JP2000165553A - スプリッタ回路 - Google Patents

スプリッタ回路

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JP2000165553A
JP2000165553A JP10337957A JP33795798A JP2000165553A JP 2000165553 A JP2000165553 A JP 2000165553A JP 10337957 A JP10337957 A JP 10337957A JP 33795798 A JP33795798 A JP 33795798A JP 2000165553 A JP2000165553 A JP 2000165553A
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coil
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low
splitter
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JP10337957A
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English (en)
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Junichi Sato
純一 佐藤
Mitsuo Tsunoishi
光夫 角石
Seiji Miyoshi
清司 三好
Yutaka Awata
豊 粟田
Masafusa Sato
正房 佐藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ADSL(Asymmetric Digital Subscriber
Line)通信に関し、特にADSL回線上の高域信号を遮
断し低域の音声帯域信号を通過させるための簡易構成で
ITU規格を十分に満足するPOTS(Plain Old Tele
phone Service )スプリッタ回路を提供する。 【解決手段】 POTSスプリッタ回路は、xDSL
(Digital Subscriber Line )回線上の高域信号を遮断
し、低域の音声帯域信号を通過させる低域通過特性を有
するローパスフィルタ部分と、前記ローパスフィルタ部
分の通過域内における所定周波数の共振特性を有し、そ
の共振特性によって前記通過域特性(挿入損失周波数偏
差特性及びリターンロス特性)を平坦化させる等化器部
分と、で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に電話線と呼
ばれる既設された加入者回線(以下、メタリック回線と
表記する箇所がある)を使って電話と併存しながら高速
データ伝送を行うデジタル加入者線伝送方式(xDS
L:Digital Subscriber Line) 伝送方式に関し、特に、
これに用いられるスプリッタ回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネット等のマルチメディ
ア型サービスが一般家庭を含めて社会全体へ広く普及し
てきている。このようなサービスを安価に提供するた
め、光ケーブル等の伝送媒体を新たに敷設することな
く、既存のメタリック電話回線を利用して高速データ通
信を実現するxDSL技術が注目されている。本明細書
では、上記xDSLの中でもPOTS(Plain Old Tele
phone Service)スプリッタ回路(以下、POTSスプリ
ッタ又はスプリッタ回路と表記する箇所がある)を使用
するものとして、特にユーザ宅からセンタへの上り伝送
速度が16〜640kbps、センタからユーザ宅への下り
伝送速度が1.5〜9MbpsであるADSL(非対称型デ
ィジタル加入者線:Asymmetric DSL)を一例に取り
上げ、これを中心に説明する。なお、ITU−T(国際
電気通信連合電気通信標準化部門)よりG.992.2
として正式勧告されようとしている技術(所謂G.lite)
のように、ユーザ宅内のPOTSスプリッタを省略した
使用形態をとることが可能なADSLも知られている。
【0003】ADSLでは、電話サービスで使用しない
4KHz以上の帯域を高速デジタル信号の伝送に使用
し、一方4KHz以下の帯域を従来通り音声信号の伝送
に使用する。そのため、既設のメタリック電話回線上に
は音声信号と高速デジタル信号とが混在しており、局側
及び加入者側ではPOTSスプリッタを使用してその音
声信号を分離抽出する。
【0004】図1は、ADSL回線におけるPOTSス
プリッタの基本的な配置構成例を示したものである。ま
た、図2には、POTSスプリッタの帯域特性の一例を
示している。図1に示すように、ADSL回線14の局
側にはPOTS−CO(Central Office)スプリッタ1
2が接続され、一方その加入者側にはPOTS−RT
(Remote Terminal )スプリッタ15が接続される。前
記POTS−CO/RTスプリッタ12及び15でそれ
ぞれ分離抽出された音声信号(VOICE Signal) は局側の
交換機11、そして加入者側の既存電話端末17にそれ
ぞれ与えられる。
【0005】図1のZHP−CO/RT回路13及び1
6は、高域側の信号に対するインピーダンス整合及び高
域通過特性を与え、これらを介して高速データ信号であ
るADSL信号( ADSL Signal)が音声信号と同一の回
線14上に転送される。図2には、点線の推奨特性に対
し、実際の回路に要求される実線の4KHz以下の低域
信号を通過させるPOTSスプリッタ12、15、及び
25KHz以上の高域信号を通過させるZHP回路1
3、16のそれぞれの周波数特性を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、PO
TSスプリッタは、既存の音声信号とそれに重畳される
高速データ信号とを厳密に分離して後者からの混信を防
止する必要がある。また、複素終端特性を有するADS
L回線でもそのリターンロス(不整合減衰量)を十分に
確保して準鳴音等の発生を確実に阻止する必要がある。
さらに、図1に示すようにPOTSスプリッタは1つの
ADSL回線の両側で使用されるため、その設置数も多
くそれに見合った適正なコストが要求される。
【0007】そこで本発明の目的は、上記種々の要求等
を満足するPOTSスプリッタを提供することにある。
すなわち、ITUのG.922−1、Annex−E等
で要求される周波数特性(挿入損失/周波数偏差特
性)、阻止減衰量特性及びリターンロス特性等の諸規格
を十分に満足し、それを適当な部品点数から成る回路構
成と製造コストで実現したPOTSスプリッタを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ADS
L信号の高域信号を遮断しその音声帯域信号を通過させ
る低域通過特性を有するローパスフィルタ部分と、前記
ローパスフィルタ部分の通過域内における所定周波数の
共振特性を有し、その共振特性によって前記通過域特性
を平坦化させる等化器部分と、で構成されるPOTSス
プリッタ回路が提供される。
【0009】前記通過域特性は、挿入損失周波数偏差特
性及びリターンロス特性である。また、前記ローパスフ
ィルタ部分は、梯子型LCフイルタから成り、そして前
記等化器部分は、少なくとも1つの抵抗素子を含むLC
R回路から成り、前記梯子型LCフイルタの少なくとも
1つの構成素子に並列又は直列に付加することで複素終
端インピーダンスに対して所定の損失特性とインピーダ
ンス特性を与える。
【0010】より具体的には、前記ローパスフィルタ部
分は、2つのコイルLa、Lb及び2つのコンデンサC
a、Cbから成る4次のローパスフィルタであって、L
a、Ca、Lb、Cbの順で梯子状に接続され、前記等
化器部分は、抵抗Raと、その第1及び第2の端に並列
接続されるコイルLdとコンデンサCdの直列共振回路
と、前記抵抗Raの第2の端にその一方の端が接続され
るコイルLcから成り、前記抵抗Raの第1の端と前記
コイルLcの他方の端が前記コイルLbの両端に並列接
続される。
【0011】さらに、前記スプリッタ回路はバランス型
の回路でも構成され、そのバランス型の回路において前
記コイルLa、Lb、Lc、Ldに相当する各コイル素
子対はそれぞれ対応する1つのトランスTa,Tb,T
c,Tdで置き換えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】図3は、本発明によるPOTSス
プリッタの基本回路構成例を示したものである。なお、
本回路はCO/RTのいずれにも使用可能である。図3
に示すように、本回路の構成はローパスフィルタ部分と
等化器部分とに大きく分けられる。前者はLC梯子型回
路から成り、その構成素子であるコイル(La及びL
b)23及び25とコンデンサ(Ca及びCb)24及
び26とによって4次のローパスフィルタを構成する。
【0013】後者の等化器部分は、コイル(Lc及びL
d)30及び27、コンデンサ(Cd)28、そして抵
抗(Ra)29の各構成素子から成り、前記4次のロー
パスフィルタのコイル(Lb)25の両端に並列に挿入
される。前記等化器部分のインピーダンスは周波数に依
存するが、この部分のインピーダンスは比較的高い値を
保持している。従って、前記基本となるローパスフィル
タ部分の低域通過特性を大きく損なうものではなく、通
過域における挿入損失周波数偏差及びリターンロス特性
の平坦化を実現するために部分的に変化される。
【0014】図4から図6には、上述した図3の各回路
構成部分の動作説明図を示している。図4は周波数−挿
入損失/周波数偏差特性の一例を、そして図5はリター
ンロス特性の一例を、そして図6は等化器部分の周波数
−インピーダンス特性の一例をそれぞれ示している。図
4及び図5における実線は、図3において等化器部分を
外した基本ローパスフィルタ部分だけの挿入損失/周波
数偏差特性及びリターンロス特性を示している。
【0015】ここで前記各特性の平坦化のために、図4
の山の部分(a点)及び図5の谷の部分(b点)に図6
のc点に示すような所定の共振周波数(本例では、3〜
4KHzの範囲内に設定)を有する共振特性を図3の等
化器部分によって付加する。前記共振周波数はコイル
(Ld)27及びコンデンサ(Cd)28によって与え
られる。その結果、共振周波数c点近傍で抵抗(Ra)
29が短絡され、基本ローパスフィルタ部分の通過域全
体の損失特性の増大を防ぐと共に特性の平坦化が達成さ
れる。
【0016】図4及び図5における点線は、基本ローパ
スフィルタ部分に等化器部分を付加することで平坦化を
実現した図3の回路全体の挿入損失/周波数偏差特性及
びリターンロス特性を示している。なお、コイル(L
c)30は通過域より高域の周波数において十分な阻止
減衰量を確保するために挿入されている。コイル30が
無い場合には、通過域経過後の回路全体のインピーダン
スが抵抗29の値に収束してしまい、4次のローパスフ
ィルタとしての高域阻止機能を十分に果たすことができ
なくなるからである。
【0017】次に、ローパスフィルタ部分について説明
する。図7には、ローパスフィルタ部分を一般的な4次
のバタワース等のフィルタ定数で設計した場合のリター
ンロス特性の一例を示している。本例では、フィルタの
遮断点を4.5KHzとし、またリターンロスの測定に
ITU(G.922−1 Annex−E等)で規定さ
れた評価回路(ZNL−x,ZHP−x等の終端系に複
素系回路素子を使用する)を使用している。図7に示す
ように、この場合、通過域内(2〜3KHz)でほぼリ
ターンロスが“0dB”に近い値となり明らかに実用性
に欠けるものである。なお、図中の実線は終端が980
Ω系、そして点線は600Ω系でそれぞれ設計した場合
を示している。
【0018】このように、本件では複素系回路素子が終
端系に使用されるが、それに対応する複素回路対応のロ
ーパスフイルタを通常の手段で設計するのは非常に困難
である。そのため、本発明回路における素子定数の決定
においては適応的な最適化手法を用い、結果的に各構成
素子23〜26としてPOTSスプリッタに特有の値を
使用している。同様に、この手法を図3の回路全体に適
用し、ITU規格を満足することを条件に従来の4次の
梯子型LCフイルタ構成によるローパスフィルタ特性を
保ちながら、さらにその通過域特性の平坦化を行うL,
C及びRで構成した等化器の各素子定数を決定してい
る。以下に、図3の回路における発明定数を規定する。
【0019】(1−1)ローパスフィルタ部分の素子に
ついては、 La:34.1mH〜 51.3mH Lb:58.6mH〜 88.0mH Ca:71.7nF〜107.6nF Cb:68.1nF〜102.3nF (2−1)等化器部分の素子については、 Lc:81.6mH〜122.6mH Ld:65.0mH〜 97.6mH Cd:25.7nF〜 38.6nF Ra:778.1Ω〜1167.3Ωの値を有する。
【0020】以上は、全てPOTSスプリッタ回路の基
本形としてのアンバランス型回路について説明してき
た。しかしながら、実際のシステムにてはバランス系の
メタリック線路(ツイストペア線)が使用されており、
これまでの回路及び素子定数を対応するバランス型回路
形及びその素子定数に変換する必要がある。
【0021】図8は、バランス型POTSスプリッタの
基本回路構成の一例を示したものである。図8の回路の
動作原理はこれまに説明したアンバランス型と同じであ
り、ここでは更に説明しない。ここでは、アンバランス
型回路(図3)とバランス型回路(図8)との間の対応
関係を述べるに留める。
【0022】ローパスフィルタ部分の回路素子について
は、アンバランス型のコイル(La)23がバランス型
の2つの対をなすコイル(L1、L2)33、33’に
対応し、以下同様にコイル(Lb)25がコイル(L
3、L4)35、35’に、コンデンサ(Ca)24が
コンデンサ(C1)34に、コンデンサ(Cb)26が
コンデンサ(C2)36にそれぞれ対応する。
【0023】また、等化器部分の回路素子については、
同一回路がバランスラインの両方に配置され、コイル
(Ld)27がコイル(L22、L24)37、37’
に、コイル(Lc)30がコイル(L21、L23)4
0、40’に、コンデンサ(Cd)28がコンデンサ
(C21、C22)38、38’に、抵抗(Ra)29
が抵抗(R21、R22)39、39’にそれぞれ対応
して配置される。
【0024】以下に規定するバランス型の回路素子定数
は、前述したアンバランス型の回路素子定数からの一般
的なバランス変換によって求められる。 (1−2)ローパスフィルタ部分の素子については、 L1,L2 :17.0mH〜 25.6mH L3,L4 :29.3mH〜 44.0mH C1 :71.7nF〜107.6nF C2 :68.1nF〜102.3nF (2−2)等価器部分の素子については、 L21,L23:40.8mH〜 61.3mH L22,L24:32.5mH〜 48.8mH C21,C22:51.4nF〜 77.2nF R21,R22:389.0Ω〜583.6Ωの値を有
する。
【0025】図9は、図8のバランス型POTSスプリ
ッタにおいて対をなす2つのコイルを1つのトランスで
置き換えた回路構成例を示したものである。一般にバラ
ンス信号の伝送を行う場合、アンバランスな状態が生じ
た時の動作補正機能を備えたデバイスとして伝送用トラ
ンスが使用される。図9にはその回路例を示しており、
本例では線路L1−I1及びL2−I2の間で上下の対
になっている2つのコイルを1つのトランスに置き換え
ている。その置き換えには以下の組み合わせが考えられ
る。
【0026】・コイル対(L1とL2)33、33’を
トランス(Ta)33”へ置き換える。 ・コイル対(L3とL4)35、35’をトランス(T
b)35”へ置き換える。 ・コイル対(L21とL23)40,40’をトランス
(Tc)40”へ置き換える。 ・コイル対(L22とL24)37、37’をトランス
(Td)37”へ置き換える。
【0027】上記各コイル対のトランスへの置き換えは
任意であるが、図9では全てのコイル対をトランスに置
き換えた回路例を示している。なお、本発明回路で規定
するトランスを使用したバランス型回路のトランス・イ
ンダクタンス定数は、 (1−3)ローパスフィルタ部分のトランスについて
は、 Ta:17.0mH〜25.6mH Tb:29.3mH〜44.0mH (2−3)等化器部分のトランスについては、 Tc:40.8mH〜61.3mH Td:32.5mH〜48.8mHの値を有する。
【0028】この定数は、トランスの一次及び二次イン
ダクタンスとも同一の値であり、トランスの巻線方向は
相互コンダクタンス効果を得るため同相巻きとし、その
結合係数は1.0に近い値である。コイルに代えてトラ
ンスを使用した場合の利点としては、良好なラインバラ
ンスが簡易に達成できる、またトランスの相互コンダク
タンス効果によりコイルの1/2のインダクタンスで済
み、その素子数がコイルの1/2に削減されるのと合間
って回路全体の小型化が可能である、等が上げられる。
【0029】図10〜図12には、図3の回路の一部を
変更した回路例をそれぞれ示している。なお、これらの
回路例も、回路構成の違いこそあれ、本願発明回路の特
徴である4次の梯子型LCローパスフィルタ回路にその
通過域特性を平坦化させるためのR,L,Cで構成した
等化器を付加し、ITUで規定されている規格を満足す
るようにそれらの各構成素子にPOTS−CO/RT特
有の定数を設定している点で、図3の回路の変形態様例
と考えられる。
【0030】図10の回路構成例は、図3の回路に新た
にコンデンサ(Cc)51を付加したものである。複素
インピーダンス素子51を追加することによって複素終
端系とのインピーダンス整合をさらに向上させ、リター
ンロス特性の一層の改善を図っている。これにより、リ
ターンロス特性は0.5dB程度改善される。
【0031】本発明回路にて規定するバランス型の回路
素子定数は、 (1−4)ローパスフィルタ部分の素子については、 La: 33.5mH〜 50.4mH Lb: 57.1mH〜 85.8mH Ca: 71.2nF〜 106.9nF Cb: 65.3nF〜 98.0nF (2−4)等価器部分の素子については、 Lc: 77.1mH〜 115.8mH Ld: 72.4mH〜 108.7mH Cc:720.0nF〜1080.0nF Cd: 22.3nF〜 33.5nF Ra:774.1Ω〜1161.2Ω の値を有する。
【0032】図11の回路構成例は、図3の回路におけ
る4次のローパスフィルタのコイル(Lb)25部分を
2分割し、その一方のコイル(Lc)30’に対して、
抵抗(Ra)29及びコイル(Ld)27とコンデンサ
(Cd)28の直列共振回路を並列接続したものであ
る。図3の回路との対応関係は以下の通りである。
【0033】図3の回路 図11の回路 ・ Lc → Lb ・ Ld,Cd → Ld,Cd ・ Ra+Lb → Ra+Lc
【0034】本発明回路にて規定するバランス型の回路
素子定数は、 (1−5)ローパスフィルタ部分の素子については、 La: 34.9mH〜 52.5mH Lb: 33.7mH〜 50.7mH Lc: 40.4mH〜 60.0mH Ca: 69.8nF〜104.7nF Cb: 65.1nF〜 97.7nF (2−5)等価器部分の素子については、 Lc: 19.1mH〜 28.7mH Cc: 80.8nF〜121.2nF Ra:128.0Ω〜 192.0Ωの値を有する。
【0035】図12の回路構成例は、図3の回路におけ
る等化器部分を等価器(Ra,Lc,Cc)の共振時に
は抵抗(Ra)29のインピーダンスだけが見えるよう
に構成している。従って、最低インピーダンスは抵抗2
9の値であり、インピーダンスの純抵抗化により通過域
特性の平坦化効果を狙ったものである。
【0036】本発明回路にて規定するバランス型の回路
素子定数は、 (1−6)ローパスフィルタ部分の素子については、 La: 33.6mH〜 50.5mH Lb: 50.0mH〜 75.1mH Ca: 74.3nF〜111.5nF Cb: 65.3nF〜 98.1nF (2−6)等価器部分の素子については、 Lc:106.9mH〜160.4mH Cc: 83.9nF〜196.0nF Ra:760.0Ω〜1140.0Ωの値を有する。
【0037】なお、図10〜12の発明回路はアンバラ
ンス形で示してあるが、それらを図3の回路と同様に対
応する図8又は図9に相当するバランス形回路に変換で
きることは明らかである。
【0038】図13〜図18には、図9のトランスを使
った回路構成の幾つかの特性例をその測定系を含めて示
している。なお、ITUにおいて規定されている主要な
規格としては、a)挿入損失/周波数特性偏差、b)リ
ターンロス、及びc)阻止減衰量、等があり、以下それ
らの特性について述べる。
【0039】図13には挿入損失/周波数偏差特性の評
価回路(G.922−1 Annex−E Figs.
E−20,E−21参照)を、そして図14には斜線枠
で示す周波数偏差特性規格と本願回路の測定結果とを示
している。挿入損失はPOTSスプリッタ(図13の P
OTS splitter)を挿入した場合とそうでない時の終端で
検出される電圧の比であり、周波数1KHz時の損失値
で測定される。その算出方法は、先ずPOTSスプリッ
タを挿入してない時のVout1を測定し、次に挿入し
た時のVout2を求めその比即ち、20Log〔Vo
ut1/Vout2〕(dB)の算出式で求める。
【0040】また、周波数特性偏差については、周波数
1KHzでの挿入損失を基準(0dB)として、周波数
を変動させた時の挿入損失との差分(偏差)を求めるも
のである。その算出式は、〔1KHzでの挿入損失(d
B)〕−〔任意周波数での挿入損失(dB)〕である。
【0041】図14に示すように、図9の本願発明回路
はPOTS−COについては、挿入損失(1KHz)は
約0.7dBであって、周波数偏差は負値の最大値が約
0.6dB(0.2KHzの時)、正値の最大値は約
0.5dB(1.5KHzの時)である。同様に、PO
TS−RTについては、挿入損失(1KHz)は約0.
7dBであって、周波数偏差は負値の最大値が約0.6
dB(0.2KHzの時)、正値の最大値は約0.5d
B(1.5KHzの時)である。いずれの場合も、IT
U規格を十分に満足している。
【0042】図15にはリターンロス特性の評価回路
(G.922−1 Annex−EFig.E−23参
照)を、そして図16には斜線枠で示すリターンロス特
性規格と本願回路の測定結果とを示している。リターン
ロス(不整合減衰量)は、POTSスプリッタに対して
終端接続した場合に、そのスプリッタ全体のインピーダ
ンス(図15のZ)と基準インピーダンス(図15のZ
ref)との一致(整合)状態の尺度を測定するもので
ある。
【0043】リターン・ロスは20Log|(Zref
+Z)/(Zref−Z)|で定義される。リターン・
ロスは、0.2〜0.5KHzのSRL−L(single re
turnloss LO) にて13dB以上、0.5〜2.2KH
zのERL(echo return loss)にて13dB以上、
2.2〜3.4KHzのSRL−H(single return lo
ss H1)にて9dB以上の特性が要求されている。
【0044】図16に示すように、図9の本願発明回路
を周波数0.2KHz〜4KHzの範囲内で評価する
と、POTS−COについては、最小値は約15dB前
後であり、本帯域内にてほぼ平坦な特性を示している。
POTS−RTについても、最小値は約14dB前後で
あり、これもPOTS−COと同様に本帯域内でほぼ平
坦な特性を示している。従って、両POTS共に良好な
特性が得られている。
【0045】図17には阻止減衰量特性の評価回路
(G.922−1 Annex−E Figs.E−2
6、E−27参照)を、そして図18には斜線枠で示す
阻止減衰量特性規格と本願回路の測定結果とを示してい
る。本発明回路は基本的にはローパスフィルタであり、
その阻止領域(ADSLBand)における減衰量が規
定されている。その評価は、POTS−CO/RTを挿
入した場合と、そうでない場合との比で与えられる。
【0046】図18に示すように、規定値は25KHz
〜300KHzの範囲で65dB以上、300KHz〜
1104KHzの範囲で55dB以上の減衰特性が要求
されている。図9の本願発明回路の特性は、CO及びR
T用共に25KHz〜1104KHzの範囲にて77d
B以上の減衰特性が確保されており、前記規格を十分満
足するものといえる。
【0047】
【発明の効果】以上、本発明によるPOTSスプリッタ
回路は、ITU規格を十分に満足するものであり、従っ
て非対称デジタル信号に対して音声信号を混信無く抽出
することが可能である。また、リターンロスについても
音声帯域全般に平坦な特性が得られ、且つ15dB前後
の値が得られる。従って、明瞭で非常に高品質な音声回
線の確保が可能になる。さらに、本願回路の構成素子数
も少ないためその小型化が可能となり、コストパフォー
マンスの高いPOTSスプリッタを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ADSL回線におけるPOTSスプリッタの基
本的な配置構成例を示した図である。
【図2】POTSスプリッタの帯域特性の一例を示した
図である。
【図3】本発明によるPOTSスプリッタの基本回路の
構成例を示した図である。
【図4】周波数−挿入損失周波数偏差特性の一例を示し
た図である。
【図5】周波数−リターンロス特性の一例を示した図で
ある。
【図6】周波数−インピーダンス特性の一例を示した図
である。
【図7】4次のバタワースフィルタ定数で設計した場合
のリターンロス特性の一例を示した図である。
【図8】バランス型POTSスプリッタの基本回路構成
の一例を示した図である。
【図9】図8のバランス型POTSスプリッタにおいて
コイルをトランスで置き換えた回路構成例を示した図で
ある。
【図10】図3の回路の別の態様例(1)を示した図で
ある。
【図11】図3の回路の別の態様例(2)を示した図で
ある。
【図12】図3の回路の別の態様例(3)を示した図で
ある。
【図13】挿入損失/周波数偏差特性の評価回路を示し
た図である。
【図14】周波数偏差特性規格と本願回路の測定結果を
示した図である。
【図15】リターンロス特性の評価回路を示した図であ
る。
【図16】リターンロス特性の規格と本願回路の測定結
果とを示した図である。
【図17】阻止減衰量特性の評価回路を示した図であ
る。
【図18】阻止減衰量特性の規格と本願回路の測定結果
とを示した図である。
【符号の説明】
11…局 12…POTS−COスプリッタ 13…ZHP−CO 14…ADSL回線 15…POTS−RTスプリッタ 16…ZHP−RT 23、25、27、30…コイル 24、26、28…コンデンサ 29…抵抗 33”、35”、37”、40”…トランス
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 7/46 H03H 7/46 C (72)発明者 三好 清司 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 粟田 豊 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目3番9 号 富士通ディジタル・テクノロジ株式会 社内 (72)発明者 佐藤 正房 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5J024 AA01 AA04 BA11 BA18 BA19 CA02 CA06 DA01 DA25 EA01 FA03 HA01 KA03 5K101 KK20 LL02 MM01 MM04 NN34 SS04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加入者回線上の高域信号を遮断し、低域
    の音声帯域信号を通過させる低域通過特性を有するロー
    パスフィルタ部分と、 前記ローパスフィルタ部分の通過域内における所定周波
    数の共振特性を有し、その共振特性によって前記通過域
    の特性を平坦化させる等化器部分と、で構成することを
    特徴とするスプリッタ回路。
  2. 【請求項2】 前記通過域特性は、挿入損失/周波数偏
    差特性及びリターンロス特性である請求項1記載のスプ
    リッタ回路。
  3. 【請求項3】 前記ローパスフィルタ部分は、梯子型L
    Cフイルタから成る請求項1記載のスプリッタ回路。
  4. 【請求項4】 前記等化器部分は、少なくとも1つの抵
    抗素子を含むLCR回路から成り、前記梯子型LCフイ
    ルタの少なくとも1つの構成素子に並列又は直列に付加
    されることで複素終端インピーダンスに対して所定の損
    失特性とインピーダンス特性を与える請求項3記載のス
    プリッタ回路。
  5. 【請求項5】 前記ローパスフィルタ部分は、2つのコ
    イルLa、Lb及び2つのコンデンサCa、Cbから成
    る4次のローパスフィルタであって、La、Ca、L
    b、Cbの順で梯子状に接続され、 前記等化器部分は、抵抗Raと、その第1及び第2の端
    に並列接続されるコイルLdとコンデンサCdの直列共
    振回路と、前記抵抗Raの第2の端にその一方の端が接
    続されるコイルLcから成り、前記抵抗Raの第1の端
    と前記コイルLcの他方の端が前記コイルLbの両端に
    並列接続される請求項4記載のスプリッタ回路。
  6. 【請求項6】 前記各素子の値は、下記で規定される請
    求項5記載のスプリッタ回路。 La:34.1mH〜 51.3mH Lb:58.6mH〜 88.0mH Ca:71.7nF〜107.6nF Cb:68.1nF〜102.3nF Lc:81.6mH〜122.6mH Ld:65.0mH〜 97.6mH Cd:25.7nF〜 38.6nF Ra:778.1Ω〜1167.3Ω
  7. 【請求項7】 前記スプリッタ回路をバランス型の回路
    で構成する請求項5記載のスプリッタ回路。
  8. 【請求項8】 前記前記バランス型の回路において、前
    記コイルLa、Lb、Lc、Ldに相当する各コイル素
    子対の少なくとも1つをそれぞれ対応する1つのトラン
    スTa,Tb,Tc,Tdで置き換える請求項7記載の
    スプリッタ回路。
  9. 【請求項9】 前記バランス型の回路において、前記ロ
    ーパスフィルタ部分の前記コイルLaはコイルL1、L
    2に、前記コイルLbはコイルL3、L4に、前記コン
    デンサCaはコンデンサC1に、前記コンデンサCbは
    コンデンサC2にそれぞれ対応し、 前記等化器部分の前記コイルLdはL22、L24に、
    前記コイルLcはコイルL21、L23に、前記コンデ
    ンサCdはコンデンサC21、C22に、前記抵抗Ra
    は抵抗R21、R22にそれぞれ対応し、 前記バランス型の回路素子定数は下記で規定される請求
    項7記載のスプリッタ回路。 L1,L2 :17.0mH〜 25.6mH L3,L4 :29.3mH〜 44.0mH C1 :71.7nF〜107.6nF C2 :68.1nF〜102.3nF L21,L23:40.8mH〜 61.3mH L22,L24:32.5mH〜 48.8mH C21,C22:51.4nF〜 77.2nF R21,R22:389.0Ω〜583.6Ω
  10. 【請求項10】 前記バランス型の回路において、前記
    コイル対コイルL1、L2、コイル対L3、L4、コイ
    ル対L22、L24、コイル対L21、L23の少なく
    とも1つをそれぞれ対応する1つのトランスTa,T
    b,Tc,Tdで置き換え、そのトランスの素子定数は
    下記で規定される請求項9記載のスプリッタ回路。 Ta:17.0mH〜25.6mH Tb:29.3mH〜44.0mH Tc:40.8mH〜61.3mH Td:32.5mH〜48.8mH
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003078378A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Murata Mfg Co Ltd 複合素子
KR20040049136A (ko) * 2002-12-05 2004-06-11 주식회사 이시텔레콤 브이디에스엘 시스템의 스프리터
CN105305651A (zh) * 2014-07-22 2016-02-03 丰田自动车株式会社 送电装置、受电装置以及搭载有受电装置的车辆

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