JP2000162113A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JP2000162113A
JP2000162113A JP10356984A JP35698498A JP2000162113A JP 2000162113 A JP2000162113 A JP 2000162113A JP 10356984 A JP10356984 A JP 10356984A JP 35698498 A JP35698498 A JP 35698498A JP 2000162113 A JP2000162113 A JP 2000162113A
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coarse movement
scanning probe
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Katsuhiro Kajiura
克弘 梶浦
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で試料台の移動範囲を大きくする
とともに剛性を高くすることが可能な走査型プローブ顕
微鏡を提供する。 【解決手段】 XY平面を任意に移行可能な粗動機構4
00と試料台430を有する粗動ステージ400を備
え、この粗動ステージ400のがフレーム550上に載
置されている。このフレーム550にボールベアリング
561で軸受して回転可能に回転軸562を保持する。
回転軸562の一方は偏心軸565となっており、偏心
部分に固定具567を固定する。クランプレーバー56
4で回転軸562を時計方向に回すことで固定具567
をベーステーブル120から離し、粗動ステージ400
を任意の場所に手動(又は自動送り機構等)により移動
する。その後回転軸562を反時計方向に戻すことでベ
ーステーブル120と非接触の状態にあった固定具56
7をベーステーブル120に押しつける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡装置に係り、試料表面の形状や物理量を検出する走査
型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トン
ネル顕微鏡(STM)に代表される走査型プローブ顕微
鏡(SPM)が、広く普及している。図14は、このよ
うな走査型プローブ顕微鏡のうち、原子間力顕微鏡の外
観構成を表したものである。この図14に示されるよう
に、支持部10と支持部10に固定された上部筐体20
と、上部筐体20内に収容されたスキャナ30と、この
スキャナ30の下部に配置された粗動ステージ40とを
備えている。
【0003】粗動ステージ40は、その上部に被測定物
である試料を載置する円形の試料台41と、この試料台
41をX、Y、Z方向に駆動する粗動機構42を備えて
おり、粗動機構42は、支持部10に固定されたベース
部11の上部に固定されている。粗動機構42は、Xつ
まみ43、Yつまみ44、Zつまみ45を備えており、
これらの各つまみを回転させることで試料台41を各軸
方向に約1cmの範囲で移動させるようになっている。
試料台41には、直径3cm、厚さ0.5cmまでの試
料が載置可能になっている。
【0004】スキャナ30は、測定ヘッド31、Z粗・
微動機構32、XY走査駆動機構33を備えており、上
部筐体20にネジ止めされたスキャナカバー21によっ
て、測定ヘッド31以外の部分が覆われている。測定ヘ
ッド31は、一端が固定保持されたカンチレバー35を
有している。このカンチレバー35の自由端には試料表
面と対向する探針(先のとがった微少なプローブ、図示
しない)を有している。
【0005】Z粗・微動機構32は、測定ヘッド31を
Z軸方向(図面上下方向)に粗動および微動させるため
の機構であり、微動用の機構として微動用にスピーカ等
で使用されているボイスコイルモータ(図示しない)が
使用されている。ボイスコイルモータは、底面部に環状
の凹部が形成され上部筐体20内に固定された磁石と、
この磁石の環状凹部に同心状に遊嵌された有底円筒形状
の可動子と、この可動子を内側で弾性的に支持すると共
に外側が上部筐体20の内側に固定されたメンブレン
と、可動子の外周に巻回されたコイルとから構成されて
いる。XY走査駆動機構33は、Xシャフト34と、X
シャフト34と同一平面直角方向に延びたYシャフト
(図示しない)と、両シャフトの上部筐体20側の端部
にそれぞれ配置されたボイスコイルモータ(図示しな
い)を備えている。ボイスコイルモータは、X軸方向、
Y軸方向を向いて配置されていることを除いてZ粗・微
動機構32の同様に構成されている。ボイスコイルの駆
動によって、Xシャフト34、Yシャフトを介して測定
ヘッド31がX方向、Y方向に移動し、約0.1cm四
方の範囲が走査される。
【0006】このように構成された従来の走査型プロー
ブ顕微鏡によれば、被測定物である試料を試料台41上
に配置し、測定したい位置が測定ヘッド31の下部に位
置するようにX、Y、Zの各つまみ43、44、45に
より試料台41を移動させる。そして、Z粗・微動機構
32によって測定ヘッド31を試料の表面に近接させ、
カンチレバー35先端の探針をX、Y方向に走査するこ
とで、探針と試料との間に働く相互作用から試料表面の
微細な形状変化に対応したカンチレバー35のそり量を
電圧等の物理量として検出する。この検出した物理量か
ら試料表面の微細形状や性質をマッピングし、CRTや
液晶表示装置に画像表示することで観察が行われる。
【0007】このような走査型プローブ顕微鏡において
は、試料表面の極めて微細な形状を検出しているため、
測定ヘッド31を含むスキャナと、試料台41を含む粗
動ステージ40との間で高い剛性が要求される。このた
め、従来の走査型プローブ顕微鏡では、図14に示され
るように、スキャナ30と上部筐体20、上部筐体20
と支持部10、支持部10とベース部11、および、ベ
ース部11と粗動ステージ40を互いに強固に固定する
ことで剛性を高くし、振動等による影響(誤差の発生、
測定不能状態の発生等)を回避している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では被
測定物である試料が大きくなってきている。例えば、半
導体ウエハの場合であれば、その大型化に伴い直径が6
インチや、8インチ、場合によっては12インチ以上の
試料についても走査型プローブ顕微鏡によって簡易表面
を観察したいという要請がある。しかし、従来の走査型
プローブ顕微鏡の粗動ステージでは、XY方向に1cm
程度の範囲で試料台41を粗動させることができるだけ
なので大きな試料を観察することができなかった。そこ
で、大型の試料も観察できる走査型プローブ顕微鏡とす
るためには、次の各方法が考えられる。すなわち、支持
部10、ベース部11、および試料台41を大型化する
と共に、粗動機構42による試料台41の可動範囲を大
きくする第1の方法、粗動機構42を含む現状の粗動ス
テージ40をボールネジ等によってXYZ方向に移動す
るXYZ各ステージ上に固定する第2の方法、及び、大
型化したベース部11上にX方向とY方向のレールを配
設してこのレール上を粗動ステージ40が移動するよう
にする第3の方法が考えられる。
【0009】しかし、粗動機構42による可動範囲を大
きくする第1の方法の場合、一定の剛性を確保したうえ
で3cmを超える範囲、例えば15cm程度の範囲を可
動させるためには粗動ステージ40の大型化と精密化が
要求され、結果として装置が高価になるという問題があ
る。また、XYZステージを用いて粗動ステージ40を
移動する第2の方法を採用した走査型プローブ顕微鏡が
存在しているが、XYZ各ステージのために全体が必要
以上に大型化するとともに、XYZステージを駆動する
ための機構部のために装置が高価になるという問題があ
る。一方、レール上を粗動ステージ40を移動させる第
3の方法の場合には、構造が簡単であり容易に製造する
ことができる。しかし、粗動ステージ40をXY両方向
に移動させるためには、例えば、ベース部11の両端に
Y方向レールを2本並行に固定し、Y方向レール上を移
動するX方向レールをY方向レール間に掛け渡し、X方
向レール上を粗動ステージが移動するようにする必要が
ある。このため、粗動ステージはX方向レール及びY方
向レールを介してベース部11に固定されることにな
る。ところが、Y方向レール間に掛けられたX方向レー
ルは試料(試料台41)の直径の約2倍の長さが必要に
なるために、試料の大型化に応じてステージストローク
が大きくなり、粗動ステージ40とベース部11間の剛
性を高くすることができないという問題がある。また、
粗動ステージとX方向レール間、X方向レールとY方向
レール間には移動するための隙間が必要になるため、剛
性を高くすることができないという問題もある。
【0010】そこで本願発明は、このような従来の走査
型プローブ顕微鏡の課題を解決するためになされたもの
で、簡単な構造で試料台の移動範囲を大きくするととも
に剛性を高くすることが可能な走査型プローブ顕微鏡を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、試料の表面
に探針を近接させてXY方向に走査することで、前記試
料の表面形状あるいは物理量を計測する走査型プローブ
顕微鏡であって、前記試料が載置される試料台(43
0)と、この試料台をXYZの各軸方向に粗動する粗動
機構(400)と、前記探針を収容する収容部(30
0、31)と、ベーステーブル(120)と、このベー
ステーブルに固定され、前記収容部を前記粗動機構の上
部で支持する支持部(200)と、前記ベーステーブル
上のY方向に平行に配設された2つのY方向ガイド(5
10)と、このY方向ガイドと係合しながらY方向に移
動する2つの移動部材(520)と、この2つの移動部
材に掛け渡されたX方向ガイド(530)と、このX方
向ガイドと係合しながらX方向に移動し、前記粗動機構
が載置されるフレーム(550)と、このフレームと前
記ベーステーブルとを固定及び解除する固定機構(56
0)とを走査型プローブ顕微鏡に具備させることで前記
目的を達成する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の走査型プローブ顕
微鏡における好適な実施の形態について、原子間力顕微
鏡を例に図1から図13を参照して詳細に説明する。 (1)実施形態の概要 本実施形態では、XY平面を任意に移動可能な粗動機構
410と試料台430を有する粗動ステージ400を備
え、この粗動ステージ400のがフレーム550上に載
置されている。このフレーム550にボールベアリング
561で軸受して回転可能に回転軸562を保持する。
回転軸562の一方は偏心軸565となっており、偏心
部分に固定具567を固定する。クランプレーバー56
4で回転軸562を時計方向に回すことで固定具567
をベーステーブル120から離し、粗動ステージ400
を任意の場所に手動(又は自動送り機構等)により移動
する。その後回転軸562を反時計方向に戻すことでベ
ーステーブル120と非接触の状態にあった固定具56
7をベーステーブル120に押しつける。これにより、
粗動ステージ400は、粗動ステージ400と固定具5
67を介して測定ヘッド31と作る系の剛性を高めるこ
とができ、固定具567の押しつけ力をコントロールす
ることにより、剛性のコントロールと粗動ステージ40
0の位置固定保持力を併せ持たせることができる。
【0013】(2)図1から図3は第1の実施形態にお
ける走査型プローブ顕微鏡の全体構成を表したもので、
図1は、正面断面を、図2は平面図、図3は図1のA−
A断面図である。図1に示されるように、走査型プロー
ブ顕微鏡は、ベース部100と、支持部200と、上部
筐体300と、スキャナ30と、粗動ステージ400
と、XY移動機構500と、撮像装置600とを備えて
いる。これら各部のサイズとして、本実施形態では最大
直径6インチの試料の表面情報(形状や物理量)を得る
ことができるように構成されているが、より大きなサイ
ズの試料、例えば、8インチの試料や12インチの試料
やそれ以上のサイズの試料を検査する必要がある場合に
は、以下に説明する基本構成を同一にしたうえで最大試
料サイズに応じて各部のサイズを大きくすることができ
る。
【0014】ベース部100はベース110と、その上
部に固定されたベーステーブル120とから構成され、
本実施形態における平面サイズは36cm×36cmに
形成されている。ベース110には除振機構が収納され
ており、走査型プローブ顕微鏡がセットされる台等の外
部から試料台430や測定ヘッド31に振動が伝達する
のを減少する。ベーステーブル120面上を、XY移動
機構500によって試料台430を含む粗動ステージ4
00がX方向、Y方向に大きく移動するようになってい
る。
【0015】支持部200は、側壁部210と天面部2
20とから構成されている。側壁部210は、水平方向
の断面がL字状に形成されており、図3に示されるよう
に、ベーステーブル120の上縁部に固定されている。
この側壁部210の上部には、L字形状に形成された板
状の天面部220が、走査型プローブ顕微鏡における仮
想の中心軸L方向に向けて延設されている。天面部22
0は、L字形の板状に形成されており、図1、図3に示
されるように、側壁部210の上部から走査型プローブ
顕微鏡における仮想の中心軸L方向に向けて延設される
ように、側壁部210に固定されている。
【0016】上部筐体300は、天面部220の中心側
端部に固定されており、それ以外は図14で説明した従
来の上部筐体20とほぼ同一である。この上部筐体30
0には、測定ヘッド31に取り付けられたカンチレバー
35の探針が仮想の中心軸線L上に位置するように、ス
キャナ30が収納されている。上部筐体300内に収納
されたスキャナ30は、図14で説明したスキャナ30
と同一である。この上部筐体300内には、スキャナ3
0によるXY方向の走査とZ方向の、粗・微動を制御す
るためのコントローラ(後述)が収納されている。
【0017】粗動ステージ400は、粗動機構410
と、支持台420と、試料台430とから構成されてお
り、その詳細は後述する。
【0018】XY移動機構500は、2本のY方向ガイ
ドレール510、510、2つのスライド部材520、
520、2本のX方向ガイド棒530、530、及びフ
レーム550を備えている。Y方向ガイドレール51
0、510は、ベーステーブル120の上面端部に、Y
軸方向に向けて平行にネジ止めされている。各Y方向ガ
イドレール510は、軸方向の両側面に案内溝が軸方向
全体にわたって形成されている。この両Y方向ガイドレ
ール510、510には、その上をY軸方向に移動する
スライド部材520、520が配置されている。スライ
ド部材520には、Y軸方向の移動をなめらかにするた
めに、Y方向ガイドレール510の溝に係合するリニア
タイプのボール群が配置されている。このスライド部材
520、520間には、X方向ガイド棒530、530
がX軸方向に向けて2本平行に掛架され、固定されてい
る。従って、X方向ガイド棒530、530とスライド
部材520、520とが一体となって、Y方向に移動す
る。また、2本のX方向ガイド棒530、530には、
後述するように、粗動ステージ400を上部に固定され
るフレーム550が、X軸方向に移動可能に取り付けら
れている。
【0019】図1に示されている撮像装置600は、支
持部200の天面部220に固定されており、内部にC
CD素子等の撮像素子を備えている。この撮像装置60
0により、測定ヘッド31と試料周辺が撮像され撮像装
置に表示される。操作者は、撮像装置600による撮像
画像を確認しながら、XY移動機構500及び粗動機構
410を操作して、試料の所望位置を測定ヘッド31の
探針の下(図1における中心軸L)に移動させることが
できる。この撮像装置600は、必要に応じて取り付け
られる任意の装置である。撮像装置600が無い場合に
は、目視により測定ヘッド31と試料位置とが確認され
る。なお、図2において撮像装置600の表示は省略さ
れている。
【0020】図4から図7は、第1の実施形態における
粗動ステージ400、及びXY移動機構500における
フレーム550周辺を表したもので、一部断面部分が表
されている。図4に示されるように、粗動ステージ40
0の粗動機構410は、XY移動機構500のフレーム
550上に固定されている。この粗動機構410は、試
料台430の大型化に対応してXYZの各つまみ41
1、412、413の軸が長く形成されている点以外、
図14で示した粗動機構42と同一に構成されている。
Xつまみ411は、支持台420及び試料台430をX
軸方向に約1cm粗動させるためのもので、反時計方向
に回すと左方向(側壁部210側)に粗動し、時計方向
に回すと右方向に移動する。Yつまみ412は、支持台
420及び試料台430をY軸方向に約1cm粗動させ
るためのもので、反時計方向に回すと前方向に粗動し、
時計方向に回すと後方向(側壁部210側)に移動す
る。Zつまみ411は、支持台420及び試料台430
をZ軸方向に約1cm粗動させるためのもので、反時計
方向に回すと下方向(ベーステーブル120方向)に粗
動し、時計方向に回すと上方向(測定ヘッド31方向)
に移動する。
【0021】粗動ステージ400の上部には支持台42
0が固定され、この支持台420上に試料台430が載
置されている。試料台430は、図5に示されるように
ベアリング431を介して支持台420上に載置されて
おり、試料台430が粗動機構410に対して回転可能
に形成されている。本実施形態における試料台430
は、例えば、最大径6インチの試料を載せることができ
るようになっているが、試料サイズの要求に応じて、8
インチや12インチの試料、更にそれ以上のサイズの試
料を載せることができるようにしてもよい。試料サイズ
に応じて試料台430を大きくした場合には、ベーステ
ーブル120等のサイズも大きくすうる。なお、試料台
430上には、5、4、3インチの各試料サイズに合わ
せてセットできるように、段差を設けるようにしても良
い。また、方形の試料を検査する場合には方形の段差を
設けるようにしてもよい。また、本実施形態の試料台は
円形形状であるが、方形の試料に合わせて、試料台43
0の形状を方形にするようにしてもよい。さらに、試料
のサイズや形状に合わせて、異なるサイズや異なる形状
の各種資料台に変更できるようするため、試料台430
を支持台420から取り外すことができるようにしても
よい。
【0022】XY移動機構500のフレーム550は、
その外形が立方体形状であり、底面側に凹部551が形
成され、凹部551を避けた両側にはX軸方向の軸心を
有する2つの貫通孔552,552が形成されている。
この貫通孔552、552の両端部の4カ所には、角フ
ランジが一端に形成されたリニアブッシュ553、55
3、553,553が挿入され、角フランジ部分がフレ
ーム550にボルトで固定されている。各リニアブッシ
ュ553内にX方向ガイド棒530が挿通される。各リ
ニアブッシュ553の内面には回転可能なボール群が収
容されており、リニアブッシュ553を介してフレーム
550が、X方向ガイド棒530上を滑らかに移動でき
るようになっている。なお、各貫通孔552は、固定し
たリニアブッシュ553にX方向ガイド棒530を挿通
した状態で、図4に示すように、ベーステーブル120
との間に隙間Fができる位置に配設されている。
【0023】フレーム550の側面X軸方向の中心位置
には、凹部551まで貫通するY軸方向の貫通孔554
が形成されている。この貫通孔554の凹部側551と
その反対側には固定機構560のボールベアリング56
1、561が取り付けられている。このボールベアリン
グ561、561によって回転軸562が軸支されてい
る。両ボールベアリング561、561間の回転軸56
2の外周には、ボールベアリング561、561の両内
輪と当接し、内輪が軸方向に移動することを防止するた
めのスペーサ563が配設されている。回転軸562の
一方の端部には回転軸562を左右両方向に回転させる
ためのクランプレバー564が取り付けられている。回
転軸562の他方の端部は、フレーム550の凹部55
1内にまで延びており、その先端部には偏心軸565を
有する偏心ピン566が取り付けられている。偏心軸5
65の軸心は回転軸562の軸心から偏心した位置とな
っている。
【0024】偏心軸565には、円環状の固定具567
が挿通され、6角ナット568の締め付けによって固定
されている。従って、固定部567の中心(偏心軸の軸
心と一致)Q1は、回転軸562の軸心Q2から偏心し
た位置になる。
【0025】回転軸562にはピン569が取り付けら
れている。また、フレーム550のクランプレバー56
4側の側面の左下側にも、図5に示すように、ピン58
0が取り付けられている。そして両ピン569、580
間にはバネ590が掛けられている。このバネ590が
ピン569を左下方向に(ピン580の方向)に引っ張
ることで、フレーム550に向かって反時計方向のトル
クが回転軸562に加えられている。この反時計方向の
トルクによって、固定軸567にも反時計方向のトルク
が加わり、固定具567がベーステーブル120に押し
つけられるが、その上方向(測定ヘッド方向)の反力が
発生するが、この反力はフレーム550とリニアブッシ
ュ553を介してX方向ガイド棒530によって押さえ
られる。このため、粗動ステージ400が上部に固定さ
れたフレーム550は、バネ590による反時計方向の
トルクによって、固定具567を介してベーステーブル
120にしっかりと固定され、高い剛性を得ることがで
きる。一方、バネ590の引っ張り力に抗してクランプ
レバー564をフレーム550に向かって時計方向に回
転すると、図7に示す回転軸562の回転中心Q2を中
心として偏心軸565と固定具567の中心Q1が時計
方向に回転し、固定具567がベーステーブル120か
ら離れる。この状態でクランプレバー564を左右、前
後に動かすことで、フレーム551及び粗動ステージ4
00を、X方向ガイド棒530、Y方向ガイドレールに
沿ってXY両軸方向に自由に移動させることができる。
【0026】このように構成された走査型プローブ顕微
鏡の制御系について次に説明する。図8は、走査型プロ
ーブ顕微鏡の制御系を表したブロック図である。この制
御系において、カンチレバー35の自由端に配置された
探針が試料テーブル430上に載置された試料表面を走
査すると、その微細な形状変化に対応してカンチレバー
35が反り、その反り量が静電容量型の変位計により静
電容量の変化として検出される。この物理量に応じた電
圧が測定ヘッド31からプリアンプ610に出力され
る。電圧はプリアンプ610によって増幅され、比較器
(差動増幅器)620に供給される。比較器620の反
転入力端子(−)にはカンチレバー35のそり量の基準
値が制御パネル630から供給されている。この基準値
は、探針と試料面との距離が所定値zであるときにプリ
アンプ610から出力される値と等しい値が設定されて
いる。このため、探針と試料面との距離が所定値zから
ずれている時には、比較器620はそのずれ量に応じた
大きさの差分信号を出力する。
【0027】比較器620の差分出力は積分器640に
入力され、積分回器640において該差分が平均化され
た後にドライバー650に供給される。ドライバー65
0では、平均化された電圧を電流izに変換し、スキャ
ナ30のZ粗・微動機構32(図14参照)のボイスコ
イルに通電する。反り量を検出する測定ヘッド31、プ
リアンプ610、比較器620、積分器640、およ
び、ドライバー650からなる回路は、フィードバック
回路を構成しており、探針と試料表面との距離が常に所
定値zとなるようにフィードバック制御される。
【0028】一方、XY走査回路系660は、制御パネ
ル630から走査制御信号を受けて、X軸方向およびY
軸方向の走査信号電流ix、iyをX方向のボイスコイ
ルとY方向のボイスコイルにそれぞれ供給することで、
測定ヘッド31、カンチレバー35及び探針を0.1c
m四方の範囲で走査させる。
【0029】LCD画像表示装置670には、XY走査
回路系660からx,y走査信号が供給されている。ま
た、試料表面の形状、物理量等の検査情報は、ドライバ
ー650の入力側から取り出されてLCD画像表示装置
670に供給される。LCD画像表示装置670は、こ
れら供給されるx,y走査信号と検査情報とから、試料
表面の形状や物理量を表示画面671に表示することで
観察が可能になる。なお、LCD画像表示装置670の
表示画面671には、撮像装置600(図1)で撮像し
た測定ヘッド31及び試料周辺の画像も表示可能になっ
ている。
【0030】次に、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡
における、試料の位置決め動作を、図1から図9を参照
して説明する。図9に示すように、回転軸562に取り
付けられたクランプレバー564をフレーム550に向
かって時計方向(矢印R方向)に回すことにより、回転
軸562先端の固定具567がベーステーブル120か
ら離れる。これにより、フレーム550と粗動ステージ
400は、ベーステーブル120上に設けられたX方向
ガイド棒530、Y軸方向ガイドレール510による移
動範囲内の任意の位置に移動可能になる。クランプレバ
ー564を時計方向に約45度程度回した状態で、フレ
ーム550と粗動ステージ400を右手前の側壁部21
0から最も離れた位置まで移動する。すなわち、試料台
430が、図3に2点鎖線で示す位置430Bにくるよ
うに移動する。この位置430Bでは、試料台430が
上部筐体300の位置から離れて試料台430の上方が
開放されるため、上部筐体300およびスキャナカバー
310に邪魔されることなく試料を試料台430に載置
することができる。なお、試料をセットする際にはクラ
ンプレバー564を離しても良い。
【0031】試料を試料台430上に載置した後、測定
ヘッド31と試料の任意の場所を撮像装置600で撮像
し、その画像をLCD画像表示装置670で確認しなが
ら、クランプレバー564を時計方向に倒した状態で試
料台430の位置(試料の測定位置)を決め、フレーム
550及び粗動ステージ400をベーステーブル120
に固定する。固定方法は、図9に示す位置(時計方向)
に保持していたクランプレバー564を図5に示す位置
(反時計方向)へ回転させる。クランプレバー564
は、予め反時計方向に回るように設定されているバネ5
90の力により、一定の回転トルクが回転軸562に対
して反時計方向に働く。回転軸562が反時計方向に回
転すると、回転軸562先端部分の偏心軸565に取り
付けられた固定具567が、偏心量と回転角度との関係
からベーステーブル120に接触し始め、バネ590が
発生させる反時計方向の回転モーメントと、固定具56
7、ベーステーブル120間に発生する押しつけ力と、
そこから発生する摩擦力とが均衡する状態で、フレーム
550と粗動ステージ400がベーステーブル120上
に高い剛性で固定、保持される。
【0032】この状態で、粗動ステージ400のZつま
み413を時計方向に回してカンチレバー35の探針と
試料とが近接する位置まで試料台430を上昇させる。
そして図8に示した制御系により試料表面の計測を行
う。計測位置を変更する場合には、現状位置を中心とす
る1cm四方の範囲内で計測位置を変更する場合には、
Xつまみ411とYつまみ412を所定の方向に回すこ
とで、試料台430の位置を粗動させる。
【0033】以上説明したように本実施形態の走査型プ
ローブ顕微鏡によれば、XY移動機構500によって、
ベーステーブル120上に配設されたY方向ガイドレー
ル510とX方向ガイド棒530により構成されるXY
平面上の任意の位置に粗動ステージ400を移動させる
ことができるので、簡単な機構により大型(本実施形態
では最大径6インチまで)の試料を観察することができ
る。また、固定機構560により、固定具567を介し
て直接ベーステーブル120と固定されると共に、試料
台430を含んだ粗動ステージ400の剛性が向上し、
試料観察が可能となる。また、本実施形態によれば、ク
ランプレバー564を時計方向、反時計方向に回転する
1の動作によって、X軸、Y軸の両軸方向の移動に対し
て同時に固定し、同時に固定解除することができるの
で、XY移動機構500による粗動ステージ400の固
定と移動の操作を簡単に行うことができる。
【0034】次に走査型プローブ顕微鏡の第2の実施形
態について説明する。図10は、第2の実施形態におけ
る、粗動ステージ400、及びXY移動機構500にお
けるフレーム550周辺を表したもので、第1の実施形
態における図6に対応した状態を表している。なお、第
2実施形態において、第1の実施形態と同一の符号は同
一または同等物を示しており、図10に表されていない
他の部分については第1の実施形態と同様に構成されて
いる(以下の第3から第5の実施形態についても同
じ)。
【0035】第2の実施形態では図10に示されるよう
に、回転軸562の凹部551内側の端部に楕円形の固
定具567aが取り付けられている。固定具567a
は、楕円中心を回転軸562の軸心Q2に一致させてボ
ルト等によって回転軸562に固定されている。この固
定具567aは第1実施形態と同様に、ピン596とバ
ネ590によって反時計方向のトルクが回転軸562を
介して加えられることで、下側のベーステーブル120
と上側のフレーム550(凹部の下面)との2点で接触
する。従って、第1の実施形態の場合、ベーステーブル
12とフレームとは、固定具567、回転軸562、及
びベアリング561を介して迂回した経路により固定さ
れていたが、第2実施形態の場合には楕円形の固定具5
67aを使用することで、ベーステーブル120とフレ
ーム550とを固定具567aで直接固定することがで
き、ベーステーブル120とフレーム、粗動ステージ4
00との間の剛性をより高くすることができる。
【0036】次に走査型プローブ顕微鏡の第3の実施形
態について説明する。図11は、第2の実施形態におけ
る、粗動ステージ400、及びXY移動機構500にお
けるフレーム550周辺を表したもので、第1の実施形
態における図4に対応した状態を表している。この第3
実施形態では、図11に示されるように、凹部551の
内周面の対向する少なくとも2つの面と摺動する固定具
567bが凹部551内に収容されている。この固定具
567bのベーステーブル120と対向する底面は水平
面であり、その反対側の上部平面は傾斜面であり、全体
としてくさび形状をしている。固定具567bは、フレ
ーム551とピン570とに掛けられたバネ571によ
って上方(向粗動ステージ400方向)に引っ張られて
いる。一方、軸562aの凹部551側先端には、固定
具567bの上部斜面と当接し、軸562aの軸方向
(Y軸方向)に摺動する傾斜面を下側に有するくさび形
部材572が取り付けられている。この軸562aは、
フレーム550にボルト止めされたフランジ付きのリニ
アブッシュ573によって軸支され、両矢印Sで示すよ
うに、軸方向の前後にスライドするようになっている。
このリニアブッシュ573は、寸法の違いを除き、X方
向ガイド棒530を軸受するリニアブッシュ553と同
等物が使用される。このリニアブッシュ573の内面に
も回転可能なボール群が収容されており、リニアブッシ
ュ573を介して軸562aが滑らかに前後するように
なっている。
【0037】この第3の実施形態では、XY移動機構5
00を移動させる場合、クランプレバー564を手前
(図面左側)に引くと、くさび形部材572も固定具5
67bの上部斜面を摺動しながら手前に移動する。する
と、固定567bが凹部551内周面を摺動しながらバ
ネ571によって上方に上がり、ベーステーブル120
上に固定されていたフレーム550が開放されて、粗動
ステージ400の移動が可能になる。一方粗動ステージ
400を移動して、試料台430上の試料位置が決定し
たら、クランプレーバー564をフレーム550側(図
面右側)に押し込むことで、固定具572がバネ572
の力に抗して固定具567が下側に移動しベーステーブ
ル120に押し付けられる。このベーステーブル120
と固定具567との間に押しつけ力によって、フレーム
550及び粗動ステージ400とベーステーブル120
間の剛性を高くすることができる。
【0038】第1及び第2の実施形態では、固定具56
7、567aとベーステーブル120とが線接触に近い
ため接触面積が狭いのに対して、本実施形態によれば、
固定具567bの大きな底面全体がベーステーブル12
0と面接触しているため、フレーム550及び粗動ステ
ージ400とベーステーブル120間の剛性をより高く
することができる。
【0039】なお、第3実施形態では、固定具567b
が傾斜しているS方向(図面左右方向)にくさび形部材
572を移動させることが必要であり、そのためにリニ
アブッシュ573で軸受された軸562aとクランプレ
バー564をS方向に前後させる構成としたが、図1と
同様にベアリング569により軸受された回転軸562
の凹部551内側の先端部にカム機構やクランク機構を
設け、回転運動を両矢印S方向の直線運動に変換する構
成としてもよい。なお、カム機構やクランク機構を採用
する場合、回転運動から変換される直線運動の運動方向
は回転軸562の軸と直交する方向になるので、固定具
567bとくさび形部材571の向きは図11に示した
状態から90度変位した向きとなる。即ち、傾斜面が回
転軸562の軸心と直交する方向になる。
【0040】次に走査型プローブ顕微鏡の第4の実施形
態について説明する。図12は、第2の実施形態におけ
る、粗動ステージ400、及びXY移動機構500にお
けるフレーム550周辺を表したもので、第1の実施形
態における図6に対応した状態を表している。第4の実
施形態では、フレーム550の凹部551内側上面に電
磁クラッチ575が取り付けられている。この電磁クラ
ッチ575は、板状の固定具567cを備えている。通
常状態において電磁クラッチ575は通電されず、図示
しない圧縮バネにより固定具567cはベーステーブル
120に押し付けられて、ベーステーブル120に固定
されている。そして、粗動ステージ400を移動する場
合、例えば、ベース110に配置されたスイッチをオン
にすることで電磁クラッチ575が通電され、図12に
示すように、固定具567cが圧縮バネに抗して上部に
移動し、ベーステーブル120との接触が解除されて、
XY移動機構500による粗動ステージ400の移動が
可能になる。本実施形態では、電磁力により固定具56
7cによる固定と解除を行うので、クランプレバー56
4及びその軸は、ベアリング561(第1、第2実施形
態)やリニアブッシュ(第3実施形態)により軸受する
必要が無く、フレーム550に直接固定することができ
る。
【0041】本実施形態によれば、電磁クラッチ575
によってXY移動機構500を固定することができるの
で、XY移動機構500による粗動ステージ400の移
動操作を独立して行うことができるため、移動操作が容
易になる。また本実施形態においても第3実施形態と同
様に、固定具567cがベーステーブル120と面接触
しているので、剛性を高くすることができる。なお、本
実施形態の電磁クラッチ575では、圧縮バネで押さえ
てある固定具567cが通電によりクラッチ機能が切れ
るのに対して、通電により電磁力でクラッチが機能して
固定具567cがベーステーブル120に押し付けられ
る方式としても良い。
【0042】次に走査型プローブ顕微鏡の第5の実施形
態について説明する。図13は、第2の実施形態におけ
る、粗動ステージ400、及びXY移動機構500にお
けるフレーム550周辺を表したもので、第1の実施形
態における図6に対応した状態を表している。この図で
は、フレーム周辺が一部異なる断面を表している。第1
から第4の実施形態では、粗動ステージ400及びフレ
ーム550のベーステーブル120に対する高さは隙間
Fで一定で、固定具567、567a〜cが上下するこ
とでベーステーブル120に固定され、また開放される
ように構成されている。これに対して第5の実施形態で
は、粗動ステージ400がXY移動機構500の一部と
共に上下することで、ベーステーブル120に固定さ
れ、また開放されるように構成されている。
【0043】すなわち、図13に示されるように、第3
実施形態におけるフレーム550aは、上下方向に貫通
する断面方形の貫通空間551aが形成されている。フ
レーム550aには、X軸方向に対向する2面から張出
部556、556が貫通空間551a内に張り出すよう
に形成されている。そして両張出部の両端部の合計4カ
所に圧縮バネ587が収容される凹部が形成され、この
両端の凹部の内側2カ所の合計4カ所にフランジ付きの
リニアブッシュ586がボルト止めされている。このリ
ニアブッシュ586は、寸法の違いを除き、X方向ガイ
ド棒530や軸562aを軸受するリニアブッシュ55
3、573と同等物が使用される。
【0044】フレーム550aには、貫通空間551a
の内側上部に保持板582が収容されると共に、フレー
ム550aとベーステーブル120間に板状の固定具5
67dが配置される。保持板582と固定板567dと
は、リニアブッシュ586により軸受けされた4本のス
ペーサピン584によって、所定間隔で固定されてい
る。保持板582の上部には粗動ステージ400が固定
されると共に、固定具567dの上面から圧縮バネ58
7によって下方向のバネ力を受けている。従って、全体
として、粗動ステージ400と保持板582等の連結さ
れた部材の自重による下方向の力と、圧縮バネ587の
バネ力とを加えた力が下方向に作用することで、固定具
567aとベーステーブル120とが固定される。
【0045】図示しないが、フレーム550aには、図
4に示した第1実施形態と同様に、Y軸方向の貫通孔5
52が形成され、ボールベアリング561、回転軸56
2、クランプレバー564等を含む固定機構560配置
されている。本実施形態では、圧縮バネ587が存在す
るので、ピン569、580とバネ590は存在しな
い。そして第1の実施形態では、回転軸562の凹部5
51内の先端に固定具567が偏心した状態で取り付け
られているのに対して、本実施形態では、回転軸562
の貫通孔551a内の端部に円形の固定補助具588が
取り付けられている。この固定補助具588も回転軸5
62の軸心から偏心した状態で取り付けられているが、
図6に示した状態の固定具567に比べて、本実施形態
の固定補助具588は、図面時計方向に約90度位相が
進んだ位置に偏心軸が来るように取り付けられている。
【0046】本実施形態の場合、通常状態において固定
具567dは、粗動ステージ400等の自重と圧縮バネ
587のバネ力によってベーステーブル120に押し付
けられているが、粗動ステージ400の位置を移動する
場合には、クランプレバー564を時計方向に回すこと
で、固定補助具588により保持板582を介して粗動
ステージ400、スペーサピン584、及び固定具58
8を上方に持ち上げる。この場合の粗動ステージ400
等と圧縮バネ587のバネ力は、固定補助具588、ベ
アリング561、フレーム550a、リニアブッシュ5
53を介してX方向ガイド棒530に伝達される。
【0047】なお、本実施形態においては、測定ヘッド
31に対する試料台430の位置を移動する場合に、粗
動ステージ400全体を持ち上げることで移動する構成
になっている。このため、測定の途中においてXY移動
機構500の移動操作をする場合には、必ず測定ヘッド
31を上方に退避させるか、Zつまみ413を反時計方
向にまわして試料台430を下降させる必要がある。カ
ンチレバー35と試料が近接している状態で、保持板5
82と粗動機構400が上昇すると、カンチレバー35
や探針、及び試料が破損するおそれがあるので、測定ヘ
ッド31と試料とが所定距離(保持板の最大移動距離)
以下に接近している場合には、クランプレバー564を
時計方向に回らないようにするロック機構を取り付ける
ようにしてもよい。また、クランプレバー564を時計
方向に回されたことを検出して、測定ヘッド31又は試
料台430を自動退避させる自動退避機構を設けるよう
にしてもよい。
【0048】本実施形態によれば、粗動ステージ400
等の自重と圧縮バネの力とによって固定具567aがベ
ーステーブル120に固定されるので、高い剛性力を得
ることができる。また、粗動ステージ400は、保持板
582、スペーサピン584、固定具567dにより、
ほぼ直下で固定支持されるので、安定した剛性力を得る
ことができる。
【0049】以上本発明の好適な実施形態について説明
したが、本発明はかかる実施形態の構成に限定されるも
のではなく、各請求項に記載された発明の範囲において
他の実施形態を採用し、また、変形することが可能であ
る。例えば、各実施形態では、偏心ピン566と偏心軸
565を介して固定具567を回転軸562の凹部55
1内の端部に取り付けたが、固定具567を回転軸56
2の軸心から偏心させて回転軸562に直接取り付ける
ようにしてもよい。すなわち、固定具567の中心から
偏心した位置に貫通孔を設けナット等により回転軸56
2に固定するようにしてもよい。なお、この場合の固定
具567が回転軸562に対して回転しないようにする
ため、両者に軸方向のキー溝を設け、キーを差し込んで
回転を防止したり、回転軸562と直交する方向から固
定具567と回転軸562とをネジ止めするようにして
もよい。また、回転軸562の凹部551側端部の周面
に、固定具としての突起を設けるようにしてもよい。突
起は溶接やネジ止めにより回転軸562に固定される。
突起は、各図において明示したように、クランプレバー
564を時計方向に回した場合に突起がベーステーブル
120から離れ、元の通常位置に戻した場合にベーステ
ーブル120と当接する位置及びサイズが選択される。
【0050】また、説明したXY移動機構は、Y方向ガ
イドレール510と、このY方向ガイドレール上を移動
するスライド部材510に掛け渡されたX方向ガイド棒
とによってフレーム550および粗動ステージ400を
XY平面上の任意の位置に移動できるように構成した
が、X方向にガイドレールを配置し、このガイドレール
上を移動するスライド部材にY方向のガイド棒を掛け渡
すようにしてもよい。なお、この変形例の場合、変形例
におけるY方向が特許請求の範囲でいうX方向が該当
し、この変形例におけるX方向が特許請求の範囲でいう
Y方向に該当する。さらに、Y方向ガイドレール51
0、または上記X方向に配置されたガイドレールに代え
て、ベーステーブル120上面部にT溝をX軸またはY
軸方向に平行に形成してもよい。この場合、スライド部
材はT字上の摺動部が形成されて、T溝に沿って所定の
軸方向に移動する。
【0051】また、説明した実施形態では、Z方向の粗
動・微動機構およびX、Yスキャン機構として特開平9
−304401、又は特開平10−142237号公報
に記載された技術を使用し、バネ要素であるボイスコイ
ルモータによってZ方向の粗動・微動、XY方向のスキ
ャンを行うようにしたが、本発明ではこれらの公報にお
いて従来の技術として記載されているようにバネ要素に
かえてピエゾ素子を使用して位置決めを行うようにして
もよい。この場合、円筒状のピエゾ素子の上面に、試料
台が載置され、ピエゾ素子の円筒面には、z微動のため
の円筒面に巻かれた電極と、x,y走査のための4分割
された電極が形成されている。そしてピエゾ素子は、例
えば500オングストローム/パルス程度の性能を有す
るパルスモータで駆動されるねじ棒の回動によりZ軸方
向(上下方向)に粗動される。
【0052】一方、試料台上部に配置されるカンチレバ
ーの反り量が検出され、反り量に応じた電圧がプリアン
プから出力される。以下図8に示した本実施形態と同様
に、比較器620で基準値と比較され差分信号が出力さ
れ、積分器640で平均化去れた後にドライバ650か
ら電圧−電流変換された電流がピエゾ素子の円筒面に巻
かれた電極に供給される。反り量を検出する測定ヘッド
31、プリアンプ610、比較器620、積分器64
0、および、ドライバー650からなる回路は、フィー
ドバック回路を構成しており、探針と試料表面との距離
が常に所定値zとなるようにフィードバック制御され
る。また、x,y走査は4分割された電極に、ラスタス
キャナ(X、Y走査回路系660)から出力されたx,
y走査信号を印加することにより行われる。
【0053】また、本実施形態では、カンチレバー35
の反り量に応じて検出する物理量として、静電容量型の
変位計により静電容量の変化として検出していたが、例
えば、物理量により検出するようにしてもよい。例え
ば、ホール素子変位センサにより反り量に応じた電圧を
検出するようにしてもよい。また、特開平9−3044
01、又は特開平10−142237号公報に記載され
た従来の走査型プローブ顕微鏡において使用されている
技術を使用し、カンチレバー35の反り量を。レーザ発
生器から出力されたレーザ光の入射位置を位置検出器で
検出するようにしてもよい。すなわち、カンチレバー3
1の変位が0の場合に、4分割した光検出電極の中心に
反射光が入射するようにレーザ光をカンチレバーに照射
する。そしてカンチレバー35の反り量に応じてレーザ
光の反射スポットが4分割電極上を移動することで、4
分割電極から出力される電圧差を物理量として検出す
る。
【0054】以上説明した各実施形態では、走査型プロ
ーブ顕微鏡として原子間力顕微鏡を例に説明したが、本
発明では、走査型トンネル顕微鏡(STM)等の他の走
査型プローブ顕微鏡に適用することも可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、試料が載置される試料
台と、この試料台をXYZの各軸方向に粗動する粗動機
構と、探針を収容する収容部と、ベーステーブルと、こ
のベーステーブルに固定され、前記収容部を前記粗動機
構の上部で支持する支持部と、ベーステーブル上のY方
向に平行に配設された2つのY方向ガイドと、このY方
向ガイドと係合しながらY方向に移動する2つの移動部
材と、この両移動部材に掛け渡されたX方向ガイドと、
このX方向ガイドと係合しながらX方向に移動し、粗動
機構が載置されるフレームと、このフレームと前記ベー
ステーブルとを固定及び解除する固定機構とから走査型
プローブ顕微鏡を構成したので、簡単な構造で試料台の
移動範囲を大きくするとともに剛性を高くすることが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態における走査型プローブ顕
微鏡の全体構成を表した一部断面図である。
【図2】同上、走査型プローブ顕微鏡における平面図で
ある。
【図3】同上、図1に示した走査型プローブ顕微鏡にお
けるA−A断面図である。
【図4】同上、粗動ステージ及びXY移動機構周辺を表
した一部断面図である。
【図5】同上、粗動ステージ及びXY移動機構周辺を表
した他の一部断面図である。
【図6】同上、粗動ステージ及びXY移動機構周辺を表
した他の一部断面図である。
【図7】同上、粗動ステージ及びXY移動機構周辺を表
した他の一部断面図である。
【図8】同上、走査型プローブ顕微鏡の制御系を表した
ブロック図である。
【図9】同上、走査型プローブ顕微鏡における試料の位
置決め動作を説明するための図である。
【図10】同上、第2の実施形態における、粗動ステー
ジ、及びXY移動機構におけるフレーム周辺を表した一
部断面図である。
【図11】同上、第3の実施形態における、粗動ステー
ジ、及びXY移動機構におけるフレーム周辺を表した一
部断面図である。
【図12】同上、第4の実施形態における、粗動ステー
ジ、及びXY移動機構におけるフレーム周辺を表した一
部断面図である。
【図13】同上、第5の実施形態における、粗動ステー
ジ、及びXY移動機構におけるフレーム周辺を表した一
部断面図である。
【図14】従来の走査型プローブ顕微鏡のうち、原子間
力顕微鏡の外観構成を表したものである。
【符号の説明】
120 ベーステーブル 200 支持部 300 上部筐体 400 粗動ステージ 410 粗動機構 420 支持台 430 試料台 500 XY移動機構 510 Y方向ガイドレール 520 スライド部材 530 X方向ガイド棒 550 フレーム 551 凹部 552 貫通孔 553 リニアブッシュ 554 貫通孔 560 固定機構 561 ベアリング 562 回転軸 564 クランプレバー 565 偏心ピン 566 偏心軸 567 固定具 569 ピン 580 ピン 590 バネ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の表面に探針を近接させてXY方向
    に走査することで、前記試料の表面形状あるいは物理量
    を計測する走査型プローブ顕微鏡であって、 前記試料が載置される試料台と、 この試料台をXYZの各軸方向に粗動する粗動機構と、 前記探針を収容する収容部と、 ベーステーブルと、 このベーステーブルに固定され、前記収容部を前記粗動
    機構の上部で支持する支持部と、 前記ベーステーブルのY方向に平行に配設された2つの
    Y方向ガイドと、 このY方向ガイドと係合しながらY方向に移動する2つ
    の移動部材と、 この2つの移動部材に掛け渡されたX方向ガイドと、 このX方向ガイドと係合しながらX方向に移動し、前記
    粗動機構が載置されるフレームと、 このフレームと前記ベーステーブルとを固定及び解除す
    る固定機構と、を具備することを特徴とする走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記固定機構は、前記フレームに回転可
    能に挿通された回転軸と、この回転軸に取り付けられ、
    前記回転軸の回転により前記ベーステーブルと当接して
    前記フレームを固定する固定具とを有することを特徴と
    する請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記固定具は、中心が前記回転軸の軸心
    から偏心した位置に取り付けられた楕円板または円板で
    あることを特徴とする請求項2に記載の走査型プローブ
    顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記固定機構は、前記フレームに取り付
    けられ、前記ベーステーブルと係合する電磁クラッチを
    使用したことを特徴とする請求項1に記載の走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記固定機構は、少なくとも前記粗動機
    構の自重によって前記ベーステーブルに固定され、前記
    フレームに回転可能に挿通された回転軸と、この回転軸
    に取り付けられ、前記回転軸の回転により前記駆動機構
    を上昇させる固定補助具を有することを特徴とする請求
    項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100981648B1 (ko) 2006-02-23 2010-09-10 씨에스전자(주) 수동식 반도체 웨이퍼 검사장치
CN113903641A (zh) * 2020-07-06 2022-01-07 聚束科技(北京)有限公司 一种显微镜

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KR100981648B1 (ko) 2006-02-23 2010-09-10 씨에스전자(주) 수동식 반도체 웨이퍼 검사장치
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