JP2000175576A - マルチング栽培ボードの施工法 - Google Patents

マルチング栽培ボードの施工法

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JP2000175576A
JP2000175576A JP10353554A JP35355498A JP2000175576A JP 2000175576 A JP2000175576 A JP 2000175576A JP 10353554 A JP10353554 A JP 10353554A JP 35355498 A JP35355498 A JP 35355498A JP 2000175576 A JP2000175576 A JP 2000175576A
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mulching
board
holes
mulching cultivation
soil
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Riyuutsukasa Sato
▲りゅう▼司 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蔓性植物を育成するマルチング栽培用ボード
と支柱の施工を簡易に効率よく実施できる施工法を提供
し、農村における高齢化から生ずる作業負担を低減して
農作業の持続と農地の保全を図る。 【解決手段】 本発明によるマルチング栽培ボードの施
工法は、所定間隔で配置された植裁孔4と植裁孔の周辺
近くに設けた支柱用孔6を形成したマルチングボード1
を土壌表面に敷設し、支柱用孔6に支柱3を打ち込んで
マルチングボード1を土壌に固定することを基本にし、
所定数の支柱3を支柱先端部で束ねて固定したり、束ね
た支柱群30の間を水平つなぎ材27で結合することを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチング栽培ボ
ードの施工法に関し、特に、マルチング栽培用のボード
や支柱を容易に取り扱いでき、安価に施工出来るマルチ
ング栽培ボードの施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における、製造産業からサービス産
業への移転のように産業構造が変化する中で、農産業に
おける生活様式の変化と少子化の傾向は、近年の農村に
おける人口の減少、兼業化、高齢化及び女性化等の労働
環境の変化に発展し、農作業の持続や農地の保全が困難
になってきている。特に、農村における高齢化は、農村
のあらゆる分野で作業の改善と安全性の確保が求められ
て深刻な事態を呈しており、農家における最大の課題に
なっている。
【0003】ところで、農業、園芸等における作物の栽
培にあたって、有用植物を育成するために植裁部のみを
残して地表を被覆するマルチング栽培が古くから採用さ
れている。マルチング栽培は、一般に以下の目的で実施
されてきた。 植物の根の周りに含まれている土中水分を保持して乾
燥を防止する。 季節による温度変化に対して地温の変化を抑える。 植物周辺での雑草の繁茂を防止する。 肥料成分等の土壌養分の流亡を防止する。 土壌の流出ないし固結化を防止する。
【0004】マルチング栽培には、古くは藁や茅等の刈
り草やこもが使用されていたが、耐久性の問題と雑草繁
茂を抑止する効果が期待薄であることから、近年は透明
もしくは黒色の低密度ポリエチレンフイルムやビニール
シート等のプラスチックフイルムを用いる傾向になって
きた。しかし、これらのマルチング栽培材も、地温変化
の増大、耐久性の欠乏、腐食が困難である等の問題があ
った。
【0005】上記の問題を解決するために、「酸化チタ
ンまたはアルミニウム粉末を含有した熱可塑性樹脂フイ
ルムとカーボンブラックを含有する熱可塑性樹脂フイル
ムとを重ね合わせて、空気層を含んだ張り合わせフイル
ムを構成し、両フイルム間を溶断穿孔して多数の透孔を
形成するマルチフイルム」(特開昭61−41530号
公報参照)で地温変化を抑止する提案や、「板紙を主材
にして、板紙の天面側に防水性で伸縮が小さく断熱性の
高い複数層を配備し、地面側に防水性で伸縮の大きい複
数層を有するマルチング用ボード」(特開平3−800
28号公報参照)で軽量化を図り、耐久性及び土壌還元
性を改善する提案がなされている。
【0006】しかし、前者の提案は耐久性、難腐食の点
で問題が残り、後者の提案は風による飛散防止のため
に、ボードを設置するのに特殊なピンを使用し、素人に
は困難な作業を必要とするのでコストを高める点で問題
がある。加えて、いずれの提案も問題なのは、蔓性植物
をマルチング栽培するために必須である支柱を、植裁孔
の近傍に設置することが困難であり、有用植物を育成す
るためには、マルチングボードを外れた畝の両側に設置
せざるを得ない支柱に蔓性植物を絡ませるために支柱と
蔓性植物とを連絡する部材を別途に用意し、これを設置
する作業が必要になる点である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記状況に
鑑みて発明したものであり、有用植物を育成するマルチ
ング栽培用ボードと支柱の施工を簡易に効率よく実施で
きる施工法を提供し、農村における高齢化から生ずる作
業負担を低減して農作業の持続と農地の保全を図るもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるマルチング
栽培ボードの施工法は、所定間隔で配置された植裁孔と
植裁孔の周辺近くに設けた支柱用孔を形成したマルチン
グ栽培用ボードを土壌表面に敷設し、支柱用孔に支柱を
打ち込んでマルチング栽培用ボードを土壌に固定するこ
とを基本にし、所定数の支柱を支柱先端部で束ねて固定
したり、束ねた支柱群の間を水平つなぎ材で結合するこ
とを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、マルチング栽培におい
て農業従事者の高齢化・女性化のために発生するマルチ
ングボード敷設作業の負担低減や施工時の安全問題を解
決できる、マルチング栽培ボードの施工法を提供するも
のであり、以下に、その実施の形態を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明によって形成されたマルチング
栽培の斜視図である。図において、マルチングボード1
は、蔓性植物もしくはトマト等を栽培する畝2の上に敷
設されており、支柱3で固定されている。マルチングボ
ード1に設けてある植裁孔4には育苗状態から移植され
た蔓性植物5が定植されていて支柱3に絡みついてい
る。又、トマト等が成長した場合には、支柱にひも等で
結わえられて倒れないように保護される。マルチングボ
ード1には、図示されていないが支柱3を打ち込むため
の支柱用孔6が設けられている。支柱3にはストッパー
7が設けられマルチングボード1を押圧している。従っ
て、マルチング栽培ボードは、畝の形状に合わせなが
ら、土壌の表面形状に沿って雨水の排水にも適する蒲鉾
状に湾曲して固定される。マルチングボード1は、複数
の単位マルチングボード8を敷き並べて構成されてお
り、育成する有用植物の栽培状況に対応させている。支
柱3の設置は、一般的に蔓性植物5が定植される際に同
時に行われることから、敷設したマルチングボード1が
風等で飛散されることなく確実に固定できる。
【0010】以上の実施の形態で示すように、本発明に
よるマルチング栽培ボードの施工法は、軽量で取り扱い
の簡単な単位マルチングボード8を蔓性植物5もしくは
トマト等の栽培計画に沿って畝の土壌表面に所定の形状
に配置し、複数の支柱3を植裁孔4の周辺近くに設けた
支柱用孔6に打ち込むことで土壌表面に固定して、マル
チングボード1の敷設を完了するものであるから、素人
や高齢者であっても簡易に安全かつ効率よく施工するこ
とが可能である。又、蔓性植物5を絡ませる支柱3は、
マルチングボード1を固定しながら植裁する蔓性植物5
の近くに配置することが出来るので、支柱3を蔓性植物
5から遠く離れた位置に設置する必要がなく、蔓性植物
5を支柱3に導くための特別な部材を用意したり、支柱
に部材を装備するための高所作業をすることが不要であ
る。
【0011】図2は、単位マルチングボードを示す平面
図である。1つの畝に植物を栽培する場合は、一般的
に、畝の両側に植裁孔を等間隔で1列に設定するもの
と、畝の両側に加えて中央にも植生するために、その間
隔を両側の植裁孔間隔の間に設定して中央の植裁孔を配
置すように設定する。単位マルチングボードを形成する
には、上記植裁孔のグループを3個グループと4個グル
ープに区分けして植裁孔を設けることになる。図2
(a)に図示の単位マルチングボード10は、3個の植
裁孔4を配置する基本形11の場合であり、図2(b)
は基本形11を連続して配置した単位マルチングボード
12である。3個グループの植裁孔4の配置は、図示の
ように2個の植裁孔4を平行にして他の1個は所定間隔
離した中央に穿孔して3角形に形成する。植裁孔4の周
辺近傍には支柱用孔6が設けてあるが、支柱3によるマ
ルチングボードの固定を確実にするために、支柱用孔6
の径は支柱3の径よりも若干小さくしてある。図2
(b)に示す単位マルチングボード12は、3個の植裁
孔4の配置を同様の間隔を置いて連続的に形成している
ものであるが、本実施の形態のように基本形11を2個
連続にするかそれ以上にするかは諸般の事情で任意に選
択できるもので、特に限定されるものでない。
【0012】図3は、他の単位マルチングボードを示す
平面図である。図3(a)に図示の単位マルチングボー
ド15は、4個の植裁孔4を配置する基本形16の場合
であり、図3(b)は基本形16を連続して配置した単
位マルチングボード17である。4個グループの植裁孔
4の配置は、図示のように2個の植裁孔4を平行にして
次に平行配置の2個の植裁孔4は所定間隔離して4角形
に形成する。植裁孔4の周辺近傍に支柱用孔6を設ける
ことその他は、図2の場合と同様である。
【0013】図4〜7には、本発明によってマルチング
栽培を実施する場合の使用部材を示している。図4は、
マルチング栽培に用いる支柱の斜視図である。各支柱3
は、前述のようにマルチングボードに設けた植裁孔4の
径よりも若干大きめの径で構成されており、支柱の適当
位置には打ち込み深さを限定すると同時にマルチングボ
ードを押さえるストッパー7が設けられている。支柱3
の構造は、従来からのものと特別に異なるものでなく、
図4(a)に示す支柱20は本体構造が棒状であり、図
4(b)にはパイプ状の支柱21を示している。
【0014】図5は、各支柱を束ねるために先端部に被
せるキャップの斜視図である。各支柱の固定状態は、
用植物の植裁方式によって扱いが変わってくるが、いず
れの場合も先端部を固定することは必要である。支柱先
端部の固定は、先端部分をひも等で縛って固定すること
でも可能であるが、後述するように束ねた支柱同士をさ
らに結合し合う場合等の作業効率を勘案すると、手間の
掛からないキャップを用いることが肝要である。図5に
示すものは、多数の支柱を一括して纏めた状態でキャッ
プを被せて作業効率を向上させるのに適しており、図5
(a)に示すキャップ22は半円球形の中空状であり、
図5(b)には3角形の中空状キャップ23を示してい
る。
【0015】図6は、各支柱を束ねるために先端部に被
せるキャップの他の斜視図である。図6(a)に示すキ
ャップ24は所定の支柱差込孔25を備えた半円球形で
あり、図6(b)には同様の3角形キャップ26を示し
ている。図6に示す各キャップは、各支柱をキャップの
支柱差込孔25に個々に納まるような状態でキャップを
被せるのに適しており、各支柱の安定性はさらに向上す
ることになる。図7は、蔓性植物の水平つなぎ材を示し
ており、(a)は平面図であり、(b)は側面図であ
る。水平つなぎ材27は、棒材28と棒材の両端に設け
られた各リング29、29から構成されている。水平つ
なぎ材27は、束ねて支柱群を形成しているキャップの
先端から差し込むことで各支柱間に張り渡されるもの
で、蔓性植物の成長による水平方向への伸長による絡み
つきに貢献すると共に各支柱の固定をさらに補強する機
能を発揮する。
【0016】図8〜11は、上述の各部材を適用してマ
ルチング栽培を実施する状態を説明する実施の形態図で
ある。図8は、単位マルチングボードを幅広い畝や耕地
等に多数敷設する実施の形態である。図8(a)、
(b)には、植裁孔が各々3、4個グループを形成する
単位マルチングボード10、15を敷設する場合を示し
ており、単一で狭い畝に限らず幅広い畝への対応や畝を
特に形成しない耕地での施工状態を例示している。この
ように、本発明によるマルチング栽培ボードの施工法
は、種々の形態をしたマルチング栽培に対応できるが、
その施工は軽量な単位マルチングボード10、15を単
純に敷き詰めて行き、各マルチングボードは追って土壌
に打ち込んで行く支柱3によって確実に固定出来ること
から、マルチングボードを広範囲にわたって簡易かつ迅
速に敷設することが可能である。
【0017】図9は、キャップの適用状態を示す斜視図
である。本実施の形態では、図5(b)で示したキャッ
プ23を支柱3に適用して支柱群30を形成した状態を
示している。本例では、図示のように、各支柱3の先端
を単に寄せ集めてこれにキャップ23を被せるだけで支
柱先端は確実に固定されるので、先端をひも等で結わえ
る方法と比較して、作業は簡単で効率よく施工できるこ
とから、素人でも容易に従事することが出来る。
【0018】図10は、束ねられた支柱間に水平つなぎ
材を設置した状態図である。図9で説明したように、複
数の支柱3の先端を集めた状態でキャップ23を被せて
形成した支柱群30は、それだけで自立しているが、各
支柱群30の間に水平つなぎ材27を掛け渡すことでさ
らに補強された堅固な状態を形成できる。水平つなぎ材
27の装備は、蔓性植物5が成長して支柱群30の先端
まで伸長してもさらに成長出来る状況を準備するもので
あり、蔓性植物は水平つなぎ材27に絡みついて水平方
向にさらに生育を続けて行くことになる。水平つなぎ材
27の支柱群30への装着は、図11に拡大して示すよ
うに、先端を先細にして装着し易くなっているキャップ
23に、棒材28の両端に設けたリング29を単に落と
し込むだけで済むから、素人や高齢者であっても容易に
組み立てられる。
【0019】以上、本発明について実施の形態に基づい
て詳細に説明してきたが、本発明によるマルチング栽培
ボードの施工法は、所定間隔で配置された植裁孔と植裁
孔の周辺近くに設けた支柱用孔を形成したマルチング栽
培用ボードを土壌表面に敷設し、支柱用孔に支柱を打ち
込んでマルチング栽培用ボードを土壌に固定することを
特徴にしているものであり、農業従事者の高齢化・女性
化のために、マルチング栽培において発生する施工作業
の負担問題や安全問題を解決し、農作業の持続と農地の
保全を図ることを目的効果にしているものであるから、
本発明は上述した実施の形態に何ら限定されるものでな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更
が可能であることは当然のことである。
【0020】
【発明の効果】本発明によるマルチング栽培ボードの施
工法は、所定間隔で配置された植裁孔と植裁孔の周辺近
くに設けた支柱用孔を形成したマルチング栽培用ボード
を土壌表面に敷設し、支柱用孔に支柱を打ち込んでマル
チング栽培用ボードを土壌に固定することを基本にし、
所定数の支柱を支柱先端部で束ねて固定したり、束ねた
支柱群の間を水平つなぎ材で結合することを特徴として
いるので、マルチング栽培用ボードや支柱を凹凸がない
構造にして安価に製造し、大量に運送して割安で供給す
ることが可能になる。特に、マルチング栽培用ボードの
敷設と固定が蔓巻や結え用の支柱で簡潔に出来ることか
ら、素人や高齢者であっても手近にある道具で簡単に、
かつ確実に施工でき、農作業における作業の簡素化と安
全性を向上させる効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマルチング栽培の状況図
【図2】本発明に用いる単位マルチングボードの平面図
【図3】本発明に用いる他の単位マルチングボードの平
面図
【図4】本発明に用いる支柱の斜視図
【図5】本発明に用いる中空キャップの斜視図
【図6】本発明に用いる支柱の差込孔を有するキャップ
の斜視図
【図7】本発明に用いる水平つなぎ材の平面と側面図
【図8】単位マルチングボードの敷設平面図
【図9】キャップを被せて支柱先端を束ねた状態の斜視
【図10】支柱群に水平つなぎ材を掛け渡した状態の斜
視図
【図11】キャップに水平つなぎ材を装着した状態の拡
大斜視図
【符号の説明】
1 マルチングボード 2 畝 3 支柱 4 植裁孔 5 蔓性植物 6 支柱用孔 7 支柱のストッパー 8 単位マルチングボード 10 単位マルチングボード 11 植裁孔グループの基本形 12 複数の基本形を備えた単位マルチングボード 15 他の単位マルチングボード 16 植裁孔グループの他の基本形 17 複数の基本形を備えた単位マルチングボード 20、21 支柱 22 半円形の中空キャップ 23 三角形の中空キャップ 24 半円形のキャップ 25 支柱の差込孔 26 三角形のキャップ 27 水平つなぎ材 28 棒材 29 リング 30 支柱群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔で配置された植裁孔と該植裁孔
    の周辺近くに設けた支柱用孔を形成したマルチング栽培
    用ボードを土壌表面に敷設し、該支柱用孔に支柱を打ち
    込んでマルチング栽培用ボードを土壌に固定することを
    特徴とするマルチング栽培ボードの施工法。
  2. 【請求項2】 所定数の支柱を支柱先端部で束ねて固定
    することを特徴とする請求項1に記載のマルチング栽培
    ボードの施工法。
  3. 【請求項3】 束ねた支柱群の間を水平つなぎ材で結合
    することを特徴とする請求項2に記載のマルチング栽培
    ボードの施工法。
JP10353554A 1998-12-11 1998-12-11 マルチング栽培ボードの施工法 Pending JP2000175576A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101610853B1 (ko) 2014-02-04 2016-04-15 최진하 작물 재배용 덮개

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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