JP2000176606A - 高純度アルミニウムおよび合金の連続鋳造材の製造方法、該鋳造材、並びにそれを用いたアルミニウム合金単結晶ターゲット - Google Patents

高純度アルミニウムおよび合金の連続鋳造材の製造方法、該鋳造材、並びにそれを用いたアルミニウム合金単結晶ターゲット

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JP2000176606A
JP2000176606A JP10359041A JP35904198A JP2000176606A JP 2000176606 A JP2000176606 A JP 2000176606A JP 10359041 A JP10359041 A JP 10359041A JP 35904198 A JP35904198 A JP 35904198A JP 2000176606 A JP2000176606 A JP 2000176606A
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Hitoshi Yasuda
均 安田
Akihiko Takahashi
明彦 高橋
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳造時の凝固部でのガス吸収を防止して、表面
層の気孔が少ない健全なアルミニウムの単結晶または一
方向凝固鋳造体、およびそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】(1)純度99.9重量%以上のアルミニウム
の単結晶もしくは一方向凝固体、または純度99.9重量%
以上のアルミニウムに、希ガスを除く、原子番号3から
83までの元素の中から1種または2種以上の添加元素
を添加した一方向に凝固鋳造されたアルミニウム合金単
結晶もしくは一方向凝固体、の連続鋳造法において、連
続鋳造用鋳型の鋳型出口側部の鋳型内面と凝固した鋳造
体の空隙を−20℃以下の露点を有するドライガス雰囲
気で置換する高純度アルミニウム鋳造材の製造方法。 (2)上記(1)に記載の方法により製造される高純度
アルミニウムの連続鋳造材。 (3)上記(1)に記載の高純度アルミニウムの連続鋳
造材を用いるアルミニウム合金単結晶ターゲット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素ガスに起因す
る気孔が少ない高純度アルミニウムおよび高純度アルミ
ニウム合金の連続鋳造単結晶または一方向凝固体及びそ
の連続鋳造による製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高純度アルミニウムおよびその合金は溶
解鋳造時に水素ガスを吸収した時に普通純度のアルミニ
ウムやその合金よりも鋳造体に気孔を発生しやすいの
で、その防止対策は重要である。一般的な溶解時の水素
ガス吸収防止法としては溶解炉の雰囲気を露点の低い空
気にすること(特開昭62−74030号公報)が知ら
れている。この方法は溶解炉の溶湯表面に接する雰囲気
を露点の低い空気として、溶解炉でのアルミニウム溶湯
への水素ガス吸収の抑制を図ったものであった。しかし
特に水素ガスの吸収に敏感な高純度アルミニウムやそれ
を原料とした合金の場合には、鋳塊内部の気孔の発生は
防止できても、この鋳塊表面層の微細な気孔発生の防止
が難しく、特に単結晶または一方向凝固体の連続鋳造の
様に比較的遅い凝固速度で鋳造するもの(特開平7−3
00667号公報等)はその傾向が強く、鋳造体の欠陥
として問題になることがあった。またこの表面層を面削
除去して使用していたのでは、歩留りの低下となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋳造
時の凝固部でのガス吸収を防止して、表面層の気孔が少
ない健全なアルミニウムの単結晶または一方向凝固鋳造
体、およびそれらの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高純度ア
ルミニウムまたは高純度アルミニウム合金の単結晶また
は一方向凝固体の連続鋳造方法において、鋳型内での凝
固界面位置や凝固の形態に注目して、鋳造中の鋳型内で
のガス吸収の機構について鋭意検討したところ、アルミ
ニウムが鋳型内で凝固する場合、凝固収縮で体積が約7
%縮小して鋳型と凝固した鋳造体の間に空隙が生じ、鋳
造中この空隙部分には常に新しい溶湯表面が存在する。
この鋳型側の空隙を通して鋳型出口側の雰囲気が凝固界
面の溶湯表面に進入する。鋳型出口側は通常鋳造体を水
冷却して高湿度雰囲気になっており、この雰囲気が凝固
界面の溶湯表面に接触すると未凝固の高純度アルミニウ
ム溶湯と反応し、たとえ溶解原料中の水素ガス溶存量を
著しく減少させたものを用いて鋳造しても鋳造体の鋳肌
近傍の表面層部分に気孔がパイプ状または連なって凝固
方向に発生することが分かった。これらの結果から連続
鋳造時の鋳型内面と凝固した鋳造体の空隙をドライガス
雰囲気とすることにより、表面層に気孔の発生しない鋳
造体が製造出来ることを見い出し、本発明を完成させる
に至った。
【0005】すなわち、本発明は以下に示すものであ
る。 (1)純度99.9重量%以上のアルミニウムの単結晶もし
くは一方向凝固体、または純度99.9重量%以上のアルミ
ニウムに、希ガスを除く、原子番号3から83までの元
素の中から1種または2種以上の添加元素を添加した一
方向に凝固鋳造されたアルミニウム合金単結晶もしくは
一方向凝固体、の連続鋳造法において、連続鋳造用鋳型
の鋳型出口側部の鋳型内面と凝固した鋳造体の空隙を−
20℃以下の露点を有するドライガス雰囲気で置換する
高純度アルミニウム鋳造材の製造方法。 (2)断熱質鋳型と種結晶を用いて、加熱溶解した単結
晶の原料を種結晶と接触させて種結晶を部分的に溶解し
た後、単結晶の成長を開始する単結晶の連続的製造方法
において、単結晶の原料および種結晶がアルミニウムま
たはその合金であり、該種結晶の溶解が実質的に停滞し
た後、種結晶の冷却を開始または強化することにより種
結晶を成長させ、該冷却により種結晶から成長した単結
晶の長さ相当量を、結晶成長方向と逆方向に2.5mm
/分〜100mm/分の範囲の速度で種結晶から成長し
た該単結晶を、鋳型から連続的または間欠的に引き出す
ことにより単結晶を成長させる上記(1)記載の高純度
アルミニウムの連続鋳造材の製造方法。 (3)上記(1)〜(2)に記載の方法により製造され
る高純度アルミニウムの連続鋳造材。 (4)鋳造方向と垂直な断面の鋳肌面近傍の気孔が10cm
当たり10個以下である高純度アルミニウムの連続鋳造
材。 (5)上記(1)〜(4)に記載の高純度アルミニウム
の連続鋳造材を用いるアルミニウム合金単結晶ターゲッ
ト。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
連続鋳造法とは、溶融金属を底のない、あるいは両端が
閉じていない鋳型(連続鋳造用鋳型)で連続的に引き出
すことにより、正方形、長方形、円形などの断面形状の
長尺製品を製造する方法をいう。一般的に鋳型は、アル
ミニウム合金、銅、あるいは、変形が少なく、潤滑剤を
必要としないセラミック質や黒鉛等の材質のものが使用
される。
【0007】連続鋳造装置には垂直式と水平式がある
が、本発明の高純度アルミニウムもしくはその合金の単
結晶または一方向凝固体の製造方法はいずれにも適応出
来る。これらの単結晶または一方向凝固鋳造体の表面層
に発生する気孔の原因になっている連続鋳造時の凝固部
でのガス吸収を防止する方法として、連続鋳造用鋳型の
鋳型出口側部の鋳型内面と凝固した鋳造体の空隙を−2
0℃以下の露点を有するドライガス雰囲気で置換するこ
とが有効である。
【0008】この鋳型と凝固した鋳造体間の空隙を該ド
ライガス雰囲気で置換するには、空隙が生じる部分の鋳
型内にノズルを設けて鋳造中に該ドライガスを連続して
供給する方法、更には鋳型出口の内面と凝固した鋳造体
の隙間を黒鉛シート等でシールする等、鋳型出口側が該
ドライガス置換出来る構造であるものが適する。
【0009】加熱したドライガスを供給すると固液凝固
界面の溶湯を保温する効果がある。特に単結晶を連続的
に成長させる場合等では加熱したドライガスを供給する
ことで、余分な核発生を防止できる効果がある。本発明
に用いる−20℃以下の露点を有するドライガスとして
は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性
ガス、および空気があげられる。該ドライガスの1気圧
での露点が−20℃以下である事が好ましく、より好ま
しくは−50℃以下である。本発明において鋳型内に供
給する該ドライガスは、アルミニウムの融点未満〜室温
(約20℃)、好ましくは650℃以下〜水沸点、さら
に好ましくは600℃〜200℃の範囲に加熱する。逆
に、低温のドライガスを供給すると固液凝固界面の溶湯
を冷却する効果があり、一方向凝固体を製造する時には
効果がある。
【0010】本発明に用いるアルミニウムの単結晶もし
くは一方向凝固体、またはアルミニウムに、希ガスを除
く、原子番号3から83までの元素の中から1種または
2種以上の添加元素を添加した一方向に凝固鋳造された
アルミニウム合金単結晶もしくは一方向凝固体は、純度
99.9重量%以上であり、水素ガスに起因する気孔の発生
に敏感な純度が99.99%以上の高純度アルミニウム
またはそれを原料として元素を添加した高純度アルミニ
ウム合金では、本発明による気孔抑制効果が特に大き
い。
【0011】本発明に用いる添加元素としては、Ag、
Au、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、Ge、Hf、I
n、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Nd、N
i、Sc、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zr
の中から選ばれた1種または2種以上の元素があげられ
る。
【0012】本発明において用いる結晶方位を有する単
結晶材は、鋳型内に装入した種結晶に溶解した原料を一
方向に凝固成長させることで得られる。ここでいう単結
晶とは結晶構造が完全に均一な単結晶の他一般的な凝固
法で得られる空孔、転位、サブグレイン等の欠陥を含ん
だ結晶構造がやや不完全な単結晶を含む。
【0013】この種結晶の結晶方位を継承した単結晶を
成長させるために、種結晶は加熱溶解した単結晶原料と
接触させて部分的に溶解し、その溶解が実質的に停滞し
た後結晶成長を開始させる。鋳型は入り口側で種結晶の
融解点以上の高温、出口側でそれ以下の低温度の温度勾
配を有している。この鋳型内での溶解が実質的に停滞し
た時、鋳型入り口から融解点以上にある鋳型部分に接し
ているところまで種結晶が溶解して原料と混合し、種結
晶の先端における固液界面は鋳型内の一定位置に静止し
ている。この後、鋳型の温度分布を殆ど変化させず、種
結晶の冷却を開始または強化して種結晶から単結晶を成
長させる。続いてこの単結晶の成長長さ相当量を結晶成
長方向と逆方向に種結晶から成長した該単結晶を鋳型か
ら引き出して鋳造を開始する。この単結晶の成長部分に
対応する鋳型温度は原料の融解点以上である為、この引
き出し操作で鋳型から生じる結晶核による凝固は起こら
ない。種結晶の引き出し量に対応して単結晶が成長する
ので、単結晶の成長相当量を引き続き連続的または間欠
的に引き出す事により単結晶が成長する。
【0014】本発明の方法により使用できる原料や種結
晶に制限はないが、断熱質鋳型の材質上金属またはその
合金の単結晶の製造が容易である。またアルミニウムま
たはその合金においては黒鉛質の断熱質鋳型を用いるこ
とにより、特に高純度な原料が汚染なく使用できるメリ
ットがある。
【0015】断熱質鋳型は原料の溶湯と反応しない、熱
伝導率の低い黒鉛やセラミック質が好ましい。また、断
熱質鋳型を原料の融点以下の範囲に保温しておくと、凝
固界面での単結晶の成長量と引き出し量の制御が容易に
なる。さらに、本発明の方法には鋳型表面から生じる結
晶核による凝固を防止するためにも断熱質の鋳型が良好
であり、黒鉛やセラミック質等が好ましい。
【0016】次に、本発明の上記(2)の製造方法によ
る高純度アルミニウムの連続鋳造材を製造する場合につ
いて詳しく説明する。すなわち、下記の製造方法におい
て、連続鋳造用鋳型の鋳型出口側部の鋳型内面と凝固部
および凝固した鋳造体の空隙を、好ましくは連続鋳造用
鋳型内の鋳型内面と溶解した原料および500℃以上の
凝固した鋳造体間の空隙を、−20℃以下の露点を有す
るドライガス雰囲気で置換することで達成できる。ま
ず、原料であるアルミニウム合金はルツボ内で溶解し、
そのルツボの下部に取り付けられた鋳型には種結晶が装
入されている。鋳造開始前の鋳型温度分布は、そのルツ
ボや溶解したアルミニウム合金からの熱の流入により鋳
型入り口がアルミニウム合金の融点以上に加熱され、一
方の鋳型出口側では必要に応じて冷却され融点以下にな
っている。この鋳型は鋳型入り口がアルミニウム合金の
融点以上になるよう周囲を加熱しても良い。
【0017】次いで、種結晶の冷却位置を鋳型出口を基
準に一定位置に保持して、種結晶側からの脱熱とアルミ
ニウム合金溶湯からの熱の供給とがバランスして種結晶
が一部溶解した状態に種結晶を冷却する。この操作によ
り原料溶湯と種結晶の固液凝固界面が鋳型内で一定位置
に形成され、種結晶の固液凝固界面が一定位置に静止し
た後、種結晶の冷却を開始または強化し、数秒から数十
分保持する。これにより種結晶からの結晶成長が起こり
凝固界面がアルミニウム合金溶湯側に移動して種結晶の
結晶方位を継承した単結晶が成長する。この成長は鋳型
の高温側に向かい、成長した単結晶材の凝固界面相当位
置の鋳型温度はアルミニウム合金の融点付近にあり、鋳
型から生じる結晶核の発生がなく、種結晶のみから単結
晶が成長する。この種結晶の冷却強化は種結晶の脱・給
熱バランス時の冷却位置を鋳型側に移動したり冷却水等
の冷却媒の量を増すことで達成できる。たとえば種結晶
の冷却位置の鋳型側への移動は単結晶の継続的な成長の
為には凝固界面の温度バランスを大きく変化させないよ
う1〜2mmから50〜100mm程度が良い。
【0018】続いてこの冷却条件の変更によるアルミニ
ウム合金の凝固進行量と同じ距離もしくはそれ以下を凝
固方向とは逆方向に引き出し、鋳造を開始する。このよ
うな条件で引き出しを開始した後は単結晶の成長する時
間を置き、成長分を引き出す操作を繰り返して鋳造を続
ける。凝固量と引き出し量が実質的に一致させ得られれ
ばこの操作は間欠だけではなく連続して行なうことも可
能である。引き出し速度は2mm/分以上であることが望
ましく数mm/分から300mm/分が好ましい。2mm/分以
下では合金元素の偏析が生じる為、純アルミニウムの場
合は問題無いが合金材では均一な濃度の単結晶材が得ら
れない。300mm/分以上では装置の機構上単結晶化のバ
ランスをとる事は難しく、引き出し量の制御が難しくな
る。
【0019】あらかじめセットした時間あるいは長さを
任意の速度で鋳造材を引き出し、その後所定の時間静止
させ、さらに引き出すといったサイクルを繰り返す事に
より連続した単結晶材が得られる。このような間欠ある
いは連続的な引き出し法を用いることにより、鋳型内で
の凝固が規則的になり、鋳造開始から終了時にかけて種
結晶以外からの新しい核の発生が防止でき、安定した鋳
造開始と早い鋳造速度での単結晶化が容易に達成される
とともに、平滑な鋳肌面が得られる。
【0020】通常 鋳造体をLSI配線等のスパッタリ
ングターゲットに用いる場合、ガス気孔欠陥はスパッタ
装置の雰囲気を悪くする。また鋳造体を圧延により板や
箔に加工して使用する場合には表面傷等不良の原因とな
る。本発明の上記(2)の製造方法による高純度アルミ
ニウムの連続鋳造材は、鋳肌面近傍の気孔は鋳造方向と
垂直な断面において鋳肌面に沿った10cm当たり10個以
下であり、本発明の高純度アルミニウムの連続鋳造材を
用いるアルミニウム合金単結晶ターゲット等、工業上問
題無く使用できる。好ましくは無いことが良い。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 内寸が幅400mm、厚さ15mm、長さ200mmの黒鉛鋳型の出口
側から50mmの位置に、ドライガス供給用ノズルとして10
mm間隔で直径1mmの穴を全周に渡ってあけた。この鋳型
をルツボ底部に水平に取り付け、その中に装入した幅39
5mm、厚さ15mm、長さ300mmの高純度アルミニウムダミー
材の鋳型出口から100mmの位置を室温の水1リットル/分で
冷却しながら、ドライガスとして1気圧での露点が−50
℃の室温の窒素ガス5リットル/分をドライガス供給用ノズ
ルから鋳型内に供給しつつルツボに装入した原料の0.5%
の銅を含有する高純度アルミニウム合金を溶解した。鋳
型入り口部分のアルミニウム合金溶湯温度が720℃に安
定した後、10mm/分の速度で鋳造をし、長さ600mmの一
方向凝固連続鋳造板を得た。得られた板の鋳造開始側か
ら500mm部分の鋳造方向に対し直角な断面に観察される
気孔数を日本工材(株)製の染色浸透探傷材「ミクロチ
ェック」により可視化して計数した結果、気孔は観察さ
れなかった。
【0022】実施例2 ドライガスとして露点が−75℃の400℃に加熱したアル
ゴンガスを使用した以外は実施例1と同じ条件で0.5%の
銅を含有するアルミニウム合金の長さ600mmの一方向凝
固連続鋳造板を得た。得られた板の鋳造開始側から500m
m部分の鋳造方向に対し直角な断面に観察される気孔数
を実施例1と同じ条件で計数した結果、気孔は観察され
なかった。
【0023】実施例3 ルツボに装入した原料を99.999%の高純度アルミ
ニウムとし、鋳造の速度を4mm/minのとした以外は
実施例1と同じ条件で高純度アルミニウムの長さ600mm
の一方向凝固連続鋳造板を得た。得られた板の鋳造開始
側から500mm部分の鋳造方向に対し直角な断面に観察さ
れる気孔数を実施例1と同じ条件で計数した結果、幅10
cm当たりの気孔数は2個であった。
【0024】比較例1 ドライガスを供給しなかった以外は実施例1と同じ条件
で0.5%の銅を含有するアルミニウム合金の長さ600mmの
一方向凝固連続鋳造板を得た。鋳造中に鋳型内に侵入す
る大気雰囲気の露点は+5℃であった。得られた板の鋳
造開始側から500mm部分の鋳造方向に対し直角な断面に
観察される気孔数を実施例1と同じ条件で計数した結
果、幅10cm当たりに90個の気孔が観察された。
【0025】比較例2 ドライガスの代わりに露点が−10℃の窒素ガスを供給
した以外は実施例1と同じ条件で0.5%の銅を含有するア
ルミニウム合金の長さ600mmの一方向凝固連続鋳造板を
得た。得られた板の鋳造開始側から500mm部分の鋳造方
向に対し直角な断面に観察される気孔数を実施例1と同
じ条件で計数した結果、幅10cm当たりに40個の気孔が観
察された。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造時の鋳型内面
と凝固した鋳造体の空隙を不活性ガスまたはドライガス
雰囲気とする事により鋳造時の凝固部でのガス吸収を防
止して、表面層にガス気孔の発生しない鋳造体を製造す
る事が出来、欠陥無い高純度アルミニウムやその合金の
連続鋳造単結晶や一方向凝固体が得られ、また連続鋳造
方法としてその工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる鋳造装置の図面 1 アルミニウム溶湯 2 ダミー材(鋳造体) 3 ドライガス供給ノズル 4 鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 21/00 C22C 21/00 Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純度99.9重量%以上のアルミニウムの単結
    晶もしくは一方向凝固体、または純度99.9重量%以上の
    アルミニウムに、希ガスを除く、原子番号3から83ま
    での元素の中から1種または2種以上の元素を添加した
    一方向に凝固鋳造されたアルミニウム合金単結晶もしく
    は一方向凝固体、の連続鋳造法において、連続鋳造用鋳
    型の鋳型出口側部の鋳型内面と凝固した鋳造体の空隙を
    −20℃以下の露点を有するドライガス雰囲気で置換す
    ることを特徴とする高純度アルミニウム鋳造材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】連続鋳造用鋳型内において、鋳型内面と溶
    解した原料および500℃以上の凝固した鋳造体間の空
    隙に、鋳型に設置したノズルから−20℃以下の露点を
    有するドライガスを供給する請求項1記載の高純度アル
    ミニウム鋳造材の製造方法。
  3. 【請求項3】ドライガスが、空気または不活性ガスであ
    るを特徴とする請求項1〜2記載の高純度アルミニウム
    鋳造材の製造方法。
  4. 【請求項4】不活性ガスが、窒素ガス、アルゴンガスま
    たはヘリウムガスである請求項3記載の高純度アルミニ
    ウム鋳造材の製造方法。
  5. 【請求項5】ドライガスが加熱されている請求項1〜4
    記載の高純度アルミニウムの連続鋳造材の製造方法。
  6. 【請求項6】添加元素がAg、Au、Ca、Co、C
    r、Cu、Fe、Ge、Hf、In、Li、Mg、M
    n、Mo、Na、Nb、Nd、Ni、Sc、Si、S
    n、Ta、Ti、V、W、Y、Zrの中から選ばれた1
    種または2種以上の元素である請求項1〜5記載の高純
    度アルミニウムの連続鋳造材の製造方法。
  7. 【請求項7】添加元素がCuおよび/またはSiである
    請求項1〜5記載の高純度アルミニウムの連続鋳造材の
    製造方法。
  8. 【請求項8】添加元素の濃度が0.1〜10重量%であ
    る請求項6、7記載の高純度アルミニウムの連続鋳造材
    の製造方法。
  9. 【請求項9】断熱質鋳型と種結晶を用いて、加熱溶解し
    た単結晶の原料を種結晶と接触させて種結晶を部分的に
    溶解した後、単結晶の成長を開始する単結晶の連続的製
    造方法において、単結晶の原料および種結晶がアルミニ
    ウムまたはその合金であり、該種結晶の溶解が実質的に
    停滞した後、種結晶の冷却を開始または強化することに
    より種結晶を成長させ、該冷却により種結晶から成長し
    た単結晶の長さ相当量を、結晶成長方向と逆方向に2.
    5mm/分〜100mm/分の範囲の速度で種結晶から
    成長した該単結晶を、鋳型から連続的または間欠的に引
    き出すことにより単結晶を成長させる請求項1〜7記載
    の高純度アルミニウムの連続鋳造材の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9に記載の方法により製造さ
    れることを特徴とする高純度アルミニウムの連続鋳造
    材。
  11. 【請求項11】鋳造方向と垂直な断面の鋳肌面近傍の気
    孔が鋳肌長さ10cm当たり10個以下である請求項1〜1
    0記載の高純度アルミニウムの連続鋳造材。
  12. 【請求項12】請求項1〜10に記載の高純度アルミニウ
    ムの連続鋳造材を用いるアルミニウム合金単結晶ターゲ
    ット。
JP10359041A 1998-12-17 1998-12-17 高純度アルミニウムおよび合金の連続鋳造材の製造方法、該鋳造材、並びにそれを用いたアルミニウム合金単結晶ターゲット Pending JP2000176606A (ja)

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