JP2000159707A - ジエンを含有するオレフィン供給原料のヒドロホルミル化 - Google Patents
ジエンを含有するオレフィン供給原料のヒドロホルミル化Info
- Publication number
- JP2000159707A JP2000159707A JP11069099A JP6909999A JP2000159707A JP 2000159707 A JP2000159707 A JP 2000159707A JP 11069099 A JP11069099 A JP 11069099A JP 6909999 A JP6909999 A JP 6909999A JP 2000159707 A JP2000159707 A JP 2000159707A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- source
- group
- substituted
- ethylenically unsaturated
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C29/00—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
- C07C29/16—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by oxo-reaction combined with reduction
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C29/00—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
- C07C29/132—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group
- C07C29/136—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group of >C=O containing groups, e.g. —COOH
- C07C29/14—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group of >C=O containing groups, e.g. —COOH of a —CHO group
- C07C29/141—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group of >C=O containing groups, e.g. —COOH of a —CHO group with hydrogen or hydrogen-containing gases
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C29/00—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
- C07C29/36—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring increasing the number of carbon atoms by reactions with formation of hydroxy groups, which may occur via intermediates being derivatives of hydroxy, e.g. O-metal
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】a)Pdカチオン源、
b)アニオン源、
c)一般式Iの1以上の二座配位子源
R1R2M1RM2R3R1…(1)
[M1とM2は独立にP、As又はSb;Rは架橋部に
原子1〜4個を有する二価架橋基;R1とR2は独立に
置換/未置換のヒドロカルビル基又は一体となって2本
の結合手がM1に結合した2価の置換/未置換環状基;
R3とR4は独立に置換/未置換のヒドロカルビル基又
は一体となって2本の結合手がM2に結合した2価の置
換/未置換環状基を表す]、 d)塩化物、ヨウ化物、臭化物又はそれら混合物のハラ
イド源を有する触媒系の存在下に、エチレン不飽和基1
個を有する化合物を含む供給原料を液相で一酸化炭素お
よび水素と反応させるヒドロホルミル化方法を提供す
る。 【解決手段】エチレン不飽和供給原料がエチレン不飽和
化合物総量基準0.005〜5重量%の1以上のジエン
および/またはより高多重度の不飽和アルケンを含有
し、また触媒系成分bが18℃水溶液のpKa値−1〜
4の酸アニオン源を含む。
原子1〜4個を有する二価架橋基;R1とR2は独立に
置換/未置換のヒドロカルビル基又は一体となって2本
の結合手がM1に結合した2価の置換/未置換環状基;
R3とR4は独立に置換/未置換のヒドロカルビル基又
は一体となって2本の結合手がM2に結合した2価の置
換/未置換環状基を表す]、 d)塩化物、ヨウ化物、臭化物又はそれら混合物のハラ
イド源を有する触媒系の存在下に、エチレン不飽和基1
個を有する化合物を含む供給原料を液相で一酸化炭素お
よび水素と反応させるヒドロホルミル化方法を提供す
る。 【解決手段】エチレン不飽和供給原料がエチレン不飽和
化合物総量基準0.005〜5重量%の1以上のジエン
および/またはより高多重度の不飽和アルケンを含有
し、また触媒系成分bが18℃水溶液のpKa値−1〜
4の酸アニオン源を含む。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン不飽和化
合物を触媒存在下に一酸化炭素および水素と反応させる
ことで、該エチレン不飽和化合物をヒドロホルミル化す
る方法に関する。
合物を触媒存在下に一酸化炭素および水素と反応させる
ことで、該エチレン不飽和化合物をヒドロホルミル化す
る方法に関する。
【従来の技術】エチレン不飽和化合物のヒドロホルミル
化によるアルデヒドおよび/またはアルコールの生成
は、工業的にかなり重要である。その方法は、数十年に
わたって商業的に行われており、長年にわたって反応条
件、触媒系および装置の至適化に向けた多大なる開発研
究が行われてきた。収率および生成物選択性の向上に向
けて大幅な進歩があったが、その方法のさらなる改良が
やはり望まれている。本出願人のWO95/05354
では、触媒系が白金族金属カチオン源(好ましくはパラ
ジウムもしくは白金カチオン)、ハライドアニオン以外
のアニオン源、以下に定義の二座配位子源およびハライ
ドアニオン源を含有する助触媒を有してなるヒドロホル
ミル化方法が開示されている。該開示では、ハライドア
ニオンが存在することによって、その方法の活性および
選択性がかなり上昇すること、すなわちパラフィン生成
が抑制されることが示されている。しかしながら、その
触媒組成物はハライドイオン濃度のわずかな変動に対し
て感受性であるように思われ、それの正の効果は、カチ
オンに対するモル比が約0.4:1で鋭いピークとな
る。その後の本出願人の米国特許出願08/91898
1号(1997年8月27日出願)では、反応混合物の
総量に基づいて0.6重量%より多く、反応条件下での
溶解度限界以下の量で水を加えると、ハライドアニオン
に対する強力な共触媒として作用することが開示されて
いる。上記の従来の研究では、触媒組成物におけるアニ
オン源に関して、そのアニオンを発生する化合物、好ま
しくは18℃の水溶液で測定した場合にpKa値が3未
満である強酸、最も好ましくはメタンスルホン酸(pK
a=−1.9)、トリフルオロメタンスルホン酸(pK
a=−5.7)、tert−ブタンスルホン酸(pKa
=−1.2)などのスルホン酸誘導体を用いることがで
きることが示されている。
化によるアルデヒドおよび/またはアルコールの生成
は、工業的にかなり重要である。その方法は、数十年に
わたって商業的に行われており、長年にわたって反応条
件、触媒系および装置の至適化に向けた多大なる開発研
究が行われてきた。収率および生成物選択性の向上に向
けて大幅な進歩があったが、その方法のさらなる改良が
やはり望まれている。本出願人のWO95/05354
では、触媒系が白金族金属カチオン源(好ましくはパラ
ジウムもしくは白金カチオン)、ハライドアニオン以外
のアニオン源、以下に定義の二座配位子源およびハライ
ドアニオン源を含有する助触媒を有してなるヒドロホル
ミル化方法が開示されている。該開示では、ハライドア
ニオンが存在することによって、その方法の活性および
選択性がかなり上昇すること、すなわちパラフィン生成
が抑制されることが示されている。しかしながら、その
触媒組成物はハライドイオン濃度のわずかな変動に対し
て感受性であるように思われ、それの正の効果は、カチ
オンに対するモル比が約0.4:1で鋭いピークとな
る。その後の本出願人の米国特許出願08/91898
1号(1997年8月27日出願)では、反応混合物の
総量に基づいて0.6重量%より多く、反応条件下での
溶解度限界以下の量で水を加えると、ハライドアニオン
に対する強力な共触媒として作用することが開示されて
いる。上記の従来の研究では、触媒組成物におけるアニ
オン源に関して、そのアニオンを発生する化合物、好ま
しくは18℃の水溶液で測定した場合にpKa値が3未
満である強酸、最も好ましくはメタンスルホン酸(pK
a=−1.9)、トリフルオロメタンスルホン酸(pK
a=−5.7)、tert−ブタンスルホン酸(pKa
=−1.2)などのスルホン酸誘導体を用いることがで
きることが示されている。
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、予想に
反して、上記のような触媒組成物には、上記供給原料中
のエチレン不飽和化合物の総量に基づいて0.005重
量%からという非常に少量で、反応供給原料中に含まれ
るジエンおよび/またはさらにそれより多重度の高い不
飽和アルケンに対してかなり敏感であるという欠点があ
ることを認めた。後者、特にジエンは、触媒の金属(カ
チオン)と比較的安定な錯体を形成することから、反応
の進行を妨害することが認められた。すなわち、ジエン
は、強力ではあるが可逆的な触媒阻害剤であることが認
められた。ヒドロホルミル化反応をバッチ操作で行う場
合、供給原料中にジエンおよび/またはそれより多重度
の高い不飽和アルケンが存在すると、反応がかなり遅く
なる。ヒドロホルミル化反応を連続操作で行う場合、供
給原料中にそれらが存在すると、生産速度が非実用的に
低いものになる場合がある。WO95/05354に比
較的広く定義されているような、パラジウムに基づく触
媒組成物中のアニオンを注意深く選択することで、供給
原料中のオレフィン不飽和化合物の10重量%以下でジ
エンおよび/またはそれより多重度の高い不飽和アルケ
ンが存在する場合であっても、ヒドロホルミル化反応が
効率良く進行し得ることが認められた。本発明によれ
ば、そのアニオンは−1〜4のpKaを有する。
反して、上記のような触媒組成物には、上記供給原料中
のエチレン不飽和化合物の総量に基づいて0.005重
量%からという非常に少量で、反応供給原料中に含まれ
るジエンおよび/またはさらにそれより多重度の高い不
飽和アルケンに対してかなり敏感であるという欠点があ
ることを認めた。後者、特にジエンは、触媒の金属(カ
チオン)と比較的安定な錯体を形成することから、反応
の進行を妨害することが認められた。すなわち、ジエン
は、強力ではあるが可逆的な触媒阻害剤であることが認
められた。ヒドロホルミル化反応をバッチ操作で行う場
合、供給原料中にジエンおよび/またはそれより多重度
の高い不飽和アルケンが存在すると、反応がかなり遅く
なる。ヒドロホルミル化反応を連続操作で行う場合、供
給原料中にそれらが存在すると、生産速度が非実用的に
低いものになる場合がある。WO95/05354に比
較的広く定義されているような、パラジウムに基づく触
媒組成物中のアニオンを注意深く選択することで、供給
原料中のオレフィン不飽和化合物の10重量%以下でジ
エンおよび/またはそれより多重度の高い不飽和アルケ
ンが存在する場合であっても、ヒドロホルミル化反応が
効率良く進行し得ることが認められた。本発明によれ
ば、そのアニオンは−1〜4のpKaを有する。
【課題を解決するための手段】本発明は、 a)パラジウムカチオン源、 b)アニオン源、 c)下記式の1以上の二座配位子源 R1R2M1RM2R3R4 (I) [式中、M1およびM2は独立に、リン、ヒ素もしくは
アンチモン原子を表し;Rは架橋部に1〜4個の原子を
有する二価架橋基を表し;R1およびR2は独立に、置
換もしくは未置換のヒドロカルビル基を表すか、あるい
は一体となって、2本の自由結合手がM1に結合した2
価の置換もしくは未置換環状基を表し;R3およびR4
は独立に、置換もしくは未置換のヒドロカルビル基を表
すか、あるいは一体となって、2本の自由結合手がM2
に結合した2価の置換もしくは未置換環状基を表す]、
および d)塩化物、ヨウ化物および臭化物ならびにそれらの混
合物からなる群から選択されるハライド源を有してなる
触媒系の存在下に、1個のエチレン不飽和基を有する化
合物を含む供給原料を、液相で、一酸化炭素および水素
と反応させることで行われる該供給原料のヒドロホルミ
ル化方法において、前記エチレン不飽和供給原料が、供
給原料中のエチレン不飽和化合物の総量基準で0.00
5〜10重量%の量で1以上のジエンおよび/またはそ
れより多重度の高い不飽和アルケンを含有すること、な
らびに前記触媒系の成分b)が、18℃の水溶液で測定
されるpKa値が−1〜4である酸のアニオン源を含む
ことを特徴とする方法を定義するものである。
アンチモン原子を表し;Rは架橋部に1〜4個の原子を
有する二価架橋基を表し;R1およびR2は独立に、置
換もしくは未置換のヒドロカルビル基を表すか、あるい
は一体となって、2本の自由結合手がM1に結合した2
価の置換もしくは未置換環状基を表し;R3およびR4
は独立に、置換もしくは未置換のヒドロカルビル基を表
すか、あるいは一体となって、2本の自由結合手がM2
に結合した2価の置換もしくは未置換環状基を表す]、
および d)塩化物、ヨウ化物および臭化物ならびにそれらの混
合物からなる群から選択されるハライド源を有してなる
触媒系の存在下に、1個のエチレン不飽和基を有する化
合物を含む供給原料を、液相で、一酸化炭素および水素
と反応させることで行われる該供給原料のヒドロホルミ
ル化方法において、前記エチレン不飽和供給原料が、供
給原料中のエチレン不飽和化合物の総量基準で0.00
5〜10重量%の量で1以上のジエンおよび/またはそ
れより多重度の高い不飽和アルケンを含有すること、な
らびに前記触媒系の成分b)が、18℃の水溶液で測定
されるpKa値が−1〜4である酸のアニオン源を含む
ことを特徴とする方法を定義するものである。
【発明の実施の形態】好適なパラジウム源の例として
は、炭素数12以下のカルボン酸塩などのパラジウム
塩;例えば一酸化炭素もしくはアセチルアセトン酸塩と
のパラジウム錯体;あるいはイオン交換樹脂もしくは炭
素などの固体材料と結合したパラジウムのようなパラジ
ウム化合物がある。好ましいパラジウム源の例として
は、酢酸パラジウム(II)およびアセチルアセトン酸
パラジウム(II)がある。パラジウム化合物は、パラ
ジウムジベンジリデンアセトンおよびテトラキストリフ
ェニルホスフィンパラジウムなどの0価Pd化合物と酸
との反応によって、in situで形成することができる。
式Iの二座配位子、すなわち触媒系の成分c)では、少
なくともR1およびR 2、好ましくはR3およびR
4も、一体となって、二価の置換もしくは未置換環状基
を表すことが好ましい。式(I)の二座配位子では、M
1およびM2は好ましくは同一である。より好ましく
は、それらはいずれもリン原子であり、その場合配位子
はビスホスフィンである。Rによって表される架橋基に
おいて、代表的には全ての架橋基が炭素原子のものであ
る。しかしながら、1以上のSi、NおよびPが架橋に
存在していても良い。好ましくは架橋基は、2個もしく
は3個、より好ましくは2個の炭素原子を架橋部に有す
る。R2とともにR1によって表される二価(置換)環
状基は通常、5個以上の環原子を有し、好ましくは6〜
9個の環原子を有する。より好ましくはその環状基は、
8個の環原子を有する。置換基が存在する場合、その置
換基は通常、炭素数1〜4のアルキル基である。原則と
して、全ての環原子が炭素原子であるが、酸素原子また
は窒素原子などの1以上のヘテロ原子を環に有する2価
の環状基もあり得る。好適な2価環状基の例としては、
1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘプチレ
ン、1,3−シクロヘプチレン、1,3−シクロオクチ
レン、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオク
チレン、2−メチル−1,5−シクロオクチレン、2,
6−ジメチル−1,4−シクロオクチレンおよび2,6
−ジメチル−1,5−シクロオクチレンがある。好まし
い二価環状基は、1,4−シクロオクチレン、1,5−
シクロオクチレンおよびそれらのメチル(ジ)置換誘導
体から選択される。異なる二価環状基を有する配位子の
混合物も使用可能であり、その例としては1,4−シク
ロオクチレン基を有する配位子と1,5−シクロオクチ
レン基を有する配位子の混合物がある。式(I)の配位
子において、R1、R2、R3およびR4は独立に、炭
素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子または(C
1〜C4アルキル)アミノ基などの置換基によって置換
されていても良い。そのような置換基の例としては、エ
チル、イソプロピル、sec−ブチルおよびtert−
ブチルなどのアルキル基;シクロペンチルおよびシクロ
ヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニルおよびトリ
ルなどのアリール基;ヘキサメチレン基などの二価の基
などがある。しかしながら好ましくは、R3とR4とが
一体となって、二価の環状基、特にはR1とR2とで表
される基と同じ基を表し、その場合、各二価環状基の2
本の自由結合手は当然のことながら、それぞれM2およ
びM1に結合している。式(I)の好ましい二座配位子
としては、1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホ
スフィノ)エタン、1,2−ビス(1,5−シクロオク
チレンホスフィノ)エタンおよびそれらの混合物があ
る。二座配位子の製造については、公知の技術を参照す
ることができ、例えばGB−A−1127965号に開
示の方法がある。好ましくは、ハライドアニオンd)と
パラジウムa)との間のモル比は、0.02:1〜3:
1である。より好ましくは、ハライドアニオンとパラジ
ウムカチオンの間のモル比は、2:1以下、さらに好ま
しくは1:1未満、例えば0.02:1〜1:1であ
る。ハライドアニオン源としては、反応条件下でハライ
ドアニオンを発生させるいかなる化合物も使用可能であ
る。望ましくは、例えばHCl、HBrおよびHIなど
のハロゲン化水素ならびにNaCl、MgBr2、Zn
Cl2、ZnI2、KBr、RbCl、CsCl、Cs
I、MgI2およびCuClなどの金属ハロゲン化物の
ような無機化合物である。別の範疇の望ましいハライド
アニオン源は、反応媒体にハライドアニオンを提供する
ことができる含ハロゲン有機化合物から成る。好適なも
のとしては、例えば、トリアリールアルキルホスホニウ
ムクロライドなどの有機ホスホニウムハライド、ならび
に5−クロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、
2,3,5−トリヨード安息香酸、3,5−ジヨード安
息香酸のような5−ハロ安息香酸類、m−ハロフタル酸
類およびそれらのエステルなどの含ハロゲン芳香族化合
物がある。塩素アニオン源を含む助触媒が特に好まし
い。好ましくは、反応混合物の総量に基づいて0.6重
量%より多く、反応条件下での溶解度限界以下の量で水
も存在させる。より好ましくは水の量は、反応混合物総
量に基づいて0.7〜3.0重量%である。本発明によ
るアニオン源は、18℃の水溶液で測定した場合に、−
1〜4のpKa値を有する。好ましくは、アニオン源
は、下記式による酸である。 RXO3H2 (II) 式中、Xはリン、ヒ素またはアンチモンを表し、Rは置
換もしくは未置換のアルキルもしくはアリールまたはO
Hを表す。好ましいXはリンである。好ましいアニオン
源は、式(II)による酸の塩であっても良い。その塩
としては例えば、金属塩、アンモニウム塩およびホスホ
ニウム塩があり得る。本発明によるアニオン源の例とし
ては、リン酸、ホスフェート、ホスホネート、ベンゼン
ホスホン酸、tert−ブタンホスホン酸ならびに相当
するヒ素およびアンチモン化合物がある。触媒系の成分
b)は、pKa値が−1〜4のアニオン源以外に、メタ
ンスルホン酸(pKa=−1.9)、トリフルオロメタ
ンスルホン酸(pKa=−5.7)およびtert−ブ
タンスルホン酸(pKa=−1.2)などのpKa値が
−1より低いアニオン源を含んでいても良い。本発明に
よる触媒系の成分b)として、pKa値が−1〜4であ
るアニオン源のみを使用する場合と比較して、そのよう
な混合アニオン源を使用する利点は、反応温度が相対的
に低いことから明らかなように、相対的に高い活性を得
ることができ、しかも供給原料中のジエンの存在に対す
る耐性およびアルコール生産への高い選択性が維持され
るという点である。pKa値が−1〜4であるアニオン
源とそれより低いpKa値を有するアニオン源の効果的
な相対量は、1:20〜20:1の範囲、好ましくは
1:5〜5:1の範囲で変動し得る。触媒系を使用する
量はさほど重要ではなく、広い範囲で変動し得る。通
常、エチレン不飽和化合物1モル当たりのパラジウムの
量が10−8〜10−1、好ましくは10−7〜10
−2モル原子の範囲となるようにする。触媒系の成分の
量は、簡便には、パラジウム1モル原子当たり、0.5
〜10モル、好ましくは1〜6モルの二座配位子を用
い、アニオン源(すなわち成分b))の総量が0.5〜
15モル、好ましくは1〜8モルとなるように選択す
る。エチレン不飽和供給原料は好ましくは、1分子当た
り2〜30個、好ましくは4〜24個の炭素を有するも
の、またはそれの混合物である。本発明の方法におい
て、供給原料は、供給原料中のエチレン不飽和化合物の
総量に基づいて、0.005〜10重量%のジエンおよ
び/またはそれより多重度の高い不飽和アルキレン
(例:トリエンおよびテトラエン)を含む。本発明によ
る触媒系は、いかなる量のジエンおよび/またはそれよ
り多重度の高い不飽和アルケンの量が0.005重量%
以下であっても機能するが、本発明の利点は所定の範囲
内でこそ明らかである。より詳細にはその範囲は、0.
05〜5重量%、さらに詳細には0.05〜1重量%で
ある。本発明による供給原料中に存在するジエンおよび
/またはそれ以上の多重不飽和アルケンは共役および/
または非共役であることができ、好ましくは炭素数が4
〜30である。好ましくは、供給原料の主要部分は、炭
素数4〜24の内部モノオレフィンまたはそれらの混合
物を含むものである。そのようなオレフィン混合物は市
販されており、例えば、エチレンのオリゴマー化法と、
それに続く二重結合の異性化および不均化反応の生成物
として得られるオレフィン混合物がある。本発明の方法
においては、通常は1分子当たりの炭素数が6〜20で
ある直鎖内部オレフィンの混合物またはそのような混合
物の比較的近い蒸留留分であるこれらの内部オレフィン
は、高い割合および完全変換にてヒドロホルミル化する
ことができる。例としては、直鎖内部C6〜C8オレフ
ィンの混合物、直鎖内部C10〜C14オレフィンの混
合物がある。置換オレフィンも用いることができ、それ
には例えば、不飽和カルボン酸、そのような酸のエステ
ル(例:ペンテン酸メチル)またはカルボン酸の不飽和
エステル(例:酢酸アリル)などがある。所望に応じ
て、分岐オレフィンを用いることができるが、その場合
当然のことながら、ヒドロホルミル化生成物にも分岐構
造が含まれることになる。水素および一酸化炭素は、等
モル比または異なるモル比で供給することができる。例
えば、8:1〜1:4、代表的には4:1〜1:2の範
囲内の比とすることができる。好ましくはそれらは、
3:1〜1:2の範囲内の比で供給する。ヒドロホルミ
ル化は好適には、中等度の反応条件で行うことができ
る。従って、50〜200℃の温度が望ましく、好まし
い温度は70〜160℃の範囲である。500〜100
0kPaの範囲の反応圧力が好ましい。それより低い圧
力またはそれより高い圧力を選択することは可能である
が、あまり有利とは考えられない。さらに、それより高
い圧力では、特殊な装置を準備する必要がある。本発明
の方法においては、エチレン不飽和原料と生成するヒド
ロホルミル化生成物が、反応希釈剤として作用し得る。
従って、別の溶媒を使用する必要はない。しかしながら
簡便には、ヒドロホルミル化反応は、さらに溶媒の存在
下に行うことができる。そのような溶媒としては、例え
ばパラフィン類およびイソアルカン類などの飽和炭化水
素が望ましく、さらには、ブタノール、エチルヘキサノ
ール−1、ノナノール−1などの1分子当たり炭素数が
4〜10のアルコール類または通常はヒドロホルミル化
生成物として生成するアルコール、2,5,8−トリオ
キサノナン(ジグライム)、ジエチルエーテルおよびア
ニソールなどのエーテル類ならびにメチルブチルケトン
などのケトン類もある。EP−A−0495547によ
る方法のような従来のヒドロホルミル化方法では、使用
されるヒドロホルミル化触媒には、オレフィン、一酸化
炭素および溶媒としてのアルコールが関与する反応でエ
ステル形成の触媒作用もあったことから、溶媒としてア
ルコールを使用することは望ましくないと考えられる場
合が多かった。しかしながら、所望のヒドロホルミル化
生成物への高い選択性を考慮すると、本発明の触媒系に
よって、溶媒としてアルコールを使用することができ
る。不飽和原料が比較的低分子量である場合、すなわち
炭素数5〜7のエチレン不飽和化合物を使用する場合、
強い極性基を有する溶媒が特に好ましい。炭素数10〜
18のオレフィンのような比較的大きい分子量の不飽和
化合物のヒドロホルミル化の場合、通常は、比較的極性
の小さい不活性溶媒を使用することで十分である。スル
ホン類を含有するか実質的にスルホン類からなる溶媒が
好ましい。スルホン類が特に好ましく、例えばジメチル
スルホンおよびジエチルスルホンなどのジアルキルスル
ホン類ならびにスルホラン(テトラヒドロチオフェン−
1,1−ジオキサイド)、2−メチルスルホランおよび
2−メチル−4−エチルスルホランなどの環状スルホン
類などがある。スルホランは、非常に有効な溶媒である
ことがわかっている。溶媒混合物も使用可能であり、例
えば、アルコールなどのプロトン性溶媒とスルホンの混
合物などがある。本発明の方法で使用される溶媒の量は
かなり変動し得る。当業者であれば、各場合について、
必要な溶媒の至適量を決定することができる。以下、実
施例によって本発明を説明する。
は、炭素数12以下のカルボン酸塩などのパラジウム
塩;例えば一酸化炭素もしくはアセチルアセトン酸塩と
のパラジウム錯体;あるいはイオン交換樹脂もしくは炭
素などの固体材料と結合したパラジウムのようなパラジ
ウム化合物がある。好ましいパラジウム源の例として
は、酢酸パラジウム(II)およびアセチルアセトン酸
パラジウム(II)がある。パラジウム化合物は、パラ
ジウムジベンジリデンアセトンおよびテトラキストリフ
ェニルホスフィンパラジウムなどの0価Pd化合物と酸
との反応によって、in situで形成することができる。
式Iの二座配位子、すなわち触媒系の成分c)では、少
なくともR1およびR 2、好ましくはR3およびR
4も、一体となって、二価の置換もしくは未置換環状基
を表すことが好ましい。式(I)の二座配位子では、M
1およびM2は好ましくは同一である。より好ましく
は、それらはいずれもリン原子であり、その場合配位子
はビスホスフィンである。Rによって表される架橋基に
おいて、代表的には全ての架橋基が炭素原子のものであ
る。しかしながら、1以上のSi、NおよびPが架橋に
存在していても良い。好ましくは架橋基は、2個もしく
は3個、より好ましくは2個の炭素原子を架橋部に有す
る。R2とともにR1によって表される二価(置換)環
状基は通常、5個以上の環原子を有し、好ましくは6〜
9個の環原子を有する。より好ましくはその環状基は、
8個の環原子を有する。置換基が存在する場合、その置
換基は通常、炭素数1〜4のアルキル基である。原則と
して、全ての環原子が炭素原子であるが、酸素原子また
は窒素原子などの1以上のヘテロ原子を環に有する2価
の環状基もあり得る。好適な2価環状基の例としては、
1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘプチレ
ン、1,3−シクロヘプチレン、1,3−シクロオクチ
レン、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオク
チレン、2−メチル−1,5−シクロオクチレン、2,
6−ジメチル−1,4−シクロオクチレンおよび2,6
−ジメチル−1,5−シクロオクチレンがある。好まし
い二価環状基は、1,4−シクロオクチレン、1,5−
シクロオクチレンおよびそれらのメチル(ジ)置換誘導
体から選択される。異なる二価環状基を有する配位子の
混合物も使用可能であり、その例としては1,4−シク
ロオクチレン基を有する配位子と1,5−シクロオクチ
レン基を有する配位子の混合物がある。式(I)の配位
子において、R1、R2、R3およびR4は独立に、炭
素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子または(C
1〜C4アルキル)アミノ基などの置換基によって置換
されていても良い。そのような置換基の例としては、エ
チル、イソプロピル、sec−ブチルおよびtert−
ブチルなどのアルキル基;シクロペンチルおよびシクロ
ヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニルおよびトリ
ルなどのアリール基;ヘキサメチレン基などの二価の基
などがある。しかしながら好ましくは、R3とR4とが
一体となって、二価の環状基、特にはR1とR2とで表
される基と同じ基を表し、その場合、各二価環状基の2
本の自由結合手は当然のことながら、それぞれM2およ
びM1に結合している。式(I)の好ましい二座配位子
としては、1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホ
スフィノ)エタン、1,2−ビス(1,5−シクロオク
チレンホスフィノ)エタンおよびそれらの混合物があ
る。二座配位子の製造については、公知の技術を参照す
ることができ、例えばGB−A−1127965号に開
示の方法がある。好ましくは、ハライドアニオンd)と
パラジウムa)との間のモル比は、0.02:1〜3:
1である。より好ましくは、ハライドアニオンとパラジ
ウムカチオンの間のモル比は、2:1以下、さらに好ま
しくは1:1未満、例えば0.02:1〜1:1であ
る。ハライドアニオン源としては、反応条件下でハライ
ドアニオンを発生させるいかなる化合物も使用可能であ
る。望ましくは、例えばHCl、HBrおよびHIなど
のハロゲン化水素ならびにNaCl、MgBr2、Zn
Cl2、ZnI2、KBr、RbCl、CsCl、Cs
I、MgI2およびCuClなどの金属ハロゲン化物の
ような無機化合物である。別の範疇の望ましいハライド
アニオン源は、反応媒体にハライドアニオンを提供する
ことができる含ハロゲン有機化合物から成る。好適なも
のとしては、例えば、トリアリールアルキルホスホニウ
ムクロライドなどの有機ホスホニウムハライド、ならび
に5−クロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、
2,3,5−トリヨード安息香酸、3,5−ジヨード安
息香酸のような5−ハロ安息香酸類、m−ハロフタル酸
類およびそれらのエステルなどの含ハロゲン芳香族化合
物がある。塩素アニオン源を含む助触媒が特に好まし
い。好ましくは、反応混合物の総量に基づいて0.6重
量%より多く、反応条件下での溶解度限界以下の量で水
も存在させる。より好ましくは水の量は、反応混合物総
量に基づいて0.7〜3.0重量%である。本発明によ
るアニオン源は、18℃の水溶液で測定した場合に、−
1〜4のpKa値を有する。好ましくは、アニオン源
は、下記式による酸である。 RXO3H2 (II) 式中、Xはリン、ヒ素またはアンチモンを表し、Rは置
換もしくは未置換のアルキルもしくはアリールまたはO
Hを表す。好ましいXはリンである。好ましいアニオン
源は、式(II)による酸の塩であっても良い。その塩
としては例えば、金属塩、アンモニウム塩およびホスホ
ニウム塩があり得る。本発明によるアニオン源の例とし
ては、リン酸、ホスフェート、ホスホネート、ベンゼン
ホスホン酸、tert−ブタンホスホン酸ならびに相当
するヒ素およびアンチモン化合物がある。触媒系の成分
b)は、pKa値が−1〜4のアニオン源以外に、メタ
ンスルホン酸(pKa=−1.9)、トリフルオロメタ
ンスルホン酸(pKa=−5.7)およびtert−ブ
タンスルホン酸(pKa=−1.2)などのpKa値が
−1より低いアニオン源を含んでいても良い。本発明に
よる触媒系の成分b)として、pKa値が−1〜4であ
るアニオン源のみを使用する場合と比較して、そのよう
な混合アニオン源を使用する利点は、反応温度が相対的
に低いことから明らかなように、相対的に高い活性を得
ることができ、しかも供給原料中のジエンの存在に対す
る耐性およびアルコール生産への高い選択性が維持され
るという点である。pKa値が−1〜4であるアニオン
源とそれより低いpKa値を有するアニオン源の効果的
な相対量は、1:20〜20:1の範囲、好ましくは
1:5〜5:1の範囲で変動し得る。触媒系を使用する
量はさほど重要ではなく、広い範囲で変動し得る。通
常、エチレン不飽和化合物1モル当たりのパラジウムの
量が10−8〜10−1、好ましくは10−7〜10
−2モル原子の範囲となるようにする。触媒系の成分の
量は、簡便には、パラジウム1モル原子当たり、0.5
〜10モル、好ましくは1〜6モルの二座配位子を用
い、アニオン源(すなわち成分b))の総量が0.5〜
15モル、好ましくは1〜8モルとなるように選択す
る。エチレン不飽和供給原料は好ましくは、1分子当た
り2〜30個、好ましくは4〜24個の炭素を有するも
の、またはそれの混合物である。本発明の方法におい
て、供給原料は、供給原料中のエチレン不飽和化合物の
総量に基づいて、0.005〜10重量%のジエンおよ
び/またはそれより多重度の高い不飽和アルキレン
(例:トリエンおよびテトラエン)を含む。本発明によ
る触媒系は、いかなる量のジエンおよび/またはそれよ
り多重度の高い不飽和アルケンの量が0.005重量%
以下であっても機能するが、本発明の利点は所定の範囲
内でこそ明らかである。より詳細にはその範囲は、0.
05〜5重量%、さらに詳細には0.05〜1重量%で
ある。本発明による供給原料中に存在するジエンおよび
/またはそれ以上の多重不飽和アルケンは共役および/
または非共役であることができ、好ましくは炭素数が4
〜30である。好ましくは、供給原料の主要部分は、炭
素数4〜24の内部モノオレフィンまたはそれらの混合
物を含むものである。そのようなオレフィン混合物は市
販されており、例えば、エチレンのオリゴマー化法と、
それに続く二重結合の異性化および不均化反応の生成物
として得られるオレフィン混合物がある。本発明の方法
においては、通常は1分子当たりの炭素数が6〜20で
ある直鎖内部オレフィンの混合物またはそのような混合
物の比較的近い蒸留留分であるこれらの内部オレフィン
は、高い割合および完全変換にてヒドロホルミル化する
ことができる。例としては、直鎖内部C6〜C8オレフ
ィンの混合物、直鎖内部C10〜C14オレフィンの混
合物がある。置換オレフィンも用いることができ、それ
には例えば、不飽和カルボン酸、そのような酸のエステ
ル(例:ペンテン酸メチル)またはカルボン酸の不飽和
エステル(例:酢酸アリル)などがある。所望に応じ
て、分岐オレフィンを用いることができるが、その場合
当然のことながら、ヒドロホルミル化生成物にも分岐構
造が含まれることになる。水素および一酸化炭素は、等
モル比または異なるモル比で供給することができる。例
えば、8:1〜1:4、代表的には4:1〜1:2の範
囲内の比とすることができる。好ましくはそれらは、
3:1〜1:2の範囲内の比で供給する。ヒドロホルミ
ル化は好適には、中等度の反応条件で行うことができ
る。従って、50〜200℃の温度が望ましく、好まし
い温度は70〜160℃の範囲である。500〜100
0kPaの範囲の反応圧力が好ましい。それより低い圧
力またはそれより高い圧力を選択することは可能である
が、あまり有利とは考えられない。さらに、それより高
い圧力では、特殊な装置を準備する必要がある。本発明
の方法においては、エチレン不飽和原料と生成するヒド
ロホルミル化生成物が、反応希釈剤として作用し得る。
従って、別の溶媒を使用する必要はない。しかしながら
簡便には、ヒドロホルミル化反応は、さらに溶媒の存在
下に行うことができる。そのような溶媒としては、例え
ばパラフィン類およびイソアルカン類などの飽和炭化水
素が望ましく、さらには、ブタノール、エチルヘキサノ
ール−1、ノナノール−1などの1分子当たり炭素数が
4〜10のアルコール類または通常はヒドロホルミル化
生成物として生成するアルコール、2,5,8−トリオ
キサノナン(ジグライム)、ジエチルエーテルおよびア
ニソールなどのエーテル類ならびにメチルブチルケトン
などのケトン類もある。EP−A−0495547によ
る方法のような従来のヒドロホルミル化方法では、使用
されるヒドロホルミル化触媒には、オレフィン、一酸化
炭素および溶媒としてのアルコールが関与する反応でエ
ステル形成の触媒作用もあったことから、溶媒としてア
ルコールを使用することは望ましくないと考えられる場
合が多かった。しかしながら、所望のヒドロホルミル化
生成物への高い選択性を考慮すると、本発明の触媒系に
よって、溶媒としてアルコールを使用することができ
る。不飽和原料が比較的低分子量である場合、すなわち
炭素数5〜7のエチレン不飽和化合物を使用する場合、
強い極性基を有する溶媒が特に好ましい。炭素数10〜
18のオレフィンのような比較的大きい分子量の不飽和
化合物のヒドロホルミル化の場合、通常は、比較的極性
の小さい不活性溶媒を使用することで十分である。スル
ホン類を含有するか実質的にスルホン類からなる溶媒が
好ましい。スルホン類が特に好ましく、例えばジメチル
スルホンおよびジエチルスルホンなどのジアルキルスル
ホン類ならびにスルホラン(テトラヒドロチオフェン−
1,1−ジオキサイド)、2−メチルスルホランおよび
2−メチル−4−エチルスルホランなどの環状スルホン
類などがある。スルホランは、非常に有効な溶媒である
ことがわかっている。溶媒混合物も使用可能であり、例
えば、アルコールなどのプロトン性溶媒とスルホンの混
合物などがある。本発明の方法で使用される溶媒の量は
かなり変動し得る。当業者であれば、各場合について、
必要な溶媒の至適量を決定することができる。以下、実
施例によって本発明を説明する。
【実施例】300mLの磁気攪拌式ハステロイ(Hastel
oy)オートクレーブで実験を行った。オートクレーブに
供給原料を入れた。すなわちそれは、1,7−オクタジ
エン0.25mLまたは5.0mLを含むまたはそれを
含まないC11/C12のα−オレフィン類の混合物3
0mL(実施例1〜9);あるいはC6〜C9オレフィ
ンの総含有率が27.6重量%であり、ジエンの総含有
率が1重量%であり、硫黄含有率が0.09重量%であ
る沸点範囲85〜145℃のガソリン50mL(実施例
10および11)である。オートクレーブにはさらに、
エチルヘキサノール30mL、水0.5mLおよびスル
ホラン10mLを入れ、それに酢酸パラジウム(II)
0.25mmol、配位子である1,2−ビス(1,4
−シクロオクチレンホスフィノ)エタン(BCPE)
0.4mmol、アニオン0.5mmolおよびハライ
ド0.1〜0.3mmolを溶解させた。排気(flus
h)後、オートクレーブを一酸化炭素および水素で、そ
れぞれの分圧が2000kPaおよび4000kPaと
なるまで加圧した。その後、リアクタを密閉し、内容物
を所定の温度まで加熱し、供給原料の80重量%が変換
されるまで(オートクレーブ中の圧低下によって求めた
もの)、その温度に維持した。冷却後、リアクタの内容
物のサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーによっ
て分析して、(望ましくない)パラフィン生成率を、ア
ルコール主生成物の重量%として求めた。詳細について
は表Iに示してある。
oy)オートクレーブで実験を行った。オートクレーブに
供給原料を入れた。すなわちそれは、1,7−オクタジ
エン0.25mLまたは5.0mLを含むまたはそれを
含まないC11/C12のα−オレフィン類の混合物3
0mL(実施例1〜9);あるいはC6〜C9オレフィ
ンの総含有率が27.6重量%であり、ジエンの総含有
率が1重量%であり、硫黄含有率が0.09重量%であ
る沸点範囲85〜145℃のガソリン50mL(実施例
10および11)である。オートクレーブにはさらに、
エチルヘキサノール30mL、水0.5mLおよびスル
ホラン10mLを入れ、それに酢酸パラジウム(II)
0.25mmol、配位子である1,2−ビス(1,4
−シクロオクチレンホスフィノ)エタン(BCPE)
0.4mmol、アニオン0.5mmolおよびハライ
ド0.1〜0.3mmolを溶解させた。排気(flus
h)後、オートクレーブを一酸化炭素および水素で、そ
れぞれの分圧が2000kPaおよび4000kPaと
なるまで加圧した。その後、リアクタを密閉し、内容物
を所定の温度まで加熱し、供給原料の80重量%が変換
されるまで(オートクレーブ中の圧低下によって求めた
もの)、その温度に維持した。冷却後、リアクタの内容
物のサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーによっ
て分析して、(望ましくない)パラフィン生成率を、ア
ルコール主生成物の重量%として求めた。詳細について
は表Iに示してある。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/50 C07C 45/50 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 フレーデリツク・ヘンドリツク・フアン・ デル・ステーン オランダ国、1031・セー・エム・アムステ ルダム、バドハイスウエヒ・3 (72)発明者 ロベルト・モエネ オランダ国、1031・セー・エム・アムステ ルダム、バドハイスウエヒ・3
Claims (11)
- 【請求項1】a)パラジウムカチオン源、 b)アニオン源、 c)下記式の1以上の二座配位子源 R1R2M1RM2R3R4 (I) [式中、M1およびM2は独立に、リン、ヒ素もしくは
アンチモン原子を表し;Rは架橋部に1〜4個の原子を
有する二価架橋基を表し;R1およびR2は独立に、置
換もしくは未置換のヒドロカルビル基を表すか、あるい
は一体となって、2本の自由結合手がM1に結合した2
価の置換もしくは未置換環状基を表し;R3およびR4
は独立に、置換もしくは未置換のヒドロカルビル基を表
すか、あるいは一体となって、2本の自由結合手がM2
に結合した2価の置換もしくは未置換環状基を表す]、
および d)塩化物、ヨウ化物および臭化物ならびにそれらの混
合物からなる群から選択されるハライド源を有してなる
触媒系の存在下に、1個のエチレン不飽和基を有する化
合物を含む供給原料を、液相で、一酸化炭素および水素
と反応させることで行われる該供給原料のヒドロホルミ
ル化方法において、 前記エチレン不飽和供給原料が、供給原料中のエチレン
不飽和化合物の総量基準で0.005〜10重量%の量
で1以上のジエンおよび/またはそれより多重度の高い
不飽和アルケンを含有すること、ならびに前記触媒系の
成分b)が、18℃の水溶液で測定されるpKa値が−
1〜4である酸のアニオン源を含むことを特徴とする方
法。 - 【請求項2】 式(I)の二座配位子において、R1と
R2が一体となって、2本の結合手がM1に結合してい
る二価の置換もしくは未置換の環状基を表す請求項1に
記載の方法。 - 【請求項3】 式(I)の二座配位子において、M1と
M2がいずれもリンであり、RがCH2−CH2もしく
はCH2−CH2−CH2である請求項1または2に記
載の方法。 - 【請求項4】 式(I)の二座配位子において、R3と
R4によっておよび/またはR1とR2によって表され
る二価環状基がそれぞれ、環原子数6〜9個、好ましく
は8個のシクロアルケン基である請求項2または3に記
載の方法。 - 【請求項5】 pKa値が−1〜4であるアニオン源
が、下記式による酸である請求項1ないし4のいずれか
に記載の方法。 RXO3H2 (II) [式中、Xはリン、ヒ素またはアンチモンを表し、Rは
置換もしくは未置換のアルキルもしくはアリールまたは
OH、あるいはその塩を表す。] - 【請求項6】 Xがリンである請求項5に記載の方法。
- 【請求項7】 pKa値が−1〜4であるアニオン源
が、リン酸、ホスフェート、ホスホネート、ベンゼンホ
スホン酸、tert−ブタンホスホン酸ならびに相当す
るヒ素およびアンチモン化合物からなる群から選択され
る請求項5または6に記載の方法。 - 【請求項8】 触媒系の成分b)がさらに、pKaが−
1未満のアニオン源を有する請求項1ないし7のいずれ
かに記載の方法。 - 【請求項9】 ハライドd)が塩化物である請求項1な
いし8のいずれかに記載の方法。 - 【請求項10】 ハライドd)とカチオンa)との間の
モル比が、0.02:1〜3:1である請求項1ないし
9のいずれかに記載の方法。 - 【請求項11】 反応混合物の総量に基づいて0.6重
量%より多く反応条件下での溶解度限界以下の量で、好
ましくは反応混合物総量に基づいて0.7〜3.0重量
%で水を存在させる請求項1ないし10のいずれかに記
載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP98200827.8 | 1998-03-16 | ||
EP98200827 | 1998-03-16 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000159707A true JP2000159707A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=8233473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11069099A Pending JP2000159707A (ja) | 1998-03-16 | 1999-03-15 | ジエンを含有するオレフィン供給原料のヒドロホルミル化 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6156936A (ja) |
JP (1) | JP2000159707A (ja) |
CA (1) | CA2265318A1 (ja) |
DE (1) | DE69908457T2 (ja) |
ES (1) | ES2195505T3 (ja) |
SG (1) | SG75937A1 (ja) |
ZA (1) | ZA992025B (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005517726A (ja) * | 2002-02-19 | 2005-06-16 | シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー | エチレン性不飽和化合物のカルボニル化方法とその触媒 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19918284C1 (de) * | 1999-04-22 | 2000-12-14 | Celanese Chem Europe Gmbh | Verfahren zur Herstellung von sulfonierten Arylphosphinen |
JP4694787B2 (ja) * | 2002-03-11 | 2011-06-08 | ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー | 新規なホスオキソファイト配位子及びカルボニル化方法におけるそれらの使用 |
US7098369B2 (en) * | 2002-09-26 | 2006-08-29 | Shell Oil Company | Process for the production of primary alcohols |
CA2500095C (en) * | 2002-09-26 | 2011-10-18 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Process for the hydroformylation of an ethylenically unsaturated compound |
EP1554293B1 (en) * | 2002-10-15 | 2008-03-12 | Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation | Bis-chelating ligand and use thereof in carbonylation processes |
US20060173223A1 (en) * | 2004-03-24 | 2006-08-03 | De Weerd Jochem V | Method of increasing the carbon chain length of olefinic compounds |
US7858787B2 (en) | 2006-09-22 | 2010-12-28 | Shell Oil Company | Process for producing olefins |
GB2451325A (en) * | 2007-07-24 | 2009-01-28 | Shell Int Research | Hydroformylation process |
GB2462455A (en) * | 2008-08-06 | 2010-02-10 | Shell Int Research | Hydroformylation process |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1127965A (en) * | 1965-11-26 | 1968-09-25 | Shell Int Research | Ditertiary phosphines and application thereof as catalyst components for alcohol production |
SG45352A1 (en) * | 1991-01-15 | 1998-01-16 | Shell Int Research | Carbonylation of olefins |
US5288918A (en) * | 1992-09-29 | 1994-02-22 | Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation | Hydroformylation process |
SG55063A1 (en) * | 1993-08-19 | 1998-12-21 | Shell Int Research | Hydroformylation process |
US5675041A (en) * | 1995-01-18 | 1997-10-07 | Exxon Research & Engineering Company | Direct hydroformylation of a multi-component synthesis gas containing carbon monoxide, hydrogen, ethylene, and acetylene |
GB2306344A (en) * | 1995-10-25 | 1997-05-07 | Shell Int Research | Catalysed hydroformylation |
US6127582A (en) * | 1997-08-27 | 2000-10-03 | Shell Oil Company | Hydroformylation process |
-
1999
- 1999-02-23 US US09/256,600 patent/US6156936A/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-03-12 ZA ZA9902025A patent/ZA992025B/xx unknown
- 1999-03-13 SG SG1999001372A patent/SG75937A1/en unknown
- 1999-03-15 CA CA002265318A patent/CA2265318A1/en not_active Abandoned
- 1999-03-15 DE DE69908457T patent/DE69908457T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1999-03-15 ES ES99200792T patent/ES2195505T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1999-03-15 JP JP11069099A patent/JP2000159707A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005517726A (ja) * | 2002-02-19 | 2005-06-16 | シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー | エチレン性不飽和化合物のカルボニル化方法とその触媒 |
JP4801321B2 (ja) * | 2002-02-19 | 2011-10-26 | ルーサイト インターナショナル ユーケー リミテッド | エチレン性不飽和化合物のカルボニル化方法とその触媒 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69908457D1 (de) | 2003-07-10 |
ZA992025B (en) | 1999-09-27 |
SG75937A1 (en) | 2000-10-24 |
US6156936A (en) | 2000-12-05 |
DE69908457T2 (de) | 2004-05-13 |
ES2195505T3 (es) | 2003-12-01 |
CA2265318A1 (en) | 1999-09-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3744536B2 (ja) | ヒドロホルミル化方法 | |
EP0862546B1 (en) | Hydroformylation process | |
JP4204189B2 (ja) | グリセロールの水素化分解 | |
JP3233670B2 (ja) | オレフィンのカルボニル化方法 | |
EP0073961A1 (en) | Hydroformylation process using a rhodium complex catalyst with biphosphine monoxide ligands | |
JPH0140019B2 (ja) | ||
JP2000159707A (ja) | ジエンを含有するオレフィン供給原料のヒドロホルミル化 | |
JPH0544934B2 (ja) | ||
US5994591A (en) | Hydroformylation process | |
JPH0517213B2 (ja) | ||
US6020532A (en) | Process for the preparation of aldehydes employing catalyst compositions based on rhodium complexes containing diphosphine ligands | |
CA2256991A1 (en) | Process for preparing aldehydes | |
KR100280760B1 (ko) | 알데히드의 제조방법 | |
US7161043B2 (en) | Process for the carbonylation of ethylenically unsaturated compounds and bidentate diphosphine composition used in this process | |
US6127582A (en) | Hydroformylation process | |
GB2306344A (en) | Catalysed hydroformylation | |
GB2451325A (en) | Hydroformylation process | |
EP0943597B1 (en) | Hydroformylation of olefin feeds containing dienes | |
IE873116L (en) | Preparation of aldehydes. | |
US20040024258A1 (en) | Process for the carbonylation of ethylenically unsaturated compounds, bidentate diphosphine composition used in this process and a process for preparation of this bidentate diphosphine composition | |
JP2006509824A (ja) | 酸とモノtert−ホスフィン存在下のエチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090414 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090915 |