挙げられる。溶剤としてはアルコール系、
エーテル系、芳香族系等の有機溶剤もしくは水が挙げら
れる。有機溶剤はアルコール系及びエーテル系が好まし
い。好ましいアルコールにはトリエチレングリコール、
αテレピネオール等が挙げられる。また好ましいエーテ
ルにはジエチルエーテル等が挙げられる。複数種類の溶
剤は沸点がそれぞれ30℃以上異なる。最も配合量の多
い溶剤の配合割合は80重量%以下が好ましく、60重
量%以下が更に好ましい。また最も配合量の少ない溶剤
の配合割合は10重量%以上が好ましく、30重量%以
上が更に好ましい。キャピラリリブ形成後の乾燥時にこ
れらの溶剤が順次揮発し易くなるためである。これらの
溶剤を例示すれば、150℃前後の沸点の溶剤としてメ
トキシエチルアセテート、2−エトキシエタノール等が
あり、200℃前後の沸点の溶剤としてαテレピネオー
ルがあり、300℃以上の沸点の溶剤としてテトラエチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール等があるの
で、これらを適宜組合せることにより、本発明の溶剤が
得られる。可塑剤としてはグリセリン、ジブチルフタレ
ート等が挙げられ、分散剤としてはベンゼンやスルフォ
ン酸等が挙げられる。
【0011】セラミックペーストの基板10表面への塗
布は、ローラコーティング法、スクリーン印刷法、ディ
ップ法又はドクタブレード法等の既存の手段により行わ
れる。基板10表面にペーストが塗布されペースト膜1
1が形成された後、3〜6時間程度放置される。次いで
ペースト膜11をブレード12により塑性変形させてセ
ラミックキャピラリリブ13を形成する。このペースト
膜11の形成された基板10表面に接触させるブレード
12には複数のくし歯12bが等間隔にかつ同一方向に
形成される。このブレード12はセラミックペーストと
の反応やペーストに溶解されることのない金属、セラミ
ック又はプラスチック等により作られ、特に、寸法精
度、耐久性の観点からセラミック若しくはFe,Ni,
Co基の合金が好ましい。それぞれのくし歯12bの隙
間はこのブレード12により形成されるセラミックキャ
ピラリリブ13の断面形状に相応して形成される。図3
及び図4に示すように、本実施の形態におけるブレード
12は厚さtが0.7mmのステンレススチールにより
形成され、くし歯12bのピッチPが300μmであっ
て、くし歯12bの隙間の深さhが300μmに形成さ
れる。
【0012】ここで、ブレード12は、厚さtが0.0
1mm以上3.0mm以下であって、くし歯12bのピ
ッチをPとし、くし歯12bの隙間をw、その隙間の深
さをhとするとき、0.03mm≦h≦1.0mmであ
りかつw/P≦0.9の関係にあって、くし歯12bの
ピッチPは50μm以上であることが好ましい。これら
の条件を満たすブレード12により形成されたセラミッ
クキャピラリリブ13は、その後の乾燥及び焼成により
引き締り、所望のリブの隙間を有する緻密なセラミック
リブを得ることができる。また、くし歯12bの隙間の
形状は図3に示すように方形状に形成する場合のみなら
ず、最終的に作られるFPDの用途によりくし歯12b
の隙間の形状を台形状又は逆台形に形成してもよい。く
し歯12bの隙間の形状を台形にすれば、開口部を広く
した用途に適したセラミックキャピラリリブ13を形成
することができ、くし歯12bの隙間の形状を逆台形に
すれば、リブの頂部が広い面積で平坦化したセラミック
キャピラリリブ13を形成することができる。
【0013】図1に戻って、このように構成されたブレ
ード12によるセラミックキャピラリリブ13の形成
は、ブレード12のくし歯12bをペースト膜11につ
き刺し、エッジ12aを基板10表面に接触させた状態
で、基板10を固定して図1の実線矢印で示すようにブ
レード12を一定方向に移動するか、又はブレード12
を固定して図1の破線矢印で示すように基板10を一定
方向に移動させてペースト膜11を塑性変形させること
により行われる。即ち、上記移動により基板10表面に
塗布されたペーストのブレード12のくし歯12bに対
応する箇所は、くし歯12bの隙間に移動するか若しく
は掃き取られ、くし歯12bの隙間に位置するペースト
のみが基板10上に残存して基板10表面にセラミック
キャピラリリブ13が形成される。くし歯の溝の深さが
ペースト膜11の厚さより大きい場合にはブレード12
又はガラス基板10を移動するときに掃き取られたペー
ストが溝に入り込みペースト膜11の厚さ以上の高さを
有するセラミックキャピラリリブ13を形成できる。こ
のセラミックキャピラリリブ13を形成した後、大気中
100〜200℃で10〜30分間乾燥してセラミック
グリーンリブを形成する。本発明ではセラミックペース
トに各沸点が30℃以上異なる複数種類の溶剤を含ませ
ているため、乾燥時に溶剤が一度に揮発せず、単一種類
の溶剤を含んでいた場合と比較して、キャピラリリブ1
3の形状が良好に保たれてセラミックグリーンリブにな
る。続いて脱バインダのため大気中300〜400℃で
30分間〜3時間加熱し、更に大気中520〜580℃
で10〜30分間焼成することにより、図2に示す型崩
れのないセラミックリブ14になる。このセラミックリ
ブを用いて図示しないPDP、PALC等のFPDを作
製することができる。
【0014】上述のようにして基板10上に形成された
セラミックリブ14は、図2の拡大した円内に示すよう
に、リブ14の高さをHとし、高さ(1/2)Hのとこ
ろのリブ14の幅をWC、高さ(3/4)Hのところの
リブ14の幅をWM及び高さ(9/10)Hのところの
リブ14の幅をWTとするとき、H、WC、WM及びWT
それぞれの(最大値−平均値)/平均値で表されるばら
つきが5%以下であって、H/WCで表されるアスペク
ト比が1.5〜10であることが好ましい。アスペクト
比が1.5〜10であることにより、極めて高精細なセ
ラミックリブ14が得られる。
【0015】図5及び図6は本発明の第2の実施の形態
を示す。図5及び図6において図1及び図2と同一符号
は同一部品を示す。この実施の形態では、上記第1の実
施の形態と同様に基板10の表面に形成されたセラミッ
クペースト膜11にブレード12のくし歯12bをつき
刺し、ブレード12のエッジ12aを基板10表面から
所定の高さ浮上した状態でブレード12又は基板10を
一定方向に移動してペースト膜11を塑性変形させるこ
とにより、基板10表面にセラミックキャピラリ層22
とこのセラミックキャピラリ層22上にセラミックキャ
ピラリリブ23が形成される。ペーストの成分及びペー
ストの塗布方法は上記第1の実施の形態と同一に構成さ
れる。
【0016】ブレード12によるセラミックキャピラリ
リブ23の形成は、図5に示すように、ブレード12の
エッジ12aをペースト膜11を形成した基板10表面
から所定の高さ浮上した状態で基板10を固定して実線
矢印で示すようにブレード12を一定方向に移動する
か、又はブレード12を固定して破線矢印で示すように
基板10を一定方向に移動させることにより行われる。
この移動により基板10表面から所定の高さまでのペー
ストは基板表面上に残存してセラミックキャピラリ層2
2を形成し、このセラミックキャピラリ層22より上方
のペーストにおけるブレード12のくし歯12bに対応
する箇所はくし歯12bの隙間に移動するか若しくは掃
き取られ、くし歯12bの隙間に位置するペーストのみ
がセラミックキャピラリ層22上に残存してセラミック
キャピラリ層22上にセラミックキャピラリリブ23が
形成される。
【0017】次に上記セラミックキャピラリ層22及び
セラミックキャピラリリブ23から上記第1の実施の形
態の方法と同様にして、図5に示す基板10上に絶縁層
24が形成され、この絶縁層24上にセラミックリブ2
5が形成される。絶縁層24上に形成されたセラミック
リブ25は、図6の拡大した円内に示すように、リブ2
5の高さをHとし、高さ(1/2)Hのところのリブ2
5の幅をWC、高さ(3/4)Hのところのリブ25の
幅をWM及び高さ(9/10)Hのところのリブ25の
幅をWTとするとき、H、WC、WM及びWTのそれぞれの
(最大値−平均値)/平均値で表されるばらつきが5%
以下であって、H/WCで表されるアスペクト比が1.
5〜10であることが好ましい。アスペクト比が1.5
〜10であることにより、極めて高精細なセラミックリ
ブ25が得られる。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>平均粒径0.8μmのPbO−SiO2
23系ガラス粉末を80重量%と、セラミックフィラ
ーとして平均粒径0.3μmのアルミナ粉末を20重量
%とを用意し、両者を十分に混合した。この混合粉末と
樹脂としてのエチルセルロースと溶媒とを重量比で80
/0.5/19.5の割合で配合し、十分に混練してセ
ラミックペーストを得た。溶媒はメトキシエチルアセテ
ート、αテレピネオール及びテトラエチレングリコール
の3種類の溶剤を重量比で1/1/1の割合で混合して
調製した。対角寸法が40インチであって、厚さが3m
mのソーダライム系の長方形のガラス基板10を固定し
た状態で、このガラス基板10上に上記ペーストを図1
に示すようにローラコーティング法により厚さ250μ
mで塗布してペースト膜11を形成した。
【0019】一方、くし歯12bのピッチPが300μ
mであって、くし歯12bの隙間wが150μm、その
深さhが300μm、厚さtが0.7mmのステンレス
鋼により形成されたブレード12を用意した(図3及び
図4)。ペーストを塗布してから大気中室温下で3時間
放置した後、ガラス基板を固定したまま、このブレード
12のくし歯12bをペースト膜につき刺し、そのエッ
ジ12aをガラス基板10に接触させた状態で、図1の
実線矢印で示す方向にブレード12を一定方向に移動し
てペースト膜11を塑性変形させることにより、基板1
0表面にセラミックキャピラリリブ13を形成した。
【0020】<実施例2>平均粒径2μmのPbO−S
iO2−B23系ガラス粉末を50重量%と、セラミッ
クフィラーとして平均粒径1μmのアルミナ粉末を50
重量%とを用意し、両者を十分に混合して混合粉末を作
製した。この混合粉末と樹脂としてのエチルセルロース
と溶媒とを重量比で75/1/24の割合で配合し、十
分に混練してセラミックペーストを得た。溶媒は2−エ
トキシエタノール、αテレピネオール及び1,5−ペン
タンジオールの3種類の溶剤を重量比で2/2/1の割
合で混合して調製した。このペーストを実施例1と同様
にして実施例1と同じガラス基板上に塗布しペースト膜
を形成した。大気中室温下で3時間放置した後、このペ
ースト膜にブレードをつき刺して移動し、ペースト膜を
塑性変形させることにより、基板表面にセラミックキャ
ピラリリブを形成した。
【0021】<比較例1>図7に示すように、ソーダラ
イム系ガラス基板1上にガラス粉末と有機バインダと溶
媒とを含む粘度が50,000cpsのリブ形成用ペー
スト2をスクリーン印刷法により所定のパターンで位置
合わせをして印刷し、150℃で10分間乾燥する工程
を12回繰返して重ね塗りした。この重ね塗りはセラミ
ックグリーンリブ2の高さHが200μmとなるように
設定した。上記リブ形成用ペーストとしてはSiO2
ZnO及びPbOを主成分とするガラス粉末とAl23
粉末とを含む。また有機バインダとしてはエチルセルロ
ースを用い、更に溶媒としてはα−テレピネオールを用
いた。これにより所定の間隔(セル9の広さS)をあけ
てセラミックグリーンリブ2を形成した。次に基板1上
にセラミックグリーンリブ2が形成された構造体を大気
中で550℃で1時間熱処理することにより、基板1上
に高さHが約170μmのセラミックリブ8を形成し
た。
【0022】<比較試験及び評価>実施例1及び実施例
2の基板10に形成されたセラミックキャピラリリブ1
3を大気中150℃で20分間乾燥して溶媒を脱離させ
ることによりセラミックグリーンリブ(図示せず)に
し、更に脱バインダのために350℃で60分間加熱し
た後に、大気中530℃で10分間焼成してセラミック
リブ14とした。このように焼成して得られた実施例1
及び実施例2のセラミックリブ14のそれぞれ任意の1
00本と、比較例1で得られたセラミックリブ8の任意
の100本について、その高さH及び幅を以下のように
それぞれ測定した。図2に示すように、実施例1,2及
び比較例1の基板上の任意の100本のセラミックリブ
の幅の測定は、セラミックリブの高さをHとしたときの
高さ(1/2)Hのところのリブの幅WCと、高さ(3
/4)Hのところのリブの幅WMと、高さ(9/10)
Hのところのリブの幅WTとをそれぞれ測定することに
より行った。またこれらの測定値の平均値を算出した
後、H、WC、WM及びWTのそれぞれの(最大値又は最
小値−平均値)/平均値で表されるばらつきを算出し
た。表1に実施例1,2の結果を比較例1の結果と対比
させて示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、比較例1と比べ
て、実施例1及び実施例2では、セラミックキャピラリ
リブを形成した後、これを乾燥するときに3種類の溶剤
が順次揮発するため、キャピラリリブの形崩れがなく、
そのままの形状でセラミックグリーンリブができ、この
グリーンリブから高さと幅のばらつきの小さいセラミッ
クリブを基板上に形成できることが判った。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
ラミックペーストを塑性変形させてセラミックキャピラ
リリブを形成したので、所定の粘度を有するペーストに
所定の外力を加えると、ペーストが所望の形状のセラミ
ックキャピラリリブに変形し、上記外力を取り去っても
ペーストは元に戻らずに、上記セラミックキャピラリリ
ブは変形した後の形状に保たれる。またセラミックペー
ストがガラス粉末又はガラス・セラミック混合粉末が3
0〜95重量%と、樹脂が0.3〜15重量%と、溶媒
が3〜70重量%とを含むように構成すれば、所定の粘
度のペーストを得ることができ、セラミックキャピラリ
リブのだれを抑制できる。この結果、少ない工程で材料
の無駄なく、簡便にかつ精度良くセラミックキャピラリ
リブを形成することができる。またこの塑性変形をセラ
ミックペースト膜にくし歯をつき刺した状態でブレード
をペースト膜に対して相対的に一定方向に移動すること
により行うと、ペースト膜のうちブレードのくし歯に対
応する箇所のペーストがくし歯の隙間に移動するか若し
くは掃き取られるので、ペースト膜がくし歯の隙間の形
状に変形し、かつくし歯の隙間の形状に保たれる。この
結果、上記と同様に少ない工程で材料の無駄なく、簡便
にかつ精度良くセラミックキャピラリリブを形成するこ
とができる。
【0026】上記溶媒に各沸点が30℃以上異なる複数
種類の溶剤を含ませることにより、キャピラリリブの乾
燥時に複数種類の溶剤が順次揮発するため、キャピラリ
リブの形状が歪むことなくその形状を保ったままセラミ
ックリブを作製することができる。本発明のセラミック
キャピラリリブを乾燥焼成すれば、高精細なセラミック
リブを形成でき、かつこのセラミックリブをFPDに利
用すれば、高品質のFPDが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のセラミックキャピラリリ
ブの形成状態を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線断面におけるセラミックキャピ
ラリリブを乾燥、加熱及び焼成することにより得たセラ
ミックリブを示す断面図。
【図3】そのブレードの正面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】本発明第2実施形態のセラミックキャピラリ層
付リブの形成状態を示す図1に対応する斜視図。
【図6】図5のB−B線断面におけるセラミックキャピ
ラリ層付リブを乾燥、加熱及び焼成することにより得た
絶縁層付セラミックリブを示す図2に対応する断面図。
【図7】従来のセラミックリブの形成を工程順に示す断
面図。
【符号の説明】
10 ガラス基板 11 セラミックペースト膜 12 ブレード 12a エッジ 12b くし歯 13,23 セラミックキャピラリリブ 14,25 セラミックリブ 22 セラミックキャピラリ層 24 絶縁層
フロントページの続き (72)発明者 神田 義雄 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 黒光 祥郎 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA32 AA37 AA40 AA67 BA12 CA07 GA17 GA20 HA04 HA09 HA18 HA25 5C027 AA09 5C040 GF18 GF19 JA02 JA11 JA20 JA22 JA28 KA11 KA17 LA17 MA24 MA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性変形によってセラミックキャピラリ
    リブを形成可能なセラミックペーストであって、 ガラス粉末又はガラス・セラミック混合粉末が30〜9
    5重量%と、樹脂が0.3〜15重量%と、溶媒が3〜
    70重量%とを含み、 前記溶媒が複数種類の溶剤と可塑剤と分散剤の混合物で
    あり、前記複数種類の溶剤の各沸点が30℃以上異なる
    ことを特徴とするセラミックキャピラリリブを形成する
    ためのセラミックペースト。
  2. 【請求項2】 塑性変形がセラミックペースト膜(11)に
    所定のくし歯(12b)を有するブレード(12)をつき刺し、
    前記ブレード(12)を前記ペースト膜(11)に対して相対的
    に一定方向に移動することにより行われる請求項1記載
    のセラミックペースト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のセラミックペース
    トを用いて形成したセラミックキャピラリリブを乾燥焼
    成してなるセラミックリブ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のセラミックリブを有する
    PDP。
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KR10-1999-0002869A KR100388698B1 (ko) 1998-01-30 1999-01-29 세라믹 캐필러리 리브 형성 방법, 그에 사용되는 세라믹 페이스트 및 그 형성 장치
US09/240,858 US20020180353A1 (en) 1998-01-30 1999-02-01 Method of forming ceramic capillary rib, ceramic paste used therefor, and apparatus for forming same
US10/694,902 US20040085266A1 (en) 1998-01-30 2003-10-29 Method of forming ceramic capillary rib, ceramic paste used therefor, and apparatus for forming same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020024279A (ko) * 2002-02-20 2002-03-29 김덕호 G.r.c. 조성물 및 이의 제조방법

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