JP2000178951A - 圃場における畦畔の形成方法及び畦畔形成部材 - Google Patents

圃場における畦畔の形成方法及び畦畔形成部材

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JP2000178951A
JP2000178951A JP10353553A JP35355398A JP2000178951A JP 2000178951 A JP2000178951 A JP 2000178951A JP 10353553 A JP10353553 A JP 10353553A JP 35355398 A JP35355398 A JP 35355398A JP 2000178951 A JP2000178951 A JP 2000178951A
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Riyuutsukasa Sato
▲りゅう▼司 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除草作業を必要なくして安全な歩行を可能に
し、必要に応じて区画整理も簡潔に実施できる圃場にお
ける畦畔の形成方法及び畦畔形成部材の提供を目的に
し、以て農作業の持続と農地の保全を図る。 【解決手段】 本発明による圃場における畦畔の形成方
法及び畦畔形成部材は、少なくとも上部21と上部に連
続する側部22から構成され、上部表面に滑り止め24
を形成し側部下端に側部から水平方向に拡張する跳ね出
し部25と側部の延長方向に所定間隔を置いて伸長する
保持部26を備えて成る非透水性畦畔形成部材20を区
画境界線上に配置するものであり、具体的には畦畔形成
部材20が軽量材質の矩形体であり、土壌畦畔とこれを
被覆する合成樹脂製の鞍型もしくはL型であること及び
複数に分割した畦畔形成部材を互いに接合して区画境界
線上に配置することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除草作業を排除し
て安全な歩行を確立し、必要に応じて圃場の境界線を容
易に区画できることを特徴とする圃場における畦畔の形
成方法及び畦畔形成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における製造産業の発展からサービ
ス産業への移転と産業構造が変化する中で、農産業にお
ける生活様式の変化と少子化の傾向は、近年の農村にお
ける人口の減少、兼業化、高齢化及び女性化等の労働環
境の変化に発展し、農作業の持続や農地の保全が困難に
なってきている。このような傾向は米の生産農家におい
ても同様であり、米作りの実態として圃場の区画整理を
含んだ作業効率の改善と安全性の確保が緊急の課題とし
て注目されている。特に、農村における高齢化は、作業
を中断することの出来ない畦畔除草作業の改善と安全性
の確保において、深刻な事態を呈しており農家における
最大の課題になっている。
【0003】従来から米を作る圃場では、一定量の収穫
を上げるために圃場面積を確保し、収穫率を高めるため
に、米の品質改良、化学肥料・除草剤の使用や機械化技
術の導入を図り、さらには、圃場に対する区画整理技術
の近代化によって伸長してきた。これらの過程において
は、圃場を自然の一部として認識することから、圃場は
米を作るための生産工場であると位置付け、圃場が備え
ている畦畔、用水路、用水取入口、排水路、道路、進入
路、枕地等の装置的な性格を有する部分に注目して、一
般の工場が社会環境や生産条件に対応させて新しい機械
の導入を図るために設備投資をするのと同様に、圃場に
も生産コストの向上を図るために上記生産装置の近代化
が行われ、機械化の導入とそれに適した区画整理の積極
的推進が行われている。
【0004】圃場の形態変化は、農業機械の大型化とモ
ータリゼーションに負うところが大であり、このような
形態変化は、その後の維持管理労働の増大を求めるもの
となっている。圃場周辺の管理作業の1つに畦畔除草が
ある。畦畔除草は、従来は家畜の飼料や肥料の一部とし
て活用され、その作業も村落の共同作業として処理され
てきた。その後、化学肥料の使用で家畜の飼料や肥料の
一部としての生産要素は失われてきたが、稲の生育環境
の整備、害虫やネズミ等の駆除や発生の防止のために、
必須の作業項目になっており、その必要性は継続されて
多くの労力を費やしている。又、農業の機械化・大型化
とモータリゼーションは、除草中の動力刈払機による死
亡事故や常用トラクターの操作中の転倒・転落による死
亡事故は改善されることなく高い発生比率になってい
る。
【0005】従来の畦畔除草作業の改善は、除草剤の使
用、除草機の利用、植生の改良及び圃場形態の変更等で
労働の効率化・軽減化が一般的に図られているが、除草
面積の縮小を図る手段の一つとして以下のような草生防
止工法も検討されている。 ソイルセメント、コンクリート、鉄筋コンクリート
等草生防止素材によ る畦畔の施工。 コンクリート、モルタル、アスファルト、コンクリ
ート板等の舗装材に よる畦畔表面の舗装。 マルチング等の二次的防止対策。 しかし、上記の対策手段は、いずれも畦畔における雑草
の生育を防止することのみを対象にしており、圃場の区
画整理や歩行路としての機能を含めて総合的に判断した
畦畔施工は検討されていない。
【0006】一方の安全対策については、大型機械とモ
ータリゼーションに対しては急勾配や段差の解消が中心
であり、除草時における動力刈払機の対策としては、法
面の形状において勾配を緩やかにし足場を良くすること
が中心になっており、農業従事者の高齢化・女性化によ
って発生するところの畦畔での滑り、踏み外し及び雑草
に足を取られての転倒事故等については殆ど無対策であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記状況に
鑑みて発明したものであり、除草作業を必要なくして安
全な歩行を可能にし、必要に応じて区画整理も簡潔に実
施できる圃場における畦畔の形成方法及び畦畔形成部材
の提供を目的にし、以て農作業の持続と農地の保全を図
っている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による圃場におけ
る畦畔の形成方法は、基本的に、少なくとも上部と上部
に連続する側部から構成され、上部表面に滑り止めを形
成し側部下端に側部から水平方向に拡張する跳ね出し部
と側部の延長方向に所定間隔を置いて伸長する保持部を
備えて成る非透水性畦畔形成部材を区画境界線上に配置
するものであり、具体的には畦畔形成部材が軽量材質の
矩形体であり、土壌畦畔とこれを被覆する合成樹脂製の
鞍型もしくはL型であること及び複数に分割した畦畔形
成部材を互いに接合して区画境界線上に配置することを
特徴としている。
【0009】本発明による畦畔形成部材は、基本的に、
非透水性の軽量材質であり少なくとも上部と該上部に連
続する側部から構成され、上部表面に滑り止めを形成し
側部下端に側部から水平方向に拡張する跳ね出し部と側
部の延長方向に所定間隔を置いて伸長する保持部を備え
て成り、具体的には上部とこれに連続する側部及び下部
から構成される矩形体であり、上部とその両側に連続す
る側部から構成される鞍型もしくは上部とその片側に連
続する側部から構成されるL型であること及び接合のた
めの重ね接合部を両端部に形成することを特徴としてい
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、農業従事者の高齢化・
女性化のために畦畔において発生する除草作業の負担や
歩行時の安全の問題を解決し、上記問題の解決の際に考
慮されるであろう圃場の区画整理についても柔軟に対応
できる畦畔の形成方法とそれに適した畦畔形成部材を提
供するものであり、以下に、その実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明によって形成された圃
場の斜視図である。図において、圃場1は、畦畔2〜5
によって区画され道路6に沿って配置されており、畦畔
と道路との間には用水路7が構築してある。用水路7か
らは、圃場の灌漑に必要な用水が取水口8を経由して適
宜導水されるようになっている。畦畔2と畦畔3とは畦
畔形成部材12で接合されており、道路に沿って構築さ
れた用水路7と圃場1を区画している。畦畔4、5は、
畦畔2、3と畦畔形成部材13、13で接合されてお
り、各圃場を規定の面積に区画整理している。圃場の区
画整理部分で畦畔4、5間は畦畔形成部材14で接合さ
れており、圃場1を区画している。接合部以外の畦畔
は、規定の畦畔形成部材15を直線状に接合並置するこ
とで圃場の境界線を形成している。各畦畔形成部材の詳
細な形状については後述するが、畦畔形成部材は非透水
性の軽量材質であり上部表面には滑り止めを形成してあ
るから、もぐら孔等で圃場の水を漏水させることがな
く、除草を必要とするような雑草も生育せずに、路肩崩
れや滑りが発生せず、歩行の安全性を高揚している。
【0011】図2は、圃場に敷設された畦畔形成部材の
実施の形態を示す斜視図である。畦畔形成部材20は、
図1において直線部分を形成している畦畔形成部材15
の1例であり、圃場1の所定位置に敷設され単独で畦畔
2その他を形成している。畦畔形成部材20の材質は、
プラスチック、繊維強化プラスチック、軽量コンクリー
ト等の非透水性の軽量材質であり、その形状は、上部2
1とその両側から台形状に連続している側部22、22
及び上部より幅広い底部23から成り、中空状に一体に
構成されている。畦畔構成部材20は、単独で畦畔を形
成することができるので、広い圃場を新しく区画する場
合等に適用して最も利便性を発揮することになる。
【0012】上部の表面には、砂状のものを接着する
か、凹凸形状24を形成して歩行の際に滑り難くしてあ
る。又、側部の下端には、畦畔形成部材の設置を安定に
する跳ね出し部25が側部から水平方向に拡張して設け
られてあり、同様に畦畔形成部材の固定を確実にする保
持部26が側部のほぼ延長方向に所定の間隔を保って配
備されてある。畦畔形成部材20の両端には、畦畔形成
部材相互間を接合するための重ね接合部27を形成して
ある。図示された一方端の接合構造28は雄側であり、
雌側の接合受け構造29は他方端の内面に形成されて図
示されていないが、接合構造28に相対する形状で形成
してある。接合構造28及び接合受け構造29は、図示
のように上部及び両側部の端部に表面から斜面状の削り
込み部分を経た段落部を形成して、互いに係合させた際
に上部表面が面一に成るようにしているが、重ね接合部
27の具体的な構造に関しては、この他にも一般に採用
されている各種の機械的係合手段を採用することが可能
であって特別の構造はでない。
【0013】畦畔形成部材20は、図示のように、圃場
の耕地の表面に底部で設置され上記跳ね出し部及び保持
部で耕地の表面に安定状態に固定されるものであるか
ら、畦畔形成部材20の安定に加えて畦畔形成部材間の
接合状態も堅牢になって歩行表面は凹凸もなく平滑なも
のになる。畦畔形成部材20の設置は、圃場の耕地の表
面に限らず状況に応じて耕地の内部に埋め込んだ状態で
設置することも可能である。又、畦畔形成部材の形状は
基本的に矩形体であるが、矩形の意味するところは本実
施の形態で説明したように、畦畔形成部材の本体部分を
中空台形としても4角形でも内密であっても含まれるも
ので、その形状に厳格に制限されるものでない。
【0014】図3は、圃場に敷設された畦畔形成部材を
示す他の実施の形態斜視図である。畦畔形成部材30
は、図1において直線部分を形成している畦畔形成部材
15の他の例であり、圃場1の所定位置に構築された土
壌31を被覆した状態で畦畔2その他を形成している。
畦畔形成部材30の材質は、上記実施の形態と同様に非
透水性の軽量材質であり、その形状は、上部32とその
両側から台形状に連続している側部33、33から構成
される鞍型をしている。
【0015】上部の表面には、砂状のものを接着する
か、凹凸形状34を形成して歩行の際に滑り難くしてあ
る。又、側部の下端には、畦畔形成部材の設置を安定に
する跳ね出し部35が側部から水平方向に拡張して設け
られてあり、同様に畦畔形成部材の固定を確実にする保
持部36が側部のほぼ延長方向に所定の間隔を保って配
備されてある。畦畔形成部材30の両端には、畦畔形成
部材相互間を接合するための重ね接合部37を形成して
ある。図示された一方端の接合構造38は雄側であり、
雌側の接合受け構造39は他方端の内面に形成されて図
示されていないが、接合構造38に相対する形状で形成
してある。なお、重ね接合部37の具体的構造について
は、図2に示した実施の形態例と同様なのでその説明を
省略する。
【0016】畦畔形成部材30は、図示のように、圃場
の土壌31と耕地との表面に設置され上記跳ね出し部及
び保持部で耕地の表面に安定状態に固定されるものであ
るから、畦畔形成部材30の安定に加えて畦畔形成部材
間の接合状態も堅牢になって歩行表面は凹凸もなく平滑
なものになる。畦畔形成部材30の設置は、圃場の耕地
の表面に限らず状況に応じて耕地の内部に埋め込んだ状
態で設置することも可能である。又、畦畔形成部材の形
状は基本的に鞍型であるが、台形としても4角形であっ
ても本発明に含まれるもので、その形状に厳格に制限さ
れるものでない。
【0017】図4は、圃場に敷設された畦畔形成部材を
示す他の実施の形態斜視図である。畦畔形成部材40
は、図1で示した直線部分を形成している畦畔形成部材
11の例であり、圃場1の所定位置に構築された畦畔天
端9、法面10及び法先端11から構成されている畦畔
の法先端の土壌41を被覆した状態で畦畔2を形成して
いる。畦畔形成部材40の材質は、上記実施の形態と同
様に非透水性の軽量材質であり、その形状は、上部42
とその片側から台形状に連続している側部43から構成
されるL型をしている。L型の形状は、傾斜を持った台
形状に限定されるものでなく、上部42と側部43が直
角に構成されたものであってもよい。畦畔形成部材40
の材質、その他の形状等は、鞍型とL型とその形状を異
にするのみで上述した図3の畦畔形成部材30と同様で
あるから、その説明を省略するが、必要とする畦畔の形
状が法面を備えていたり、枕地と続いている地形の圃場
に畦畔を構築するのに適している。
【0018】図5〜7は、図2で説明した直線状の畦畔
形成部材を接合して、圃場を区画するために圃場に敷設
する畦畔形成部材の実施の形態を示す斜視図である。図
5に示す畦畔形成部材50は、図1における畦畔形成部
材12に相当しており、圃場1の所定位置に単独で敷設
されている畦畔2と畦畔3とを接合するために用いる畦
畔形成部材である。畦畔形成部材50は、畦畔形成部材
20と一体になって圃場を構成することから、基本的に
畦畔形成部材20と同様の矩形体である。畦畔形成部材
50の形状は、図示のように二股に伸長する畦畔構成部
51、52から構成されており、2方向の畦畔形成部材
20と接合して図1で示した畦畔2と畦畔3のように2
方向に展開している畦畔の角部を構築するのに用いる。
【0019】図6に示す畦畔形成部材60は、図1にお
ける畦畔形成部材13に相当しており、圃場1の所定位
置に単独で敷設されている畦畔2と畦畔5あるいは畦畔
3と畦畔4とを接合するために用いる畦畔形成部材であ
る。畦畔形成部材60も又、畦畔形成部材20と一体に
なって圃場を構成することから、基本的に畦畔形成部材
20と同様の矩形体である。畦畔形成部材60の形状
は、図示のように互いに交差する畦畔構成部61、62
から構成されており、3方の畦畔形成部材20と接合し
て図1で示した畦畔2と畦畔5のように圃場を区画する
ために直角方向に展開する畦畔の交差部を構築するのに
用いる。
【0020】図7に示す畦畔形成部材70は、図1にお
ける畦畔形成部材14に相当しており、圃場1の所定位
置に単独で敷設されている畦畔4と畦畔5とを接合する
ために用いる畦畔形成部材である。畦畔形成部材70
も、畦畔形成部材20と一体になって圃場を構成するこ
とから、基本的に畦畔形成部材20と同様の矩形体であ
る。畦畔形成部材70の形状は、図示のように4方に伸
長する畦畔構成部71〜74で構成されており、4方の
畦畔形成部材20と接合して図1で示した畦畔4と畦畔
5のように広い圃場を複数に区画するために直交する畦
畔の交差部を構築するのに用いる。
【0021】図8は、図3で説明した直線状の畦畔形成
部材を接合して、圃場を区画するために圃場に敷設する
畦畔形成部材の実施の形態を示す斜視図である。畦畔形
成部材80は、図1における畦畔形成部材14に相当し
ており、図3の畦畔形成部材30と同様に圃場1の所定
位置に構築された土壌31を被覆した状態で畦畔4と畦
畔5とを接合するために用いる畦畔形成部材である。畦
畔形成部材80は、畦畔形成部材30と一体になって圃
場を構成することから、基本的に畦畔形成部材30と同
様の鞍型である。畦畔形成部材80の形状は、図示のよ
うに4方に伸長する畦畔構成部81〜84で構成されて
おり、4方の畦畔形成部材30と接合して図1で示した
畦畔4と畦畔5のように広い圃場を複数に区画するため
に直交する畦畔の交差部を構築するのに用いる。
【0022】図9は、図4で説明した直線状の畦畔形成
部材を接合して、圃場を区画するために圃場に敷設する
畦畔形成部材の実施の形態を示す斜視図である。畦畔形
成部材90は、図1における畦畔形成部材12に相当し
ており、図4の畦畔形成部材40と同様に圃場1の所定
位置に構築された法先端等の土壌41を被覆した状態で
畦畔2と畦畔3とを接合するために用いる畦畔形成部材
である。畦畔形成部材90は、畦畔形成部材40と一体
になって圃場を構成することから、基本的に畦畔形成部
材40と同様のL型である。畦畔形成部材90の形状
は、図示のように二股に伸長する畦畔構成部91、92
から構成されており、2方向の畦畔形成部材40と接合
して図1で示した畦畔2と畦畔3のように2方向に展開
している畦畔の角部を構築するのに用いる。
【0023】図10は、図3、4で説明した直線状の畦
畔形成部材を接合して、圃場を区画するために圃場に敷
設する畦畔形成部材の実施の形態を示す斜視図である。
図10に示す畦畔形成部材100は、図1における畦畔
形成部材13に相当しており、図4の畦畔形成部材40
と同様に圃場1の所定位置に構築された法先端等の土壌
41を被覆した状態で畦畔2と畦畔5あるいは畦畔3と
畦畔4とを接合するために用いる畦畔形成部材である。
畦畔形成部材100は、畦畔形成部材30及び40と一
体になって圃場を構成することから、基本的に畦畔形成
部材30及び40と同様の鞍型もしくはL型である。畦
畔形成部材100の形状は、図8、9で説明した畦畔構
成部84、92を交差させて構成しており、畦畔構成部
84と接合する畦畔形成部材30及び畦畔構成部92と
接合する畦畔形成部材40と一体に接合して、図1で示
した畦畔2と畦畔5のように圃場を区画するために直角
方向に展開する畦畔の交差部を構築するのに用いる。
【0024】図11、12は、畦畔に設けた取水口を示
すもので、図11は平面図、図12は側面及び断面図で
ある。図1に示す取水口8は、用水路7から導入する灌
漑用の水を導入・遮断と区画された圃場間の供給・遮断
に使用されている。取水口の設置場所は圃場の区画等に
よって決定されてくるものであるから、設定位置を特定
することは避けて図2で説明した直線上の畦畔形成部材
20に設ける場合について説明する。取水口8は、畦畔
形成部材の所定位置に畦畔形成部材を横断して設けた溝
85の中間部に複数のせき板86を落とし込んで構成し
ている。溝85には、せき板86を着脱させる突起87
を両側及び底部に設けてある。せき板86は、畦畔形成
部材と同じ非透水性軽量材質で構成してあり、両側と底
部に溝の突起87に対応させて窪み88を形成してあ
る。又、任意のせき板にはせき板同士を水密に係合させ
るために上記窪みに挿入される突起89を上面に設けて
ある。上記溝の加工は、畦畔形成部材の成型加工時に一
体に形成されるもので特別の製作負担はない。さらに、
せき板も畦畔形成部材と同様に平板と窪み及び上面の突
起を一括成型することで製作できるので、コスト上の負
担になることはない。
【0025】上記実施の形態では、畦畔を単独で構築す
る際に用いる畦畔形成部材20に取水口8を形成する例
について説明したが、圃場の法面を備えた畦畔や枕地に
続いている畦畔を構築するのに適した実施の形態の畦畔
形成部材においても同様に形成できる。即ち、図3、4
で示した土壌を被覆して一体になって畦畔を構築する畦
畔形成部材30と40についても、説明は省略するが、
同様の構成で取水口を設けることが可能であり、いずれ
の場合にも畦畔形成部材と一体成型をすることで特別の
手順を要せずに製作できるものである。特に、畦畔形成
部材30、40のように土壌と一体になって畦畔を構築
する実施の形態の場合には、取水口の溝とせき板との係
合関係を反対にして、溝側にせき板を挿入する窪みを設
けておき、窪みの一部は畦畔形成部材を貫通させて土壌
にまで到達するように構成することもできる。このよう
にすることで、せき板を特別に加工せずに市販の木板を
使用して安価に済ませることが可能になり、コスト的に
改善されるものである。
【0026】以上、本発明について実施の形態に基づい
て詳細に説明してきたが、本発明による圃場における畦
畔の形成方法及び畦畔形成部材は、農業従事者の高齢化
・女性化のために、畦畔において発生する除草作業の負
担問題や歩行時の安全問題を解決し、上記問題の解決の
際に考慮されるであろう圃場の区画整理についても柔軟
に対応することで、農作業の持続と農地の保全を図るこ
とを目的効果にしているものであるから、本発明は上述
した実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である
ことは当然のことである。
【0027】
【発明の効果】本発明による圃場における畦畔の形成方
法は、基本的に、少なくとも上部と上部に連続する側部
から構成され、上部表面に滑り止めを形成し側部下端に
側部から水平方向に拡張する跳ね出し部と側部の延長方
向に所定間隔を置いて伸長する保持部を備えて成る非透
水性畦畔形成部材を区画境界線上に配置するものであ
り、具体的には非透水性畦畔形成部材が軽量材質の矩形
体であり、土壌畦畔とこれを被覆する合成樹脂製の鞍型
もしくはL型であること及び複数に分割した畦畔形成部
材を互いに接合して区画境界線上に配置することを特徴
としているので、圃場における畦畔の除草作業を完全に
排除し、畦畔の安全な歩行も長期間に渡って確実にし、
さらに区画整理の必要が生じた場合には簡潔に対応でき
る効果を発揮するものである。
【0028】本発明による畦畔形成部材は、基本的に、
非透水性の軽量材質で少なくとも上部と該上部に連続す
る側部から構成され、上部表面に滑り止めを形成し側部
下端に側部から水平方向に拡張する跳ね出し部と側部の
延長方向に所定間隔を置いて伸長する保持部を備えて成
り、具体的には上部とこれに連続する側部及び下部から
構成される矩形体であり、上部とその両側に連続する側
部から構成される鞍型もしくは上部とその片側に連続す
る側部から構成されるL型であること及び接合のための
重ね接合部を両端部に形成することを特徴としているの
で、軽量にして耐久性があることから取り扱いが簡単で
自然環境や経年変化にも十分に対応できる効果を奏して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圃場の斜視図
【図2】本発明による畦畔形成部材の設置斜視図
【図3】本発明による他の畦畔形成部材の設置斜視図
【図4】本発明による他の畦畔形成部材の設置斜視図
【図5】接合部に用いる本発明による畦畔形成部材の斜
視図
【図6】交差部に用いる本発明による畦畔形成部材の斜
視図
【図7】直交部に用いる本発明による畦畔形成部材の斜
視図
【図8】直交部に用いる本発明による他の畦畔形成部材
の斜視図
【図9】接合部に用いる本発明による他の畦畔形成部材
の斜視図
【図10】交差部に用いる本発明による他の畦畔形成部
材の斜視図
【図11】畦畔形成部材に設ける取水口の平面図
【図12】畦畔形成部材に設ける取水口の側面図と断面
【符号の説明】
1 圃場 2〜5 畦畔 6 道路 7 用水路 8 取水口 9 畦畔天端 10 法面 11 法先端 12 接合用畦畔形成部材 13 交差部用畦畔形成部材 14 直交用畦畔形成部材 15 規定の直線状畦畔形成部材 20 矩形体状畦畔形成部材 21 畦畔形成部材の上部 22 畦畔形成部材の側部 23 畦畔形成部材の底部 24 滑り止めの凹凸形状 25 安定用跳ね出し部 26 保持部 27 重ね接合部 28 接合構造 29 接合受け構造 30 鞍型畦畔形成部材 31 土壌 32 畦畔形成部材の上部 33 畦畔形成部材の側部 34 滑り止めの凹凸形状 35 安定用跳ね出し部 36 保持部 37 重ね接合部 38 接合構造 39 接合受け構造 40 L型畦畔形成部材 41 土壌 42 畦畔形成部材の上部 43 畦畔形成部材の側部 50 接合部用畦畔形成部材 51、52 畦畔構成部 60 交差部用畦畔形成部材 61、62 畦畔構成部 70 直交部用畦畔形成部材 71〜74 畦畔構成部 80 直交部用畦畔形成部材 81〜84 畦畔構成部 90 接合部用畦畔形成部材 91、92 畦畔構成部 100 交差部用畦畔形成部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上部と該上部に連続する側部
    から構成され、上部表面に滑り止めを形成し側部下端に
    側部から水平方向に拡張する跳ね出し部と側部の延長方
    向に所定間隔を置いて伸長する保持部を備えて成る非透
    水性畦畔形成部材を区画境界線上に配置することを特徴
    とする圃場における畦畔の形成方法。
  2. 【請求項2】 非透水性畦畔形成部材が、軽量材質の矩
    形体であることを特徴とする請求項1に記載の圃場にお
    ける畦畔の形成方法。
  3. 【請求項3】 非透水性畦畔形成部材が、土壌畦畔と該
    土壌畦畔を被覆する軽量材質の鞍型であることを特徴と
    する請求項1に記載の圃場における畦畔の形成方法。
  4. 【請求項4】 非透水性畦畔形成部材が、土壌畦畔と該
    土壌畦畔を被覆する軽量材質のL型であることを特徴と
    する請求項1に記載の圃場における畦畔の形成方法。
  5. 【請求項5】 複数に分割した非透水性畦畔形成部材を
    互いに接合して区画境界線上に配置することを特徴とす
    る請求項1〜4に記載の圃場における畦畔の形成方法。
  6. 【請求項6】 非透水性の軽量材質であり少なくとも上
    部と該上部に連続する側部から構成され、上部表面に滑
    り止めを形成し側部下端に側部から水平方向に拡張する
    跳ね出し部と側部の延長方向に所定間隔を置いて伸長す
    る保持部を備えて成ることを特徴とする畦畔形成部材。
  7. 【請求項7】 上部と該上部に連続する側部及び下部か
    ら構成される矩形体であることを特徴とする請求項6に
    記載の畦畔形成部材。
  8. 【請求項8】 上部と該上部の両側に連続する側部から
    構成される土壌畦畔を被覆する鞍型であることを特徴と
    する請求項6に記載の畦畔形成部材。
  9. 【請求項9】 上部と該上部の片側に連続する側部から
    構成される土壌畦畔を被覆するL型であることを特徴と
    する請求項6に記載の畦畔形成部材。
  10. 【請求項10】 上部と該上部に連続する側部を伸長さ
    せた一方端に重ね接合構造を形成し、他方端には該重ね
    接合構造に相対する重ね接合受け構造を形成することを
    特徴とする請求項6〜9に記載の畦畔形成部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002138452A (ja) * 2000-10-31 2002-05-14 Satsumaya Shoten:Kk あぜ道構造体
JP2009532016A (ja) * 2005-04-06 2009-09-10 タル−ヤ ウォーター テクノロジーズ リミティド. 灌漑装置

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