JP2000160589A - 作業用機械の油圧制御回路 - Google Patents

作業用機械の油圧制御回路

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JP2000160589A
JP2000160589A JP10342935A JP34293598A JP2000160589A JP 2000160589 A JP2000160589 A JP 2000160589A JP 10342935 A JP10342935 A JP 10342935A JP 34293598 A JP34293598 A JP 34293598A JP 2000160589 A JP2000160589 A JP 2000160589A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業中に作業部がキャブに接近した場合に、
作業部がキャブに干渉することを回避しながら作業を続
行できるようにすると共に、制限位置に達したときに作
業部を停止できるようにして、作業効率の向上を計る。 【解決手段】 制御部からの指令に基づいてコントロー
ルバルブ17、18、19へのパイロット圧油の供給、
遮断を行う電磁比例減圧弁28、29、30、36、電
磁切換弁32、33、35を設け、作業部が干渉防止領
域や制限位置に達したときに、上記電磁比例減圧弁、電
磁切換弁を作動させて油圧シリンダ10、11、12の
停止、回避作動を行うように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等の
作業用機械の油圧制御回路の技術分野に属するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の作業用機械の
なかには、左右揺動するオフセット型の作業部を取付け
たものあるが、このようなものにおいて、作業部を移動
させたとき該作業部が運転席部に接触(干渉)してしま
う惧れがあり、この様なものにおいては、作業部と運転
席部との接触を回避するための配慮が必要となる。そこ
で従来、作業部の位置を検出する位置検出手段と、該位
置検出手段からの検出信号に基づいて作業部が運転席部
の所定範囲以内に接近しているか否かの判断を行う制御
部とを設け、そして作業部が運転席部の所定範囲内まで
接近している判断された場合には、作業部用油圧アクチ
ュエータの油圧回路に対して制御部から制御指令を出力
して、作業部を停止させるようにしたものがある。この
様なものとして、例えば、図8に示す如きものが知られ
ているが、このものは、ブーム用シリンダ等の油圧アク
チュエータ54への圧油供給制御を行うためのパイロッ
ト式のコントロールバルブ55と、操作具の操作に基づ
いてパイロット圧油を出力するパイロットバルブ56
A、56Bとのあいだに、制御部からの指令に基づいて
作動する電磁比例減圧弁57A、57Bが設けられてい
る。そして、作業部が運転席部から離れている場合に
は、上記電磁比例減圧弁57A、57Bを開いてコント
ロールバルブ55へのパイロット圧油の供給を許容する
一方、作業部が運転席部に接近した場合には、電磁比例
減圧弁57A、57Bを閉じてコントロールバルブ55
へのパイロット圧油の供給を断ち、これにより作業部を
停止させるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記従来のも
のは、前述したように、作業部が運転席部に接近した場
合に、電磁比例減圧弁を閉じて作業部を停止させるもの
であるため、作業の途中で作業部が停止してしまうこと
になって作業能率が低下するという問題があり、ここに
本発明が解決しようとする課題があった。さらに、電線
や埋設物等の障害物があるところで作業を行う場合に、
作業部がこれら障害物に接触してしまうことを回避する
ための制御手段を設けることが好ましいが、このような
制御手段を、前述した作業部と運転席部との干渉防止制
御手段に加えて作業部の油圧制御回路に組込むにあた
り、回路の簡略化が望まれ、ここにも本発明が解決しよ
うとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創
作されたものであって、作業部を作動させるための複数
の油圧アクチュエータと、これら各油圧アクチュエータ
への圧油供給制御をそれぞれ行うためのコントロールバ
ルブとを備えてなる作業用機械の油圧制御回路におい
て、該油圧制御回路に、制御部からの制御指令に基づい
てコントロールバルブを作動させるバルブ駆動手段を設
けると共に、前記制御部に、作業部の位置を検出する位
置検出手段からの入力信号に基づいて作業部が予め設定
される干渉防止領域および制限位置に達したか否かを判
断する判断手段と、該判断手段により作業部が干渉防止
領域に達したと判断されたとき、油圧アクチュエータを
停止、あるいは作業部が作業機械本体から遠ざかる方向
に油圧アクチュエータを作動させるための制御指令をバ
ルブ駆動手段に出力する干渉防止制御手段と、判断手段
により作業部が制限位置に達したと判断されたとき、油
圧アクチュエータを停止させるための制御指令をバルブ
駆動手段に出力する位置制限制御手段とを設けたもので
ある。そして、この様にすることにより、作業部が干渉
防止領域に達したときに油圧アクチュエータを停止、あ
るいは作動させる干渉防止制御、および作業部が制限位
置に達したときに油圧アクチュエータを停止させる位置
制限制御を行えることになって、作業能率が向上する。
このものにおいて、バルブ駆動手段は、制御部からの制
御指令に基づいて各コントロールバルブへのパイロット
圧油の供給、遮断をそれぞれ行う弁手段により構成する
ことができる。また、油圧アクチュエータとして、機体
本体に対し上下左右揺動自在なブームを作動させるため
のブーム用油圧シリンダと、ブームの先端部に揺動自在
に連結されるスティックを作動させるためのスティック
用油圧シリンダとを備えた作業用機械において、干渉防
止制御手段に、少なくともブームが作動している状態で
作業部が干渉防止領域に達したと判断されたとき、ステ
ィックを干渉防止領域から離れる方向に作動させること
で干渉防止領域内への作業部の侵入を回避しながらブー
ム作動を続行させるための機構を設けることにより、干
渉防止領域への侵入を回避しながら作業を続行すること
ができて、作業効率がより向上する。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第一の実施の形態
を、図面に基づいて説明する。図1において、1はオフ
セット型の油圧ショベルであって、該油圧ショベル1
は、下部走行体2、上部旋回体3、キャブ4、作業部5
等の各部から構成されており、さらに該作業部5は、基
端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるリアブ
ーム6、該リアブーム6の先端部に左右揺動自在に連結
されるフロントブーム7、該フロントブーム7の先端部
に左右および前後揺動自在に支持されるスティック8、
該スティック8の先端部に前後揺動自在に連結されるバ
ケット9、およびこれらを揺動せしめるためのブーム用
シリンダ10、オフセット用シリンダ11、スティック
用シリンダ12、バケット用シリンダ13等から構成さ
れていること等の基本的構成は従来通りであるが、本実
施の形態において、キャブ4は上部旋回体3の左側部に
設けられている。さらに前記リアブーム6は、ブーム用
シリンダ10が縮小することで下降し、ブーム用シリン
ダ10が伸長することで上昇する構成となっている。ま
たフロントブーム7は、オフセット用シリンダ11が縮
小することで左方向、つまりキャブ4に接近する方向に
移動し、オフセット用シリンダ11が伸長することで右
方向に移動する構成となっている。さらにまたスティッ
ク8は、スティック用シリンダ12が伸長することで機
体後方側に揺動(スティックイン)し、スティック用シ
リンダ12が縮小することで機体前方側に揺動(スティ
ックアウト)する構成となっている。尚、本発明のブー
ムは、本実施の形態のリアブーム6とフロントブーム7
とを含み、またブーム用油圧シリンダは、ブーム用シリ
ンダ10とオフセット用シリンダ11とを含む。
【0006】前記各シリンダ10〜13への圧油供給制
御を、図2に示す油圧制御回路図に基づいて説明する
と、図2において、14はメインポンプ、15はパイロ
ットポンプ、16は油タンク、また17〜20はブーム
用、オフセット用、スティック用、バケット用の各コン
トロールバルブであって、これら各コントロールバルブ
17〜20は、縮小側パイロットポート17a〜20a
および伸長側パイロットポート17b〜20bを備えた
パイロット操作式の三位置切換弁から構成されている。
そして、前記各コントロールバルブ17〜20は、両パ
イロットポート17a〜20a、17b〜20bにパイ
ロット圧油が供給されていない状態では、対応する各シ
リンダ10〜13への圧油供給を停止する中立位置Nに
位置しているが、縮小側パイロットポート17a〜20
aにパイロット圧油が供給されることで、シリンダ10
〜13の縮小側油室にメインポンプ14からの圧油を供
給する縮小側位置Xに切換り、また伸長側パイロットポ
ート17b〜20bにパイロット圧油が供給されること
で、シリンダ10〜13の伸長側油室にメインポンプ1
4からの圧油を供給する伸長側位置Yに切換る構成とな
っている。
【0007】また、21〜24は対応する操作具の操作
に基づいて前記各コントロールバルブ17〜20にパイ
ロット圧油を供給するためのブーム用、オフセット用、
スティック用、バケット用のパイロットバルブであっ
て、これら各パイロットバルブ21〜24は、それぞれ
縮小側パイロットバルブ21A〜24Aと伸長側パイロ
ットバルブ21B〜24Bとから構成されている。そし
てこれらパイロットバルブ21〜24は、対応する操作
具を縮小側または伸長側に操作することにより、該操作
された側のパイロットバルブ21A〜24Aまたは21
B〜24Bの出力ポート21a〜24aから、操作具の
操作量に対応する圧力のパイロット圧油が出力される構
成となっている。尚、図2中、25、26、27はそれ
ぞれ上部旋回体3を旋回させるための旋回用モータ、旋
回用コントロールバルブ、旋回用パイロットバルブであ
る。
【0008】さらに、前記ブーム用縮小側パイロットバ
ルブ21Aとブーム用コントロールバルブ縮小側パイロ
ットポート17aとを連結するブーム用縮小側パイロッ
ト油路、ブーム用伸長側パイロットバルブ21Bとブー
ム用コントロールバルブ伸長側パイロットポート17b
とを連結するブーム用伸長側パイロット油路、スティッ
ク用伸長側パイロットバルブ23Bとスティック用コン
トロールバルブ伸長側パイロットポート19bとを連結
するスティック用伸長側パイロット油路の各パイロット
油路には、それぞれブーム用縮小側、ブーム用伸長側、
スティック用伸長側の各電磁比例減圧弁28、29、3
0が設けられている。これら電磁比例減圧弁28、2
9、30は同様のものであるため、ブーム用縮小側の電
磁比例減圧弁28を例にとって説明すると、このもの
は、第一〜第三ポート28a、28b、28c、および
ソレノイド28dを備えており、第一ポート28aは油
タンク16に、第二ポート28bはブーム用縮小側パイ
ロットバルブ21Aの出力ポート21aに、第三ポート
28cはブーム用コントロールバルブ17の縮小側パイ
ロットポート17aにそれぞれ接続されている。そして
この電磁比例減圧弁28は、ソレノイド28dが励磁し
ていない状態では、第一ポート28aと第三ポート28
cとを連通する弁路を開き、かつ第二ポート28bを閉
じていて、縮小側パイロットポート17aの油を油タン
ク16に排出するようになっているが、後述する制御部
31からの制御指令に基づいてソレノイド28dが励磁
することにより、第二ポート28bと第三ポート28c
とを連通する出力用弁路を開くように構成されている。
そして該出力用弁路が開くことにより、ブーム用縮小側
パイロットバルブ出力ポート21aからのパイロット圧
油がブーム用コントロールバルブ縮小側パイロットポー
ト17aに出力されるようになっているが、該出力圧力
は、制御部31からソレノイド28dの励磁回路に出力
される制御指令に対応して増減するようになっている。
【0009】また、前記オフセット用縮小側パイロット
バルブ22Aとオフセット用コントロールバルブ縮小側
パイロットポート18aとを連結するオフセット用縮小
側パイロット油路、およびオフセット用伸長側パイロッ
トバルブ22Bとオフセット用コントロールバルブ伸長
側パイロットポート18bとを連結するオフセット用伸
長側パイロット油路の各パイロット油路には、それぞれ
オフセット用縮小側、オフセット用伸長側の各電磁切換
弁32、33が設けられている。これら電磁切換弁3
2、33は同様のものであるため、オフセット用縮小側
の電磁切換弁32を例にとって説明すると、このもの
は、ソレノイド32aを備えた二位置切換弁であって、
ソレノイド32aが励磁していない状態では、オフセッ
ト用縮小側パイロットバルブ22Aから出力されるパイ
ロット圧油をオフセット用コントロールバルブ縮小側パ
イロットポート18aに供給する供給位置Xに位置して
いるが、制御部31からの制御指令に基づいてソレノイ
ド32aが励磁することにより、前記パイロットバルブ
22Aからパイロットポート18aへのパイロット圧油
の供給を遮断する遮断位置Yに切換るように構成されて
いる。
【0010】一方、前記スティック用縮小側パイロット
バルブ23Aとスティック用コントロールバルブ縮小側
パイロットポート19aとを連結するスティック用縮小
側パイロット油路には、第一シャトル弁34およびステ
ィック用縮小側電磁切換弁35が設けられている。前記
第一シャトル弁34は、後述する回避用電磁比例減圧弁
36から出力されるパイロット圧油と、スティック用縮
小側パイロットバルブ23Aから出力されるパイロット
圧油とを入力し、該入力されたパイロット圧油のうち高
圧側のものを選択してスティック用縮小側電磁切換弁3
5に出力するように構成されている。
【0011】また、前記スティック用縮小側電磁切換弁
35は、前述した電磁切換弁32、33と同様の構造の
ものであって、ソレノイド35aが励磁していない状態
では、前記第一シャトル弁34から出力されるパイロッ
ト圧油をスティック用コントロールバルブ縮小側パイロ
ットポート19aに供給する供給位置Xに位置している
が、制御部31からの制御指令に基づいてソレノイド3
5aが励磁することにより、前記第一シャトル弁34か
らパイロットポート19aへのパイロット圧油の供給を
遮断する遮断位置Yに切換るように構成されている。
【0012】さらに、前記回避用電磁比例減圧弁36
は、前述した電磁比例減圧弁28、29、30と同様の
構造のものであるが、このものの第一ポート36aは油
圧タンク16に、第二ポート36bは後述する回避用パ
イロット油路37に、第三ポート36cは前記第一シャ
トル弁34にそれぞれ接続されている。そしてこの回避
用電磁比例減圧弁36は、制御部31からの作動指令に
基づいてソレノイド36dが励磁することにより、第二
ポート36bと第三ポート36cとを連通する出力用弁
路を開いて、回避用パイロット油路37の圧油を第一シ
ャトル弁34に出力するように構成されているが、該出
力圧力は、制御部31からの制御指令に対応して増減す
るようになっている。
【0013】ここで、前記回避用パイロット油路37
は、ブーム用縮小側、伸長側の各パイロットバルブ21
A、21B、およびオフセット用縮小側パイロットバル
ブ22Aから出力されたパイロット圧油を、第二、第三
シャトル弁38、39を介して前記回避用パイロット油
路37に供給するように構成されている。つまり、ブー
ム用縮小側パイロットバルブ21Aとブーム用縮小側電
磁比例減圧弁28とを連結する油路の中途部からはブー
ム用縮小側パイロット分岐油路40が分岐形成され、ま
たブーム用伸長側パイロットバルブ21Bとブーム用伸
長側電磁比例減圧弁29とを連結する油路の中途部から
はブーム用伸長側パイロット分岐油路41が分岐形成さ
れ、さらにオフセット用縮小側パイロットバルブ22A
とオフセット用縮小側電磁切換弁32とを連結する油路
の中途部からはオフセット用縮小側パイロット分岐油路
42が分岐形成されている。そして、前記ブーム用縮小
側、伸長側の各パイロット分岐油路40、41は、第二
シャトル弁38の入口側第一、第二ポート38a、38
bにそれぞれ接続されているが、該第二シャトル弁38
の出口側ポート38cは、第三シャトル弁39の入口側
第一ポート39aに接続されている。また、オフセット
用縮小側パイロット分岐油路42は第三シャトル弁39
の入口側第二ポート39bに接続されており、さらに該
第三シャトル弁39の出口側ポート39cは、前記回避
用パイロット油路37に接続されている。而して、ブー
ム用縮小側または伸長側のパイロットバルブ21Aまた
は21Bからパイロット圧油が出力された場合には、ブ
ーム用縮小側または伸長側のパイロット分岐油路40ま
たは41、第二シャトル弁38、第三シャトル弁39を
経由して回避用パイロット油路37にパイロット圧油が
供給され、またオフセット用縮小側パイロットバルブ2
2Aからパイロット圧油が出力された場合には、オフセ
ット用縮小側パイロット分岐油路42、第三シャトル弁
39を経由して回避用パイロット油路37にパイロット
圧油が供給されるようになっている。尚、ブーム用縮小
側または伸長側のパイロットバルブ21Aまたは21B
と、オフセット用縮小側パイロットバルブ22Aとの両
方からパイロット圧油が出力された場合には、高圧側の
パイロット圧油が回避用パイロット油路37に供給され
る。
【0014】さらに、43はロック用電磁弁であって、
このものは、前記パイロットバルブ21〜24、27の
一次側(上流側)に配設されている。そしてこのロック
用電磁弁43は、オペレータがロック用操作具(図示せ
ず)を操作することに基づいて、パイロットポンプ15
からのパイロット圧油をパイロットバルブ21〜24、
27に出力する非ロック位置Xと、パイロット圧油を出
力しないロック位置Yとに切換るように構成されてい
る。
【0015】一方、前記制御部31は、マイクロコンピ
ュータ等を用いて構成されるものであるが、該制御部3
1は、図3のブロック図に示す如く、リアブーム6の上
部旋回体3に対する相対角度を検出するブーム角度セン
サ44、フロントブーム7のリアブーム6に対する相対
角度を検出するオフセット角度センサ45、スティック
8のフロントブーム7に対する相対角度を検出するステ
ィック角度センサ46からの検出信号を入力し、該検出
信号に基づいて、位置演算器47によりリアブーム6、
フロントブーム7、スティック8の位置を演算し、該演
算結果を比較演算器48に出力する。さらに比較演算器
48には、制限位置セットスイッチ49により設定され
た制限位置Pが入力される。一方、制御部31のメモリ
ー31aには、作業部5がキャブ4にこれ以上接近して
はならないとして設定された干渉防止領域(例えばキャ
ブ4から300mm以内の範囲)Hが記憶されている。
そして比較演算器48は、前記位置演算器47により演
算された作業部5の位置と干渉防止領域Hおよび制限位
置Pとを比較演算して、その演算結果を出力信号演算器
50に出力する。この場合、バケット9が最も干渉防止
領域Hや制限位置Pに近づく姿勢となった状態を想定し
て、作業部5の位置と干渉防止領域Hおよび制限位置P
との比較演算が行われる。さらに、前記出力信号演算器
50には、ブーム用縮小側パイロットバルブ21Aから
パイロット圧油が出力されたことを検知するブーム用縮
小側圧力センサ51A、同様にブーム用伸長側、オフセ
ット用縮小側、オフセット用伸長側、スティック用縮小
側、およびスティック用伸長側の各パイロットバルブ2
1B、22A、22B、23A、23Bからパイロット
圧油が出力されたことをそれぞれ検知するブーム用伸長
側、オフセット用縮小側、オフセット用伸長側、スティ
ック用縮小側、およびスティック用伸長側の各圧力セン
サ51B、52A、52B、53A、53Bからの信号
が入力される。そして出力信号演算器50は、比較演算
器48および圧力センサ51A、51B、52A、52
B、53A、53Bからの入力信号に基づき、ブーム用
縮小側、ブーム用伸長側、スティック用伸長側、回避用
の各電磁比例減圧弁28、29、30、36、およびオ
フセット用縮小側、オフセット用伸長側、スティック用
縮小側の各電磁切換弁32、33、35のソレノイド励
磁回路に制御指令を出力するように構成されている。こ
こで、前記制限位置Pは、高さ、深さ、リーチ、右オフ
セット、左オフセット位置の全部または一部について、
オペレータが制限位置セットスイッチ49を用いて任意
に設定、解除することができるものであって、該制限位
置Pを設定することにより、作業部5の可動範囲を限定
できる。
【0016】尚、本実施の形態においては、バケット用
パイロットバルブ24からバケット用コントロールバル
ブ20にパイロット圧油を供給するバケット用パイロッ
ト油路、および旋回用パイロットバルブ27から旋回用
コントロールバルブ26にパイロット圧油を供給する旋
回用パイロット油路には、制御部31からの指令で作動
する電磁比例減圧弁や電磁切換弁が設けられておらず、
操作具の操作に基づいて上記各パイロットバルブ24、
27出力されたパイロット圧油がそのままコントロール
バルブ20、26に供給されるようになっている。つま
り、バケット9および旋回作動については、後述する制
御部31の干渉防止制御および位置制限制御に関与せ
ず、常に操作具の操作に対応して行われる構成となって
いる。
【0017】次に、制御部31における干渉防止制御お
よび位置制限制御について説明すると、前記比較演算器
48において作業部5が干渉防止領域Hから予め設定さ
れる所定範囲以上離れており、かつ制限位置Pに達して
いないと演算された場合、出力信号演算器50は、各電
磁比例減圧弁28、29、30、36、および各電磁切
換弁32、33、35に対し、通常時用の制御指令を出
力する。つまり、ブーム用縮小側、ブーム用伸長側、ス
ティック用伸長側の各電磁比例減圧弁28、29、30
に対しては、ブーム用縮小側、ブーム用伸長側、スティ
ック用伸長側の各圧力センサ51A、51B、53Bに
よりパイロット圧油の出力が検出されない場合には出力
用弁路を閉じ、パイロット圧油の出力が検出されること
に基づいて出力用弁路を全開するよう制御指令を出力す
る。また、オフセット用縮小側、オフセット用伸長側、
スティック用縮小側の各電磁切換弁32、33、35に
対しては、供給位置Xに位置するよう制御指令を出力す
る。さらに、回避用電磁比例減圧弁36に対しては、出
力用弁路を閉じるよう制御指令を出力する。これによ
り、操作具の操作に基づいてブーム用縮小側、ブーム用
伸長側、スティック用縮小側、スティック用伸長側、オ
フセット用縮小側、オフセット用伸長側の各パイロット
バルブ21A、21B、23A、23B、22A、22
Bからパイロット圧油が出力された場合、該パイロット
圧油は、全開の電磁比例減圧弁28、29、30、また
は供給位置Xの電磁切換弁32、33、35を経由して
そのままブーム用、オフセット用、スティック用の各コ
ントロールバルブ17、18、19に供給されるように
なっている。ここで、スティック用縮小側パイロット油
路には、スティック用縮小側パイロットバルブ23Aか
ら出力されるパイロット圧油と回避用電磁比例減圧弁3
6から出力されるパイロット圧油とのうち高圧側を選択
する第一シャトル弁34が設けられているが、前述した
ように回避用電磁比例減圧弁36は出力用弁路を閉じて
いるためパイロット圧油の出力はなく、而してスティッ
ク用縮小側パイロットバルブ23Aから出力されたパイ
ロット圧油が選択されてコントロールバルブ19に供給
される。つまり、作業部5が干渉防止領域Hから所定間
隔以上離れており、かつ制限位置Pに達していない場
合、作業部5は、操作具の操作に対応して作動する。
【0018】これに対し、前記比較演算器48により作
業部5が干渉防止領域Hに対し予め設定される所定範囲
以内に近づいている演算された場合、出力信号演算器5
0は、ブーム用縮小側、ブーム用伸長側、スティック用
伸長側の各電磁比例減圧弁28、29、30に対し、減
速用の制御指令を出力する。つまり、前記各電磁比例減
圧弁28、29、30に対し、ブーム用縮小側、ブーム
用伸長側、スティック用伸長側の各パイロットバルブ2
1A、21B、23Bからのパイロット圧油の出力が検
知された場合に、開度量調節された状態で出力用弁路を
開くようソレノイド励磁指令を出力する。この場合、各
電磁比例減圧弁28、29、30の出力用弁路の開度量
は、作業部5が干渉防止領域Hに近づくほど電磁比例減
圧弁28、29、30からの出力圧力が小さくなるよう
に調節される。これにより、操作具の操作に基づいてブ
ーム用縮小側、ブーム用伸長側、スティック用伸長側の
各パイロットバルブ21A、21B、23Bからパイロ
ット圧油が出力された場合、該パイロット圧油は、電磁
比例減圧弁28、29、30により減圧された状態でコ
ントロールバルブ17、19に供給される。つまり、作
業部5が干渉防止領域Hの所定間隔以内に近づいた場
合、ブーム下降および上昇、スティックインの各作動
は、減速された状態で行なわれる。
【0019】さらに、前記比較演算器48により作業部
5が干渉防止領域Hの外側境界線部に達したと演算され
た場合、出力信号演算器50は、図4に示す制御指令表
図に基づいて各電磁比例減圧弁28、29、30、3
6、および各電磁切換弁32、33、35に対し、干渉
防止用の制御指令を出力するが、本実施の形態では、干
渉防止領域Hとしてキャブのフロント・サイド部(前部
および右側部)干渉防止領域とキャブのルーフ部干渉防
止領域の二つの領域が設定されていて、各領域において
別々の制御がなされる。前記図4には、操作具の操作状
態と作業部5への作動指令との関係が示されているが、
ここで、ブーム下降、ブーム上昇、スティックアウト、
スティックイン、左オフセット、右オフセットの操作状
態は、それぞれブーム用縮小側、ブーム用伸長側、ステ
ィック縮小側、スティック用伸長側、オフセット用縮小
側、オフセット用伸長側の圧力センサ51A、51B、
53A、53B、52A、52Bからの検知信号の入力
に基づいて判断する。一方、ブーム下降、ブーム上昇、
スティックインの作動指令については、それぞれブーム
用縮小側、ブーム用伸長側、スティック用伸長側の電磁
比例減圧弁28、29、30に対し、出力用弁路を開く
よう制御指令を出力する。この場合、ブーム下降、ブー
ム上昇、スティックインの作動指令は、ブーム下降、ブ
ーム上昇、スティックインの操作がそれぞれなされてい
る場合にのみ出力されるようになっており、該操作に基
づいてパイロットバルブ21A、21B、23Bから出
力されたパイロット圧油は、電磁比例減圧弁28、2
9、30の出力用弁路を経由してブーム用、スティック
用のコントロールバルブ17、19にそれぞれ供給さ
れ、而してブーム下降、ブーム上昇、スティックインの
各作動が行われる。また、左オフセット、右オフセット
の作動指令については、オフセット用縮小側、オフセッ
ト伸長側電磁切換弁32、33に対し、供給位置Xに位
置するよう制御指令を出力する。この場合、左オフセッ
ト、右オフセットの作動指令は、左オフセット、右オフ
セットの操作がなされている場合にのみ出力されるよう
になっており、該操作に基づいてパイロットバルブ22
A、22Bから出力されたパイロット圧油は、供給位置
Xの電磁切換弁32、33を経由してオフセット用コン
トロールバルブ18に供給され、而して左オフセット、
右オフセットの各作動が行われる。さらに、スティック
アウトの作動指令は、スティックアウトの操作がなされ
ている場合だけでなく、操作されていない場合でも出力
される。そして、スティックアウトの操作がなされてい
る状態でのスティックアウトの作動指令については、回
避用電磁比例減圧弁36に対し出力用弁路を閉じるよう
制御指令を出力すると共に、スティック用縮小側電磁切
換弁35に対し供給位置Xに位置するよう制御指令を出
力する。これにより、スティックアウトの操作に基づい
てパイロットバルブ23Aから出力されたパイロット圧
油は、第一シャトル弁34および供給位置Xの電磁切換
弁35を経由してスティック用コントロールバルブ19
に供給され、而してスティックアウトの作動が行われ
る。これに対し、スティックアウトの操作がなされてい
ない状態でスティックアウトの作動指令が出力される場
合には、図4の制御指令表図に示すごとく、ブーム下
降、ブーム上昇、左オフセットの操作が単独または複合
でなされていて、ブーム用縮小側、ブーム用伸長側、オ
フセット用縮小側パイロットバルブ21A、21B、2
2Aの何れかから出力されたパイロット圧油が回避用パ
イロット油路37に供給されている。そしてこの場合の
スティックアウトの作動指令については、回避用電磁比
例減圧弁36に対し出力用弁路を開くよう制御指令を出
力すると共に、スティック用縮小側電磁切換弁35に対
し供給位置Xに位置するよう制御指令を出力する。これ
により、前記回避用パイロット油路37のパイロット圧
油が、回避用電磁比例減圧弁36、第一シャトル弁34
および供給位置Xの電磁切換弁35を経由してスティッ
ク用コントロールバルブ19に供給され、而してスティ
ックアウトの作動が行われる。一方、ブーム下降停止、
ブーム上昇停止、スティックイン停止の作動指令につい
ては、それぞれブーム用縮小側、ブーム用伸長側、ステ
ィック用伸長側の電磁比例減圧弁28、29、30に対
し、出力用弁路を閉じるよう制御指令を出力する。これ
により、ブーム用、スティック用のコントロールバルブ
17、19へのパイロット圧油の供給が断たれ、ブーム
下降、ブーム上昇、スティックインの各作動は停止す
る。さらに、スティックアウト停止、左オフセット停
止、右オフセット停止の作動指令については、それぞれ
スティック用縮小側、オフセット用縮小側、オフセット
伸長側の電磁切換弁35、32、33に対し、遮断位置
Yに位置するよう制御指令を出力する。これにより、ス
ティック用、オフセット用のコントロールバルブ19、
18へのパイロット圧油の供給が断たれ、スティックア
ウト、左オフセット、右オフセットの各作動は停止す
る。
【0020】そしてまず、フロント・サイド部干渉防止
領域において、作業部5が干渉防止領域Hの外側境界線
部に達したときの制御について図4に基づいて説明する
と、ブーム下降の操作が単独でなされている場合には、
ブーム下降およびスティックアウトの作動指令が出力さ
れる。これにより、スティック8をアウトさせて作業部
5が干渉防止領域内Hに侵入することを回避しながら、
ブーム下降の作動を継続することができる。この場合、
作業部5は、干渉防止領域Hの外側境界線部にほぼ沿う
ようにして下降する。スティックインの操作が単独でな
されている場合には、スティックイン停止の作動指令が
出力され、また、左オフセットの操作が単独でなされて
いる場合には、左オフセット停止の作動指令が出力され
る。これにより、作業部5が自動的に停止し、干渉防止
領域内Hに侵入することが回避される。ブーム下降およ
びスティックインの操作が複合でなされている場合に
は、ブーム下降およびスティックアウトの作動指令が出
力され、また、ブーム下降および左オフセットの操作が
複合でなされている場合には、ブーム下降、スティック
アウトおよび左オフセットの作動指令が出力され、ま
た、スティックインおよび左オフセットの操作が複合で
なされている場合には、スティックアウトおよび左オフ
セットの作動指令が出力され、さらに、ブーム下降、ス
ティックインおよび左オフセットの操作が複合でなされ
ている場合には、ブーム下降、スティックアウトおよび
左オフセットの作動指令が出力される。これにより、ス
ティック8をアウトさせて作業部5が干渉防止領域内H
に侵入することを回避しながら、ブーム下降、左オフセ
ットの作動を継続することができる。この場合、作業部
5は、干渉防止領域Hの外側境界線部にほぼ沿うように
して移動する。ブーム上昇の操作が単独でなされている
場合には、ブーム上昇およびスティックアウトの作動指
令が出力される。これにより、スティック8をアウトさ
せて作業部5が干渉防止領域内Hに侵入することを回避
しながら、ブーム上昇の作動を継続することができる。
この場合、作業部5は、干渉防止領域Hの外側境界線部
にほぼ沿うようにして移動する。ブーム上昇およびステ
ィックインの操作が複合でなされている場合には、ブー
ム上昇およびスティックアウトの作動指令が出力され、
また、ブーム上昇および左オフセットの操作が複合でな
されている場合には、ブーム上昇、スティックアウトお
よび左オフセットの作動指令が出力され、さらに、ブー
ム上昇、スティックインおよび左オフセットの操作が複
合でなされている場合には、ブーム上昇、スティックア
ウトおよび左オフセットの作動指令が出力される。これ
により、スティック8をアウトさせて作業部5が干渉防
止領域内Hに侵入することを回避しながら、ブーム上
昇、左オフセットの作動を継続することができる。この
場合、作業部5は、干渉防止領域Hの外側境界線部にほ
ぼ沿うようにして移動する。また、このフロント・サイ
ド部干渉防止領域の制御において、図4には示されてい
ないが、スティックアウト、右オフセットの操作がなさ
れた場合には、スティックアウト、右オフセットの作動
指令がそれぞれ出力されるが、スティックアウト、右オ
フセットの操作が前述した各操作と複合してなされた場
合(スティックアウトの操作とスティックインの操作と
が同時になされること、および右オフセットの操作と左
オフセットの操作とが同時になされることは、もちろん
無い)は、前記各作動指令と併せてスティックアウト、
右オフセットの作動指令が出力される。
【0021】次に、ルーフ部干渉防止領域において、作
業部5が干渉防止領域Hの外側境界線部に達したときの
制御について説明すると、ブーム下降の操作が単独でな
されている場合には、ブーム下降停止の作動指令が出力
され、スティックインの操作が単独でなされている場合
には、スティックイン停止の作動指令が出力され、ステ
ィックアウトの操作が単独でなされている場合には、ス
ティックアウト停止の作動指令が出力される。これによ
り、作業部5が自動的に停止し、干渉防止領域内Hに侵
入することが回避される。尚、前記ブーム下降の操作が
単独でなされている場合の作動指令については、次に説
明するブーム下降およびスティックインの操作が複合で
なされている場合のように、スティック8の角度が仰角
であるときにはブーム下降およびスティックアウトの作
動指令を出力するように設定することもできる。このよ
うにした場合には、スティック8をアウトさせて作業部
5が干渉防止領域内Hに侵入することを回避しながら、
ブーム下降の作動を継続することができる。ブーム下降
およびスティックインの操作が複合でなされている場合
には、スティック8の姿勢によりブーム下降およびステ
ィックアウトの作動指令、またはブーム下降停止および
スティックイン停止の作動指令が出力される。つまり、
図5(A)に示す如く、スティック8の揺動支点を通る
垂直線Lに対しスティック8の角度が仰角である場合に
は、ブーム下降およびスティックアウトの作動指令が出
力され、これにより、スティック8をアウトさせて作業
部5が干渉防止領域内Hに侵入することを回避しなが
ら、ブーム下降の作動を継続することができる。この場
合、作業部5は、干渉防止領域Hの外側境界線部に沿う
ようにして移動する。また、図5(B)に示す如く、ス
ティック8の揺動支点を通る垂直線Lに対しスティック
8の角度が俯角である場合には、ブーム下降停止および
スティックイン停止の作動指令が出力される。これによ
り、作業部5が自動的に停止し、干渉防止領域内Hに侵
入することが回避される。ブーム下降およびスティック
アウトの操作が複合でなされている場合には、ブーム下
降停止およびスティックアウト停止の作動指令が出力さ
れる。これにより、作業部5が自動的に停止し、干渉防
止領域内Hに侵入することが回避される。また、このル
ーフ部干渉防止領域の制御において、図4には示されて
いないが、ブーム上昇、左オフセット、右オフセットの
操作がなされた場合には、ブーム上昇、左オフセット、
右オフセットの作動指令がそれぞれ出力されるが、ブー
ム上昇、左オフセット、右オフセットの操作が前述した
各操作と複合してなされた場合(ブーム上昇の操作とブ
ーム下降の操作とが同時になされることは、もちろん無
い)は、前記各作動と併せてブーム上昇、左オフセッ
ト、右オフセットの作動指令が出力される。
【0022】さらに、前記出力信号演算器50は、前記
比較演算器48により作業部5が制限位置Pに達したと
演算された場合、ブーム用縮小側、ブーム用伸長側、ス
ティック用伸長側の各電磁比例減圧弁28、29、3
0、およびオフセット縮小側、オフセット伸長側、ステ
ィック縮小側の各電磁切換弁32、33、35に対し、
位置制限用の制御指令を出力する。つまり、作業部5が
制限位置Pに達した場合、該制限位置Pを越える方向に
作業部5を移動させるためのパイロット圧油の供給を断
つべく、対応するパイロット油路の電磁比例減圧弁2
8、29、30、電磁切換弁32、33、35に対し、
出力用弁路を閉じるよう、あるいは遮断位置Yに位置す
るように制御指令を出力する。これにより、例えば、制
限位置セットスイッチ49により高さの制限位置Pがセ
ットされている場合、リアブーム6を上昇させていると
きに作業部5の高さが上記制限位置Pに達すると、ブー
ム用伸長側電磁比例減圧弁29の出力用弁路が閉じ、こ
れによりブーム用コントロールバルブ伸長側パイロット
ポート17bへのパイロット圧油の断たれて、リアブー
ム6の上昇が自動的に停止する。同様に、深さ、リー
チ、オフセット位置についても、セットされた制限位置
Pに作業部5が達すると、制限位置Pを越える方向への
パイロット圧油の供給が断たれて、該方向への作動部5
の移動が自動的に停止する。
【0023】叙述の如く構成されたものにおいて、作業
部5は、前述したように、干渉防止領域Hから所定間隔
以上離れており、かつ制限位置Pに達していない状態で
は、操作具の操作に対応して作動するが、干渉防止領域
Hの所定間隔以内に近づいた場合には自動的に減速し、
さらに干渉防止領域Hに達した場合には、操作具の操作
状態や作業部5の位置に対応して、自動的に停止する
か、あるいはスティック8が自動的にアウトして作業部
5が干渉防止領域Hに侵入することを回避しながら、ブ
ーム6の下降および上昇、左オフセット等の作動を続行
することができる。一方、作業部5が制限位置Pに達し
た場合には、作業部5の作動は自動的に停止することに
なる。
【0024】この結果、例えばブーム下降の操作をして
いるときに作業部5が干渉防止領域Hに達した場合、ス
ティック8が自動的にアウトして干渉防止領域Hを回避
しながらブーム6の下降作動が続行されることになっ
て、従来のように作業が停止してしまうようなことがな
く、作業能率が向上する。さらに、電線や埋設物等の障
害物がある場所で作業する場合に、該障害物に接触しな
いための制限位置Pを制限位置セットスイッチ49によ
り予め設定しておけば、制限位置Pに達すると作業部5
が自動的に停止することになって、障害物との接触を気
にすることなく効率よく作業を行うことができる。
【0025】しかもこのものは、干渉防止制御を行うた
めの電磁比例減圧弁28、29、30、電磁切換弁32
が設けられているブーム用縮小側、ブーム用伸長側、ス
ティック用伸長側、オフセット用縮小側の各パイロット
油路については、これら電磁比例減圧弁28、29、3
0、電磁切換弁32をそのまま用いて位置制限制御を行
い、そして干渉防止制御用の弁が設けられていないステ
ィック用縮小側、オフセット用伸長側のパイロット油路
にのみ、位置制限制御用の電磁切換弁33、35を組込
む構成となっているから、部材の兼用化が計れると共
に、油圧回路の簡略化に寄与できる。そのうえ、干渉防
止制御と位置制限制御とは、ブーム角度センサ44、オ
フセット角度センサ45、スティック角度センサ46か
らの検出信号に基づいて位置演算器47により作業部5
の位置を演算し、該演算結果と干渉防止領域Hおよび制
限位置Pとを比較演算器48により比較し、その結果に
基づいて出力信号演算器50から各電磁比例減圧弁2
8、29、30、36、電磁切換弁32、33、35に
対し制御指令を出力するという同じ制御手順で行う構成
となっているから、制御の簡略化にも寄与できる。
【0026】さらにこのものにおいて、スティック8を
自動的にアウトさせることのみで干渉防止領域Hを回避
しながら作業を続行できる構成となっているから、作業
部5に設けられる油圧アクチュエータのうちスティック
用シリンダ12の回路のみにシリンダが自動的に縮小す
るための回路を組み込めば良いことになって、回路の簡
略化が計れ、コストアップの抑制に寄与できる。また、
自動的に行われるのはスティック8のアウトだけである
ため、干渉回避動作が簡略化され、オペレータも容易に
認識できる。
【0027】尚、本発明は上記の実施の形態に限定され
ないことは勿論であって、スティック8を自動的にアウ
トさせるためのパイロット圧油を供給するにあたり、パ
イロット油圧源から出力されるパイロット圧油をそのま
ま用いることもできるが、本実施の形態では、ブーム下
降、ブーム上昇、左オフセットの操作に伴って出力され
るパイロット圧油を用いる構成となっているから、ステ
ィック用縮小側電磁比例減圧弁34が故障等により誤作
動してスティック8が勝手にアウトしてしまうような不
具合が万一発生したとしても、前記ブーム下降、ブーム
上昇、左オフセットの操作を停止すればスティック8の
勝手なアウトを停止させることができるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの側面図である。
【図2】油圧アクチュエータの油圧制御回路図である。
【図3】干渉防止制御の制御手順を示すブロック図であ
る。
【図4】干渉防止制御の制御指令を示す表図である。
【図5】(A)はスティックの角度が仰角である場合、
(B)はスティックの角度が俯角である場合を示す図で
ある。
【図6】高さ、深さ、リーチの制限位置を示す図であ
る。
【図7】左オフセット、右オフセットの制限位置を示す
図である。
【図8】従来例を示す油圧アクチュエータの油圧制御回
路図である。
【符号の説明】
4 キャブ 5 作業部 10 ブーム用シリンダ 11 オフセット用シリンダ 12 スティック用シリンダ 17 ブーム用コントロールバルブ 18 オフセット用コントロールバルブ 19 スティック用コントロールバルブ 28 ブーム用縮小側電磁比例減圧弁 29 ブーム用伸長側電磁比例減圧弁 30 スティック用伸長側電磁比例減圧弁 31 制御部 32 オフセット用縮小側電磁切換弁 33 オフセット用伸長側電磁切換弁 35 スティック用縮小側電磁切換弁 36 回避用電磁比例減圧弁 44 ブーム角度センサ 45 オフセット角度センサ 46 スティック角度センサ 47 位置演算器 48 比較演算器 50 出力信号演算器 H 干渉防止領域 P 制限位置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月30日(1999.9.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創
作されたものであって、作業部を作動させるための複数
の油圧アクチュエータと、これら各油圧アクチュエータ
への圧油供給制御をそれぞれ行うためのコントロールバ
ルブとを備えてなる作業用機械の油圧制御回路に、制御
部からの制御指令に基づいてコントロールバルブを作動
させるバルブ駆動手段を設けると共に、前記制御部に、
作業部の位置を検出する位置検出手段からの入力信号に
基づいて作業部が作業機械本体に対して予め設定される
干渉防止領域達したか否かを判断する判断手段と、該
判断手段により作業部が干渉防止領域に達したと判断さ
れたとき、油圧アクチュエータを停止、あるいは作業部
が作業機械本体から遠ざかる方向に油圧アクチュエータ
を作動させるための制御指令を前記バルブ駆動手段に出
力する干渉防止制御手段とを設けた作業用機械におい
て、該作業用機械に、油圧アクチュエータが前記干渉防
止領域とは別に設定される制限位置に達した場合に該
圧アクチュエータを停止させるための制御指令を出力す
る位置制限制御手段を設けるにあたり、油圧アクチュエ
ータが制限位置に達したことの判断を前記判断手段で実
行させる一方、位置制限制御手段から出力された油圧ア
クチュエータの停止制御指令を、前記干渉防止制御手段
からの出力制御指令を受けるバルブ駆動手段に出力させ
て油圧アクチュエータの停止を実行するように構成した
ことを特徴とするものである。そして、この様にするこ
とにより、作業部が干渉防止領域に達したときに油圧ア
クチュエータを停止、あるいは作動させる干渉防止制
御、および作業部が制限位置に達したときに油圧アクチ
ュエータを停止させる位置制限制御を、回路の簡略化を
計りながら行えることになって、作業能率が向上する。
このものにおいて、バルブ駆動手段は、制御部からの制
御指令に基づいて各コントロールバルブへのパイロット
圧油の供給、遮断をそれぞれ行う弁手段により構成する
ことができる。また、油圧アクチュエータとして、機体
本体に対し上下左右揺動自在なブームを作動させるため
のブーム用油圧シリンダと、ブームの先端部に揺動自在
に連結されるスティックを作動させるためのスティック
用油圧シリンダとを備えた作業用機械において、干渉防
止制御手段に、少なくともブームが作動している状態で
作業部が干渉防止領域に達したと判断されたとき、ステ
ィックを干渉防止領域から離れる方向に作動させること
で干渉防止領域内への作業部の侵入を回避しながらブー
ム作動を続行させるための機構を設けることにより、干
渉防止領域への侵入を回避しながら作業を続行すること
ができて、作業効率がより向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業部を作動させるための複数の油圧ア
    クチュエータと、これら各油圧アクチュエータへの圧油
    供給制御をそれぞれ行うためのコントロールバルブとを
    備えてなる作業用機械の油圧制御回路において、 該油圧制御回路に、 制御部からの制御指令に基づいてコントロールバルブを
    作動させるバルブ駆動手段を設けると共に、 前記制御部に、 作業部の位置を検出する位置検出手段からの入力信号に
    基づいて作業部が予め設定される干渉防止領域および制
    限位置に達したか否かを判断する判断手段と、 該判断手段により作業部が干渉防止領域に達したと判断
    されたとき、油圧アクチュエータを停止、あるいは作業
    部が作業機械本体から遠ざかる方向に油圧アクチュエー
    タを作動させるための制御指令をバルブ駆動手段に出力
    する干渉防止制御手段と、 判断手段により作業部が制限位置に達したと判断された
    とき、油圧アクチュエータを停止させるための制御指令
    をバルブ駆動手段に出力する位置制限制御手段とを設け
    た作業用機械の油圧制御回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、バルブ駆動手段は、
    制御部からの制御指令に基づいて各コントロールバルブ
    へのパイロット圧油の供給、遮断をそれぞれ行う弁手段
    である作業用機械の油圧制御回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、作業用機械
    は、油圧アクチュエータとして、機体本体に対し上下左
    右揺動自在なブームを作動させるためのブーム用油圧シ
    リンダと、ブームの先端部に揺動自在に連結されるステ
    ィックを作動させるためのスティック用油圧シリンダと
    を備え、 干渉防止制御手段は、少なくともブームが作動している
    状態で作業部が干渉防止領域に達したと判断されたと
    き、スティックを干渉防止領域から離れる方向に作動さ
    せることで干渉防止領域内への作業部の侵入を回避しな
    がらブーム作動を続行させるための機構が設けられてい
    る作業用機械の油圧制御回路。
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