JP2000182597A - 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器 - Google Patents

非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Info

Publication number
JP2000182597A
JP2000182597A JP10357162A JP35716298A JP2000182597A JP 2000182597 A JP2000182597 A JP 2000182597A JP 10357162 A JP10357162 A JP 10357162A JP 35716298 A JP35716298 A JP 35716298A JP 2000182597 A JP2000182597 A JP 2000182597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
temperature
contact
terminal
shape memory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10357162A
Other languages
English (en)
Inventor
Morio Kobayashi
守夫 小林
Katsuyuki Matsuki
勝行 松木
Masahiko Shinno
正彦 新野
Kazuo Ito
一夫 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Yamada Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Yamada Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Yamada Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10357162A priority Critical patent/JP2000182597A/ja
Publication of JP2000182597A publication Critical patent/JP2000182597A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常温度上昇した非水電解液二次電池の電池
内温度を迅速に感知し、異常電池を安全確実に遮断又は
短絡放電し、発火・爆発を未然に防止し、使い勝手の向
上した非水電解液二次電池および電池用熱動継電器を提
供する。 【解決手段】 非水電解液二次電池において、電池缶1
0の封口部に電池内の熱を伝える温度感知棒22と、熱
応動の形状記憶合金23による端子切り換え回路を有す
る安全装置20を設置し、電池の異常温度上昇時に、形
状記憶合金23が変形し拘束を解かれた可動スイッチ2
1が移動し、内部電極の端子8、9の通電を遮断して正
負極外部端子16、17間を短絡させることにより、異
常電池を複数個直列接続された組電池から切り離す。本
発明によれば、電池内の以上な温度上昇を迅速に感知
し、電池の通電路を確実に遮断して安全性の向上を図る
と共に、使い勝手の向上した非水電解液二次電池が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
および電池用熱動継電器に係り、特に、電気自動車、電
動カート等の移動体機器、ビデオカメラ、パソコン等の
携帯機器、停電時のバックアップ機器、およびセキュリ
テイ機器等の製品の電源として使われる非水電解液二次
電池において、過充電や逆充電および短絡等の異常発熱
による電池内温度を感知し、設定温度に達したときに電
池回路を遮断し、発火や爆発を未然に防止することので
きる非水電解液二次電池および電池用熱動継電器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の非水電解液二次電池の安全保護装
置としては、特開平6−290767号公報に示されて
いるとおり、電池反応部と正または負の極端子と他の極
端子を兼ねる電池容器とを有する化学電池で、電池の異
常反応時に発生するガス圧または反応熱で駆動する駆動
部材により、電極に接続され絶縁材を介して電池容器を
密封している仕切板と極端子間の導通を遮断し、極端子
と電池容器間を短絡する方法が知られている。
【0003】また、特開平6−203827号公報に示
されているとおり、電池本体の捲回体巻芯部に温度ヒュ
ーズを配置し、温度ヒューズの一端は電極体の正極に接
続され、他端は正極端子を兼ねる封口蓋群の端子板に接
続され、電池温度が所定温度以上に昇温した場合、ヒュ
ーズを溶断して電気通路を遮断する方法が知られてい
る。
【0004】また、熱動継電器の例としては、特公平7
−75138号公報に示されているとおり、可動接点を
備えた皿形バイメタル、固定接点、熱可溶金属にて互い
に結合された頭部とねじ部から成る調節ねじ、並びに調
節ねじ頭部に皿形バイメタルを押し付けて保持するコイ
ルばね等を備える構成の熱動継電器により、通常の温度
上昇時はバイメタルにより電流遮断を行い、接点溶着等
の異常高温状態になった場合には、熱可溶金属が溶け
て、コイルばねによりバイメタルを強制的に押し上げて
接点を開き、電流を遮断する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−290767号公報に記載の例では、電気通路
となり、かつシール部材となる仕切板が、絶縁材を介し
て電池容器の開口部に加締め構造により電池容器を密封
している。この内側に曲げられた電池容器の開口端の内
側と仕切板との間に、電池の外部と接続される極端子が
ガス圧により移動可能に設置される構造となっている。
したがって、電解液の漏れを防止するパッキンの役目を
するポリプロピレン等の軟質の厚い絶縁材を介して仕切
板を加締める必要があり、加締めバラツキにより仕切板
の位置が上下方向に安定しないばかりか、軟質肉厚樹脂
の経時温度変化により電池容器の密封が緩み、液漏れを
起こしやすい。また、電気接続部となる内側に曲げた電
池容器開口端部と仕切板との距離、および平行度がばら
つくため、極端子との間の接触・開離が確実に行われな
い等の不具合があった。また、極端子は外部と電気的に
接続されると共に、極端子の移動可能が必須であり、一
方の電極接続部である電池容器開口端部も電池外郭を形
成しているため、外力により接続部が変形したり、ゴミ
等が侵入したりしてスイッチ機能をさせるには実用上適
さない構造であった。
【0006】また、上記特開平6−203827号公報
に記載の例では、電池の内部に温度ヒューズを直接設置
することは、電池缶内の温度上昇に対して迅速に反応す
るという面では有利であるが、温度ヒューズと電極体お
よび封口蓋群の端子間との電気的接続に問題がある。特
に電池容量が大きくなると、電極体から引き出すリード
線の数が多くなり、配線間の電気絶縁や他の部品との干
渉を避けるために、その集電構造およびリード線接続作
業に多大の注意が必要となる。また、温度ヒューズが電
解液中で充電部となるため、電気分解や電触防止構造を
採用する必要が生じる。
【0007】また、上記特公平7−75138号公報に
記載の例は、電動機等の一般負荷を保護するための保護
装置であり、二次電池特有の充電および放電特性に見ら
れるように、負荷となったり電源となったり、二つの役
割を果たす電池を保護する構造としては不向きである。
さらに、電池と一体に組み合わせるには、熱感知構造や
電解液密閉構造などに改善が必要となる。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、非水電解
液二次電池が異常温度上昇した場合、電池内の温度を迅
速に感知し、電池回路の通電路を確実に遮断して発火・
爆発を防止し、安全性の向上を図ると共に、使い勝手の
向上した非水電解液二次電池および電池用熱動継電器を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を以
下の手段を採用して達成する。請求項1記載発明の非水
電解液二次電池は、正極および負極をセパレータを介し
て対向させて捲回した電極群と電解液からなる発電要素
を電池缶に収納し、前記電池缶の開口部を封口部材で密
閉した非水電解液二次電池において、前記正極および負
極を封口部材に貫通設置された各極内部端子に接続し、
前記封口部材と各極外部端子を備えた絶縁カバーとが一
体化となって密閉した安全装置の内部に、熱応動の形状
記憶合金のスイッチによる内外部端子の切り換え回路を
有するとともに、電池内部の温度を感知伝導する温度感
知棒を、前記電池缶内部より前記封口部材を貫通して前
記安全装置内部に導かれるように設置し、前記電池内部
の温度上昇時に、前記温度感知棒に固着された形状記憶
合金のリングが熱応動することにより、前記内外部端子
を切り換える回路が切り換わることを特徴とするもので
ある。本構成によれば、電池内部の温度が所定温度に達
すると、形状記憶合金のリングが熱応動して内外部端子
の接続が切り換わるので、異常電池の放電を安全確実に
行うことができ、また、異常電池のみを安全に組電池か
ら切り離すことが可能となる。
【0010】また、請求項2記載発明の非水電解液二次
電池では、前記安全装置は、正極または負極のうちいず
れか一方の極の内部端子と外部端子が接続されており、
独立している他方の極の内部端子と外部端子間が、通常
はスイッチを通して導通状態となっており、前記電池の
温度上昇時には、異極外部端子どうしの間がスイッチを
通して導通状態となる。そのため、接点のあるスイッチ
で端子切り換えを行うので、動作が確実で接触抵抗が少
なく、安全性の高い放電特性が得られる。また、請求項
3記載発明の非水電解液二次電池では、前記安全装置
は、電池内部の温度上昇時の作動温度である形状記憶合
金の結晶構造変態温度が、80℃から130℃である。
そのため、電池の実使用温度範囲内(−20℃〜60
℃)では作動せず、電池の劣化が防止され、また、13
0℃以上でのセパレータの溶融や充電電極の熱暴走が防
止される。また、請求項4記載発明の非水電解液二次電
池では、前記温度感知棒は、銅または銅合金、アルミニ
ウム、ステンレス、ニッケル、ニッケルメッキ鉄等の金
属材料からなり、一方の先端部が電池缶内の電極群の巻
芯部内またはその近傍に位置し、他端部は安全装置内の
形状記憶合金に接続されている。そのため、電池内の発
熱部と形状記憶合金とを直接接続する温度感知棒が、熱
伝導性の良い金属材料からなるので、熱応答性が良く、
確実に電池を保護できる。
【0011】また、請求項5記載発明の電池用熱動継電
器は、電池の正極または負極に接続される電池側端子に
接続された一方の常閉側固定接点、および負荷側端子と
作動側固定接点に接続された他方の常閉側固定接点と、
前記電池の他方の電極に接続される電池側端子と他方の
負荷側端子の両端子に接続された作動側固定接点と、前
記常閉側固定接点に通常は接触している可動接点を有す
る接触板と、前記電池内部の温度を感知伝導する温度感
知棒および前記電池側端子を貫通させて密閉固定した絶
縁ベースと、前記負荷側端子を貫通固定する絶縁カバー
と、前記温度感知棒に固着されて前記接触板を支持する
形状記憶合金と、前記形状記憶合金に前記接触板を押し
付け保持する弾性体とを備え、前記電池内の温度上昇に
より設定温度に達すると、前記形状記憶合金の前記温度
感知棒への固着がゆるみ、前記弾性体の復元力により、
前記接触板の可動接点が前記作動側固定接点に接触する
ことを特徴とする。そのため、電池側端子に接続された
電池出力が遮断され、負荷側端子間を短絡するので、異
常電池を切り離し、負荷へはバイパスされて通電される
ので両方を安全に保護できる。
【0012】また、請求項6記載発明の電池用熱動継電
器は、電池の正極または負極に接続される電池側端子お
よび負荷側端子にそれぞれ接続された常閉側固定接点
と、前記常閉側固定接点に通常は接触している可動接点
を有する接触板と、前記電池内部の温度を感知伝導する
温度感知棒および前記電池側端子を貫通させて密閉固定
した絶縁ベースと、前記負荷側端子を貫通固定する絶縁
カバーと、前記温度感知棒に固着されて前記接触板を支
持する形状記憶合金と、前記形状記憶合金に前記接触板
を押し付け保持する弾性体とを備え、前記電池内の温度
上昇により設定温度に達すると、前記形状記憶合金の温
度感知棒への固着がゆるみ、前記弾性体の復元力によ
り、前記接触板の可動接点が前記常閉側固定接点から離
れることを特徴とする。そのため、異常温度上昇時に常
閉側固定接点を遮断するので、電池を発火や爆発に至る
前に安全確実に保護できる。
【0013】また、請求項7記載発明の電池用熱動継電
器は、電池の正極および負極に接続される電池側端子と
負荷側端子の両端子に接続された正極および負極の作動
側固定接点と、前記作動側固定接点に対して非接触で通
常はフリーとなっている可動接点を有する接触板と、前
記電池内部の温度を感知伝導する温度感知棒および前記
電池側端子を貫通させて密閉固定した絶縁ベースと、前
記負荷側端子を貫通固定する絶縁カバーと、前記温度感
知棒に固着されて前記接触板を支持する形状記憶合金
と、前記形状記憶合金に前記接触板を押し付け保持する
弾性体とを備え、前記電池内の温度上昇により設定温度
に達すると、前記形状記憶合金の温度感知棒への固着が
ゆるみ、前記弾性体の復元力により、前記接触板の可動
接点が前記作動側固定接点に接触することを特徴とす
る。そのため、接点の接触部分が少なく電池側内部抵抗
が小さいので、電力損失が少なく発熱が抑制される。ま
た、異常電池の電気エネルギが作動側固定接点を通じて
安全確実に放電される。
【0014】また、請求項8記載発明の電池用熱動継電
器では、前記温度感知棒および前記電池側端子を、前記
絶縁ベースより外部に突き出して貫通させたインサート
成形により、前記温度感知棒および前記電池側端子が、
前記絶縁ベースに密閉固定されている。そのため、電解
液の漏れる心配がなく電池と一体化できるので、確実な
スイッチ動作が行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。最初に、図1および図2によ
り、本発明に係わる非水電解液二次電池の実施形態につ
いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す構造
縦断面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。
これらの図において、符号の1は正極であり、アルミ箔
からなる正極集電体1aの両面に、無機リチウムインタ
ーカレーション・デインターカレーション材料を正極活
物質とする正極合剤1b(例えば活物質としてLiMn
24、LiCoO2、LiNiO2等、導電剤としてカー
ボン、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを混合調整し
たもの)を保持させたものである。2は負極であり、銅
箔からなる負極集電体2aの両面に、リチウムインター
カレーション・デインターカレーションのカーボン材料
を負極活物質とする負極合剤2b(例えば活物質として
黒鉛、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを混合調整し
たもの)を保持させたものである。
【0016】符号の3はセパレータであり、微多孔性の
ポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム
からなる。なお、ポリエチレンフィルムは温度が上昇し
たとき、フィルム自身の溶融によって前記微多孔が閉じ
るシャットダウン開始温度が約130℃であり、ポリプ
ロピレンフィルムのシャットダウン開始温度は約150
℃である。上記、正極1と負極2はセパレータ3を介し
て対向した状態で中空円筒形の巻芯4に渦巻き状に捲回
され、電極群5を形成している。この場合、セパレータ
3は、正極1、負極2よりも若干幅広く巻かれており、
さらに、巻芯部および巻き終り部において、数回セパレ
ータ3単独で巻かれており、正極・負極間および電極群
周囲との絶縁性を持たせている。この電極群5は非水電
解液(図示せず)に浸漬されて発電要素となる。上記非
水電解液は、LiPF6、LiBF4、LiClO4、L
iAsF6等のリチウム塩を電解質として、有機溶媒
(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の単独ま
たは混合物)に溶解したものが使われる。
【0017】電池缶10には、ステンレス鋼、ニッケル
めっき鉄、ニッケルめっき銅やアルミニウムが使われ、
上記電極群5と非水電解液からなる発電要素を有底円筒
形の電池缶10に収納し、封口部材14を有する安全装
置20を被せて、ガスケット19を介して電池缶の開口
部に加締め密封したものである。封口部材14は、耐電
解液性、耐熱性および強度を兼ね備えた、ポリフィニレ
ンサルファイド(PPS)やフェノールの絶縁材料から
なる。また、電池缶10内の缶底部10aには、電池内
充電部と電池缶10との電気絶縁性を保つために、絶縁
板12が設置されている。
【0018】正極リード6はアルミニウム材からなり、
正極1の正極集電体1aとアルミニウム材の正極内部端
子8に溶接等により接続されている。負極リード7はニ
ッケルまたは銅材からなり、負極2の負極集電体2aと
ニッケルまたは銅材の負極内部端子9に溶接等により接
続されている。絶縁デスタント13は、電極群5と封口
部材14間に、正極リード6および負極リード7を取り
まとめて収納する空間を確保すると共に、電極群5が電
池缶10内で移動しないように押さえている。正極内部
端子8、負極内部端子9および温度感知棒22は、電池
缶10内部に突き出して封口部材14に密封性を持たせ
て貫通固定されている。
【0019】温度感知棒22は、感熱棒とも称されるこ
とがあり、熱伝導度の高い銅、アルミニウム、ステンレ
ス、ニッケル、ニッケルメッキ鉄等の金属材料からな
り、温度感知棒の電池缶側先端部の温度感知部22a
は、電極群5の巻芯4の内部またはその近傍に位置し、
温度感知棒の他端部は安全装置20内で形状記憶合金2
3に結合されている。缶底部10aには切り込み溝等の
弱点部を有する防爆弁11が設けられており、電池ケー
ス10内の圧力が異常に高圧になった場合に開裂し、電
池缶10の爆発を防止する。防爆弁11の部分に位置す
る絶縁板12にはガス抜き穴が開けられて、ガスの放出
を阻害しないようにしてある。防爆弁11の作動圧力と
しては、電池缶内の温度と電池缶自身および加締め部が
先に破壊しない強度から決定され、10Kg/cm2
20Kg/cm2が望ましい。
【0020】安全装置20は、プラスチック等の絶縁材
からなる封口部材14と絶縁カバー15とが一体となっ
て密閉空間を形成し、その内部に熱応動の形状記憶合金
23と、両端に可動接点21aを備えた可動スイッチ2
1とを内蔵している。正極外部端子16および負極外部
端子17は、絶縁カバー15の底面に内外に貫通して取
り付けられており、絶縁カバー15の外に出た部分が、
外部との電気接続部となる単電池全体の各極端子とな
る。正極外部端子16は、安全装置20内で向かい合っ
た平行部内側に接点16a、16bを有している。負極
外部端子17は、安全装置20内でL字状に曲げられた
水平部に接点17aを有し、垂直部で負極内部端子9の
先端部と溶接等により電気的に接続されている。一方、
正極内部端子8は、安全装置20内でL字状に曲げられ
た水平部に接点8aを有している。正極外部端子16の
下接点16aと正極内部端子8の接点8aは下側に、正
極外部端子16の上接点16bと負極外部端子17の接
点17aは上側にそれぞれ平行に対向している。
【0021】上述した上側接点16b、17aと、下側
接点16a、8aとの間には、可動スイッチ21が、温
度感知棒22の可動スイッチ取付部22bに固着された
リング状の形状記憶合金23に押し付けられて、スプリ
ング24により支持固定されている。形状記憶合金23
は、温度上昇により、結晶構造がマルテンサイト層から
オーステナイト層に変わる結晶構造変態温度が80〜1
30℃で、常温では温度感知棒22を締め付けて固着し
ているが、温度上昇により温度変態点に達すると、膨張
して温度感知棒への固着をゆるめる特性を有するものに
する。
【0022】スプリング24は、温度上昇により形状記
憶合金23の温度が設定温度に達した場合、形状記憶合
金23の温度感知棒22への固着が外れたとき、可動ス
イッチ21を押し上げて、可動接点21aが上側接点1
6b、17aへの接触圧力を得られるのに十分な自由長
と押圧力を有するものとする。可動スイッチ21の両端
の可動接点21aは、通常は下側接点の正極外部端子の
接点16aと正極内部端子の接点8aとの間を短絡し、
設定温度以上に上昇すると、上側接点の正極外部端子の
接点16bと負極外部端子の接点17aとの間を短絡す
る。つまり、温度上昇により異常温度になると、正極外
部端子と発電要素である正電極の導通が遮断され、正負
極の外部端子間が短絡するものである。(なお、図中の
点線は可動スイッチ21、形状記憶合金23が作動した
状態を示す。)図3は、本発明の非水電解液二次電池
を、複数個直列接続した場合の電気回路図である。図3
では、n個の単電池(30a〜30n)を直列接続した
場合を示している。単電池の電圧をE(V)とすると、
組電池の出力端子X−Y間の電圧は、n×E(V)とな
る。図中のcは正極外部端子16、aは発電要素の正極
に接続された正極内部端子8、bは発電要素の負極に接
続された負極外部端子17を表している。通常は端子c
は端子a側に接触しており、異常温度上昇すると端子c
は端子b側に切り換わる。
【0023】次に、本発明による非水電解液二次電池の
組み立て方法について説明する。先ず、正極1および負
極2に、それぞれ正極リード6、負極リード7を、スポ
ット溶接または超音波溶接により取り付けておく。この
とき、電池容量の大きさにより取り付けるリードの数は
増減される。この正極1と負極2をセパレータ3を介し
て巻芯4に捲回し、巻終わり部はテープ等で止めて電極
群5を作る。電池缶の缶底部10a側から、絶縁板1
2、電極群5、絶縁デスタント13の順に入れ、正極リ
ード6、負極リード7をそれぞれ束ねて纏めておく。次
いで、電池ケース10の開口部付近にネッキング成形
し、正極リード6、負極リード7を安全装置20の正極
内部端子8、負極内部端子9に溶接する。次に電解液を
注入し、安全装置20をガスケット19を介して加締め
により密封して完成する。そのため、電解液の密封信頼
性が高く、さらに、安全装置20を備えた非水電解液二
次電池を、従来の組立工程と変わりなく組立てられるの
で作業性が良い。
【0024】次に、本発明による非水電解液二次電池の
作用について説明する。電池は、充電回路の故障により
設定電圧以上に過充電されると、リチウムインターカレ
ーション・デインターカレーションとしての電池反応以
外の、電解液を分解する化学反応を起こし、電池を劣化
させると共に電池の温度を上昇させる。また、過充電が
継続されたり、充放電の繰返しにより、負極にデントラ
イト反応によりリチウム金属が析出し、セパレータ3を
突き破り、正・負極間短絡を起こし、短絡電流が流れて
異常温度になる。さらに、通常の電池の使用温度範囲を
越えた高温での使用や、誤使用による外部短絡、逆充
電、あるいは、何らかの原因による電池内の内部短絡に
よっても、電池は発熱し異常温度となる。
【0025】非水電解液二次電池の温度が上昇すると、
正極1・負極2間にあるセパレータ3のフィルムが13
0℃〜150℃で溶融し、フィルムの微多孔が閉じて正
負電極間のリチウムイオンの移動を停止させるシャット
ダウン効果により、電流を遮断する働きがある。しかし
ながら、セパレータの材料であるポリエチレンフィルム
やポリプロピレンフィルムは、さらなる温度上昇により
溶融収縮し、正負電極間の絶縁性が確保できずに、電極
間短絡に至ってしまう場合がある。電池内温度が150
℃を越えると、電極に使われている充電活物質が熱暴走
を起こし、発煙・発火・爆発に至る危険な温度領域とな
る。
【0026】つまり、正極活物質であるLiMn24
LiCoO2、LiNiO2等の結晶格子からの酸素脱離
反応により、急激な発熱を伴う。酸素脱離開始温度は活
物質の種類や充電深度により異なるが、150℃〜40
0℃の範囲にある。電池が何らかの原因により異常温度
上昇すると、電池内の電解液は分解し、また、電解液と
正極・負極の活物質が化学反応を起こしてガスを発生
し、電池ケース内の圧力が急上昇する。電池内の圧力が
上昇して10Kg/cm2〜20Kg/cm2になると、
防爆弁11が開裂しガスを電池ケース外に放出して、電
池の爆発力を軽減する。このとき、高温ガスはスイッチ
のある密閉空間外から放出されるので、スイッチを腐食
させたり、電解液の高温ガスに着火したりすることがな
い。
【0027】一方、電池内の異常温度上昇は、熱伝導の
良い温度感知棒22を通して、安全装置20の形状記憶
合金23の温度を上昇させ、設定温度に達すると、形状
記憶合金の温度感知棒への固着がゆるみ、スプリング2
4により、可動スイッチ21および形状記憶合金を温度
感知棒に沿って押し上げ、正極外部端子と発電要素であ
る正電極の導通が遮断され、正負極の外部端子間が短絡
するようにスイッチが切り換わる。
【0028】つまり、図3の異常単電池のc−a間の導
通が遮断され、c−b間が短絡される。したがって、異
常単電池が直列回路から切り離され、異常単電池をバイ
パスした正常電池の直列回路が形成され、出力電圧は
(n−1)×E(V)で運転を継続する。スイッチの作
動温度となる形状記憶合金の結晶構造変態温度は、電池
の実使用温度を阻害しない範囲と電池の劣化が加速され
る温度との関係から80℃以上で、セパレータの溶融温
度や充電電極の熱暴走にならない温度から130℃以下
が望ましい。また、本案の熱応動の形状記憶合金とスプ
リングを利用したスイッチは、一度作動すると復帰しな
いので、電池の安全性を継続して保つことができる。な
お、上記実施形態では、正極外部端子を基準端子として
正極内部端子と負極端子を切り換える構造で説明した
が、正極および負極をそれぞれ正極内部端子と負極内部
端子に逆に接続しても全く同じ機能を有するものであ
る。
【0029】次に、本発明になる非水電解液二次電池に
用いられる電池用熱動継電器の実施形態を、図面を参照
しながら以下に説明する。図4は、本発明の電池用熱動
継電器の第1の実施形態を示す構造断面図であり、図1
に示した非水電解液二次電池に設けられている熱動継電
器と、実質的に同様の構造のものである。図7は図4の
使用例を示す電気回路図である。なお、電気回路図にお
いて、符号の54は非水電解液二次電池を、55は電池
を電源として運転される負荷を表している。
【0030】これらの図に示すように、絶縁ベース31
は、電池用熱動継電器の外郭を形成すると共に、非水電
解液二次電池のケースの封口板として、電池に一体に取
り付けられる。そのため、非水電解液二次電池に使用さ
れる電解液に耐え、かつ耐熱性のよいポリフィニレンサ
ルファイド(PPS)やフェノール樹脂が適している。
絶縁カバー32は、絶縁ベース31と合体し、電池用熱
動継電器のスイッチ部を納めるケースを形成している。
電池側端子33および温度感知棒43は、絶縁ベース3
1を貫通して外側に突き出し、絶縁ベース31にインサ
ート成形等により密閉固定されている。例えば、リチウ
ムイオン二次電池の場合、電池側端子33および温度感
知棒43は、電池内で充電部となる場合には、電気化学
反応防止のため、正極に接続される場合はアルミニウム
を、負極に接続される場合は銅材を使用する必要があ
る。また、温度感知棒43は熱を伝える目的で使用する
ため、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル、ニッ
ケルメッキ鉄等の熱伝導が良く、耐電解液性の金属が適
切な材料である。
【0031】負荷側端子34は、絶縁カバー32から外
側に突き出して取り付けられている。常閉側固定接点3
5は、一方は電池の正極または負極に接続される電池側
端子33に接続され、他方は負荷側端子34と作動側固
定接点36に接続されている。また、もう一方の作動側
固定接点36は、他電極に接続される電池側端子33と
負荷側端子34に接続されている。可動接点37は接触
板38の両端部に固着され、常閉側固定接点35と作動
側固定接点36の間に設置されている。温度感知棒43
の接触板取付部43aには、リング状の形状記憶合金4
2が、リングの収縮力により直接結合されている。
【0032】形状記憶合金42は、ニッケル・チタン
系、ニッケル・チタン・ニオブ系、鉄系、銅系等の形状
記憶合金があり、金属の結晶構造が温度によって変わる
合金である。例えば、最も使われているニッケル・チタ
ン系形状記憶合金で説明すると、温度の高いオーステナ
イト相の結晶構造で形状を記憶させておき、温度を下げ
たマルテンサイト相での結晶構造状態で変形させても、
再び熱を加えるとオーステナイト相の結晶構造に戻り、
形状も元の形に戻る性質を持っている。形状記憶合金を
非水電解液二次電池用として用いるには、温度上昇時の
結晶構造の変わる相変態温度を、電池の実使用温度と電
池電極の熱暴走を防止する温度との関係から、前述のよ
うに80℃〜130℃とするのが、電池を安全に保護す
るために望ましい。
【0033】接触板38は、コイルばね等の弾性体44
により、形状記憶合金42に押し付けて保持され、可動
接点37は常閉側固定接点35に接触している。可動接
点37の常閉側固定接点35への接触圧は、温度感知棒
の接触板取付部43aへの形状記憶合金42の固着位置
により、接触板38の湾曲変形のばね圧力によって調節
される。なお、弾性体44は、温度上昇により形状記憶
合金42の結晶構造の相変態による膨張で温度感知棒4
3との固着がゆるみ、温度感知棒43との結合が解除さ
れたとき、接触板38を押し上げて、可動接点37が作
動側固定接点36に接触させるに十分な自由長と押し圧
力を有するものとする。(図中の点線は、接触板38、
可動接点37、形状記憶合金42が作動した状態を示
す。)図5は、本発明の電池用熱動継電器の第2の実施
形態を示す断面図であり、図8は図5の使用例を示す電
気回路図である。この第2の実施形態が、図4に示した
第1の一実施形態と異なるところは、作動側固定接点が
無い構造になっていることである。つまり、一方の常閉
側固定接点35は、電池の正極または負極に接続される
電池側端子33に接続され、他方の常閉側固定接点35
は負荷側端子34に接続されている。電池の他の電極は
もう一方の電池側端子33に接続され、そのまま、もう
一方の負荷側端子34に接続している。通常は、可動接
点37は常閉側固定接点に接触しており、温度上昇時
は、形状記憶合金42の温度感知棒43への固着が、結
晶構造の相変態によりゆるみ、弾性体44が接触板38
を押し上げ、可動接点37が常閉側固定接点35から離
れ、電池と負荷の接続を遮断する。
【0034】図6は、本発明の電池用熱動継電器の第3
の実施形態を示す断面図であり、図9は図6の使用例を
示す電気回路図である。この第3の実施形態が、図4に
示した第1の実施形態と異なるところは、常閉側固定接
点が無く、電池側端子33および負荷側端子34が共に
接続された作動側固定接点36が、それぞれ正極側と負
極側にある構造である。通常は、可動接点37は何処に
も接触しておらずフリーな状態であり、負荷側端子34
はそれぞれ電池の正極と負極に直接接続されているが、
温度上昇により形状記憶合金42の温度感知棒43への
固着がゆるむと、弾性体44が接触板38を押し上げ、
可動接点37が作動側固定接点36に接触して電池の正
極と負極間を短絡し、負荷側端子の電圧出力を零にす
る。
【0035】次に、電池用熱動継電器の上記第1〜第3
の実施形態について、それぞれの作用を説明する。ま
ず、電池用熱動継電器の第1の実施形態の作用を述べ
る。電池が何らかの原因により異常温度上昇すると、電
池に一体に取り付けられた電池用熱動継電器の温度感知
棒43を通して、熱が形状記憶合金42に直接伝わる。
形状記憶合金42の温度が相変態温度である80℃〜1
30℃になると、形状記憶合金の形状が膨張して、温度
感知棒43との結合が解放される。それにより、力を蓄
えていた弾性体44は、接触板38と形状記憶合金42
を、温度感知棒の接触板取付部43aの細径心棒に沿っ
て押し上げ、可動接点37を常閉側固定接点35から開
離して、作動側固定接点36に接触させる。したがっ
て、電池側端子に接続された電池の出力が遮断され、負
荷側端子34間が短絡されることにより、電池および負
荷の両方を安全に保護することができる。
【0036】さらに、一度、形状記憶合金42がゆるん
で、接触板38が弾性体44の力により移動した後は、
可動接点37が元に復帰することは無いので、安全性は
確実に保たれる。また、電池を複数個直列に接続して使
用する場合でも、電池側端子間の遮断により、異常電池
1個のみを切り離し、負荷側端子間の短絡によって、残
った正常電池の直列回路が形成され、負荷の運転を継続
することができる。また、Eボルトの電池n個を直列に
接続した場合に、可動接点37が常閉側固定接点35を
離れるときに常閉側固定接点間には、n×Eボルトの直
流電圧がかかり、直流の電流アークが発生するが、可動
接点35が作動側固定接点36間を短絡することによ
り、常閉側固定接点間には1個の電池のEボルトしかか
からなくなるので、直流の電流アークを切ることができ
る。
【0037】また、電池用熱動継電器の第2の実施形態
の作用は、上記第1の実施形態の作用で説明した内容の
うち、常閉側固定接点35を異常温度上昇時に遮断する
作用が同じものである。つまり、電池の異常時に電池回
路を遮断し、電池を発火や爆発に至る前に安全に保護す
る作用がある。
【0038】次に、電池用熱動継電器の第3の実施形態
の作用について説明する。通常は、二次電池に接続され
た電池側端子33と直結された負荷側端子34に負荷が
接続されて使われるので、途中に接点による接触部分が
なく、電池用熱動継電器を含めた負荷側端子34間の電
池側内部抵抗が小さくできる。したがって、電池使用時
の電池の負荷特性が良く、電力損失が少ないので、電池
ケースの発熱を抑えることができる。また、異常温度上
昇時に、電池の正極と負極に接続された作動側固定接点
36間を短絡するので、異常電池に蓄電された電気エネ
ルギーが、作動側固定接点を通して放電される。したが
って、異常電池を安全な状態にして死なせることができ
る。電池の燃焼試験の結果、充電した電池は爆発する
が、放電した電池は全く爆発しないことを確認した。ま
た、電池を複数個直列接続した場合でも、負荷側端子間
が短絡されるので、異常電池のみを切り離し、残った正
常電池のみの直列回路が形成され、継続して負荷に電力
を供給できる点は第1の実施形態と同じである。また、
直流電流が流れている接点間を切らない構造なので、直
流アークが発生する心配は全くない。
【0039】さらに、本発明の電池用熱動継電器の上記
各実施形態に共通の作用を述べると、温度感知棒43お
よび電池側端子33を絶縁ベース31に貫通させ、外側
に突き出させてプラスチックのインサート成形により密
閉固定したので、電解液の漏れる心配が無く、電池の封
口板として電池と一体に取り付けることが可能となり、
電池内の発熱部である発電要素の熱を、温度感知棒43
により形状記憶合金42に直接有効に伝え、確実なスイ
ッチ作動が行われる。また、温度感知棒43の材質は熱
伝導性の良い金属材料なので、電池内の異常温度を迅速
に伝え、温度応答性の良い電池用熱動継電器とすること
ができ、非水電解液二次電池を安全に保護できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の非水電解
液二次電池によれば、以下のような優れた効果がある。
すなわち、通常は同極内部端子と同極外部端子間が導通
状態となり、形状記憶合金の温度上昇時は、異極外部端
子間が導通状態となるようにしたので、複数個の単電池
が直列接続されて使用される組電池の場合、ある単電池
が異常温度上昇すると異常電池のみが切り離され、残り
の正常電池は継続使用できる。そのため、安全性が確保
できると共に使い勝手が良い。また、接点を有するスイ
ッチにより端子切り換えを行うので、動作が確実で接触
抵抗も少ないため、安全性の高い放電特性の優れた非水
電解液二次電池を提供できる。また、電池内の発熱部と
形状記憶合金とを、熱伝導性の良い温度感知棒により直
接接続したので、電池内部の熱変化に対して熱応答性が
良く、確実に電池を保護できる。さらに、端子切り換え
回路が封口部材と絶縁カバーでインクローズされ、か
つ、防爆弁がスイッチのある密閉空間外にあるので、ゴ
ミやガス等が入る恐れが無く、接点の接触不良が少な
く、接点のアークにより噴出した可燃性電解液の高温ガ
スに着火の恐れも無い。
【0041】また、本発明の電池用熱動継電器によれば
以下のような優れた効果がある。すなわち、電池側端子
および負荷側端子を常閉側固定接点および作動側固定接
点に組み合わせた回路を接続し、可動接点を有する接触
板により回路を切り換え、電池回路の遮断、負荷端子間
の短絡により、電池および負荷を発火・爆発に到る前に
安全に保護できる。さらに、形状記憶合金の変形により
スイッチ作動を行わせるので、電池の特性に適した保護
特性を有し、非復帰であるので安全性は確実に保たれ
る。また、温度感知棒および電池側端子を、プラスチッ
クインサート成形により絶縁ベースを貫通して密閉固定
したので、電池の外郭を形成する封口板として電池に一
体に取り付けることにより、電解液の漏れない信頼性の
高い構造とすることができる。
【0042】上述のとおり、本発明によれば、電池内部
の温度が異常上昇した場合、電池内の温度を迅速に感知
し、電池回路の通電路を確実に遮断して発火・爆発を防
止し、安全性の向上を図ると共に、使い勝手の向上した
非水電解液二次電池および電池用熱動継電器が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液二次電池の一実施形態を示
す構造断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の非水電解液二次電池を直列接続した電
気回路図である。
【図4】本発明の電池用熱動継電器の第1の実施形態を
示す構造断面図である。
【図5】本発明の電池用熱動継電器の第2の実施形態を
示す構造断面図である。
【図6】本発明の電池用熱動継電器の第3の実施形態を
示す構造断面図である。
【図7】図4の実施形態の使用例を示す電気回路図であ
る。
【図8】図5の実施形態の使用例を示す電気回路図であ
る。
【図9】図6の実施形態の使用例を示す電気回路図であ
る。
【符号の説明】
1 正極 1a 正極集電体 1b 正極合剤 2 負極 2a 負極集電体 2b 負極合剤 3 セパレータ 4 巻芯 5 電極群 6 正極リード 7 負極リード 8 正極内部端子 8a 正極内部端子の接点 9 負極内部端子 10 電池缶 10a 缶底部 11 防爆弁 12 絶縁板 13 絶縁デスタント 14 封口部材 15 絶縁カバー 16 正極外部端子 16a、16b 正極外部端子の接点 17 負極外部端子 17a 負極外部端子の接点 19 ガスケット 20 安全装置 21 可動スイッチ 21a 可動接点 22 温度感知棒 22a 温度感知部 22b 可動スイッチ取付部 23 形状記憶合金 24 スプリング 30a、30b、30n 単電池 31 絶縁ベース 32 絶縁カバー 33 電池側端子 34 負荷側端子 35 常閉側固定接点 36 作動側固定接点 37 可動接点 38 接触板 42 形状記憶合金 43 温度感知棒 43a 接触板取付部 44 弾性体 54 非水電解液二次電池 55 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 勝行 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 新野 正彦 愛知県名古屋市北区上飯田南町5丁目45番 地 山田電機製造株式会社内 (72)発明者 伊藤 一夫 愛知県名古屋市北区上飯田南町5丁目45番 地 山田電機製造株式会社内 Fターム(参考) 5H022 AA09 CC02 CC08 CC12 EE01 EE03 EE04 KK01 5H029 AJ12 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ27 DJ02 DJ03 DJ05 DJ17 EJ01 HJ14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極をセパレータを介して対
    向させて捲回した電極群と電解液からなる発電要素を電
    池缶に収納し、前記電池缶の開口部を封口部材で密閉し
    た非水電解液二次電池において、前記正極および負極を
    封口部材に貫通設置された各極内部端子に接続し、前記
    封口部材と各極外部端子を備えた絶縁カバーとが一体化
    となって密閉した安全装置の内部に、熱応動の形状記憶
    合金のスイッチによる内外部端子の切り換え回路を有す
    るとともに、電池内部の温度を感知伝導する温度感知棒
    を、前記電池缶内部より前記封口部材を貫通して前記安
    全装置内部に導かれるように設置し、前記電池内部の温
    度上昇時に、前記温度感知棒に固着された形状記憶合金
    のリングが熱応動することにより、前記内外部端子を切
    り換える回路が切り換わることを特徴とする非水電解液
    二次電池。
  2. 【請求項2】 前記安全装置は、正極または負極のうち
    いずれか一方の極の内部端子と外部端子が接続されてお
    り、独立している他方の極の内部端子と外部端子間が、
    通常はスイッチを通して導通状態となっており、前記電
    池の温度上昇時には、異極外部端子どうしの間がスイッ
    チを通して導通状態となる請求項1に記載の非水電解液
    二次電池。
  3. 【請求項3】 前記安全装置は、電池内部の温度上昇時
    の作動温度である形状記憶合金の結晶構造変態温度が、
    80℃から130℃である請求項1または2に記載の非
    水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 前記温度感知棒は、銅または銅合金、ア
    ルミニウム、ステンレス、ニッケル、ニッケルメッキ鉄
    等の金属材料からなり、一方の先端部が電池缶内の電極
    群の巻芯部内またはその近傍に位置し、他端部は安全装
    置内の形状記憶合金に接続されている請求項1に記載の
    非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 電池の正極または負極に接続される電池
    側端子に接続された一方の常閉側固定接点、および負荷
    側端子と作動側固定接点に接続された他方の常閉側固定
    接点と、前記電池の他方の電極に接続される電池側端子
    と他方の負荷側端子の両端子に接続された作動側固定接
    点と、前記常閉側固定接点に通常は接触している可動接
    点を有する接触板と、前記電池内部の温度を感知伝導す
    る温度感知棒および前記電池側端子を貫通させて密閉固
    定した絶縁ベースと、前記負荷側端子を貫通固定する絶
    縁カバーと、前記温度感知棒に固着されて前記接触板を
    支持する形状記憶合金と、前記形状記憶合金に前記接触
    板を押し付け保持する弾性体とを備え、前記電池内の温
    度上昇により設定温度に達すると、前記形状記憶合金の
    前記温度感知棒への固着がゆるみ、前記弾性体の復元力
    により、前記接触板の可動接点が前記作動側固定接点に
    接触することを特徴とする電池用熱動継電器。
  6. 【請求項6】 電池の正極または負極に接続される電池
    側端子および負荷側端子にそれぞれ接続された常閉側固
    定接点と、前記常閉側固定接点に通常は接触している可
    動接点を有する接触板と、前記電池内部の温度を感知伝
    導する温度感知棒および前記電池側端子を貫通させて密
    閉固定した絶縁ベースと、前記負荷側端子を貫通固定す
    る絶縁カバーと、前記温度感知棒に固着されて前記接触
    板を支持する形状記憶合金と、前記形状記憶合金に前記
    接触板を押し付け保持する弾性体とを備え、前記電池内
    の温度上昇により設定温度に達すると、前記形状記憶合
    金の温度感知棒への固着がゆるみ、前記弾性体の復元力
    により、前記接触板の可動接点が前記常閉側固定接点か
    ら離れることを特徴とする電池用熱動継電器。
  7. 【請求項7】 電池の正極および負極に接続される電池
    側端子と負荷側端子の両端子に接続された正極および負
    極の作動側固定接点と、前記作動側固定接点に対して非
    接触で通常はフリーとなっている可動接点を有する接触
    板と、前記電池内部の温度を感知伝導する温度感知棒お
    よび前記電池側端子を貫通させて密閉固定した絶縁ベー
    スと、前記負荷側端子を貫通固定する絶縁カバーと、前
    記温度感知棒に固着されて前記接触板を支持する形状記
    憶合金と、前記形状記憶合金に前記接触板を押し付け保
    持する弾性体とを備え、前記電池内の温度上昇により設
    定温度に達すると、前記形状記憶合金の温度感知棒への
    固着がゆるみ、前記弾性体の復元力により、前記接触板
    の可動接点が前記作動側固定接点に接触することを特徴
    とする電池用熱動継電器。
  8. 【請求項8】 前記温度感知棒および前記電池側端子
    を、前記絶縁ベースより外部に突き出して貫通させたイ
    ンサート成形により、前記温度感知棒および前記電池側
    端子が、前記絶縁ベースに密閉固定されている請求項
    5、6、または7に記載の電池用熱動継電器。
JP10357162A 1998-12-16 1998-12-16 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器 Pending JP2000182597A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10357162A JP2000182597A (ja) 1998-12-16 1998-12-16 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10357162A JP2000182597A (ja) 1998-12-16 1998-12-16 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000182597A true JP2000182597A (ja) 2000-06-30

Family

ID=18452710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10357162A Pending JP2000182597A (ja) 1998-12-16 1998-12-16 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000182597A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109988522A (zh) * 2017-12-29 2019-07-09 宁德时代新能源科技股份有限公司 胶带、含有该胶带的电化学装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109988522A (zh) * 2017-12-29 2019-07-09 宁德时代新能源科技股份有限公司 胶带、含有该胶带的电化学装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000182598A (ja) 非水電解液二次電池およびその熱動継電器
US5609972A (en) Cell cap assembly having frangible tab disconnect mechanism
JP4802188B2 (ja) 保護素子を内蔵した電極リードを有する電気化学素子
US6045939A (en) Lithium secondary battery having thermal switch
KR100420146B1 (ko) 서모 프로텍터가 장착된 이차전지
KR100929036B1 (ko) 배터리 팩의 보호회로, 이를 구비하는 배터리 팩 및 이의동작방법
EP1422771A1 (en) Non-aqueous electrolytic secondary battery
KR100720282B1 (ko) 안전성이 향상된 이차전지
JPH10326610A (ja) 非水電解液二次電池
JPH117931A (ja) 二次電池
JPH1140203A (ja) 二次電池
KR100601500B1 (ko) 온도와 압력 감응형 안전 벤트를 갖는 리튬 이온 이차 전지
JP2000067840A (ja) 蓄電池または電池用の安全通気口
US8338010B2 (en) Safety device for a sealed accumulator
JPH0562664A (ja) 防爆型非水二次電池
JPH1140204A (ja) 二次電池
JP2003051304A (ja) 非水電解質二次電池
JPH10214613A (ja) 非水電解液二次電池とこれを用いた組電池
JP2000067847A (ja) 二次電池及び組電池
KR100770116B1 (ko) 원통형 리튬 이차 전지
JPH10241738A (ja) 非水電解液二次電池
JPH117932A (ja) 二次電池
JP2000208132A (ja) 非水電解液二次電池および電池用熱動継電器
JPH10261400A (ja) 非水電解液二次電池
JPH10241733A (ja) 非水電解液二次電池