JP2000179355A - 冷媒回収型ガスタービン - Google Patents

冷媒回収型ガスタービン

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JP2000179355A
JP2000179355A JP10355958A JP35595898A JP2000179355A JP 2000179355 A JP2000179355 A JP 2000179355A JP 10355958 A JP10355958 A JP 10355958A JP 35595898 A JP35595898 A JP 35595898A JP 2000179355 A JP2000179355 A JP 2000179355A
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学 松本
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信也 圓島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】動翼冷媒の回収に伴うタービンおよび圧縮機ロ
ータの温度上昇および熱応力の発生を抑制するととも
に、冷媒のブースト圧縮動力の低減および旋回エネルギ
ーを含む冷媒の燃焼器への回収率を向上することが可能
な冷媒回収型ガスタービンを提供する。 【解決手段】ガスタービンの少なくとも初段動翼51
が、動翼内部を流通する冷媒により冷却され、かつその
冷却後の冷媒が、ロータ内部およびロータ外周スペース
に形成された冷媒回収パスを介してガスタービン燃焼器
に回収されるように構成された冷媒回収型ガスタービン
において、前記ロータ外周スペースに形成された冷媒回
収パス部71に、この冷媒回収パス内を流通する回収冷
媒より低温の冷媒を導入するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷媒回収型ガスター
ビンに係わり、特に動翼冷却後の冷媒が、冷媒回収パス
を介してガスタービン燃焼器に回収されるように構成さ
れている冷媒回収型ガスタービンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に採用されているガスタービン
の動翼は、通常、高温の燃焼ガスから保護するために冷
却媒体により冷却されるように形成されているのが普通
である。そして従来においては、翼冷却後の冷媒を翼面
から燃焼ガスパス中に放出するオープン冷却のガスター
ビンが主であった。なお、この場合、冷媒として燃焼用
圧縮空気の一部を抽気して用いるのが一般的である。
【0003】ガスタービンでは燃焼ガスを高温化するほ
ど効率が向上するが、同温度を高めることによって翼の
熱負荷が増大するために、必然的に冷却空気の流量も増
加する。この空気がガスパス中に放出されると燃焼ガス
の温度が低下するばかりでなく、ガスパスの流れが乱さ
れてタービンの空力性能が低下する。
【0004】また、ロータ外周部に装着された動翼に冷
却空気を導くためには、流量に比例したポンピング動力
が必要であるが、翼から放出することによってこの動力
は損失となる。したがって燃焼ガスの高温化による効率
向上をより効果的に発揮するには、翼面からガスパスへ
の冷媒放出に伴う損失を極力低減する必要がある。
【0005】そこで、例えば特開平9−284852号
公報に示されているように、燃焼ガス温度が1500℃
級のガスタービンを意図して、翼を冷却した後の冷媒を
燃焼器に回収するクローズド冷却ガスタービンが提案さ
れている。この場合、圧縮機から抽気された空気の大半
が燃焼器に回収されるため、上述したガスパスへの冷媒
放出に伴う損失を解消できるほか、燃焼空気用圧縮動力
を大幅に低減することができる。
【0006】また、前記冷却によって燃焼ガスから冷媒
に奪われた熱エネルギーを燃焼器に回収することができ
る等の大きな利点が得られる。但しこの場合、抽気した
空気を再び燃焼器に戻すためには、翼の冷却流路を含む
冷媒経路の圧力損失を補うためブースト圧縮する必要が
ある。また、1500℃級の高温ガスタービンになると
翼の熱負荷が極度に大きくなるため、プリクーラ等によ
って抽気空気の温度を下げた冷媒を供給する必要があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した翼を冷却する
ための冷媒のブースト圧縮は、クローズド冷却ガスター
ビンにとって大きな動力損失源となる。この損失を低減
するためには、冷媒の流量を極力少なくすることが肝要
である。特にロータ内部に形成される動翼冷媒の供給、
回収パスは、構造上の制約から流路断面が狭いのと回転
場を蛇行して流れる影響で圧力損失が大きいため、流量
低減による効果が大きい。
【0008】動翼の冷媒を燃焼器に回収するには、ター
ビンロータの内部に形成する回収パスの出口を圧縮機ロ
ータとタービンロータとの連結部に開口して燃焼器内側
から回収するのが有効であるが、この際、ロータ外周壁
と燃焼器内側インナーバレル間に形成された外周スペー
スを横断するため、冷媒の一部が同外周スペースから圧
縮機の吐出口とタービンロータ前側のホイルスペースに
流出する問題があり、この冷媒を極力少なくしなければ
ならない。流出する冷媒は旋回エネルギーを含んでいる
ために損失が大きい。この場合、流出量を軽減するため
に外周スペースの両側にはシールが設置されているが、
リークを皆無にすることは困難である。
【0009】また、回収された冷媒は旋回エネルギーを
含んでいるために静止壁に制動されて昇温し、軸方向に
流出する過程で回転壁の摩擦によりさらに上昇するた
め、ロータ連結軸のみならず、圧縮機ロータおよびター
ビン動翼の遠心荷重を支持しているロータ外周部のダブ
テールを加熱し、熱応力を増大する問題がある。さら
に、動翼の冷媒流量を低減すると回収冷媒温度が上昇す
るために、上述の熱応力は増大する。
【0010】この問題を解決するひとつの手段として、
プリクーラの冷却を強化して冷媒の供給温度を下げるこ
とが考えられるが、プリクーラ自身が効率低下の要因で
あるのと供給と回収の冷媒温度差が増幅されるために、
タービンロータ内部の熱応力が増大し、有効な手段とは
言えない。また、インコネル材等の高温強度の大きな材
料でロータを製作することが考えられるが、材料が効果
であるほか、ニッケルクロム鋼等の通常のロータ材に比
べて加工性が悪く、製作費が高くなる欠点がある。
【0011】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、動翼冷媒の回収に伴うタービンお
よび圧縮機ロータの温度上昇および熱応力の発生を抑制
するとともに、冷媒のブースト圧縮動力の低減および旋
回エネルギーを含む冷媒の燃焼器への回収率を向上する
ことが可能なこの種の冷媒回収型ガスタービンを提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ガス
タービンの少なくとも初段動翼が、動翼内部を流通する
冷媒により冷却され、かつその冷却後の冷媒が、ロータ
内部およびロータ外周スペースに形成された冷媒回収パ
スを介してガスタービン燃焼器に回収されるように構成
された冷媒回収型ガスタービンにおいて、前記ロータ外
周スペースに形成された冷媒回収パス部に、この冷媒回
収パス内を流通する回収冷媒より低温の冷媒を導入する
ようにし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0013】すなわち、このように形成された冷媒回収
型のガスタービンであると、ロータの外周スペースに回
収冷媒より低温の冷媒が導入されることから、このスペ
ースには回収冷媒と導入冷媒の混合冷媒が流れ、その温
度は少なくとも回収冷媒の温度よりも低い温度となる。
これによって、ロータ連結部、圧縮機ロータ、タービン
動翼を装着しているダブテール部等の温度上昇が抑制さ
れ、温度上昇に伴って発生する熱応力が緩和されるので
ある。
【0014】また本発明は、ロータ外周スペースに形成
された冷媒回収パス部に、この冷媒回収パス内を流通す
る回収冷媒より低温の冷媒が導入されるように形成する
とともに、その導入口を、ロータ内部回収パスの流出口
より軸方向の前後もしくは片側に配置形成し、かつ回収
冷媒より低温の冷媒が導入される部分に冷媒誘導仕切り
を設けるようにしたものである。すなわち、前記外周ス
ペースに冷媒を導入するための導入口を、ロータ内部に
形成した動翼冷媒回収パスのロータ外への流出口の圧縮
機側(以下、前側と通称する)とタービン側(以下、後
側と通称する)に配置し、導入口と流出口の間に仕切り
を設置したものである。なお、この場合、仕切りは燃焼
器内側のインナーバレルで支持し、仕切りと回転壁間は
極力狭い間隙になるように形成する。
【0015】このように仕切りを設けることによって、
外周スペースは、前側シールと仕切り間の前側外周スペ
ース、仕切り間のロータ回収パス流出口とインナーバレ
ルの回収口を含む中間スペースおよび後側仕切りとシー
ル間の後側スペースに分割される。
【0016】そこで中間スペースよりも前後スペースの
圧力が高くなるように、導入冷媒の流量を調整して供給
することにより、前後のスペースに導入された冷媒の一
部は仕切り内側の間隙を抜けて中間スペースへ、残りの
大部分は前後のシール側へ流出する。これによりロータ
外周壁は、中間スペース部分が混合冷媒、それ以外の部
分が導入された低温の冷媒に曝されるようになるため、
ロータの温度上昇および熱応力をより効果的に緩和可能
となるのである。
【0017】なお、前記前側スペースおよび後側スペー
スの圧力を中間スペースの圧力よりも高くすることは必
ずしも必須要件ではなく、中間スペースより低い圧力に
設定しても良い。但しこの場合は、中間スペースから仕
切り前後の圧力差に見合った回収冷媒がリークするた
め、前後のスペースには混合冷媒が流れるようになる
が、同冷媒の温度が回収冷媒の温度より低いことに変り
はなく、回収温度レベルおよびロータ外周壁の熱応力の
発生状況に応じて設定圧力を選択すれば良い。
【0018】また仕切りについても、流出口の両側に設
置する必要はなく、前述のように熱応力の発生状況に応
じて片側だけに設置しても良い。
【0019】また、燃焼用圧縮空気の温度が回収冷媒の
温度より低い場合は、導入冷媒として燃焼器内の空気を
直接導入しても良い。この場合には前後の外周スペース
への動翼回収冷媒のリークを回避することはできない
が、施策が容易であるために、圧縮機ロータの熱応力が
とくに大きな問題にならない場合に有効である。
【0020】さらに本発明では、初段静翼および動翼が
ブースト圧縮機を用いて加圧された冷媒を用いて冷却さ
れているクローズド冷却ガスタービンにおいて、前記動
翼内の冷媒流通路に燃焼用空気の一部をブースト圧縮機
で加圧した空気を流通させるとともに、前記静翼内の冷
媒流通路に前記ブースト圧縮機の中間段から抽気した冷
媒を流通させ、かつ静翼を冷却した後の冷媒を、前記ロ
ータ外周スペースに形成された冷媒回収パス部に導入さ
せて回収するように形成した。
【0021】すなわち、このような構成であると、中間
段から抽気する冷媒の温度は吐出温度よりも低いため、
静翼の回収冷媒温度を動翼の回収冷媒温度よりも低くす
ることができ、また外周スペースに導入する圧力の条件
を満たす経路が簡単に構成できるなど、ロータ連結部、
圧縮機ロータ、ダブテール部等を冷却して熱応力の発生
を抑制する上に好適な利点が得られる。
【0022】また、1台のブースト圧縮機を用いて圧力
損失の大きな動翼側だけに高い圧力で冷媒を供給して圧
縮動力を節約し、熱負荷の最も大きな初段静翼の冷媒温
度を下げて冷却能力を強化できるなどの新たな効果も得
られるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図1には、その冷媒回収型のガ
スタービンの要部が断面で示されている。60がガスタ
ービンケーシングであり、10が圧縮機、20が燃焼
器、30がタービン、40が静翼、51が動翼である。
【0024】この実施例は、ロータ連結部外周スペース
にタービン初段静翼の回収冷媒を導入した場合の例で、
図は上半分の断面構造を示しており、圧縮機10とター
ビン30の中間位置に燃焼器20が配置されている。初
段静翼40は、燃焼器20外側のケーシング60から導
出されてプリクーラ61で冷却され、その後部に設置さ
れたブースト圧縮機62の中間段から抽気された圧縮空
気を用い、1、2段の動翼51、52は同ブースト圧縮
機62の吐出空気を用いて冷却されている。したがっ
て、静翼には動翼よりも温度および圧力が低い冷媒が供
給される。
【0025】ロータ内部を流れるパス79は圧縮機の中
間段から抽気した空気が流れる冷媒パスで、起動時のロ
ータ内部からの暖機と冷媒流量が少ない3段動翼の冷却
のために形成されている。
【0026】動翼用の冷媒はタービンロータの軸端から
導入され、冷却後に燃焼器20に回収される。この流れ
を形成するためロータの軸端と燃焼器間には、軸端から
スタッキング接合部を経て動翼51、52に至る冷媒供
給パス31と、同動翼からスタッキング接合部を経て流
出口34に至る遮熱管32で熱シールドされた回収パス
33、圧縮機ロータとタービンロータの連結部69の外
周スペース70、燃焼器内側のインナーバレル21に形
成された回収口22を経て燃焼器に至る回収経路が構成
されている。
【0027】一方、静翼用の冷媒はケーシング60側か
ら供給され、冷却後は回収口41から燃焼器20に回収
されるが、一部は導入パス42を経て導入口43および
44から外周スペース70に導入されている。
【0028】図2は、図1のA部を拡大して静翼および
動翼回収経路周りの構造および冷媒の流れを詳しく示し
ている。外周スペース70の前後にはシール74および
シール75が設置されており、ロータ回収パス33の流
出口34の両側に形成された仕切り23および仕切り2
4によって前側スペース71、中間スペース72、およ
び後側スペース73に分割されている。静翼からの回収
冷媒導入口43および44は、それぞれ前側スペース7
1と後側スペース73に開口されている。
【0029】中間スペースの圧力P1は、回収経路で燃
焼器20より上流にあるため、同燃焼器内の圧力P0よ
りも回収口22の圧力損失分だけ高い。一方圧縮機吐出
口11の圧力P4は、図1に示したデフューザ12が設
置されているために燃焼器内の圧力P0よりも低い。ま
た初段動翼51の前側に形成されたホイルスペース76
の圧力P5は、初段静翼40から流出した燃焼ガスの静
圧にほぼ等しく、P1に比べてかなり低い。
【0030】そこで、静翼冷媒の回収口41を僅かに絞
って回収圧力を高め、中間スペースの圧力P1より高い
圧力P2およびP4で前側スペース71および後側スペ
ース73に静翼回収冷媒を導入することにより、その一
部は、仕切り23および仕切り24先端部の間隙から中
間スペース72にリークして動翼の回収冷媒に混入し、
燃焼器に回収される。残りの冷媒は、圧縮機吐出口11
側およびホイルスペース76を経てガスパス77に流出
するが、圧縮機吐出口側に流出した冷媒は圧縮空気に混
入して、最終的には燃焼器に回収される。
【0031】流出口34から流出する動翼回収冷媒(温
度Tb)は旋回しているために、中間外周スペース72
に流出後にインナーバレル等の静止壁に制動されて減衰
し、旋回エネルギー分の温度が回復されて昇温(△T
1)する。
【0032】上述したように、同中間スペース72には
仕切り23および仕切り24の先端隙間からリークした
低温の冷媒(温度Tc)が混入するため、中間スペース
内の冷媒の温度は(Tb+△T1)よりも低い温度にな
る。特に本実施例では、静翼から導入した回収冷媒の
内、ホイルスペース76側に流出冷媒以外は燃焼器に回
収されるため、端的には回収冷媒全量を外周スペースに
導入しても良い。2段分の動翼の冷媒流量と初段静翼の
冷媒流量はほぼ同等であるため、全量を導入した場合の
中間スペースの温度はほぼ(Tc+Tb+△T1)/2
になる。
【0033】一方、前後外周スペース72および73内
の冷媒温度は、静翼から導入された冷媒が外周スペース
を軸方向に流れる過程でロータ連結部69外周壁の摩擦
により温度上昇(△T2)するため、(Tc+△T2)
に上昇する。そこで各スペース内の温度が、圧縮機ロー
タや動翼51の根本に形成されたダブテール39に熱応
力の発生を加味して許容される温度(Tr)よりも低く
なるように、静翼冷媒供給温度を設定することにより、
熱応力発生の問題を解消できる。
【0034】たとえば回転数が7280rpm、シール
のリーク流量が圧縮機吐出空気流量の1%で、ロータ連
結部流出口の半径位置が300mmの場合、温度上昇△
T1および△T2はそれぞれ約20℃、60℃で、ロー
タ材料の許容温度Trが490℃の場合、430℃の静
翼回収冷媒を導入すれば熱応力の発生を許容値内に抑制
でき、従来の構造では動翼冷媒回収温度は410℃であ
るが、本実施例によれば530℃の動翼冷媒を回収でき
る。
【0035】ロータ部材は、実際には内部冷却パス79
および動翼冷媒供給パス31を流れる低温の冷媒で対面
から冷却されるため、壁面温度は外周スペースの冷媒温
度よりも低くなり、上述よりも高い温度の冷媒を導入し
て熱応力を低減することが可能である。
【0036】上述の手段によれば、旋回エネルギーを有
する動翼からの回収冷媒の全てを燃焼器に回収できるた
め、熱回収効率が良い。また1台のブースト圧縮機を用
いて静翼だけに低い圧力の冷媒を供給できるためブース
ト圧縮動力を節約できる。さらに、熱負荷の最も大きな
初段静翼の冷媒温度を下げて冷却能力を強化することが
できるようになる。
【0037】なお、初段静翼の冷却熱負荷は極度に大き
いため、翼の冷却設計上、必然的に静翼の回収冷媒温度
が動翼の回収冷媒温度よりも低くなる場合には、配管設
備等の都合上、敢えてブースト圧縮機の中間段から抽気
する必要はなく、また、圧縮機ロータやタービン動翼ダ
ブテール部が内部からの冷却によって許容し得るなら
ば、導出口43、44および仕切り23、24を両側に
設ける必要はなく、片側だけに設置しても良い。
【0038】図3は本発明による他の実施例を示してお
り、この場合は外周スペースに低温冷媒を導入する専用
の冷媒導入系80を設置した。外周スペース周りの構成
は前述の実施例と同様で、動翼からの回収冷媒流出口3
4の前後に仕切り2および23が形成され、この仕切り
によって分割された前後の外周スペース73および74
に前記冷媒導入系80から導かれた低温の冷媒が導入口
43および44から導入されるように構成されている。
動翼から回収された冷媒は、仕切り先端の間隙から流出
した低温の冷媒と合わせ、インナーバレル21に設けた
回収口22から燃焼器20に回収される。
【0039】低温冷媒の供給源として決まった系はない
が、この場合には冷媒導入系80の圧力損失が小さいた
めに、例えば前述のプリクーラで冷却された冷媒等が有
効である。導入された後の低温冷媒による熱応力低減等
の効果は、前述の実施例と全く同様であるが、導入され
る冷媒が他の系の冷媒と干渉することがないため、適性
な温度と圧力で導入できる利点があり、また導入した冷
媒の流量を管理できる利点が得られる。
【0040】なお、冷媒導入系80をデフューザ12を
横断して設置したが、本発明では設置場所を制限するも
のではなく、燃焼器内の構造によって適切な位置を選定
すれば良い。
【0041】また、図1から図3に示した実施例では、
外周スペースを分割するために仕切り23、24を新た
に形成したが、シール74および75がラビリンスシー
ル等の場合はシール片を仕切りとして代用し、低温冷媒
の導入口をラビリンスシールの中間位置に設けても良
い。この場合、導入された冷媒は上流側と下流側の両方
に流れ、リークを減らすためには片数を多く必要がある
が、構成を簡単にできる利点がある。
【0042】図4はさらに他の実施例を示しており、こ
の場合は外周スペース用の低温冷媒と燃焼器内の圧縮空
気を導入した。このため燃焼器内側のインナーバレル2
1には外周スペース71および73と連通する導入孔9
1および92が形成されている。この場合には必然的に
外周スペース71および73内の圧力が中間スペース7
1の圧力よりも低くなるため、ハニカムシール93およ
び94を設置し、仕切りに替えてブラシシール95、9
6をしてシールを強化した。
【0043】導入孔91および92の孔径を大きくして
流路抵抗を少なくすれば、外周スペース71および73
内の圧力はほぼ燃焼器20内の圧力P0に近くなるた
め、ブラシシール95、96からリークする冷媒の流量
はかなり少なく、圧縮機ロータ側およびホイルスペース
へ流れる冷媒の大部分は燃焼器から導入された空気にな
る。
【0044】この内圧縮機ロータ側に流出する冷媒は圧
縮機の吐出空気に混入して再び燃焼器に回収されるた
め、僅かにデフューザ12の機能が低下することを除け
ば、冷媒の損失はなく、壁面摩擦熱を燃焼器に輸送する
役目を担う。このことから導入冷媒の流量を増やして回
転壁面摩擦による冷媒の温度上昇を抑制することが可能
であり、前例の摩擦損失を引用すれば、流量を3%に増
加することにより、摩擦による温度上昇△T2は約20
℃に低下する。したがって圧縮機の吐出空気温度が47
0℃以下ならば、ロータの温度上昇を490℃以下に抑
制して熱応力の低減を図ることができる。
【0045】但しホイルスペース側に流出する冷媒とし
て、3%のリーク損失は効率的にも影響が大きいため、
ロータの温度分布解析およびガスタービンの効率分析等
によって、許容できない場合は動翼ダブテール等を他の
手段によって冷却する必要がある。また、前実施例と併
用することもひとつの解決手段である。
【0046】図5は、図4のX−X断面図で、インナー
バレルに形成された冷媒の回収口に対する改良案の実施
例を示しており、図2および図3に示した実施例に対し
ても適用でることは勿論である。すなわち本実施例で
は、インナーバレル21に形成した回収孔99を、ロー
タ69の回転方向と同一方向に向けて傾斜させるように
したものである。
【0047】これにより、旋回しながら中間外周スペー
ス71に流出した回収冷媒が燃焼器内に流入し易くなる
ため中間スペースの圧力が低下し、外周スペース前後へ
の回収冷媒リーク量を低減して冷媒の回収率が向上す
る。また動翼への供給圧力を下げることができるため、
動翼冷媒のブースト圧縮動力を低減できる。さらに、旋
回エネルギーの温度回復が燃焼器内で起こるようになる
ため、特に中間スペース内での回収冷媒の温度上昇を抑
制する効果も得られる。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、タービン構成を複雑にすることなく動翼冷媒の回収
に伴うタービンおよび圧縮機ロータの温度上昇および熱
応力の発生を抑制するとともに、冷媒のブースト圧縮動
力の低減および旋回エネルギーを含む冷媒の燃焼器への
回収率を向上することが可能なこの種の冷媒回収型ガス
タービンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷媒回収型ガスタービンの一実施例を
示す縦断側面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の冷媒回収型ガスタービンの他の実施例
を示す縦断側面図である。
【図4】本発明の冷媒回収型ガスタービンの他の実施例
を示す要部拡大断面図である。
【図5】図4のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10…圧縮機、11…吐出口、20…燃焼器、21…イ
ンナーバレル、22…回収口、23,24…仕切り、3
0…タービン、31…冷媒供給パス、32…冷媒回収パ
ス、34…流出口、39…ダブテール、40…静翼、4
1…回収口、42…冷媒導入パス、43,44…導入
口、51…動翼、61…プリクーラ、62…ブースト圧
縮機、70〜73…外周スペース、74,75,93,
94,95,96…シール、76…ホイルスペース、8
0…冷媒導入系、91,92…冷媒導入孔。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンの少なくとも初段動翼が、
    動翼内部を流通する冷媒により冷却され、かつその冷却
    後の冷媒が、ロータ内部およびロータ外周スペースに形
    成された冷媒回収パスを介してガスタービンの燃焼器に
    回収されるように構成されている冷媒回収型ガスタービ
    ンにおいて、 前記ロータ外周スペースに形成された冷媒回収パス部
    に、この冷媒回収パス内部を流通する回収冷媒より低温
    の冷媒を導入するようにしたことを特徴とする冷媒回収
    型ガスタービン。
  2. 【請求項2】 ガスタービンの少なくとも初段動翼が、
    動翼内部を流通する冷媒により冷却され、かつその冷却
    後の冷媒が、ロータ内部およびロータ外周スペースに形
    成された冷媒回収パスを介してガスタービンの燃焼器に
    回収されるように構成されている冷媒回収型ガスタービ
    ンにおいて、 前記ロータ外周スペースに形成された冷媒回収パス部
    に、この冷媒回収パス内部を流通する回収冷媒より低温
    の冷媒が導入されるように形成するとともに、その導入
    口を、ロータ内部回収パス部の回収冷媒流出口より軸方
    向の前後もしくはその片側に配置形成し、かつ回収冷媒
    より低温の冷媒が導入される部分に冷媒誘導仕切りを設
    けるようにしたことを特徴とする冷媒回収型ガスタービ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記ロータ外周スペースの冷媒回収パス
    部に導入される低温の冷媒が、機外で温度調整された空
    気,若しくは燃焼器の燃焼用圧縮空気の一部の空気,若
    しくはタービンの静翼を冷却した後の回収冷媒である請
    求項1または2記載の冷媒回収型ガスタービン。
  4. 【請求項4】 ガスタービンの少なくとも初段動翼およ
    び初段静翼が、夫々翼内部の冷媒流通路を流れる冷媒に
    より冷却され、かつ静翼冷却後の冷媒が、冷媒回収パス
    を介してガスタービン燃焼器に回収され、かつ前記動翼
    冷却後の冷媒がロータ内部およびロータ外周スペースに
    形成された冷媒回収パスを介してガスタービン燃焼器に
    回収されるように構成されている冷媒回収型ガスタービ
    ンにおいて、 前記動翼内の冷媒流通路に燃焼用空気の一部をブースト
    圧縮機で加圧した空気を流通させるとともに、前記静翼
    内の冷媒流通路に前記ブースト圧縮機の中間段から抽気
    した冷媒を流通させ、かつ静翼を冷却した後の冷媒を、
    前記ロータ外周スペースに形成された冷媒回収パス部に
    導入させて回収するように形成したことを特徴とする冷
    媒回収型ガスタービン。
  5. 【請求項5】 前記ロータ外周スペースに形成された冷
    媒回収パスからロータ外の回収パスへの回収冷媒の排出
    を、前記冷媒回収パスの外側に設けられているインナー
    バレルの冷媒回収孔を介して行うようにするとともに、
    この冷媒回収孔を、ロータの回転方向と同一方向に向け
    て傾斜させるようにしたものである請求項1〜4いずれ
    かの項に記載の冷媒回収型ガスタービン。
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