JP2000159897A - 高分子化合物の不良品分離方法 - Google Patents

高分子化合物の不良品分離方法

Info

Publication number
JP2000159897A
JP2000159897A JP33778798A JP33778798A JP2000159897A JP 2000159897 A JP2000159897 A JP 2000159897A JP 33778798 A JP33778798 A JP 33778798A JP 33778798 A JP33778798 A JP 33778798A JP 2000159897 A JP2000159897 A JP 2000159897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
polymer compound
defective
polymer
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33778798A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Noritomi
昭憲 乗富
Yoshihiro Tajiri
義裕 田尻
Masaru Kai
勝 甲斐
Toshihide Kihara
敏秀 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP33778798A priority Critical patent/JP2000159897A/ja
Publication of JP2000159897A publication Critical patent/JP2000159897A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】製造された製品の性質を定期的に迅速に判定し
て、不良品の発生量をきわめて少なくすることができる
分離方法を提供する。 【解決手段】連続的に高分子化合物を製造するプロセス
において、高分子化合物の性質を、400〜2500n
mの近赤外線領域における1ないし複数個の波長領域で
近赤外線の吸光度を測定して得られる測定データを微分
処理を行った上で、あらかじめ別の手段で測定分析した
重合体の諸性質に対して相関のある特定波長領域を多重
線形回帰法分析または部分最小二乗法により求められた
相関関係より得られたキャリブレーションカーブから、
高分子化合物の目的とする品質特性値を判定する高分子
化合物の不良品分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子化合物の製造工程
において、短時間に高分子化合物の諸性質を判定して、
正規品と不良品に自動的に分別する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続的に高分子化合物を製造する連続重
合プロセスでは重合条件を変更して製造グレードを変え
る時や、予期せぬ外乱により重合が安定しなかったりし
たときに、所望の製品とは異なった性質の製品が大量に
発生する。これらの製品が所望の性質と比べてどの程度
差が有り、正規品として使用できるのか、あるいは不良
品として処理しなければならないかという判断をするた
めには製造した製品の性質を知る必要がある。それらの
製品の性質を調べるにはそれぞれ特殊な測定装置が必要
であり、またそれらの測定のためにはあらかじめ前処理
をして測定装置にかけられるような試料にして分析する
必要がある。しかもこれらの測定方法は比較的長時間を
有し、測定項目も多岐にわたり、それらの性質の中で一
つでも規格から外れると不良品となるためすべての測定
項目のデータがそろわなければ製品の判定ができず、製
品の性質を判定してから正規品と不良品に分けることは
時間的に不可能であった。
【0003】そのため重合条件を変更して製品グレード
を変える時にはあらかじめ不良品が発生すると思われる
時間帯に製品を正規品サイロから不良品サイロに切り替
えて製造する必要がある。
【0004】正規品に不良品が少量でも混入すると、製
品全体が不良品となってしまうため、不良品の発生が予
想されるときはあらかじめ不良品サイロに切り替え、か
つ不良品の発生がなくなってからも安全のためしばらく
は正規品サイロに切り替えるのを遅らせているのが現状
である。
【0005】また予期せぬ外乱により重合が安定しなか
ったりして不良品が発生したときは、不良品の発生に気
が付いたときにはすでに不良品が正規品サイロに入って
しまっていることが多く、また事前に気が付いた場合で
も、製造した製品の性質がすべて正規品として使用でき
る範囲内に収まっているのか、あるいは製品の性質の一
部が規格から外れているのかをすぐに判断することはで
きないため、なんら問題のない製品であっても規格値か
らはずれているかも知れないと判断して不良品サイロに
入れなければならず、これらが大量の格外品を発生させ
る原因ともなっている。
【0006】最近になって高分子工業の分野に近赤外分
光を利用して、分子量の測定、残留モノマーの測定、共
重合ポリマーあるいは混合ポリマーの定量、重合度の測
定、結晶化度効果の測定などに利用するという試みが多
くなされている。
【0007】従来近赤外線スペクトルは極めて複雑な構
造を呈することが知られていたが、最近になって種々の
データ処理法が開発され、複雑なスペクトルの中から必
要とする情報を取り出せるようになってきたため近赤外
領域でも非常に強い吸収を有する水分の計測用機器に利
用されたり、でんぷんの糖化度の測定、ポリマーの重合
度・分子量・粘度の測定などの工業分野で利用されるよ
うになってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】製造された製品の性質
を定期的に迅速に判定して、しかも極めて短時間に判定
が行え、判定結果に基づいて、製品サイロを正規品と不
良品に切り替えることが可能であれば、不良品の発生量
をきわめて少なくすることが可能である。
【0009】
【発明を解決するための手段】本発明者らは高分子化合
物の近赤外線の吸光度を測定して得られる測定データを
微分処理を行った上で、あらかじめ別の手段で測定分析
した重合体の諸性質たとえば分子量、残留モノマー量、
重合度、結晶化度、重合体の密度、粘度、アイソタクチ
シチー指数、メルトインデックス、溶融流量、分子量、
分子量分布、メチル基含有量、剛性、降伏応力、耐応力
亀裂性、衝撃強さ、艶、透明度等に対して相関のある特
定波長領域を多量線形回帰分析により求められた相関関
係より得られたキャリブレーションカーブから、高分子
化合物の目的とする品質特性値を判定することが可能で
あることを見いだし、判定結果に基づいて迅速に不良品
を混入させることなく製品サイロと不良品サイロに製品
を分けていれることができる本発明に到達したものであ
る。
【0010】すなわち本発明は、少なくとも1基の不良
品を貯蔵するサイロを含む複数基の製品貯蔵サイロを有
する、連続的に高分子化合物を製造するプロセスにおい
て、高分子化合物の性質を、400〜2500nmの近
赤外線領域における1ないし複数個の波長領域で近赤外
線の吸光度を測定して得られる測定データを微分処理を
行った上で、あらかじめ別の手段で測定分析した重合体
の諸性質(例えば分子量、残留モノマー量、重合度、結
晶化度、重合体の密度、粘度、アイソタクチシチー指
数、メルトインデックス、溶融流量、分子量、分子量分
布、メチル基含有量、剛性、降伏応力、耐応力亀裂性、
衝撃強さ、艶、透明度等)に対して相関のある特定波長
領域を多重線形回帰法分析または部分最小二乗法により
求められた相関関係より得られたキャリブレーションカ
ーブから、高分子化合物の目的とする品質特性値を判定
して、その判定結果から得られた品質特性値と目標値と
の差を演算処理して、差があらかじめ設定した許容値内
であるときには正規品を貯蔵するサイロに送られ、許容
値を超えたときには自動的に不良品を貯蔵するサイロに
送られるような制御機能を有することを特徴とする高分
子化合物の不良品分離方法。また、本発明は、製造ライ
ンから自動サンプラにより時系列的にサンプリングして
得られる試料を自動的に近赤外分光光度計に送り、高分
子化合物の性質を、400〜2500nmの近赤外線領
域における1ないし複数個の波長領域で近赤外線の吸光
度を測定することを特徴とする高分子化合物の不良品分
離方法。さらに本発明は、製造ラインの中に組み込んだ
センサープローブを介して高分子化合物の性質を、40
0〜2500nmの近赤外線領域における1ないし複数
個の波長領域で近赤外線の吸光度を連続的に測定するこ
とを特徴とする高分子化合物の不良品分離方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本来、近赤外線は可視光(400
nm〜700nm)と中間赤外線(2500〜1000
0nm)の間の領域の波長の光であるが、高分子化合物
の諸性質のなかには色相のような可視光領域が大きく関
わる性質もあるので、本発明では近赤外線とは400n
mから2500nmにある波長の光を含めていう。
【0012】いずれにしろこの領域の光の波長はスペク
トルのピーク数が非常に少ないことが特徴であり、かつ
スペクトル強度は中間赤外線領域のスペクトルに比較し
て数十分の一の強度しかない。
【0013】また対象とする高分子化合物の種類によっ
て品質特性値と関連するスペクトルの範囲が異なるため
波長の領域には何ら限定しない。また波長領域は一つだ
けに限らず、複数の波長領域を選択できる。
【0014】本発明では分析目的の性質を400−25
00nmの近赤外線領域における1ないし複数個の波長
領域で近赤外線の吸光度を測定して得られる測定デー夕
を微分処理を行った上で、あらかじめ別の手段で測定分
析した重合体の諸性質(たとえば分子量、残留モノマー
量、重合度、結晶化度、重合体の密度、粘度、アイソタ
クチシチー指数、メルトインデックス、溶融流量、分子
量、分子量分布、メチル基含有量、剛性、降伏応力、耐
応力亀裂性、衝撃強さ、艶、透明度等)に対して相関の
ある特定波長領域を多重線形回帰法分析あるいは部分最
小二乗法分析により求められた相関関係より得られたキ
ャリブレーションカーブを用いて高分子化合物の目的と
する品質特性値を判定することができる。
【0015】たとえばポリエチレンやポリビニルアルコ
ールでは1800nm〜2200nm、ポリスチレンの
場合には1100nm〜2500nm近辺に特異的なピ
ークが現われることが知られている。
【0016】本発明のように短時間に多成分の分析を同
時に行い、製品から不良品を迅速に分離するためには、
近赤外線分光光度計の性能として、スキャン速度として
は毎秒1スキャン以上でかつ測定時間が1分以内の能力
であることが必要である。スキャン回数は測定条件や目
的とする品質特性値により異なり、さらにどの程度の精
度まで要求するかによっても異なるが、通常は1〜10
0回、好ましくは2〜50回である。
【0017】近赤外線分光光度計としては分散型あるい
はフーリエ変換機能の付いた近赤外線分光光度計であれ
ばより好ましい。測定して得られるスペクトルは通常L
ambert−Beerの法則の成り立たない非線型要
素の含まれたスペクトルであり、一次微分または2次微
分変換してから多変量ケモメトリクスの理論を応用し
て、高分子化合物の目的とする品質特性値を判定するこ
とができる機能を有するものであるか、あるいは別途品
質特性値を判定することができる機能を有する判定装置
が必要である。多変量ケモメトリクスの理論を応用する
ことにより、スペクトルの吸光度と高分子化合物の目的
とする品質特性値は一定の係数を有する関数で表わすこ
とが可能となる。
【0018】もちろんこれらの関数は高分子化合物の種
類により変わり、同じ高分子化合物でも目的とする品質
特性によっても変化する。また測定に用いる近赤外分光
光度計の種類によっても異なってくる。そのために、別
の手段で測定分析した重合体の諸性質(たとえば分子
量、残留モノマー量、重合度、結晶化度、重合体の密
度、粘度、アイソタクチシチー指数、メルトインデック
ス、溶融流量、分子量、分子量分布、メチル基含有量、
剛性、降伏応力、耐応力亀裂性、衝撃強さ、艶、透明度
等)に対して相関のある特定波長領域を多重線形回帰法
分析あるいは部分最小二乗法により求められた相関関係
より得られたキャリブレーションカーブをあらかじめ求
めておく必要がある。高分子化合物の目的とする品質特
性値を判定するためには近赤外分光光度計に内臓あるい
は結合された計算機で行われる。目的とする品質特性値
の判定は極めて短時間で行われる必要がある。通常は3
分以内好ましくは1分以内である。
【0019】分析値を解析して得られた判定結果に基づ
いてマニュアル運転で正規品と不良品のサイロ切り替え
を行うことは可能であるが、判定結果に基づいて自動運
転で正規品と不良品のサイロ切り替えを行うことが好ま
しい。そのためにも測定する時間が品質特性値が許容値
を超えた製品が正規品サイロに入る前に不良品サイロに
切り替えられる時間以内であることが好ましく、1分間
を超えない時間で目的とする品質特性値を判定する必要
がある。
【0020】試料の近赤外線スペクトルを測定する方法
としては、特に限定はせず、試料の形態に合った方法で
測定すれば良い。例えば近赤外線を試料に照射して、そ
の反射光を集める反射法、近赤外線を試料に透過させ
て、その透過光を集める透過法、近赤外線を試料に透過
した時に、その透過光と内部散乱光を集める内部散乱法
などが用いられる。高分子化合物は一般的に固体状のも
のが多く、固体状の高分子化合物では反射法により測定
することが好ましい。
【0021】試料は製造ラインから自動サンプラにより
時系列的にサンプリングして得られる試料を自動的に近
赤外分光光度計に送られて分析される。あるいは製造ラ
インのなかに組み込んだセンサプローブを光ファイバー
などを介して近赤外線の吸光度を連続的に測定すること
も好ましい。
【0022】本発明の高分子化合物としては連続重合プ
ロセスで製造される高分子化合物であれば特に限定しな
い。例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンな
どのα−オレフインの重合体あるいは共重合体を連続的
に製造するプロセス、スチレン、アクリロニトリル、塩
化ビニル、メチルメタクリレートの重合体や共重合体を
連続的に製造するプロセスが挙げられる。また、ブタジ
エンゴムやスチレンブタジエンゴム、イソプレンゴムを
連続的に製造するプロセス、さらにポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイ
ド、ボリプチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリフエニレンスルフイド、ポリエーテルス
ルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等
のエンジニアリングプラスチックを連続的に製造するプ
ロセスが挙げられる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。
【0024】実施例1 〔キャリブレーションカーブの作成〕ブタジエンゴムを
溶解したスチレンとアクリロニトリルの混合溶液を用い
て連続塊状重合法でABS樹脂を製造するプラントにお
いて、種々のABS樹脂のペレットをベレタイザーから
直接サンプリングした。ニレコ社より販売されている近
赤外分析計(NIRS6500)を用いてサンプリング
したABS樹脂ペレットを反射法によって近赤外線の吸
光度分析を行うと同時に、同じABS樹脂ペレットの性
質をそれぞれ通常の方法で測定して、相関のある特定波
長領域を部分最小二乗法分析によりキャリブレーション
カーブを求めた。これらの相関を求めた波長領域は、メ
ルトインデックス:1134〜1350nm、1500
〜1850nm、2000〜2100nmの3個の波長
領域を測定、引っ張り強度:1134〜1350nm、
1500〜1850nm、2000〜2100nmの3
個の波長領域を測定、アイゾット衝撃強度:1134〜
2500nmの波長領域を測定、色相:400〜530
nmの波長領域を測定、表面光沢:1134〜1350
nm、1500〜1850nmの2個の波長領域をそれ
ぞれ測定して求めた。代表例としてメルトインデック
ス、アイゾット衝撃強度、色相のキャリブレーションカ
ーブを図1〜図3に示す。
【0025】〔不良品の分離〕得られたキャリブレーシ
ョンカーブを用いて製造ラインから自動サンプラにより
時系列的にサンプリングして得られる試料を自動的に近
赤外分光光度計に送り、ABS樹脂のそれぞれの近赤外
線の吸光度測定を行ってから良品と不良品の判定をキャ
リブレーションカーブを用いて計算機で行い、ABS樹
脂のメルトインデックス、引っ張り強度、アイゾット衝
撃強度、色相、表面光沢に関する品質特性値を判定し
た。良品、不良品とも判定終了までの時間は1分以内で
あり、この製品に不良品が含まれている場合にはサイロ
を切り替えて分離することが十分できる。
【0026】実施例2 〔キャリブレーションカーブの作成〕ABS樹脂を製造
するプラントから、種々のABS樹脂のペレットをサン
プリングし、それらの物性を測定するとともに、サンプ
リングしたABS樹脂ペレットを反射法によって近赤外
線の吸光度分析を行った。相関のある特定波長領域を部
分最小二乗法分析により降伏強度、引っ張り伸び率、引
っ張り弾性率、曲げ強度、曲げ弾性率、表面硬度のキャ
リブレーションカーブを求めた。このうち代表例として
降伏強度、曲げ強度、表面硬度のキャリブレーションカ
ーブを図4〜図6に示す。
【0027】〔不良品の分離〕実施例1において製造ラ
インの中に光フアイバーに連結させたセンサプローブを
介してABS樹脂の近赤外線の吸光度を連続的に測定し
て良品と不良品の判定をキャリブレーシヨンカーブを用
いて計算機で行い、ABS樹脂の降伏強度、引っ張り伸
び率、引っ張り弾性率、曲げ強度、曲げ弾性率、表面硬
度に関して品質特性値を判定した。良品、不良品とも判
定終了までの時間は1分以内であり、この製品に不良品
が含まれている場合にはサイロを切り替えて分離するこ
とが十分できる。
【0028】実施例3 チーグラーナッタ触媒を用いて、連続塊状重合方法でプ
ロピレンとエチレンを共重合してプロピレン−エチレン
ランダム共重合体を製造するプラントにおいて、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体のペレットをペレタイ
ザーから直接サンプリングした。実施例1と同様にして
ニレコ社より販売されている近赤外分析計(NIRS6
500)を用いてサンプリングしたプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体ペレットを反射法によって近赤外線
の吸光度分析を行うとともにプロピレンエチレンランダ
ム共重合体のエチレン(EL)含有量を通常の方法で測
定して、相関のある特定波長領域を多重線形回帰法分析
により下記の式(数1)により相関関係をもとめた。
【0029】
【数1】EL(%)=K0+K(1)×L(λ1)+K(2)×L(λ2)
+・・・ Ki×L(λi) (ここでK0=定数、L(λi):i番目に相関のある微分波長
の吸光度、Ki:i番目の波数の回帰係数)
【0030】〔不良品の分離〕得られたキャリブレーシ
ョンカーブを用いて製造ラインから自動サンプラにより
時系列的にサンプリングして得られる試料を自動的に近
赤外分光光度計に送り、プロピレン−エチレンランダム
共重合体のそれぞれの近赤外線の吸光度測定を行ってか
らエチレン含有量に関して良品と不良品の判定を計算機
で行わせた。判定終了までの時間は1分以内であり、こ
の製品に不良品が含まれている場合にはサイロを切り替
えて分別することが十分できる。
【0031】実施例4 チーグラー触媒を用いて、気相連続重合方法でエチレン
とオクテンを共重合してエチレン共重合体を製造するプ
ラントにおいて、エチレン共重合体(LLDPE)のペ
レットをペレタイザーから直接サンプリングした。実施
例1と同様にしてそれらの物性を測定するとともに、サ
ンプリングしたLLDPEのペレットを反射法によって
近赤外線の吸光度分析を行つた。相関のある特定波長領
域を部分最小二乗法分析によりメルトインデックス、エ
チレン含有量、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度のキャ
リブレーションカーブを求めた。
【0032】〔不良品の分離〕得られたキャリブレーシ
ヨンカーブを用いて製造ラインから自動サンプラにより
時系列的にサンプリングして得られる試料を自動的に近
赤外分光光度計に送り、LLDPEのそれぞれの近赤外
線の吸光度測定を行ってから良品と不良品の判定を計算
機で行わせた。判定終了までの時間は1分以内であり、
この製品に不良品が含まれている場合にはサイロを切り
替えて分別することが十分できる。
【0033】
【発明の効果】近赤外線を物性測定に利用することによ
り、製造された製品の性質を定期的に迅速に判定して、
しかも極めて短時間に判定が行え、判定結果に基づい
て、製品サイロを正規品と不良品に切り替えることが可
能であれば、不良品の発生量をきわめて少なくすること
ができ、産業上優位である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるABS樹脂のメルトインデッ
クスのキャリブレーションカーブを示す。
【図2】実施例1におけるABS樹脂のアイゾット衝撃
強度のキャリブレーションカーブを示す。
【図3】実施例1におけるABS樹脂の色相のキャリブ
レーションカーブを示す。
【図4】実施例2におけるABS樹脂の降伏強度のキャ
リブレーションカーブを示す。
【図5】実施例2におけるABS樹脂の曲げ強度のキャ
リブレーションカーブを示す。
【図6】実施例2におけるABS樹脂の表面硬度のキャ
リブレーションカーブを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木原 敏秀 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 AA05 BB08 CC12 EE01 EE12 HH01 HH02 KK10 MM01 MM05 MM12 4J011 DB30 DB33 4J031 CA06 CE08 CF03 CG17 CG46 CG47

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1基の不良品を貯蔵するサイロ
    を含む複数基の製品貯蔵サイロを有する、連続的に高分
    子化合物を製造するプロセスにおいて、高分子化合物の
    性質を、400〜2500nmの近赤外線領域における
    1ないし複数個の波長領域で近赤外線の吸光度を測定し
    て得られる測定データを微分処理を行った上で、あらか
    じめ別の手段で測定分析した重合体の諸性質(例えば分
    子量、残留モノマー量、重合度、結晶化度、重合体の密
    度、粘度、アイソタクチシチー指数、メルトインデック
    ス、溶融流量、分子量、分子量分布、メチル基含有量、
    剛性、降伏応力、耐応力亀裂性、衝撃強さ、艶、透明度
    等)に対して相関のある特定波長領域を多重線形回帰法
    分析または部分最小二乗法により求められた相関関係よ
    り得られたキャリブレーションカーブから、高分子化合
    物の目的とする品質特性値を判定して、その判定結果か
    ら得られた品質特性値と目標値との差を演算処理して、
    差があらかじめ設定した許容値内であるときには正規品
    を貯蔵するサイロに送られ、許容値を超えたときには自
    動的に不良品を貯蔵するサイロに送られるような制御機
    能を有することを特徴とする高分子化合物の不良品分離
    方法。
  2. 【請求項2】製造ラインから自動サンプラにより時系列
    的にサンプリングして得られる試料を自動的に近赤外分
    光光度計に送り、高分子化合物の性質を、400〜25
    00nmの近赤外線領域における1ないし複数個の波長
    領域で近赤外線の吸光度を測定することを特徴とする請
    求項1記載の高分子化合物の不良品分離方法。
  3. 【請求項3】製造ラインの中に組み込んだセンサープロ
    ーブを介して高分子化合物の性質を、400〜2500
    nmの近赤外線領域における1ないし複数個の波長領域
    で近赤外線の吸光度を連続的に測定することを特徴とす
    る請求項1記載の高分子化合物の不良品分離方法。
  4. 【請求項4】測定する時間として品質特性値が許容値を
    超えた製品が正規品サイロに入る前に不良品サイロに切
    り替えられる時間以内であり、1分間を超えない時間で
    測定することを特徴とする請求項1ないし3に記載の高
    分子化合物の不良品分離方法。
  5. 【請求項5】吸光度測定が固体状の高分子化合物を反射
    により近赤外分光光度計を用いて測定することを特徴と
    する請求項1ないし3に記載の高分子化合物の不良品分
    離方法。
  6. 【請求項6】近赤外分光光度計が分散型近赤外分光光度
    計であることを特徴とする請求項1ないし3に記載の高
    分子化合物の不良品分離方法。
  7. 【請求項7】近赤外分光光度計がフーリエ変換式近赤外
    分光光度計であることを特徴とする請求項1ないし3に
    記載の高分子化合物の不良品分離方法。
JP33778798A 1998-11-27 1998-11-27 高分子化合物の不良品分離方法 Pending JP2000159897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33778798A JP2000159897A (ja) 1998-11-27 1998-11-27 高分子化合物の不良品分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33778798A JP2000159897A (ja) 1998-11-27 1998-11-27 高分子化合物の不良品分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000159897A true JP2000159897A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18311971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33778798A Pending JP2000159897A (ja) 1998-11-27 1998-11-27 高分子化合物の不良品分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000159897A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002090299A (ja) * 2000-09-11 2002-03-27 Opt Giken Kk 高分子材料のグレード識別方法
JP2002145966A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Mitsui Chemicals Inc 芳香族石油樹脂の製造方法
JP2004514902A (ja) * 2000-11-20 2004-05-20 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー ポリマーの予測方法
JP2006112996A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Yokogawa Electric Corp 近赤外分光分析装置
JP2010190746A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Institute Of National Colleges Of Technology Japan キチン結晶化度測定装置
JP2012515919A (ja) * 2009-01-21 2012-07-12 バイオコン・リミテッド シロリムスの安定性の決定方法およびその安定形態の調製方法
JP2014073917A (ja) * 2012-10-03 2014-04-24 Ube Ind Ltd セメント製造装置およびセメント製造方法
JP2014174056A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Japan Vam & Poval Co Ltd ビニルエステル共重合体の分析方法及び製造方法
JP2016538536A (ja) * 2013-11-19 2016-12-08 ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ 重合反応に係る制御パラメータを監視するための方法および該方法を実施するための関連する装置
JP2019086499A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 大日本印刷株式会社 検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法
JP2019151753A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 東ソー株式会社 脂肪族−芳香族石油樹脂の製造法
JP2019156889A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 東ソー株式会社 脂肪族−芳香族石油樹脂の製法
JP2019191085A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 異種ガムの混入を判定する方法、異種ガムの混入を判定するための装置、及び異種ガムの混入を判定するためのコンピュータプログラム
KR20190128189A (ko) * 2017-03-21 2019-11-15 아스터로프 리미티드 코팅 결정

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002090299A (ja) * 2000-09-11 2002-03-27 Opt Giken Kk 高分子材料のグレード識別方法
JP4581039B2 (ja) * 2000-09-11 2010-11-17 オプト技研株式会社 高分子材料のグレード識別方法
JP2002145966A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Mitsui Chemicals Inc 芳香族石油樹脂の製造方法
JP2004514902A (ja) * 2000-11-20 2004-05-20 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー ポリマーの予測方法
JP2006112996A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Yokogawa Electric Corp 近赤外分光分析装置
JP2012515919A (ja) * 2009-01-21 2012-07-12 バイオコン・リミテッド シロリムスの安定性の決定方法およびその安定形態の調製方法
JP2010190746A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Institute Of National Colleges Of Technology Japan キチン結晶化度測定装置
JP2014073917A (ja) * 2012-10-03 2014-04-24 Ube Ind Ltd セメント製造装置およびセメント製造方法
JP2014174056A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Japan Vam & Poval Co Ltd ビニルエステル共重合体の分析方法及び製造方法
JP2016538536A (ja) * 2013-11-19 2016-12-08 ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ 重合反応に係る制御パラメータを監視するための方法および該方法を実施するための関連する装置
JP2020511661A (ja) * 2017-03-21 2020-04-16 アステロープ リミテッドAsterope Ltd 被覆の判定
KR20190128189A (ko) * 2017-03-21 2019-11-15 아스터로프 리미티드 코팅 결정
US11808712B2 (en) 2017-03-21 2023-11-07 Tau Act Gmbh Coating determination
KR102639700B1 (ko) * 2017-03-21 2024-02-23 타우 액트 게엠바하 코팅 결정
JP2019086499A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 大日本印刷株式会社 検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法
JP7130944B2 (ja) 2017-11-07 2022-09-06 大日本印刷株式会社 検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法
JP2019151753A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 東ソー株式会社 脂肪族−芳香族石油樹脂の製造法
JP2019156889A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 東ソー株式会社 脂肪族−芳香族石油樹脂の製法
JP7087468B2 (ja) 2018-03-08 2022-06-21 東ソー株式会社 脂肪族-芳香族石油樹脂の製法
JP2019191085A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 異種ガムの混入を判定する方法、異種ガムの混入を判定するための装置、及び異種ガムの混入を判定するためのコンピュータプログラム
JP7171222B2 (ja) 2018-04-27 2022-11-15 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 異種ガムの混入を判定する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Camacho et al. NIR, DSC, and FTIR as quantitative methods for compositional analysis of blends of polymers obtained from recycled mixed plastic waste
JP2000159897A (ja) 高分子化合物の不良品分離方法
Santos et al. Monitoring and control of polymerization reactors using NIR spectroscopy
Coates et al. In-process vibrational spectroscopy and ultrasound measurements in polymer melt extrusion
Schimleck et al. Estimation of Pinus radiata D. Don tracheid morphological characteristics by near infrared spectroscopy
US8843324B2 (en) Double derivative NIR process control
Hernández-Fernández et al. Development and Application of a Principal Component Analysis Model to Quantify the Green Ethylene Content in Virgin Impact Copolymer Resins During Their Synthesis on an Industrial Scale
Barnes et al. Vibrational spectroscopic and ultrasound analysis for in-process characterization of high-density polyethylene/polypropylene blends during melt extrusion
Badji et al. Natural weathering of hemp fibers reinforced polypropylene biocomposites: Relationships between visual and surface aspects, mechanical properties and microstructure based on statistical approach
Hamielec Characterization of complex polymer systems by size exclusion chromatography-homopolymers with long chain branching and copolymers with composition drift
Millar et al. Near-infrared spectroscopic measurements of structural changes in starch-containing extruded products
Via et al. Assessment of pine biomass density through mid-infrared spectroscopy and multivariate modeling
CN104089923A (zh) 一种聚合物熔体性质的近红外光谱在线测量装置与方法
Barnes et al. Vibrational spectroscopic and ultrasound analysis for the in-process monitoring of poly (ethylene vinyl acetate) copolymer composition during melt extrusion
Lee et al. Rapid and nondestructive analysis of the ethylene content of propylene/ethylene copolymer by near-infrared spectroscopy
Camacho et al. Simultaneous determination of molecular weight and crystallinity of recycled HDPE by infrared spectroscopy and multivariate calibration
Chalmers et al. Polymer analysis and characterization by FTIR, FTIR-microscopy, Raman spectroscopy and chemometrics
Watari et al. Prediction of ethylene content in melt-state random and block polypropylene by near-infrared spectroscopy and chemometrics: comparison of a new calibration transfer method with a slope/bias correction method
Van Uum et al. Process analysis: properties of poly (ethylene terephthalate) measured by near infrared spectroscopy, 1. At‐line analysis of poly (ethylene terephthalate) chips
Jesus et al. Making wood inspection easier: FTIR spectroscopy and machine learning for Brazilian native commercial wood species identification
deGroot et al. Molecular structural characterization of polyethylene
Sanoria et al. Raman spectroscopy as a non-destructive tool to quantify the comonomer content in ethylene/1-olefin copolymers
Watari et al. Calibration models for the vinyl acetate concentration in ethylene-vinyl acetate copolymers and its on-line monitoring by near-infrared spectroscopy and chemometrics: use of band shifts associated with variations in the vinyl acetate concentration to improve the models
CN104089941B (zh) 一种聚合物熔体性质的拉曼光谱在线测量装置与方法
Fischer et al. Process analysis of polymers by NIR spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050301