JP2000174708A - 波長制御回路 - Google Patents

波長制御回路

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JP2000174708A
JP2000174708A JP10350876A JP35087698A JP2000174708A JP 2000174708 A JP2000174708 A JP 2000174708A JP 10350876 A JP10350876 A JP 10350876A JP 35087698 A JP35087698 A JP 35087698A JP 2000174708 A JP2000174708 A JP 2000174708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長の高密度化に対しても安定で信頼性の高い
波長制御回路を提供する。 【解決手段】半導体レーザと、波長に対して透過率が周
期的にピークとボトムを有する光共振器もしくは光干渉
計と、前記光共振器もしくは光干渉計を波長基準として
前記半導体レーザの発振波長と予め設定された所定の波
長との誤差を検出する誤差検出部と、前記誤差検出部か
らの出力信号に応じて前記半導体レーザの発振波長が前
記所定の波長となるように制御する波長制御部とを備え
た波長制御回路において、前記光共振器もしくは光干渉
計は、チャンネル間隔の2M倍(Mは自然数)のフリー
スペクトラムレンジを有し、前記誤差検出部もしくは前
記波長制御部のいずれか一方の出力信号は、(M−1)
チャンネルおきに波長に対して異なる極性を有すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、波長分割多重
(WDN:Wavelength Division
Multiplexing)技術を用いた光伝送システ
ムにおける光源の波長制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】インターネットの普及によりネットワー
クの大容量化が急務となっている。この解決手段とし
て、波長分割多重(WDN)を用いた光波ネットワーク
は、伝送容量を飛躍的に向上させ、しかも柔軟性の高い
ネットワーク構築が可能であるため、大いに注目されて
いる。
【0003】このようなネットワークでは、周波数の有
効利用の観点から光信号を波長(もしくは光周波数)軸
上で高密度に多重を行うため、光源の波長制御もしくは
監視は必須の技術である。従来、波長間隔がnmオーダー
の波長多重伝送システムにおいては、光源である半導体
レーザの動作温度と注入電流をモニターするにとどまっ
ていた。しかしながら、波長間隔が数十GHz 程度と高密
度化されてくると、半導体レーザの動作温度や注入電流
をモニターするだけでは、半導体レーザの経年劣化に対
応できない。そこで、半導体レーザの発振波長をモニタ
ーし、動作温度や注入電流にフィードバック制御を施し
て、半導体レーザの発振波長を制御している。
【0004】図23は、このような波長制御を行った従
来の波長制御回路の構成例を示す。発振波長の異なる複
数の半導体レーザ1−1、1−2、…、1−Nからの光
信号は、合波器10で合波され、波長多重信号光として
伝送路100に供される。ここで、各半導体レーザから
の出力光は、それぞれ異なる周波数f1 、f2 、…、f
N を有する交流信号源50−1、50−2、…、50−
Nからのディザ信号で周波数変調されている。波長多重
信号光の一部は、光カプラ20で分岐され、光共振器3
0へと入力される。ここでは、光共振器としてファブリ
ペロ共振器を用いた場合を例に挙げている。
【0005】光共振器30の出力は光電変換器40で電
気信号に変換された後、誤差検出部へと入力される。誤
差検出部200では、バンドパスフィルタ210−1、
210−2、…、210−Nで各ディザ信号成分が抽出
され、同期検波器220−1、220−2、…、220
−Nで同期検波される。同期検波器220−1、220
−2、…、220−Nからの出力はローパスフィルタ2
30−1、230−2、…、230−Nにより同期検波
器220−1、220−2、…、220−Nで発生した
不要な高周波成分が除去された後、誤差信号として波長
制御部300に供給される。波長制御部300では、誤
差検出部200からの誤差信号に基づいて各半導体レー
ザ1−1、1−2、…、1−Nの発振波長をファブリペ
ロ共振器(光共振器30)の透過率がピークとなる波長
に制御する。
【0006】図24にファブリペロ共振器の透過特性
(実線)と誤差信号(点線)を示す。同図から明らかな
ように誤差信号が0となるように半導体レーザ1−1、
1−2、…、1−Nの注入電流や動作温度を制御すれ
ば、半導体レーザ1−1、1−2、…、1−Nの発振波
長はファブリペロ共振器の透過特性のピークの波長に安
定化される。
【0007】このような波長制御系において、波長引き
込み範囲は波長安定性を評価する上で重要なパラメータ
である。しかし、ファブリペロ共振器などの光共振器も
しくはマッハツェンダ型フィルタなどの光干渉計の透過
特性のピークのみを安定点として用いた従来の波長制御
回路では、波長引き込み範囲は最大でも波長間隔、すな
わち光共振器のフリースペクトラムレンジ(FSR:F
ree Spectrum Range)程度に制限さ
れる。このことは、波長配置が高密度化するに伴って、
波長制御系の安定性や信頼性が著しく損なわれることに
なる。
【0008】また、光共振器を波長基準として用いる場
合、波長制御系の波長分解能は、光共振器のフィネス、
すなわち反射膜の反射率に大きく依存する。しかしなが
ら、これまでに反射率に関してはなんら明示されていな
い。
【0009】さらに、光源として分布ブラッグ反射型
(DBR)レーザを波長可変光源として用いた例が、文
献:Electronics Letters, Vol.29, No.15, pp1331-133
2(1993) に開示されている。図25に制御系の構成を示
す。
【0010】DBRレーザ2からの出力信号は、光カプ
ラ21で一部が分岐され、光共振器30に入力される。
光共振器30からの出力信号は、光電変換器40で電気
信号に変換され、比較器70に入力される。比較器70
では、予め定められた参照信号Vref と光電変換器40
からの出力信号を比較し、所望の波長ずれに対応する誤
差信号を出力する。誤差信号は、加算器60を介してD
BRレーザ2に供され、DBRレーザ2の発振波長を制
御する。
【0011】図26に光共振器30の透過特性を示す。
参照信号Vref は、透過率の参照レベルと一致するよう
に設定されている。したがって、DBRレーザ2の発振
波長は光共振器30の各透過ピークのスロープ部分に安
定化される。
【0012】このような制御回路においても波長引き込
み範囲は最大でもチャンネル間隔程度に制限されてしま
う。DBRレーザの波長可変機構は、モード跳躍を伴
い、このモードの波長間隔は概略チャンネル間隔に一致
している。DBRレーザにおいては、経年劣化などによ
り同じ電流値でもモードが前後に一つ跳躍する可能性が
ある。
【0013】したがって、波長引き込み範囲がチャンネ
ル間隔程度であると、波長制御回路は、劣化により所望
のモードからモード跳躍が生じた場合には、所望のチャ
ンネルの前後のチャンネルの波長に安定化してしまう。
この場合、DBRレーザの波長が誤ったチャンネルに安
定化されていても、波長制御回路は異常を検出できない
ため、ネットワーク管理者はこれを認識できないという
問題が生じた。さらには、他のノード間の通信に対して
クロストークとなる可能性があるという問題が生じた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の光共振器もしくは光干渉計を用いた波長制御回路にお
いては、波長引き込み範囲がチャンネル間隔以下に制限
されてしまうために、波長の高密度化に対して安定性や
信頼性を著しく劣化させるという問題が生じた。また、
光共振器の反射率に関してはなんら明示されていない。
さらに、DBRレーザを用いた波長可変光送信器に対す
る波長基準として光共振器もしくは光干渉計を適用した
場合、経年劣化等によるモード跳躍に対して誤った波長
に安定化するという障害が発生しても、ネットワーク管
理者は認識できないという問題が生じた。
【0015】本発明の目的は、波長引き込み範囲をチャ
ンネル間隔(M)の2M倍程度に設定でき、波長の高密
度化に対しても安定で信頼性の高い波長制御回路を提供
することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、波長可変光送
信器において、DBRレーザの経年劣化等によってモー
ド跳躍が生じた場合に、異常を検出できる波長制御回路
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る第一の波長制御回路は、半導体レーザ
と、波長に対して透過率が周期的にピークとボトムを有
する光共振器もしくは光干渉計と、前記光共振器もしく
は光干渉計を波長基準として前記半導体レーザの発振波
長と予め設定された所定の波長との誤差を検出する誤差
検出部と、前記誤差検出部からの出力信号に応じて前記
半導体レーザの発振波長が前記所定の波長となるように
制御する波長制御部とを備えた波長制御回路において、
前記光共振器もしくは光干渉計は、チャンネル間隔の2
M倍(Mは自然数)のフリースペクトラムレンジを有
し、前記誤差検出部もしくは前記波長制御部のいずれか
一方の出力信号は、(M−1)チャンネルおきに波長に
対して異なる極性を有することを特徴とする。
【0018】図24からも明らかなように、同期検波出
力は透過特性のピークおよびボトムにおいて0となる。
しかしながら、半導体レーザの注入電流や温度に対する
発振波長応答により、いずれか一方のみ(通常はピーク
波長)が安定点となる。故に、誤差検出部もしくは波長
制御部において信号の極性を反転させることによって、
透過特性のピークおよびボトムの両方を安定点として使
用できる。一方で波長引き込み範囲は、波長制御ループ
のループゲインが十分大きい場合には、光共振器もしく
は光干渉計のフリースペクトラムレンジにほぼ等しい。
【0019】したがって、チャンネル間隔の2M倍(M
は自然数)のフリースペクトラムレンジを有し、ピーク
波長が各々1チャンネル分ずれているM個の光共振器も
しくは光干渉計を波長基準として用い、波長制御部にお
いて、ピーク波長もしくはボトム波長のいずれかを安定
点として選択することによって、波長引き込み範囲をチ
ャンネル間隔の2M倍に設定することが可能となり、波
長の高密度化に対しても安定で信頼性の高い波長制御回
路を提供することができる。
【0020】本発明に係る第二の波長制御回路は、活性
領域、位相調整領域および分布ブラッグ反射領域を備え
た分布ブラッグ反射型半導体レーザと、波長に対して透
過率が周期的にピークとボトムを有するM個の光共振器
もしくは光干渉計と、所望チャンネルに切替指示するた
めのチャンネル切替信号を供給する手段と、前記光共振
器もしくは光干渉計を波長基準として前記分布ブラッグ
反射型半導体レーザの発振波長と前記所望チャンネルの
波長との誤差を検出する誤差検出部と、前記誤差検出部
からの出力信号に応じて前記分布ブラッグ反射型半導体
レーザの発振波長が前記所望チャンネルの波長となるよ
うに前記位相調整領域への注入電流を制御する第一の波
長制御部と、前記チャンネル切替信号に基づいて前記分
布ブラッグ反射領域への注入電流を制御する第二の波長
制御部とを備えた波長制御回路において、前記光共振器
もしくは光干渉計は、チャンネル間隔の2M倍(Mは自
然数)のフリースペクトラムレンジを有し、前記誤差検
出部もしくは前記波長制御部のいずれか一方の出力は
(M−1)チャンネルおきに波長に対して異なる極性を
有し、前記第一の波長制御部は前記位相調整領域への注
入電流のリミッタ範囲を与える電流リミッタ手段を具備
し、前記位相調整領域への注入電流が前記リミッタ範囲
外となった場合にアラームを発生する手段を具備するこ
とを特徴とする。
【0021】この第二の波長制御回路においても、誤差
検出部もしくは波長制御部において、所望チャンネルに
応じて、M個の波長基準のうちの一つを選択し、信号の
極性を反転させるか否かを判断することによって、光共
振器もしくは光干渉計のピーク波長とボトム波長のいず
れかを安定点として選択できる。したがって、所望チャ
ンネルに隣接するチャンネルは、M=1の場合において
波長制御の点で不安定点となり、M>1の場合において
は所望チャンネルの波長引き込み範囲となる。故に、第
一の波長制御部において位相調整領域への注入電流に対
して上限および下限を与える電流リミッタを設けること
によって、経年劣化等によって所望のモードの前後のモ
ードにモード跳躍が生じた場合には、位相調整領域への
注入電流が上限値もしくは下限値となるので、DBRレ
ーザの発振状態の異常を検出することが可能となる。
【0022】また、波長制御回路が異常を検出した場合
にDBRレーザからのネットワークへの出力光を遮断す
ることによって、他のノード間の通信に影響を及ぼすこ
とを未然に防止でき、ネットワークの信頼性を向上させ
ることができる。
【0023】さらに、M>1の場合においては、劣化等
によって所望のチャンネルの隣接チャンネルへのモード
跳躍が発生しても、レーザの発振波長は所望のチャンネ
ルの引き込み範囲内に存在しているので、長波長側への
モード跳躍の場合には位相調整領域への注入電流は上限
値を越え、短波長側へのモード跳躍の場合には下限値を
下回る。したがって、位相調整領域への注入電流が上限
値を越えた場合には、DBR領域への注入電流を増加さ
せ、また位相調整領域への注入電流が下限値を下回った
場合には、DBR領域への注入電流を減少させることに
よって所望の発振モードに引き戻すことができる。故
に、劣化等によりモード跳躍が発生しても、所望のチャ
ンネルの波長に制御できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を用いて説明する。図1に本発明の第一の実施形態
に係る波長制御回路を示す。交流信号源50からのディザ
信号は、加算器60を介して分布帰還型(DFB:Di
stributed Feed−Back)レーザ1に
入力され、DFBレーザ1の出力光を周波数変調する。
周波数変調されたDFBレーザ1からの光信号の一部
は、光カプラ20によって分岐される。分岐された光信
号は、光共振器32へと入力される。ここでは、光共振
器としてファブリペロ共振器を用いている(以下、他の
実施形態の説明においても特別に断りの無い場合は、光
共振器としてファブリペロ共振器を用いるものとす
る)。
【0025】光共振器32からの出力光は、光電変換器
40で電気信号に変換された後、誤差検出部200へ入
力される。誤差検出部200では、バンドパスフィルタ
210で交流信号源50からのディザ信号成分のみが抽
出され、同期検波器220へと入力される。同期検波器
220からの出力はローパスフィルタ230により同期
検波器220で発生した不要な高周波成分が除去された
後、誤差信号として波長制御部350に供給される。
【0026】波長制御部350では、極性反転部400
において、制御すべき波長が光共振器32のピーク波長
である場合には、誤差検出部200からの誤差信号をそ
のまま出力し(オフ状態)、ボトム波長である場合に
は、誤差検出部200からの誤差信号の極性を反転させ
た信号を出力する(オン状態)。制御部360では、極
性反転部400からの出力信号に基づいてDFBレーザ
1の発振波長を制御する。
【0027】ここで、波長基準としてファブリペロ共振
器を用いると、ファブリペロ共振器の反射膜の反射率
は、波長制御部における波長分解能に影響を及ぼす。同
期検波方式を用いた波長制御回路では、ピーク波長およ
びボトム波長における波長に対する同期検波出力の傾き
で決定される。図2に反射率4%および60%の時のフ
ァブリペロ共振器の透過特性を示す。また、図3にそれ
ぞれの共振器を用いた場合の同期検波出力を示す。な
お、図3においては、それぞれの出力の最大値および最
小値が等しくなるように規格化されている。
【0028】図3より明らかなように、ピーク波長に対
しては、反射率が大きいほど同期検波出力の傾きは大き
くなるが、ボトム波長においては、反射率が大きくなる
と傾きが急激に小さくなり、波長分解能が著しく劣化す
る。一方で、反射率が小さくなると、図2より透過率の
変化が小さくなるために、同期検波出力が小さくなり、
雑音等の影響で波長分解能が劣化する。したがって、ボ
トム波長に対する波長分解能には最適値が存在する。
【0029】図4に反射率に対するボトム波長における
相対的波長分解能を示す。反射率の最適値は約17%で
あり、図4においては、最適値で規格化している。反射
膜の反射率の許容誤差は、波長分解能として2倍程度の
誤差を許容すると、図4より4%以上45%以下と非常
に広い範囲にわたっている。したがって、作製上の誤差
を十分吸収できるために、歩留まりが大幅に向上し、低
コスト化が図れる。
【0030】図5にファブリペロ共振器の透過波長特性
と波長配置の関係を示す。ここでは、奇数番目のチャン
ネル(λ1 、λ3 、…)はピーク波長に一致するように
配置し、偶数番目のチャンネル(λ2 、λ4 …)はボト
ム波長に一致するように配置する。すなわち、ファブリ
ペロ共振器のフリースペクトラムレンジはチャンネル間
隔の2倍(M=1)となっている。
【0031】図6に極性反転部400がオフ状態の時の
極性反転部400からの出力を示す。この場合は、奇数
番目のチャンネルの波長において制御ループの安定点が
存在する。したがって、DFBレーザ1が奇数番目のチ
ャンネル用の光源であれば、極性反転部400をオフ状
態にすることによって、波長の安定化がなされる。
【0032】図7に極性反転部400がオン状態の時の
極性反転部400からの出力を示す。この場合は、偶数
番目のチャンネルの波長において制御ループの安定点が
存在する。したがって、DFBレーザ1が偶数番目のチ
ャンネル用の光源であれば、極性反転部400をオン状
態にすることによって、波長の安定化がなされる。
【0033】図6および図7から明らかなように、波長
引き込み範囲は、制御ループのループゲインが十分に大
きければ、フリースペクトラムレンジ程度、すなわち波
長間隔の2倍程度確保できるため、より安定な波長制御
が実現できる。
【0034】また、ファブリペロ共振器の反射膜の反射
率を4%以上45%以下と広い範囲わたって許容するこ
とによって、製造時の歩留まり向上、すなわち製造コス
ト低減を図りつつ、制御誤差を最適値(17%)の場合
の2倍以内に抑圧できる。
【0035】さらに、極性反転部400を設けることに
よって、全てのチャンネルにおいて同一の波長制御回路
基板を用いることができるので、製造コストの低減が図
れる。
【0036】なお、本実施形態においては、極性反転部
を同期検波器の後に配置したが、同期検波器の前に配置
してもよい。また、波長基準器としてファブリペロ共振
器の代わりに、光干渉計であるマッハツェンダ型フィル
タを用いてもよい。
【0037】さらに、光源として、分布ブラッグ反射型
(DBR)レーザを用いてもよい。この場合、光源まで
含めた光送信部を複数のチャンネルにおいて共用できる
ので、さらなるコスト低減が図れる。
【0038】さらに、本実施形態においては、ディザ信
号を半導体レーザに加えることにより発振波長を変調し
たが、ファブリペロ共振器の温度制御系にディザ信号を
加えて、ファブリペロ共振器の透過特性を変調しても等
価である。
【0039】図8に本発明の第二の実施形態に係る波長
制御回路を示す。発振波長の異なる複数の半導体レーザ
1−1、1−2、…、1−Nからの光信号は、合波器1
0で合波され、波長多重信号光として伝送路100に供
される。それぞれ異なる周波数f1 、f2 、…、fN を
有する交流信号源50−1、50−2、…、50−Nか
らのディザ信号は、加算器60-1、60−2、…、60
−Nを介して半導体レーザ1−1、1−2、…、1−N
に入力され、半導体レーザ1−1、1−2、…、1−N
の出力光を周波数変調する。波長多重信号光の一部は、
光カプラ20で分岐され、光共振器32へと入力され
る。
【0040】光共振器32の出力は光電変換器40で電
気信号に変換された後、誤差検出部200へと入力され
る。誤差検出部200では、光電変換器40からの信号
をN分岐した後、バンドパスフィルタ210−1、21
0−2、…、210−Nで各ディザ信号成分が抽出さ
れ、同期検波器220−1、220−2、…、220−
Nで同期検波される。同期検波器220−1、220−
2、…、220−Nからの出力はローパスフィルタ23
0−1、230−2、…、230−Nにより同期検波器
220−1、220−2、…、220−Nで発生した不
要な高周波成分が除去された後、誤差信号として波長制
御部370に供給される。
【0041】波長制御部370では、誤差検出部200
からの誤差信号を時分割で読み込み、チャンネル番号に
応じて誤差信号の極性を反転させた後、各半導体レーザ
1−1、1−2、…、1−Nの発振波長を所望の波長に
制御するための制御信号を出力する。波長制御部370
からの出力信号は、加算器60−1、60−2、…、6
0−Nを介して半導体レーザ1−1、1−2、…、1−
Nに入力される。
【0042】図9にファブリペロ共振器(光共振器3
2)の透過特性と波長配置を示す。ここでは、奇数チャ
ンネルは透過特性のピーク波長に配置され、偶数チャン
ネルは透過特性のボトム波長に配置されるものとし、ボ
トム波長に対しては制御ループにおいて信号の極性を反
転させるものとする。
【0043】図10に波長制御部370の動作を説明す
るためのフローチャートの一例を示す。まず、チャンネ
ルカウンタをリセットする(S100)。次にチャンネ
ルカウンタに1を加える(S101)。この場合、I=
1となり、チャンネル1 の誤差信号を読み込む(Verr
=ΔV1 )。この時、チャンネルカウンタは奇数である
ので(S103)、誤差信号に基づいて制御信号を算出
し(S104)、半導体レーザ1−1へ波長制御信号を
出力する(S105)。
【0044】そして、全チャンネルの数に達したかを判
断する(S106)。次に、再びチャンネルカウンタに
1 を加えて(S102)、チャンネル2(I=2)の誤
差信号を読み込む。この場合は、チャンネルカウンタが
偶数であるので(S103)、読み込んだ誤差信号の極
性を反転させて(Verr =−ΔV2 )(S107)、反
転された誤差信号に基づいて制御信号を算出し、半導体
レーザ1−2へ波長制御信号を出力する(S106)。
【0045】順次以上の操作をチャンネルカウンタが全
チャンネル数Nに等しくなるまで繰り返す。チャンネル
カウンタが全チャンネル数に等しくなったら(I=
N)、チャンネルカウンタをリセットして、再びチャン
ネル1から制御を始める。
【0046】本実施形態においても、波長引き込み範囲
は、制御ループのループゲインが十分に大きければ、フ
リースペクトラムレンジ程度、すなわちチャンネル間隔
の2倍程度確保できるため、より安定な波長制御が実現
できる。
【0047】また、1つのファブリペロ共振器および光
電変換器を全てのチャンネルで共有しているので、装置
の低コスト化が図れる。なお、本実施形態においては、
極性反転機能を波長制御部370において実現したが、
誤差検出部においてチャンネル毎に分岐したそれぞれに
配置してもよい。この場合、極性反転部は予めチャンネ
ルに応じてオン状態かオフ状態に設定しておく。
【0048】図11に本発明の第三の実施形態を示す。
なお、図8と同一部分には同一符号を付し、その説明を
省略する。光カプラ20で分岐された信号光は、光カプ
ラ22で等しく分岐され、第一の光共振器33および第
二の光共振器34に入力される。第一の光共振器33お
よび第二の光共振器34からの出力は、各々第一の光電
変換部41および第二の光電変換部42で電気信号に変
換された後、各々m分岐され、第一の誤差検出部201
および第二の誤差検出部202へと入力される。
【0049】図12に第一の光共振器33および第二の
光共振器34の透過波長特性と波長配置を示す。本実施
形態においては、M=2、すなわち各光共振器のフリー
スペクトラムレンジはチャンネル間隔の4倍となってい
る。すなわち、奇数チャンネルの波長(λ1 、λ3 、
…、λN-1 )は、第一の光共振器33のピーク波長およ
びボトム波長に配置され、偶数チャンネルの波長(λ2
、λ4 、…、λN )は、第二の光共振器34のピーク
波長およびボトム波長に配置されている。ここで、全チ
ャンネル数Nは、N=2m(mは自然数)とする。
【0050】したがって、図11において、第一の誤差
検出部201では奇数チャンネルに対する誤差信号が検
出され、第二の誤差検出部202では偶数チャンネルに
対する誤差信号が検出される。第一の誤差検出部201
および第二の誤差検出部202からの各々の出力は、波
長制御部372に入力される。波長制御部372では、
各チャンネルを時分割で処理する。
【0051】図13に波長制御部372の動作を説明す
るためのフローチャートの一例を示す。まず、チャンネ
ルカウンタを初期化(S130)した後、チャンネルカ
ウンタに1を加え(S131)て、チャンネルIの誤差
信号を読み込む(Verr =ΔVI )(S132)。次に
チャンネルカウンタIを4で割って、その剰余ΔIを算
出する(S133)。ここで、剰余ΔIが1もしくは2
の時(S134)には、誤差信号に基づいて制御信号を
算出し(S135)、チャンネルIの半導体レーザ1−
1へ波長制御信号を出力する。
【0052】次に、再びチャンネルカウンタに1を加え
(S131)て、チャンネル2(I=2)の誤差信号を
読み込む(S132)。このチャンネル2の場合の処理
は、先に示したS132からS136までの処理と同様
なものとなる。一方、チャンネルカウンタの値に基づく
剰余ΔIが処理S134で1または2以外となる場合に
は、処理S138へ進み、読み込んだ誤差信号の極性を
反転させて(Verr =−ΔVI )(S138)、この反
転された誤差信号に基づき制御信号を算出し、チャンネ
ルIの半導体レーザへの波長制御信号を出力する(S1
36)。
【0053】このように、順次以上の操作をチャンネル
カウンタが全チャンネル数N に等しくなるまで繰り返
す。チャンネルカウンタが全チャンネル数に等しくなっ
たら(I=N)、チャンネルカウンタをリセットして、
再びチャンネル1 から制御を始める。
【0054】本実施形態においては、M=2なので、波
長引き込み範囲は、チャンネル間隔の4倍程度確保でき
るため、より高密度の波長多重においても安定で信頼性
の高い波長制御回路を提供できる。
【0055】図14に本発明の第四の実施形態を示す。
なお、図4と同一部分には同一符号を付し、その説明を
省略する。分布ブラッグ反射型(DBR)レーザ2から
の光信号は、交流信号源50からのディザ信号を加算器
60を介して位相調整領域4 へ入力することによって、
周波数変調が施されている。DBRレーザ2の出力パワ
ーをモニターし、この出力が一定となるように、図示し
ない制御部で活性領域3への電流源90からの出力電流
を制御している。
【0056】DBRレーザ2からの出力光の一部は分岐
器23で分岐され、光共振器32に入力される。光共振
器32からの出力光は、光電変換器40で電気信号に変
換され、誤差検出部200において所望のチャンネルの
波長とDBRレーザ2の発振波長とのずれを検出する。
【0057】誤差検出部200からの誤差信号は、位相
調整領域電流制御部380へと入力される。位相調整領
域電流制御部380では、チャンネル切替信号に基づい
て誤差信号の極性を反転させるか否かの操作を行い、こ
の操作の結果得られた誤差信号に基づいて位相調整領域
4への注入電流を算出する。算出された電流値が予め設
定された電流リミッタの範囲内であれば、DBRレーザ
2の位相調整領域4へ電流を出力する。
【0058】算出された電流値が電流リミッタの範囲外
であった場合には、アラーム発生部600へ異常信号を
出力する。アラーム発生部600は、異常信号を受信し
たら、ネットワーク管理者へアラームを発生し、異常を
通知する。分布ブラッグ反射(DBR)領域電流制御部
390は、チャンネル切替信号に従って、各チャンネル
毎に予め設定された電流値をDBRレーザ2のDBR領
域5へ出力する。
【0059】図15にDBR領域5への注入電流に対す
る発振波長を示す。DBR領域5への注入電流に対して
モード跳躍を繰り返しながら、大きく波長が変化してお
り、各モード間の波長差は概ね等しい。よって、各モー
ド毎にチャンネルを割り当てることによって、等しい波
長間隔でチャンネルを配置することができる。
【0060】図16にファブリペロ共振器(光共振器3
2)の透過特性とチャンネル配置を示す。ここでは、奇
数番のチャンネルはピーク波長に配置し、偶数番のチャ
ンネルはボトム波長に配置されている。すなわち、ファ
ブリペロ共振器のフリースペクトラムレンジは、チャン
ネル間隔の2倍(M=1)となっている。
【0061】図17に位相調整領域への注入電流に対す
る発振波長特性を示す。図17から明らかなように、D
BRレーザにおいては、位相調整領域への注入電流に対
して等しい波長が繰り返し現れる。また、位相調整領域
への注入電流によって可変できる波長範囲は、概ねモー
ド間隔と一致している。
【0062】ここで、チャンネル1(λ1 )からチャン
ネル5(λ5 )へと切り替える際に、DBRレーザ2の
経年劣化によりチャンネル6(λ6 )のモードへモード
跳躍が生じた場合について考える。この場合、所望のチ
ャンネルは奇数番であるので、誤差信号の極性の反転処
理は行われず、光共振器32のピーク波長が安定点とな
る。
【0063】したがって、チャンネル6(λ6 )の波長
は不安定点となり、位相調整領域電流制御部380はチ
ャンネル5(λ5 )へと波長を制御するように働く。こ
の時、所望の波長は短波長側に位置しているので、位相
調整領域電流制御部380は位相調整領域4への電流を
増加させ続ける。したがって、位相調整領域4への電流
値は、電流リミッタで設定されている上限値(Imax )
を越えてしまう。故に、位相調整領域電流制御部380
に電流リミッタ機能を設けることで、DBRレーザ2の
発振状態の異常を検出することが可能となる。また、チ
ャンネル4のモードへ誤ってモード跳躍した場合には、
上述の動作とは逆に電流リミッタの下限値(Imin )を
越えてしまう。したがって、この場合にも同様に異常を
検出できる。
【0064】図18に位相調整領域電流制御部380の
動作を説明するためのフローチャートの一例を示す。位
相調整領域電流制御部380では、まず誤差信号Verr
を初期化し(S180)、誤差検出部200からの誤差
信号を読み込み(S181)、チャンネル番号Nが偶数
の場合(S182)には読み込んだ値の極性を反転させ
たものを誤差信号として用い(S184)、奇数の場合
にはそのまま読み込んだ値を誤差信号として用いる(S
183)。ここで、チャンネル番号Nはチャンネル切替
信号によって与えられる。
【0065】その後、誤差信号に基づいて位相調整領域
への注入電流IPCを算出し(S185)、算出された電
流値が電流リミッタの範囲内であるかを判断する(S1
86)。範囲内であれば、前記算出した注入電流IPC
DBRレーザ2の位相調整領域4へ出力する(S18
7)。以上の操作を繰り返し行う。
【0066】ここで、チャンネル切替信号により新たな
チャンネルに切り替えるように指示が来ると、一旦処理
を中断し、再度始めから繰り返す。また、算出された電
流値が電流リミッタの範囲を越えていた場合(S18
6)には、アラーム発生部600へ異常信号を出力(S
188)し、波長制御処理を終了する。
【0067】以上説明したように、本実施形態において
は、外乱や経年劣化等によって所望のチャンネルに対応
したモード以外のモードにモード跳躍した場合でも、波
長制御回路において異常を検出できるため、信頼性が大
幅に向上した波長制御回路を提供できる。
【0068】図19に本発明の第五の実施形態を示す。
なお、図14と同一部分には同一符号を付して、その説
明を省略する。分岐器23からネットワークへの信号光
の出力は光ゲートスイッチ700を介して行われる。位
相調整領域電流制御部381は、算出された電流値が電
流リミッタの範囲を越えていた場合には、アラーム発生
部600へ異常信号を出力するとともに、光ゲートスイ
ッチ700をオフ状態とし、DBRレーザ2からの信号
光がネットワークへ出力されるのを阻止する。このよう
に、波長制御回路において異常が検出された場合に光源
からの信号光がネットワークへ出力されることを阻止す
ることによって、ネットワーク上における他のノード間
の通信に対するクロストーク光となることを未然に防ぐ
ことができる。したがって、ネットワーク全体の信頼性
を大幅に向上させる波長制御回路を提供できる。
【0069】なお、チャンネル切替信号が入力されてか
ら光源の波長が安定化されるまでの間、光ゲートスイッ
チをオフ状態とし、不安定な波長の信号光をネットワー
クから遮断してもよい。これによって、波長制御過程に
おける不安定な波長状態の信号光によるクロストークを
防ぐことができる。
【0070】しかしながら、M=1の場合、劣化等によ
る所望のモード以外のモードへのモード跳躍により、所
望の波長に対する波長引き込み範囲からはずれてしまう
可能性がある。この場合、波長制御回路は動作が不安定
になり、異常状態を検出できないという可能性を残す。
【0071】したがって、その対策を講じる必要があ
る。その例を次に第六の実施形態として説明する。図2
0に本発明に係る第六の実施形態を示す。なお、図14
と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0072】DBRレーザ2からの光信号の一部は分岐
器23で分岐された後、分配器24によって等しく2分
配される。分配器24で分配された光信号は、それぞれ
第一の光共振器33および第二の光共振器34に入力さ
れる。第一の光共振器33および第二の光共振器34か
らの出力光は、各々第一の光電変換器41および第二の
光電変換器42で電気信号に変換された後、第一の誤差
検出部201および第二の誤差検出部202に入力され
る。位相調整領域電流制御部382では、チャンネル切
替信号により与えらるチャンネル番号Nに応じて、第一
の誤差検出部201もしくは第二の誤差検出部202か
らの誤差信号を選択し、DBRレーザ2への制御信号を
算出する。
【0073】図21に第一の光共振器33および第二の
光共振器34の透過波長特性とチャンネル配置を示す。
本実施形態では、各光共振器のフリースペクトラムレン
ジはチャンネル間隔の4 倍、すなわちM=2となってお
り、各ピーク波長は1 チャンネル分だけずれている。こ
こで、奇数チャンネルは第一の光共振器33のピーク波
長もしくはボトム波長に配置し、偶数チャンネルは第二
の光共振器34のピーク波長もしくはボトム波長に配置
する。このように、M=2とすることによって、所望の
モードの前後のモードへの誤ったモード跳躍が発生して
も、確実に所望の波長の引き込み範囲内に存在させるこ
とが可能となる。
【0074】図22に位相調整領域電流制御部382の
動作を説明するためのフローチャートの一例を示す。誤
差信号Verr を初期化(S220)した後、チャンネル
切替信号によって与えられるチャンネル番号Nを4で除
した除数ΔNを算出する(ΔN=0、1、2、3)(S
221)。ここで、除数ΔNが奇数である場合(ΔN=
1、3)(S222)には、所望のチャンネルは奇数チ
ャンネルであるので、第一の誤差検出部201からの誤
差信号を読み込む(S223)。また、剰余ΔNが偶数
であれば(ΔN=0、2)(S222)、所望のチャン
ネルは偶数チャンネルであるので、第二の誤差検出部2
02からの誤差信号を読み込む(S224)。
【0075】次に、所望のチャンネルが奇数である場
合、剰余ΔNが1であれば(S225)、第一の光共振
器33のピーク波長が所望の波長となるので、読み込ん
だ誤差信号に基づいて(S226)注入電流IPCを算出
する(S227)。また、剰余ΔNが3であれば、ボト
ム波長となるので、読み込んだ誤差信号の極性を反転さ
せて(S228)、反転された誤差信号に基づいて注入
電流IPCを算出する(S227)。
【0076】所望のチャンネルが偶数の場合には、剰余
ΔNが2であれば(S229)、第二の光共振器34の
ピーク波長が所望のチャンネルとなるので、読み込んだ
誤差信号に基づいて(S230)注入電流IPCを算出す
る(S227)。また、剰余ΔNが0であれば(S22
9)、ボトム波長となるので、読み込んだ誤差信号の極
性を反転させて(S231)、反転された誤差信号に基
づいて注入電流IPCを算出する。次に算出された注入電
流IPCを電流リミッタの上限値Imax および下限値Imi
n と比較を行い(S232)、算出された注入電流IPC
が電流リミッタの範囲内であれば、DBRレーザ2の位
相調整領域4へ出力する(S233)。また、電流リミ
ッタの範囲を越えていた場合には、DBR領域電流制御
部392およびアラーム発生部600へ異常信号を出力
する(S234)。この場合、位相調整領域4への注入
電流IPCは、前回の値を保持しておく。
【0077】異常信号を受信したDBR領域電流制御部
392では、算出された注入電流IPCが上限値を越えた
のか、下限値を下回ったのかを判断する。制御信号が上
限値を越えた場合、図17から、位相調整領域電流制御
部382はDBRレーザ2の発振波長をさらに短波長側
へと制御する方向であることがわかる。すなわち、DB
Rレーザ2の発振モードが、誤って長波長側へと跳躍し
たことに対応する。
【0078】したがって、図15より、DBR領域電流
制御部392は、DBR領域5への注入電流を増加させ
ることによって、短波長側のモード、すなわち所望のモ
ードへ引き戻すことができる。故に、位相調整領域電流
制御部382は、所望のチャンネルの波長へ安定化する
ことができる。注入電流IPCが下限値を下回った場合に
は、これとは反対に、DBR領域電流制御部392は、
出力電流を減少させることによって、所望のモードへ引
き戻すことができる。
【0079】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、M=2とすることによって、外乱や劣化等によって
誤って所望のモードから前後のモードへのモード跳躍が
発生しても、所望の波長の引き込み範囲内に留めること
ができるので、位相調整領域への注入電流値を監視する
ことによってどちらのモードへ跳躍したかが確実に判断
できる。したがって、DBR領域への注入電流を制御す
ることによって所望のモードへ引き戻し、所望の波長へ
の制御が可能となる。すなわち、外乱やDBRレーザの
劣化等が生じても、所望の波長へ安定化ができるため
に、波長制御回路の信頼性を大幅に向上させることが可
能となる。
【0080】なお、本実施形態ではM=2の場合につい
て説明したが、Mが3以上であっても上記効果を達成で
きる。また、アラーム発生部が異常信号を受信した場合
に、DBRレーザからの出力がネットワークへ出力され
ないように、ゲートスイッチ等で遮断してもよい。さら
に、位相調整領域への制御信号の変動が、ある特定のレ
ベルまで安定化されるまで、DBRレーザからの出力を
ゲートスイッチ等で遮断してもよい。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光共振器もしくは光干渉計を波長基準として用いた波長
制御回路において、波長引き込み範囲をチャンネル間隔
の2M倍程度に拡大できるために、高密度波長多重にお
いても安定で、信頼性の高い波長制御回路を提供でき
る。
【0082】また、波長可変光送信器において、外乱や
光源の経年劣化等による所望のモード以外のモードへの
モード跳躍を検出できるので、信頼性の高い波長制御回
路を提供できる。
【0083】さらに、外乱や劣化等によってモード跳躍
が生じても、所望のモードに引き戻し、所望の波長に制
御できるために、送信器の長期安定性を保証できる波長
制御回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施形態を示す図。
【図2】ファブリペロ共振器の透過波長特性を示す図。
【図3】同期検波出力の波長特性を示す図。
【図4】ファブリペロ共振器の反射率と波長制御回路に
おける相対的波長分解能の関係を示す図。
【図5】第一の実施形態で使用されるファブリペロ共振
器の透過波長特性と波長配置を示す図。
【図6】極性反転部がオフの時の誤差信号の波長特性を
示す。
【図7】極性反転部がオンの時の誤差信号の波長特性を
示す。
【図8】本発明に係る第二の実施形態を示す図。
【図9】第二の実施形態で使用されるファブリペロ共振
器の透過波長特性と波長配置を示す図。
【図10】第二の実施形態における波長制御部における
動作を説明するためのフローチャートを示す図。
【図11】本発明に係る第三の実施形態を示す図。
【図12】第三の実施形態で使用されるファブリペロ共
振器の透過波長特性と波長配置を示す図。
【図13】第三の実施形態における波長制御部における
動作を説明するためのフローチャートを示す図。
【図14】本発明に係る第四の実施形態を示す図。
【図15】DBR領域への注入電流と発振波長との関係
を示す図。
【図16】第四の実施形態で使用されるファブリペロ共
振器の透過波長特性と波長配置を示す図。
【図17】位相調整領域への注入電流と発振波長との関
係を示す図。
【図18】第四の実施形態における位相調整領域電流制
御部における動作を説明するためのフローチャートを示
す図。
【図19】本発明に係る第五の実施形態を示す図。
【図20】本発明に係る第六の実施形態を示す図。
【図21】第六の実施形態で使用されるファブリペロ共
振器の透過波長特性と波長配置を示す図。
【図22】第六の実施形態における位相調整領域電流制
御部における動作を説明するためのフローチャートを示
す図。
【図23】従来の波長制御回路を示す図。
【図24】従来の波長制御回路におけるファブリペロ共
振器の透過波長特性、同期検波出力の波長特性、および
波長配置を示す図。
【図25】従来のDBRレーザに対する波長制御回路を
示す図。
【図26】従来のDBRレーザに対する波長制御回路に
おけるファブリペロ共振器の透過波長特性を示す図。
【符号の説明】
1、1−1、1−2〜1−N…分布帰還型(DFB)半
導体レーザ 2…分布ブラッグ反射型(DBR)半導体レーザ 3…活性領域 4…位相調整領域 5…分布ブラッグ領域 10…合波器 20、22…光カプラ 23…分岐器 20、32、33、34…光共振器 40、41、42…光電変換器 50、50−1、50−2〜50−N…交流信号源 60、60−1、60−2〜60−N…加算器 70…比較器 90…定電流源 100…光伝送路 200、201、202…誤差検出部 210、210−1、210−2〜210−N…バンド
パスフィルタ 220、220−1、220−2〜220−N…同期検
波器 230、230−1、230−2〜230−N…ローパ
スフィルタ 300、350、370、372…波長制御部 360…制御部 380、381、382…位相調整領域電流制御部 390、392…DBR 領域電流制御部 400…極性反転部 600…アラーム発生部 700…光ゲートスイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザと、 波長に対して透過率が周期的にピークとボトムを有する
    光共振器もしくは光干渉計と、 前記光共振器もしくは光干渉計を波長基準として前記半
    導体レーザの発振波長と予め設定された所定の波長との
    誤差を検出する誤差検出部と、 前記誤差検出部からの出力信号に応じて前記半導体レー
    ザの発振波長が前記所定の波長となるように制御する波
    長制御部とを備えた波長制御回路において、 前記光共振器もしくは光干渉計は、チャンネル間隔の2
    M倍(Mは自然数)のフリースペクトラムレンジを有
    し、前記誤差検出部もしくは前記波長制御部のいずれか
    一方の出力信号は、(M−1)チャンネルおきに波長に
    対して異なる極性を有することを特徴とする波長制御回
    路。
  2. 【請求項2】前記半導体レーザは、分布帰還型半導体レ
    ーザであることを特徴とする請求項1記載の波長制御回
    路。
  3. 【請求項3】前記半導体レーザは、分布ブラッグ反射型
    半導体レーザであることを特徴とする請求項1記載の波
    長制御回路。
  4. 【請求項4】活性領域、位相調整領域および分布ブラッ
    グ反射領域を備えた多電極分布反射型半導体レーザと、 波長に対して透過率が周期的にピークとボトムを有する
    M個の光共振器もしくは光干渉計と、 所望チャンネルに切替指示するためのチャンネル切替信
    号を供給する手段と、 前記光共振器もしくは光干渉計を波長基準として前記分
    布ブラッグ反射型半導体レーザの発振波長と前記所望チ
    ャンネルの波長との誤差を検出する誤差検出部と、 前記誤差検出部からの出力信号に応じて前記分布ブラッ
    グ反射型半導体レーザの発振波長が前記所望チャンネル
    の波長となるように前記位相調整領域への注入電流を制
    御する第一の波長制御部と、 前記チャンネル切替信号に基づいて前記分布ブラッグ反
    射領域への注入電流を制御する第二の波長制御部とを備
    えた波長制御回路において、 前記光共振器もしくは光干渉計は、チャンネル間隔の2
    M倍(Mは自然数)のフリースペクトラムレンジを有
    し、前記誤差検出部もしくは前記波長制御部のいずれか
    一方の出力は(M−1)チャンネルおきに波長に対して
    異なる極性を有し、前記第一の波長制御部は前記位相調
    整領域への注入電流のリミッタ範囲を与える電流リミッ
    タ手段を具備し、前記位相調整領域への注入電流が前記
    リミッタ範囲外となった場合にアラームを発生する手段
    を具備することを特徴とする波長制御回路。
  5. 【請求項5】前記アラーム発生手段がアラームを発生し
    た場合に、前記分布ブラッグ反射型半導体レーザの出力
    を遮断する手段を具備することを特徴とする請求項4記
    載の波長制御回路。
  6. 【請求項6】前記位相調整領域への注入電流が上限値も
    しくは下限値となった場合に、前記分布ブラッグ反射領
    域電流制御部へ異常信号を送出する手段と、前記分布ブ
    ラッグ反射領域電流制御部は異常信号を受信した場合
    に、前記位相調整領域への注入電流の状態に応じて前記
    分布ブラッグ反射領域への注入電流を増減させることを
    特徴とする請求項4記載の波長制御回路。
  7. 【請求項7】前記光共振器は、反射膜の反射率が4%以
    上45%以下であるファブリペロ共振器であることを特
    徴とする請求項1および4記載の波長制御回路。
  8. 【請求項8】前記光干渉計は、マッハツェンダ型干渉計
    であることを特徴とする請求項1および4記載の波長制
    御回路。
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JPWO2007004509A1 (ja) * 2005-07-01 2009-01-29 日本電気株式会社 外部共振器型波長可変レーザ装置および光出力モジュール
JP2009146952A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Opnext Japan Inc レーザ装置およびその制御方法

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