JP2000169207A - レオロジー改質剤及び改質方法 - Google Patents

レオロジー改質剤及び改質方法

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JP2000169207A
JP2000169207A JP34155598A JP34155598A JP2000169207A JP 2000169207 A JP2000169207 A JP 2000169207A JP 34155598 A JP34155598 A JP 34155598A JP 34155598 A JP34155598 A JP 34155598A JP 2000169207 A JP2000169207 A JP 2000169207A
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rheology modifier
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Satoshi Hanzawa
敏 半澤
Hitoshi Kakiya
均 柿谷
Masatake Oe
正剛 大江
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定供給に問題がなく、また物性の面からも満
足しうるレオロジー改質剤が求められていた。またセメ
ント混練物を含めより広範な用途に対応するために、よ
り溶解性の高いレオロジー改質剤が求められていた。 【解決手段】マンノース、アロース、ガラクトース、グ
ルコース及びグルクロン酸を構成糖として含む多糖類か
らなるレオロジー改質剤、及びこのようなレオロジー改
質剤を水性組成物と接触させて水性組成物のレオロジー
を改質する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なレオロジー改
質剤に関し、また水組成物のレオロジーの改質方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、水溶液あるいは
水懸濁液の状態で利用される多くの工業製品には、その
物性を改善する目的で様々な種類の添加剤が用いられて
きた。例えばコンクリートに代表されるセメント混練物
には、流動性を向上させるため、材料の分離を低減させ
るため、強度を増強させるため、あるいは耐久性を増加
させるため、界面活性作用をもつ各種の化合物が添加さ
れている。このような添加物は一般的に化学混和剤と呼
ばれており、様々な化学構造のものが開発されている。
それらの中でも水溶性高分子化合物(ナフタレンスルホ
ン酸系、メラミン樹脂スルホン酸系、アルキルベンゼン
スルホン酸系、ポリカルボン酸系、リグニンスルホン酸
系、多糖系など)は、高分子効果により少ない量でも混
練物の物性を変化させるため、化学混和剤は低分子化合
物から高分子化合物へと代替が進んでいる。近年、高性
能の高分子混和剤が注目され、結果として高度構造物用
コンクリートの流動性確保に適した多糖系混和剤が商品
化されるなどの成果が報告されている。しかしながらこ
の混和剤は高価であり、また水中不分離コンクリートに
適した混和剤が見出されていないなど、化学混和剤には
課題が多く残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セメント混練物の混和
剤の場合、従来の化学混和剤とは異なった特性を与える
ものとして、化学的な多様性が大きい多糖系のものが近
年注目されている。例えばセルロースを基材としたメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
や、植物の種子から得られる多糖の一種であるグアーガ
ムを基材としたヒドロキシエチル化グアーガム、ヒドロ
キシプロピル化グアーガムなどがよく知られている。こ
れら植物由来の多糖の場合は、気候の変動等による生産
量の変動のため安定供給に問題があり、また物性の面か
らも、原料の多糖そのものでは満足できるものではな
く、メチル化、カルボキシメチル化等の化学的な前処理
が必要であるという問題点があった。一方、微生物の産
生する多糖類が培養技術、育種技術の進歩により実用的
な価値が向上してきており、カードランなど一部のもの
が既に実用化されている。しかしながら、カードランは
アルカリ性の水には良く溶解するものの中性から酸性の
水には溶けず、セメント混練物だけでなく広範な用途に
対応するためにより溶解性の高いレオロジー改質剤が求
められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の様
な課題を解決するために、鋭意検討を行ったところ、メ
チロフィルス(Methylophilus)属細菌A
TCC31504株の培養液中に生産されるウロン酸含
有多糖成分を、プルランなどの多糖類の水溶液に少量添
加すると、その流動性、特に疎水表面上での流動性が向
上し、さらにはセメント混練物に加えると、系のレオロ
ジーに大きな影響を与え、特に材料不分離効果に優れた
性能を示す事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明はマンノース、アロース、ガラ
クトース、グルコース及びグルクロン酸を構成糖として
含む多糖類からなることを特徴とするレオロジー改質剤
である。また本発明は、このようなレオロジー改質剤を
水性組成物と接触させる事を特徴とする、水性組成物レ
オロジー改質方法である。さらに本発明は、そのような
レオロジー改質方法によって改質された水性組成物であ
る。以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0007】本発明におけるレオロジーの改質とは、水
性組成物のレオロジー特性を改変させることをいい、例
えばコンクリート混錬物等の流動性を向上させる、材料
の分離を低減させる、強度を増強させる、あるいは耐久
性を増加させることを意味する。
【0008】本発明のレオロジー改質剤は多糖類からな
り、その多糖類はマンノース、アロース、ガラクトー
ス、グルコース及びグルクロン酸を構成糖として含むも
のである。さらに多糖を構成する単糖のモル比はマンノ
ース1に対してアロース、ガラクトース、グルコース、
グルクロン酸がそれぞれ0.8〜1.5、5.0〜1
0.0、1.0〜5.0、0.5〜2.0であることが
好ましい。またこの多糖は、ゲル濾過による測定で平均
分子量50万以上のものが好ましい。このような多糖類
として、例えば微生物が産生する多糖類があげられる。
【0009】このような微生物としては、本発明で用い
られる多糖を生産できるものであれば特にその属、種に
ついては限定されることはないが、その培養が容易であ
り、また栄養源として安価な材料により生育できる点か
ら、メチロフィルス属、メチロボラス属、メチロバクテ
リウム属などのメタノール資化性細菌が好ましく用いら
れる。さらにこれらの菌のうち、多糖、特にグルクロン
酸を含む高分子量の多糖を大量に生産することから、メ
チロフィルス属細菌ATCC31504株が好ましく用
いられる。この細菌は培養が容易であり、大量に培養し
て多糖類を製造するのに適した性質を備えている。すな
わちメタノールを唯一の炭素源とした無機塩類のみより
なる培地で良好に生育し、培養物自体或いは低級アルコ
ール類によって沈殿、濃縮しうる画分に大量のウロン酸
含有多糖類を生産する。
【0010】メチロフィルス属細菌ATCC31504
株は土壌中より分離されて、かつてシュードモナス・ビ
スコゲナ(Pseudomonas viscogen
a)TS−1004株と命名され(特開昭53−118
58)、工業技術院生物工業技術研究所に微工研菌寄第
3811号として寄託されたものであるが、本発明者ら
によって再同定されメチロフィルス(Methylop
hilus)属ATCC31504株と改名された。本
菌株はまたATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー
・コレクション)にATCC31504として寄託され
ており、このATCC31504株は住商ファーマ イ
ンターナショナル株式会社を通じてATCCより入手す
ることができるものである。
【0011】本菌株はグルクロン酸を含む高分子量の多
糖を大量に生産することが報告されていたが(特開昭5
5−75401)、この多糖の工業的用途は不明であっ
た。本発明者らは、この多糖にレオロジー改質効果があ
ることを突き止め、本発明の完成に至った。さらに、こ
の菌株は培養が簡単であり、大量に培養して食品改質剤
を製造するのに適した性質を備えている。すなわち、メ
タノールを唯一の炭素源とした無機塩類のみよりなる培
地で良好に生育し、培養物自体或いは低級アルコール類
によって沈殿、濃縮しうる画分に強力な改質活性を有す
る。この菌株の生産する多糖類はPS−1004と呼ば
れ、その構成する多糖としてマンノース、アロース、ガ
ラクトース、グルコース及びグルクロン酸を含み、さら
に多糖を構成する単糖のモル比はマンノース1に対して
アロース、ガラクトース、グルコース、グルクロン酸が
それぞれ0.8〜1.5、5.0〜10.0、1.0〜
5.0、0.5〜2.0であることが知られている。ま
た、この多糖は平均分子量として50万以上の分子量を
有している。
【0012】微生物の培養方法については通常微生物の
培養に用いられる培地でよいが、培地に含まれる微生物
の生育に必要な炭素源としてはメタノールが好ましく用
いられ、その濃度は約0.1〜5容量%、より好ましく
は約0.5〜1.5容量%である。また、窒素源として
はアンモニウム塩が好ましく用いられ、特にpH緩衝能
やリン分の補給の点からリン酸アンモニウムが好まし
い。培養が進行すると培地のpHが低下するため、アル
カリを滴下してpH6〜8、より好ましくは6.5〜
7.5の範囲となるように調整して培養を行うことが好
ましい。この際使用されるアルカリとしては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン化合物
など任意のものが使用できるが細胞増殖のための窒素源
を補給する面からアンモニアが好ましく用いられる。
【0013】培地にはビタミン類などの補給のため酵母
エキスを添加してもよい。また、炭素源のメタノールも
細胞増殖につれて徐々に減少していくので順次追加して
いく必要があるが、この際にアンモニアとメタノールの
混合液を追加することもできる。追加の方法としては一
定量ずつ断続的に追加する方法、連続的に追加する方法
などあらゆる方法を採用することができる。また培養温
度としては、細胞の増殖速度の面から通常0〜50℃で
行うが、より好ましくは25〜35℃付近である。培養
に当たっては攪拌培養、静置培養のいずれも採用でき、
また通気培養、密閉培養のいずれでもよいが、微生物の
増殖を早めるために、通気下で攪拌培養することが好ま
しい。
【0014】このようにして培養した培養液から多糖が
回収されるが、回収に先立って微生物を遠心分離などの
操作で培養液から予め除去しておくこともできる。多糖
の回収には、セチルピリジニウム塩酸、セチルトリブチ
ル臭酸等の4級アミンを利用する方法やメタノール、イ
ソプロパノール等の低級アルコールを添加する方法が利
用でき、より高純度の製品を得るには前者の方法が、よ
り迅速に標品を得るためには後者の方法が好ましく用い
られ、また、これら両方法を併用することもでき、その
順序はどちらが先でもよい。この方法で回収された多糖
は公知の方法により乾燥した粉末として、或いは再度水
に溶解して水溶液として利用される。
【0015】本発明のレオロジー改質剤として、上述の
微生物が生産する多糖を主成分とする場合は、多糖を生
産した微生物の培養液をそのまま或いは多糖を精製した
ものが用いられる。特に改質剤を少量で用いる場合には
精製物を用いることにより改質剤中の多糖の濃度を高め
ることができ、効果的である。また改質剤中には、多糖
類以外の他の成分として、微生物の培養液成分が含まれ
ていてもよく、さらに改質剤としてその効果を高めるた
めに種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、
改質剤の剤型を保つためまたは多糖が分解等によりその
効果を減じてしまうことを防ぐために安定化剤を用いた
り、実際の使用を容易にするために水等の液体を用いる
こともできる。さらに本発明の改質剤と先に挙げた従来
の水溶性高分子のいずれかとを併用して、相乗効果によ
り本発明の改質剤の効果を高める事もできる。併用され
る水溶性高分子の種類や添加量は、その用途に応じて適
宜決めればよい。また、本発明の改質剤の剤型としては
液状、或いは固形状のいずれでもよい。
【0016】本発明による改質剤を水性組成物と接触さ
せることにより、水性組成物のレオロジーを改質させる
ことができる。水性組成物としては特に限定されるもの
ではなく、たとえば水溶液または水性懸濁液の状態で利
用されるものがあげられる。この際、水性組成物には種
々の成分を含有させて様々な性能を付与することができ
る。
【0017】本発明の改質剤は任意の濃度で使用できる
が、水性組成物に対して好ましくは0.01−10.0
%、更に好ましくは0.1−5.0%で使用できる。本
発明の改質剤と水性組成物との接触のさせ方には特に限
定はなく、混和、震とう、攪拌など両者が十分に接触で
きる方法が好ましい。また両者を一度に全量接触させて
もよいが、両者を少量ずつ徐々に加える方法や、一方を
他方へ徐々に加えるなどあらゆる形態で行うことができ
る。両者を接触させる条件については、温度、時間など
も考慮する必要があるが、用いられる改質剤、水性組成
物に応じて適宜適した条件で行えばよい。
【0018】本発明の改質剤は、特にセメント混練物の
レオロジー改質に有効である。例えば流動性の向上、材
料の分離低減による成形性の向上、強度の向上、耐久性
の向上などがあげられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以
下に使用されたPS−1004は、前述のようにメチロ
フィルス(Methylophilus)属ATCC3
1504株を培養し、その培養液に低級アルコールを添
加することにより回収・精製されたものである。
【0020】<実施例1>プルラン水溶液の流動性の改
善 プルランの1重量%の水溶液にPS−1004を0.2
重量%になるように添加し、さらにこの1mlを水平に
保ったポリエチレンシート(10cm四方)の表面上に
滴下した。この液滴を深さ2mmの螺旋状の溝が彫られ
た太さ1cmの棒で延ばしたところ、シート表面に展延
せしめる事ができた。このシートを乾燥させて膜を剥離
させたところ、透明でしなやかな薄膜を回収する事がで
きた。
【0021】また、上記の水溶液をポリエチレンシート
上に一滴滴下し、表面との接触角を測定したところ、そ
の接触角は約79°であった。
【0022】<比較例1>PS−1004を添加しなか
った事を除き、実施例1と同様にプルラン水溶液をポリ
エチレン製シートの表面に展延を試みたが、幾つかの水
滴に分離してしまい、シートの表面に展延する事はでき
なかった。またこれを乾燥しても、当然の事ながら、薄
膜を回収する事は出来なかった。また、実施例1と同様
に接触角を測定すると約87°であった。この接触角は
実施例1に比べて10°近く大きく、PS−1004を
添加した場合に比べて水溶液のポリエチレン表面への親
和性が低いことが示された。すなわち、実施例1と比較
例1より、PS−1004を添加するとプルラン水溶液
とポリエチレンとの親和性が向上してポリエチレン表面
上での流動性が改善し、薄膜形成が可能となる事が示さ
れた。
【0023】<実施例2>モルタルのフロー値に与える
影響
【0024】
【表1】
【0025】*秩父小野田社製 普通ポルトランドセメ
ント** JIS R 5201付属書2に規定されるISO基
準砂 表1のような配合(単位:g)のモルタルを調製し、J
IS R 5201に規定されている機械練混機を用い
て練混ぜた。即ちまず所定量の水、セメントおよびPS
−1004を加えて低速で30秒練混ぜ、これに所定量
の砂を30秒間で投入し、引き続き30秒間練混ぜた。
練混ぜを休止し、休止の最初の15秒間にかき落しを行
なった。休止90秒経過後、高速で60秒間練混ぜた。
この試料をさじで10回かき混ぜた後、以下の試験に供
した。
【0026】練混ぜたモルタルを、よく乾燥させたフロ
ーテーブルの中央に正しく置いたフローコーンに2層に
詰めた。各層の充填後に突き棒で層の中央まで15回突
き、最後に表層面低下によるモルタル不足分を補い表面
を平滑にした。直ちにフローコーンを上方に抜き、モル
タルが広がった後の径を測定し、これを静置フローとし
た。また、静置フロー測定後、15秒間に15回の落下
運動(落高25mm)を与え、モルタルが広がった後の
径を測定し、これを振動フローとした。なお、モルタル
の径の測定は、径が最大と認められる方向とこれに直角
な方向を測定し、その平均値とした。試験結果を表2に
示す。
【0027】
【表2】
【0028】この結果から低い濃度の添加で大きな増粘
作用が現れることと静置フローと振動フローの差が大き
くなる傾向のあることが明らかになった。
【0029】<実施例3>ブリーディングの低減 モルタルの材料分離の程度は水の分離(ブリーディン
グ)量がひとつの指標となる。実施例1で調製したモル
タルを200mlのメスシリンダーに充填後の容積が約
190mlになるように数回振動を与えて充填した。ブ
リーディング水の蒸発を防止するため、モルタル充填直
後、モルタルの上面に鉱油を加えた。この時点を開始時
間として、開始から1時間、3時間、5時間、8時間お
よび24時間経過後のブリーディング量を0.5mlま
で読み取って測定値とした。なお、表3の配合No.1
〜4は表1,2と同じであり、PS−1004の対セメ
ント比はそれぞれ0,0.1,0.3,1.0%であ
る。
【0030】
【表3】
【0031】ただし、充填モルタル中の水量=(充填モ
ルタルの重量/練混ぜ材料の総重量)×1バッチの練混
ぜ水量(315) 単位容積重量=充填モルタルの重量/充填モルタルの容
積 ブリーディング率=(ブリーディング量/充填モルタル
中の水量)×100 表3に示されたように、多糖PS−1004はセメント
に対して重量比0.1%以上添加することにより顕著な
ブリーディング低下をもたらした。これはブリーディン
グによって生じる材料の強度低下を防ぐ目的で好まし
い。また、ブリーディングの低下はモルタル中の各材料
の分離が低下したことの指標でもあり、混練物の安定性
を確保する目的でも好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、プルランなどの高分子
化合物の水溶液の疎水表面上での流動性を向上させ、そ
れらよりなる薄膜を容易に回収する事が可能となる。ま
た本発明の改質剤は多糖類よりなり高い生分解性を有す
ので、既存の界面活性剤、例えばドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)などとは異なり、環境調和型のレオロジー
改質剤として有用である。また、本多糖をセメント混錬
物に用いた場合は、極めて少量の添加によりその流動性
を向上せしめ、かつ水分のブリーディングを抑制する事
により、セメントの成形性を向上させるのみならず強度
低下を防ぐ事が可能である。以上のように本改質剤は種
々の技術分野で有用性の高いレオロジー改質剤である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 111:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンノース、アロース、ガラクトース、グ
    ルコース及びグルクロン酸を構成糖として含む多糖類か
    らなることを特徴とするレオロジー改質剤。
  2. 【請求項2】多糖類の構成糖がマンノース、アロース、
    ガラクトース、グルコース及びグルクロン酸であり、そ
    れぞれのモル比が1:0.8〜1.5:5.0〜10.
    0:1.0〜5.0:0.5〜2.0であり、かつ多糖
    類の平均分子量が50万以上である事を特徴とする請求
    項1に記載のレオロジー改質剤。
  3. 【請求項3】多糖類がメチロフィルス属細菌ATCC3
    1504株が生産する物である事を特徴とする請求項1
    又は2に記載のレオロジー改質剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のレオロジ
    ー改質剤を水性組成物と接触させる事を特徴とする、水
    性組成物のレオロジー改質方法。
  5. 【請求項5】水性組成物がセメント混練物である請求項
    4に記載のレオロジー改質方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載のレオロジー改質方法によ
    って改質された水性組成物。
  7. 【請求項7】水性組成物がセメント混練物である請求項
    6に記載の改質された水性組成物。
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