JP2000171423A - 味認識装置及び化学物質検出装置 - Google Patents

味認識装置及び化学物質検出装置

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JP2000171423A JP11282221A JP28222199A JP2000171423A JP 2000171423 A JP2000171423 A JP 2000171423A JP 11282221 A JP11282221 A JP 11282221A JP 28222199 A JP28222199 A JP 28222199A JP 2000171423 A JP2000171423 A JP 2000171423A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非電解質である、辛味、甘味及びカフェイン等
の苦味を呈する味物質に対する感度が高く、電極の製造
やリフレッシュが容易な味認識装置を提供する。 【解決手段】ポテンショスタット4により、作用電極1
と参照電極3との間の電圧が所望の電圧となるように、
作用電極1と対極2との間に電流を供給する。発振器5
により、ポテンショスタット4を制御して前記所望の電
圧を微小変化させ、デジボル6からの電圧の変化情報と
電流の変化情報とから作用電極1のインピーダンスをコ
ンピュータ7で算出し、前記インピーダンスを被測定溶
液8の味の情報とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人間の五感の1
つである味覚を代行できるようにしたセンサを利用し
て、味の中でも非電解質である、辛味、甘味及びカフェ
イン等の苦味を呈する味物質を高感度に検知できるよう
にした味認識装置に関する。なお、水中の毒物等の一部
もここで言う味物質に含まれる。この発明は、また、被
測定溶液中に微量にしか含まれていない環境ホルモン等
の化学物質を高感度に検知できるようにした化学物質検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、味を測定する技術について説明す
る。味を測定する技術としては、例えば特開昭62−1872
52号公報にあるように複数の味覚センサの出力値から測
定対象物における各原味(基本味)成分すなわち選択さ
れた呈味物質の濃度を算出し、各濃度値を人の味覚に合
った各原味の強さを表す値に補正することで味を測定す
るものがある。しかし、前記公報にいう味覚センサとは
各基本味を呈する物質を選択的に検出する化学センサま
たは物理センサであり、具体的には塩味は食塩濃度計
で、酸味は水素イオン指数計で、甘味は測定対象物の液
体の屈折率を利用した糖度計であった。これらのセンサ
は化学物質に選択的であるから例えば塩味の強さを測定
しようとしている食塩濃度計は食塩(NaCl)の濃度
の測定はできるが、塩味を呈する他の物質の濃度は測定
できず、人の味覚に合うように補正するといっても限界
があった。色に例えてこれをいえば、単一の色しか検知
しないセンサを用いてカラーの結果を得ようとするよう
なものであった。
【0003】本願出願人は他と共同して、「味覚センサ
及びその製造方法」について特許出願(特開平3- 54446
号)をし、その明細書及び図面で、疎水性の部分と親水
性の部分とをもつ分子で成る脂質性物質を高分子のマト
リックス内に定着させ、その表面に脂質性分子の親水性
部分が整列するような構造をもつ脂質性分子膜が、アジ
のセンサ、すなわち、人間の味覚に代わりうる味覚セン
サとなることを示した。
【0004】前記脂質性分子膜の膜式図を、化学物の設
計法で使われている表現方法で表わしたものが図16で
ある。脂質性分子のうち円で示した球状部は親水基aす
なわち親水性部位aであり、それから原子配列が長く延
びる炭化水素の鎖構造b(例えばアルキル基)がある。
図ではいずれの場合も2本の鎖が延びて一つの分子を表
わしており、全体で分子群を構成している。この炭化水
素の鎖の部分は、疎水性部位bである。このような脂質
性分子群11が、膜部材12の表面のマトリックス13
(表面の構造、平面的なひろがりをもったミクロな構
造)の中に、一部はマトリックス内部に溶け込ませた形
(例えば図16の11′)で収容されている。その収容
のされ方は、親水性部位が表面に配列するようなものと
なっている。
【0005】この脂質性分子膜を用いて、マルチチャン
ネルの味覚センサとしたものが図17(a),(b)で
ある。本図ではマルチチャンネルのアレイ電極のうち三
つの感応部が示されている。図示の例では、基材21に
0.5mmφの孔を貫通して、それに銀の丸棒を差し込み電
極22とした。脂質性分子膜(以後、脂質膜とも分子膜
ともいう)23は緩衝層24を介して電極22に接触す
るように基材21に張りつけている。
【0006】前記マルチチャンネルの味覚センサを用い
た味の測定系を図18に示す。呈味物質の水溶液を作
り、それを被測定溶液31とし、ビーカーのような容器
32に入れる。被測定溶液中に、前に述べたような、ア
クリル板(基材)上に脂質膜と電極とを配置して作った
味覚センサアレイ33を入れた。使用前に、塩化カリウ
ム 1m mole/l水溶液で電極電位を安定化した。図中、
34a,……34hは各々の脂質膜を黒点で示したもの
である。測定の基準となる電位を発生する電極として参
照電極35を用意し、それを被測定溶液に入れる。味覚
センサアレイ33と参照電極35とは所定の距離を隔て
て設置する。参照電極35の表面には、緩衝層36とし
て、塩化カリウム 100mmole/lを寒天で固化したもの
で覆ってあるから、結局、電極系は銀−塩化銀−脂質膜
−被測定溶液−緩衝層(塩化カリウム 100m mole/l)
−塩化銀−銀という構成となっている。
【0007】脂質膜からの電気信号は、図では8チャン
ネルの信号となり、リード線37a,……,37hによ
ってそれぞれバッファ増幅器39a,……,39hに導
かれる。バッファ増幅器39の各出力は、アナログスイ
ッチ(8チャンネル)40で選択されてA/D変換器4
1に加えられる。参照電極35からの電気信号もリード
線38を介してA/D変換器41に加えられ、膜からの
電位との差をディジタル信号に変換する。このディジタ
ル信号はマイクロコンピュータ42で適当に処理され、
またX−Yレコーダ43で表示される。この例では、8
チャンネルの味覚センサが用いられ、各チャンネルは、
人間の味覚を再現できるような多くの味覚情報を得るた
めに、それぞれ味に対して異なる応答特性を持つ表1に
示す脂質性分子膜で構成されている。
【0008】
【表1】
【0009】前記明細書にいう味覚センサは正に味覚セ
ンサであって、人の味覚器官である舌に近い物理化学的
性質を持ち、呈味物質が異なっても同様な味であれば同
様な出力が得られるし、異なる味に対してもなんらかの
出力がえられる。色に例えてこれをいえば、カラーで検
出できるセンサである。
【0010】この味覚センサを用いて味を測定する方法
として、本願出願人は他と共同して、「アジ検出方法」
(特開平4-064053号)を特許出願した。この発明により
ビール等の食品の銘柄差やロット差等の微細な味の差ま
で識別可能となった。次に、被測定溶液中に微量に含ま
れる物質の検出について説明する。環境ホルモンが食品
中に含まれている可能性や、容器等から溶出している可
能性が指摘されている。しかし、その量が微量であるた
め、現時点では簡易・迅速に環境ホルモンを検出する装
置は無く、検出対象(物質)毎に異なる化学分析方法が
用いられている。前記化学分析方法は、大まかに言え
ば、抽出処理、クリーンアップ処理、分離処理、濃縮処
理、及び同定・定量処理から成り、各処理が検出対象毎
に異なっている。同定処理には一般にGC−MS(ガス
クロマトグラフィー−マススペクトロメトリー)が使用
されるが、GC−MSの設定パラメータも検出対象毎に
異なっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】多種類の脂質膜を用い
た味覚センサは、人の感覚に非常に近く、また、銘柄差
はもちろん、同じ銘柄の工場間差やロット間差などの微
細な味の差まで識別できるようになったものの、非電解
質である、辛味、甘味及びカフェイン等の苦味を呈する
味物質に対する感度については、電解質である塩味、酸
味、旨味に比べ1/10から1/5程度の感度しかな
く、更なる向上が望まれる。また、電極の製造が容易で
あること、測定時に味物質が味覚センサに付着してしま
うこと等で次の測定に影響がないようにするためのリフ
レッシュが容易であることも望まれる。この発明の第1
の目的は、非電解質である、辛味、甘味及びカフェイン
等の苦味を呈する味物質に対する感度が高く、電極の製
造やリフレッシュが容易である味認識装置を提供するこ
とである。そして、被測定溶液中に微量に含まれる化学
物質の検出に関しては、前述のように、検出対象毎に分
析方法が異なり、その分析も複雑な処理を要し、処理に
時間が掛かり、簡易・迅速な検出ができない。この発明
の第2の目的は、被測定溶液中に微量に含まれる化学物
質を簡易・迅速に検出することができる化学物質検出装
置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本願発明者は、脂質膜の表面電位が味の情報検出
に重要であることに着目し、金属等から成る電極に電圧
を印加して、その表面電位をプラス、マイナス、ゼロと
したときのインピーダンスを味の情報とすることとし
た。また、本願発明者は、環境ホルモンのような被測定
溶液中に微量に含まれる化学物質が前記インピーダンス
に基づいて検出可能であることを見出した。
【0013】すなわち、本発明の請求項1の味認識装置
は、被測定溶液の味を測定する味認識装置であって、前
記被測定溶液に浸漬される作用電極と、前記被測定溶液
に浸漬される対極と、前記被測定溶液に浸漬される参照
電極と、前記作用電極と前記参照電極との間の電圧が所
望の電圧となるように前記作用電極と前記対極との間に
電流を供給する電流供給手段とを備え、前記所望の電圧
の値と前記電流の値とから得られる前記作用電極のイン
ピーダンスを前記被測定溶液の味の情報としている。
【0014】請求項2の味認識装置は、前記電流供給手
段が、前記所望の電圧が少なくとも6種類の電圧となる
ように電流を供給する。請求項3の味認識装置は、前記
作用電極が金属または半導体もしくは基板表面に化学修
飾された脂質膜である。
【0015】請求項4の味認識装置は、被測定溶液の味
を測定する味認識装置であって、前記被測定溶液に浸漬
される作用電極と、前記被測定溶液に浸漬される対極
と、前記被測定溶液に浸漬される参照電極と、前記作用
電極と前記参照電極との間の電圧が所望の電圧となるよ
うに前記作用電極と前記対極との間に電流を供給する電
流供給手段と、前記作用電極に光を照射する光照射手段
とを備え、前記作用電極に光を照射したときとしないと
きの前記作用電極と前記参照電極間の電圧の変化値と前
記電流の変化値とから得られる前記作用電極のインピー
ダンスを前記被測定溶液の味の情報としている。請求項
5の味認識装置は、前記電流供給手段が、前記所望の電
圧が少なくとも3種類の電圧となるように電流を供給す
る電流供給手段である。
【0016】請求項6の味認識装置は、被測定溶液の味
を測定する味認識装置であって、前記被測定溶液に浸漬
される作用電極と、前記被測定溶液に浸漬される参照電
極と、前記作用と前記参照電極との間の電圧が所望の電
圧となるように電圧を印加する電圧印加手段と、前記作
用電極のインピーダンスを測定する測定手段とを備え、
前記作用電極のインピーダンスを前記被測定溶液の味の
情報としている。
【0017】請求項7の味認識装置は、前記電圧印加手
段が、前記所望の電圧が少なくとも3種類の電圧となる
ように電圧を印加する。請求項8の味認識装置は、前記
作用電極が金属または半導体もしくは基板表面に化学修
飾された脂質膜である。請求項9の味認識装置は、前記
作用電極が半導体であり、前記測定手段が前記作用電極
に光を照射することで発生する作用電極の電流変化と電
圧変化よりインピーダンスを求めることとしている。
【0018】また、請求項10の化学物質検出装置は、
被測定溶液中の化学物質を検出する化学物質検出装置で
あって、前記被測定溶液に浸漬される作用電極と、前記
被測定溶液に浸漬される対極と、前記被測定溶液に浸漬
される参照電極と、前記作用電極と前記参照電極との間
の電圧が所望の電圧となるように前記作用電極と前記対
極との間に電流を供給する電流供給手段とを備え、前記
所望の電圧の値と前記電流の値とから得られる前記作用
電極のインピーダンスに基づいて前記被測定溶液中の化
学物質を検出している。
【0019】請求項11の化学物質検出装置は、前記電
流供給手段が、前記所望の電圧が少なくとも6種類の電
圧となるように電流を供給する。請求項12の化学物質
検出装置は、前記作用電極が金属または半導体もしくは
基板表面に化学修飾された脂質膜である。
【0020】請求項13の化学物質検出装置は、被測定
溶液中の化学物質を検出する化学物質検出装置であっ
て、前記被測定溶液に浸漬される作用電極と、前記被測
定溶液に浸漬される対極と、前記被測定溶液に浸漬され
る参照電極と、前記作用電極と前記参照電極との間の電
圧が所望の電圧となるように前記作用電極と前記対極と
の間に電流を供給する電流供給手段と、前記作用電極に
光を照射する光照射手段とを備え、前記作用電極に光を
照射したときとしないときの前記作用電極と前記参照電
極間の電圧の変化値と前記電流の変化値とから得られる
前記作用電極のインピーダンスに基づいて前記被測定溶
液中の化学物質を検出している。請求項14の化学物質
検出装置は、前記電流供給手段が、前記所望の電圧が少
なくとも3種類の電圧となるように電流を供給する電流
供給手段である
【0021】請求項15の化学物質検出装置は、被測定
溶液中の化学物質を検出する化学物質検出装置であっ
て、前記被測定溶液に浸漬される作用電極と、前記被測
定溶液に浸漬される参照電極と、前記作用と前記参照電
極との間の電圧が所望の電圧となるように電圧を印加す
る電圧印加手段と、前記作用電極のインピーダンスを測
定する測定手段とを備え、前記作用電極のインピーダン
スに基づいて前記被測定溶液中の化学物質を検出してい
る。
【0022】請求項16の化学物質検出装置は、前記電
圧印加手段が、前記所望の電圧が少なくとも3種類の電
圧となるように電圧を印加する。請求項17の化学物質
検出装置は、前記作用電極が金属または半導体もしくは
基板表面に化学修飾された脂質膜である。請求項18の
化学物質検出装置は、前記作用電極が半導体であり、前
記測定手段が前記作用電極に光を照射することで発生す
る作用電極の電流変化と電圧変化よりインピーダンスを
求めることとしている。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の味認識装置は、基本的に
は、図3に示すように、作用電極(金属、半導体、金属
に化学結合した脂質膜、等)1と参照電極3その電極に
電圧(プラス、マイナス、ゼロ)を印加する手段50と
電極のインピーダンスを測定する手段60とからなる。
【0024】本発明の第1の実施の形態を図1に示す。
電極は作用電極1、対極2と参照電極3の3種類があ
る。ポテンショスタット4により、前記作用電極1と前
記参照電極3との間の電圧が所望の電圧となるように前
記作用電極1と前記対極2との間に電流を供給する。発
振器5により、ポテンショスタット4を制御して前記所
望の電圧を変化させる。その際の、前記所望の電圧の値
と前記電流の値は、デジボル(デジタルボルトメータ)
6またはロックインアンプ6から得る。コンピュータ7
により発振器5を制御し、また、コンピュータ7により
デジボル6またはロックインアンプ6からの電流電圧特
性の情報によりインピーダンスを算出する。前記ポテン
ショスタット4、発振器5、デジボル(または、ロック
インアンプ)6及びパーソナルコンピュータ7が前記電
極に電圧を印加する手段と作用電極のインピーダンスを
測定する手段とを構成している。
【0025】前記作用電極1と前記参照電極3との間の
電圧が所望の電圧となるようにすることで、作用電極1
の表面電位を所望の電位とする。そして、前記作用電極
1と前記参照電極3との間の電圧を所望の電圧の近傍で
微小変化させるように前記作用電極1と前記対極2との
間に供給する電流を制御する。すると、その電流の変化
分と電圧の変化分との関係は、前記作用電極1、参照電
極3、及び対極2が浸漬された被測定溶液8に含まれる
味の種類と味物質の濃度に応じたものとなる。そのよう
にして得られた電流電圧特性からインピーダンスを求め
て味の情報とする。
【0026】前記所望の電圧を変化させて、作用電極1
の表面電位をマイナス、ゼロ、プラスと分極するように
走査し、各ポイント(電圧)毎に前述のようにしてイン
ピーダンスを求めれば、作用電極1の表面電位の状態の
広い範囲にわたって作用電極1と味物質間の相互作用を
調べることができる。
【0027】安定で容易に作製可能な電極として、白金
線、金線、炭素棒、等がある。基板表面に化学修飾した
ものについては後に述べる。作用電極1の構成を図4に
示す。アクリルの板101に直径1から3mmの穴10
2をあけ、電極材料(金属または、炭素棒)103を埋
め込み、アラルダイト等の接着剤104で防水加工がし
てある。この電極材料103から導線105がでてお
り、この導線105が作用電極1の出力端子となる。
【0028】ここで動作原理について補足する。味覚セ
ンサの脂質膜の味物質に対する応答の仕方は膜の表面電
荷がどうであるかに負うところが大きい。ここで、図1
9に脂質膜のプラス電荷とマイナス電荷の各基本味に対
する出力パターンを示す。1から8までの8種類の脂質
膜に対して、5基本味の出力を示す。1から4までは、
マイナスの電荷を持つ膜であり、5から8までは、プラ
スの電荷を持つ膜である。図より、膜の電荷の種類で、
大きく分類できることが分かる。
【0029】そこで、発明者は電極に電圧を印加する事
で、脂質膜と同様な機能を持たせることを考えた。電極
表面にプラスの電荷を持たせることでプラス電荷の脂
質、電極表面をゼロ電位になるように調整することで電
荷を持たない脂質、電極にマイナスの電荷を持たせるこ
とでマイナス電荷の脂質と同様な作用をするものとな
る。この様子を図5に示す。作用電極がマイナスに分極
した状態では陽イオンが電極表面に引き寄せられ、プラ
スに分極した状態では、陰イオンが電極表面に引き寄せ
られ、電極電位がゼロ電荷点付近の中性の状態では、中
性物質が吸着すると考えられる。このように、電極の分
極状態を変化させることで、作用電極と味物質の相互作
用を変化させ、味物質に関する情報量を増加し、味物質
の検出を行う。また、疎水性の脂質膜は、インピーダン
スが重要であり、インピーダンスを測定することで、辛
味、甘味及びカフェイン等の苦味を呈する味物質に対す
る感度を高くすることができる。各種味物質に対するセ
ンサ出力を図6〜図9に示す。味物質の分類は、表2に
示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示した5基本味物質に対して、出力
パターンを図6に示す。図6の横軸は作用電極の電位を
示し、縦軸はインピーダンス変化量を示す。インピーダ
ンス変化量は、被測定溶液に味物質が含まれない場合の
インピーダンスを基準として、味物質が含まれる場合の
インピーダンスとの差を意味している。また、図6中に
示す、5基本味の各味物質の濃度は人の感じる各味の濃
度領域の中程の濃度を各味の代表として選んでいる。前
述のように横軸は作用電極の電位を示し、これは、表面
電位が−0.6mVから+0.45mVまでの多種類
(23ポイントの測定点は23種類に相当)の電極に相
当することを意味している。つまり、この図は従来の多
種類の脂質膜センサの基本味物質毎のパターン図(図1
9)に相当する。前述したように図19では、脂質の電
荷により、各基本味毎に出力パターン(電位)が異なっ
ており、これと同様に、図6より電極電位の極性によっ
て、5基本味の各味毎で、出力パターン(インピーダン
ス変化量)が異なるパターンを示すことが分かる。例え
ば、電極電位が−0.6mVでは、HClとMSGは同
じ出力であるが、電極電位が−0.2mVでは異なって
いる。この出力パターン差から、味を認識しようとする
ものである。また、必ずしも、電極電位はプラス、マイ
ナス、ゼロの3種類が必要な訳でなく、上記に述べた例
でも分かるように、マイナス電位の中でもプラス電位だ
けで異なる特性が得られるので、用途によっては、マイ
ナス電位で2種類とか、ゼロ付近で2種類とか、マイナ
ス電位で2種類とかの電位の組み合わせが考えられる。
また、用途によっては、1点の電位だけを使用すること
も考えられる。
【0032】次に、各5基本味毎に、味物質の濃度に対
するインピーダンス変化のようすを図7、図8、図9に
示す。縦軸、横軸の意味は、図6と同じである。各味物
質の図7では、5基本味の代表的な味物質、また、図
8、図9では、特に非電解質である一部の苦味(カフェ
イン)、甘味(しょ糖、ブドウ糖、果糖)、辛味(カプ
サイシン、ピペリン)に対する濃度特性を示す。味物質
の濃度は、図中に示す。5基本味の各味物質の濃度は人
の感じる各味の濃度領域の濃度を選んでいる。電位によ
り各味物質毎で出力パターン(インピーダンス変化量)
が異なり、また、味物質の濃度が増加するとインピーダ
ンス変化量の絶対値も単調増加することが分かる。これ
より、各味物質に対して、センサの応答する濃度領域と
人の感じる濃度領域が同じであり、センサの出力値が味
の情報であることが分かる。また、5基本味の濃度特性
に対して非電解質(辛み、甘み、苦味)も同じレベル
(数kオームの変化)を示していることが分かる。従来
の脂質膜(膜電位検出)を用いた味認識装置では、前述
のように非電解質の感度は電解質の感度に対して1/1
0から1/5であったが、本発明の味認識装置において
は、同程度になり、非電解味物質に対する感度向上に十
分な効果がある。
【0033】図2は第2の実施の形態を示す構成図であ
る。第1の実施の形態との違いは、作用電極のインピー
ダンスを測定する手段として、光起電力を用いた点であ
る。図2に示すように、電極は作用電極1、対極2と参
照電極3の3種類がある。作用電極1は半導体であり、
ここでは、P型シリコン電極を用いた。ポテンショスタ
ット4により、前記作用電極1と前記参照電極3との間
の電圧が所望の電圧となるように前記作用電極1と前記
対極2との間に電流を供給する。発振器51により、ポ
テンショスタット4を制御して前記所望の電圧を可変と
する。その際の、前記所望の電圧の値と前記電流の値
は、デジボル6またはロックインアンプ6から得る。作
用電極1へ照射する光の光源9として高輝度LED(L
ED:発光ダイオード)を用いた。その高輝度LEDの
オンオフ(交流)の制御を発振器52で行う。光を作用
電極1に照射することで、光起電力が発生し、このとき
の電流電圧特性からインピーダンスを求めることができ
る。コンピュータ7により発振器51を制御し、また、
コンピュータ7によりデジボル6またはロックインアン
プ6からの情報によりインピーダンスを算出する。前記
ポテンショスタット4、発振器51,52、高輝度LE
D9、デジボル(またはロックインアンプ6)及びパー
ソナルコンピュータ7が前記電極に電圧を印加する手段
と電極のインピーダンスを測定する手段とを構成してい
る。
【0034】前記作用電極1と前記参照電極3との間の
電圧が所望の電圧となるようにすることで、作用電極1
の表面電位を所望の電位とする。そして、光の照射をオ
ン・オフする。すると、光を照射したときとしないとき
の電流の変化分と電圧の変化分との関係は、前記作用電
極1、参照電極3、及び対極2が浸漬された被測定溶液
8に含まれる味の種類と味物質の濃度に応じたものとな
る。そのようにして得られた電流電圧特性からインピー
ダンスを求めて味の情報とする。前記所望の電圧を変化
させて、作用電極1の表面電位をマイナス、ゼロ、プラ
スと分極するように走査し、各ポイント(電圧)毎に前
述のようにしてインピーダンスを求めれば、作用電極1
の表面電位の状態の広い範囲にわたって作用電極1と味
物質間の相互作用を調べることができる。
【0035】作用電極がマイナスに分極した状態では陽
イオンが電極表面に引き寄せられ、プラスに分極した状
態では、陰イオンが電極表面に引き寄せられ、電極電位
がゼロ電荷点付近の中性の状態では、中性物質が吸着す
ると考えられる。このように、電極の分極状態を変化さ
せることで、作用電極と味物質の相互作用を変化させ、
味物質に関する情報量を増加し、味物質の検出を行う。
第1の実施の形態と第2の実施の形態の違いについて述
べる。第1の実施の形態では、作用電極のインピーダン
スを求める手段は、電気的に求めるので、出力は被測定
溶液の溶液抵抗を含む。第2の実施の形態では、光起電
力を用いてインピーダンス測定をおこなっているため、
出力には被測定溶液の溶液抵抗は含まれない。
【0036】作用電極は、金属、半導体または基板表面
に化学修飾された脂質膜等が利用でき、特に基板表面に
化学修飾された脂質膜について以下に述べる。その際の
化学修飾の方法として以下の4つが考えられる。
【0037】電極表面に官能基を導入し、これに通常
の有機化学反応を用いて種々のセンサ用の両親媒性物質
または苦味物質を修飾させて製造する。表3に基板電極
となる電極の例を示す。
【0038】
【表3】
【0039】チオール基(SH基)と疎水基を持つ分
子群の該チオール基を、金、白金等の電極上に修飾させ
て製造する。 チオール基(SH基)と疎水基と官能基を持つ分子群
の該チオール基を、金、白金等の電極上に修飾させて製
造する。 チオール基(SH基)と他の官能基の両方を持つ化合
物を用い、該チオールを金、白金等の電極上に修飾さ
せ、上記官能基と味覚センサ用脂質の官能基をそれぞれ
化学結合させて製造する。
【0040】各々のセンサの構成を図10乃至図12に
示す。図13乃至図15はセンサの構成を化学式を用い
て表したものである。特にチオール基(SH基)は、
金、白金と非常に強力に結合する。
【0041】ただし、上記、、の構造では、セン
サの表面に疎水基が配向性良くしっかりと固定されてい
ると考えられる。
【0042】また、上記の構造では、センサの表面に
親水基をむけ、内側に疎水基をむけた両親媒性物質がチ
オール基(SH基)を介して配向性良くしっかりと固定
されていると考えられる。これは、構造的には理想的な
脂質のモノレイヤであり、センサとして特性が非常に優
れている。また、チオール基(SH基)を介して電極に
固定されていて、有機溶剤で洗浄しても剥がれない。
【0043】図14及び図15は実験用に製作したセン
サの模式図(断面図)である。図14は金電極,メルカ
プトスルホン酸,ジオクタデシルメチルアンモニウムブ
ロマイドの構成となっており(以後A膜と呼ぶ)、図1
5は金電極,n−オクタデシルメルカプタンの構成とな
っている(以後B膜と呼ぶ)。
【0044】センサの製作手順を次に示す。電極はφ
1.5mmの金電極をアクリル板に穴をあけ詰め込んだ
ものを用いた。 製作手順 1.電極を蒸留水で洗浄する。 2.電極の表面をエメリー紙(粗さ0.3μm)で研磨
する。 3.電極を蒸留水で洗浄する。 4.手順2.及び3.を3回繰り返す。 5.電極の表面に触らないように注意して表面の水を吸
い取る。 6.電極をエタノールで洗浄する。
【0045】以下の手順はA膜とB膜とでは異なる。ま
ずA膜の手順を示す。 7A. メルカプトスルホン酸をエタノール溶液に100
mM溶かす。これを溶液A1とする。 8A. 溶液A1に電極を12時間漬ける。 9A. ジオクタデシルメチルアンモニウムブロマイドを
エタノール溶液に20mM溶かす。これを溶液A2とす
る。 10A. 溶液A1に電極を12時間漬ける。 11A. 電極をエタノールで洗浄する。
【0046】次にB膜の手順を示す。 7B. n−オクタデシルメルカプタンをエタノール溶液
に1mM溶かす。これを溶液B1とする。 8B. 溶液B1に電極を24時間漬ける。 9B. 電極をエタノールで洗浄する。
【0047】化学物質検出装置の実施の形態について説
明する。構成は味認識装置の第1の実施の形態(図1)
と同様であるのでその説明は省略する。また、作用電極
も同じ物が使用できる。味認識装置の第1の実施の形態
と同様に、作用電極1と参照電極3との間の電圧が所望
の電圧となるようにすることで、作用電極1の表面電位
を所望の電位とする。そして、前記作用電極1と前記参
照電極3との間の電圧を所望の電圧の近傍で微小変化さ
せるように前記作用電極1と前記対極2との間に供給す
る電流を制御する。すると、その電流の変化分と電圧の
変化分との関係は、前記作用電極1、参照電極3、及び
対極2が浸漬された被測定溶液8に含まれる化学物質の
種類と化学物質の濃度に応じたものとなる。そのように
して得られた電流電圧特性からインピーダンスを求めて
化学物質の情報とする。
【0048】前記所望の電圧を変化させて、作用電極1
の表面電位をマイナス、ゼロ、プラスと分極するように
走査し、各ポイント(電圧)毎に前述のようにしてイン
ピーダンスを求めれば、作用電極1の表面電位の状態の
広い範囲にわたって作用電極1と化学物質間の相互作用
を調べることができる。事前に、検出したい物質に対す
る応答パターンをデータベースとして取っておき、未知
のサンプルに対する応答パターンとの類似性から、未知
のサンプル中にどの物質が含まれているか推定する。こ
れは、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィ
ーの分析方法と基本的には同じである。違いは検出方法
であり、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフ
ィーは、物質の拡散スピードの違いの観点でのパターン
認識であり、本発明の装置は、イオン濃度変化と電極へ
の吸着現象といった電極との相互作用といった観点での
パターン認識(スペクトル分析)である。
【0049】この実施の形態の化学物質検出装置を用い
て、ビスフェノールA(略称:BPA)の検出を行っ
た。ビスフェノールAは内分泌攪乱作用が疑われている
物質である。被測定溶液は、1mM塩化カリウム(KC
l)溶液をベースとし、それにビスフェノールAを添加
した。図20に検出結果を示す。図の横軸は、参照電極
に対して作用電極に印加された電圧(スイープ電圧)を
示す。また、縦軸は、ビスフェノールAが無添加の1m
MKCl溶液に対する直流抵抗を基準として、ビスフェ
ノールAを添加していった際の直流抵抗の変化分を示
す。エラーバーは、5回測定した際の測定誤差(標準偏
差)を示す。
【0050】図より、ビスフェノールAは、1μMつま
り228ppbからは、測定誤差に対して十分な出力
(直流抵抗変化)が得られていることが分かる。また、
ビスフェノールAの場合、スイープ電圧を振った場合の
抵抗変化の応答パターン(スペクトル)は、該スイープ
電圧がマイナスの領域で高く反応する応答パターン(ス
ペクトル)であることが特徴である。これは、ベンゼン
環などの疎水部分を持つ物質の傾向である。環境ホルモ
ンには、ベンゼン環を持つものが多く、これらの環境ホ
ルモンの検知の可能性が大きい。
【0051】味認識装置の第2の実施の形態(図2)も
第1の実施の形態と同様、化学物質検出装置として用い
ることができる。
【0052】
【発明の効果】この発明の味認識装置は、被測定溶液に
浸漬される作用電極と、被測定溶液に浸漬される参照電
極と、前記作用電極と参照電極との間の電圧が所望の電
圧となるように電圧を印加する電圧印加手段と、前記作
用電極のインピーダンスを測定する測定手段とを備え、
前記作用電極のインピーダンスを前記被測定溶液の味の
情報とすることとしたから、辛味、甘味及びカフェイン
等の苦味を呈する味物質に対する感度を高くすることが
でき、また、電極の製造やリフレッシュが容易な電極を
使用できるようになった。
【0053】そして、この発明の化学物質検出装置は、
被測定溶液に浸漬される作用電極と、被測定溶液に浸漬
される参照電極と、前記作用電極と参照電極との間の電
圧が所望の電圧となるように電圧を印加する電圧印加手
段と、前記作用電極のインピーダンスを測定する測定手
段とを備え、前記作用電極のインピーダンスに基づいて
前記被測定溶液中の化学物質を検出することとしたか
ら、被測定溶液中に微量に含まれる化学物質を簡易・迅
速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図3】本発明の基本構成を示す図である。
【図4】本発明に用いる作用電極の一例を示す構成図で
ある。
【図5】本発明の味認識装置の作用電極での様子を説明
するための図である。
【図6】5基本味の応答パターンを示す図である。
【図7】基本味物質に対する応答パターンを示す図であ
る。
【図8】基本味物質に対する応答パターンを示す図であ
る。
【図9】基本味物質に対する応答パターンを示す図であ
る。
【図10】基板電極に化学修飾された脂質膜の断面の模
式図である。
【図11】基板電極に化学修飾された脂質膜の断面の模
式図である。
【図12】基板電極に化学修飾された脂質膜の断面の模
式図である。
【図13】基板電極に化学修飾された脂質膜を化学式で
表した断面の模式図である。
【図14】基板電極に化学修飾された脂質膜を化学式で
表した断面の模式図である。
【図15】基板電極に化学修飾された脂質膜を化学式で
表した断面の模式図である。
【図16】脂質膜を化学物の設計法で使われている表現
方法で表した模式図である。
【図17】味覚センサの模式図であり、(a) は正面図、
(b) は断面図である。
【図18】アジの測定系を示す図である。
【図19】従来装置における脂質膜の各基本味に対する
出力パターンを示す図である。
【図20】本発明の化学物質検出装置で測定した、ビス
フェノールAに対する応答パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 作用電極 2 対極 3 参照電極 4 ポテンショスタット 5 発振器 6 デジボル(ロックインアンプ) 7 コンピュータ 8 被測定溶液 9 光源 10 脂質膜 11 脂質性分子群 11’脂質性分子群 12 膜部材 13 マトリックス 21 基材 22 電極 23 脂質膜 24 緩衝層 25 リード線 26 半田付け 31 被測定溶液 32 容器 33 味覚センサアレイ 34 各々の脂質膜(黒点で示す) 35 参照電極 36 緩衝層 37 リード線 38 リード線 39 バッファ増幅器 40 アナログスイッチ 41 A/D変換器 42 マイクロコンピュータ 43 X−Yレコーダ 50 電圧を印加する手段 51 発振器 52 発振器 60 インピーダンスを測定する手段 61 電圧計 62 電流計 91 定電流源 101 アクリルの板 102 穴 103 電極材料 104 接着剤 105 導線

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定溶液の味を測定する味認識装置で
    あって、 前記被測定溶液に浸漬される作用電極(1)と、前記被
    測定溶液に浸漬される対極(2)と、前記被測定溶液に
    浸漬される参照電極(3)と、前記作用電極と前記参照
    電極との間の電圧が所望の電圧となるように前記作用電
    極と前記対極との間に電流を供給する電流供給手段
    (4,5)とを備え、前記所望の電圧の値と前記電流の
    値とから得られる前記作用電極のインピーダンスを前記
    被測定溶液の味の情報とすることを特徴とする味認識装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電流供給手段が、前記所望の電圧が
    少なくとも6種類の電圧となるように電流を供給する電
    流供給手段であることを特徴とする請求項1に記載の味
    認識装置。
  3. 【請求項3】 前記作用電極が金属または半導体もしく
    は基板表面に化学修飾された脂質膜であることを特徴と
    する請求項1に記載の味認識装置。
  4. 【請求項4】 被測定溶液の味を測定する味認識装置で
    あって、 前記被測定溶液に浸漬される作用電極(1)と、前記被
    測定溶液に浸漬される対極(2)と、前記被測定溶液に
    浸漬される参照電極(3)と、前記作用電極と前記参照
    電極との間の電圧が所望の電圧となるように前記作用電
    極と前記対極との間に電流を供給する電流供給手段
    (4,5)と、前記作用電極に光を照射する光照射手段
    (9,91)とを備え、前記作用電極に光を照射したと
    きとしないときの前記作用電極と前記参照電極間の電圧
    の変化値と前記電流の変化値とから得られる前記作用電
    極のインピーダンスを前記被測定溶液の味の情報とする
    味認識装置。
  5. 【請求項5】 前記電流供給手段が、前記所望の電圧が
    少なくとも3種類の電圧となるように電流を供給する電
    流供給手段であることを特徴とする請求項4に記載の味
    認識装置。
  6. 【請求項6】 被測定溶液の味を測定する味認識装置で
    あって、 前記被測定溶液に浸漬される作用電極(1)と、前記被
    測定溶液に浸漬される参照電極(3)と、前記作用と前
    記参照電極との間の電圧が所望の電圧となるように電圧
    を印加する電圧印加手段(50)と、前記作用電極のイ
    ンピーダンスを測定する測定手段(60)とを備え、前
    記作用電極のインピーダンスを前記被測定溶液の味の情
    報とする味認識装置。
  7. 【請求項7】 前記電圧印加手段が、前記所望の電圧が
    少なくとも3種類の電圧となるように電圧を印加する電
    圧印加手段であることを特徴とする請求項6に記載の味
    認識装置。
  8. 【請求項8】 前記作用電極が金属または半導体もしく
    は基板表面に化学修飾された脂質膜であることを特徴と
    する請求項6に記載の味認識装置。
  9. 【請求項9】 前記作用電極が半導体であり、前記測定
    手段が前記作用電極に光を照射することで発生する作用
    電極の電流変化と電圧変化よりインピーダンスを求める
    ことを特徴とする請求項6に記載の味認識装置。
  10. 【請求項10】 被測定溶液中の化学物質を検出する化
    学物質検出装置であって、 前記被測定溶液に浸漬される作用電極(1)と、前記被
    測定溶液に浸漬される対極(2)と、前記被測定溶液に
    浸漬される参照電極(3)と、前記作用電極と前記参照
    電極との間の電圧が所望の電圧となるように前記作用電
    極と前記対極との間に電流を供給する電流供給手段
    (4,5)とを備え、前記所望の電圧の値と前記電流の
    値とから得られる前記作用電極のインピーダンスに基づ
    いて前記被測定溶液中の化学物質を検出する化学物質検
    出装置。
  11. 【請求項11】 前記電流供給手段が、前記所望の電圧
    が少なくとも6種類の電圧となるように電流を供給する
    電流供給手段であることを特徴とする請求項10に記載
    の化学物質検出装置。
  12. 【請求項12】 前記作用電極が金属または半導体もし
    くは基板表面に化学修飾された脂質膜であることを特徴
    とする請求項10に記載の化学物質検出装置。
  13. 【請求項13】 被測定溶液中の化学物質を検出する化
    学物質検出装置であって、 前記被測定溶液に浸漬される作用電極(1)と、前記被
    測定溶液に浸漬される対極(2)と、前記被測定溶液に
    浸漬される参照電極(3)と、前記作用電極と前記参照
    電極との間の電圧が所望の電圧となるように前記作用電
    極と前記対極との間に電流を供給する電流供給手段
    (4,5)と、前記作用電極に光を照射する光照射手段
    (9,91)とを備え、前記作用電極に光を照射したと
    きとしないときの前記作用電極と前記参照電極間の電圧
    の変化値と前記電流の変化値とから得られる前記作用電
    極のインピーダンスに基づいて前記被測定溶液中の化学
    物質を検出する化学物質検出装置。
  14. 【請求項14】 前記電流供給手段が、前記所望の電圧
    が少なくとも3種類の電圧となるように電流を供給する
    電流供給手段であることを特徴とする請求項13に記載
    の化学物質検出装置。
  15. 【請求項15】 被測定溶液中の化学物質を検出する化
    学物質検出装置であって、 前記被測定溶液に浸漬される作用電極(1)と、前記被
    測定溶液に浸漬される参照電極(3)と、前記作用と前
    記参照電極との間の電圧が所望の電圧となるように電圧
    を印加する電圧印加手段(50)と、前記作用電極のイ
    ンピーダンスを測定する測定手段(60)とを備え、前
    記作用電極のインピーダンスに基づいて前記被測定溶液
    中の化学物質を検出する化学物質検出装置。
  16. 【請求項16】 前記電圧印加手段が、前記所望の電圧
    が少なくとも3種類の電圧となるように電圧を印加する
    電圧印加手段であることを特徴とする請求項15に記載
    の化学物質検出装置。
  17. 【請求項17】 前記作用電極が金属または半導体もし
    くは基板表面に化学修飾された脂質膜であることを特徴
    とする請求項15に記載の化学物質検出装置。
  18. 【請求項18】 前記作用電極が半導体であり、前記測
    定手段が前記作用電極に光を照射することで発生する作
    用電極の電流変化と電圧変化よりインピーダンスを求め
    ることを特徴とする請求項15に記載の化学物質検出装
    置。
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