JP2000176718A - 穴あけ治具 - Google Patents

穴あけ治具

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JP2000176718A
JP2000176718A JP10349730A JP34973098A JP2000176718A JP 2000176718 A JP2000176718 A JP 2000176718A JP 10349730 A JP10349730 A JP 10349730A JP 34973098 A JP34973098 A JP 34973098A JP 2000176718 A JP2000176718 A JP 2000176718A
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drilling
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Masahiko Ikeda
政彦 池田
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IKEDA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度や耐久性が高く、しかもワークに
対して多数の穴を所望のピッチで穴あけする際やワーク
の穴ピッチがガイド穴の穴ピッチと異なっていても迅速
に高精度で作業性よく穴あけ位置を位置決めして穴あけ
ガイド可能な穴あけ治具を提供する。 【解決手段】 ワーク2の穴あけ面に対向配置され、該
穴あけ面に対してX軸方向に所定ピッチでドリルが挿通
するガイド穴6が複数個形成された上部治具本体3と、
上部治具本体3のX軸方向の一端に配置され、ワーク2
の基準端面に当接して該ワーク2の穴あけ面でのX軸方
向の位置を規定するロッド10bと、ロッド10bに直
交配置され、ワーク2の他の基準端面に当接して該ワー
ク2の穴あけ面でのY軸方向の位置を規定する下部治具
本体4と、ワーク2の穴あけ位置を直近のガイド穴6に
合わせるよう穴ピッチ範囲で微調整可能なマイロクメー
タ10とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークに治具本体
を取付固定してドリルにより所定位置に穴あけする際の
ガイドとなる穴あけ治具に係り、特に板状のワークの端
面に穴あけを行う際に好適に用いられる穴あけ治具に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボール盤やフライス盤などドリル
を用いて穴あけ加工を施すワークには、板材、角材、丸
材などの様々な形状のものや非鉄金属、合成樹脂、木材
などの様々な材質のものが用いられる。これらのワーク
は、予め穴あけ位置とドリル位置とを合わせて、例えば
縦型ボール盤などのベッドに載置されるか、該ベッドに
クランプ等を用いて固定されるか、バイスにより固定し
てベッドの上に載置されるか、或いは専用の治具により
固定されてドリルにより穴あけ作業が行われる。これら
のうち、特に板材などのワークの長手方向の端面に穴あ
け加工を施す場合には、縦型ボール盤のオープンハイト
が小さいとワークが固定できないことから、個々のワー
クに測定具を用いて穴あけ位置にけがき作業を行って目
印を付与してから、手動のドリルにより穴あけ位置に穴
あけを行っていた。また、ボール盤が使用できない大き
さのワークに対しては、該ワークに応じて逐一専用のゲ
ージ板を製作してワークに被せて使用することも考えら
れるが、単品毎にゲージ板を製造するのでは時間がかか
るうえに製造コストも高くなるので採用できない。
【0003】このように、個々のワークに対して手作業
で目印を付与したり、各ワーク毎に手作業で穴あけ作業
を行う作業効率の悪さや加工精度の低さを改善するた
め、例えば特開平8−118122号に示す丸材の穴あ
け加工用治具が提案されている。これは、治具ベースに
設けられた主尺に対してスライド可能に取り付けられた
副尺を備え、該副尺より片持ち状に延出して一体に取り
付けられた加工位置決めガイドに備えた差込ブッシュの
中心が、治具ベースに設けられたVブロックの端部に植
設した基準ピンと一致するように測定具の主尺と副尺と
を合わせておく。そして、Vブロック上にワークを搭載
すると共に端面を基準ピンに突き合わせて締結具で固定
する。そして、加工位置決めガイドを穴あけピッチ分だ
け副尺と共にスライドさせて差込ブッシュを穴あけ位置
に移動させて、ドリルの刃先を該差込ブッシュより進入
させて所望の位置に穴あけが行われるようになってい
る。この作業を繰り返してワークに対して複数箇所に穴
あけを行うようになっている。また、穴径を変更する場
合には、穴径の異なる差込ブッシュを複数用意してお
き、加工位置決めガイドに着脱することにより対応でき
るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−118122号に示す丸材の穴あけ加工用治具にお
いては、以下に述べる課題があった。即ち、ドリルの穴
あけガイドとなるドリルブッシュは、副尺より片持ち状
に延出した加工位置決めガイドに嵌め込まれているの
で、ドリルをドリルブッシュを挿通してワークに穴あけ
する際に、該ドリルブッシュに大きな荷重が加わるため
使用頻度が多くなるにつれて、加工位置決めガイドを片
持ち状に支持する副尺の強度が荷重に耐えられないとい
う課題があった。また、主尺に対して副尺の位置がずれ
易いことから、穴あけピッチに微妙な狂いが生ずるおそ
れもあった。また、穴あけする際にドリルブッシュがド
リルと共に回転してドリルに必要以上の負荷が加わった
り、加工位置決めガイドを損傷したりするおそれもあ
り、穴あけした後ドリルをワークより引き抜く際にドリ
ルブッシュが刃先と一体となって脱落する場合もあっ
た。また、例えば長尺状のワークの端面に対して長手方
向に一定のピッチで複数の穴あけを行う場合、その都度
主尺に対して副尺を所定ピッチスライドさせて加工位置
決めガイドと共にドリルブッシュを穴あけ位置にセット
して穴あけ作業を行う必要があることから、穴あけ位置
を決定する作業が煩わしいという課題もあった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、機械的強度や耐久性が高く、しかもワークに対し
て多数の穴を所望のピッチで穴あけする際やワークの穴
ピッチがガイド穴の穴ピッチと異なっていても迅速に高
精度で作業性よく穴あけ位置を位置決めして穴あけガイ
ド可能な穴あけ治具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。即ち、ワークに治具本体を
蓋接させてドリルにより所定位置に穴あけする際のガイ
ドとなる穴あけ治具において、ワークの穴あけ面に対向
配置され、該穴あけ面に対してX軸方向に所定ピッチで
ドリルが挿通するガイド穴が複数個形成された穴あけガ
イド部材と、穴あけガイド部材のX軸方向の一端に配置
され、ワークの基準端面に当接して該ワークの穴あけ面
でのX軸方向の位置を規定するX軸ガイド部材と、X軸
ガイド部材に直交配置され、ワークの他の基準端面に当
接して該ワークの穴あけ面でのY軸方向の位置を規定す
るY軸ガイド部材と、ワークの穴あけ位置を直近のガイ
ド穴に合わせるよう穴ピッチ範囲で微調整可能な調整手
段とを備えたことを特徴とする。
【0007】また、ワークをY軸ガイド部材に押接して
治具本体を前記ワークに対して取付固定する治具取付手
段を備えていても良く、Y軸ガイド部材はワークのサイ
ズに応じて、該ワークの穴あけ面でのY軸方向の他の基
準端面に当接するY軸基準面が、穴あけガイド部材に対
してY軸方向に相対的に移動可能になっていても良い。
また、穴あけガイド部材に形成されたガイド穴にはドリ
ルブッシュが嵌め込み可能になっており、前記ガイド穴
の近傍には該ドリルブッシュの回り止めが装着可能にな
っていても良く、更には穴あけガイド部材のX軸方向の
ガイド穴が複数列形成されていても良い。また、調整手
段の調整範囲は、穴ピッチ以上の調整範囲を持つマイク
ロメータが着脱可能に装備されていても良く、X軸ガイ
ド部材としてマイクロメータに装備された進退移動可能
なロッドを用いても良く、更には穴あけガイド部材には
ガイド穴ピッチを示す表示スケールが設けられているの
が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の態様
を添付図面に基づいて詳細に説明する。本実施の態様
は、板状のワークのうち長手方向端面に複数箇所に穴あ
けする際に好適に用いられる穴あけ治具について説明す
るものとする。図1(a)(b)(c)(d)は、穴あ
け治具の正面図、上視図、左側面図、右側面図、図2
(a)は左回転用のドリルブッシュの斜視説明図、図2
(b)は右回転用のドリルブッシュの斜視説明図、図2
(c)は左右回転用のドリルブッシュの斜視説明図、図
2(d)はドリルブッシュをガイド穴に装着した状態を
示す説明図、図2(e)は、ドリルブッシュをガイド穴
に装着する状態を示す説明図である。
【0009】先ず、図1(a)〜(d)を参照して穴あ
け治具の全体構成について説明する。1は治具本体であ
り、ワーク2の穴あけ面に対してX−Y方向に位置決め
して取付固定される。この治具本体1は、同じ長さの長
尺状L型アングル材を用いた上部治具本体3と下部治具
本体4とを固定ねじ5により連結して、全体として断面
コ字状に形成されている。本実施例では長尺状L型アン
グル材よりなる治具本体どうしを組み合わせたが、これ
に限定されるものではなく、同じ長さを有する長尺状L
型アングル材を用いた治具本体と同じ長さを有する長尺
状角材を用いてL型アングル状に組み合わせた治具本体
を形成しても良いし、或いは断面コ字状の治具本体を一
体に形成しても良い。治具本体1の材質は、後述する焼
き入れブッシュを使用する場合、ワーク2の材質、用
途、要求強度、要求精度に応じて、スチール、軽合金
(アルミニウム等)、合成樹脂、木材などが好適に用い
られる。治具本体1が金属製である場合には、表面がめ
っき処理、アルマイト処理などが施されているのが防錆
などの点で好ましい。また、ワーク2としては、X−Y
方向に位置決め可能な突き当て面が形成されていれば、
材質(鉄,非鉄金属,合成樹脂,木材等)や形状(球状
体や曲面を含む多面体であるか否か)を問わない。
【0010】上部治具本体3は穴あけガイド部材であ
り、ワーク2の穴あけ面に対向配置され、該穴あけ面に
対してX軸方向(本実施例ではワーク2の穴あけ面に対
して長手方向、即ち図1(a)の左右方向)に所定ピッ
チでドリルが挿通するガイド穴6が複数箇所に形成され
たガイド部3aを有している。このガイド部3aに隣接
する固定部3bには、治具取付手段としての押圧部材7
が取り付けられている。この押圧部材7は、固定面3b
に螺合する取付けねじ8の先端に一体に支持されてお
り、締付けねじ9を締付けることにより、押圧部材7を
上側より押圧してワーク2を後述するY軸ガイド部材の
Y軸基準面に押接する。このように、押圧部材7がワー
ク2を押圧することによって、治具本体1をワーク2に
対して取付固定するようになっている。尚、治具本体1
をワーク2に対してX−Y方向に位置決めして蓋接でき
れば、治具取付手段は必ずしも装備していなくとも良
い。
【0011】10はマイクロメータであり、後述するよ
うに、X軸ガイド部材と調整手段とを兼用している。即
ち、マイクロメータ10は副尺が形成されたノブ10a
と主尺が形成されたロッド10bとを備えており、該ノ
ブ10aを所定方向に回すことにより、ロッド10bを
進退移動させる。このロッド10bは、上部治具本体3
のX軸方向の一端に配置され、ワーク2の長手方向の一
端面(基準端面)に当接して該ワーク2の穴あけ面での
X軸方向の位置を規定するX軸基準面11を先端面に有
している。マイクロメータ10は、上部治具本体3の端
面3cに固定ねじ12にて固定されたL型アングル材よ
りなる延出部材13に着脱可能に保持されている。マイ
クロメータ10のロッド10bの先端面(X軸基準面1
1)は、上部治具本体3の端面3cとほぼ同一面上を基
準位置として用いられる。尚、X軸ガイド部材はマイク
ロメータ10とは別個に上部治具本体3又は下部治具本
体4の一面に形成されていても良い。
【0012】下部治具本体4はY軸ガイド部材であり、
ガイド部3aに直交配置され、ワーク2の板厚方向の端
面(他の基準端面)に当接して該ワーク2の穴あけ面で
のY軸方向(本実施例では図1(a)の上下方向)の位
置を規定するY軸基準面14を有する。このY軸基準面
14は、固定部3bに対向する下部治具本体4の上面に
形成されている。また、下部治具本体4は、例えば固定
ねじ5を外して上部治具本体3との間に板状のものなど
を介在させたり、或いは下部治具本体4の固定ねじ5の
近傍にねじ穴を形成して、該ねじ穴に適合する可動用ボ
ルト(図示せず)を螺合させて、ワーク2のサイズに応
じてY軸方向に移動可能になっているのが好ましい。こ
の可動用ボルトは、該ボルトを螺入させた分だけ下部治
具本体4が上部治具本体3より離間するように移動する
ので、所望の位置で固定ねじ5を締付ければY軸基準面
14の高さ位置を任意に設定できる。尚、下部治具本体
4は上部治具本体3と一体に断面コ字状に形成されてい
ても良い。この場合には、ワーク2のサイズに応じてY
軸基準面14に対して複数の板状のものなどを介在させ
て任意の高さに着脱することで該Y軸基準面14の高さ
位置を任意に設定できる。以上のように、下部治具本体
4は、ワーク2のサイズに応じて、該ワーク2の穴あけ
面でのY軸方向の他の基準端面(本実施例ではワーク2
の板厚方向の端面)に当接するY軸基準面14が、上部
治具本体3に対してY軸方向に相対的に移動可能になっ
ているのが望ましい。尚、ワーク2の穴あけ面でのX−
Y方向は、穴あけ面の位置やワーク2への治具本体1の
蓋接状態により相対的に決まるものとする。
【0013】また、マイクロメータ10は、ノブ10a
を回すとロッド10bが進退移動するようになってお
り、0.01mmピッチで突き出し量を微調整可能にな
っている。即ち、ワーク2の所望の穴あけ位置を直近の
ガイド穴6に合わせるよう穴ピッチ範囲で微調整可能に
なっている。このマイクロメータ10の調整範囲及び精
度は、マイクロメータ10を種々交換することにより変
更可能であるが、いずれにせよ穴ピッチ以上の調整範囲
を有していれば足り、例えばガイド穴6の穴ピッチが1
5mmの場合、15mm以上の調整範囲を有するものが
用いられ、同様に穴ピッチが20mmである場合には2
0mm以上の調整範囲を有するものが用いられる。尚、
本実施例は、マイクロメータ10をワーク2のX軸方向
の端部位置調整用として設けたが、ワーク2に対してY
軸方向の端部位置調整用として併用しても良い。この場
合、例えば下部治具本体4などに各固定ねじ5を結ぶ中
心線上にマイクロメータ10(図示せず)を装着して、
例えばロッド10bの先端面が下部治具本体4を貫通し
上部治具本体3側へ突き出してワーク2に突き当てるこ
とにより、Y軸基準面14(ロッド10bの先端面)の
位置を精度良く調整するようになっていても良い。その
後、固定ねじ5の近傍に設けた可動用ボルト(図示せ
ず)の先端をロッド10bの先端面位置まで送りだすよ
うに螺入させ、固定ねじ5により下部治具本体4を上部
治具本体3に対して締付け固定するようにしても良い。
この固定ねじ5に隣接する可動用ボルト(図示せず)の
先端とロッド10bの先端位置を一致させるのは、マイ
クロメータ10のロッド10bに、固定ねじ5の締付け
によるワーク2への締付け荷重が加わりすぎて破損する
のを防止するためである。
【0014】また、ガイド部3aに形成された各ガイド
穴6には、図1(a)に示すようにドリルブッシュ15
が嵌め込み可能になっている。ドリルブッシュ15は、
ワーク2に穴あけする際に、穴あけ位置を正確にガイド
するため、及び治具本体1がドリルにより摩耗するの防
止するために好適に用いられる。ドリルブッシュ15
は、ドリル径(穴径)に応じて最低1個あれば足り、複
数あるガイド穴6に予め複数嵌め込んでおいても良い
し、ガイド穴6間を移動しながら着脱を繰り返して使用
しても良い。ドリルブッシュ15は、一般に耐摩耗性を
有するため焼き入れブッシュが用いられ、一般に市販さ
れているφ1〜φ6までの0.1mm飛びで種々のもの
が用いられる。このドリルブッシュ15を使用する場
合、ガイド穴6の近傍には該ドリルブッシュ15の回り
止め16が螺合して嵌め込まれているのが望ましい。ド
リルをガイド穴6より挿通してワーク2に穴あけする際
に、ドリルブッシュ15が一体に回転してしまい、ドリ
ルの駆動源に必要以上の負荷が加わったり、ドリルを抜
き取る際にドリルブッシュ15がガイド穴6より抜け落
ちてしまうのを防止するためである。上部治具本体3の
ガイド部3aに形成されたガイド穴6の近傍には、回り
止め16が螺合可能な嵌め込み穴17が各々形成されて
いる。この回り止め16も、ドリルブッシュ15と共に
予め複数装備していても良く、或いは最低1個用意して
おき嵌め込み穴17間を移動しながら着脱を繰り返して
使用しても良い。
【0015】図2(a)(b)は、左方向回転用、右方
向回転用のドリルブッシュ15を示すものである。これ
らのドリルブッシュ15の頭部には、左方向又は右方向
の回転用として円弧状切欠き部15a、回り止め16に
対する着脱用の逃げ部15cが隣接して各々形成されて
いる。また、円弧状切欠き部15a側の壁面にはドリル
ブッシュ15の軸方向の抜け止め用のフランジ部15b
が各々形成されている。また、図2(c)は左右回転用
のドリルブッシュ15を示すもので、該ドリルブッシュ
15の頭部に、回り止め16に対する着脱用の逃げ部1
5cを挟んで両側に円弧状切欠き部15a及びフランジ
部15bが形成されている。図2(d)に示すように、
円弧状切欠き部15aには、回り止め16に形成された
円形頭部16aが係合可能になっている。ドリルブッシ
ュ15は、ガイド穴6に着脱可能に嵌め込まれているの
で、ドリルが進入する際に該ドリルの回転に伴って左方
向又は右方向に回転しようとするが、円弧状切欠き部1
5aが嵌め込み穴17に螺合する回り止め16の円形頭
部16aに係合するため、連れ回りすることはない。ま
た、フランジ部15b上には、回り止め16の円形頭部
16aが重なるように係合するため、ドリルブッシュ1
5の軸方向の抜け止めの作用をするようになっている。
また、図2(e)に示すように、ドリルブッシュ15
は、ガイド部3aに形成された嵌め込み穴17に回り止
め16が螺合した状態で装着されるため、回り止め16
の円形頭部16aと干渉しないための着脱用の逃げ部1
5cを利用してガイド部3aのガイド穴6に容易に装着
することができる。
【0016】また、上部治具本体3のガイド部3aに
は、ガイド穴ピッチを示す表示スケール18が長手方向
に設けられており、穴あけ位置の調整作業を容易に行う
上で好ましい。即ち、マイクロメータ10のロッド10
bに形成された主尺の指示目盛りが基準値、即ち零を示
す際に(マイクロメータ10のロッド10bの先端面が
端面3cとほぼ同一面上まで突き出た状態)、ワーク2
がガイド穴6のピッチに応じて穴あけできることを表示
している。このため、ワーク2をX軸基準面11に突き
当てた際に該ワーク2の長手方向の移動量が、マイクロ
メータ10の主尺及び副尺により瞬時に視認できるよう
になっている。
【0017】次に、上述した穴あけ治具を用いたワーク
2の穴あけ位置の決定方法について説明する。先ず、X
軸方向の位置決めについて説明する。マイクロメータ1
0の主尺が零を示すよう、ロッド10bの先端面を上部
治具本体3の端面3cとほぼ同一面となるよう突き出さ
せて、主尺の目盛りを零になるよう調整しておく。そし
て、このロッド10bの先端面(X軸基準面11)に板
状のワーク2の長手方向の端面を突き当てる。そして、
ワーク2の穴あけ面のうち所望の穴あけ位置に最も近い
ガイド穴6を選択して、その位置にマイクロメータ10
のノブ10aを回してロッド10bの突き出し量を調整
して、当該ガイド穴6と穴あけ位置と一致させる。この
とき、ロッド10bの移動によりワーク2のX軸方向の
端部位置を微調整することにより、マイクロメータ11
の精度にほぼ一致した位置で、しかも所望のピッチで複
数箇所に穴あけ位置を決定することができる。また、こ
のマイクロメータ11による穴あけ位置は一旦調節して
おくと、同一サイズのワーク2に対して改めて調整する
ことなく複数の穴あけ位置を決定できるので、作業上都
合が良く、生産性が向上する。尚、ドリルブッシュ15
及び回り止め16は、予め一部又は全てのガイド穴6に
備えていてもよいが、穴あけ位置を決定した後にガイド
穴6へ取り付けても良い。
【0018】次に、Y軸方向の位置決めについて説明す
る。Y軸基準面14に載置されたワーク2に対して取付
けねじ8の先端に取り付けられた押圧部材7を押圧すべ
く、締付けねじ9を締付ける。このとき、押圧部材7に
よりワーク2の上面側が押圧されてY軸基準面14に押
接される。ワーク2のY軸方向の高さ(板厚)が大きい
場合には、固定ねじ5を外して治具本体1のうち上部治
具本体3と下部治具本体4との間に板状のものなどを介
在させて高さを調整するか、下部治具本体4を可動用ボ
ルトやマイクロメータ等により所定量移動させて移動後
の位置で固定可能な構造になっていれば良い。
【0019】このように、ワーク2は治具本体1にX−
Y方向に位置決めされた後、ボール盤やハンドドリル等
の工作機械器具を用いて、所望のガイド穴6よりドリル
ブッシュ15を介してドリルの刃先を進入させて穴あけ
加工が行われる。
【0020】上記穴あけ治具を用いれば、ワーク2に対
して所望の穴あけ位置をマイクロメータ10の精度に合
わせて高精度に位置決めして穴あけ作業を行うことがで
きる。また、ワーク2に対して逐一穴あけ位置を決定す
る作業を行うことなく所定ピッチで複数箇所同時に穴あ
け位置が決定できるので穴あけ作業が連続して行え、し
かも一旦マイクロメータ10を調節しておけば、同一サ
イズのワーク2に対して瞬時に穴あけ位置を決定できる
ので極めて作業性が良い。また、ワーク2に穴あけする
際に、ドリルブッシュ15に大きな荷重が加わっても、
該ドリルブッシュ15は上部治具本体3の一部であるガ
イド面3aに形成されたガイド穴6に嵌め込まれている
ので、ドリルの荷重に耐え得る十分な機械的強度を有し
ており、繰り返し使用しても耐久性が極めて高く、穴あ
け位置精度もずれることもない。しかもドリルブッシュ
15は回り止め16により左方向及び/又は右方向に連
れ回りしないようになっているので、ドリルをガイド穴
6より引き抜いてもドリルブッシュ15が脱落すること
もない。更にドリルブッシュ15には、焼き入れブッシ
ュが用いられるので、繰り返し使用に十分耐え得る。ま
た、様々な形態を有するワーク2に対して穴あけ治具を
X−Y方向に位置決めして装着できれば、穴あけ治具が
十分な機械的強度を有し、しかもドリルブッシュ15の
長さが十分にあれば、ワーク2を置いたままハンドドリ
ルを用いても穴あけ面に対して垂直かつ正確な穴あけを
行うことができるため、使い勝手が良い。
【0021】本発明に係る穴あけ治具は、上記実施例に
限定されるものではなく、例えば板状のワークの長手方
向の端面に対して穴あけを行う場合に限らず、他の面に
対して任意の位置で穴あけするために用いても良い。ま
た、治具本体1のガイド部3aには、X軸方向のガイド
穴6が所定ピッチで1列分形成されているが、複数列形
成されていても良い。この場合、例えばY軸方向に幅広
のガイド部3aに所定ピッチのガイド穴6を複数列設け
て万能穴あけ治具を形成しても良い。また、穴あけ治具
のガイド部3aにガイド穴6を複数列形成する場合に
は、レイアウト上ガイド穴6は千鳥状に形成する必要が
あるが、この場合、ワーク2に対してX軸方向の端部調
整範囲が大きくなるため、マイクロメータ10の微調整
範囲を更に拡大する必要が生ずる。このため、マイクロ
メータ10のロッド10bに先端に穴ピッチに応じて所
定の厚さを有する円筒状のアタッチメントを装着するこ
とにより、ガイド穴6の変更に応じてワーク2のX軸方
向の端面位置を調節できる。尚、ガイド穴6の変更に伴
い、ワーク2のY軸方向の位置は必ずしも調整する必要
はない。また、マイクロメータ10は、上部治具本体3
の端面3cに固定ねじ12にて固定された延出部材13
に着脱可能に保持されているが、該端面3cとは反対側
の端面3dにも延出部材13を取付可能な固定ねじ12
を螺合するねじ穴12aが設けられていても良い。以上
のように、発明の精神を逸脱しない範囲内でさらに多く
の改変を施し得るのはもちろんのことである。
【0022】
【発明の効果】本発明は前述したように、ワークに対し
て所望の穴あけ位置を例えばマイクロメータの精度に合
わせて高精度に位置決めして穴あけ作業を行うことがで
きる。また、ワークに対して逐一穴あけ位置を決定する
作業を行うことなく所定ピッチで複数箇所同時に穴あけ
位置が決定できるので穴あけ作業が連続して行え、しか
も一旦マイクロメータを調節しておけば、同一サイズの
ワークに対して瞬時に穴あけ位置を決定できるので極め
て作業性が良い。また、ワークに穴あけする際に、ドリ
ルブッシュに大きな荷重が加わっても、該ドリルブッシ
ュは治具本体の一部を形成するガイド部に形成されたガ
イド穴に嵌め込まれているので、ドリルの荷重に耐え得
る十分な機械的強度を有しており、繰り返し使用しても
耐久性が極めて高く、穴あけ位置精度もずれることもな
い。しかもドリルブッシュは回り止めにより左方向及び
/又は右方向に連れ回りしないようになっているので、
ドリルをガイド穴より引き抜いてもドリルブッシュが脱
落することもなく、更にはドリルブッシュには焼き入れ
ブッシュが用いられるので、繰り返し使用に十分耐え得
る。また、様々な形態を有するワークに対して穴あけ治
具をX−Y方向に位置決めして装着できれば、穴あけ治
具が十分な機械的強度を有し、しかもドリルブッシュの
長さが十分にあれば、ワークを置いたままハンドドリル
を用いても穴あけ面に対して垂直かつ正確な穴あけを行
うことができるため、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】穴あけ治具の正面図、上視図、左側面図、右側
面図である。
【図2】各種ドリルブッシュの斜視説明図及び着脱状態
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 治具本体 2 ワーク 3 上部治具本体 3a ガイド部 3b 固定部 3c,3d 端面 4 下部治具本体 5,12 固定ねじ 6 ガイド穴 7 押圧部材 8 取付けねじ 9 締付けねじ 10 マイクロメータ 10a ノブ 10b ロッド 11 X軸基準面 12a ねじ穴 13 延出部材 14 Y軸基準面 15 ドリルブッシュ 15a 円弧状切欠き部 15b フランジ部 15c 逃げ部 16 回り止め 16a 円形頭部 17 嵌め込み穴 18 表示スケール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに治具本体を蓋接させてドリルに
    より所定位置に穴あけする際のガイドとなる穴あけ治具
    において、 前記ワークの穴あけ面に対向配置され、該穴あけ面に対
    してX軸方向に所定ピッチでドリルが挿通するガイド穴
    が複数個形成された穴あけガイド部材と、 前記穴あけガイド部材のX軸方向の一端に配置され、前
    記ワークの基準端面に当接して該ワークの穴あけ面での
    X軸方向の位置を規定するX軸ガイド部材と、 前記X軸ガイド部材に直交配置され、前記ワークの他の
    基準端面に当接して該ワークの穴あけ面でのY軸方向の
    位置を規定するY軸ガイド部材と、 前記ワークの穴あけ位置を直近のガイド穴に合わせるよ
    う穴ピッチ範囲で微調整可能な調整手段とを備えたこと
    を特徴とする穴あけ治具。
  2. 【請求項2】 前記ワークを前記Y軸ガイド部材に押接
    して前記治具本体を前記ワークに対して取付固定する治
    具取付手段を備えていることを特徴とする請求項1記載
    の穴あけ治具。
  3. 【請求項3】 前記Y軸ガイド部材は前記ワークのサイ
    ズに応じて、該ワークの穴あけ面でのY軸方向の他の基
    準端面に当接するY軸基準面が、前記穴あけガイド部材
    に対してY軸方向に相対的に移動可能になっていること
    を特徴とする請求項1記載の穴あけ治具。
  4. 【請求項4】 前記穴あけガイド部材に形成されたガイ
    ド穴にはドリルブッシュが嵌め込み可能になっており、
    前記ガイド穴の近傍には該ドリルブッシュの回り止めが
    装着可能になっていることを特徴とする請求項1記載の
    穴あけ治具。
  5. 【請求項5】 前記穴あけガイド部材のX軸方向のガイ
    ド穴が複数列形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の穴あけ治具。
  6. 【請求項6】 前記調整手段としてマイクロメータが着
    脱可能に装備されており、該マイクロメータの調整範囲
    は穴ピッチ以上の調整範囲を有していることを特徴とす
    る請求項1記載の穴あけ治具。
  7. 【請求項7】 前記X軸ガイド部材として前記マイクロ
    メータに装備された進退移動可能なロッドを用いたこと
    を特徴とする請求項6記載の穴あけ治具。
  8. 【請求項8】 前記穴あけガイド部材には前記ガイド穴
    ピッチを示す表示スケールが設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の穴あけ治具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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