JP2000160069A - 調色用顔料液セット及び塗料調色方法 - Google Patents

調色用顔料液セット及び塗料調色方法

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JP2000160069A JP10342433A JP34243398A JP2000160069A JP 2000160069 A JP2000160069 A JP 2000160069A JP 10342433 A JP10342433 A JP 10342433A JP 34243398 A JP34243398 A JP 34243398A JP 2000160069 A JP2000160069 A JP 2000160069A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料液によるベース塗料の調色を、塗料の性
能劣化を招くことなく、より容易にかつ正確に行い得る
手段を提供する。 【構成】 ベース塗料を劣化させない顔料希釈用組成液
の提供。及び、顔料原液等の高顔料濃度の粗調色用の顔
料液と、これを前記顔料希釈用組成液で希釈した低顔料
濃度の微調色用の顔料液とを併用するベース塗料の調
色。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無着色ベース塗料
を顔料液によって所望の色彩に調色する際、簡単に正確
な調色を可能にする顔料希釈用組成液、調色用顔料液セ
ット及び塗料調色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】着色塗料ユーザーは極めて多種多様な色
彩の着色塗料を選択して用いるため、その全てをユーザ
ーサイドに常備することは不可能である。このため従
来、一般的には、ユーザーが着色塗料使用の都度、色見
本等に基づき所望の色彩の着色塗料を指定して着色塗料
メーカーに発注し、受注したメーカーは白ベースとも呼
ばれるベース塗料と顔料原液とを特定の処方下に混合し
て着色塗料を製造し、ユーザーへ納品していた。
【0003】ところが、このような着色塗料の調達シス
テムでは、ユーザー及びメーカーにおける発/受注の事
務処理やデリバリー等に所定の時間を要するため、発注
からデリバリーの完了まで最低でも24時間程度を経過
するのが実情である。従ってこの間、ユーザーは無駄な
待機を余儀無くされていた。
【0004】かかる点から、近年、ユーザーが自らの店
舗内にベース塗料,各種色彩の顔料原液及び調色機器
(計量機や混合攪拌機等)を常備してユーザーサイドで
自由かつ迅速に着色塗料の製造(ベース塗料の調色)を
行いたい、との要求が出て来るに至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベース
塗料を希望通りに調色するには、精密な混合処方の実施
(特に、少量の顔料原液を例えば「7.15mL」等の
微小な計量単位で正確かつ安定した計量、混合を行うこ
と)が求められ、そのためには高価な高精度の調色機器
と、これを操作する熟練した調色作業員が必要である。
そして、調色の専業者でないユーザーにはこれらの機器
や作業員の準備がないため、ユーザーが自力で着色塗料
の正確な調色を行うことは困難であった。
【0006】一方、このような困難に鑑みて、一部の塗
料メーカーでは、顔料原液の顔料濃度を例えば通常の1
/10程度に低減させたものとして製造することによ
り、顔料原液の計量をスケール・アップさせ、結果的に
ユーザーによる顔料原液の計量,混合の誤差を小さくし
ようとする試みも見られる。
【0007】しかしこの場合、ベース塗料に対して低顔
料濃度の顔料原液を大量に混合することとなる。ところ
が、顔料原液の溶媒又は分散媒は、元々ベース塗料への
微量混合を前提として、ベース塗料組成との適合性(ベ
ース塗料の性能への影響)は余り考慮されていないの
で、顔料原液の大量混合により、調色の目的達成の引換
えに、塗料性能を犠牲にする恐れがあった。
【0008】そこで本発明は、高精度の調色機器を備え
ず、熟練作業員が居ない場合においてもベース塗料の正
確な調色を可能とし、かつ、調色による塗料性能の低下
も回避することを、解決すべき課題とする。
【0009】なお、上記のようなユーザー側における要
求に限らず、従来通りに塗料メーカー側で調色を実施す
る場合においても、高価な高精度の調色機器やこれを操
作する熟練調色作業員を必要としない塗料調色手段が提
供されれば、極めてメリットが大きいと考えられる。
【0010】
【着眼点】本願発明者は、40〜50種にも及ぶとされ
る多様な組成のベース塗料に対して平均的に最も適合し
た顔料希釈用組成液を開発すると共に、ベース塗料の調
色に際しては、高顔料濃度の粗調色用顔料液(例えば、
顔料原液)と、これを前記顔料希釈用組成液によって低
顔料濃度に希釈した微調色用顔料液とを併用する方式を
案出することにより、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、少なくとも増粘剤としてのHEC(ヒ
ドロキシエチルセルロース),ポリカルボン酸塩,ザン
サンガムのいずれか1種以上と、乾燥防止剤としてのア
ルキレングリコールを組成分として含む無色透明の組成
液であって、ベース塗料調色用に製造された顔料原液の
希釈に用いられる、顔料希釈用組成液である。
【0012】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
任意の色彩の顔料液につき、顔料濃度比が5:1〜5
0:1の範囲にある下記の粗調色用顔料液及び微調色用
顔料液からなり、これらがベース塗料調色用に併用され
る、調色用顔料液セットである。 (1)ベース塗料調色用に製造された顔料原液、又は該
顔料原液を第1発明に係る顔料希釈用組成液によって比
較的低倍率に希釈した顔料液である、高顔料濃度の粗調
色用顔料液。 (2)顔料原液を第1発明に係る顔料希釈用組成液によ
って比較的高倍率に希釈した顔料液である低顔料濃度の
微調色用顔料液。
【0013】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
着色塗料の調色に当たり、1種又は2種以上の色彩の顔
料液につき、前記第2発明に係る高顔料濃度の粗調色用
顔料液を大きな計量単位で用いたベース塗料の粗調色
と、前記第2発明に係る低顔料濃度の微調色用顔料液を
希釈倍率によってスケールアップされた計量単位で用い
たベース塗料の微調色とを行う、塗料調色方法である。
【0014】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
着色塗料の調色に当たり、1種又は2種以上の色彩の顔
料液につき、請求項2に記載の高顔料濃度の粗調色用顔
料液を大きな計量単位で用いたベース塗料の粗調色と、
請求項2に記載の低顔料濃度の微調色用顔料液を希釈倍
率によってスケールアップされた計量単位で用いたベー
ス塗料の微調色とを行う塗料調色方法であって、かつ前
記粗調色用顔料液及び微調色用顔料液の計量を、大小2
種の計量単位において正確な計量が可能な計量装置を用
いて行う、塗料調色方法である。
【0015】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明の顔料希釈用組成液は、顔料の良好な分散性と共に、
多様なベース塗料組成との適合性を考慮して開発された
ものであって、増粘及び顔料の沈降防止を主目的とした
HEC(ヒドロキシエチルセルロース),ポリカルボン
酸塩,ザンサンガムのいずれか1種以上からなる増粘剤
成分と、乾燥防止を主目的としたアルキレングリコール
成分とを配合したものである。
【0016】かかる組成分を配合することにより、多様
な溶媒組成を持つベース顔料に対して平均的に塗料性能
への悪影響が最も少ない希釈用組成液とすることができ
る。即ち、多様な溶媒組成を持つベース顔料に対して、
顔料の沈降防止,固結防止効果がある、調色への影
響が少ない、保存中に顔料を凝集させない、塗料塗
装時の塗装器具や塗装方法の違いによる発色の違いが少
ない、等の優れた効果により、塗料性能の劣化を更に顕
著に回避できる。
【0017】従って、この顔料希釈用組成液によって希
釈した顔料液を多様な組成のベース塗料の調色に用いる
ことにより、調色目的のための塗料性能の犠牲を可及的
に低減できる。
【0018】(第2発明及び第3発明の作用・効果)第
2発明及び第3発明においては、顔料原液等の高顔料濃
度の粗調色用顔料液を例えば「5.0mL」,「7.0
mL」等の大きな計量単位で少量用いることにより、ベ
ース塗料の粗調色(概ねの色調を整える調色)がなされ
る。即ち、例えば「7.15mL」等の小数点以下の微
小な計量単位にわたる計量,混合は要求されず、計量単
位が大きいので、高精度の調色機器や熟練作業員を欠く
場合においても、粗調色用顔料液の正確な計量,混合を
行い得る。
【0019】一方で、低顔料濃度の微調色用顔料液を希
釈倍率によってスケールアップされた計量単位で用いて
微調色(正確な色調を整える調色)がなされる。その
際、高精度の調色機器や熟練作業員を欠くと、やはり一
定の計量誤差を避け難いのであるが、この場合には、以
下の,の理由から、結果的に極めて正確な調色が確
保される。
【0020】正確な粗調色が規定された範囲内で、低
顔料濃度液により行う微調色であるため、その計量誤差
による調色のズレが、従来技術のような顔料原液自体の
計量誤差による調色のズレよりも、はるかに少ない。
【0021】しかも、低顔料濃度液自体が、その希釈
倍率分だけ計量単位がスケールアップされるので、前記
従来技術に比較して、高精度の調色機器や熟練作業員を
欠く場合にも正確な計量を期待できる。
【0022】そして、粗調色用顔料液(少量)による粗
調色の範囲内で微調色を行うため、微調色用顔料液も少
量の使用で済み、全体として顔料液(粗調色用顔料液+
微調色用顔料液)の混合量は少量となる。しかも、微調
色用顔料液は、上記の顔料希釈用組成液を用いて調製さ
れている。従って、顔料液の混合による塗料の性能劣化
や設計性能範囲外への逸脱は、実質的に無視できる程度
まで低減される。
【0023】以上の効果を更に具体例に即して説明する
と、高精度の調色機器や熟練作業員を欠く場合におい
て、例えばベース塗料に対して正確に「7.15mL」
の顔料原液相当分の顔料液を計量,混合して調色したい
時、顔料原液をそのまま計量しようとすると誤差が大き
くなり、かなり不正確な調色となる。
【0024】一方、前記のように顔料濃度を元々1/1
0に低減して市販されている顔料原液を用いると、その
使用量は「71.5mL」となり、計量単位が1ケタだ
けスケールアップされるから、その限りでは計量精度が
向上する。しかし、大量の顔料原液混入によるベース塗
料の性能劣化を避けることができない。
【0025】しかし第3発明によれば、例えば粗調色用
顔料液と微調色用顔料液との顔料濃度比が40:1とし
た場合、粗調色用顔料液を「7.0mL」、及び微調色
用顔料液を「0.15×40=6.0mL」計量すれば
足りる。即ち、両顔料液をいずれも1mL単位で計量す
れば良いから計量精度が著しく向上する。しかも両顔料
液の合計混合量は13mLにとどまり、かつ第1発明に
係る顔料希釈用組成液を用いているので、ベース塗料の
性能劣化が事実上起こらない。
【0026】(第4発明の作用・効果)着色塗料のユー
ザーが利用可能な比較的安価な各種調色機器の中にも、
その機構上、大小2種の計量単位において正確な計量が
可能な計量装置がある。
【0027】その機構の種類及び内容は限定されない
が、例えば、大容量と小容量の二通りの計量用ピストン
ポンプを備え、かつ、ゲージ等によってこれらのポンプ
の充填容量を、大容量ポンプでは大きな計量単位(5m
L単位,10mL単位等)毎に、小容量ポンプでは小さ
な計量単位(0.5mL単位,1mL単位等)毎に、正
確に調整可能なものがある。この場合、一旦充填容量が
設定されると、そのポンプにフルに充填するだけで、設
定量が正確に計量される。
【0028】かかる計量装置を含む調色機器を用いて第
3発明の調色方法を実施すると、粗調色用顔料液及び微
調色用顔料液のいずれについても、まず大容量ポンプ固
有の計量単位の整数倍の計量を1〜数回のポンプ作動に
よって行い、若し端数が出ても、その端数量の計量を小
容量ポンプ固有の小さな計量単位による1〜数回のポン
プ作動によって完了することができるので、非常に簡易
かつ正確に計量できることとなる。
【0029】そして、粗調色用顔料液の使用量は大きな
計量単位で規定されており、微調色用顔料液の使用量も
希釈倍率によってスケールアップされた計量単位で規定
されているので、両者の顔料液のいずれについても、上
記のような端数が出ないように、顔料液の使用量及び/
又は大容量ポンプの充填量を設定することが容易であ
り、仮に端数量が出ても、今度は小容量ポンプにより更
なる端数の出ない補足計量を簡単に行うことができる。
【0030】具体的に例示すれば、例えば粗調色用顔料
液と微調色用顔料液との顔料濃度比が40:1とした場
合、前記のように粗調色用顔料液を「7.0mL」、及
び微調色用顔料液を「0.15×40=6.0mL」計
量すれば足りるのであるが、ここで、粗調色用顔料液と
微調色用顔料液のいずれについても、例えば大容量ポン
プの充填量を5mL、小容量ポンプの充填量を0.5m
Lとして置くと、次のような操作要領となる。
【0031】即ち、粗調色用顔料液については大容量ポ
ンプを1回及び小容量ポンプを4回作動させれば、上記
「7.0mL」が自動的かつ正確に計量される。又、微
調色用顔料液については大容量ポンプを1回及び及び小
容量ポンプを2回作動させれば、上記「6.0mL」が
自動的かつ正確に計量される。
【0032】このような簡易かつ正確な計量は、若し従
来のように顔料原液をそのまま正確に「7.15mL」
計量して混合すべきこととされている場合には、困難で
ある。なぜならば、この場合、少なくとも小容量ポンプ
の充填容量を「0.05mL」単位、あるいはそれ以下
と言う極めて微小な単位にゲージ調整する必要があり、
そのためには、高価かつ精密な計量装置及び/又は熟練
した操作員が不可欠となるからである。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本願第1発明〜第3発明の
実施の形態について説明する。以下において単に「本発
明」と言うときは第1発明〜第3発明を一括して指して
いる。
【0034】〔顔料希釈用組成液〕顔料希釈用組成液
は、少なくとも、増粘剤としてのHEC,ポリカルボン
酸塩,ザンサンガム(キサンタンガム)のいずれか1種
以上と、乾燥防止剤としてのアルキレングリコールを組
成分として含むことにより、前記の優れた作用・効果を
得ることができる。
【0035】これらの組成分の組成比については、特段
に限定するものではないが、例えば次のようなものとす
ることができる。
【0036】 増粘剤 0.5〜 5.0重量% 乾燥防止剤 3.0〜20.0重量% 防腐剤 0.1〜 1.0重量% 防黴剤 0.1〜 1.0重量% 水 73.0〜96.3重量% 増粘剤としては、特にHECが、価格及び他の製品に使
用される原材料との比較による汎用性から、好ましい。
CMC(カルボキシメチルセルロース)やMC(メチル
セルロース)では耐水性や塗料の発色に難を生じる可能
性があり、ポリエチレンオキサイドでは沈効防止性能が
弱いために顔料沈効の恐れがあり、いわゆるポバールで
は耐水性の悪化が懸念され、ベントナイトでは粘性の一
つであるチクソ性が強く現れ過ぎる心配がある。
【0037】又、乾燥防止剤(溶剤)であるアルキレン
グリコールとしては特にEG(エチレングリコール)が
好ましいが、プロピレングリコール等も好ましく利用で
きる。EGには優れた凍結防止効果も期待できる。他の
溶剤については、モノアルコールは乾燥防止効果が弱
く、臭気の問題もある。グリコールエーテルでは臭気の
問題の他、塗膜の造膜性に影響が出る恐れがある。
【0038】顔料希釈用組成液には、その使用目的を阻
害しない限りにおいて、他の任意の組成分、例えば防腐
剤や防黴剤等を含んでも構わない。
【0039】又、顔料希釈用組成液は、無色透明の組成
液である。但し、完全に無色透明である必要はなく、顔
料原液の希釈液としてベース塗料の調色に用いられた際
に実質的に無視できる程度の有色あるいは不透明であっ
ても構わない。
【0040】〔調色用顔料液セット〕調色用顔料液セッ
トは、ベース塗料調色用に併用される高顔料濃度の粗調
色用顔料液と低顔料濃度の微調色用顔料液とからなる。
【0041】ここにおいて「併用」とは、要するに高顔
料濃度の粗調色用顔料液と低顔料濃度の微調色用顔料液
とがベース塗料調色の際に併用されれば足りるのであっ
て、これらが、更にはこれらとベース塗料とが、製造
時,販売時あるいは保管時等においてセット物として扱
われている必要はない。
【0042】〔粗調色用顔料液と微調色用顔料液〕粗調
色用顔料液は、顔料原液またはこれを第1発明の顔料希
釈用組成液によって比較的低倍率に希釈した、比較的高
顔料濃度の顔料液である。微調色用顔料液は、顔料原液
を第1発明の顔料希釈用組成液によって比較的高倍率に
希釈した、比較的低顔料濃度の顔料液である。
【0043】粗調色用顔料液と微調色用顔料液の相対的
な顔料濃度比は、基本的には制限されないが、5:1〜
50:1の範囲にあることが、ベース塗料の正確な調色
と塗料性能の維持とを両立させる点から、好ましい。
【0044】顔料原液を基準とした場合における粗調色
用顔料液と微調色用顔料液との絶対的な顔料濃度には限
定がないが、通常は、粗調色用顔料液が顔料原液と同一
あるいはその数分の1程度に前記の顔料希釈用組成液で
希釈した顔料濃度であり、微調色用顔料液は前記の顔料
希釈用組成液で更に粗調色用顔料液の5〜50倍に希釈
したものであることが好ましい。
【0045】〔顔料調色方法〕第3発明又は第4発明に
係る顔料調色方法において、高顔料濃度の粗調色用顔料
液を用いたベース塗料の粗調色と、低顔料濃度の微調色
用顔料液を用いたベース塗料の微調色とは、その順に経
時的に行っても良いし、逆の順に経時的に行っても良
く、又、同時に行う(ベース塗料に対して粗調色用顔料
液と微調色用顔料液を同時に混合する。あるいは、両者
の顔料液をそれぞれ計量後に混合した後、ベース塗料に
混合する)こともできる。
【0046】なぜなら、粗調色用顔料液と微調色用顔料
液とをそれぞれ計量することにより、結果的にベース塗
料に混入される顔料の量が正確に計量されると言う本発
明の効果は確保されるのであり、上記いずれの場合にお
いても、ベース塗料に対する顔料液混入量をあまり増大
させることなく、顔料原液等の高顔料濃度液のみによる
正確な調色の困難を解消すると言う効果は、同等に確保
されるからである。
【0047】又、この顔料調色方法は、通常は計量/混
合/攪拌の各工程を伴うが、これらの各工程について利
用する機械装置あるいは調色システムの種類は、必要に
適う限りにおいて第3発明では全く限定されない。第4
発明においては、例えば前記した特定のピストンポンプ
形式の計量装置を備えるもののように、その機構上、重
量基準又は容量基準で、大小2種の計量単位において正
確な計量が可能な計量装置であることを必要とする。
【0048】第3発明又は第4発明の実施に当たり、粗
調色用顔料液及び/又は微調色用顔料液の計量は、一般
的には容量基準の計量(容量目盛りによる顔料液の秤
量)に依ることが、作業速度等の面で優れているが、重
量基準の計量(重量による顔料液の秤量)に依っても構
わない。
【0049】
【実施例】〔実施例1:顔料希釈用組成液の配合例〕 実施例1として、顔料希釈用組成液の具体的な配合例を
次に示す。この配合例において、増粘剤の成分はヒドロ
キシエチルセルロースであり、乾燥防止剤の成分はエチ
レングリコール(EG)であり、防腐剤としては三重石
油(株)製の商品名「サンアイバック P」を用い、防
黴剤としては武田薬品工業(株)製の「コートサイド
SP」を用いた。
【0050】 増粘剤 2.0重量% 乾燥防止剤 10.0重量% 防腐剤 0.3重量% 防黴剤 0.3重量% 水 87.4重量% 〔実施例2:調色用顔料液セットの構成例〕実施例2と
して、高顔料濃度の粗調色用顔料液としての黒色,黄色
及び赤錆色の顔料原液と、これらをそれぞれ顔料希釈用
組成液を用いて所定倍率に希釈した調色用顔料液セット
の構成例を示す。
【0051】 イ)黒色顔料原液の配合例 顔料(カーボンブラック) 30重量% 水溶性アクリル樹脂 10重量% 助剤(主成分は分散媒であるEG) 20重量% 水 40重量% ロ)黄色顔料原液の配合例 顔料(黄色酸化鉄) 42重量% 水溶性アクリル樹脂 20重量% 助剤(主成分は分散媒であるEG) 14重量% 水 24重量% ハ)赤錆色顔料原液の配合例 顔料(ベンガラ) 42重量% 体質顔料(シリカ) 7重量% 水溶性アクリル樹脂 12重量% 助剤(主成分は分散媒であるEG) 22重量% 水 2重量% 上記のイ),ロ),ハ)の各色彩の顔料原液と、これら
をそれぞれ実施例1の顔料希釈用組成液で20倍に希釈
した低顔料濃度の微調色用顔料液とで、黒色,黄色及び
赤錆色の各色彩の調色用顔料液セットを構成した。
【0052】〔実施例3:着色塗料の調色例〕 (実施例3−1:使用した計量装置)実施例3において
は、ベース塗料に混合すべき粗調色用顔料液(顔料原
液)と微調色用顔料液とを計量するために、図1に示す
ような計量装置を用いた。
【0053】即ち、タンク1には定期的に内容液を攪拌
する攪拌羽根2が設けられ、かつ顔料液が収容されてい
る。タンク1は逆止弁3を介してピストンポンプ4に連
通されている。このピストンポンプ4は、所定の単位目
盛りを備えるゲージ5が付設されたポンプハンドル6を
備えている。
【0054】そして、指定された目盛りにゲージ5をセ
ットしたもとで、ポンプハンドル6を引上げると、ピス
トンポンプ4内に指定量の顔料液が充填される。次いで
ポンプハンドル6を押下げると、逆止弁3が働くことに
より、上記指定量の顔料液がベース塗料との混合のため
にノズル7から吐出される。
【0055】この計量装置においては、実際には、一つ
のタンク1に対して、大ポンプ(ゲージ目盛り5mL、
10〜150mL計量可能)と小ポンプ(ゲージ目盛り
0.2mL、0.2〜8mL計量可能)とがセットにな
って付設されている。更に、タンク1は、使用する各色
彩毎に、粗調色用顔料液が収容されたものと、微調色用
顔料液が収容されたものとの1対からなっている。
【0056】(実施例3−2:ベース塗料の配合)実施
例3において調色に供したベース塗料の配合は、以下の
通りである。消泡剤,分散剤及び湿潤剤は界面活性剤の
内から選択して利用した。
【0057】 合成樹脂エマルション(固形分50%) 60 重量% 酸化チタン 25 重量% 増粘剤 0.5重量% 造膜助剤 5 重量% 防腐剤 0.1重量% 消泡剤/分散剤/湿潤剤の合計 0.5重量% 水 8.9重量% (実施例3−3:ベース塗料の調色)上記配合のベース
塗料16kgに対して、(社)日本塗料工業会発行の塗
料用標準色見本帳におけるN−80の色彩とする調色を
行うため、上記の計量装置を備えた所定の調色設備によ
り、ベース塗料に対し、前記の黒色,黄色及び赤錆色の
粗調色用顔料液及び微調色用顔料液をそれぞれ以下の量
だけ計量、混合して攪拌した。なお、調色に要する各色
彩の顔料原液を重量で規定していたため、それを各色彩
に係る粗調色用顔料液及び微調色用顔料液の必要な計量
値に換算するに当たり、温度によるこれらの比重変化を
考慮した。
【0058】 色彩 所要顔料原液重量 顔料液種別 大/小ポンプ計測量 黒色 12.56g 粗調色 大:10 mL 小: 0 mL 微調色 大:20 mL 小: 1.8mL 黄色 13.44g 粗調色 大: 0 mL 小: 8 mL 微調色 大:35 mL 小: 2 mL 赤錆色 4.72g 粗調色 大: 0 mL 小: 2.6mL 微調色 大: 0 mL 小: 5.6mL その結果、上記の塗料用標準色見本帳におけるN−80
の色彩と正確に一致する調色を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した計量装置を一部切欠き状態で
示す図である。
【符号の説明】
4 ピストンポンプ 5 ゲージ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月7日(1999.10.
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 調色用顔料液セット及び塗料調色方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
フロントページの続き Fターム(参考) 4J037 AA30 CB04 CB09 CC02 EE28 FF15 4J038 BA022 BA032 JA20 JA48 JA52 KA06 KA08 KA09 MA08 NA24 NA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、増粘剤としてのHEC(ヒ
    ドロキシエチルセルロース),ポリカルボン酸塩,ザン
    サンガムのいずれか1種以上と、乾燥防止剤としてのア
    ルキレングリコールを組成分として含む無色透明の組成
    液であって、ベース塗料調色用に製造された顔料原液の
    希釈に用いられることを特徴とする顔料希釈用組成液。
  2. 【請求項2】 任意の色彩の顔料液につき、顔料濃度比
    が5:1〜50:1の範囲にある下記の粗調色用顔料液
    及び微調色用顔料液からなり、これらがベース塗料調色
    用に併用されることを特徴とする調色用顔料液セット。 (1)ベース塗料調色用に製造された顔料原液、又は該
    顔料原液を請求項1に記載の顔料希釈用組成液によって
    比較的低倍率に希釈した顔料液である、高顔料濃度の粗
    調色用顔料液。 (2)顔料液原液を請求項1に記載の顔料希釈用組成液
    によって比較的高倍率に希釈した顔料液である低顔料濃
    度の微調色用顔料液。
  3. 【請求項3】 着色塗料の調色に当たり、1種又は2種
    以上の色彩の顔料液につき、請求項2に記載の高顔料濃
    度の粗調色用顔料液を大きな計量単位で用いたベース塗
    料の粗調色と、請求項2に記載の低顔料濃度の微調色用
    顔料液を希釈倍率によってスケールアップされた計量単
    位で用いたベース塗料の微調色とを行うことを特徴とす
    る塗料調色方法。
  4. 【請求項4】 着色塗料の調色に当たり、1種又は2種
    以上の色彩の顔料液につき、請求項2に記載の高顔料濃
    度の粗調色用顔料液を大きな計量単位で用いたベース塗
    料の粗調色と、請求項2に記載の低顔料濃度の微調色用
    顔料液を希釈倍率によってスケールアップされた計量単
    位で用いたベース塗料の微調色とを行う塗料調色方法で
    あって、かつ、 前記粗調色用顔料液及び微調色用顔料液の計量を、大小
    2種の計量単位において正確な計量が可能な計量装置を
    用いて行うことを特徴とする塗料調色方法。
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