JP2000178810A - 防塵作業服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で人体からの静電気を確実に防止
することができる防塵作業服を提供する。 【解決手段】 人体を包んだ衣服の袖口１２に、手首に
圧接し導電成繊維等の導電性材料からなる複数の人体接
続部１６を設ける。この複数の人体接続部１６には衣服
に設けられた複数の導電路１８の一端部が各々接続し、
この導電路１８の他端部は、衣服の所定位置に設けられ
た複数の接続端子２０に繋がれ、各接続端子２０がアー
ス端子に接続される。人体接続部１６は、衣服の袖口１
２に設けられたニット地等の絞り部１４の少なくとも内
側に、導電性繊維が露出して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、半導体工場のク
リーンルーム等で着用する防塵作業服に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、クリーンルームで使用されるクリ
ーンルーム用防塵服は、袖口や裾等の締付部にゴム紐が
挿通され、このゴム紐により衣服からの埃が外部に出な
いようにしている。また、特に半導体工場等では、人体
に発生する静電気により電子素子の回路等が破壊された
りするのを防止するために、図５に示すようなアース器
具２が用いられていた。このアース器具２は、内側が導
電性を有したリストストラップ４を手首に巻付け、その
手首から電気コード６を介して図示しないアース端子に
静電気を逃がすものである。電気コード６の端部にはク
リップ８が設けられ、このクリップ８でアース端子を挟
持してアースを取っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のクリ
ーンルーム用防塵作業服の場合、静電気の除去には、ア
ース器具２を用いてそのリストストラップ４を手首に直
接巻付けなければならないものであり、手作業に際して
電気コード６等が作業の妨げとなり、作業性が悪いとい
う問題があった。さらに、リストストラップ４の装着も
煩わしいものであった。

【０００４】この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑
みてなされたもので、簡単な構成で人体からの静電気を
確実に防止することができる防塵作業服を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、人体を包ん
だ衣服の袖口に、手首に圧接し導電成繊維等の導電性材
料からなる複数の人体接続部を設け、この複数の人体接
続部には上記衣服に設けられた複数の導電路の一端部が
各々接続し、この導電路の他端部は、上記衣服の所定位
置に設けられた複数の接続端子に繋がれ、上記各接続端
子がアース端子に接続される防塵作業服である。上記人
体接続部は、上記衣服の袖口に設けられたニット地等の
絞り部の少なくとも内側に、導電性繊維が露出して形成
されている。そして、この導電路の他端部は、上記衣服
の所定位置に設けられた複数の接続端子に繋がれ、上記
各接続端子がアース端子に接続される。

【０００６】さらに、上記複数の人体接続部は上記導電
路を介して各々人体検知装置に接続され、上記衣服を着
用した状態で、上記複数の人体接続部間の抵抗値の低下
を検知して、人体を検知可能なものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面に基づいて説明する。図１〜図３はこの発明
の一実施形態を示すもので、この実施形態の防塵作業服
１０は、人体を包んだ衣服の袖口１２の内側に、手首に
圧接する絞り部１４を形成し、この絞り部１４の少なく
とも内側に、導電性繊維等の導電性材料からなる人体接
続部１６が、互いに離間して２ケ所に設けられている。

【０００８】この人体接続部１６は、絶縁性の繊維によ
り伸縮自在に編まれた絞り部１４の所定の範囲に、導電
成繊維を編み込んで形成する。この導電性繊維として
は、例えば繊維表面に金属等の導電材料を付着させたも
のである。尚、この人体接続部１６は、導電性繊維以外
に、導電性樹脂や金属材料により、人体に接続する電極
として形成可能なものであれば良い。

【０００９】人体接続部１６には、この防塵作業服１０
の裏面側に一体に形成された２本の導電路１８の一端部
が各々接続している。導電路１８は、防塵作業服１０の
袖部からこの衣服の脇の下を経て腰部に至っている。そ
して、導電路１８の他端部は、防塵作業服１０の腰の位
置に設けられた複数の２個の接続端子２０に繋がれてい
る。

【００１０】この導電路１８は、例えば、防塵作業服１
０の生地の縫い合わせ部を、導電成繊維からなるミシン
糸により縫い合わせて、所定の低抵抗値の導電路１８を
形成する。さらに、この縫い合わせ部の導電路１８は、
外部との絶縁を図るために、ループ状に布地で覆われて
いる。また、導電路１８は、他の電気的配線でも良く、
例えば、導電成樹脂の印刷パターンにより形成したもの
や、リード線を上記ループ状にした布地内に配線しても
良い。

【００１１】接続端子２０は、例えば金属ボタンにより
構成され、導電路１８の他端部に設けられた導電成繊維
のパット等に直接接触して固定される。接続端子２０に
は、図４に示す電気コード２２一端部に設けられたボタ
ン２４が着脱自在に取り付けられる。電気コード２２に
は、一対の配線が設けられ、２個の接続端子２０に各々
ボタン２４が嵌合され、電気的に接続する。電気コード
２２の他端部には、一対の配線を各々別々に図示しない
アース端子に接続するプラグ２６が設けられている。

【００１２】また、２個所の人体接続部１６は、導電路
１８、接続端子２０及び電気コード２２を介して、各々
図示しない人体検知装置に接続される。この人体検知装
置は、２個の人体接続部１６間の手首部分で電気が流れ
るようにして、一対の導電路１８の端子間の抵抗値を検
知する。そして、人体接続部１６が手首に接触している
ことによる抵抗値の低下により、人がいるか否かを検知
するものである。

【００１３】この実施形態の防塵作業服１０は、袖口の
絞り部１４の少なくとも裏面側に形成された２ケ所の人
体接続部１６により、人体の静電気を確実にアース端子
へ逃がすことができるものである。さらに、２ケ所の人
体検知部１６により、この作業者の有無を確実に検知す
ることができる。しかも、検知用の電流は人体の手首部
に流れるだけであり、人体に対する安全性が高いもので
ある。

【００１４】また、この防塵作業服１０には、全体に導
電性繊維が所定のピッチでストライプ状にまたは格子状
に織り込まれ、防塵作業服１０による静電気の発生を防
止している。尚、この防塵作業服１０に導電性繊維が織
り込まれた場合、人体接続部１６は、この防塵作業服１
０の生地とは絶縁した方が良い場合と、絶縁しない方が
良い場合とがある。これは、防塵作業服１０自体に導電
性があり、人体接続部１６に防塵作業服の導電性繊維が
接続していると、防塵作業服１０自体の帯電も効果的に
防止できるが、一対の人体接続部１６間が比較的高抵抗
であるが導通状態となり、人体検知に影響するからであ
る。また、逆に、人体接続部１６に防塵作業服の導電性
繊維が接続していないと、人体の検知精度がは高いが、
防塵作業服１０の耐電防止効果は落ちるからである。

【００１５】尚、この発明の防塵作業服は、上記実施形
態に限定されず、人体検知部の材料や形状、数は適宜設
定可能なものである。また、防塵作業服の形状や用途も
問わないものである。

【００１６】

【発明の効果】この発明の防塵作業服は、複数の人体検
知部により、確実にアースを取ることができるととも
に、人の有無の検知にも利用可能なものである。さら
に、人体に対する安全性も高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態の防塵作業服の袖部分の
一部透視斜視図である。

【図２】この実施形態の防塵作業服の正面図である。

【図３】この実施形態の防塵作業服の背面図である。

【図４】この実施形態の防塵作業服に接続する電気コー
ドの斜視図である。

【図５】従来の静電気防止用アース器具の使用状態を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 防塵作業服 １２ 袖口 １４ 絞り部 １６ 人体接続部 １８ 導電路 ２０ 接続端子 ２２ 電気コード

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体を包んだ衣服の袖口に、手首に圧接
   し導電性材料からなる複数の人体接続部を設け、この複
   数の人体接続部には上記衣服に設けられた複数の導電路
   の一端部が各々接続し、この導電路の他端部は、上記衣
   服の所定位置に設けられた複数の接続端子に繋がれ、上
   記各接続端子がアース端子に接続される防塵作業服。
2. 【請求項２】 上記人体接続部は、上記衣服の袖口に設
   けられた絞り部の少なくとも内側に、導電性繊維が露出
   して形成されていることを特徴とする請求項１記載の防
   塵作業服。
3. 【請求項３】 上記複数の人体接続部は各々人体検知装
   置に接続され、上記衣服を着用した状態で、上記人体接
   続部により人体を検知可能であることを特徴とする請求
   項１または２記載の防塵作業服。