JP2000176212A - 水の濾過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を蛇行させて濾過材に十分に接触できるよ
うにし、もって物理的濾過、化学的濾過及び生物的濾過
等の濾過効果を高めるようにする。 【解決手段】 複数の濾過枠２を上下に重合状に設け、
各濾過枠２の内部には濾過材６を収納し、上端の濾過枠
２の一端部に水を供給して他端部にまで通過させ、他端
部において下側に位置する濾過枠２の一端部に供給して
他端部にまで通過させることにより、全体として水が各
濾過枠２を蛇行状に通過するようにしたものであり、濾
過枠２の内部に仕切り片１６によって蛇行状の流路を形
成し、濾過枠２の内部においても水が蛇行状に通過する
ようにした構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭や営業用
に使用する観賞魚用水槽、飲食店等で使用する活魚用の
水槽、水族館での水槽等の水を循環流させて濾過する水
の濾過装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、魚を水槽の内部で飼育す
る場合、水の劣化や腐敗を防止するために、水を濾過し
たり空気をバブリングにより供給している。従来の水槽
の典型的な濾過装置としては、水槽の上面に設置する横
長な箱枠状で、ポンプによって揚送した水槽内の水を濾
過装置の一端に供給し、内部に設けた濾過材を通過させ
て他端部から流下させ、水槽の内部に還流するのであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の濾過装置では、濾過装置の内部を通過する水が濾過材
に十分に接触しないので濾過効果が低いばかりでなく、
物理的濾過、化学的濾過及び生物的濾過を併用すること
ができない。仮に、上記複数の濾過作用を併用させるこ
とができるとしても、装置が大規模になるため一般家庭
の水槽用として到底利用することができない。

【０００４】本発明は、上述した従来技術の欠点を解消
するために提案されたもので、水を蛇行させて濾過材に
十分に接触できるようにすることを技術的課題とし、も
って物理的濾過、化学的濾過及び生物的濾過等の濾過効
果を高めるようにすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の水の濾過装置は、複数の濾過枠を上下に重合状
に設け、各濾過枠の内部には濾過材を収納し、上端の濾
過枠の一端部に水を供給して他端部にまで通過させ、他
端部において下側に位置する濾過枠の一端部に供給して
他端部にまで通過させることにより、全体として水が各
濾過枠を蛇行状に通過するようにした構成である。

【０００６】この場合、濾過枠の内部に仕切り材によっ
て蛇行状の流路を形成し、濾過枠の内部においても水が
蛇行状に通過するようにする。

【０００７】従って、複数の濾過枠に物理的濾過材、化
学的濾過材及び生物的濾過材の何れかを配置することに
より、夫々の濾過枠内で水に対して所定の濾過を施すこ
とができ、しかも蛇行流路であるので、充分の時間をか
けて水を濾過材に接触させることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１、図２に示しす本発明の実施
例は、水槽Ａ上に載置する本発明にかかる水の濾過装置
１であって、複数の比較的長尺な薄箱形状の濾過枠２が
五層に上下に重合されており、各濾過枠２の底壁３の一
方端部には流下孔４が開設され、上下に隣合う各濾過枠
２のこの流下孔４が対向しないようにして、図示実施例
では濾過枠２を五層に重合させる。

【０００９】前記濾過枠２の底壁３には、高さの低い隔
壁５が一定の間隔をあけて複数、横幅方向に沿って設け
られており、各濾過枠２内には、それぞれ濾過材６が収
納されている。

【００１０】この濾過材６は、例えば活性炭、グラスウ
ール、天然石、樹脂材、セラミックス等による塊状、粒
状、断片状等であって、好気性若しくは嫌気性雰囲気の
中で物理的な濾過、化学的な濾過、又は生物的な濾過の
何れかが達成できるものであり、且つ物理的濾過材、化
学的濾過材及び生物的濾過材は、何れかの濾過枠２の内
部で単独で収納される。

【００１１】また、最上段の濾過枠２には、多数の孔７
を開設した仕切り板８が高さの途中に位置するようにし
て横方向に設けてあり、更にこの仕切り板８の上面には
グラスウール９が敷き詰められている。

【００１２】そこで、本発明にかかる水の濾過装置１を
水槽Ａ上に載置し、水槽Ａの水がポンプで揚送されて流
下する循環パイプ１０の下端開口部を最上段に位置する
濾過枠２の、流下孔４とは反対側の端部上に位置させ、
水槽Ａの水を前記循環パイプ１０から最上段の濾過枠２
に供給すると、この水は先ずグラスウール９を通過して
魚の糞、餌屑、藻片等の比較的大きな有機質の混合物が
濾過され、孔７を通過して仕切り板８から最上段の濾過
枠２の下部に流れ込み、最上段の濾過枠２の流下孔４か
ら二番目の濾過枠２に流れ込む。

【００１３】二番目の濾過枠２では、水は反対側端部に
まで流れ、この二番目の濾過枠２の流下孔４を通過して
三番目の濾過枠２に流れ、このようにして下方に向かっ
て各濾過枠を蛇行しながら、最終的に最下位の濾過枠２
から水槽Ａにまで循環流されることになるのである。

【００１４】そして、循環する水は、この各濾過枠２を
通過する際に、その濾過枠２内に収納されている濾過材
６によって濾過されるが、更には各濾過枠２内には隔壁
５が設けられているため、循環水はこの各隔壁５を乗り
越えるようにして流下孔４に向かって流れることになる
ので、循環水に含まれている不純物はこの隔壁５によっ
て堰き止められて沈殿して濾過され、また隔壁５はその
濾過枠２内に収納された濾過材６が移動したり、下方に
流れ落ちないようにするための機能も果たすことができ
る。

【００１５】図示実施例では、濾過枠２は五層に重合さ
れているので、循環水は少なくとも二往復の濾過路を通
過することになり、狭いスペースの内部において濾過材
に対する水の接触効率が著しく良好で、極めて効率的な
濾過処理が達成される。そして、各濾過枠２の内部に
は、好気性若しくは嫌気性の雰囲気において物理的な濾
過、化学的な濾過、若しくは生物学的な濾過の処理をす
る濾過材を収納することにより、通過する水は各濾過材
の機能に基づき濾過処理されるので、水槽に還流する水
は充分に浄化されている。

【００１６】図３以下に示す本発明の他の実施例は、水
槽Ａに載置しない本発明の水の濾過装置１の構成を示す
もので、水槽Ａから導出した循環パイプ１０からの水
は、上面が開放するほぼ立方体形状の外枠体１１に供給
され、この外枠体１１の内部一側に形成されているポン
プ室１２に、外枠体１１の下端隅部に開設された連通孔
１３から流れ込み、更にこのポンプ室１２内の水中ポン
プ１４で汲み上げられ、水槽Ａに戻ることになる。

【００１７】外枠体１１の下端部内には、複数の仕切り
材１５が千鳥状に配されていて平面的な蛇行路が形成さ
れており、この蛇行路の流路端が前記した連通孔１３に
通じる（図５ａ参照）。

【００１８】そして、外枠体１１の内部には、複数の仕
切り材１５の上縁に載置するようにして、図示の実施例
では上下三層に重合するほぼ正方形薄箱形状の濾過枠２
が収納されている。

【００１９】この実施例での濾過枠２の内部には、上記
した外枠体１１と同様の複数の仕切り片１６が千鳥状に
配されていているので平面的な蛇行路が形成されており
（図５ｂ参照）、この蛇行路の流路端の底壁３の隅部に
流下孔４が開設され、上下に隣り合う各濾過枠２のこの
流下孔４、及び前記した連通孔１３が対向しないように
して、積み重ねられることになる。

【００２０】そして、各濾過枠２の内部にそれぞれ濾過
材６が収納され、流下孔４から濾過材６が流出しないよ
うに流下孔４の直前に隔壁５が設けられている。

【００２１】尚、この実施例でも最上段の濾過枠２に多
数の孔７を開設した仕切り板８を架設し、仕切り板８上
にグラスウール９を敷き詰めている。

【００２２】そこで循環パイプ１０の開口端を最上段の
濾過枠２上に位置させれば、水はグラスウール９から仕
切り板８の孔７を通過して最上段の濾過枠２に流れ込
み、平面的に蛇行して流下孔４から二番目の濾過枠２に
流れ込み、同様にして各濾過枠２を平面的に且つ下方に
向かって蛇行しながら、外枠体１１下端に至り、同様に
平面蛇行して連通孔１３からポンプ室１２内に流れ、水
中ポンプ１４で揚送して水槽Ａに戻るのである。

【００２３】尚、ポンプ室１２の底部にはには多孔板１
７を設けてあり、水中ポンプ１４がポンプ室１２内の水
を揚送させやすくしてある。

【００２４】図６は、濾過材６の実施例であり、波状に
屈曲する板材６１に多数の小孔６２を開設するとともに
細い棒状の突起部６３を設けることにより、上記濾過材
６を一部の、若しくは全部の濾過枠２に収納すると、水
に対する接触面積を大きくして濾過効率を高めるばかり
でなく、水中において好気性若しくは嫌気性の雰囲気を
形成するのである。

【００２５】以上、本発明を図面の実施例に基づいて説
明したが、本発明は上記した実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り
どのようにでも実施することができる。

【００２６】

【発明の効果】以上要するに、本発明によれば複数の濾
過枠を上下に重合状に設け、各濾過枠の内部には濾過材
を収納し、上端の濾過枠の一端部に水を供給して他端部
にまで通過させ、他端部において下側に位置する濾過枠
の一端部に供給して他端部にまで通過させることによ
り、全体として水が各濾過枠を蛇行状に通過するように
したことを特徴とする。したがって、狭いスペースを最
大限に生かしながら水を蛇行状に通過させ、その間に配
置した複数種類の濾過材によって水を濾過することがで
き、物理的な濾過、化学的な濾過、生物的な濾過等を個
別に達成できる等、多くの優れた実用的作用効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる水の濾過装置の実施例を示す縦
断面図である。

【図２】図１の分解斜視図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す分解斜視図である。

【図４】図３の縦断面図である。

【図５】図３の分解図であって、（ａ）は外枠体の横断
平面図、（ｂ）は濾過枠の横断平面図、（ｃ）は濾過枠
の縦断面図である。

【図６】濾過材の実施例を示し、（ａ）は正面図、
（ｂ）は平面図、（ｃ）は縦断面図である。

【符号の説明】

１ 水の濾過装置 ２ 濾過枠 ３ 底壁 ４ 流下孔 ５ 隔壁 ６ 濾過材 ７ 孔 ８ 仕切り板 ９ グラスウール １０ 循環パイプ １１ 外枠体 １２ ポンプ室 １３ 連通孔 １４ 水中ポンプ １５ 仕切り材 １６ 仕切り片 １７ 多孔板 Ａ 水槽

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の濾過枠を上下に重合状に設け、各
   濾過枠の内部には濾過材を収納し、上端の濾過枠の一端
   部に水を供給して他端部にまで通過させ、他端部におい
   て下側に位置する濾過枠の一端部に供給して他端部にま
   で通過させることにより、全体として水が各濾過枠を蛇
   行状に通過するようにしたことを特徴とする水の濾過装
   置。
2. 【請求項２】 濾過枠の内部に仕切り材によって蛇行状
   の流路を形成し、濾過枠の内部においても水が蛇行状に
   通過するようにした請求項１に記載の水の濾過装置。