JP2000185657A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP2000185657A
JP2000185657A JP36434698A JP36434698A JP2000185657A JP 2000185657 A JP2000185657 A JP 2000185657A JP 36434698 A JP36434698 A JP 36434698A JP 36434698 A JP36434698 A JP 36434698A JP 2000185657 A JP2000185657 A JP 2000185657A
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torque sensor
potentiometer
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assist
steering
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Yoshinori Ogiso
好典 小木曽
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触式であるためにノイズが発生し第1ポテ
ンショメータにより検知される操舵量が急変しても、ア
シスト力が急変してしまうことを防止することができる
とともに、かかる第1ポテンショメータが故障したと誤
認してしまうことを防止することができる電動式パワー
ステアリング装置を提供すること。 【解決手段】 第1A/D変換機の値(デジタル変換さ
れた第1ポテンショメータの出力電圧値)の1ms当り
の変位量が0.5Vよりも大きい場合には(S1:Ye
s)、第2A/D変換機の値(デジタル変換された第2
ポテンショメータの出力電圧値)を第1ポテンショメー
タの出力電圧値として設定し(S6)、その設定した出
力電圧値に基づいてモータ駆動回路を制御する(S
3)。よって、第1ポテンショメータの値が急変して
も、アシスト力が急変してしまうことを防止することが
できるとともに、第1ポテンショメータが故障したと誤
認してしまうことを防止することができるのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動式パワーステ
アリング装置に関し、特に、接触式であるために例えば
ノイズが発生し第2トルクセンサの検出値が急変して
も、アシスト力が急変してしまうことを防止することが
できるとともに、かかる第2トルクセンサが故障したと
誤認してしまうことを防止することができる電動式パワ
ーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング装置は、自動車(車
輌)に搭載され、操舵力をアシストするステアリングシ
ステムであり、操舵者の操舵力の軽減を主たる目的とし
ている。このパワーステアリング装置の中には、構成部
品が少なくて済み、小型で軽量な電動式パワーステアリ
ング装置がある。この電動式パワーステアリング装置に
は、通常、操舵者の操舵トルクを検出する第1トルクセ
ンサと、その第1トルクセンサとは別に操舵トルクを検
出する接触式の第2トルクセンサとが設けられている。
第1トルクセンサは、第2トルクセンサが故障したか否
かを監視するためのセンサであり、通常、電動式パワー
ステアリング装置は、第2トルクセンサの検出値に応じ
て電動モータに流れる電流の大きさを設定することによ
り操舵力のアシスト力を制御している。
【0003】この電動式パワーステアリング装置は、事
故防止のために例えば、第1トルクセンサの検出値と第
2トルクセンサとの検出値とを比較することによって、
第2トルクセンサが故障したか否かを判断している。こ
の場合、第2トルクセンサが故障したと判断すると、か
かる電動式パワーステアリング装置は、操舵力のアシス
トを停止するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
電動式パワーステアリング装置に設けられる第2トルク
センサには、安価な接触式のトルクセンサが用いられる
ことが多い。このため、操舵者の操舵トルクの大きさに
応じてブラシが抵抗体上を摺動する際に、ブラシと抵抗
体との間に接触抵抗が発生することにより、或いは、ブ
ラシと抵抗体との間に浮きが発生することにより、ノイ
ズが発生し、第2トルクセンサの検出値が急変してしま
うことがある。このとき、電動モータに流れる電流の大
きさも急変するため、アシスト力が急変してしまうとい
う問題点があった。また、前記した通り、第1トルクセ
ンサの検出値と第2トルクセンサの検出値とが比較され
るため、ノイズの発生に伴って第2トルクセンサの検出
値が一時的に急変した場合にも、第2トルクセンサが故
障したと誤認してしまうという問題点があった。
【0005】そこで、案出されたのが本発明であって、
接触式であるが故に起こる第2トルクセンサの検出値の
急変に起因するアシスト力の急変を防止することができ
るとともに、かかる第2トルクセンサが故障したと誤認
してしまうことを防止することができる電動式パワース
テアリング装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載の電動式パワーステアリング装置は、操
舵トルクを検出する第1トルクセンサと、その第1トル
クセンサとは別に操舵トルクを検出する接触式の第2ト
ルクセンサと、その第2トルクセンサの検出値に応じた
アシスト力で操舵力をアシストするアシスト装置と、そ
のアシスト装置を電気的に駆動する駆動装置とを備えて
おり、更に、前記第2トルクセンサの検出値の単位時間
当りの変位が所定値より大きい場合に、前記第1トルク
センサの検出値の単位時間当りの変位が所定値より小さ
ければ、その第1トルクセンサの検出値に応じたアシス
ト力で前記アシスト装置がアシストするように前記駆動
装置を制御する制御装置を備えている。
【0007】この請求項1記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、操舵トルクが第2トルクセンサによ
り検出されると、駆動装置により電気的に駆動されるア
シスト装置によって、第2トルクセンサの検出値に応じ
たアシスト力で操舵力がアシストされる。しかし、第2
トルクセンサは接触式であるために、例えばノイズが発
生し、その第2トルクセンサの検出値の単位時間当りの
変位が所定値よりも大きくなる場合、即ち、第2トルク
センサの検出値が急変してしまう場合がある。この場
合、第1トルクセンサの検出値の単位時間当りの変位が
所定値よりも小さければ、制御装置によって駆動装置が
制御され、かかる第1トルクセンサの検出値に応じたア
シスト力でアシスト装置が操舵力をアシストするように
される。
【0008】請求項2記載の電動式パワーステアリング
装置は、請求項1記載の電動式パワーステアリング装置
において、前記第2トルクセンサの検出値の単位時間当
りの変位が所定値より大きい時間が所定時間以上継続し
た場合に、前記アシスト装置による操舵力のアシストを
停止する停止装置を備えている。
【0009】請求項3記載の電動式パワーステアリング
装置は、操舵トルクを検出する第1トルクセンサと、そ
の第1トルクセンサとは別に操舵トルクを検出する接触
式の第2トルクセンサと、その第2トルクセンサの検出
値に応じたアシスト力で操舵力をアシストするアシスト
装置と、そのアシスト装置を電気的に駆動する駆動装置
とを備えており、更に、前記第2トルクセンサの検出値
を記憶する記憶装置と、前記第2トルクセンサの検出値
の単位時間当りの変位が所定値より大きい場合に、その
単位時間当りの変位が所定値より大きくなる前に前記記
憶装置に記憶された検出値に応じたアシスト力で前記ア
シスト装置がアシストするように前記駆動装置を制御す
る制御装置とを備えている。
【0010】この請求項3記載の電動式パワーステアリ
ング装置によれば、操舵トルクが第2トルクセンサによ
り検出されると、駆動装置により電気的に駆動されるア
シスト装置によって、第2トルクセンサの検出値に応じ
たアシスト力で操舵力がアシストされる。しかし、第2
トルクセンサは接触式であるために、例えばノイズが発
生し、その第2トルクセンサの検出値の単位時間当りの
変位が所定値よりも大きくなる場合、即ち、第2トルク
センサの検出値が急変してしまう場合がある。この場合
には、制御装置によって駆動装置が制御され、かかる第
2トルクセンサが急変する前に記憶装置に記憶された検
出値に応じたアシスト力でアシスト装置がアシストする
ようにされる。
【0011】請求項4記載の電動式パワーステアリング
装置は、請求項3記載の電動式パワーステアリング装置
において、前記第2トルクセンサの検出値の単位時間当
りの変位が所定値より大きい時間が所定時間以上継続し
た場合に、前記アシスト装置による操舵力のアシストを
停止する停止装置を備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、図1から図4までの添付図面を参照して説明す
る。図1は、電動式パワーステアリング装置(以下、
「EPS」と称す)1のブロック図である。図1に示す
ように、EPS1には、主に、ハンドル(ステアリング
ホイール)2、ステアリングシャフト3、トーションバ
ー4、ポテンショメータ5、ECU6、電動モータ7お
よび減速機8が設けられている。
【0013】ハンドル2は、操舵者により操舵(回動)
され、その回動トルクをステアリングシャフト3に伝達
するものである。ステアリングシャフト3はハンドル2
の回動トルクをトーションバー4に伝達するものであ
り、そのステアリングシャフト3の上端部に、ハンドル
2が取着されている。トーションバー4は、ステアリン
グシャフト3の下端側に配設されており、ステアリング
シャフト3を介して伝達されるハンドル2の回動トルク
をピニオン4aに伝達するものである。ここで、ハンド
ル2の回動トルクがステアリングシャフト3からピニオ
ン4aへ伝達されるとき、トーションバー4にはネジレ
力が発生し、このトーションバー4のネジレ力による円
周方向への回動トルクは、その軸方向への摺動量に変換
されるようになっている。
【0014】ポテンショメータ5は、トルクセンサの1
種類であり、トーションバー4の軸方向への摺動量、即
ち、操舵者による回動トルクに応じた大きさの出力電圧
を出力する。このポテンショメータ5は、第1ポテンシ
ョメータ5aと第2ポテンショメータ5bとを備えてい
る。第1ポテンショメータ5aと第2ポテンショメータ
5bとは、共にトーションバー4の軸方向への摺動量
(回動トルク)に応じた出力電圧を出力するものであ
る。
【0015】図2は、ポテンショメータ5の分解斜視図
である。図2に示すように、このポテンショメータ5の
略中央部には、略凹の字状の第1導電部51が形成され
ており、更に、その第1導電部51の左側に第2導電部
52が、第1導電部51の右側に第3導電部53がそれ
ぞれ形成されている。第1導電部51の表面には、略矩
形状に形成された第1抵抗体51aと第2抵抗体52a
とが図2に示す位置に配設されており、第1抵抗体51
aと第2導電部52とに接触するように第1ブラシ5a
1が、第2抵抗体52aと第3導電部53とに接触する
ように第2ブラシ5a2がそれぞれ配設されている。こ
のように構成することによって、ポテンショメータ5の
略左側には第1ポテンショメータ5aが、ポテンショメ
ータ5の略右側には第2ポテンショメータ5bがそれぞ
れ形成されるのである。
【0016】また、第1ポテンショメータ5aおよび第
2ポテンショメータ5bは、接触式のポテンショメータ
である。かかる第1ブラシ5a2および第2ブラシ5b
2は、操舵者によりハンドル2が左方向に回動される
と、その回動トルクの大きさに対応する分だけ、共に矢
印A方向に摺動する。一方、操舵者によりハンドル2が
右方向に回動されると、その回動トルクに大きさに対応
する分だけ、共に反矢印A方向に摺動する。
【0017】ポテンショメータ5のa点には+5V(ボ
ルト)の電位が与えられており、b点はGNDにされて
いる。このため、c−b間には、操舵者の回動トルクに
応じた第1ポテンショメータ5aの出力電圧が、一方、
d−b間には、その回動トルクに応じた第2ポテンショ
メータ5bの出力電圧が出力される。第1ブラシ5a2
と第2ブラシ5b2とは同方向に摺動するため、第1ポ
テンショメータ5aの出力電圧と第2ポテンショメータ
5bの出力電圧とは、2.5Vを境にして対称になる。
【0018】このように第1ポテンショメータ5aと第
2ポテンショメータ5bとが同一体に形成されているの
で、第1ポテンショメータ5aと第2ポテンショメータ
5bとをそれぞれ別体に構成するよりも、本EPS1を
構成するための部品点数を削減して、本EPS1の製造
コストを削減することができるのである。
【0019】なお、必ずしも、第1ポテンショメータ5
aと第2ポテンショメータ5bとが共に接触式のポテン
ショメータで構成される必要はなく、第2ポテンショメ
ータ5bについては、非接触式のポテンショメータで構
成されるようにしてもよい。
【0020】図1に示すECU6は、第1ポテンショメ
ータ5aの出力電圧値と第2ポテンショメータ5bの出
力電圧値とに基づいて電動モータ7に流れる電流値を制
御して、アシスト力を制御するものであり、第1A/D
変換器6aと、第2A/D変換器6bと、RAM6c
と、CPU6dと、モータ駆動回路6eと、ROM6f
とを備えている。
【0021】ROM6fは、データの書換えが不可能な
不揮発性のメモリであり、EPS1で実行される制御プ
ログラムなどを記憶している。図4のフローチャートに
示すプログラムは、このROM6fに記憶されている。
【0022】第1A/D変換器6aは、第1ポテンショ
メータ5aの出力電圧をデジタル変換するものであり、
第2A/D変換器6bは、第2ポテンショメータ5bの
出力電圧をデジタル変換するものである。RAM6c
は、データの書換えが可能な揮発性のメモリであり、第
1A/D変換器6aによりデジタル変換された第1ポテ
ンショメータ5aの出力電圧値と、第2A/D変換器6
bにより第2ポテンショメータ5bの出力電圧値とを記
憶する。
【0023】CPU6dは、第1A/D変換器6aによ
りデジタル変換された第1ポテンショメータ5aの出力
電圧値を所定時間毎(本実施例では、1ms毎)に検知
して、その検知した出力電圧値に基づいて電動モータ7
に印加する電圧値を設定するものである。このようにC
PU6dにより電動モータ7に流れる電圧値が設定され
るということは、電動モータ7に流れる電流値を設定す
るということである。電動モータ7は、その電動モータ
7に流れる電流の大きさと、その電動モータ7が出力す
るトルク(アシスト力)の大きさとが比例する特性を持
つ。即ち、CPU6dは、第1ポテンショメータ5の出
力電圧値に応じたアシスト力を設定するのである。な
お、電動モータ7に流れる電流値を設定する方式は、電
動モータに印加する電圧値を設定する方式に限られるも
のではなく、電動モータに電圧を印加する時間を設定す
る方式(いわゆる「PWM制御」方式)を用いるように
してもよい。
【0024】ここで、図3は、ハンドル2を回動した場
合における第1ポテンショメータ5a及び第2ポテンシ
ョメータ5bの出力電圧値の推移を示した図であり、詳
細には、図3(a)は、第1ポテンショメータ5aの出
力電圧値の推移を、図3(b)は、第2ポテンショメー
タ5bの出力電圧値の推移を示した図である。第1ポテ
ンショメータ5aにノイズが発生すると、図3(a)に
示すように、第1ポテンショメータ5aの出力電圧値が
急変する。この場合、第1ポテンショメータ5aの出力
電圧値の1ms当りの変位が所定値(本実施例では、
0.5V)より大きければ、CPU6dは、100ms
間、かかる第1ポテンショメータ5aの値によらず、第
2A/D変換器6bによりデジタル変換された第2ポテ
ンショメータ5bの出力電圧値に基づいて電動モータ7
に印加する電圧値を設定する。100ms経過した後に
第1ポテンショメータ5aの出力電圧値の急変が収束し
た場合には、CPU6dは、再び、第1ポテンショメー
タ5aの出力電圧に基づいて電動モータ7に印加する電
圧値を設定する。一方、デジタル変換された第1ポテン
ショメータ5aの出力電圧の急変が100ms経過した
後も継続している場合には、CPU6dは、第1ポテン
ショメータ5aが故障したものと判断して、電動モータ
7に印加する電圧値を設定することにより、電動モータ
7に流れる電流値を略「0」Aに制御する。即ち、CP
U6dは、デジタル変換された第1ポテンショメータ5
aの出力電圧の急変が100ms経過した後も継続して
いる場合には、操舵力のアシストを停止するのである。
なお、操舵力のアシストを停止するための方式は、電動
モータ7に流れる電流値をCPU6dによって略「0」
Aに制御する方式に限られるものではなく、例えば、電
動モータ7に電流を流すためのケーブルを中断(復旧可
能に切断)する方式を用いても良いし、アシストピニオ
ン9とラック10との接触部を非接触とする方式を用い
てもよい。
【0025】また、CPU6dは、第1ポテンショメー
タ5aの1ms当りの出力電圧値の変位が0.5Vより
大きい場合に、第2ポテンショメータ5bの出力電圧値
に基づいて電動モータ7に流れる電流値を設定してい
る。即ち、CPU6dは、第1ポテンショメータ5aの
出力電圧値が急変したか否かの判断の基準として、1m
sと0.5Vとを用いている。しかしながら、かかるC
PU6dが判断の基準とする時間は、必ずしも1msに
限られるものではなく、1msより長い時間(例えば、
10ms)にしても良い。このように、CPU6dが判
断の基準とする時間を長くすることにより、比較的長い
周期のノイズに伴い第1ポテンショメータ5aの出力電
圧が変化してしまう場合にも、第1ポテンショメータ5
aの異常を検知することができるのである。また、CP
U6dが判断の基準とする電圧値も、必ずしも0.5V
に限られるものではない。
【0026】図1に示すモータ駆動回路6eは、CPU
6dによって設定された電圧値を電動モータ7に印加し
て電動モータ7のトルク(アシスト力)を制御するもの
である。電動モータ7は、減速機8を駆動することによ
り、その減速機8に取着されているアシストピニオン9
を介してラック10にアシスト力を伝達するものであ
る。
【0027】なお、このようにラック10に伝達された
アシスト力は、ピニオン4aを介して伝達された操舵力
をアシストし、このアシスト力と操舵力とが相俟ってタ
イヤ11の向きが変えられる。
【0028】次に、図4のフローチャートを参照して、
上記のように構成されたEPS1の動作について説明す
る。図4は、アシスト力制御処理を示したフローチャー
トである。まず、第1A/D変換器6aの値の1ms当
りの変位が0.5Vより大きいか否か、即ち、第1A/
D変換器6aの値が急変したか否かを判断する(S
1)。判断の結果、第1A/D変換器6aの値の1ms
当りの変位が0.5V以下である場合には(S1:N
o)、第1A/D変換器6aの値を第1ポテンショメー
タ5aの値として設定し(S2)、その設定した第1ポ
テンショメータ5aの出力電圧値に基づいてモータ駆動
回路6eを制御する(S3)。即ち、電動モータ7に印
加する電圧値を設定し、アシスト力の大きさを制御す
る。モータ駆動回路6eの制御後(S3)、処理をS1
へ移行して、第1A/D変換器6aの値が急変したか否
かを判断する(S1)。
【0029】一方、S1の処理において、第1A/D変
換器6aの値の1ms当りの変位が0.5Vよりも大き
い場合には(S1:Yes)、第1A/D変換器6aの
値の急変がノイズによるものなのか又は故障によるもの
なのかを判断するために、かかる第1A/D変換器6a
の値の1ms当りの変位が0.5Vよりも大きい時間
(以下、「急変連続時間」と称す)が100ms以上継
続しているか否かを判断する(S4)。判断の結果、急
変連続時間の継続が100ms未満であれば(S4:N
o)、第2A/D変換器6bの値の1ms当りの変位が
0.5Vよりも大きいか否か、即ち、第2A/D変換器
6bの値が急変したか否かを判断する(S5)。判断の
結果、第2A/D変換器6bの値の1ms当りの変位が
0.5V以下である場合には(S5:No)、第2A/
D変換器6bの値を第1ポテンショメータ5aの出力電
圧値として設定する(S6)。その後、設定した第1ポ
テンショメータ5aの出力電圧値に基づいてモータ駆動
回路6eを制御する(S3)、即ち、電動モータ7に印
加する電圧値を設定し、アシスト力の大きさを制御する
のである。
【0030】一方、S4の処理において、急変連続時間
が100ms以上継続している場合(S4:Yes)、
又は、S5の処理において、第2A/D変換器6bの値
の1ms当りの変位が急変した場合には(S5:Ye
s)、モータ駆動回路6eを制御して電動モータ7に電
流が流れるのを停止する(S7)。
【0031】このように、第1A/D変換器6aの値の
1ms当りの変位が0.5Vより大きい場合、即ち、第
1A/D変換器6aの値が急変した場合には、第2A/
D変換器6bの値を第1ポテンショメータ5aの出力電
圧値として設定し、その設定した出力電圧値に基づいて
モータ駆動回路6eを制御する。通常、第2ポテンショ
メータ5bは、第1ポテンショメータ5aが故障したか
否かを監視するためのセンサであり、アシスト力を制御
するために使用されるセンサではない。しかし、接触式
である第1ポテンショメータ5aにノイズが発生し、第
1ポテンショメータ5aの出力電圧値が一時的に急変し
た場合には、本来監視用に使用される第2ポテンショメ
ータ5bの出力電圧値をも利用することにより、アシス
ト力が急変してしまうことを防止することができるので
ある。また、第1ポテンショメータ5aの出力電圧値が
一時的に急変しただけであれば、第1ポテンショメータ
5aが故障したと誤認して、操舵力のアシストを停止し
てしまうことを防止することができるのである。
【0032】なお、従来のEPSを搭載した車輌の運転
者は、第1ポテンショメータ5aの出力電圧値が一時的
に急変してしまう度にアシスト力が停止してしまうの
で、EPSが故障したと誤認して、修理会社などに点検
や修理などを依頼する煩雑な行為と費用の支払とをしな
ければならなかった。しかしながら、本EPS1におい
ては、かかる煩雑な行為と費用の支払とを省略すること
ができるのである。
【0033】次に、図5を参照して、第2実施例につい
て説明する。以下、第1実施例と同一の部分には同一の
符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明
する。図5は、第2実施例の電動式パワーステアリング
装置(EPS)100のアシスト力制御処理を示したフ
ローチャートである。
【0034】以下、図5を参照して、第2実施例のEP
S100の動作について説明する。図5に示すように、
まず、第1A/D変換器6aの値の1ms当りの変位が
0.5V以下である場合には(S1:No)、第1実施
例のEPS1と同様に、第1A/D変換器6aの値を第
1ポテンショメータ5aの出力電圧値として設定し(S
2)、その設定した第1ポテンショメータ5aの出力電
圧値に基づいて、モータ駆動回路6eを制御する(S
3)。制御後は、処理をS1へ移行して、第1A/D変
換器6aの値が急変したか否かを判断する(S1)。
【0035】一方、第1A/D変換器6aの値が急変し
(S1:Yes)、且つ、急変連続時間(第1A/D変
換器6aの値の1ms当りの変位が0.5Vよりも大き
い時間)の継続が100ms未満である場合には(S
4:No)、第1A/D変換器6aの値が急変する前に
RAM6cに記憶された第1A/D変換器6aの値を第
1ポテンショメータ5aの出力電圧値として設定し(S
11)する。設定後、その設定した第1ポテンショメー
タ5aの出力電圧値に基づいてモータ駆動回路6eを制
御し(S3)、処理をS1へ移行して、第1A/D変換
器6aの値が急変したか否かを判断する(S1)。
【0036】このように、例えばノイズの発生により第
1A/D変換器6aの値が急変した場合には、その急変
する直前にRAM6cに記憶された第1A/D変換器6
aの値に基づいて、モータ駆動回路6eが制御される。
第1実施例において説明したように、第2ポテンショメ
ータ5bは、第1ポテンショメータ5aが故障したか否
かを監視するためのセンサである。よって、第2ポテン
ショメータ5bをアシスト力を制御するためのセンサと
して使用することなく、フェールセーフ装置(安全装
置)の1装置である第1トルクセンサを独立して使用す
ることができるのである。
【0037】なお、本実施例において、請求項1記載の
制御装置が実行する処理としてはS6の処理が、請求項
2又は4に記載の停止装置が実行する処理としてはS7
の処理が、請求項3記載の制御装置が実行する処理とし
てはS11の処理がそれぞれ該当する。
【0038】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察することができるもので
ある。
【0039】例えば、本実施例では、ラック10へのア
シスト力の伝達は、電動モータ7が減速機8を駆動する
ことによりラック10へ伝達する方式が用いられてい
る。しかしながら、ラック10へのアシスト力の伝達方
式は、必ずしも、電動モータ7が減速機8を駆動する方
式に限られるものではなく、電動モータ7により油圧ポ
ンプを駆動して油圧をラック10へ伝達する方式を用い
るようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の電動式パワーステアリン
グ装置によれば、接触式である第2トルクセンサの検出
値が急変した場合には、制御装置によって、第1トルク
センサの検出値に応じたアシスト力で操舵力がアシスト
される。通常、第1トルクセンサは、第2トルクセンサ
が故障したか否かを監視するためのセンサであり、アシ
スト力を決定するためのセンサではない。しかし、接触
式である第2トルクセンサに例えばノイズが発生し、第
2トルクセンサの検出値が一時的に急変した場合には、
本来監視用に使用される第1トルクセンサの検出値をも
利用することにより、アシスト装置のアシスト力が急変
してしまうことを防止することができるという効果があ
る。
【0041】請求項2記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、請求項1記載の電動式パワーステアリン
グ装置の奏する効果を備えており、更に、第2トルクセ
ンサの検出値の急変が所定時間以上継続した場合には、
停止装置によって、アシスト装置によるアシストが停止
される。よって、第2トルクセンサの検出値が一時的に
急変しただけであれば、第2トルクセンサが故障した誤
認して、アシスト装置が操舵力のアシストが停止してし
まうことを防止することができるという効果がある。
【0042】請求項3記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、第2トルクセンサの検出値が急変した場
合には、制御装置によって駆動装置が制御され、第2ト
ルクセンサの検出値が急変する前に記憶装置に記憶され
た検出値に応じたアシスト力でアシスト装置がアシスト
するようにされる。接触式である第2トルクセンサに例
えばノイズが発生し、第2トルクセンサの検出値が一時
的に急変した場合に、アシスト装置のアシスト力が急変
してしまうことを防止することができるという効果があ
る。また、第1トルクセンサは、第2トルクセンサが故
障したか否かを監視するためのセンサである。よって、
第1トルクセンサをアシスト力を決定するためのセンサ
として使用することなく、フェールセーフ装置(安全装
置)の1装置である第1トルクセンサを独立して使用す
ることができるという効果がある。
【0043】請求項4記載の電動式パワーステアリング
装置によれば、請求項3記載の電動式パワーステアリン
グ装置の奏する効果を備えており、更に、第2トルクセ
ンサの検出値の急変が所定時間以上継続した場合には、
停止装置によって、アシスト装置によるアシストが停止
される。よって、第2トルクセンサの検出値が一時的に
急変しただけであれば、第2トルクセンサが故障した誤
認して、アシスト装置が操舵力のアシストが停止してし
まうことを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の電動式パワーステアリング装置
(EPS)のブロック図である。
【図2】 ポテンショメータの分解斜視図である。
【図3】 (a)は、第1ポテンショメータの出力電圧
値の推移を示した図であり、(b)は、第2ポテンショ
メータの出力電圧値の推移を示した図である。
【図4】 アシスト力制御処理を示したフローチャート
である。
【図5】 第2実施例のアシスト力制御処理を示したフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1,100 電動式パワーステアリング装置(EP
S) 5a 第1ポテンショメータ(第2トルクセン
サ) 5b 第2ポテンショメータ(第1トルクセン
サ) 6a CPU(制御装置、停止装置) 6c RAM(記憶装置) 6e モータ駆動回路(制御装置、停止装置) 7 電動モータ(駆動装置) 8 減速機(アシスト装置) 9 アシストピニオン(アシスト装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F051 AA01 AB06 AC07 BA03 3D032 CC26 CC33 CC46 CC48 DA15 DC09 DC33 DC34 DD10 DE09 EA01 EB11 EC03 EC23 EC24 GG01 3D033 CA03 CA16 CA21 CA28 CA31 CA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵トルクを検出する第1トルクセンサ
    と、その第1トルクセンサとは別に操舵トルクを検出す
    る接触式の第2トルクセンサと、その第2トルクセンサ
    の検出値に応じたアシスト力で操舵力をアシストするア
    シスト装置と、そのアシスト装置を電気的に駆動する駆
    動装置とを備えた電動式パワーステアリング装置におい
    て、 前記第2トルクセンサの検出値の単位時間当りの変位が
    所定値より大きい場合に、前記第1トルクセンサの検出
    値の単位時間当りの変位が所定値より小さければ、その
    第1トルクセンサの検出値に応じたアシスト力で前記ア
    シスト装置がアシストするように前記駆動装置を制御す
    る制御装置を備えていることを特徴とする電動式パワー
    ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記第2トルクセンサの検出値の単位時
    間当りの変位が所定値より大きい時間が所定時間以上継
    続した場合に、前記アシスト装置による操舵力のアシス
    トを停止する停止装置を備えていることを特徴とする請
    求項1記載の電動式パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 操舵トルクを検出する第1トルクセンサ
    と、その第1トルクセンサとは別に操舵トルクを検出す
    る接触式の第2トルクセンサと、その第2トルクセンサ
    の検出値に応じたアシスト力で操舵力をアシストするア
    シスト装置と、そのアシスト装置を電気的に駆動する駆
    動装置とを備えた電動式パワーステアリング装置におい
    て、 前記第2トルクセンサの検出値を記憶する記憶装置と、 前記第2トルクセンサの検出値の単位時間当りの変位が
    所定値より大きい場合に、その単位時間当りの変位が所
    定値より大きくなる前に前記記憶装置に記憶された検出
    値に応じたアシスト力で前記アシスト装置がアシストす
    るように前記駆動装置を制御する制御装置とを備えてい
    ることを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記第2トルクセンサの検出値の単位時
    間当りの変位が所定値より大きい時間が所定時間以上継
    続した場合に、前記アシスト装置による操舵力のアシス
    トを停止する停止装置を備えていることを特徴とする請
    求項3記載の電動式パワーステアリング装置。
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