JP2000162655A - Clbo結晶による和周波光の発生方法 - Google Patents

Clbo結晶による和周波光の発生方法

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JP2000162655A JP10339172A JP33917298A JP2000162655A JP 2000162655 A JP2000162655 A JP 2000162655A JP 10339172 A JP10339172 A JP 10339172A JP 33917298 A JP33917298 A JP 33917298A JP 2000162655 A JP2000162655 A JP 2000162655A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CLBO結晶により193nmの和周波光を
発生させるための実用上の条件を明らかにし、実用上実
現可能なCLBO結晶による和周波光の発生方法を提供
すること。 【解決手段】 波長950nm〜1100nmの第1の
コヒーレント光と、波長200nm〜250nmの第2
のコヒーレント光から、ほぼ193nmの和周波光を発
生させるに際し、CLBO結晶を冷却する。また、第1
のコヒーレント光をNd:YAGレーザ光またはNd:
YVO4 レーザ光とする場合には、結晶の温度を−18
0°C以下とするのが望ましい。さらに、CLBO結晶
の温度を、位相整合する角度がほぼ90度となる温度に
することにより、ノン・クリティカル・フェーズ・マッ
チングとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長193nmの
光を放出するArFエキシマレーザの代替光源として使
用される固体レーザ光源等に用いられるCLBO結晶に
よる193nmの和周波光の発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路等の微細化に伴
い、露光光の波長が短波長化しており、次世代の半導体
リソグラフィー用光源として、波長193nmのArF
エキシマレーザが有力視されている。しかし、上記エキ
シマレーザは、レーザ媒質として腐食性ガスを使用する
ためメンテナスン上の問題があり、実用化する上で解決
しなければならない問題も多い。そこで、ArFエキシ
マレーザの代替光源として使用できる波長がほぼ193
nmの光を放出する固体レーザの開発が検討されてい
る。
【0003】固体レーザを用いて上記ArFエキシマレ
ーザの代替光源を構成するには、Nd:YAGレーザ光
源等が放出するコヒーレント光と、波長可変レーザや光
パラメトリック発振器が放出するコヒーレント光あるい
はその高調波光を、CLBO結晶等の和周波結晶に入射
して、波長がほぼ193nmの和周波光を得る方法が考
えられる。すなわち、波長が950nm〜1100nm
の第1のコヒーレント光と、波長がほぼ200nm〜2
50nmの第2のコヒーレント光(例えば、ほぼ106
4nmの波長の光を放出するNd:YAGレーザ光と、
ほぼ236nmの波長の光を放出する可変波長レーザ
光)をCLBO結晶に入射し、和周波混合することによ
り、波長がほぼ193nmの光を得る方法が考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、波長
が950nm〜1100nmの第1のコヒーレント光
と、波長がほぼ200nm〜250nmの第2のコヒー
レント光をCLBO結晶に入射し、和周波混合すること
により、ほぼ193nmの光を得ることができるが、C
LBO結晶により和周波光を得るには、位相整合がとら
れていなければならず、従来においては、上記2波長の
光の組み合わせで、193nmの和周波光を発生させる
ための条件が必ずしも明らかにされていなかった。本発
明は、上記事情に鑑みなされたものであって、その目的
とするところは、CLBO結晶により193nmの和周
波光を発生させるための実用上の条件を明らかにし、実
用上実現可能なCLBO結晶による和周波光の発生方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等が種々実験を
行い検討したところ、1064nmの波長の光と236
nmの波長の光をCLBO結晶に入射して波長がほぼ1
93nmの光を発生させるには、CLBO結晶を適切な
温度環境下におく必要があることが明らかになった。す
なわち、CLBO結晶に入射する一方の光の波長を固定
し、他方の光の波長とCLBO結晶の温度を変えて位相
整合角を求める実験を行ったところ、CLBO結晶の温
度が室温(23°C)とき、波長がほぼ195nmの和
周波光を得ることができたが、波長をさらに193nm
に近づけるには、CLBO結晶の温度をさらに低下させ
ることが好ましいことが分かった。
【0006】本発明は上記知見に基づきなされたもので
あって、上記課題を次のようにして解決する。 (1)CLBO結晶を冷却し、波長950nm〜110
0nmの第1のコヒーレント光と、波長200nm〜2
50nmの第2のコヒーレント光から、ほぼ193nm
の和周波光を発生させる。 (2)上記(1)において、第1のコヒーレント光をN
d:YAGレーザ光、または、Nd:YVO4 レーザ光
とし、上記結晶の温度を−180°C以下とする。 (3)上記(1)において、CLBO結晶の温度を、位
相整合する角度(光が位相整合するときの結晶の光学軸
と光の入射方向のなす角度)がほぼ90度となる温度に
する。 本発明は上記(1)〜(3)のように構成したので、C
LBO結晶により波長がほぼ193nmの和周波光を得
ることができる。また、位相整合する角度をほぼ90度
となる温度にすることにより、角度許容幅を大きくする
こと(ノン・クリティカル・フェーズ・マッチング)が
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例の測定系に
おけるCLBO結晶と入射光と出射光の関係を示す図で
ある。同図に示すように、光学軸を光の入射方向に対し
てθ度傾けたCLBO結晶1に波長λ1(第1波長λ1
という)の第1のコヒーレント光と、波長λ2(第2波
長λ2という)の第2のコヒーレント光に入射し、プリ
ズム2により、波長λ3の和周波光を取り出した。な
お、同図では波長λ1,λ2,λ3の光を3本に分けて
記載しているが、実際は重なっている。本実施例では上
記第1のコヒーレント光として、Nd:YAGレーザの
基本波光である波長1064nmの光を用い、第2のコ
ヒーレント光として、チタンサファイアレーザから構成
される可変波長レーザ光を用いた。また、CLBO結晶
を内部が真空に保たれた容器内に収納し、該容器に液体
窒素を用いた冷却機構を設けて、CLBO結晶の温度を
−200°C近傍まで冷却できるようにした。そして、
第1波長λ1を上記1064nmに固定し、第2のコヒ
ーレント光の第2波長λ2を変えて、各温度におけるC
LBO結晶の位相整合角の温度依存特性を調べた。
【0008】具体的には、図2に示す測定系を用いて測
定を行った。図2に示すように、Nd:YAGレーザ光
源3から放射される光を3倍波発生用非線形結晶7に入
射し、3倍波を発生し、ダイクロイックミラーDM1,
DM3を介して和周波発生用非線形光学結晶8(CLB
O)に入射した。また、タイミング調整器5で上記N
d:YAGレーザ光源3と同期が取られたNd:YAG
レーザ光源4に組み込まれたその2倍波(532nm)
のレーザ光により波長可変レーザ光源であるチタンサフ
ァイアレーザ光源6(Ti:SAレーザ光源という)を
励起し、Ti:SAレーザ光源6が放出するレーザ光を
ミラーM4、ハーフミラーHs1、ミラーM2、ダイク
ロイックミラーDM3を介して和周波発生用非線形光学
結晶8に入射した。和周波発生用非線形光学結晶8は、
上記3倍波とTi:SAレーザ光源が放出するレーザ光
の和周波光を発生する。この和周波光(波長λ2)をダ
イクロイックミラーDM2を介して、被測定対象である
CLBO結晶1に入射した。
【0009】一方、Nd:YAGレーザ光源3から放射
される基本波レーザ光(波長λ1)をダイクロイックミ
ラーDM1、ミラーM1、ダイクロイックミラーDM2
を介して被測定対象であるCLBO結晶1に入射した。
また、上記Nd:YAGレーザ光源3とNd:YAGレ
ーザ光源4の同期が正しくとられ、被測定対象CLBO
結晶1に同時にTi:SAレーザ光源6からのレーザ光
と、Nd:YAGレーザ光源3の基本波光が到達してい
るかを調べるため、ピンフォトダイオード11,12に
より上記波長λ1の光とλ2の光を検出し、オッシロス
コープ13でモニタした。
【0010】波長λ2は、Ti:SAレーザ光源6が放
出するレーザ光の波長を変えることにより、230〜2
40nmの範囲で変えた。Ti:SAレーザ光源6が放
出するレーザ光の波長は波長計9により測定した。ま
た、位相整合角は、前記図1のθを変え、結晶表面から
の反射光の入射光軸からのズレを検出することにより測
定した。また、位相整合のピークを確認するため、発生
する和周波光のパワーをサーモパイル型パワーメータま
たは、蕉電型パワーメータ10で測定した。上記のよう
に、波長λ1の光と波長λ2の光を測定対象となるCL
BO結晶1に入射し、位相整合角を求めてグラフ上にプ
ロットし、各温度における温度依存特性を調べた。
【0011】図3は上記のようにして測定した各温度に
おける位相整合角と第2波長λ2の関係を示す図であ
る。同図において、横軸は第2波長λ2、縦軸は位相整
合角であり、各曲線は、CLBO結晶を180°C、1
00°C、23°C、−90°C、−160°C、−1
85°Cの温度にしたときの波長λ2と位相整合角の関
係を示しており、各曲線に付された196.48nm、
195.69nm、194.82nm、193.93n
m、193.39nmは、各温度において位相整合角が
90°のときにCLBO結晶から出射される和周波光の
波長を示している。なお、−160°Cのときの和周波
光の波長は−185°Cのときの和周波光の波長に近い
ので図示されていない。
【0012】同図に示すように、CLBO結晶の温度を
低下させると、位相整合可能な第2波長λ2が低下し、
これに伴い和周波光の波長も193nmに近づいてい
く。また、位相整合角が90°のとき、第2波長λ2が
最も小さくなりこれに伴い和周波光の波長も小さくな
る。さらに図3から明らかなように、位相整合角が90
°近傍であればCLBO結晶の角度θ(位相整合角)の
変動に対する和周波光の波長の変動も小さくなる。すな
わち、位相整合角が90°のとき、いわゆる、ノン・ク
リティカル・フェーズ・マッチングとすることができ
る。
【0013】図4は上記図3に基づきCLBO結晶の温
度と、第2波長λ2および得られる和周波光の波長をプ
ロットした図である。同図において、横軸はCLBO結
晶の温度、縦軸は、混合する第2波長λ2である。同図
から明らかなように、温度を低下させるに従って、位相
整合可能な第2波長λ2が小さくなり、これに伴い和周
波光の波長も短くなる。以上の実験から、CLBO結晶
の温度を低下させていくことにより波長が193nmに
近い和周波光を得ることができることがわかった。ま
た、CLBO結晶の温度を−180°C以下にすること
により、193nmに近い193.39nmの和周波光
を得ることができた。また、位相整合角が90°であれ
ば、CLBO結晶の温度が同じとき和周波光の波長は最
も短くなり、さらに前記したように、いわゆる、ノン・
クリティカル・フェーズ・マッチングとすることができ
る。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
CLBOを冷却したので、波長950nm〜1100n
mの第1のコヒーレント光と、波長200nm〜250
nmの第2のコヒーレント光からほぼ193nmの和周
波光を発生させることができる。特に、第1のコヒーレ
ント光をNd:YAGレーザ光、または、Nd:YVO
4 レーザ光とし、上記結晶の温度を−180°C以下と
することにより、193nmに近い193.39nmの
和周波光を得ることができる。さらに、CLBO結晶の
温度を、位相整合する角度がほぼ90度となる温度にす
ることにより、ノン・クリティカル・フェーズ・マッチ
ングとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の測定系におけるCLBO結晶
の入射光と出射光の関係を示す図である。
【図2】本発明で使用した測定系の構成例を示す図であ
る。
【図3】各温度における位相整合角と第2波長λ2の関
係を示す図である。
【図4】CLBO結晶の温度と第2波長λ2および和周
波光の波長の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 被測定CLBO結晶 2 プリズム 3,4 Nd:YAGレーザ光源 5 タイミング調整器 6 チタンサファイアレーザ光源 7 3倍波発生用非線形光学結晶 8 和周波発生用非線形光学結晶 9 波長計 10 パワーメータ 11,12 ピンフォトダイオード 13 オッシロスコープ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長950nm〜1100nmの第1の
    コヒーレント光と、波長200nm〜250nmの第2
    のコヒーレント光とをCLBO結晶に入射し和周波光を
    発生させる方法であって、 波長がほぼ193nmの和周波光を発生するように上記
    CLBO結晶を冷却することを特徴とするCLBO結晶
    による和周波光の発生方法。
  2. 【請求項2】 第1のコヒーレント光がNd:YAGレ
    ーザ光、または、Nd:YVO4 レーザ光であり、上記
    結晶の温度が−180°C以下であることを特徴とする
    請求項1のCLBO結晶による和周波光の発生方法。
  3. 【請求項3】 前記結晶の温度は、位相整合する角度が
    ほぼ90度となる温度であることを特徴とする請求項1
    のCLBO結晶による和周波光の発生方法。
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